JP2014228464A - 放射線計測装置および放射線計測方法 - Google Patents

放射線計測装置および放射線計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギースペクトルにおけるエネルギー分解能を向上させる。
【解決手段】ガンマ線13の入射が放射線検出器11により検出されると、その検出信号は、チャージアンプ16およびバイポーラ波形整形アンプ21により増幅、波形整形され、非反転アンプ22および反転アンプ23を介してA/D変換器31へ入力される。A/D変換器31は、非反転アンプ22の信号波形のピーク値および反転アンプ22の信号波形のピーク値をそれぞれA/D変換することにより、ガンマ線13の検出信号の正極側のピーク値に対応する第1の波高値および負極側のピーク値に対応する第2の波高値を取得する。ディジタルデータ処理装置35は、第1の波高値および第2の波高値の和の値を用いて、または、第1の波高値と第2の波高値との間に比例の相関があるものだけを用いてエネルギースペクトルを作成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガンマ線など放射線のエネルギー計測に好適な放射線計測装置および放射線計測方法に関する。
放射線計測装置は、原子力関連施設や医療機関等で主として使用されている。放射線の中でもとりわけガンマ線に対する計測装置は多数使用されており、より高性能な計測装置が望まれている。
ガンマ線計測のリアルタイム計測で使用されるガンマ線検出器は、シンチレータ検出器と半導体検出器とに大別される。ここで、シンチレータ検出器は、ガンマ線が入射することで発光する光を光電子増倍管やフォトダイオードなどで検出することによってガンマ線を計測するものである。また、半導体検出器は、ガンマ線が入射することで内部に生成される電子やホールなどのキャリヤ電荷の流れ、すなわち、電流を検出することによってガンマ線を計測するものである。
ガンマ線は、1フォトン当りのエネルギーが大きいため、入射するフォトンを個別に計測するフォトンカウンティング計測が一般的に行われている。その場合、シンチレータ検出器では、発光量が入射フォトンのエネルギーにほぼ比例し、半導体検出器では、キャリヤ生成量が入射フォトンのエネルギーにほぼ比例する。そこで、シンチレータ検出器では、検出信号として発光量に比例した波高のパルスを生成し、半導体検出器では、生成電荷量に比例した波高のパルスを生成する。そして、そのパルスの波高とパルスの数とを計測することにより、ガンマ線の線量とエネルギーとが同時に計測される。
ガンマ線検出器において、1フォトン当たりのエネルギーを識別する能力は、エネルギー分解能と呼ばれ、ガンマ線検出器の性能指標として使用される。これは、計測対象のガンマ線が持つエネルギーを精度よく特定することにより、そのガンマ線を発する物質の情報や、ガンマ線源から検出器に至る途中経路に存在する物質の情報を得ることが可能になるからである。
とりわけ半導体検出器はエネルギー分解能が良好で、とくにゲルマニウム半導体検出器は、エネルギー分解能が最良の検出器として使用されている。しかしながら、ゲルマニウム半導体検出器は、液体窒素あるいはそれに類する冷却手段が必要であるため、使用場所が限定されるという問題があった。そこで、ゲルマニウム半導体ほどエネルギー分解能が良好ではないものの、室温で動作可能な半導体検出器として、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)、臭化タリウム(TlBr)などの化合物半導体が使用されている。また、最も一般的な半導体であるシリコンは、室温で使用可能ではあるが、ガンマ線の阻止能力が低いため、透過力が小さい低エネルギーのX線やガンマ線に限定して使用されている。
ところで、CdTeやCdZnTeなどの室温動作の半導体検出器において生成される電荷量は、1MeVガンマ線1フォトン当たり30〜40フェムトクーロン程度であり、極めて微小な電荷量である。このような微小な電荷量を精度よく測定するためには、外部から侵入するノイズや信号処理回路のノイズを除去すべきなのはもちろんであるが、検出器自身で発生するノイズも極力除去することが望ましい。
例えば、特許文献1には、ガンマ線検出器から出力されるパルス波形に基づき外部から侵入するノイズを識別し、そのノイズの影響を除去する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1には、検出器自身が発するノイズを除去する方法については、なんら開示されていない。なお、検出器自身が発するノイズとしては、電荷を収集するためのバイアス電圧に起因して生じるリーク電流やキャリヤのゆらぎや再結合に起因するショットノイズなどがあるが、これら検出器自身が発するノイズの除去は、従来技術において解決すべき重要な課題となっている。
また、ガンマ線計測では、検出器からの信号を前置増幅器で一定レベルに増幅した後、シェーピングと呼ばれる波形整形処理(非特許文献1の663頁〜673頁など参照)が行われるのが一般的である。シェーピングは、一種のバンドパスフィルタであり、必要な信号周波数成分を残すようにフィルタの時定数が選択される。この時定数は、シェーピング時定数と呼ばれ、半導体検出器が電荷を収集する時間に基づいて設定される。例えば、印加電圧が低い場合や半導体検出器の電荷移動度が小さい場合には、電荷収集に時間を要するため、比較的長めのシェーピング時定数が設定される。
