JP2014229543A - 導電性シートおよび導電性粘着シート - Google Patents

導電性シートおよび導電性粘着シート Download PDF

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Masanaga Tanabe
雅永 田邊
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Abstract

【課題】比較的屈曲性や伸張性が高く、比較的高い導電性を有する導電性シートであって、曲げたり伸ばしたりしても導電性が低下しにくい、導電性シートを提供する。【解決手段】導電性シート1は、全方向に導電性を有する導電性樹脂層2の単層構造を有し、配置対象面上に配置して使用する導電性シートであって、導電性樹脂層2は、1.5倍まで伸長したときの体積抵抗率の上昇率が87倍以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性シートおよび導電性粘着シートに関する。
従来、電磁波のシールドや固体の帯電防止に用いられるシートとして、各種の導電性シートが製造および販売されている。
導電性シートには、たとえば、銅やアルミニウムなどの金属を箔状にしたもの、PETシートなどのシート基材に蒸着などの方法で金属層を付加したもの、樹脂に金属粉末を混ぜ込んだ導電性ペーストをPETシートなどのシート基材に塗布したもの、PETなどで形成された繊維により作成された布にめっきを施したものなどがある。
特開2004−111394号公報
しかしながら、従来の導電性シートは、伸長性が非常に低い。そのため、導電性シートを固体の球面などの立体面や、たとえば上下からなる筐体の立体的(クランク形状や曲面等)な嵌合面などに張り付けると、導電性シートにしわが生じる。導電性シートにしわが生じると、導電性シートと立体面との間に隙間が生じ、その隙間から電磁波が漏洩する。また、導電性シートと立体面との間に生じた隙間部分については、導電性シートと立体面との間が導通されず、固体の帯電を防止することができない。
本発明の目的は、種々の形状の面に良好に粘着可能な屈曲性および伸長性を有し、屈曲時および伸長時に導電性の低下が少ない、導電性シートおよび導電性粘着シートを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る導電性シートは、全方向に導電性を有する導電性樹脂層の単層構造を有し、配置対象面上に配置して使用する導電性シートであって、前記導電性樹脂層は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率が87倍以下であることを特徴とする。
導電性シートは、導電性樹脂層の単層からなり、PETシートなどの基材を有していない。そのため、導電性シートは、比較的高い屈曲性および伸長性を発揮する。その結果、導電性シートを固体の種々の形状の面に沿わせて容易に、かつ、その面との間に隙間を生じることなく良好に貼着することができる。
また、導電性樹脂層は、全方向に導電性(等方性導電性)を有している。そして、導電性樹脂層は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率が87倍以下であり、伸長したときの導電性の低下が比較的少ない。そのため、導電性シートは、屈曲および/または伸長した状態で、固体や固体間の隙間を透過する電磁波を遮蔽する用途および/または固体の帯電防止の用途に好適に供することができる。
導電性樹脂層は、フレーク状の導電性粉末を含有することが好ましい。
これにより、導電性シートが屈曲および/または厚さ方向と交差する方向に伸長されたときの導電性の低下を抑制することができる。
また、導電性樹脂層は、導電性粉末の積層構造を有することが好ましい。
これにより、導電性シートの厚さ方向の導電性を良好に確保することができる。
導電性樹脂層は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1Ω・cm未満であることが好ましい。
1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1Ω・cm未満であれば、導電性シートを電磁波シールドまたは帯電防止の用途に好適に供することができる。
また、導電性樹脂層は、日本工業規格(JIS)C2318に定める伸度が150%以上であることが好ましい。
導電性樹脂層の伸度が150%以上であれば、導電性シートは、比較的高い屈曲性および伸長性を発揮することができるので、導電性シートを種々の形状の面に沿わせて容易に、かつ、その面との間に隙間を生じることなく良好に貼着することができる。
本発明の他の局面に係る導電性粘着シートは、前記導電性シートと、前記導電性シートの一方面上に形成され、粘着材および導電性フィラーを含有する導電性粘着層とを含む。
この導電性粘着シートは、前述した導電性シートと同様の作用効果を奏することができる。また、導電性粘着層を有しているので、導電性粘着シートを固体の表面に容易に貼りつけることができ、また、その固体の表面と導電性粘着シートとの間での電気的な導通を確保することができる。
