JP2005003022A - スピンドル式切換弁 - Google Patents

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正明 大橋
Satoru Fukuzawa
覚 福澤
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Abstract

【課題】ハウジングおよびスピンドルの摩耗が防止できる耐久性に優れたスピンドル式切換弁を提供する。
【解決手段】複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて上記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、ハウジングとスピンドルとの間にシール部材および軸受部材とを備えてなる。または、軸受部材を備えず、ハウジング、スピンドルおよびシール部材の少なくとも一つが、樹脂すべり軸受材で形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの流入側流路から異なる複数の流出側流路への流路を切り換えるスピンドル式切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャワー・バス水栓のように水・湯などの供給先を、例えばシャワー側とカラン側とに変更するための器具、あるいは蛇口に直接取付け原水とろ過水とを切り換えることができる浄水器などには、流路を切り換えるための切換弁が備えられている。従来、このような切換弁としては、ハウジングと、この内部に回転可能に配設されたスピンドルとを備え、これらの摺接部をシールするため、スピンドルの流出側流路を含む外周面にゴムなどの弾性シールを一体に構成したものなどが知られている(特許文献1参照)。しかし、上記スピンドル構成を有する切換弁では、ハウジングとスピンドル間の接触抵抗が大きく、スピンドル操作が非常に重くなるという問題があった。これに対して近年の切換弁では一般的に、スピンドルとハウジングとの間に流出側流路の周囲だけがシールできるようにシール部材を介在させた構成としている(特許文献2参照)。
また、切換弁の閉栓状態などにおいて、ハンドル操作を明確にできるように節度感を設けることが求められている(特許文献2参照)。
【0003】
上記パッキンを介在させた切換弁の一例を図9を参照して説明する。図9は、スピンドル式切換弁の径方向の断面図を示す。
切換弁7における流出側流路は、スピンドル8を回転させ、ハウジング9の吐出孔9aとスピンドル8の連通孔8aとを整合させることで形成される。ここで、両部材間からの漏れを防止するため、該流出側流路の周囲で、ハウジング9と、スピンドル8との間に、ゴムからなるシール部材10を介在させている。シール部材10は、摩擦抵抗を考慮して、吐出孔9aと連通孔8aの周囲だけをゴムで形成して本体を合成樹脂で形成した構造のものもある。
これらのシール部材10は、流出側流路に対してずれを生じないようにハウジング9に固定されている。ここで、シール部材10の固定方法としては、軸方向はシール部材の軸方向末端がハウジング9の底部(図示省略)に当たることで固定し、円周方向はハウジング9に溝9bなどを形成し、該溝9bにシール部材10の両側端10aを嵌合することで固定している。
また、ハウジング9内周における吐出孔9aの対向部は、ハウジング9を射出成形するときに生じる成形収縮によって内壁の変形を防止するため薄肉にしてリブを形成した構造のものもある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−6567号公報(2頁左下欄、17〜20行目)
【特許文献2】
実用新案登録第2595975号公報(図2、[0009]および図5、請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスピンドル式切換弁を形成する材質は、シール部材10がゴムまたはエラストマーからなり、その他のハウジング9、スピンドル8は構造用合成樹脂から形成されている。また、摩擦抵抗を考慮して吐出孔9aと連通孔8aの周囲だけをゴムで形成したシール部材においてもゴム以外の本体は、構造用合成樹脂から形成されている。また、ハウジング内周にリブが形成されたハウジングにおいても、リブはハウジング9と同時に成形されるため、ハウジング9と同じ構造用合成樹脂から形成されている。すなわち、スピンドル8の回転摺動に対して接触する部位は、ゴム部のほかは構造用合成樹脂である。よって、繰り返しの接触に伴い、該構造用合成樹脂がその接触面で摩耗し、スピンドル8がハウジング9に対して偏心し、漏れが発生するという問題がある。
