JP2014229393A - 非水二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクル特性及び高温保存特性に優れた非水二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】電池を40℃以上80℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下の熱処理を行う。非水電解液は式(1)及び(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水二次電池の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量で且つ高容量の非水二次電池が必要とされるようになってきた。そして、非水二次電池には、その適用機器の広がりなどに伴って、高容量化と共に各種の電池特性を向上させることが求められている。
こうした非水二次電池の電池特性を向上させる方法として、非水二次電池が有する非水電解液に各種の添加剤を含有させる方法が知られている。例えば、特許文献1には、非水電解液に特定のホスホン酸エステル化合物を含有させることによって、非水二次電池の充放電サイクル特性及び高温保存特性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、非水電解液に1,3−ジオキサンとスルホン酸エステル化合物とを含有させることによって、非水二次電池の充放電サイクル特性及び高温保存特性を向上させる技術が開示されている。
上記以外にも、非水電解液を電池容器内に注入して密閉した後に、エージングと称される熱処理工程を導入することで、電池特性を向上させる方法が知られている。例えば、特許文献3及び4には、電池を40℃以上90℃以下の温度で熱処理することにより、非水二次電池の充放電サイクル特性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献5には、電池を、充電深度が15〜30%の状態で30℃以下の低温環境下で熱処理した後、充電深度50〜100%の状態で40℃以上80℃以下の高温環境下で熱処理することにより、非水二次電池の電池特性を向上させる技術が提案されている。
特開2008−262908号公報 特開2009−140919号公報 特開2000−340262号公報 特開2004−319325号公報 特開2004−95463号公報
しかしながら、上記各特許文献で提案されている方法では、電池特性、特に充放電サイクル特性や高温保存特性は十分ではなく、未だ改良の余地がある。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、充放電サイクル特性及び高温保存特性に優れた非水二次電池の製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の非水二次電池の製造方法は、正極、負極及び非水電解液を含む非水二次電池の製造方法であって、上記正極及び上記負極を収容した電池容器内に上記非水電解液を注入する注液工程と、上記非水電解液が注入された上記電池容器を、40℃以上80℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下の熱処理を行う熱処理工程と、を含み、上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物及び下記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
Figure 2014229393
上記一般式(1)中、nは0〜6の整数であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素1〜12の炭化水素基であり、R1、R2及びR3のうちの少なくとも一つはアルキニル基を表す。
Figure 2014229393
上記一般式(2)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。
本発明によれば、充放電サイクル特性及び高温保存特性に優れた非水二次電池を製造できる。
図1は、非水二次電池の一例を模式的に表す図であり、図1Aは平面図、図1Bは断面図である。 図2は、非水二次電池の一例を示す斜視図である。 図3は、電池試験及びSi溶出試験の結果を示す図である。
本発明の非水二次電池の製造方法は、正極、負極及び非水電解液を含む非水二次電池の製造方法であって、上記正極及び上記負極を収容した電池容器内に上記非水電解液を注入する注液工程と、上記非水電解液が注入された上記電池容器を、40℃以上80℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下の熱処理を行う熱処理工程と、を含み、上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物及び下記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
Figure 2014229393
上記一般式(1)中、nは0〜6の整数であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素1〜12の炭化水素基であり、R1、R2及びR3のうちの少なくとも一つはアルキニル基を表し、少なくともR3がアルキニル基であることが好ましい。
Figure 2014229393
上記一般式(2)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。
ここで、上記リン酸エステル化合物及び上記ホスホン酸エステル化合物(以下、これらをまとめて単に添加剤ともいう。)を非水電解液に含有させることによる効果について以下に説明する。
上記添加剤は、非水電解液の主成分である有機溶媒や他の電解質よりも酸化反応を起こしやすいため、電池の初期の充電時に、上記添加剤が正極表面で優先的に反応し、その反応生成物が正極活物質の表面に堆積する。この堆積物からなる膜(堆積膜)による正極活物質表面の被覆効果によって、その後の充放電が行われる際に、正極表面と非水電解液との直接の接触が妨げられ、非水電解液の分解反応が抑制される。その結果、電池の充放電サイクル特性の低下を抑制できる。また、負極においても、電池の初期の充電時に、上記添加剤によって負極活物質表面に被膜が形成されるが、この被膜は、熱安定性が高く抵抗が小さいため、高温保存下において被膜が分解しにくく、抵抗増加が抑制できる。その結果、電池の高温保存特性を向上できる。さらに、上記添加剤は、三重結合を有する化合物であるため、非水電解液に上記添加剤を含有させることで、緻密で耐熱性の高い膜を形成しやすい。
上記熱処理工程における熱処理温度は、40℃以上80℃以下の範囲で設定すればよいが、特に好ましいのは50℃以上70℃以下である。熱処理温度が40℃未満では、正極活物質表面の不活性化が不十分となり、過充電時の安全性が低下する傾向にあり、80℃を超えると、正極活物質及び負極活物質の表面に不均質な厚い被膜が形成され、電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル特性や耐熱性が低下する傾向にある。
