JP2014226753A - 研削液に含まれる研削スラッジの分離装置 - Google Patents

研削液に含まれる研削スラッジの分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】速やかに沈降しない微細な研削スラッジを効率よく分離する。【解決手段】分離装置は、分離槽4の底部に非磁性プレート5を配置して、その裏面に磁気コンベア6を配置し、非磁性プレート5には研削スラッジSを上面に吸着させる吸着部5Aに、上り勾配に傾斜する傾斜部5Bと落下部5Cとを連結し、磁気コンベア6でもって非磁性プレート5の表面に吸着される研削スラッジSを吸着部5Aから傾斜部5Bを通過して落下部5Cに移送して排出する。分離槽4は研削液Lの供給部7を連結してなる供給槽4Aと、研削液Lの排出部8を連結している排出槽4Cとの間に中間槽4Bを連結して、中間槽4Bは研削液Lの流入側を供給槽4Aの流出側に、反対側の流出側を排出槽4Cの流入側に連結しており、研削スラッジSを含む研削液Lを供給槽4Aを介して中間槽4Bに供給し、中間槽4Bで研削スラッジSを分離した研削液Lを排出槽4Cを介して外部に排出する。【選択図】図1

Description

本発明は、研削液に含まれる研削スラッジを分離する装置に関し、特に超仕上研磨工程で発生する超微細なスラッジをも効率よく分離する装置に関する。
工作機械である研削盤等の研削機等にクーラント液、研削油等の研削液を供給するクーラント装置では、研削液を循環させる際にスラッジが混入する。スラッジは、研削屑である切り粉や、砥石の砥粒等である。このような研削液に含まれるスラッジの内、大きなスラッジは、濾過して除去できる。ただ、微細なスラッジについては効率よく除去するのが容易でない。
本発明者は、液体に含まれるスラッジを除去するために、磁気で誘導して排出する装置を開発した(特許文献1及び2参照)。この装置を図6に示す。この図に示すスラッジの分離装置は、液体が供給される分離槽94と、分離槽94内に配設されて、スラッジSを表面に移動させる非磁性プレート95と、非磁性プレート95の表面に磁気的な吸着力でスラッジSを吸着して排出方向に移動させる磁気コンベア96を備える。非磁性プレート95は、液体に含まれるスラッジSを吸着する吸着部95Aと、吸着したスラッジSを液体の外部に移送する傾斜部95Bと、スラッジSを非磁性プレート95の先端から落下させる落下部95Cとを備える。スラッジSは、磁気コンベア96で非磁性プレート95の吸着部95A上面に吸着され、傾斜部95Bから落下部95Cに移送され、先端の落下部95Cで非磁性プレート95から分離される。これにより、微細なスラッジも分離される。
特許第2880972号公報 特許第3313343号公報
しかしながら、従来の研削スラッジ分離装置では、極めて微細な研削スラッジを効果的に除去するのが難しいという問題があった。研削スラッジは、金属製であるため通常は研削液中に沈殿するが微細な切り粉は速やかには沈降しない。速やかに沈殿し難い研削スラッジを効率よく分離するには、分離槽を長くして研削液の移送時間を長くし、あるいは分離槽の断面積を大きくして研削液の移送速度を遅くする必要がある。ただ、この分離槽は、分離槽の据え付け面積が大きくなって、狭い工場には設置できない欠点がある。
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものである。本発明の主な目的は、速やかに沈降しない微細な研削スラッジをも効率よく分離できる研削スラッジの分離装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために本発明の分離装置は以下の構成を備える。
研削スラッジの分離装置は、研削スラッジSを含む水溶性の研削液Lが供給される分離槽4と、分離槽4内に配設されて、上面に研削スラッジSを磁気的な吸引力と自重とで沈降させる非磁性プレート5と、非磁性プレート5の裏面に配設されて、非磁性プレート5の表面に磁気的な吸引力で研削スラッジSを吸引して排出方向に移動させる磁気コンベア6とを備える。非磁性プレート5は、研削液Lに含まれる研削スラッジSを上面に吸着させる吸着部5Aと、この吸着部5Aに吸着される研削スラッジSを上り勾配に移送して排出する傾斜部5Bと、この傾斜部5Bに連結されて傾斜部5Bから供給される研削スラッジSを下方に落下させる落下部5Cとを備える。磁気コンベア6は、非磁性プレート5の表面に吸着される研削スラッジSを吸着部5Aから傾斜部5Bを通過して落下部5Cに移送して排出する。さらに、分離槽4は、研削スラッジSを含む研削液Lを供給する供給部7を連結している供給槽4Aと、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出部8を連結している排出槽4Cと、供給槽4Aと排出槽4Cとの間に連結している中間槽4Bとを備える。中間槽4Bには非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置している。さらにまた、中間槽4Bは、研削液Lを移送する長手方向の一端部を研削液Lの流入側として、この流入側を供給槽4Aの流出側に連結しており、さらに、流入側の反対側の端部を研削液Lの流出側として、この流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。研削スラッジSを含む研削液Lは供給槽4Aを介して中間槽4Bに供給され、さらに、中間槽4Bで研削スラッジSの分離された研削液Lを排出槽4Cを介して排出する。
以上の研削スラッジの分離装置は、微細な研削スラッジをも効率よく分離できる特徴がある。それは、以上の分離装置が、研削液が供給される供給槽と、研削液を排出する排出槽の間に中間槽を設けて、研削スラッジを含む研削液を供給槽を介して中間槽に供給し、さらに、中間槽で研削スラッジの分離した研削液を排出槽を介して外部に排出する構造として、研削液の供給部と研削液を排出する排出部の両方を連結しない中間槽を設けて、この中間槽でもって効率よく研削スラッジを分離するからである。供給槽に設けた供給部は、研削スラッジを含む研削液が局部的に速い流速で供給されて撹拌され、研削スラッジをスムーズに沈降させて非磁性プレートの上に堆積させるのが難しい。また、排出槽に設けた排出部も、研削スラッジの分離された研削液が局部的に速い流速で吸入されて、研削液の流れを乱すので研削スラッジが非磁性プレートの上に堆積されるのを阻害する。本発明の分離装置は、供給部も排出部も連結しない中間槽を設けている。中間槽は、供給部や排出部による研削液の移送の乱れがなく、研削スラッジをスムーズに非磁性プレートに沈降させて効率よく分離する。中間槽は一端の流入側を供給槽の流出側に連結して、他端の流出側を排出槽の流入側に連結するが、流入側と流出側とは研削液を撹拌したり乱すことなく供給槽や排出槽に連結できるので、中間槽では研削スラッジをスムーズに非磁性プレートに沈降させて効果的に分離できる。
本発明の分離装置は、供給槽4Aに非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置することができる。この分離装置は、供給槽においても研削スラッジを分離するので、より効果的に研削スラッジを分離できる。
本発明の分離装置は、排出槽4Cに非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置することができる。この分離装置は、排出槽においても研削スラッジを分離して、より効果的に研削スラッジを分離できる。