また、上記した円周方向の固定方法を採用した場合、シール部材10をハウジング9に組み込む際は、ハウジング9の内周壁面にシール部材10を押し付けながら軸方向にスライドさせなければならない。そのようにシール部材10を押し付けながら軸方向にスライドさせると、シール部材10に剪断応力などの摺接による負荷が掛かり、また、吐出孔9aの開口部との引っ掛かりによって、シール部材10が損傷するおそれがある。この結果、シール性が低下し、漏れなどが発生するなどの問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、ハウジングおよびスピンドルの摩耗が防止できる耐久性に優れたスピンドル式切換弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るスピンドル式切換弁は、複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて上記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、上記ハウジングと上記スピンドルとの間にシール部材とを備えてなるスピンドル式切換弁であって、ハウジング、スピンドルおよびシール部材の少なくとも一つは、樹脂すべり軸受材で形成されてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係るスピンドル式切換弁は、複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて上記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、ハウジングとスピンドルとの間にシール部材および軸受部材とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
また、上記請求項1および請求項2に係るスピンドル式切換弁において、樹脂すべり軸受材および軸受部材は最大静摩擦係数0.3以下の合成樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0010】
ハウジング、スピンドルおよびシール部材の少なくとも1つは、樹脂すべり軸受材で形成されてなることにより、各部材の摺接面での摩耗を抑制できる。特に最大静摩擦係数が0.3以下の樹脂すべり軸受材で形成することにより、摺接面での摩耗が抑えられるとともに、シール部材とスピンドルなどが接触しても操作性が変化しない。
また、ハウジングとスピンドルとの間に軸受部材を備え、該軸受部材を最大静摩擦係数0.3以下の合成樹脂組成物で形成することにより、ハウジングなどに樹脂すべり軸受材を用いない場合でも、各部材の摺接面での摩耗を抑制でき、操作性を損なうことがない。
【0011】
上記シール部材は、ハウジングの吐出孔に嵌着する突部を有するとともに、少なくともハウジングの吐出孔周囲内壁との当接部およびスピンドルの連通孔周囲外壁との当接部が弾性体で形成されてなることを特徴とする。
【0012】
シール部材が、ハウジングの吐出孔に嵌着する突部を有することにより、ハウジングへのシール部材の組み込み時には、上記シール部材の突部が、ハウジングの吐出孔に嵌め合わされるため、組み込みが容易となり、かつシール部材の位置ずれなども発生しない。また、該突部の吐出孔への嵌め合わせを、ハウジング内周面から外周面方向に押し込んで行なうことにより、シール部材におけるハウジング内壁との当接部で、剪断応力などの摺接による負荷が掛からず、さらにハウジングの吐出孔の開口部に引っかかることもないため、該当接部の弾性体の損傷を防止できる。
【0013】
上記ハウジングの内周上に設けられたV字空隙に開放端が配置されたV型バネを有し、スピンドルの外周上に設けられた凹部にV型バネの頂部を嵌合することでスピンドルに回転の節度感を付与することを特徴とする。
【0014】
スピンドル回転時において、ハウジング内周上に設けられたV型バネが一時的に変形して、スピンドル外周上に設けられた凹部に嵌合することにより、この変形時にバネによる抵抗力が発生する。この抵抗力がハンドルレバーなどを介して操作する人に伝わり節度感を与える。
なお、節度感とは、上記切換弁のレバー操作により、凹部にバネが嵌合するとき、あるいは乗り越えるときの感触や音などから感じとれる感覚である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係るスピンドル式切換弁の第1の実施例を図1および図2を参照して説明する。図1(a)は、切換弁の平面図を、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図を、図2は、図1(b)におけるB−B拡大断面図をそれぞれ示す。