本発明によれば、導電性シートを固体の種々の形状の面に沿わせて容易に、かつ、その面との間に隙間を生じることなく良好に貼着することができながら、導電性シートが伸長/屈曲状態においてもその導電性が確保されることにより、導電性シートを固体や固体間の隙間を透過する電磁波を遮蔽する用途および/または固体の帯電防止の用途に好適に供することができる。
導電性シートを厚さ方向に切断したときの断面を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、導電性シート1を厚さ方向に切断したときの断面を示す図である。
本実施形態による導電性シート1は、導電性樹脂層2および導電性粘着層3を有する。
導電性樹脂層2は、導電性粉末5を混合した樹脂4からなる。導電性樹脂層2は、膜厚約100μmのシート状に形成されている。
樹脂4は、平均分子量100,000以上のアクリルゴムである。この樹脂を膜厚100μmのシート形状に成型したときの日本工業規格(JIS)C2318に定める引張強度は120N/cmで伸度は300%である。
導電性粉末5は、フレーク状の銅の表面に、全体の約10質量%の銀がコーティングされた構成を有している。フレーク状は、扁平な円形状である。フレーク状の銅の表面に銀がコーティングされた導電性粉末5(以下、銀コート銅粉末5という。)は、たとえば、スタンプミル法により製造される。銀コート銅粉末5の50%粒径は、約40〜55μmであり、90%粒径は、約65〜100μmである。
導電性樹脂層2において、銀コート銅粉末5は、そのフレーク状の面が導電性樹脂層2の表面に沿って配向された状態で均一に分散されている。これにより、導電性シート1を屈伸させたときに、導電性樹脂層2の導電性を維持することができる。また、銀コート銅粉末5は、導電性樹脂層2の表面に垂直な方向に積層されている。そのため、導電性樹脂層2は、その厚さ方向に導電性を有する。また、導電性シート1がその表面に平行な方向に伸長されたときに、銀コート銅粉末5が互いに接触しつつスライドする。したがって、導電性シート1が伸長されたときに、所定の伸びまでは、銀コート銅粉末5同士が離間せず、導電性シート1の導電性を確保することができる。
銀コート銅粉末5の粒径が小さすぎると、導電性シート1の少しの伸びで、導電性シート1の導電性が極端に低下する。また、銀コート銅粉末5の粒径が大きすぎると、導電性シート1が屈曲されたときに、屈曲部分に銀コート銅粉末5が留まることができず、屈曲部分で銀コート銅粉末が互いに離間する。その結果、導電性が低下する。よって、スタンプミル法で製造された、50%粒径が約40〜55μmで、90%粒径が約65〜100μmのフレーク状の銀コード銅粉末5を採用することにより、屈曲および伸長の両方に対して、導電性樹脂層2の導電性の低下を抑制できる。
導電性粘着層3は、粘着剤6に、導電性フィラー7を混合して形成される。導電性粘着層3は、膜厚約20μmの層である。
粘着剤6は、たとえば、2液性の粘着剤で、主剤に、トーヨーケム株式会社の商品名「オリバイン BPS3713」、硬化剤に、トーヨーケム株式会社の商品名「オリバイン BHS8515」を使用する。導電性フィラー7には、たとえば、50%粒径が約25μmのニッケル粉末7を使用する。
導電性粘着層3は、導電性シート1が接着される固体の表面と導電性樹脂層2との間での導通が確保される導電性を有していればよいので、ニッケル粉末7の粒径が導電性樹脂層2の厚さにほぼ等しければよく、ニッケル粉末7同士が導電性粘着層3の表面に平行な方向に互いに接触している必要はない。固体の表面と導電性樹脂層2との間で導通が得られることにより、固体の表面と導電性樹脂層2との間を電磁波が透過することを抑制できる。また、固体の帯電を防止することができる。
導電性シート1は、次の5つの工程を含む方法により製造することができる。
(1)導電性ペーストの調整
樹脂4と希釈剤とが混合された樹脂溶液および銀コート銅粉末5を所定量、たとえば、樹脂溶液100質量部(アクリルゴム26〜30質量部および希釈剤70〜74質量部)および銀コート銅粉末200質量部を混合し、攪拌機でよく攪拌して導電性ペーストを調整する。希釈剤は、たとえば、トルエンである。
(2)導電性粘着剤の調整
粘着剤6、希釈剤およびニッケル粉末7を、所定量、たとえば、主剤100質量部、硬化剤5質量部、希釈剤50質量部およびニッケル粉末20質量部を混合し、攪拌機でよく攪拌して導電性粘着剤を調整する。希釈剤は、たとえば、トルエンである。
(3)導電性樹脂層2の形成
塗工機で、第1の離型紙(株式会社サンエー化研の商品名「エスケーセパレータ― SJA70」)の離型面に、導電性ペーストを約400μmの膜厚で塗布する。その後、これを熱風乾燥機で乾燥する。これにより、第1の離型紙の離型面上に、厚さ約100μmの導電性樹脂層2を形成する。塗工機には、トップリバースコーター、ファウンテン式スリットリバースコーター、ビートロールコーターなどが使用可能である。
(4)導電性粘着層3の形成
第1の離型紙上に形成した導電性樹脂層2の上(第1の離型紙と反対側)に、導電性粘着剤を約80μmの膜厚で塗布する。その後、これを熱風乾燥機で乾燥する。これにより、導電性樹脂層2の上に、厚さ約20μmの導電性粘着層3を形成する。