本発明の分離装置は、分離槽4に互いに平行な垂直壁11を配置して、この垂直壁11でもって、分離槽4を、互いに平行に配置している、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに分割することができる。この分離装置は、分離槽を簡単な構造としながら、供給槽と中間槽と排出槽とで研削スラッジをより効果的に分離できる。
本発明の分離装置は、垂直壁11を、非磁性プレート5の上で研削液Lを蛇行して移送するように配置することができる。この分離槽は、分離槽に供給される研削液を、非磁性プレートの吸着部の上方で蛇行するように流して研削スラッジを速やかに分離する。
本発明の分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに非磁性プレート5を配置して、供給槽4Aと排出槽4Cは、非磁性プレート5の傾斜部5Bを流入側に配置して、中間槽4Bは、非磁性プレート5の傾斜部5Bを流出側に配置し、中間槽4Bは、研削液Lを非磁性プレート5の吸着部5Aから傾斜部5Bに移送して研削スラッジSを分離し、排出槽4Cが研削液Lを非磁性プレート5の傾斜部5Bから吸着部5Aに向かって移送して、流出側に設けた排出部8から外部に排出されるようにすることができる。
以上の分離装置は、中間槽で効率よく研削スラッジを分離でき、さらに研削スラッジの分離された研削液を排出槽に移送して、ここで研削スラッジを分離して清澄になった研削液を外部に排出できる。
本発明の分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに配置している非磁性プレート5を、連続する1枚の非磁性プレートとし、さらに供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに配置している磁気コンベア6を1組の磁気コンベアとすることができる。
以上の分離装置は、非磁性プレートと磁気コンベアの両方を簡単な構造としながら、研削スラッジを効果的に分離できる特徴がある。
本発明の一実施の形態に係る研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を工作機械に接続した状態を示す平面図である。 図1に示す分離装置のII−II線縦断面図である。 図1に示す分離装置のIII−III線断面図である。 図1に示す分離装置のIV−IV線断面図である。 磁化手段の一例を示す拡大断面図である。 本発明者が先に開発した研削スラッジの分離装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を例示するものであって、本発明は、研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。特に実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。また、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
図1ないし図4に、本発明の一実施の形態に係る研削液に含まれる研削スラッジの分離装置100を示す。これらの図において、図1は工作機械に研削スラッジの分離装置を接続した状態を示す平面図、図2は図1の分離装置のII−II線縦断面図、図3は図1の分離装置のIII−III線断面図、図4は図1の分離装置のIV−IV線断面図を、それぞれ示している。
図1ないし図4に示す研削スラッジの分離装置100は、研削液Lに含まれる研削スラッジS、特に微細なスラッジを効果的に分離するのに利用される。この分離装置100は、研削スラッジSを含む切削油である研削液Lが供給される分離槽4と、この分離槽4の研削液Lに含まれる研削スラッジSを表面に吸着して排出する非磁性プレート5と、この非磁性プレート5に磁気的な吸着力で吸着させる磁気コンベア6とを備える。
分離装置100は、図1の平面図に示すように工作機械KKに接続され、工作機械KKに使用される研削液Lが供給されて、研削液Lに含まれる研削スラッジを分離して、工作機械KK側に循環させる。工作機械KKは、研削盤等の研削機であり、重研削や超仕上げ用の研削機が利用できる。研削機の砥石には、アルミナ製砥石等の一般砥石やダイヤモンド製砥石が使用される。特にドレスアップが容易なことから、アルミナ製砥石が広く利用されている。ただしアルミナ製砥石を使用すると、砥石が摩耗して砥粒も多く発生する。研削液Lに混入するスラッジは、研削対象の金属(例えば鉄)と砥粒とを比較すると、重研削では7:3程度となる。ダイヤモンド製砥石を使えば、砥粒は数%程度に削減できるが、この場合はドレスアップが困難となる。
また工作機械KKに使用される研削液Lは、クーラント液、研削油等である。使用する研削液Lの量は、研削の目的等に応じて調整される。例えば超仕上げの微細スラッジでは、液量は比較的少ないが、重研削では微細スラッジの10倍以上の液量を用いる。研削液Lには、研削の際のスラッジが混入する。
分離槽4は、研削液Lから研削スラッジSを分離し、さらに研削液Lの冷却にも併用される長方形のタンクである。分離槽4は、研削液Lを供給する供給槽4Aと、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出槽4Cと、この排出槽4Cと供給槽4Aとの間に連結している中間槽4Bとを備える。供給槽4Aは、図1と図2に示すように、研削スラッジSを含む研削液Lを供給する供給部7を流入側に連結している。排出槽4Cは、図1と図4に示すように、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出部8を流出側に連結している。供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cは、研削液Lを移送する長手方向の一端部を研削液Lの流入側とし、他端部を流出側として、研削液Lを流入側から流出側に移送している。供給槽4Aは、流入側に研削液Lの供給部7を連結して流出側を中間槽4Bの流入側に連結している。中間槽4Bは、流入側を供給槽4Aの流出側に連結して流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。排出槽4Cは流入側を中間槽4Bの流出側に連結して、排出側には研削液Lを外部に排出する排出部8を連結している。この分離槽4は、供給部7に供給される研削液Lを供給槽4Aから中間槽4Bを介して排出槽4Cに移送して、排出槽4Cの排出部8から外部に排出する。
図の分離槽4は、供給槽4Aと排出槽4Cとの間に1槽の中間槽4Bを連結している。ただ、本発明の分離装置は、図示しないが、複数の中間槽を平行に配置して設けることもできる。複数の中間槽を備える分離装置は、隣接する中間槽の流出側を隣の中間槽の流入側に連結して複数の中間槽を直列に連結する。