上記熱処理工程における熱処理時間は、2時間以上50時間以下の範囲内で、熱処理温度などに応じて適宜決定すればよいが、より好ましいのは3時間以上である。熱処理時間が短くなると、電池特性の改善効果が得られにくくなるためである。一方、熱処理時間が長くなると、電池特性の更なる改善効果が低下する傾向にあり、また、量産性が低下することから、熱処理時間は、25時間以下が好ましく、5時間以下とするのがより好ましい。
上記熱処理工程の前、又は、上記熱処理工程中に、電池を充電することが好ましい。電池を充電することにより添加剤による被膜の形成が促進されるので、熱処理工程の前、又は、熱処理工程中に充電を行うと、電池の組み立て工程のできるだけ早い段階で被膜が形成され、非水電解液の分解を抑制できる。充電方法としては、特に限定されないが、例えば、定電流充電あるいは定電流−定電圧充電などが挙げられる。
(非水電解液)
本発明の非水二次電池の製造方法に用いられる非水電解液には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液であって、下記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物及び下記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有させたものを使用する。
Figure 2014229393
上記一般式(1)中、nは0〜6の整数であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素1〜12の炭化水素基であり、R1、R2及びR3のうちの少なくとも一つはアルキニル基を表し、少なくともR3がアルキニル基であることが好ましい。アルキニル基としては、炭素数3〜6であることが好ましく、2−プロピニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基などを例示することができる。
Figure 2014229393
上記一般式(2)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。
上記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物として、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
<上記一般式(1)においてn=0の化合物>
2−プロピニルジメチルホスホノフォルメート、2−プロピニルメチルエチルホスホノフォルメート、2−プロピニルジエチルホスホノフォルメート、3−ブチニルジエチルホスホノフォルメート、1−メチル−2−プロピニルジエチルホスホノフォルメート、1,1−ジメチル−2−プロピニルジエチルホスホノフォルメートなど。
<上記一般式(1)においてn=1の化合物>
2−プロピニルジメチルホスホノアセテート、2−プロピニルメチルエチルホスホノアセテート、2−プロピニルジエチルホスホノアセテート、3−ブチニルジエチルホスホノアセテート、1−メチル−2−プロピニルジエチルホスホノアセテート、1,1−ジメチル−2−プロピニルジエチルホスホノアセテートなど。
<上記一般式(1)においてn=2の化合物>
2−プロピニルジメチルホスホノプロピオネート、2−プロピニルメチルエチルホスホノプロピオネート、2−プロピニルジエチルホスホノプロピオネート、3−ブチニルジエチルホスホノプロピオネート、1−メチル−2−プロピニルジエチルホスホノプロピオネート、1,1−ジメチル−2−プロピニルジエチルホスホノプロピオネートなど。
<上記一般式(1)においてn=3の化合物>
2−プロピニルジメチルホスホノブチレート、2−プロピニルメチルエチルホスホノブチレート、2−プロピニルジエチルホスホノブチレート、3−ブチニルジエチルホスホノブチレート、1−メチル−2−プロピニルジエチルホスホノブチレート、1,1−ジメチル−2−プロピニルジエチルホスホノブチレートなど。
上記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物として、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
上記一般式(2)におけるR5及びR6は、前述したように、各々独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2級オクチル、2−メチルペンチル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。R5及びR6としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、水素原子、メチル、エチル、プロピルが好ましく、水素原子、メチルがより好ましく、水素原子が更に好ましい。
また、上記一般式(2)におけるR7は、前述したように、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、R5及びR6で例示したアルキル基が挙げられる。炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、イソブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル、7−オクテニルなどが挙げられる。炭素数2〜8のアルキニル基としては、例えば、エチニル、2−プロピニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピニルなどが挙げられる。炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基としては、例えば、クロロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、2−クロロ−2−プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、2−クロロブチル、3−クロロブチル、4−クロロブチル、3−クロロ−2−ブチル、1−クロロ−2−ブチル、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、3−クロロ−2,2−ジメチル、6−クロロヘキシルなどが挙げられる。R7としては、非水二次電池の内部抵抗が小さくなることから、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−クロロブチル、2−プロピニル、3−クロロブチル、4−クロロブチルが好ましく、エチル、プロピル、ブチルがより好ましく、エチルが更に好ましい。