(5)離型紙のラミネート
導電性樹脂層2の上に形成された導電性粘着層3の上に、第2の離型紙を熱プレスしてラミネートする。このとき、導電性粘着層3に離型面が向くようにする。このように形成された積層物を室温で1週間放置し、その後、第1の離型紙を剥離する。
以上のように、導電性シート1は、導電性樹脂層2の単層からなり、PETシートなどの基材を有していない。そのため、導電性シート1は、比較的高い屈曲性および伸長性を発揮する。その結果、導電性シート1を固体の種々の形状の面に沿わせて容易に、かつ、その面との間に隙間を生じることなく良好に貼着することができる。
また、導電性樹脂層2は、全方向に導電性(等方性導電性)を有している。そして、導電性樹脂層2は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率が87倍以下であり、伸長したときの導電性の低下が比較的少ない。そのため、導電性シート1は、屈曲および/または伸長した状態で、固体や固体間の隙間を透過する電磁波を遮蔽する用途および/または固体の帯電防止の用途に好適に供することができる。
導電性樹脂層2は、フレーク状の銀コート銅粉末5を含有する。
これにより、導電性シート1が屈曲および/または厚さ方向と交差する方向に伸長されたときの導電性の低下を抑制することができる。
また、導電性樹脂層2は、銀コート銅粉末5の積層構造を有する。
これにより、導電性シート1の厚さ方向の導電性を良好に確保することができる。
導電性樹脂層2は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1Ω・cm未満である。
1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1Ω・cm未満であれば、導電性シート1を電磁波シールドまたは帯電防止の用途に好適に供することができる。
また、導電性樹脂層2は、日本工業規格(JIS)C2318に定める伸度が150%以上である。
導電性樹脂層2の伸度が150%以上であれば、導電性シート1は、比較的高い屈曲性および伸長性を発揮することができるので、導電性シート1を種々の形状の面に沿わせて容易に、かつ、その面との間に隙間を生じることなく良好に貼着することができる。
また、導電性樹脂層2のバインダ樹脂4として、伸度が樹脂単体(膜厚100μmの樹脂シート)で300%のアクリルゴムが採用されている。これにより、導電性シート1は、比較的高い屈曲性および伸長性を発揮することができる。また、引張強度が樹脂単体(膜厚100μmの樹脂シート)で120N/cmのアクリルゴムが採用されているので、導電性シート1は、比較的高い引張強度を発揮することができる。その結果、導電性シート1が屈曲および/または伸長によって破断されることを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態においては、樹脂4としてアクリルゴムを用いたが、アクリルゴム以外の比較的弾性の高い樹脂を用いてもよい。たとえば、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリウレタンでもよい。
導電性粉末5の形状としてのフレーク状には、鱗片状、扁平状、板状、薄片状といわれる形状も含まれる。平板な形状であればよく、その平面形状は特に限定されない。また、銅に銀がコーティングされたものに限らず、銅単体であってもよいし、銀単体であってもよい。また他の金属、たとえばニッケルであってもよいし、他の金属の組み合わせでコーティングされているものであってもよい。また、合金であってもよい。カーボングラファイトなど金属以外の導電性材料であってもよい。銀コーティングの割合は、全体の10質量%でなくてもよい。銀を多く用いると導電性粉末5の導電性が高まり、導電性シート1の導電性、ひいては、電磁波シールド性能が向上するが、コストが高くなる。コストと性能とを考慮して、適切なコーティング割合の導電性粉末5を選択すればよい。
導電性粉末5の製造方法は、必ずしもスタンプミル法である必要はない。また、導電性シート1を屈曲および/または伸長した場合の導電性の劣化が、目的の使用に耐えうる範囲で適宜適切な50%粒径または90%粒径の導電性粉末5を選択してもよい。
導電性樹脂層2を作成する場合に、溶剤は必ずしも混合されていなくてもよい。また、使用する樹脂4が溶解する溶剤であれば他の溶剤を使用してもよい。
導電性シート1の膜厚は、必ずしも100μmでなくてもよい。目的の使用に十分な強度と電磁波シールド性能、または導電性が得られれば、膜厚は特に限定されない。
導電性樹脂層2には、必要に応じて、添加剤を添加することができる。添加剤の例としては、難燃剤、レベリング剤、粘度調整剤等が挙げられる。
次に、より具体的な実施例について説明する。本発明は、本実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
樹脂に、株式会社トウペの商品名「EX−1345」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「10%AgコートC3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を実施例1とした。