切換弁1は、吐出孔2aおよび2bを周壁に有する円筒状のハウジング2と、該ハウジング2の円筒内部に、該ハウジング2と同一中心で回転可能に配設され、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bにそれぞれ整合する連通孔3aおよび3bが開設されたスピンドル3と、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bの周囲で、ハウジング2とスピンドル3との間に介在させたシール部材4とを備えている。
ここで、ハウジング2、スピンドル3、シール部材4の少なくとも一つは合成樹脂組成物からなる樹脂すべり軸受材で形成されてなる。
【0016】
ハウジング2、スピンドル3、シール部材4の全て、または、いずれか一つを樹脂すべり軸受材で形成することにより、例えばリブ2dとスピンドル3間、あるいはシール部材4とスピンドル3間などの相対摺動する摺接面の摩耗を抑制できる。
【0017】
上記樹脂すべり軸受材を形成する合成樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが使用できる。
各部材間での摩耗を抑制するため、上記した合成樹脂にポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」と称す)、グラファイトなどの固体潤滑剤を組成物全体に対して10〜45重量%配合することが好ましい。10重量%以上配合すると、最大静摩擦係数を0.3以下にすることができる。最大静摩擦係数を0.3以下にすることで、各部材間での摩耗が抑えられる。また、45重量%をこえると、機械強度が低下し流体圧によりウェルド部で破断するおそれがある。また、機械強度を高くするため合成樹脂組成物にガラス繊維や炭素繊維等の補強材を配合してもよい。
【0018】
ハウジング2は、円筒状であり、その軸方向の一端部が開放され、閉じた他端部にスピンドル3の小径部3dを回転可能に保持する開口部2cを有する。該構造とすることにより、スピンドル3の大径部3cと小径部3dとの間の段差部3eと、ハウジング2の開口部2cの周囲内壁面とが接触し、ハウジング2内におけるスピンドル3の軸方向位置が固定される。
ハウジング2内周における吐出孔の対向部は、ハウジング2を射出成形するときに生じる成形収縮によって内壁の変形を防止するため薄肉にしてリブ2dが形成されている。リブ2dは、ハウジング2に対してスピンドル3が偏心しないように複数形成され、スピンドル3は、シール部材および上記複数のリブに摺接しつつ、ハウジング2と同一中心で保持される。
【0019】
ハウジング2の円筒周壁には、例えばシャワー側への流体を吐出させる吐出孔2aと、カラン側への流体を吐出させる吐出孔2bとが形成されている。
また、必要に応じて、切換弁1と、これを組み込むバス水栓などの機材との間をシールするため、ハウジング2の外周上にOリング2eなどのシール材を適宜設けることができる。
【0020】
スピンドル3は、大径部3cと、小径部3dとから形成される。大径部3cの円筒周壁には、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bに嵌着されたシール部材4と整合し、流体の流路を形成する連通孔3aおよび3bを有する。
連通孔3aおよび3bは、スピンドル3を回転させることにより、それぞれが吐出孔2aまたは2bと整合し、シール部材4と合せていずれかの流出側流路を形成できるよう、例えば、周方向位置で180°間隔をあけて形成されている。また、大径部3cの底部3fには、連通孔3aまたは3bに流路を開くための流入孔3gが設けられている。また、小径部3dの底部3hは閉じた構造としている。
【0021】
なお、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bと、スピンドル3の連通孔3aおよび3bの、それぞれの周方向位置および軸方向位置は、スピンドル3の回転により、流路を切り換えることができる位置であればよく、特に上記位置に限定されない。
【0022】
シール部材4を図2および図3を参照して説明する。図3(a)はシール部材の平面図を、図3(b)は、図1(b)におけるシール部材周辺の拡大図をそれぞれ示す。
図2および図3(b)に示すように、シール部材4は、ハウジング2の吐出孔2aに嵌着する突部4a、吐出孔2bに嵌着する突部4bを有している。また、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bと、スピンドル3の連通孔3aおよび3bとを合わせて流路を形成するため、突部4aおよび4bで囲まれた部分には、開口部4cおよび4dが形成されている。
図3(a)に示すように、シール部材4のハウジング内壁との接触面4fにおいて、ハウジングの吐出孔周囲内壁との当接部である突部4aおよび4bの周囲に弾性体からなるパッキン4eが配設されている。
また、同様にシール部材4のスピンドル外壁との接触面4gにおいて、スピンドルの連通孔周囲外壁との当接部である開口部4cおよび4dの周囲にも弾性体からなるパッキン4eが配設されている。