さらに、図1の分離槽4は、長手方向に延びる2列の垂直壁11を平行に配置して、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cとに区画している。2列の垂直壁11の間に中間槽4Bを区画し、垂直壁11と分離槽4の外周壁10との間に供給槽4Aと排出槽4Cとを設けている。垂直壁11は、流出側を流入側に連結するように配置している。図1の分離槽4は、矢印で示すように、供給槽4Aと中間槽4Bとで反対方向に研削液Lを移送し、また中間槽4Bと排出槽4Cも互いに反対方向に研削液Lを移送する。すなわち、研削液Lをジグザグ状に移送して研削スラッジSを分離する。したがって、垂直壁11は、長手方向の一端部に、研削液Lを移送する供給路12を設けて、供給槽4Aの流出側を中間槽4Bの流入側に、中間槽4Bの流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。分離槽4は、図1と図3に示すように、供給槽4Aと中間槽4Bの間の垂直壁11の一端(図において右側端)を分離槽4の外周壁10から離して、外周壁10との間に供給路12を設けて、供給槽4Aの流出側を中間槽4Bの流入側に連結している。さらに、供給槽4Aと中間槽4Bの間の垂直壁11は、他端(図において左側端)を、後述する非磁性プレート5の傾斜部5Bまで延長して、供給槽4Aの左端部である流入側から中間槽4Bに研削液Lを流入させないようにしている。さらに、分離槽4は、図1と図4に示すように、中間槽4Bと排出槽4Cの間の垂直壁11の一端(図において右側端)を分離槽4の外周壁10に連結するが、他端(図において左側端)には供給路12を設けて、中間槽4Bの流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。中間槽4Bと排出槽4Cの間の垂直壁11は、図において左側端を、後述する非磁性プレート5の傾斜部5Bの上方までは延長せず、非磁性プレート5の傾斜部5Bの上方に研削液Lの供給路12を設けている。
図1の供給槽4Aは、左側部に供給部7を連結して、ここに研削スラッジSを含む研削液Lが供給される。供給された研削液Lは、長手方向に移送されて、右側端の流出側から中間槽4Bの流入側に移送される。中間槽4Bは、図において右側端の流入側に供給される研削液Lを長手方向に移送して研削スラッジSを分離し、左側端の流出側から排出槽4Cの流入側に移送する。中間槽4Bは、図において右側端の流入側に供給槽4Aから研削液Lが供給され、左側端の排出側から排出槽4Cの流入側に研削液Lを移送する。この中間槽4Bは、研削液Lの供給部7も排出部8も連結されず、流入側には供給槽4Aからスムーズに研削液Lが供給され、排出側からは排出槽4Cにスムーズに研削液Lを移送する。したがって、中間槽4Bを長手方向に移送される研削液Lは、局部的な乱流が発生せず、全体的に層流状態に移送されて、研削スラッジSをスムーズに効率よく非磁性プレート5に沈降させて分離する。中間槽4Bから排出槽4Cに移送された研削液Lは、排出部8で局部的に吸引されて乱流状態となるが、中間槽4Bで効果的に研削スラッジSを分離しているので、排出槽4Cからは清澄な研削液Lが排出される。
研削液Lは、図1に示すように、工作機械KKから供給槽4Aに供給され、供給槽4Aから中間槽4Bに、中間槽4Bから排出槽4Cに移送され、研削スラッジSを分離して排出槽4Cから再び工作機械KKに循環される。
分離槽4は、研削スラッジSを分離するために、底部に非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置している。図2ないし図4に示す分離装置は、非磁性プレート5を分離槽4の底板としている。なお、分離槽の底板とは別に、分離槽の内部に非磁性プレートを配設することもできるのは言うまでもない。ただ、非磁性プレート5を分離槽4の底板に兼用する装置は、最も簡単な構造にできる。
図2ないし図4の分離装置は、分離槽4の底面全体に1枚の非磁性プレート5を配置して、この非磁性プレート5の下方に磁気コンベア6を配置している。この分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cの底面に1枚の非磁性プレート5と1組の磁気コンベア6を配置して、研削スラッジSを供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cで分離する。ただ、本発明の分離装置は、供給槽と中間槽と排出槽の全てに非磁性プレートと磁気コンベアを配置する必要はなく、たとえば、中間槽の底部にのみ非磁性プレートと磁気コンベアを配置することができ、また、供給槽と中間槽に非磁性プレートと磁気コンベアを配置し、あるいは中間槽と排出槽に非磁性プレートと磁気コンベアを配置することもできる。
非磁性プレート5は、ステンレス、アルミニウム、銅等の非磁性金属で製作される。この非磁性プレート5は、供給槽4Aの供給部7に供給される研削液Lに含まれる研削スラッジSを沈降させる吸着部5Aと、この吸着部5Aの研削スラッジSを研削液Lから外部に引き上げる傾斜部5Bと、傾斜部5Bで研削液Lから引き上げられた研削スラッジSを非磁性プレート5から滑り落して分離する落下部5Cとを備える。
非磁性プレート5は、上面を平滑面とすることに加えて、さらに、表面を金属メッキし、あるいは、表面にホーロー層を形成し、あるいはまた、表面を鏡面に研磨して鏡面処理面としている。この非磁性プレート5は、表面に沈降する研削スラッジSを、磁気コンベア6でスムーズに移送でき、また落下部5Cからはスムーズに滑り落として分離できる。
金属メッキは、クロームメッキや金メッキである。クロームメッキは、低コストで表面が硬く、しかも凹凸の少ない鏡面にできる特長がある。金属メッキされた鏡面処理面は、メッキ層によって、表面の凹凸が極めて少ない鏡面となる。メッキ層の膜厚は、好ましくは3〜100μm、より好ましくは10〜50μmとする。クロームメッキは、磁気シールドして磁石が研削スラッジSを磁気的に吸引する力を弱める。このため、クロームメッキは、できる限り薄い薄膜として、非磁性プレート5の表面を鏡面とするのがよい。ただ、クロームメッキが薄すぎると、非磁性プレート5の表面を理想的な鏡面にできない。このため、クロームメッキ層の膜厚は、5〜50μmとするのがよい。金属メッキして表面を鏡面処理面とする非磁性プレート5は、銅板が適している。金属メッキを付着しやすいからである。ただ、ステンレス板やアルミニウム板も、表面に金属メッキをして鏡面処理面とすることができる。
ホーロー層は、非磁性プレート5の表面に低融点のゆう薬を均一に塗布し、これを溶融状態に流動させる温度まで加熱して、表面を鏡面状態として焼結する。ホーロー層は、クロームメッキのように磁気シールドする作用がない。このため、厚くして非磁性プレートの表面を鏡面にできる特長がある。ホーロー層の膜厚は、例えば0.1〜2mmとする。ホーロー層は極めて硬いので耐久性があって、長寿命にできる特長がある。
表面を鏡面に研磨して鏡面処理面とした非磁性プレート5は、表面粗さを▽▽▽(表面粗さ記号)以上とする鏡面に研磨して鏡面処理面とする。この非磁性プレート5は、微細な研磨材を使用して、非磁性プレート5の表面を鏡面に研磨する。この非磁性プレート5は、ステンレス板が適している。それは、鏡面処理面の腐食を防止できるからである。この構造の非磁性プレート5は、最も安価に表面を鏡面処理面にできる特長がある。
非磁性プレート5は、吸着部5Aを水平姿勢として、傾斜部5Bを端に向かって上り勾配に傾斜する形状としている。図2ないし図4の分離槽4は、図において非磁性プレート5の左側の端部に、上方に向かって上り勾配に傾斜する傾斜部5Bを設けている。傾斜部5Bは、非磁性プレート5の上面に沿って移送される研削スラッジSを、研削液Lから排出するために、上端を液面よりも上方まで延長している。傾斜部5Bは、上端で所定の曲率半径で湾曲されて垂直に降下する落下部5Cに連結している。落下部5Cは非磁性プレート5の先端部に設けられて、落下部5Cの下方には微細スラッジの溜槽13を設けている。