「EX−1345」は、アクリルゴム26〜30%とトルエン70〜74%とを混合した溶液である。「EX−1345」のアクリルゴムの平均分子量は、約100,000である。「10%AgコートC3」は、銅の表面に、全体の10質量%の銀がコーティングされた導電性粉末であり、スタンプミル法により製造される。「10%AgコートC3」の粒子形状は、フレーク状であり、その50%粒径は、約40〜55μmで、90%粒径は、約65〜100μmである。
<実施例2>
樹脂に、株式会社トウペの商品名「EX−1345」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「3%AgコートE3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を実施例2とした。
「3%AgコートE3」は、銅の表面に、全体の3質量%の銀がコーティングされた導電性粉末であり、ボールミル法により製造される。「3%AgコートE3」の粒子形状は、フレーク状であり、その50%粒径は、約45〜65μmで、90%粒径は、約65〜135μmである。
<実施例3>
樹脂に、株式会社トウペの商品名「EX−1345」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「1%AgコートE3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を実施例3とした。
「1%AgコートE3」は、銅の表面に、全体の1質量%の銀がコーティングされた導電性粉末であり、ボールミル法により製造される。「1%AgコートE3」の粒子形状は、フレーク状であり、その50%粒径は、約45〜65μmで、90%粒径は、約65〜135μmである。
<実施例4>
樹脂に、DIC株式会社の商品名「タイフォース AD−865HV」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「10%AgコートC3」および商品名「10%Agコート3L3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を実施例4とした。
「タイフォース AD−865HV」は、ウレタン樹脂45〜55%と酢酸エチル45〜55%とを混合した溶液である。「タイフォース AD−865HV」のウレタン樹脂の平均分子量は、約2,000である。
「10%Agコート3L3」は、銅の表面に、全体の10質量%の銀がコーティングされた導電性粉末であり、スタンプミル法により製造される。「10%Agコート3L3」の粒子形状は、フレーク状であり、その50%粒径は、約7〜11μmで、90%粒径は、約13〜21μmである。
<比較例1>
樹脂に、DIC株式会社の商品名「タイフォース AD−865HV」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「10%AgコートC3」および商品名「10%Agコート3L3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を比較例1とした。
<比較例2>
樹脂に、東洋紡績株式会社の商品名「バイロマックス HR−16NN」を使用し、導電性粉末に、福田金属箔粉工業株式会社の商品名「10%AgコートC3」を使用して、表1に示す配合で導電性ペーストを調整した。この導電性ペーストを用いて、前述の製造方法により、導電性シートを作成した。これにより得られた試料を比較例2とした。
「バイロマックス HR−16NN」は、芳香族ポリアミドイミド樹脂14%とN−メチル−2−ピロリドン86%とを混合した溶液である。「バイロマックス HR−16NN」の芳香族ポリアミドイミド樹脂の平均分子量は、約15,000である。
実施例1〜4および比較例1,2の導電性シートを用いて、引張強度、伸度、体積抵抗率(導電性)およびシールド性能を以下のように評価した。
(1)引張強度(N/cm)
JIS C2318に準拠して測定を行った。
(2)伸度(%)
JIS C2318に準拠して測定を行った。
(3)体積抵抗率(Ω・cm)
表面抵抗計(三菱化学製 Loresta−GP MCP−T610)を用いて表面抵抗値を測定し、表面抵抗値および膜厚を用いて計算により体積抵抗率を算出した。
また、導電性シートを伸長した場合の体積抵抗率については、導電性シートを一方向に伸長した後、表面抵抗値を測定し、計算により体積抵抗率を算出した。
(4)シールド性能(dB)
KEC法により電界および磁界について測定した。
これらの評価結果を表1に示す。

Figure 2014229543
表1に示す結果から、実施例1の導電性シートは、実施例2〜4および比較例1,2の導電性シートと比較して、最も高い導電性(最も低い体積抵抗率)を有していることが判る。また、実施例1の導電性シートは、比較的高い伸度を有するとともに、容易に破断することのない引張強度を有していることが判る。したがって、実施例1の導電性シートは、固体の種々の形状の表面に沿わせた状態に配置して使用することができる。
