JP2014228118A - 給水給湯機用ボールバルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の流出路及び流入路を有する弁体230と、弁体230が回転可能に収納される弁室を有する弁ケースと、弁体230を回転駆動してシステムに通ずる流出入口の切換をおこなうモーターとを備えるボールバルブであって、弁体230の外周面が円柱形状部230aと球形状部230bの複合形状で構成されており、円柱形状部230aの外周面を共有する内周面及び球形状部230bの外周面を共有する外周面を有するパッキン240を弁体230を構成する材料よりも弾性率が小さい材料で構成した。
【選択図】図5
Description
また、前記弁体を前記弁室内に保持するために、前記弁ケースの左側面開口部にその螺合部で螺入される押さえシートと前記左側面開口部を閉鎖する弁カバーを備えており、弁カバーにも1つの流出口が形成されている。
ボールバルブは前記弁室内の前記弁体と、前記弁ケースおよび押さえシートとの接触部分に、複数のパッキンを介在させており、前記接触部分で弁室から前記3つの流出口の各々、あるいは前記3つの流出口の各々から前記弁室への湯水の漏洩を防止している。
このボールバルブは、L字型に形成された流路を有する弁体と、前記弁体が回転可能に収納される弁室を有する弁ケースと、前記弁ケースに形成された流入口及び複数の流出口と、前記弁体を回転駆動して前記流出口の切換をおこなうモーターとを備えるボールバルブであって、前記弁体はゴム等の弾性材にて形成してあり、かつ、前記弁体には薄板材を三次元的に折り曲げて形成した補強枠を埋設しており、強度を高めている。
上記の構成とすることにより、弁ケース側に弁体とのシール部品を別途設ける必要がなくなるため、部品点数を少なくして構成を簡略化でき、組立工数も少なくすることができる。
また、特許文献2に示す構成では、ボールバルブの外部への漏水を回避するために弾性材を弁体の外部から中心に向かって押圧する必要がある。その際に、弁体内部に埋設した補強枠の断面において圧縮応力が集中し、応力集中部を起点として弾性材内部に亀裂の発生、進展、ひいては弾性材の断裂による弁体の破壊を誘発する恐れがある。さらに、弁体全体を弾性材で構成することにより弾性材の使用量、使用体積が増大するため、弁体を押圧する外力による弁体の表面における変形量が大きくなってしまい、この結果、弾性材の圧縮反力が増加し摺接部における摩擦抵抗が上昇し、弁体の回転が不可となる事態が起こり得る。
この発明における実施の形態1を図1から図5までについて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるボールバルブを示す斜視図である。図2、図3、図4は、図1のII−II線、III−III線、IV−IV線における断面図を示す。図5は、この発明における実施の形態1による弁体とパッキンの構成を示すものであり、図5(a)は弁体とパッキンの側面図、図5(b)は図5(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と直角方向の垂直断面図、図5(c)は図5(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と平行方向の垂直断面図、図5(d)は図5(a)に示す弁体とパッキンの水平断面図である。
前記弁体230には、中心付近で合流するように断面円形の2つの流出入路231及び232がL字形に形成されており、前記2つの流出入路231及び232は相互に直交し互いに連通している。前記2つの流出入路231及び232は、前記弁体230を射出成形にて形成する際にスライドコアにより形成しても良いし、射出成形後にドリル加工で形成しても良い。前記2つの流出入路231及び232を射出成形にて形成する場合は、金型からの離型を容易にするために流出入路の深さ方向に抜き勾配を設けたり、流出入路の直径を段階的に変化させたりしても良い。
前記弁体230の表面は、円柱形状部230aと球形状部230bを複合した形状により構成されている。前記パッキン240は、前記弁体の円柱形状部230aが前記パッキン240の内周面240aと同一となり、前記球形状部230bが前記パッキン240の外周面240bと同一となるように形成されている。