図1の分離槽4は、矢印で示すように、供給槽4Aにおいては研削液Lを傾斜部5Bから吸着部5Aに向かって移送し、中間槽4Bにおいては研削液Lを吸着部5Aから傾斜部5Bに移送し、排出槽4Cにおいては研削液Lを傾斜部5Bから吸着部5Aに移送する。この分離槽4は、中間槽4Bで研削液Lを吸着部5Aから傾斜部5Bに向かって移送して、研削スラッジSを効果的に分離する。ただ、分離槽は、図の矢印で示す方向とは反対に研削液を移送して研削スラッジを分離することもできる。
磁気コンベア6は、非磁性プレート5の下方に配設される。研削スラッジSを帯磁させて凝集、沈降させると共に、磁気的な吸着力で吸着して、非磁性プレート5に沿って移送させるためである。磁気コンベア6は、非磁性プレート5の下面に接近して移動する複数の永久磁石6Aを備えている。永久磁石6Aは一定の間隔で平行に連結される。複数の永久磁石6Aは、その両端を、磁気コンベア6の無端のチェーン6Bに連結して、所定の間隔で連結している。無端チェーン6Bは、一定の間隔で、細長い永久磁石6Aを連結している。
チェーン6Bで連結される永久磁石6Aは、非磁性プレート5の裏面に接近して移動する対向面の全面をN極とS極のいずれかとし、その反対側の反対面の全面を対向面と異なる磁極としている。すなわち、対向面をN極とする永久磁石6Aは、反対面をS極とし、対向面をS極とする永久磁石6Aは、反対面をN極としている。
さらに、分離装置は、研削スラッジの内、研削液の液中に沈降している研削スラッジを、強制的に磁化する磁化手段を備えることもできる。磁化手段は、非磁性プレートの上方を強制磁化領域とし、供給される研削液に含まれる研削スラッジを帯磁させ、磁気的な吸引力で凝集させて、速やかに沈澱させることができる。沈降された研削スラッジは、磁気コンベアにより排出される。
図5に、磁化手段15の一例を示す。この例では、磁気コンベア6に所定の間隔で固定している永久磁石6Aを、対向面の磁極が隣接するもので異なる磁極となるように配列して、非磁性プレート5の上方を強制磁化領域18としている。この場合、所定の間隔で移送方向に並べている永久磁石6Aは、対向面の磁極が、N極、S極、N極、S極・・・と交互に異なる磁極となるように配設する。この状態で配設している永久磁石6Aは、非磁性プレート5の上方に設けられる強制磁化領域18の磁束密度を均一にできる。それは、隣接して配設しているN極とS極との間に磁束を通過できるからである。強制磁化領域18は、永久磁石6Aの対向面の近傍で磁束密度が最も強くなる。永久磁石6Aの磁極に最も接近するからである。隣接する永久磁石6Aの中間で最も磁束密度が低くなる。
さらに、対向面をN極とS極として反対面をチェーン6B等の磁性金属で連結している磁気コンベア6は、反対面の磁束をチェーン6B等の磁束金属に通過させて、この間の磁気抵抗を小さくできる。このため、隣接するふたつの永久磁石6Aを、対向面と反対面とで連結する磁気回路の磁気抵抗を小さくして、対向面の磁束密度を高く、すなわち、強制磁化領域18の磁束を強くできる。
永久磁石6Aによって設けられる強制磁化領域18は、ここに研削スラッジSを通過させて帯磁させる。帯磁された研削スラッジSは、磁気的な吸引作用で互いに吸着して大きく凝集する。凝集した研削スラッジSは、研削液Lの内部を速やかに沈降して非磁性プレート5の吸着部5Aに沈澱される。
磁気コンベア6は、永久磁石6Aを、非磁性プレート5の下面に接近して移動させるために、チェーン6Bの移送路にチェーンガイド(図示せず)を設けている。チェーン6Bをチェーンガイドで決められた位置に移動させて、永久磁石6Aを非磁性プレート5の下面に接近して移動させる。チェーン6Bを移動させるために、2条のチェーン6Bを、スプロケット6Cに掛けている。スプロケット6Cは、回転軸6Dの両端に固定され、回転軸6Dをモータ6Eで駆動して、チェーン6Bを移動させる。
チェーン6Bで移動される永久磁石6Aの速度は、例えば、約1cm/秒に設定される。ただ、永久磁石6Aの移動速度は、例えば0.3〜5cmとすることもできる。永久磁石6Aの移動速度が遅すぎると、吸着した研削スラッジSを能率よく排出できない。反対に、永久磁石6Aの移動速度が早すぎると、吸着した研削スラッジSを移送できなくなる。永久磁石6Aの移動速度は、研削スラッジSを能率よく移動できるように決定される。
図1ないし図4に示すように、供給槽4Aと排出槽4Cにおいては、磁気コンベア6による研削スラッジSの移動方向が、研削液Lの流れ方向と逆方向となり、中間槽4Bでは磁気コンベア6による研削スラッジSの移送方向が研削液Lの流れ方向となる。この構造の分離槽4は、中間槽4Bでは非磁性プレート5表面の研削スラッジSを研削液Lの移送方向に移送することで、研削液Lをより理想的な層流状態で移送して、研削スラッジSを効率よく降下させて分離し、供給槽4Aと排出槽4Cにおいては、非磁性プレート5の排出側に研削スラッジSが集中するのを回避できる。したがって、中間槽4Bで研削スラッジSを効率よく分離し、供給槽4Aからは吸着部5Aに降下した研削スラッジSが中間槽4Bに移送されるのを防止し、かつ排出槽4Cからは吸着部5Aに降下した研削スラッジSが研削液Lに混入して排出されるのを防止できる。
以上のようにして、図2ないし図4に示すように分離槽4は、研削スラッジSを非磁性プレート5の上面に、磁気的な吸引力と自重とで沈降させ、非磁性プレート5の裏面に配設された磁気コンベア6で、磁気的な吸引力により研削スラッジSを吸引して傾斜部5Bから落下部5Cに向かって移動する。
本発明の研削液に含まれる研削スラッジの分離装置は、研削機のクーラント装置に好適に利用できる。
100…研削スラッジの分離装置
4…分離槽 4A…供給槽
4B…中間槽
4C…排出槽
5…非磁性プレート 5A…吸着部
5B…傾斜部
5C…落下部
6…磁気コンベア 6A…永久磁石
6B…チェーン
6C…スプロケット
6D…回転軸
6E…モータ
7…供給部
8…排出部
10…外周壁
11…垂直壁
12…供給路
13…溜槽
15…磁化手段
18…強制磁化領域
94…分離槽
95…非磁性プレート 95A…吸着部
95B…傾斜部
95C…落下部
96…磁気コンベア
S…研削スラッジ
L…研削液
KK…工作機械
本発明は、研削液に含まれる研削スラッジを分離する装置に関し、特に超仕上研磨工程で発生する超微細なスラッジをも効率よく分離する装置に関する。
工作機械である研削盤等の研削機等にクーラント液、研削油等の研削液を供給するクーラント装置では、研削液を循環させる際にスラッジが混入する。スラッジは、研削屑である切り粉や、砥石の砥粒等である。このような研削液に含まれるスラッジの内、大きなスラッジは、濾過して除去できる。ただ、微細なスラッジについては効率よく除去するのが容易でない。
本発明者は、液体に含まれるスラッジを除去するために、磁気で誘導して排出する装置を開発した(特許文献1及び2参照)。この装置を図6に示す。この図に示すスラッジの分離装置は、液体が供給される分離槽94と、分離槽94内に配設されて、スラッジSを表面に移動させる非磁性プレート95と、非磁性プレート95の表面に磁気的な吸着力でスラッジSを吸着して排出方向に移動させる磁気コンベア96を備える。非磁性プレート95は、液体に含まれるスラッジSを吸着する吸着部95Aと、吸着したスラッジSを液体の外部に移送する傾斜部95Bと、スラッジSを非磁性プレート95の先端から落下させる落下部95Cとを備える。スラッジSは、磁気コンベア96で非磁性プレート95の吸着部95A上面に吸着され、傾斜部95Bから落下部95Cに移送され、先端の落下部95Cで非磁性プレート95から分離される。これにより、微細なスラッジも分離される。
特許第2880972号公報 特許第3313343号公報