半導体検出器では、使用されている半導体材料の性質や製造ばらつきによって、電荷の移動度が小さいものやリーク電流が比較的大きいものを使用せざるを得ない場合がある。そのような場合、シェーピング時定数は、例えば、数μ秒といった長めの値が設定されるが、シェーピング時定数を長くした場合には、次の2つの問題が生じる。
まず、第1に、リーク電流による雑音の影響が大きくなることである。これは、リーク電流が周波数に反比例したノイズを発生させるため、シェーピング時定数が長い、すなわち、周波数が低い領域の信号を通過させる場合には、ノイズも多く通過し、S/N比が悪化するからである。
なお、低周波側のノイズをより多く除去するために、波形整形にバイポーラ整形を選択する方法もあるが、バイポーラ整形では同じ増幅を行っても負電圧領域への信号振幅も大きくなるために、正電圧領域の波高値がユニポーラ整形の場合より小さくなり、かえってノイズ面では不利となる問題があった。
第2に、シェーピング時定数を長くすると、時間当たりのパルス数が多い高計数率のガンマ線計測時に、そのエネルギー分解能が悪化することである。高計数率の場合には、ガンマ線の検出パルスの間隔が短くなるため、あるフォトンの検出パルスがゼロになる前に次のフォトンの検出パルスが重なると、検出パルス波形が乱れるとともに、その波高値にも誤差が生じる。すなわち、シェーピング時定数が長いと、検出パルスがゼロに収束するまでの時間が長くなるため、計数率が高くなったときには、その影響を受け易くなるのである。
なお、2つのフォトンの検出パルスが重なり、過大な波高値となるような現象は、ピークパイルアップと呼ばれ、ピークパイルアップによって得られたパルス波高値は、エネルギー情報に誤りをもたらすため除去すべきものである。
また、前記のバイポーラ整形では、ベースラインシフトが生じないため、ユニポーラ整形より若干はパイルアップの影響は受けにくいものの、その悪影響を排除できるものではない。なお、パイルアップは、非特許文献1の722頁に記載されているように、専用の回路により検出および除去が可能である。しかしながら、専用の回路は、追加のコスト増加を招くため、極力用いないことが望ましい。
特開2012−13611号公報
GLENN F.KNOLL(木村逸郎、阪井英次 訳)、「放射線計測ハンドブック第3版」、日刊工業新聞社、2001年3月27日
以上に説明したように、従来技術には、とくに、電荷の移動度が小さくかつリーク電流が比較的大きい放射線検出器では、シェーピング時定数を長く設定する必要があるため、放射線検出器自身が発生するリーク電流によるノイズや、高計数率の放射線計測でパイルアップの影響を受け易くなるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、電荷の移動度が小さくかつリーク電流が比較的大きい放射線検出器を用いた場合であっても、放射線検出器自身が発生するノイズやパイルアップの影響を除去し、エネルギー分解能を向上させることが可能な放射線計測装置および放射線計測方法を提供することにある。
本発明に係る放射線計測装置は、放射線の入射を検出する放射線検出器と、前記放射線検出器により検出される前記放射線の検出信号を増幅し、波形整形した信号を増幅波形信号として出力する信号増幅器と、前記信号増幅器から出力される前記増幅波形信号について、第1のタイミングおよびその第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでその信号値をそれぞれA/D変換することにより、第1の波高値および第2の波高値を取得するA/D変換器と、前記A/D変換器で取得される前記第1の波高値および前記第2の波高値の両方を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成するディジタルデータ処理装置と、を備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、ディジタルデータ処理装置は、増幅波形信号の互いに異なる2つのタイミングにおける信号値をそれぞれA/D変換して得られた第1の波高値および第2の波高値の両方を用いて放射線のエネルギースペクトルを作成する。すなわち、本発明では、増幅波形信号の複数タイミングでの波高値を用いてエネルギースペクトルが作成されるので、作成されるエネルギースペクトルの信頼性を向上させることができる。つまり、複数タイミングでの波高値を用いることにより、ノイズやパイルアップの影響を受けた波高値の除去が可能となるので、エネルギースペクトルの信頼性を向上させ、そのエネルギー分解能を向上させることができる。
本発明によれば、電荷の移動度が小さくかつリーク電流が比較的大きい放射線検出器を用いた場合であっても、放射線検出器自身が発生するノイズやパイルアップの影響を除去し、エネルギー分解能を向上させることが可能な放射線計測装置および放射線計測方法が提供される。