この構成により、ボールバルブ200の機械強度を第一の材料で構成する前記弁体230で確保しつつ、弾性率が小さく変形しやすい第二の材料で構成する前記パッキン240で前記弁体230の表面を取り巻くことで、弁ケース212に設けられた流入口及び流出口の数に応じて必要となるシートバルブを使用せずにシール性を確保できる。これにより、ボールバルブ200の構成部品を削減でき、組立工数の削減も期待できる。
さらに、弁体全体ではなく部分的に弾性材を使用する構成とすることにより、弾性材成形品の成形収縮を極力小さくし高い寸法精度を維持できるため、摺動抵抗の変動が小さく品質が安定したボールバルブを製造できる。また、弾性材の使用量を低減することで、光や酸素、水分、オゾン、熱やひずみによる弾性材の劣化を抑制し、ボールバルブの製品寿命を延命できるとともに、コスト削減にも効果がある。
前記パッキン240に形成した4つの流出入口241、242、243、244のいずれか2つの流出入口は、前記弁体230に形成した前記2つの流出入路231及び232と穴の軸を同一とする。前記パッキン240の前記4つの流出入口241、242、243、244は、前記パッキン240を射出成形または加硫成形する際にスライドコアにより形成しても良いし、成形後にドリル加工で形成しても良い。前記4つの流出入口241、242、243、244を成形にて形成する場合、金型からの離型を容易にするために流出入口の深さ方向に抜き勾配を設けたり、流出入口の直径を段階的に変化させたりしても良い。当然ながら、パッキン240に形成する流出入口は90度毎に4個形成される構成に限定するものではなく、パッキン240に形成する数に応じて流出入口間の角度を変更しても良いものとする。
前記弁体230の天頂部には、前記モーター220の回転駆動力を前記弁体230に伝達する弁軸225を嵌合するための嵌合溝部234が設けられている。前記軸受筒部212aの弁軸嵌挿穴218に嵌挿された弁軸225は、下側から順次、前記弁体230の頂部に形成された断面矩形の嵌合溝部234に嵌合せしめられる角形嵌合部225a、大径部225b、Oリング227を装着するOリング装着部225c、及び、前記モーター220の出力軸に一体回転可能に嵌合連結される切欠き円形断面の入力連結部225dとから構成されている。前記Oリング227により前記弁室215から前記弁軸嵌挿穴218に漏洩する流体の流れを防止する。
前記弁軸225は、前記モーター220により正逆両方向に回転せしめられ、この弁軸225の回転に伴って前記弁体230が回転し、弁体に形成された前記流出入路231及び232が平面状を回転せしめられることになる。この動作により、前記弁体230及び前記パッキン240に設けられた流路と、前記4つの流出入口201、202、203、204の切換を行う。
また、特別に補強枠を設けていないので、ボールバルブの外部へ漏水を回避するために弾性材を弁体外部から弁体中心に向かって押圧する際に、補強枠の部分において応力が集中し、応力集中部を起点として亀裂の発生、進展、ひいては弾性材の断裂を抑制できるため、ボールバルブのシール性及び信頼性の低下を回避できる。
また、弁体全体ではなく部分的に弾性材を使用することにより、弾性材部品の成形収縮を極力小さくし高い寸法精度を維持できるとともに、押圧力による弾性材部品の変形量を小さく維持できるため、摺動抵抗の変動が小さく品質が安定したボールバルブを製造できる。
(構成)
複数の流出路及び流入路を有する弁体と、前記弁体が回転可能に収納される弁室を有する弁ケースと、前記弁ケースに形成された弁カバー取付口と、流入口及び流出口を有しており前記弁カバー取付口に着脱可能な弁カバーと、前記弁体を回転駆動して給水給湯システムに通ずる前記流入口及び流出口の切換を行うモーターと、前記モーターの回転駆動力を前記弁体に伝達する弁軸を備えるボールバルブであって、前記弁体の外周面が円柱形状部と球形状部の複合形状で構成されており、前記円柱形状部の外周面を共有する内周面及び前記球形状部の外周面を共有する外周面を有するパッキンが、前記弁体を構成する第一の材料に比べて弾性率が小さい第二の材料を用いて構成されていることを特徴とする給水給湯機用ボールバルブ。