しかしながら、従来の研削スラッジ分離装置では、極めて微細な研削スラッジを効果的に除去するのが難しいという問題があった。研削スラッジは、金属製であるため通常は研削液中に沈殿するが微細な切り粉は速やかには沈降しない。速やかに沈殿し難い研削スラッジを効率よく分離するには、分離槽を長くして研削液の移送時間を長くし、あるいは分離槽の断面積を大きくして研削液の移送速度を遅くする必要がある。ただ、この分離槽は、分離槽の据え付け面積が大きくなって、狭い工場には設置できない欠点がある。
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものである。本発明の主な目的は、速やかに沈降しない微細な研削スラッジをも効率よく分離できる研削スラッジの分離装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために本発明の分離装置は以下の構成を備える。
研削スラッジの分離装置は、研削スラッジSを含む水溶性の研削液Lが供給される分離槽4と、分離槽4内に配設されて、上面に研削スラッジSを磁気的な吸引力と自重とで沈降させる非磁性プレート5と、非磁性プレート5の裏面に配設されて、非磁性プレート5の表面に磁気的な吸引力で研削スラッジSを吸引して排出方向に移動させる磁気コンベア6とを備える。非磁性プレート5は、研削液Lに含まれる研削スラッジSを上面に吸着させる吸着部5Aと、この吸着部5Aに吸着される研削スラッジSを上り勾配に移送して排出する傾斜部5Bと、この傾斜部5Bに連結されて傾斜部5Bから供給される研削スラッジSを下方に落下させる落下部5Cとを備える。磁気コンベア6は、非磁性プレート5の表面に吸着される研削スラッジSを吸着部5Aから傾斜部5Bを通過して落下部5Cに移送して排出する。さらに、分離槽4は、研削スラッジSを含む研削液Lを供給する供給部7を連結している供給槽4Aと、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出部8を連結している排出槽4Cと、供給槽4Aと排出槽4Cとの間に連結している中間槽4Bとを備える。中間槽4Bには非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置している。さらにまた、中間槽4Bは、研削液Lを移送する長手方向の一端部を研削液Lの流入側として、この流入側を供給槽4Aの流出側に連結しており、さらに、流入側の反対側の端部を研削液Lの流出側として、この流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。研削スラッジSを含む研削液Lは供給槽4Aを介して中間槽4Bに供給され、さらに、中間槽4Bで研削スラッジSの分離された研削液Lを排出槽4Cを介して排出する。
以上の研削スラッジの分離装置は、微細な研削スラッジをも効率よく分離できる特徴がある。それは、以上の分離装置が、研削液が供給される供給槽と、研削液を排出する排出槽の間に中間槽を設けて、研削スラッジを含む研削液を供給槽を介して中間槽に供給し、さらに、中間槽で研削スラッジの分離した研削液を排出槽を介して外部に排出する構造として、研削液の供給部と研削液を排出する排出部の両方を連結しない中間槽を設けて、この中間槽でもって効率よく研削スラッジを分離するからである。供給槽に設けた供給部は、研削スラッジを含む研削液が局部的に速い流速で供給されて撹拌され、研削スラッジをスムーズに沈降させて非磁性プレートの上に堆積させるのが難しい。また、排出槽に設けた排出部も、研削スラッジの分離された研削液が局部的に速い流速で吸入されて、研削液の流れを乱すので研削スラッジが非磁性プレートの上に堆積されるのを阻害する。本発明の分離装置は、供給部も排出部も連結しない中間槽を設けている。中間槽は、供給部や排出部による研削液の移送の乱れがなく、研削スラッジをスムーズに非磁性プレートに沈降させて効率よく分離する。中間槽は一端の流入側を供給槽の流出側に連結して、他端の流出側を排出槽の流入側に連結するが、流入側と流出側とは研削液を撹拌したり乱すことなく供給槽や排出槽に連結できるので、中間槽では研削スラッジをスムーズに非磁性プレートに沈降させて効果的に分離できる。
本発明の分離装置は、供給槽4Aに非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置する。この分離装置は、供給槽においても研削スラッジを分離するので、より効果的に研削スラッジを分離できる。
本発明の分離装置は、排出槽4Cに非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置する。この分離装置は、排出槽においても研削スラッジを分離して、より効果的に研削スラッジを分離できる。
本発明の分離装置は、分離槽4に互いに平行な垂直壁11を配置して、この垂直壁11でもって、分離槽4を、互いに平行に配置している、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに分割することができる。この分離装置は、分離槽を簡単な構造としながら、供給槽と中間槽と排出槽とで研削スラッジをより効果的に分離できる。
本発明の分離装置は、垂直壁11を、非磁性プレート5の上で研削液Lを蛇行して移送するように配置することができる。この分離槽は、分離槽に供給される研削液を、非磁性プレートの吸着部の上方で蛇行するように流して研削スラッジを速やかに分離する。
本発明の分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに非磁性プレート5を配置して、供給槽4Aと排出槽4Cは、非磁性プレート5の傾斜部5Bを流入側に配置して、中間槽4Bは、非磁性プレート5の傾斜部5Bを流出側に配置し、中間槽4Bは、研削液Lを非磁性プレート5の吸着部5Aから傾斜部5Bに移送して研削スラッジSを分離し、排出槽4Cが研削液Lを非磁性プレート5の傾斜部5Bから吸着部5Aに向かって移送して、流出側に設けた排出部8から外部に排出されるようにすることができる。
以上の分離装置は、中間槽で効率よく研削スラッジを分離でき、さらに研削スラッジの分離された研削液を排出槽に移送して、ここで研削スラッジを分離して清澄になった研削液を外部に排出できる。
本発明の分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに配置している非磁性プレート5を、連続する1枚の非磁性プレートとし、さらに供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cに配置している磁気コンベア6を1組の磁気コンベアとすることができる。
以上の分離装置は、非磁性プレートと磁気コンベアの両方を簡単な構造としながら、研削スラッジを効果的に分離できる特徴がある。
本発明の一実施の形態に係る研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を工作機械に接続した状態を示す平面図である。 図1に示す分離装置のII−II線縦断面図である。 図1に示す分離装置のIII−III線断面図である。 図1に示す分離装置のIV−IV線断面図である。 磁化手段の一例を示す拡大断面図である。 本発明者が先に開発した研削スラッジの分離装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を例示するものであって、本発明は、研削液に含まれる研削スラッジの分離装置を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。特に実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。また、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