【0023】
パッキン4eは、合成ゴム、天然ゴム、エラストマなどの弾性体であればよい。あるいは、PTFE等の固体潤滑材を配合することによって潤滑性を付与した潤滑性ゴム、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴムに対して、PTFE粉末を配合した潤滑性ゴム組成物などでもよい。
パッキン4eは、合成樹脂で成形したシール部材の本体に対して、同時加硫により形成しても、別個に成形したパッキンをシール部材本体に接着してもよい。同時加硫する場合は、シール部材本体にゴムが流れる穴を設けることで接触面4fおよび4gを一つのパッキンで封止できる形状とすることが好ましい。なお、パッキン4eは接触面4fおよび4gにそれぞれ独立して配設してもよい。
また、パッキン4eを潤滑性ゴムで形成する場合、シール部材4とパッキン4eを同じ潤滑性ゴムで一体に形成してもよい。
【0024】
ハウジング2へのシール部材4およびスピンドル3の組み付け方法を、図4を参照して説明する。図4は、第1実施例のスピンドル式切換弁の組立て工程を示す図である。
円筒状のハウジング2内部に、シール部材4をその内壁に摺接しないように入れ込み、吐出孔2aおよび2bと、突部4aおよび4bの軸方向位置を合せる(図4(a))。シール部材4を、径方向に押し込み吐出孔2aおよび2bに、突部4aおよび4bをそれぞれ嵌合する(図4(b))。スピンドル3をハウジング2内部に挿嵌する(図4(c))。
【0025】
シール部材4の突部4aおよび4bが、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bにそれぞれ嵌め合わされるのみで、シール部材4の組み付けができ作業性に優れる。また、シール部材4のハウジング2に対する周方向および軸方向の位置ずれも発生しない。
該突部4aおよび4bの吐出孔2aおよび2bへの嵌め合わせを、ハウジング2内周面から外周面への径方向に押し込んで行なうことにより、シール部材4においてハウジング内壁と当接するパッキン4eには、剪断応力などの摺接による負荷が掛からない。また、吐出孔2aおよび2bの開口部にパッキン4eが引っ掛かることもない。この結果、切換弁へのシール部材組み付け時においてパッキン4eの損傷を防止でき、不良率を低下できる。
【0026】
スピンドル3の閉栓状態において節度感を設ける構造について図5を参照して説明する。図5(a)は、図1(b)におけるC−C断面図を、図5(b)は、図5(a)におけるD部の拡大図をそれぞれ示す。
図5(a)に示すように、ハウジング2の内周上に設けられたV字空隙2fに、V型バネ5がその開放端側で固定されている。また、スピンドル3の外周上に、上記V型バネの頂部が嵌合できる凹部3iが設けられている。なお、凹部3iおよびV型バネ5は、これらの軸方向位置が同じで嵌合できる箇所であれば、ハウジング2およびスピンドル3の任意の箇所に設けることができる。
また、V型バネ5の形状は、V字線状、V字板状などとすることができる。
スピンドル3が回転し、その凹部3iがV型バネ5の位置となる場合、ハウジング2の吐出孔とスピンドル3の連通孔とが重ならず、流路が閉じられ閉栓状態となる。
【0027】
図5(b)に示すように、V型バネ5の頂部5aが、凹部3iに嵌合するためには、一時的にV型バネが変形する必要があり、この変形時にバネによる抵抗力が発生する。この抵抗力がハンドルレバーなどを介して操作する人に伝わり節度感を与える。
V型バネ5と凹部3iの嵌合度合いを変更することで、加わる抵抗力、それに伴う節度感を調整できる。
【0028】
次に本発明に係るスピンドル式切換弁の第2の実施例を図6および図7を参照して説明する。図6(a)は、切換弁の平面図を、図6(b)は、図6(a)におけるA−A断面図を、図7は、図6(b)におけるB−B拡大断面図をそれぞれ示す。
切換弁1は、吐出孔2aおよび2bを周壁に有する円筒状のハウジング2と、該ハウジング2の円筒内部に、該ハウジング2と同一中心で回転可能に配設され、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bにそれぞれ整合する連通孔3aおよび3bが開設されたスピンドル3と、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bの周囲で、ハウジング2とスピンドル3との間に介在させたシール部材4と、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bの対向部で、ハウジング2とスピンドル3との間に介在させた軸受部材6とを備えている。
【0029】
ハウジング2、スピンドル3およびシール部材4に樹脂すべり軸受材を用いない場合でも、ハウジング2とスピンドル3との間に軸受部材6を介在させることにより各部材の摺接面での摩耗を抑制でき、操作性も損なうことがない。