上記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物のうち、R5及びR6が水素原子である化合物としては、例えば、メチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、アリルビス(2−プロピニル)フォスフェート、トリス(2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリクロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェートなどが挙げられる。
また、R5がメチルで、R6が水素原子である化合物としては、例えば、メチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、アリルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、トリス(1−メチル−1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリクロロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェートなどが挙げられる。
上記列挙した化合物の中でも、メチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、トリス(2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェートが好ましく、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェートがより好ましく、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェートが更に好ましい。
上記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物及び上記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物の含有量は、非水電解液中、0.1〜3質量%が好ましい。添加剤の含有量が少なくなると、添加剤の添加効果が得られにくい傾向にあり、添加剤の含有量が多くなると、電池の内部抵抗が増加してサイクル特性が低下する傾向にある。
上記非水電解液に用いるリチウム塩としては、溶媒中で解離してリチウムイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に限定されない。リチウム塩の具体例としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸Li、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランLi、四フェニルホウ酸Liなどの無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCn2n+1SO3(2≦n≦7)、LiN(Rf1OSO22[ただし、Rf1はフルオロアルキル基である。]などの有機リチウム塩が挙げられる。
上記リチウム塩の濃度は、非水電解液中、例えば、0.2〜3.0mol/Lであることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましく、0.9〜1.3mol/Lであることが更に好ましい。
上記非水電解液に用いる有機溶媒としては、前述のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状カーボネート;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。
上記非水電解液には、充放電サイクル特性の更なる改善や、高温保存特性や過充電防止などの安全性を向上させる目的で、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどを含有させてもよい。
上記非水電解液は、公知のポリマーなどのゲル化剤を用いてゲル状の電解液として用いることもできる。
(負極)
本発明の非水二次電池の製造方法に用いられる負極には、例えば、負極活物質、バインダ及び必要に応じて導電助剤などを含む負極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
上記負極合剤層に用いる負極活物質には、従来から知られている非水二次電池に用いられている負極活物質、すなわち、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であれば特に制限はない。例えば、グラファイト、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種又は2種以上の混合物が負極活物質として用いられる。また、シリコン(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)などの元素及びその合金、リチウム含有窒化物又はリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。中でも、負極活物質としては、Siと酸素(O)とを構成元素に含み、一般組成式SiOx(ただし、Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5である。)で表される材料が好ましい。
上記SiOxは、Siの微結晶又は非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶又は非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOxには、非晶質のSiO2マトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiO2と、その中に分散しているSiを合わせて、上記の原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiO2マトリックス中に、Siが分散した構造で、SiO2とSiのモル比が1:1の材料の場合、x=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。SiOxの粒径としては、後述する炭素材料との複合化の効果を高め、また、充放電での微細化を防ぐため、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置、例えば、日機装社製の「マイクロトラックHRA」等により測定される数平均粒子径として、およそ0.5〜10μmのものが好ましく用いられる。