図1ないし図4に、本発明の一実施の形態に係る研削液に含まれる研削スラッジの分離装置100を示す。これらの図において、図1は工作機械に研削スラッジの分離装置を接続した状態を示す平面図、図2は図1の分離装置のII−II線縦断面図、図3は図1の分離装置のIII−III線断面図、図4は図1の分離装置のIV−IV線断面図を、それぞれ示している。
図1ないし図4に示す研削スラッジの分離装置100は、研削液Lに含まれる研削スラッジS、特に微細なスラッジを効果的に分離するのに利用される。この分離装置100は、研削スラッジSを含む切削油である研削液Lが供給される分離槽4と、この分離槽4の研削液Lに含まれる研削スラッジSを表面に吸着して排出する非磁性プレート5と、この非磁性プレート5に磁気的な吸着力で吸着させる磁気コンベア6とを備える。
分離装置100は、図1の平面図に示すように工作機械KKに接続され、工作機械KKに使用される研削液Lが供給されて、研削液Lに含まれる研削スラッジを分離して、工作機械KK側に循環させる。工作機械KKは、研削盤等の研削機であり、重研削や超仕上げ用の研削機が利用できる。研削機の砥石には、アルミナ製砥石等の一般砥石やダイヤモンド製砥石が使用される。特にドレスアップが容易なことから、アルミナ製砥石が広く利用されている。ただしアルミナ製砥石を使用すると、砥石が摩耗して砥粒も多く発生する。研削液Lに混入するスラッジは、研削対象の金属(例えば鉄)と砥粒とを比較すると、重研削では7:3程度となる。ダイヤモンド製砥石を使えば、砥粒は数%程度に削減できるが、この場合はドレスアップが困難となる。
また工作機械KKに使用される研削液Lは、クーラント液、研削油等である。使用する研削液Lの量は、研削の目的等に応じて調整される。例えば超仕上げの微細スラッジでは、液量は比較的少ないが、重研削では微細スラッジの10倍以上の液量を用いる。研削液Lには、研削の際のスラッジが混入する。
分離槽4は、研削液Lから研削スラッジSを分離し、さらに研削液Lの冷却にも併用される長方形のタンクである。分離槽4は、研削液Lを供給する供給槽4Aと、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出槽4Cと、この排出槽4Cと供給槽4Aとの間に連結している中間槽4Bとを備える。供給槽4Aは、図1と図2に示すように、研削スラッジSを含む研削液Lを供給する供給部7を流入側に連結している。排出槽4Cは、図1と図4に示すように、研削スラッジSの分離された研削液Lを排出する排出部8を流出側に連結している。供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cは、研削液Lを移送する長手方向の一端部を研削液Lの流入側とし、他端部を流出側として、研削液Lを流入側から流出側に移送している。供給槽4Aは、流入側に研削液Lの供給部7を連結して流出側を中間槽4Bの流入側に連結している。中間槽4Bは、流入側を供給槽4Aの流出側に連結して流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。排出槽4Cは流入側を中間槽4Bの流出側に連結して、排出側には研削液Lを外部に排出する排出部8を連結している。この分離槽4は、供給部7に供給される研削液Lを供給槽4Aから中間槽4Bを介して排出槽4Cに移送して、排出槽4Cの排出部8から外部に排出する。
図の分離槽4は、供給槽4Aと排出槽4Cとの間に1槽の中間槽4Bを連結している。ただ、本発明の分離装置は、図示しないが、複数の中間槽を平行に配置して設けることもできる。複数の中間槽を備える分離装置は、隣接する中間槽の流出側を隣の中間槽の流入側に連結して複数の中間槽を直列に連結する。
さらに、図1の分離槽4は、長手方向に延びる2列の垂直壁11を平行に配置して、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cとに区画している。2列の垂直壁11の間に中間槽4Bを区画し、垂直壁11と分離槽4の外周壁10との間に供給槽4Aと排出槽4Cとを設けている。垂直壁11は、流出側を流入側に連結するように配置している。図1の分離槽4は、矢印で示すように、供給槽4Aと中間槽4Bとで反対方向に研削液Lを移送し、また中間槽4Bと排出槽4Cも互いに反対方向に研削液Lを移送する。すなわち、研削液Lをジグザグ状に移送して研削スラッジSを分離する。したがって、垂直壁11は、長手方向の一端部に、研削液Lを移送する供給路12を設けて、供給槽4Aの流出側を中間槽4Bの流入側に、中間槽4Bの流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。分離槽4は、図1と図3に示すように、供給槽4Aと中間槽4Bの間の垂直壁11の一端(図において右側端)を分離槽4の外周壁10から離して、外周壁10との間に供給路12を設けて、供給槽4Aの流出側を中間槽4Bの流入側に連結している。さらに、供給槽4Aと中間槽4Bの間の垂直壁11は、他端(図において左側端)を、後述する非磁性プレート5の傾斜部5Bまで延長して、供給槽4Aの左端部である流入側から中間槽4Bに研削液Lを流入させないようにしている。さらに、分離槽4は、図1と図4に示すように、中間槽4Bと排出槽4Cの間の垂直壁11の一端(図において右側端)を分離槽4の外周壁10に連結するが、他端(図において左側端)には供給路12を設けて、中間槽4Bの流出側を排出槽4Cの流入側に連結している。中間槽4Bと排出槽4Cの間の垂直壁11は、図において左側端を、後述する非磁性プレート5の傾斜部5Bの上方までは延長せず、非磁性プレート5の傾斜部5Bの上方に研削液Lの供給路12を設けている。
図1の供給槽4Aは、左側部に供給部7を連結して、ここに研削スラッジSを含む研削液Lが供給される。供給された研削液Lは、長手方向に移送されて、右側端の流出側から中間槽4Bの流入側に移送される。中間槽4Bは、図において右側端の流入側に供給される研削液Lを長手方向に移送して研削スラッジSを分離し、左側端の流出側から排出槽4Cの流入側に移送する。中間槽4Bは、図において右側端の流入側に供給槽4Aから研削液Lが供給され、左側端の排出側から排出槽4Cの流入側に研削液Lを移送する。この中間槽4Bは、研削液Lの供給部7も排出部8も連結されず、流入側には供給槽4Aからスムーズに研削液Lが供給され、排出側からは排出槽4Cにスムーズに研削液Lを移送する。したがって、中間槽4Bを長手方向に移送される研削液Lは、局部的な乱流が発生せず、全体的に層流状態に移送されて、研削スラッジSをスムーズに効率よく非磁性プレート5に沈降させて分離する。中間槽4Bから排出槽4Cに移送された研削液Lは、排出部8で局部的に吸引されて乱流状態となるが、中間槽4Bで効果的に研削スラッジSを分離しているので、排出槽4Cからは清澄な研削液Lが排出される。
研削液Lは、図1に示すように、工作機械KKから供給槽4Aに供給され、供給槽4Aから中間槽4Bに、中間槽4Bから排出槽4Cに移送され、研削スラッジSを分離して排出槽4Cから再び工作機械KKに循環される。
分離槽4は、研削スラッジSを分離するために、底部に非磁性プレート5と磁気コンベア6を配置している。図2ないし図4に示す分離装置は、非磁性プレート5を分離槽4の底板としている。なお、分離槽の底板とは別に、分離槽の内部に非磁性プレートを配設することもできるのは言うまでもない。ただ、非磁性プレート5を分離槽4の底板に兼用する装置は、最も簡単な構造にできる。