本発明の第1の実施形態に係る放射線計測装置の要部の回路構成の例を示した図。 ガンマ線入射時にバイポーラ波形整形アンプから出力される増幅波形信号の例を示した図で、(a)は、非反転アンプの出力信号波形の例、(b)は、反転アンプの出力信号波形の例。 57Coを線源とするガンマ線により得られるエネルギースペクトルの例を示した図。 第1の波高値と第2の波高値との相関関係を表す散布図の例。 第1の波高値に基づくエネルギースペクトルと、第2の波高値との間に比例の相関関係を有する第1の波高値に基づくエネルギースペクトルと、を比較して示した図。 本発明の第2の実施形態に係る放射線計測装置の要部の回路構成の例を示した図。 オフセットアンプの出力信号波形の例を示した図。 本発明の第3の実施形態に係る放射線計測装置の要部の回路構成の例を示した図。 ユニポーラ波形整形アンプの出力信号波形の例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線計測装置1の要部の回路構成の例を示した図である。図1に示すように、放射線計測装置1は、ガンマ線13などの放射線を検出する放射線検出器11、前置信号増幅器としてのチャージアンプ16、波形を整形する信号増幅器としてのバイポーラ波形整形アンプ21、A/D(Analog to Digital)変換器31、ディジタルデータ処理装置35などを含んで構成される。
放射線検出器11は、例えば、CdTeなどの半導体検出器で構成されるとし、その一方の端子は、高圧電源12に接続され、他方の端子は、抵抗14を介して接地される。その場合、放射線検出器11は、高圧電源12からの電圧の印加を受けて、その内部の半導体層(図示せず)には電界が生じる。
このとき、ガンマ線13などの放射線(以下、単に、ガンマ線13という)が放射線検出器11に入射すると、内部の半導体層には、電子・ホールペアの電荷が発生する。その電荷は、半導体層に生じた電界による力を受けて移動する。すなわち、放射線検出器11の2つの端子間に電荷量に応じたパルス電流が流れる。
ここで、フォトン1個のガンマ線13が放射線検出器11に入射する平均的な時間間隔は、放射線検出器11の中に電荷が発生して消滅するまでの時間、すなわち、パルス電流が流れる時間、さらに言い換えれば、そのパルス幅に比べて十分大きいものとする。
また、放射線検出器11が半導体検出器の場合、電圧が印加された半導体層には、わずかだがリーク電流が流れる。従って、ガンマ線13入射時に流れるパルス電流には、そのリーク電流も併せて流れることになる。つまり、リーク電流は、ガンマ線13の検出信号のノイズ要因となっている。
さて、図1に示すように、放射線検出器11の高圧電源12が接続された端子と反対側の端子は、抵抗14を経由して接地されるとともに、コンデンサ15の一方の端子に接続されている。従って、ガンマ線13入射時に半導体層に流れるパルス電流は、抵抗14を通って接地線に流れるとともに、そのパルス電流に応じて、コンデンサ15に過渡的に電荷が蓄積される。
このとき、コンデンサ15の他方の端子は、チャージアンプ16の入力端子に接続されており、チャージアンプ16は、コンデンサ15に過渡的に蓄積された電荷量を増幅し、その増幅された電荷量に応じた電圧パルス信号を出力端子から出力する。なお、オペアンプ17、積分コンデンサ18、放電抵抗19などにより構成されるチャージアンプ16の詳細な動作については、その説明を省略する。
次に、チャージアンプ16の出力端子は、バイポーラ波形整形アンプ21の入力端子に接続されており、チャージアンプ16から出力される電圧パルス信号は、バイポーラ波形整形アンプ21に入力され、その中で増幅され、波形整形される。そして、その出力信号(以下、増幅波形信号という)は、最終段に設けられた非反転アンプ22および反転アンプ23によりA/D変換器31へ入力される。
なお、バイポーラ波形整形アンプ21は、CR−RC−RC−CRの回路構成を有し、その最終段に、非反転アンプ22および反転アンプ23が設けられた回路構成となっている。ここで、CRおよびRCの時定数は、いずれも、6.8μ秒程度であり、その値は、いわゆるシェーピング時定数に相当する。
図2は、ガンマ線13入射時にバイポーラ波形整形アンプ21から出力される増幅波形信号の例を示した図で、(a)は、非反転アンプ22の出力信号波形42の例、(b)は、反転アンプ23の出力信号波形47の例である。なお、図2(a)、(b)において、横軸は時間、縦軸は電圧を表している。
図2に示すように、非反転アンプ22の出力信号波形42と反転アンプ23の出力信号波形47とは、極性が互いに反対の対称な波形である。また、図2に示されている出力信号波形42および出力信号波形47は、1個のフォトンが放射線検出器11に入射したときに得られる典型的な信号波形である。一般的には、ガンマ線13のエネルギーを同定する場合、非反転アンプ22の出力信号波形42のピーク値43だけが利用されるが、本実施形態では、以下詳しく説明するように、反転アンプ23の出力信号波形47のピーク値48も併せて利用する。
なお、図2(a),(b)から容易に分かるように、出力信号波形42のピーク値43と出力信号波形47のピーク値48とを利用することは、実質的に、出力信号波形42のピーク値43と出力信号波形42の負極側の谷の電圧値44とを利用することと同じである。
本実施形態では、図1に示したように、非反転アンプ22および反転アンプ23のそれぞれの出力信号波形42,47は、A/D変換器31へ入力される。このとき、A/D変換器31の中にはピークホールド回路(図示省略)が2系統設けられており、そのそれぞれには、図2(a)、(b)に示した出力信号波形42,47が入力される。
そして、A/D変換器31は、入力された出力信号波形42のピーク値43を一方のピークホールド回路でホールドするとともに、そのホールドしたピーク値43をA/D変換することにより、第1の波高値(43)を取得する。同様に、A/D変換器31は、入力された出力信号波形47のピーク値48を他方のピークホールド回路でホールドするとともに、そのホールドしたピーク値48をA/D変換することにより、第2の波高値(48)を取得する。