そして、上記SiOxは、炭素材料と複合化した複合体であることが好ましく、例えば、SiOxの表面が炭素材料で被覆されていることが望ましい。通常、SiOxは導電性が乏しいため、これを負極活物質として用いる際には、良好な電池特性確保の観点から、導電性材料(導電助剤)を使用し、負極内におけるSiOxと導電性材料との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。例えば、SiOxをコア材とし、その表面に炭素の被覆層が形成されてなる複合体を負極活物質として用いた場合、単にSiOxと炭素材料などの導電性材料とを混合して得られた材料を負極活物質として用いた場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
すなわち、SiOxの比抵抗値は、通常、103〜107kΩcmであるのに対して、上記例示の炭素材料の比抵抗値は、通常、10-5〜10kΩcmである。また、SiOxと炭素材料との複合体は、粒子表面の炭素材料被覆層を覆う材料層(難黒鉛化炭素を含む材料層)を更に有していてもよい。
SiOxと炭素材料との複合体としては、上記のように、SiOxの表面を炭素材料で被覆したものの他、SiOxと炭素材料との造粒体などが挙げられる。
また、上記の、SiOxの表面を炭素材料で被覆した複合体を、更に導電性材料(炭素材料など)と複合化して用いることで、負極において更に良好な導電ネットワークの形成が可能となるため、より高容量で、より電池特性(例えば、充放電サイクル特性)に優れた非水二次電池の実現が可能となる。炭素材料で被覆されたSiOxと炭素材料との複合体としては、例えば、炭素材料で被覆されたSiOxと炭素材料との混合物を更に造粒した造粒体などが挙げられる。
また、表面が炭素材料で被覆されたSiOxとしては、SiOxとそれよりも比抵抗値が小さい炭素材料との複合体(例えば造粒体)の表面が、更に炭素材料で被覆されてなるものも、好ましく用いることができる。上記造粒体内部でSiOxと炭素材料とが分散した状態であると、より良好な導電ネットワークを形成できるため、SiOxを負極活物質として含有する負極を有する非水二次電池において、重負荷放電特性などの電池特性を更に向上させることができる。
SiOxとの複合体の形成に用い得る上記炭素材料としては、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などの炭素材料が好ましいものとして挙げられる。
上記炭素材料の詳細としては、繊維状又はコイル状の炭素材料、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む)、人造黒鉛、易黒鉛化炭素及び難黒鉛化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が好ましい。繊維状又はコイル状の炭素材料は、導電ネットワークを形成し易く、且つ表面積の大きい点において好ましい。カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む。)、易黒鉛化炭素及び難黒鉛化炭素は、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、更に、SiOx粒子が膨張・収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有している点において好ましい。
上記例示の炭素材料の中でも、SiOxとの複合体が造粒体である場合に用いるものとしては、繊維状の炭素材料が特に好ましい。繊維状の炭素材料は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOxの膨張・収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiOx粒子と多くの接合点を持つことができるからである。繊維状の炭素としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられ、これらの何れを用いてもよい。繊維状の炭素材料は、例えば、気相法にてSiOx粒子の表面に形成することもできる。
上記SiOxと炭素材料との複合体を負極活物質として使用する場合、SiOxと炭素材料との比率は、炭素材料との複合化による作用を良好に発揮させる観点から、SiOx:100質量部に対して、炭素材料が、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、上記複合体において、SiOxと複合化する炭素材料の比率が多すぎると、負極合剤層中のSiOx量の低下に繋がり、高容量化の効果が小さくなる虞があることから、SiOx:100質量部に対して、炭素材料は、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。
上記SiOxと炭素材料との複合体の平均粒子径は、繰り返し充放電した後の容量低下を抑える観点から、0.5μm以上であることが好ましく、充放電に伴う負極の膨張を抑える観点から、20μm以下であることが好ましい。なお、本明細書でいう平均粒子径は、例えば、堀場製作所製のレーザ散乱粒度分布計「LA−920」を用い、樹脂を溶解しない媒体に、当該材料を分散させて測定した体積基準の平均粒子径D50である。
上記SiOxと炭素材料との複合体は、例えば下記の方法によって得ることができる。
先ず、SiOxを複合化する場合の作製方法について説明する。SiOxが分散媒に分散した分散液を用意し、それを噴霧し乾燥して、複数の粒子を含む複合粒子を作製する。分散媒としては、例えば、エタノールなどを用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。上記の方法以外にも、振動型や遊星型のボールミルやロッドミルなどを用いた機械的な方法による造粒方法においても、同様の複合粒子を作製することができる。
SiOxと、SiOxよりも比抵抗値の小さい炭素材料との造粒体を作製する場合には、SiOxが分散媒に分散した分散液中に上記炭素材料を添加し、この分散液を用いて、SiOxを複合化する場合と同様の手法によって複合粒子(造粒体)とすればよい。また、上記と同様の機械的な方法による造粒方法によっても、SiOxと炭素材料との造粒体を作製することができる。
次に、SiOx粒子(SiOx複合粒子、又はSiOxと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で被覆して複合体とする場合には、例えば、SiOx粒子と炭化水素系ガスとを気相中にて加熱して、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、粒子の表面上に堆積させる。このように、気相成長(CVD)法によれば、炭化水素系ガスが複合粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素材料を含む薄くて均一な皮膜(炭素材料被覆層)を形成できることから、少量の炭素材料によってSiOx粒子に均一性よく導電性を付与できる。
炭素材料で被覆されたSiOxの製造において、気相成長(CVD)法の処理温度(雰囲気温度)については、炭化水素系ガスの種類によっても異なるが、通常、600〜1200℃が適当であり、中でも、700℃以上であることが好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、且つ導電性の高い炭素を含む被覆層を形成できるからである。