(効果)
この構成により、ボールバルブの機械強度を第一の材料で構成する弁体で確保しつつ、弾性率が小さく変形しやすい第二の材料で弁体表面を取り巻くことで弁ケースに設けられた流入口及び流出口の数に応じて必要となるシール部品を使用せずにシール性を確保できる。
ボールバルブの外部へ漏水を回避するために弾性材を弁体外部から弁体中心に向かって押圧する際に、補強材として弁体内部に埋め込まれた薄板状板金部品の断面において応力が集中し、応力集中部を起点として亀裂の発生、進展、ひいては弾性材の断裂を抑制できるため、ボールバルブのシール性及び信頼性の低下を回避できる。
弁体全体ではなく部分的に弾性材を使用することにより、成形品の成形収縮を極力小さくし高い寸法精度を維持できるため、摺動抵抗の変動が小さく品質が安定したボールバルブを製造できる。また、弾性材は光や酸素、水分、オゾン、熱やひずみにより劣化が進行し、亀裂発生や硬化、崩壊が起こる。弾性材の使用量を低減することでボールバルブの製品寿命を延命できるとともに、コスト削減にも効果がある。
(構成)
前項の構成において、前記パッキンの外周面上に、前記パッキンの外周面と前記パッキンの内周面を貫く流入口及び流出口を等間隔に設けたことを特徴とする給水給湯機用ボールバルブ。
(効果)
この構成により、パッキンの成形収縮が等方的になるのでパッキン外形の寸法管理が容易となり、パッキンと弁ケースの摺接部における二次加工が削減できる。成形品の成形収縮を極力小さくし高い寸法精度を維持できるため、摺動抵抗の変動が小さく品質が安定したボールバルブを製造できる。また、パッキン形状が等方的であるため、弁体とパッキンを組み合わせる際に方向を考える必要がなく組み立てが容易になる。
この発明における実施の形態2を図6について説明する。図6は、この発明における実施の形態2による弁体とパッキンの構成を示すものであり、図6(a)は弁体とパッキンの側面図、図6(b)は図6(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と直角方向の垂直断面図、図6(c)は図6(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と平行方向の垂直断面図、図6(d)は図6(a)に示す弁体とパッキンの水平断面図である。
(構成)
実施の形態1における構成において、前記弁体の外周面が円柱形状部と球形状部の複合形状で構成されており、かつ前記弁体の円柱形状部が前記弁体の2つの球形状部によって挟まれた構成をしていることを特徴とする請求項1に記載の給水給湯機用ボールバルブ。
(効果)
この構成により、弾性材のクリープ現象により弁体内部に向かって発生している締め付け力が低下した場合にも弁体とパッキンが脱離する事態を回避し、ボールバルブの機能を全うできる。
この発明における実施の形態3を図7について説明する。図7は、この発明における実施の形態3による弁体とパッキンの構成を示すものであり、図7(a)は弁体とパッキンの側面図、図7(b)は図7(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と直角方向の垂直断面図、図7(c)は図7(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と平行方向の垂直断面図、図7(d)は図7(a)に示す弁体とパッキンの水平断面図である。
前記弁体430の円柱形状部430aと、前記パッキン440の内周面440aの接触界面において、前記弁体430の2つの流出入路431及び432と、前記パッキン440の4つの流出入口441、442、443、444の流路が干渉しない状態を固定するように凹部451と凸部452を設けて前記弁体430と前記パッキン440を嵌合させる構造とする。凹部451と凸部452の組み合わせは複数存在しても良いものとする。
(構成)
実施の形態1または実施の形態2における構成において、前記弁体に設けた複数の流出入路の内の一つの流出入路と、前記パッキンに設けた複数の流出入口の内の一つの流出入口が干渉していない状態で、前記弁体と前記パッキンの両部品の境界面にそれぞれ凹部及び凸部を設けて両部品を嵌合するようにしたことを特徴とする給水給湯機用ボールバルブ。