ここで、第1の波高値(43)は、アナログ値で表されるピーク値43に対応するディジタル値であり、第2の波高値(48)は、アナログ値で表されるピーク値48に対応するディジタル値である。なお、図2において、これら互いに対応する信号値は、実質的に同じ信号値を表すものであるが、区別するため、ディジタル値を指す場合には、その符号を括弧付で表している。
A/D変換器31は、以上のようにして取得した第1の波高値(43)および第2の波高値値(48)を1組の計測データとしてディジタルデータ処理装置35へ送信する。そして、ディジタルデータ処理装置35は、A/D変換器31から送信されてくる第1の波高値(43)および第2の波高値値(48)を1組ずつ記憶装置に蓄積しておき、次に説明するようなエネルギースペクトルを作成する。
図3は、57Coを線源とするガンマ線13により得られるエネルギースペクトルの例を示した図である。図3のグラフにおいて、横軸は、波高値を表し、縦軸は、それぞれの波高値ごとのガンマ線の検出頻度を表す。なお、波高値は、エネルギーとの対応付けが可能であるので、一般的なエネルギースペクトルのグラフでは、横軸は、エネルギー値に換算されて表されることが多い。
図3において、エネルギースペクトル51は、第1の波高値(43)から得られたもの、また、エネルギースペクトル52は、第2の波高値(48)から得られたものである。そして、エネルギースペクトル53は、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との和の値から得られたものである。
なお、一般的には、ガンマ線13のエネルギーを同定する場合、第1の波高値(43)から得られるエネルギースペクトル51だけが用いられる。それに対し、本実施形態では、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)の両方を用いてガンマ線13のエネルギーを同定している。これは、そうしたほうが、エネルギー分解能が向上するからである。
ちなみに、本発明の発明者らの評価結果であるが、エネルギースペクトル51でのエネルギー分解能は3.6%であったのに対し、エネルギースペクトル53でのエネルギー分解能は3.4%であった。これは、第1の波高値(43)から得られるエネルギースペクトル51を用いるよりも、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との和の値から得られるエネルギースペクトル53を用いるほうが、エネルギー分解能が向上したことを意味する。ここで、エネルギー分解能は、エネルギースペクトルにおけるピークが存在する部分の頻度分布の半値幅をピークエネルギー値(ピーク波高値)で割って得られる値である。
図4は、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との相関関係を表す散布図の例である。ここで、横軸は、第1の波高値(43)、縦軸は、第2の波高値(48)を表している。また、図中の黒丸印のそれぞれのドットは、1フォトンのガンマ線13が放射線検出器11へ入射したとき、バイポーラ波形整形アンプ21から出力される出力信号波形42,47からそれぞれ得られる第1の波高値(43)および第2の波高値(48)を表している。
ところで、第1の波高値(43)および第2の波高値(48)は、もともと1個のフォトンの放射線検出器への入射により生成される出力信号波形42,47から得られるものであるから、両者の相関は大きいのが当然であり、ほぼ比例する相関関係にあるべきものである。しかしながら、図4を参照すると、その比例関係から逸脱したドットも多数あることが分かる。これらの比例関係から逸脱したドットは、何らかのノイズの影響を受けたもの、あるいは、複数のフォトンの入射がわずかにずれて偶然に重なったもの、すなわち、パイルアップしたものと判断される。
なお、図4において、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)とが比例の相関関係にあるとは、その第1の波高値(43)および第2の波高値(48)が表すドットが、比例の相関関係を表す上限ライン54と下限ライン55との間の領域に含まれることを意味する。従って、上限ライン54と下限ライン55との間に含まれない各ドットが表す第1の波高値(43)および第2の波高値(48)のデータは、ノイズやパイルアップの影響を受けたものと判断されるので、エネルギースペクトル作成用の計測データから除去されるべきものである。
図5は、第1の波高値(43)に基づくエネルギースペクトルと、第2の波高値(48)との間に比例の相関関係を有する第1の波高値(43)に基づくエネルギースペクトルとを比較して示した図である。
なお、図5に示されたエネルギースペクトル56は、図3に示されたエネルギースペクトル51と同じエネルギースペクトルを表している。ただし、図5の例では、放射線検出器11へ入射するガンマ線13の線源の線量が強められたものを用い、ノイズとくにパイルアップの発生がし易いようにされている。
ちなみに、図5を参照すると、全てのガンマ線13の検出信号から得られた第1の波高値(43)に基づくエネルギースペクトル56は、エネルギーピーク部分の右側がとくに広がっていることが分かる。一方、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との間に比例の相関関係があるデータを選別し、その選別したデータの第1の波高値(43)に基づくエネルギースペクトル57は、エネルギーピーク部分の右側の広がりが小さくなっている。