上記炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱い易いトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。また、メタンガスやアセチレンガスなどを用いることもできる。
また、上記気相成長(CVD)法にてSiOx粒子(SiOx複合粒子、又はSiOxと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で覆った後に、石油系ピッチ、石炭系のピッチ、熱硬化性樹脂、及びナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を、炭素材料を含む被覆層に付着させた後、上記有機化合物が付着した粒子を焼成してもよい。
具体的には、炭素材料で被覆されたSiOx粒子(SiOx複合粒子、又はSiOxと炭素材料との造粒体)と、上記有機化合物とが分散媒に分散した分散液を用意し、この分散液を噴霧し乾燥して、有機化合物によって被覆された粒子を形成し、その有機化合物によって被覆された粒子を焼成する。
上記ピッチとしては等方性ピッチを、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などを用いることができる。ナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を用いることができる。
上記の炭素材料で被覆されたSiOx粒子と上記有機化合物とを分散させるための分散媒としては、例えば、水、アルコール類(エタノールなど)を用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。焼成温度は、通常、600〜1200℃が適当であるが、中でも700℃以上が好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、且つ導電性の高い良質な炭素材料を含む被覆層を形成できるからである。ただし、処理温度はSiOxの融点以下であることを要する。
また、上記負極合剤層に用いる負極活物質としては、SiOxと共に黒鉛質炭素材料を使用することが好ましい。黒鉛質炭素材料を使用して負極活物質中のSiOxの比率を下げることで、SiOxの減量による高容量化効果の低下を可及的に抑制しつつ、電池の充放電に伴う負極(負極合剤層)の体積変化を抑えて、かかる体積変化によって生じ得る電池特性の低下を抑制することが可能となる。
また、負極活物質としてSiOxと併用される上記黒鉛質炭素材料を、SiOxと炭素材料との複合体に係る炭素材料として使用することもできる。黒鉛質炭素材料も、カーボンブラックなどと同様に、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、更に、SiOx粒子が膨張・収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有しているため、SiOxとの複合体形成に好ましく使用することができる。
負極活物質として使用する上記黒鉛質炭素材料としては、例えば、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛;熱分解炭素類、MCMB、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;などが挙げられる。
上記負極活物質中におけるSiOxの含有量は、非水二次電池の容量を増加させ、急速充電特性をより高める観点から、Si換算で、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが更に好ましい。SiOxの含有量が多い場合は、初期容量は増加するが、充放電に伴う容量減少が増加する傾向があるので、必要な容量と充放電サイクル特性のバランスで使用量を決定する必要がある。よって、電池の充放電に伴うSiOxの体積変化に起因する充放電に伴う容量減少を抑えて、電池の充放電サイクル特性を高めるには、負極活物質中におけるSiOxの含有量が、活物質中に含まれるSiの量で、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
上記負極合剤層に用いるバインダには、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロースなどの多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどのゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を更に添加してもよい。このような導電性材料としては、電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック(商品名)、アセチレンブラックなど)、炭素繊維、金属繊維、金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの粉末)、ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)などの材料を、1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましく、ケッチェンブラックやアセチレンブラックがより好ましい。
導電助剤として使用する上記炭素材料の粒径は、例えば、平均粒子径で、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
本発明に係る負極は、例えば、前述した負極活物質及びバインダ、更には必要に応じて導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造される。負極の製造方法は、上記の製法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。負極合剤層の密度(集電体に積層した単位面積あたりの負極合剤層の質量と、厚みから算出される値である。)は、1.0〜1.9g/cm3であることが好ましい。上記負極合剤層の組成としては、負極活物質の総量が80〜99質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜20質量%であることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、導電助剤は、負極活物質の総量及びバインダの量が上記の好適値を満足する範囲内で使用することが好ましい。
本発明に係る負極では、負極活物質に含まれるSi元素の負極合剤層の単位面積当たりの含有量は、非水二次電池の急速充電特性をより高める観点から、0.007mg/cm2以上であることが好ましく、0.018mg/cm2以上であることがより好ましく、0.1mg/cm2以上であることが更に好ましい。Si元素の含有量が多すぎると、非水二次電池の初期容量は大きくなるが、電池の充放電サイクル特性が低下する傾向があるため、負極活物質に含まれるSi元素の負極合剤層の単位面積当たりの含有量は、1.5mg/cm2未満であることが好ましく、1mg/cm2未満であることがより好ましく、0.5mg/cm2未満であることが更に好ましい。
