JP5677775B2 - バタフライバルブ - Google Patents

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本発明は、温水と冷水とを切り換える際等に用いられるバタフライバルブに関する。
従来、流路を四方向に切り換えるため、ロータリー形の四方向切換弁が用いられている。一例として、特許文献1に記載の切換弁は、四方向に接続口を有する弁本体内に、弁体を90°正逆方向に回転可能に設け、弁体の弁本体との当接部にフッ素樹脂加工を施してなるシール部材を設け、弁体の内部に、このシール部材を弁本体方向に付勢するコイルばねを設ける。
特開平9−166229号公報
しかし、上記特許文献1に記載のロータリー形の切換弁は、シール部材やコイルばねを備えるため、構造が複雑になり、製造コストが上昇するという問題があった。また、流路を四方向に切り換える弁としてバタフライバルブも用いられるが、弁漏れ量が多いという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、構造が簡単で製造コストを低く抑えることができるとともに、弁漏れ量の少ないバタフライバルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明バタフライバルブ、流路を有する弁本体と、回転駆動装置に連結される駆動軸と、該駆動軸に連結される弁体と、弾性材料からなり、前記弁本体の流路に連通する連通孔を備える弁シートを複数備え、該弁シートの各々は前記弁本体内に形成された突起の間に配置され、その配置された状態において該複数の弁シートは全体的に円筒状に構成され、前記弁体が複数の前記弁シートにより囲まれた領域に収容された状態で、前記回転駆動装置で前記駆動軸を回転させることによって、該弁体が前記複数の弁シートの各々の内周面を回転摺動して前記流路の開閉又は切換を行うことを特徴とする。
そして、本発明によれば、各々の弁シートを弾性材料で形成し、弁体が複数の弁シートの各々の内周面を回転摺動して流路の開閉又は切換を行うように構成したため、従来のロータリー形の切換弁が備えるようなシール部材やコイルばねが不要となり、構造が簡単で製造コストを低く抑えることができる。また、弁体が弁シートに密着した状態で回転摺動するため、弁漏れ量を少なくすることもできる。さらに、弁シート弁本体内の突起の間に配置するだけであるため、弁本体に対する弁シートの取付が容易であり、また弁シートを弁本体に固定するための接着剤等を不要とすることもできる。さらにまた、弁本体内への弁シートの装着を、弁体の軸芯方向からの挿入で行うことができるため、当該バタフライバルブの組立が容易である。
上記バタフライバルブにおいて、前記駆動軸と弁体を一体に形成することができる。これにより部品点数が少なくなり、さらに製造コストを低減することができるとともに、駆動軸と弁体との締結部が存在しないため、バタフライバルブの耐久性を向上させることもできる。
また、上記バタフライバルブにおいて、前記弁体は、前記複数の弁シートの軸線方向の両端部に当接する鍔部を備えることができる。これにより、弁体と複数の弁シートとの間のシール性を向上させ、さらに弁漏れ量を少なくすることができる。
上記バタフライバルブにおいて、前記弁シートの各々の内周面にフッ素樹脂加工を施すことができ、弁体の摺動性をさらに向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、構造が簡単で製造コストを低く抑えることができるとともに、弁漏れ量の少ないバタフライバルブを提供することができる。
本発明にかかるバタフライバルブの一実施の形態を示す図であって、(a)は正面断面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図1のバタフライバルブの弁体及び駆動軸を示す全体斜視図である。 図1のバタフライバルブの弁シートを示す全体斜視図である。 本発明にかかるバタフライバルブの動作を説明するための断面図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明にかかるバタフライバルブを四方切換弁に適用した場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかるバタフライバルブの一実施の形態を示し、このバタフライバルブ1は、弁本体2と、弁本体2の上方に位置するモータ3と、モータ3の出力軸3aに連結された駆動軸4と、弁本体2の弁室2a内に配置される弁シート5(5B〜5E)と、弁シート5により囲まれた領域に収容される弁体6等で構成される。