軸受部材6の形状は、スピンドル3をハウジング2内部で同心で保持できる形状であればよい。スピンドル3を安定して保持でき、成形も容易であることから図7に示す半円筒状とすることが好ましい。摺接面積を減少させるため、および軽量化などを図るため、軸受部材の外周面や内周面に軸方向あるいは周方向にスリットを形成してもよい。また、軸受部材6を2分割、または3分割するなど複数個に分解してもよい。
軸受部材6の軸方向端部6aと、ハウジング2の開口部2cの周囲内壁面とが接触し、ハウジング2内における軸受部材6の軸方向位置が固定される。また、軸受部材6の周方向端部6bが、ハウジング2の内周上に形成された係止部2gに接触することで周方向位置が固定される。
軸受部材6は、上述の樹脂すべり軸受材と同様の合成樹脂で形成されることが好ましい。特に、合成樹脂に固体潤滑剤などを配合し、最大静摩擦係数を0.3以下にしたものが好適である。
【0030】
ハウジング2へのシール部材4、スピンドル3および軸受部材6の組み付け方法を、図8を参照して説明する。図8は、第2実施例のスピンドル式切換弁の組立て工程を示す図である。
円筒状のハウジング2内部に、シール部材4をその内壁に摺接しないように入れ込み、吐出孔2aおよび2bと、突部4aおよび4bの軸方向位置を合せる(図8(a))。シール部材4を、径方向に押し込み吐出孔2aおよび2bに、突部4aおよび4bをそれぞれ嵌合する(図8(b))。軸受部材6をその周方向端部6bをハウジング2内周上に形成した係止部2gに合せてスライドさせハウジング2内部に押し込む(図8(c))。スピンドル3をハウジング2内部に挿嵌する(図8(d))。
【0031】
シール部材4の突部4aおよび4bが、ハウジング2の吐出孔2aおよび2bにそれぞれ嵌め合わされるのみで、シール部材4の組み付けができ作業性に優れる。また、シール部材4のハウジング2に対する周方向および軸方向の位置ずれも発生しない。
該突部4aおよび4bの吐出孔2aおよび2bへの嵌め合わせを、ハウジング2内周面から外周面への径方向に押し込んで行なうことにより、シール部材4においてハウジング内壁と当接するパッキン4eには、剪断応力などの摺接による負荷が掛からない。また、吐出孔2aおよび2bの開口部にパッキン4eが引っ掛かることもない。この結果、切換弁へのシール部材組み付け時においてパッキン4eの損傷を防止でき、不良率を低下できる。
【0032】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1
ハウジング、スピンドル、シール部材、パッキン、軸受部材をそれぞれ表1に示す材料を用いて形成し、スピンドル式切換弁を作製した。得られたスピンドル式切換弁について以下の以下耐久試験を行った。なお、表中の各材料は以下のとおりである。
(1)ポリサルホン樹脂(PSU)[ガラス繊維20重量%配合、最大静摩擦係数0.35]
(2)ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)[PTFE20重量%、炭素繊維10重量%配合、最大静摩擦係数0.25]
(3)ニトリルゴム(NBR)
(4)エチレンプロピレンゴム(EPDM)
【0033】
耐久試験:スピンドル式切換弁を市販のシャワー・バス水栓に取り付け、シャワー−カランの切換ハンドルを、止水→シャワー全開→止水→カラン全開→止水を1サイクルとして、3万サイクル行った。1万サイクル毎に、ポンプにより水圧を1.72MPaかけて30秒間保持し、30秒後の漏水による圧力降下量(MPa)を測定した。このときの圧力降下量が0.03MPa以下であれば良好と判定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 2005003022
【0035】
実施例1〜3の本発明によるスピンドル式切換弁は、3万サイクル後も圧力降下量が0.03MPa以下であった。各スピンドル式切換弁を分解して各パーツを観察した結果、実施例1〜3のスピンドル式切換弁において相対的に摺動する部分に摺動痕が確認できたが、摩耗は認められなかった。また、パッキン部の傷も認められなかった。
比較例1のスピンドル式切換弁は、耐久試験の結果、3万サイクル後の圧力降下量が0.04MPaであった。このスピンドル式切換弁を分解して各パーツを観察したところ、ハウジングおよびスピンドルのそれぞれが相対的に摺動する部分が摩耗していた。パッキン部の傷は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係るスピンドル式切換弁は、複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて上記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、上記ハウジングと上記スピンドルとの間にシール部材とを備えてなるスピンドル式切換弁であって、ハウジング、スピンドルおよびシール部材の少なくとも一つは、樹脂すべり軸受材で形成されてなるので、各部材の摺接面での摩耗を抑制できる。この結果、スピンドルのハウジングに対する偏心を防止でき、長期使用に際しても漏れがなく耐久性に優れる。