(正極)
本発明の非水二次電池の製造方法に用いられる正極には、例えば、正極活物質、バインダ及び導電助剤などを含む正極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
上記正極合剤層に用いる正極活物質としては、従来から知られている非水二次電池に用いられている正極活物質、すなわち、Li(リチウム)イオンを吸蔵・放出可能な材料であれば特に制限はなく、例えば、Li含有遷移金属酸化物などが使用できる。Li含有遷移金属酸化物としては、従来から知られている非水二次電池に使用されているものが挙げられる。具体的には、LiyCoO2(ただし、0≦y≦1.1である。)、LizNiO2(ただし、0≦z≦1.1である。)、LipMnO2(ただし、0≦p≦1.1である。)、LiaCob1 1-b2(ただし、M1は、Mg、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Ge及びCrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、0≦a≦1.1、0<b<1.0である。)、LicNi1-d2 d2(ただし、M2は、Mg、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ti、Ge及びCrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、0≦c≦1.1、0<d<1.0である。)、LieMnfNigCo1-f-g2(ただし、0≦e≦1.1、0<f<1.0、0<g<1.0である。)などの層状構造を有するLi含有遷移金属酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記正極合剤層に用いるバインダとしては、電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。中でも、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)と共にPVDF系ポリマー以外のテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体(以下、「P(TFE−VDF)」という。)を使用することが好ましい。このP(TFE−VDF)の作用によって、正極合剤層と集電体との密着性を適度に抑えることができる。
上記バインダの総含有量は、正極合剤層中、4質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。正極合剤層中のバインダ量が多すぎると、正極合剤層と集電体との密着性が高くなりすぎて、この正極を用いた巻回電極体の内周側において、正極合剤層に亀裂などの欠陥が生じやすくなる。
また、正極の容量向上の観点からは、正極合剤層中のバインダ量を減らして、正極活物質の含有量を高めることが好ましいが、正極合剤層中のバインダ量が少なすぎると、正極合剤層の柔軟性が低下して、この正極を用いた巻回電極体の形状(特に外周側の形状)が悪化し、正極の生産性、更にはこれを用いた電池の生産性が損なわれる虞がある。よって、正極合剤層中のバインダの総含有量は、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1.4質量%以上である。
上記正極合剤層に用いる導電助剤としては、電池内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト;サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高いグラファイトと、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
正極の集電体としては、従来から知られている非水二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン又はそれらの合金からなる箔、パンチングメタル、エキスパンドメタル、網などが挙げられ、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
本発明に係る正極は、例えば、前述した正極活物質、バインダ及び導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。正極の製造方法は、上記の方法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質の量が60〜95質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜15質量%であることが好ましく、導電助剤の量が3〜20質量%であることが好ましい。
また、カレンダ処理後において、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、10〜200μmであることが好ましい。更に、カレンダ処理後において、正極合剤層の密度(集電体に積層した単位面積あたりの正極合剤層の質量と、厚みから算出される値である。)は、3.0〜4.5g/cm3以上であることが好ましい。
上記の負極と上記の正極とは、後述するセパレータを挟んで積層することで、これらをセパレータを介して対向させた積層電極体や、負極と正極とをセパレータを介して積層した積層体を渦巻状に巻回した巻回電極体として、非水二次電池に使用される。
(セパレータ)
本発明の非水二次電池の製造方法に用いられ得るセパレータとしては、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜が挙げられる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
セパレータの厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
ここで、非水二次電池の一例について図面を参照しながら説明する。図1は、非水二次電池の一例を模式的に表す図であり、図1Aは平面図、図1Bは断面図である。
図1A及び図1Bに示す非水二次電池は、正極1と負極2とをセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回電極体6として、角筒形の外装缶4に非水電解液と共に収容されたものである。ただし、図1Bでは、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。また、セパレータの各層も区別して示していない。