(効果)
この構成により、モーターの駆動力により弁体を回転してシステム流路を切り替える際に弁体が空回りすることにより、弁体に設けた流出入路とパッキンに設けた流出入口が干渉し、流路の一部乃至全部が封鎖されることでシステム流量が低減することを防止する。
この発明における実施の形態4を図8について説明する。図8は、この発明における実施の形態4による弁体とパッキンの構成を示すものであり、図8(a)は弁体とパッキンの側面図、図8(b)は図8(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と直角方向の垂直断面図、図8(c)は図8(a)に示す弁体とパッキンにおける紙面と平行方向の垂直断面図、図8(d)は図8(a)に示す弁体とパッキンの水平断面図である。
前記弁体530の前記円柱形状部530aと前記球形状部530bを繋ぐ前記弁体430の平坦部530cに凸部552を設け、前記パッキン540の前記内周面540aと前記外周面540bを繋ぐ前記パッキン540の平坦部540cに凹部551を設ける。前記弁体530の2つの流出入路531及び532と、前記パッキン540の4つの流出入口541、542、543、544の流路が干渉しない状態を固定するように前記凹部551と前記凸部552を嵌合する構造とする。凹部551と凸部552の組み合わせは複数存在しても良いものとする。
(構成)
実施の形態1または実施の形態2における構成において、前記弁体に設けた複数の流出入路の内の一つの流出入路と、前記パッキンに設けた複数の流出入口の内の一つの流出入口が干渉していない状態で、前記弁体と前記パッキンの両部品の境界面にそれぞれ凹部及び凸部を設けて両部品を嵌合するようにしたことを特徴とする給水給湯機用ボールバルブ。
(効果)
この構成により、モーターの駆動力により弁体を回転してシステム流路を切り替える際に弁体が空回りすることにより、弁体に設けた流出入路とパッキンに設けた流出入口が干渉し、流路の一部乃至全部が封鎖されることでシステム流量が低減することを防止する。
Claims (4)
- 円柱構成体と端部構成体との複合体で構成され前記円柱構成体の軸線を中心として回動自在に弁室に収納される弁体と、前記弁体を駆動制御するモーターとを備え、前記円柱構成体の周面には前記円柱構成体の内部において互いに連通する複数の流体流通口が開口し前記モーターの駆動制御による前記円柱構成体の回動により前記流体流通口に対応する流路を切り換える切換動作を行うものにおいて、前記弁体における前記端部構成体は、前記円柱構成体の端面と前記弁室の内面との間で前記円柱構成体と一体に設けられ、その外周面に球面の一部に相当する曲面部を形成するとともに、前記弁体の前記円柱構成体の周面には、前記円柱構成体の周面に接合する内周面を有し外周面を前記端部構成体の外周面に連続して形成されるパッキンを設けたものであって、前記パッキンは前記弁体を構成する第一の材料に比べて弾性率が小さい第二の材料が用いられていることを特徴とする給水給湯機用ボールバルブ。
- 前記端部構成体を前記円柱構成体の両端にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載の給水給湯機用ボールバルブ。
- 前記弁体に設けた複数の前記流体流通口の内の一つの流体流通口と、前記パッキンに設けた複数の流体流通口の内の一つの流体流通口が干渉していない状態で、前記弁体と前記パッキンの両部品の境界面に凹部及び凸部を設けて両部品を嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の給水給湯機用ボールバルブ。
- 前記パッキンの外周面上に、前記パッキンの外周面と前記パッキンの内周面を貫く流体流通口を等間隔に設けたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の給水給湯機用ボールバルブ。
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