図2ないし図4の分離装置は、分離槽4の底面全体に1枚の非磁性プレート5を配置して、この非磁性プレート5の下方に磁気コンベア6を配置している。この分離装置は、供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cの底面に1枚の非磁性プレート5と1組の磁気コンベア6を配置して、研削スラッジSを供給槽4Aと中間槽4Bと排出槽4Cで分離する。ただ、本発明の分離装置は、供給槽と中間槽と排出槽の全てに非磁性プレートと磁気コンベアを配置する必要はなく、たとえば、中間槽の底部にのみ非磁性プレートと磁気コンベアを配置することができ、また、供給槽と中間槽に非磁性プレートと磁気コンベアを配置し、あるいは中間槽と排出槽に非磁性プレートと磁気コンベアを配置することもできる。
非磁性プレート5は、ステンレス、アルミニウム、銅等の非磁性金属で製作される。この非磁性プレート5は、供給槽4Aの供給部7に供給される研削液Lに含まれる研削スラッジSを沈降させる吸着部5Aと、この吸着部5Aの研削スラッジSを研削液Lから外部に引き上げる傾斜部5Bと、傾斜部5Bで研削液Lから引き上げられた研削スラッジSを非磁性プレート5から滑り落して分離する落下部5Cとを備える。
非磁性プレート5は、上面を平滑面とすることに加えて、さらに、表面を金属メッキし、あるいは、表面にホーロー層を形成し、あるいはまた、表面を鏡面に研磨して鏡面処理面としている。この非磁性プレート5は、表面に沈降する研削スラッジSを、磁気コンベア6でスムーズに移送でき、また落下部5Cからはスムーズに滑り落として分離できる。
金属メッキは、クロームメッキや金メッキである。クロームメッキは、低コストで表面が硬く、しかも凹凸の少ない鏡面にできる特長がある。金属メッキされた鏡面処理面は、メッキ層によって、表面の凹凸が極めて少ない鏡面となる。メッキ層の膜厚は、好ましくは3〜100μm、より好ましくは10〜50μmとする。クロームメッキは、磁気シールドして磁石が研削スラッジSを磁気的に吸引する力を弱める。このため、クロームメッキは、できる限り薄い薄膜として、非磁性プレート5の表面を鏡面とするのがよい。ただ、クロームメッキが薄すぎると、非磁性プレート5の表面を理想的な鏡面にできない。このため、クロームメッキ層の膜厚は、5〜50μmとするのがよい。金属メッキして表面を鏡面処理面とする非磁性プレート5は、銅板が適している。金属メッキを付着しやすいからである。ただ、ステンレス板やアルミニウム板も、表面に金属メッキをして鏡面処理面とすることができる。
ホーロー層は、非磁性プレート5の表面に低融点のゆう薬を均一に塗布し、これを溶融状態に流動させる温度まで加熱して、表面を鏡面状態として焼結する。ホーロー層は、クロームメッキのように磁気シールドする作用がない。このため、厚くして非磁性プレートの表面を鏡面にできる特長がある。ホーロー層の膜厚は、例えば0.1〜2mmとする。ホーロー層は極めて硬いので耐久性があって、長寿命にできる特長がある。
表面を鏡面に研磨して鏡面処理面とした非磁性プレート5は、表面粗さを▽▽▽(表面粗さ記号)以上とする鏡面に研磨して鏡面処理面とする。この非磁性プレート5は、微細な研磨材を使用して、非磁性プレート5の表面を鏡面に研磨する。この非磁性プレート5は、ステンレス板が適している。それは、鏡面処理面の腐食を防止できるからである。この構造の非磁性プレート5は、最も安価に表面を鏡面処理面にできる特長がある。
非磁性プレート5は、吸着部5Aを水平姿勢として、傾斜部5Bを端に向かって上り勾配に傾斜する形状としている。図2ないし図4の分離槽4は、図において非磁性プレート5の左側の端部に、上方に向かって上り勾配に傾斜する傾斜部5Bを設けている。傾斜部5Bは、非磁性プレート5の上面に沿って移送される研削スラッジSを、研削液Lから排出するために、上端を液面よりも上方まで延長している。傾斜部5Bは、上端で所定の曲率半径で湾曲されて垂直に降下する落下部5Cに連結している。落下部5Cは非磁性プレート5の先端部に設けられて、落下部5Cの下方には微細スラッジの溜槽13を設けている。
図1の分離槽4は、矢印で示すように、供給槽4Aにおいては研削液Lを傾斜部5Bから吸着部5Aに向かって移送し、中間槽4Bにおいては研削液Lを吸着部5Aから傾斜部5Bに移送し、排出槽4Cにおいては研削液Lを傾斜部5Bから吸着部5Aに移送する。この分離槽4は、中間槽4Bで研削液Lを吸着部5Aから傾斜部5Bに向かって移送して、研削スラッジSを効果的に分離する。ただ、分離槽は、図の矢印で示す方向とは反対に研削液を移送して研削スラッジを分離することもできる。
磁気コンベア6は、非磁性プレート5の下方に配設される。研削スラッジSを帯磁させて凝集、沈降させると共に、磁気的な吸着力で吸着して、非磁性プレート5に沿って移送させるためである。磁気コンベア6は、非磁性プレート5の下面に接近して移動する複数の永久磁石6Aを備えている。永久磁石6Aは一定の間隔で平行に連結される。複数の永久磁石6Aは、その両端を、磁気コンベア6の無端のチェーン6Bに連結して、所定の間隔で連結している。無端チェーン6Bは、一定の間隔で、細長い永久磁石6Aを連結している。
チェーン6Bで連結される永久磁石6Aは、非磁性プレート5の裏面に接近して移動する対向面の全面をN極とS極のいずれかとし、その反対側の反対面の全面を対向面と異なる磁極としている。すなわち、対向面をN極とする永久磁石6Aは、反対面をS極とし、対向面をS極とする永久磁石6Aは、反対面をN極としている。
さらに、分離装置は、研削スラッジの内、研削液の液中に沈降している研削スラッジを、強制的に磁化する磁化手段を備えることもできる。磁化手段は、非磁性プレートの上方を強制磁化領域とし、供給される研削液に含まれる研削スラッジを帯磁させ、磁気的な吸引力で凝集させて、速やかに沈澱させることができる。沈降された研削スラッジは、磁気コンベアにより排出される。
図5に、磁化手段15の一例を示す。この例では、磁気コンベア6に所定の間隔で固定している永久磁石6Aを、対向面の磁極が隣接するもので異なる磁極となるように配列して、非磁性プレート5の上方を強制磁化領域18としている。この場合、所定の間隔で移送方向に並べている永久磁石6Aは、対向面の磁極が、N極、S極、N極、S極・・・と交互に異なる磁極となるように配設する。この状態で配設している永久磁石6Aは、非磁性プレート5の上方に設けられる強制磁化領域18の磁束密度を均一にできる。それは、隣接して配設しているN極とS極との間に磁束を通過できるからである。強制磁化領域18は、永久磁石6Aの対向面の近傍で磁束密度が最も強くなる。永久磁石6Aの磁極に最も接近するからである。隣接する永久磁石6Aの中間で最も磁束密度が低くなる。
さらに、対向面をN極とS極として反対面をチェーン6B等の磁性金属で連結している磁気コンベア6は、反対面の磁束をチェーン6B等の磁束金属に通過させて、この間の磁気抵抗を小さくできる。このため、隣接するふたつの永久磁石6Aを、対向面と反対面とで連結する磁気回路の磁気抵抗を小さくして、対向面の磁束密度を高く、すなわち、強制磁化領域18の磁束を強くできる。
永久磁石6Aによって設けられる強制磁化領域18は、ここに研削スラッジSを通過させて帯磁させる。帯磁された研削スラッジSは、磁気的な吸引作用で互いに吸着して大きく凝集する。凝集した研削スラッジSは、研削液Lの内部を速やかに沈降して非磁性プレート5の吸着部5Aに沈澱される。