さらに、実施例1の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が、2.7×10−3Ω・cmであり、1.5倍に伸長しても、高い導電性を維持していることが判る。また、伸長していないときの体積抵抗率は、5.0×10−4Ω・cmであるので、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率は5.4倍であり、1.5倍までの伸長であれば、導電性の低下が比較的小さいことが判る。したがって、実施例1の導電性シートは、高いシールド性能を必要とする電磁波シールドに好適に供することができる。
実施例2の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が、4.3×10−2Ω・cmである。また、伸長していないときの体積抵抗率は、9.4×10−3Ω・cmであるので、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率は4.6倍である。実施例2の導電性シートは、特別高いシールド性能を必要としない電磁波シールドや帯電防止の用途に好適であり、屈曲性および伸長性が高いため、固体の種々の形状の表面に沿わせた状態に配置して使用することができる。
実施例3の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が、1.4×10−1Ω・cmである。また、伸長していないときの体積抵抗率は、3.5×10−2Ω・cmであるので、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率は4.0倍である。実施例3の導電性シートは、特別高いシールド性能を必要としない電磁波シールドや帯電防止の用途に好適であり、屈曲性および伸長性が高いため、固体の種々の形状の表面に沿わせた状態に配置して使用することができる。
実施例4の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が、2.6×10−1Ω・cmである。また、伸長していないときの体積抵抗率は、9.4×10−3Ω・cmであるので、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率は27.7倍である。実施例4の導電性シートは、特別高いシールド性能を必要としない電磁波シールドや帯電防止の用途に好適であり、屈曲性および伸長性が高いため、固体の種々の形状の表面に沿わせた状態に配置して使用することができる。
比較例1の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1.4Ω・cmである。また、伸長していないときの体積抵抗率は、1.6×10−2Ω・cmであるので、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率は87.5倍である。比較例1の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が高いため、電磁波シールドの用途に供することはできない。また、比較例1の導電性シートは、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率が大きいので、伸長状態では、帯電防止の用途にも供することができない。
比較例2の導電性シートは、導電性が低く、電磁波シールドおよび帯電防止のいずれの目的にも使用不可能である。また、比較例2の導電性シートは、その伸度が小さいため、伸長して使用することができない。
1 導電性シート
2 導電性樹脂層
3 導電性粘着層
4 アクリルゴム(樹脂)
5 銀コート銅粉末(導電性粉末)
6 粘着剤
7 ニッケル粉末(導電性フィラー)

Claims (6)

  1. 全方向に導電性を有する導電性樹脂層の単層構造を有し、配置対象面上に配置して使用する導電性シートであって、
    前記導電性樹脂層は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率の上昇率が87倍以下であることを特徴とする、導電性シート。
  2. 前記導電性樹脂層は、フレーク状の導電性粉末を含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電性シート。
  3. 前記導電性樹脂層は、前記導電性粉末の積層構造を有することを特徴とする、請求項2に記載の導電性シート。
  4. 前記導電性樹脂層は、1.5倍に伸長したときの体積抵抗率が1Ω・cm未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性シート。
  5. 前記導電性樹脂層は、日本工業規格(JIS)C2318に定める伸度が150%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性シートと、
    前記導電性シートの一方面上に形成され、粘着材および導電性フィラーを含有する導電性粘着層とを含むことを特徴とする、導電性粘着シート。
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