弁本体2は、下方が開口する円筒状に形成された弁室2aと、弁室2aに連結される4本の導管2b〜2eと、その内面に縦方向に延びるように設けられた突起2h〜2kを備える。弁室2a内に突起2h〜2kを介して弁シート5が固定されるとともに、弁シート5の内側に弁体6が収容される。弁体6の回転位置に応じて導管2b〜2e内を流れる流体の流路が切り換えられる。
モータ3は、その出力軸3aに駆動軸4が螺合して連結され、モータ3の回転に応じて駆動軸4を介して弁体6が回転する。このモータ3には、パルスモータ等を用いることができる。
駆動軸4及び弁体6は、図2に示すように、樹脂等で一体成形され、駆動軸4は、パッキン9、10が装着される凹部4a、4bと、モータ3の出力軸3aに連結される連結部4cを備える。また、弁体6は、平板状の本体6aの上下に鍔部6b、6cを備える。
弁シート5(5B〜5E)は、この例においては各導管2b〜2eごとに配置され、例えば、弁シート5Bは、図1(b)に示すように、弁本体2の弁室2aの内部において、2つの突起2h、2iの間に位置決めされる。弁シート5Bは、図3に明示するように、ゴムなどの弾性材料で若干湾曲した平板状に形成され、弁体6が摺動する内周面5aと、弁本体2の導管2b(図1参照)の内部に連通する連通孔5bを備える。弁シート5C〜5Eも各々弁シート5Bと同一形状に形成され、弁体6が摺動する内周面5aと、弁本体2の導管2c〜2eの内部に連通する連通孔5c〜5eを備える。尚、内周面5aの摺動性を良好に維持する観点から内周面5aにフッ素樹脂加工等のコーティング5zを施すことが好ましい。
図1に戻り、駆動軸4と駆動軸収容部7の内面との間には、パッキン9及び10が配置され、また、駆動軸収容部7と弁本体2の内面との間には、パッキン11が配置される。また、弁本体2の弁室2aの下部開口部が蓋12によって塞がれる。
次に、上記構成を有するバタフライバルブ1の組立方法の一例について、図1及び図2を中心に参照しながら説明する。
まず、駆動軸4と弁体6とを金型を用いて樹脂で一体成形する。一方、弁本体2の弁室2aの内面の突起2h〜2kの間に弁シート5(5B〜5E)を弁体6の軸芯方向から挿入して配置する。
そして、駆動軸4の凹部4a、4bにパッキン9、10を装着した後、一体化された駆動軸4及び弁体6を、弁本体2の弁室2aの下方開口から弁シート5内へ、駆動軸4側からその軸芯方向に収容する。
これにより、弁体6の鍔部6b、6c及び本体6aの側面が弁室2aの内側から弁シート5B〜5Eに当接又は弁シート5B〜5Eを押圧し、該弁シート5B〜5Eは、突起2h〜2k及び弁体6により支持され、弁本体2内に固定される。したがって、弁シート5B〜5Eを弁室2aの内壁に配置する際、接着剤等を用いて該内壁に固定してもよいが、このような固定を行わなくとも、弁シート5B〜5Eを弁本体6内に固定することができる。
また、各弁シート5B〜5Eの端面を各突起2h〜2kに当接させるようにすれば、上記の固定はさらに堅固に行われ、また、当該バタフライバルブ1内を通過する湯水等の流体の温度により弁シート5B〜5Eが膨張した場合においても、その膨張による弁シート5B〜5Eの変形は、弁シート5が一体化されている場合に比較して均一化され、当該バタフライバルブ1の性能劣化を招くことがない。また、上記した弁シート5B〜5Eの膨張を考慮して、各弁シート5B〜5Eの端面と各突起2h〜2kとの間に予め若干の隙間を設けるようにしてもよい。
以上により、図1に示すように、弁本体2の上方開口部から駆動軸4が上方に向かって突出した状態で、駆動軸4及び弁体6が弁本体2の弁室2a内に収容、位置決めされる。
次に、パッキン11を装着した駆動軸収容部7を弁室2aの上部開口部に装着し、駆動軸4とモータ3の出力軸3aとを係合させて両者を連結する。その後、蓋12によって弁本体2の弁室2aの下方開口を塞ぎ、蓋12と弁本体2とを溶接(溶接部13)して組立が完了する。