このように、第2の波高値(48)との相関を考慮して選別した第1の波高値(43)に基づくエネルギースペクトル57は、ノイズやパイルアップの影響が除去されたものといえる。従って、その選別された第1の波高値(43)は、計測データとしての信頼性が高いものであるので、それを用いて作成されるエネルギースペクトル57も信頼性が高く、良好な精度が得られ、そのエネルギー分解能も高くなる。
以上、図2〜図4を用いて説明した事項をまとめると、本実施形態では、ディジタルデータ処理装置35(図1参照)は、次の(処理A)および(処理B)の少なくとも一方の処理を行う。
(処理A) A/D変換器31から送信されてくる第1の波高値(43)および第2の波高値(48)からなる計測データを記憶装置に一旦蓄積しておき、蓄積したそれぞれの計測データについて第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との和の値を算出し、その算出した第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との和の値を用いてエネルギースペクトル53(図3参照)を作成する処理。
(処理B) A/D変換器31から送信されてくる第1の波高値(43)および第2の波高値(48)からなる計測データを記憶装置に一旦蓄積しておき、蓄積したそれぞれの計測データについて、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との間に比例の相関関係があるか否かを判定し、比例の相関関係があると判定された計測データの第1の波高値(43)を用いてエネルギースペクトル57(図5参照)を作成する処理。
なお、(処理A)と(処理B)とを併せて行う場合には、(処理B)の処理において、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との間に比例の相関関係があると判定されたとき、第1の波高値(43)を用いてエネルギースペクトル57を作成する代わりに、第1の波高値(43)と第2の波高値(48)との和の値を算出し、その和の値を用いてエネルギースペクトルを作成するようにすればよい。
以上、第1の実施形態によれば、A/D変換器31が第1の波高値(43)および第2の波高値(48)を取得し、さらに、ディジタルデータ処理装置35が(処理A)および(処理B)の少なくとも一方を実行することにより、ノイズやパイルアップの影響を除去ずることができる。従って、本実施形態は、従来技術(第1の波高値(43)だけを用いてエネルギースペクトル51を作成する場合)よりも、エネルギースペクトルの精度を向上させ、また、そのエネルギー分解能を向上させることができるという効果を奏する。
ところで、放射線検出器11および高圧電源12の極性は、例えば、半導体の導電型などに応じて、適宜、入れ替えられる場合がある。第1の実施形態では、バイポーラ波形整形アンプ21の出力部分に非反転アンプ22および反転アンプ23の両方が用いられているため、その極性の入れ替えに対して、少なくともバイポーラ波形整形アンプ21などの回路側では、実質的に何らの変更も必要でない。単に、非反転アンプ22および反転アンプ23の極性が互いに反転するとみなすだけでよい。
従って、放射線検出器11および高圧電源12の極性が入れ替えられた場合には、ディジタルデータ処理装置が、(処理A)や(処理B)を実行する前に、反転アンプ23のピーク値を第1の波高値とし、非反転アンプ22のピーク値を第2の波高値とする波高値を互いに入れ替える処理を追加して実行するだけでよい。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る放射線計測装置2の要部の回路構成の例を示した図である。なお、以下の第2の実施形態の説明では、図1(第1の実施形態)の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る放射線計測装置2は、バイポーラ波形整形アンプ25の出力段がオフセットアンプ26だけで構成されている点で第1の実施形態に係る放射線計測装置1と相違している。従って、バイポーラ波形整形アンプ25から出力される増幅波形信号は、オフセットアンプ26の出力信号だけであり、A/D変換器32へは、このオフセットアンプ26の出力信号だけが入力される。そのため、A/D変換器32の内部構成(図示省略)は、第1の実施形態におけるA/D変換器31の内部構成とは相違したものとなる。
図7は、オフセットアンプ26の出力信号波形61の例を示した図である。図7に示すように、出力信号波形61は、正極性の信号であり、第1の実施形態(図2参照)における電圧0vのベースラインは、オフセットアンプ26により正極側へ移動させられており、図7では、ベースライン62がそれに相当する。
そのため、出力信号波形61は、ピークの頂点64だけでなく、谷の底66についても正電圧となる。その結果、第1の実施形態におけるA/D変換器31では、その内部に2系統のピークホールド回路が必要であったものが、本実施形態におけるA/D変換器32では、1系統のサンプルホールド回路(図示省略)で済ますことができる。
なお、ここで、ピークホールド回路をサンプルホールド回路に変更したのは、出力信号波形61の谷の底66の電圧値67も正電圧となるため、ピークホールド回路では、その谷の底66における電圧値を得ることができないからである。そこで、本実施形態では、サンプルホールド回路付きA/D変換器32が使用される。