外装缶4は、電池の外装体を構成するものであり、この外装缶4は正極端子を兼ねている。そして、外装缶4の底部には、絶縁体5が配置され、正極1、負極2及びセパレータ3からなる扁平状の巻回電極体6からは、正極1及び負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、外装缶4の開口部を封口する封口用蓋板9には、絶縁パッキング10を介して端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してリード板13が取り付けられている。
そして、蓋板9は外装缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1A、Bの電池では、蓋板9に非水電解液注入口14が設けられており、この非水電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザ溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている。従って、図1A、B及び図2の電池では、実際には、非水電解液注入口14は、非水電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、非水電解液注入口14として示している。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
図1Bに示す非水二次電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって外装缶4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能する。ただし、外装缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は、上記図1A、Bに示す電池の外観を模式的に示す斜視図である。この図2は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、図2では電池を概略的に示しており、電池を構成する部材のうち、特定のものしか図示していない。また、図1Bにおいても、巻回電極体6の中央部及びセパレータ3には、断面を示すハッチングを表示していない。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に述べる。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
<正極の作製>
正極活物質として、LiCoO2:80質量部及びLiMn0.2Ni0.6Co0.22:20質量部と、導電助剤として、人造黒鉛:1質量部及びケッチェンブラック:1質量部と、バインダとして、PVDF:10質量部とを、溶媒であるNMPに均一になるように混合して正極合剤含有ペーストを調製した。そして、得られた正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に厚みを調節して間欠塗布して乾燥させた後、カレンダ処理を行って、全厚が120μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅が54.5mmになるように切断して正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50:5μmのSiOxの表面を炭素材料で被覆した複合体(以下、SiOCという。)と平均粒子径D50が16μmである黒鉛質炭素とを5:95の質量比で混合した混合物:98質量部と、バインダである粘度が1500〜5000mPa・sの範囲に調整された1質量%の濃度のCMC水溶液:1.0質量部及びSBR:1.0質量部とを、溶媒である比伝導度が2.0×105Ω/cm以上のイオン交換水に混合して水系の負極合剤含有ペーストを調製した。上記SiOCにおける炭素の被覆量は20質量%であった。
次に、上記負極合剤含有ペーストを、厚みが8μmの銅箔からなる集電体の両面に厚みを調節して間欠塗布して乾燥させた後、カレンダ処理を行って、全厚が108μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅が55.5mmになるように切断して負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<非水電解液の調製>
EC、MEC及びDECを体積比1:0.5:1.5で混合した混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を濃度1.0mol/Lで溶解させて、更に、ホスホン酸エステル化合物である2−プロピニルジエチルホスホノアセテートを、2質量%となる量で加えて、非水電解液を調製した。ここで、2−プロピニルジエチルホスホノアセテートは、前述の一般式(1)において、R1及びR2がエチル基、R3が2−プロピニル基である化合物である。
<電池の組み立て>
上記の正極と上記の負極とを、微多孔性ポリエチレン製のセパレータ(厚み:16μm)を介して重ね、渦巻状に巻回して巻回電極体を作製した。得られた巻回電極体を押しつぶして扁平状にし、厚み5mm、幅42mm、高さ61mmのアルミニウム合金製外装缶に入れ、上記の非水電解液を注入した。そして、非水電解液の注入後に外装缶の封止を行うことにより、図1A、Bに示す構造で、図2に示す外観の非水二次電池を組み立てた。本実施例では、絶縁体5には、PEシートからなる絶縁体を使用し、蓋板9には、アルミニウム合金製の蓋板を使用し、絶縁パッキング10には、PP製のパッキングを使用し、端子11には、ステンレス鋼製の端子を使用し、リード板13には、ステンレス鋼製のリード板を使用した。
次に、組み立てた非水二次電池に対し、23℃の環境下において、1Cの定電流及び4.35Vの定電圧による定電流−定電圧充電(総充電時間:1時間)を行い、充電電気量(mAh)を測定した。次いで、温度60℃で所定時間(0〜6時間)の熱処理を行い、室温まで冷却した後、0.2Cで定電流放電(放電終止電圧:2.75V)を行い、放電容量(mAh)を測定した。そして、上記充電電気量(mAh)に対する上記放電容量の割合を、初回充放電効率として評価した。
次に、上記初回充放電効率の評価を行った非水二次電池について、下記の電池試験およびSi溶出試験を行った。
(電池試験)
電池試験では、重合物の生成量、充放電サイクル特性、および高温保存特性の評価を行った。各評価の詳細については以下に説明する。
[重合物の生成量]
上記初回充放電効率の評価を行った非水二次電池の非水電解液中に析出するホスホン酸エステル化合物の重合物の生成量を、LC−MS(Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)装置(ウォーターズ社製、LC“Acquity UPLC、MS“XEVO G2 Qtof”)を用いて測定した。この測定には、上記初回充放電効率の評価を行った非水二次電池の非水電解液をアセトニトリルで10倍に希釈し、孔径0.2μmのフィルタで濾過した溶液を試料として用いた。測定条件は、カラム温度:40℃、キャピラリー電圧:2.5kV、試料注入量:2.0μLとした。ここでは、非水電解液中に析出した重合物の組成式は、C9175P、C2134102、C2745153のいずれかであると推測され、各重合物の生成量を測定した。なお、試料として用いた非水電解液は、熱処理時間が1.5時間、3時間、5時間のときのものである。