次に、上記構成を有するバタフライバルブ1の動作について、図4を中心に参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、導管2bが冷水供給部(不図示)に、導管2dが温水供給部(不図示)に接続され、導管2b及び導管2dを介して冷水C及び温水Hが各々弁室2aに導入され、弁室2aに導入された冷水C及び温水Hは、その一方が導管2cから流出して下流側で利用され、他方は、導管2dから排出されて冷水供給部又は温水供給部に戻されるものとする。
図1(b)の状態から、モータ3の駆動によって駆動軸4を介して例えば時計回りに回転させると、弁体6が弁シート5の内周面5a上を摺動し、モータ3の回転量を予め設定することにより、弁体6が図4(a)に示す位置で停止する。この状態では、導管2dから流入した温水Hが弁シート5Dの連通孔5dを経て弁シート5の内側を通過した後、弁シート5Cの連通孔5cを経て導管2cから流出して下流側で利用され、導管2bから流入した冷水Cが弁シート5Bの連通孔5bを経て弁シート5の内部を通過した後、弁シート5Eの連通孔5eを経て導管2eから流出して冷水供給部に戻される。
一方、図4(a)に示す状態から、モータ3の駆動によって駆動軸4を介して例えば反時計回りに回転させると、弁体6が弁シート5の内周面5a上を摺動し、モータ3の回転量を予め設定することにより、図4(b)に示す位置で停止する。この状態では、導管2bから流入した冷水Cが弁シート5Bの連通孔5bを経て弁シート5の内側を通過した後、弁シート5Cの連通孔5cを経て導管2cから流出して下流側で利用され、導管2dから流入した温水Hが弁シート5Dの連通孔5dを経て弁シート5の内部を通過した後、弁シート5Eの連通孔5eを経て導管2eから流出して温水供給部に戻される。このようにして、温水と冷水とを切り換えることができる。
尚、上記実施の形態においては、弁シート5(5B〜5E)を4つ設けたが、これに限らず、2以上であれば数は問わない
また、駆動軸4及び弁体6の接合部の強度低下を防止したり、部品点数が少なくなるなどの理由で駆動軸4及び弁体6を一体に形成することが好ましいが、駆動軸4と弁体6とは必ずしも一体形成する必要はなく、各々別体として形成した後一体化してもよい。
さらに、上記実施の形態においては、本発明にかかるバタフライバルブを四方切換弁に適用した場合を例示したが、流路を開閉する開閉弁や、三方切換弁等に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では、駆動軸4を回転させる回転駆動装置としてモータ3を例示したが、油圧式アクチュエータであってもよく、駆動軸4を回転させることができれば、その構成は問わない。
1 バタフライバルブ
2 弁本体
2a 弁室
2b〜2e 導管
2h〜2k 突起
3 モータ
3a 出力軸
4 駆動軸
4a、4b 凹部
4c 連結部
5(5B〜5E) 弁シート
5a 内周面
5b〜5e 連通孔
5z コーティング
6 弁体
6a 本体
6b、6c 鍔部
7 駆動軸収容部
9〜11 パッキン
12 蓋
13 溶接部
C 冷水
H 温水

Claims (4)

  1. 流路を有する弁本体と、
    回転駆動装置に連結される駆動軸と、
    該駆動軸に連結される弁体と、
    弾性材料からなり、前記弁本体の流路に連通する連通孔を備える弁シートを複数備え、
    該弁シートの各々は前記弁本体内に形成された突起の間に配置され、その配置された状態において該複数の弁シートは全体的に円筒状に構成され、
    前記弁体が前記複数の弁シートにより囲まれた領域に収容された状態で、前記回転駆動装置で前記駆動軸を回転させることによって、該弁体が前記複数の弁シートの各々の内周面を回転摺動して前記流路の開閉又は切換を行うことを特徴とするバタフライバルブ。
  2. 前記駆動軸と弁体は、一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバタフライバルブ。
  3. 前記弁体は、前記複数の弁シートの軸線方向の両端部に当接する鍔部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバタフライバルブ。
  4. 前記弁シートの各々の内周面にフッ素樹脂加工が施されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のバタフライバルブ。
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