以下、図7を参照して、第1の実施形態における第1の波高値(43)および第2の波高値(48)に相当する第2の実施形態における第1の波高値(68)および第2の波高値(69)を取得する手順について説明する。
まず、サンプルホールド回路付きA/D変換器32は、出力信号波形61が予め設定されたトリガレベル63を超えた時刻73から第1の待ち時間71を経過したときの電圧値64をサンプリングし、A/D変換を行い、頂点64の波高値を(65)を取得する。次に、A/D変換器32は、出力信号波形61が予め設定されたトリガレベル63を超えた時刻73から第2の待ち時間72(ただし、第1の待ち時間71より大)を経過したときの電圧値67をサンプリングし、2回目のA/D変換を行い、谷の底66の波高値(67)を取得する。
なお、ここでいう第1の待ち時間71は、ピークの頂点64における電圧値65がちょうどサンプリングされ、A/D変換されるよう、バイポーラ波形整形アンプ25のシェーピング時定数などの回路特性値から予め予測され、設定された値である。同様に、第2の待ち時間72は、谷の底66における電圧値67がちょうどサンプリングされ、A/D変換されるよう、バイポーラ波形整形アンプ25のシェーピング時定数などの回路特性値から予め予測され、設定された値である。
次に、以上のようにして取得された電圧値65からベースライン62の電圧値を差し引くことにより、第1の波高値(68)が算出され、ベースライン62の電圧値から電圧値67を差し引くことにより、第2の波高値(69)が算出される。なお、これらの算出処理は、ディジタルデータ処理装置35の中で実行されるものとするが、A/D変換器32の中で行ってもよい。
こうして、第1の波高値(68)および第2の波高値(69)が算出されると、その後のディジタルデータ処理装置35の中で行われる処理は、第1の実施形態で説明した(処理A)および(処理B)と同じになる。従って、本実施形態でも、第1の波高値(68)および第2の波高値(69)の両方を用いてエネルギースペクトルが作成されることになる。
よって、第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、従来技術(第1の波高値(68)だけを用いる場合)に比べ、作成されるエネルギースペクトルの精度を向上させることができ、また、そのエネルギー分解能を向上させることができるという効果を奏する。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る放射線計測装置3の要部の回路構成の例を示した図である。なお、以下の第3の実施形態の説明では、図1(第1の実施形態)の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態に係る放射線計測装置3は、ユニポーラ波形整形アンプ27が用いられている点で第1の実施形態に係る放射線計測装置1と相違している。従って、A/D変換器33へは、負極側へアンダシュートしない正極側の信号だけが入力されるので、A/D変換器33の内部構成(図示省略)は、第1の実施形態におけるA/D変換器31の内部構成と相違したものとなる。
ユニポーラ波形整形アンプ27は、CR−RC−RCの回路構成を有し、初段のCR回路には、信号波形が負極側にアンダシュートしないようにポールゼロキャンセル抵抗28が付加されている。ここで、ポールゼロキャンセル抵抗28は、可変抵抗であるとする。これは、前段のばらつきの大きい積分コンデンサ18の容量値および放電抵抗19の抵抗値に合わせて、抵抗値を調整する必要があるためである。
図9は、ユニポーラ波形整形アンプ27の出力信号波形81の例を示した図である。図9に示すように、出力信号波形81は、正極性の信号であり、負極側へアンダシュートすることはない。このユニポーラ波形整形アンプ27の出力信号波形81は、ピークホールド回路(図示省略)を有するA/D変換器33へ入力され、A/D変換器33およびディジタルデータ処理装置35により、次のような信号処理が行われる。
まず、A/D変換器33は、出力信号波形81が予め設定されたトリガレベル82を超えた時刻から第1の待ち時間83が経過した後でピークホールドした電圧値84をA/D変換することにより、第1の波高値(86)を取得する。その後、A/D変換器33は、出力信号波形81がトリガレベル82を超えた時刻から第2の待ち時間87(ただし、第1の待ち時間71より長い待ち時間)が経過したとき、ピークホールド回路をリセットし、その直後に2回目のピークホールドを開始する。そして、ピークホールド回路には、リセット後の出力信号波形81の最大の電圧値88が保持される。そこで、A/D変換器33は、その電圧値88をA/D変換することにより、第2の波高値(89)を取得する。
なお、ここでいう第1の待ち時間83は、出力信号波形81のピークの電圧がちょうどピークホールドされ、A/D変換されるよう、バイポーラ波形整形アンプ25のシェーピング時定数などの回路特性値から予め予測され、設定された値である。また、第2の待ち時間87は、出力信号波形81の電圧値がゼロに収束する時間として、ユニポーラ波形整形アンプ27のシェーピング時定数などの回路特性値から予め予測され、設定された値である。
以上のようにして取得された第1の波高値(86)および第2の波高値(89)は、ディジタルデータ処理装置35へ送信される。本実施形態では、第2の波高値(89)は、第1の実施形態でいう波高値(48)のように負極側のピーク値を表すものでないため、ディジタルデータ処理装置35は、第1の実施形態と同様の処理をすることはできない。しかしながら、本実施形態でも、作成するエネルギースペクトルの精度向上およびエネルギー分解能向上のために第2の波高値(89)を利用する。