[充放電サイクル特性の評価]
上記初回充放電効率の評価を行った非水二次電池を1Cレートで充電し、4.35Vに達した後は定電圧充電し、電流値が0.02Cとなった時点で充電を停止し、その後、電流値1Cで電圧値2.75Vまでの放電を行った。これを1サイクルとして、上記条件で充放電サイクルを200サイクル繰り返し行い、1サイクル目と200サイクル目の非水二次電池の容量を測定した。そして、充放電サイクルの1サイクル目の容量に対する200サイクル目の容量の容量維持率(以下、200サイクル後の容量維持率ともいう。)を算出し、非水二次電池の充放電サイクル特性を評価した。ここでは、容量維持率の値が大きいほど、充放電サイクル特性の改善効果が高いと評価できる。
[高温保存特性の評価]
上記初回充放電効率の評価を行った非水二次電池を23℃の環境下において1Cの定電流及び4.35Vの定電圧による定電流−定電圧充電(総充電時間:1時間)を行い、80℃の恒温槽に24時間保存した後、23℃まで冷やし、0.2Cで定電流放電(放電終止電圧:2.75V)を行った。そして、高温保存前の充電における充電電気量に対する高温保存後の放電容量の割合を容量維持率(以下、高温保存後の容量維持率ともいう。)として求め、非水二次電池の高温保存特性を評価した。ここでは、容量維持率の値が大きいほど、高温保存特性の改善効果が高いと評価できる。
(Si溶出試験)
負極活物質中に含まれるSiの非水電解液への溶出量を調べるため、次のようにして、Si溶出試験を行った。まず、負極活物質としてSiOCのみを用いた電極(以下、SiOC電極という。)と、上記実施例で調製した非水電解液を用意した。そして、上記非水電解液を温度60℃に加熱し、この加熱した非水電解液に上記SiOC電極を浸して所定時間(0〜6時間)保持した後、23℃まで冷却し、日本ジャーレル・アッシュ社製の“IRIS 1000”を用いてICP(Inductively Coupled Plasma)分析を行い、上記非水電解液中のSiの含有量を測定した。非水電解液へのSiの溶出量が多くなるほど、負極活物質の劣化が進み、電池の容量低下やサイクル特性の低下などの電池特性の劣化につながるため、Siの含有量が少ないほど、電池特性が向上したと評価できる。
上記の電池試験及びSi溶出試験の結果を、図3に示した。図3の上段は、電池試験の結果を示しており、熱処理時間(h)と、重合物の生成量(強度)、初回充放電効率(%)、200サイクル後の容量維持率(%)及び高温保存後の容量維持率(%)との関係を示している。図3の下段は、Si溶出試験の結果を示しており、熱処理時間(h)と、電解液中に溶出したSiの重量(μg)及び割合(%)との関係を示している。
図3の上段に示すように、熱処理時間の増加に伴い、初回充放電効率は低下するが、200サイクル後の容量維持率及び高温保存後の容量維持率は増加する傾向にあった。つまり、熱処理時間の増加に伴い、充放電サイクル特性及び高温保存特性は向上する傾向にあり、特に、熱処理時間が3〜5時間の場合に高い改善効果が見られた。また、図3の上段に示すように、熱処理時間の増加に伴い、非水電解液中に析出する重合物の生成量は減少する傾向にあり、図3の下段に示すように、熱処理時間の増加に伴い、非水電解液中に溶出するSiの溶出量は減少する傾向にあった。従って、非水電解液中に析出する重合物の生成量の抑制、及び、非水電解液中に溶出するSiの溶出量の抑制が、電池特性の向上につながるとともに、熱処理時間は3〜5時間がより好ましいと考えられた。
以上より、正極及び負極を収容した電池容器に特定の添加物を含有させた非水電解液を注液して、所定の熱処理を行うと、非水電解液中に析出する重合物の生成量、及び、非水電解液中に溶出するSiの溶出量が抑制され、充放電サイクル特性及び高温保存特性に優れた非水二次電池を製造できることが分かった。
本発明は、充放電サイクル特性及び高温保存特性に優れた非水二次電池を製造でき、該非水二次電池は、小型で多機能な携帯機器の電源を始めとして、従来から知られている非水二次電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
5 絶縁体
6 巻回電極体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 封口用蓋板
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板
14 非水電解液注入口
15 開裂ベント

Claims (5)

  1. 正極、負極及び非水電解液を含む非水二次電池の製造方法であって、
    前記正極及び前記負極を収容した電池容器内に前記非水電解液を注入する注液工程と、
    前記非水電解液が注入された前記電池容器を、40℃以上80℃以下の温度範囲で2時間以上50時間以下の熱処理を行う熱処理工程と、を含み、
    前記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるホスホン酸エステル化合物及び下記一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする非水二次電池の製造方法。
    Figure 2014229393
    前記一般式(1)中、nは0〜6の整数であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素1〜12の炭化水素基であり、R1、R2及びR3のうちの少なくとも一つはアルキニル基を表す。
    Figure 2014229393
    前記一般式(2)中、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。
  2. 前記負極は、負極活物質として、シリコンと酸素とを構成元素に含む材料を含む請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
  3. 前記負極は、負極活物質として、シリコンと酸素とを構成元素に含む材料の表面に炭素の被覆層が形成されてなる複合体を含む請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
  4. 前記シリコンと酸素とを構成元素に含む材料は、一般組成式SiOxで表される材料であり、
    前記一般組成式において、xは、0.5≦x≦1.5である請求項2又は3に記載の非水二次電池の製造方法。
  5. 前記熱処理工程の前、又は、前記熱処理工程中に、前記非水二次電池を充電する請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
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