【0037】
請求項2に係るスピンドル式切換弁は、複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて上記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、ハウジングとスピンドルとの間にシール部材および軸受部材とを備えてなるので、ハウジングなどに樹脂すべり軸受材を用いない場合でも、各部材の摺接面での摩耗を抑制できる。この結果、スピンドルのハウジングに対する偏心を防止でき、長期使用に際しても漏れがなく耐久性に優れる。
【0038】
また、上記請求項1および請求項2に係るスピンドル式切換弁において、樹脂すべり軸受材および軸受部材は最大静摩擦係数0.3以下の合成樹脂組成物からなるので、摺接面での摩耗が抑えられるとともに、シール部材とスピンドルなどが接触しても操作性が変化しない。
【0039】
上記シール部材は、ハウジングの吐出孔に嵌着する突部を有するとともに、少なくともハウジングの吐出孔周囲内壁との当接部およびスピンドルの連通孔周囲外壁との当接部が弾性体で形成されてなるので、組み込みが容易となり、かつシール部材の位置ずれなども発生しない。また、組み込み時における弾性体の損傷を防止でき漏れや流体圧の低下がない。
【0040】
上記ハウジングの内周上に設けられたV字空隙に開放端が配置されたV型バネを有し、スピンドルの外周上に設けられた凹部にV型バネの頂部を嵌合することでスピンドルに回転の節度感を付与するので、閉栓状態などにおいてハンドル操作を明確にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンドル式切換弁の第1実施例の平面図および断面図である。
【図2】図1におけるB−B拡大断面図である。
【図3】シール部材の平面図および断面図である。
【図4】本発明のスピンドル式切換弁の第1実施例の組立て工程を示す図である。
【図5】図1におけるC−C拡大断面図である。
【図6】本発明のスピンドル式切換弁の第2実施例の平面図および断面図である。
【図7】図6におけるB−B拡大断面図である。
【図8】本発明のスピンドル式切換弁の第2実施例の組立て工程を示す図である。
【図9】従来のスピンドル式切換弁の径方向断面図である。
【符号の説明】
1 切換弁
2 ハウジング
3 スピンドル
4 シール部材
5 V型バネ
6 軸受部材

Claims (5)

  1. 複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて前記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、前記ハウジングと前記スピンドルとの間にシール部材とを備えてなるスピンドル式切換弁であって、
    前記ハウジング、前記スピンドルおよび前記シール部材の少なくとも一つは、樹脂すべり軸受材で形成されてなることを特徴とするスピンドル式切換弁。
  2. 複数の吐出孔が周壁に設けられた円筒状のハウジングと、このハウジング内に回転可能に配設されて前記吐出孔に整合する連通孔が開設され、この連通孔に流路を開く流入孔が一端部に設けられた円筒状のスピンドルと、前記ハウジングと前記スピンドルとの間にシール部材および軸受部材とを備えてなることを特徴とするスピンドル式切換弁。
  3. 前記樹脂すべり軸受材および前記軸受部材は最大静摩擦係数0.3以下の合成樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスピンドル式切換弁。
  4. 前記シール部材は、前記ハウジングの吐出孔に嵌着する突部を有するとともに、少なくとも前記ハウジングの吐出孔周囲内壁との当接部および前記スピンドルの連通孔周囲外壁との当接部が弾性体で形成されてなることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3のスピンドル式切換弁。
  5. 前記ハウジングの内周上に設けられたV字空隙に開放端が配置されたV型バネを有し、前記スピンドルの外周上に設けられた凹部に前記V型バネの頂部を嵌合することでスピンドルに回転の節度感を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載のスピンドル式切換弁。
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