そこで、本実施形態では、ディジタルデータ処理装置35は、次の(処理C)を実行する。
(処理C) A/D変換器31から送信されてくる第1の波高値(86)および第2の波高値(89)からなる計測データのうち、第2の波高値(89)がトリガレベル82以下であるような計測データを選別し、その選別した計測データの第1の波高値(86)を用いてエネルギースペクトルを作成する処理。
一般に、ユニポーラ波形整形アンプ27を用い、かつ、第2の待ち時間87を適切な時間に設定した場合には、1個のフォトン(ガンマ線13)の放射線検出器11への入射により生成される出力信号波形81において、第2の波高値(89)をトリガレベル82よりも必ず小さくなるようにすることができる。従って、第2の波高値(89)がトリガレベル82を超えているような場合には、何らかのノイズやパイルアップなどが生じたことにより、出力信号波形81が乱れたものと判断することができる。
従って、本実施形態では、ノイズやパイルアップなどを含む計測データが除去された計測データの第1の波高値(86)に基づいてエネルギースペクトルが作成される。従って、本実施形態も、第1の実施形態と同様に、従来技術(第1の波高値(86)だけを用いる場合)に比べ、作成されるエネルギースペクトルの精度を向上させることができ、また、そのエネルギー分解能を向上させることができるという効果を奏する。
なお、以上の第3の実施形態の説明では、計測データを選別する基準値としてトリガレベル82を用いたが、その基準値は、トリガレベル82に限定されることはない、その基準値としては、適宜、経験的に最適と判断される値を用いても構わない。
また、以上の全ての実施形態において、放射線検出器11は、CdTeの半導体検出器であるものとしているが、放射線検出器11は、CdTeの半導体検出器に限定されるわけではない。放射線検出器11は、CdZnTeやTlBrなどの半導体検出器であってもよく、また、CsI:Tlのように発光の減衰時間が長い(数μ秒以上)シンチレータ検出器であってもよい。
また、以上の全ての実施形態において、放射線検出器11に入射する放射線は、ガンマ線13あるいはフォトンとしているが、放射線は、ガンマ線13やX線などのフォトンに限定されない。放射線は、アルファ線、ベータ線、宇宙線などであってもよい。
また、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を加えることも可能である。
1,2,3 放射線計測装置
11 放射線検出器
12 高圧電源
13 ガンマ線(放射線、フォトン)
14 抵抗
15 コンデンサ
16 チャージアンプ(信号増幅器)
17 オペアンプ
18 積分コンデンサ
19 放電抵抗
21,25 バイポーラ波形整形アンプ(信号増幅器)
22 非反転アンプ
23 反転アンプ
26 オフセットアンプ
27 ユニポーラ波形整形アンプ(信号増幅器)
28 ポールゼロキャンセル抵抗
31,32,33 A/D変換器
35 ディジタルデータ処理装置
42 非反転アンプの出力信号波形
43 非反転アンプの出力信号波形のピーク値(第1の波高値)
44 非反転アンプの出力信号波形の負極側の谷の電圧値
47 反転アンプの出力信号波形
48 反転アンプの出力信号波形のピーク値(第2の波高値)
51,52,53,56,57 エネルギースペクトル
54 上限ライン
55 下限ライン
61 オフセットアンプの出力信号波形
62 ベースライン
63 トリガレベル
64 頂点
65 頂点の電圧値
66 谷の底
67 谷の底の電圧値
68 第1の波高値
69 第2の波高値
71 第1の待ち時間
72 第2の待ち時間
73 トリガレベルを超えた時刻
81 ユニポーラ波形整形アンプの出力信号波形
82 トリガレベル
83 第1の待ち時間
84 ピークホールドした電圧値
86 第1の波高値
87 第2の待ち時間
88 最大の電圧値
89 第2の波高値

Claims (11)

  1. 放射線の入射を検出する放射線検出器と、
    前記放射線検出器により検出される前記放射線の検出信号を増幅し、波形整形した信号を増幅波形信号として出力する信号増幅器と、
    前記信号増幅器から出力される前記増幅波形信号について、第1のタイミングおよびその第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでその信号値をそれぞれA/D変換することにより、第1の波高値および第2の波高値を取得するA/D変換器と、
    前記A/D変換器で取得される前記第1の波高値および前記第2の波高値の両方を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成するディジタルデータ処理装置と、
    を備えてなること
    を特徴とする放射線計測装置。