磁気コンベア6は、永久磁石6Aを、非磁性プレート5の下面に接近して移動させるために、チェーン6Bの移送路にチェーンガイド(図示せず)を設けている。チェーン6Bをチェーンガイドで決められた位置に移動させて、永久磁石6Aを非磁性プレート5の下面に接近して移動させる。チェーン6Bを移動させるために、2条のチェーン6Bを、スプロケット6Cに掛けている。スプロケット6Cは、回転軸6Dの両端に固定され、回転軸6Dをモータ6Eで駆動して、チェーン6Bを移動させる。
チェーン6Bで移動される永久磁石6Aの速度は、例えば、約1cm/秒に設定される。ただ、永久磁石6Aの移動速度は、例えば0.3〜5cmとすることもできる。永久磁石6Aの移動速度が遅すぎると、吸着した研削スラッジSを能率よく排出できない。反対に、永久磁石6Aの移動速度が早すぎると、吸着した研削スラッジSを移送できなくなる。永久磁石6Aの移動速度は、研削スラッジSを能率よく移動できるように決定される。
図1ないし図4に示すように、供給槽4Aと排出槽4Cにおいては、磁気コンベア6による研削スラッジSの移動方向が、研削液Lの流れ方向と逆方向となり、中間槽4Bでは磁気コンベア6による研削スラッジSの移送方向が研削液Lの流れ方向となる。この構造の分離槽4は、中間槽4Bでは非磁性プレート5表面の研削スラッジSを研削液Lの移送方向に移送することで、研削液Lをより理想的な層流状態で移送して、研削スラッジSを効率よく降下させて分離し、供給槽4Aと排出槽4Cにおいては、非磁性プレート5の排出側に研削スラッジSが集中するのを回避できる。したがって、中間槽4Bで研削スラッジSを効率よく分離し、供給槽4Aからは吸着部5Aに降下した研削スラッジSが中間槽4Bに移送されるのを防止し、かつ排出槽4Cからは吸着部5Aに降下した研削スラッジSが研削液Lに混入して排出されるのを防止できる。
以上のようにして、図2ないし図4に示すように分離槽4は、研削スラッジSを非磁性プレート5の上面に、磁気的な吸引力と自重とで沈降させ、非磁性プレート5の裏面に配設された磁気コンベア6で、磁気的な吸引力により研削スラッジSを吸引して傾斜部5Bから落下部5Cに向かって移動する。
本発明の研削液に含まれる研削スラッジの分離装置は、研削機のクーラント装置に好適に利用できる。
100…研削スラッジの分離装置
4…分離槽 4A…供給槽
4B…中間槽
4C…排出槽
5…非磁性プレート 5A…吸着部
5B…傾斜部
5C…落下部
6…磁気コンベア 6A…永久磁石
6B…チェーン
6C…スプロケット
6D…回転軸
6E…モータ
7…供給部
8…排出部
10…外周壁
11…垂直壁
12…供給路
13…溜槽
15…磁化手段
18…強制磁化領域
94…分離槽
95…非磁性プレート 95A…吸着部
95B…傾斜部
95C…落下部
96…磁気コンベア
S…研削スラッジ
L…研削液
KK…工作機械

Claims (7)

  1. 研削スラッジ(S)を含む水溶性の研削液(L)が供給される分離槽(4)と、
    前記分離槽(4)内に配設されて、上面に研削スラッジ(S)を磁気的な吸引力と自重とで沈降させる非磁性プレート(5)と、
    前記非磁性プレート(5)の裏面に配設されて、非磁性プレート(5)の表面に磁気的な吸引力で研削スラッジ(S)を吸引して排出方向に移動させる磁気コンベア(6)とを備え、
    前記非磁性プレート(5)は、研削液L(L)に含まれる研削スラッジS(S)を上面に吸着させる吸着部(5A)と、この吸着部(5A)に吸着される研削スラッジS(S)を上り勾配に移送して排出する傾斜部(5B)と、この傾斜部(5B)に連結されて傾斜部(5B)から供給される研削スラッジ(S)を下方に落下させる落下部(5C)とを備え、
    前記磁気コンベア(6)が非磁性プレート(5)の表面に吸着される研削スラッジ(S)を吸着部(5A)から傾斜部(5B)を通過して落下部(5C)に移送して排出するようにしてなる研削スラッジの分離装置であって、
    前記分離槽(4)が、研削スラッジ(S)を含む研削液(L)が供給される供給部(7)を連結してなる供給槽(4A)と、研削スラッジ(S)の分離された研削液(L)を排出する排出部(8)を連結してなる排出槽(4C)と、前記供給槽(4A)と前記排出槽(4C)との間に連結してなる中間槽(4B)とを備え、
    前記中間槽(4B)には前記非磁性プレート(5)と前記磁気コンベア(6)が配置され、
    さらに、前記中間槽(4B)は、研削液(L)を移送する長手方向の一端部を研削液(L)の流入側として、この流入側を前記供給槽(4A)の流出側に連結しており、さらに、流入側の反対側の端部を研削液(L)の流出側として、この流出側を前記排出槽(4C)の流入側に連結しており、
    研削スラッジ(S)を含む研削液(L)が前記供給槽(4A)を介して前記中間槽(4B)に供給され、さらに、前記中間槽(4B)で研削スラッジ(S)の分離された研削液(L)を前記排出槽(4C)を介して排出するようにしてなる研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  2. 前記供給槽(4A)に、非磁性プレート(5)と磁気コンベア(6)を配置してなる請求項1に記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  3. 前記排出槽(4C)に、非磁性プレート(5)と磁気コンベア(6)を配置してなる請求項1又は2に記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  4. 前記分離槽(4)に互いに平行な垂直壁(11)が配置され、この垂直壁(11)でもって、前記分離槽(4)を互いに平行に配置してなる供給槽(4A)と中間槽(4B)と排出槽(4C)に分割してなる請求項1ないし3のいずれかに記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  5. 前記垂直壁(11)が前記非磁性プレート(5)の上で研削液(L)を蛇行して移送するように配置されてなる請求項4に記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  6. 前記供給槽(4A)と前記中間槽(4B)と前記排出槽(4C)に非磁性プレート(5)を配置しており、
    前記供給槽(4A)と前記排出槽(4C)は、前記非磁性プレート(5)の傾斜部(5B)を流入側に配置して、前記中間槽(4B)は、非磁性プレート(5)の傾斜部(5B)を流出側に配置しており、
    前記中間槽(4B)は、研削液(L)を前記非磁性プレート(5)の吸着部(5A)から傾斜部(5B)に移送して研削スラッジ(S)を分離し、前記排出槽(4C)が研削液(L)を前記非磁性プレート(5)の傾斜部(5B)から吸着部(5A)に向かって移送して、流出側に設けた排出部(8)から外部に排出されるようにしてなる請求項1ないし5のいずれかに記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
  7. 前記供給槽(4A)と前記中間槽(4B)と前記排出槽(4C)に配置してなる非磁性プレート(5)が連続する1枚の非磁性プレートで、前記供給槽(4A)と前記中間槽(4B)と前記排出槽(4C)に配置してなる前記磁気コンベア(6)が1組の磁気コンベアである請求項6に記載される研削液に含まれる研削スラッジの分離装置。
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