  2. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第1の波高値と前記第2の波高値との和の値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  3. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第1の波高値と前記第2の波高値との間に比例の相関関係があるか否かを判定することにより、比例の相関関係がある前記第1の波高値および前記第2の波高値を選別し、前記選別した前記第1の波高値および前記第2の波高値のうち前記第1の波高値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  4. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第2の波高値に基づき前記第1の波高値を選別し、前記選別した前記第1の波高値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  5. 前記信号増幅器は、出力段に前記増幅波形信号を出力する非反転アンプと前記増幅波形信号の極性反転信号を出力する反転アンプとを有するバイポーラ波形整形アンプを備えてなり、
    前記A/D変換器は、前記増幅波形信号および前記増幅波形信号の極性反転信号がそれぞれ入力される2系統のピークホールド回路を備えてなり、
    前記A/D変換器は、
    前記増幅波形信号が最大となるタイミングである前記第1のタイミングで、前記ピークホールド回路の一方にホールドされた前記増幅波形信号の信号値をA/D変換することにより前記第1の波高値を取得し、
    前記増幅波形信号の極性反転信号が最大となるタイミングである前記第2のタイミングで、前記ピークホールド回路の他方にホールドされた前記増幅波形信号の極性反転信号の信号値をA/D変換することにより前記第2の波高値を取得すること、
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  6. 前記信号増幅器は、出力段に前記増幅波形信号を出力するオフセットアンプを有するバイポーラ波形整形アンプを備えてなり、
    前記A/D変換器は、前記増幅波形信号が入力されるサンプルホールド回路を備えてなり、
    前記A/D変換器は、
    前記増幅波形信号が最大になると予測されるタイミングとして予め設定された前記第1のタイミングで、前記サンプルホールド回路にホールドされた前記増幅波形信号の信号値をA/D変換することにより前記第1の波高値を取得し、
    前記増幅波形信号が最小になると予測されるタイミングとして予め設定された前記第2のタイミングで、前記サンプルホールド回路にホールドされた前記増幅波形信号の信号値をA/D変換することにより前記第2の波高値を取得すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  7. 前記信号増幅器は、前記増幅波形信号を出力するユニポーラ波形整形アンプを備えてなり、
    前記A/D変換器は、前記増幅波形信号が入力されるピークホールド回路を備えてなり、
    前記A/D変換器は、
    前記増幅波形信号が最大になると予測されるタイミングとして予め設定された前記第1のタイミングで、前記ピークホールド回路にホールドされた前記増幅波形信号の信号値をA/D変換することにより前記第1の波高値を取得し、
    前記ピークホールド回路をリセットし、
    前記増幅波形信号の信号値がゼロに収束したとみなされるタイミングとして予め設定された前記第2のタイミングで、前記ピークホールド回路にホールドされた前記増幅波形信号の信号値をA/D変換することにより前記第2の波高値を取得すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  8. 放射線検出器が、放射線の入射を検出するステップと、
    信号増幅器が、前記放射線検出器により検出される前記放射線の検出信号を増幅し、波形整形した信号を増幅波形信号として出力するステップと、
    A/D変換器が、前記信号増幅器から出力される前記増幅波形信号について、第1のタイミングおよびその第1のタイミングとは異なる第2のタイミングでの信号値をそれぞれA/D変換することにより、第1の波高値および第2の波高値を取得するステップと、
    ディジタルデータ処理装置が、前記A/D変換器により取得される前記第1の波高値および前記第2の波高値の両方を用いて、前記放射線のエネルギースペクトルを作成するステップと、
    を備えてなること
    を特徴とする放射線計測方法。
  9. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第1の波高値と前記第2の波高値との和の値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項8に記載の放射線計測方法。
  10. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第1の波高値と前記第2の波高値との間に比例の相関関係があるか否かを判定することにより、比例の相関関係がある前記第1の波高値および前記第2の波高値を選別し、前記選別した前記第1の波高値および前記第2の波高値のうち前記第1の波高値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項8に記載の放射線計測方法。
  11. 前記ディジタルデータ処理装置は、
    前記第2の波高値に基づき前記第1の波高値を選別し、前記選別した前記第1の波高値を用いて前記放射線のエネルギースペクトルを作成すること
    を特徴とする請求項8に記載の放射線計測方法。
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