JP2014226257A - 多点プローブ及びそれを構成する電子接点シート、多点プローブアレイ並びに多点プローブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多点プローブ100は、シート状の絶縁基材に、互いに離間して配置する複数の電子接点2と、各電子接点2に接続された複数の配線とを有する電子接点シートを、その一端から他端に向けて巻回することにより多層に積層して構成された管状の積層体10Aからなる多点プローブであって、電子接点2はシート状の絶縁基材で覆われることなく露出し、配線は、最上層の配線3a以外(3b、3c)は少なくともその一部がシート状の絶縁基材に覆われるように積層されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、脳や脊髄等の生体組織の電気信号の検出は、先端部に複数の電圧検出用電子接点が形成されたプローブを脳に刺入して行われる(例えば、特許文献1、2)。
また、特許文献2に開示されたプローブは、同じく平板絶縁基材上に、立設するプローブ電子接点と、それに接続する配線とを備える構成である。
一方、管状の構造体、例えばカテーテルや内視鏡の側面に電気信号を検出する電子接点やセンサー等の電子接点を形成したシート状の絶縁基材を、螺旋状に巻きつけて電気的、化学的、機械的生体信号を検知するデバイスが本発明者らによって提案されている(非技術文献1)。この方法では、管状の構造体表面に多数の電気接点を配設することが可能である。
また、生体に適用するデバイスでは、生体信号の検出だけでなく、生体へ刺激を与える電子接点や、生体への刺激付与とその応答を検出する入出力電子接点の組み合わせで生体情報を検出する構成が知られている。
また、非特許文献1に開示されたシート状のプローブでは、広範囲で高密度に電子接点を形成すると、螺旋状の巻回し距離が長くなるとともに、配線の数が著しく増加し、配線抵抗の増加による信号検出精度の低下や、電子接点数が配線数で限定される等の課題がある。
本発明の一態様に係る多点プローブは、シート状の絶縁基材に、列状に離間して配設された複数の電子接点と、各電子接点に接続された複数の配線とを有する電子接点シートを、その一端から他端に向けて巻回することにより多層に積層して構成された管状の積層体からなる多点プローブであって、前記電子接点は前記シート状の絶縁基材で覆われることなく露出し、前記配線は、最上層の配線以外は少なくともその一部が前記シート状の絶縁基材に覆うように積層されていることを特徴とする。
なお、本明細書において、「電子接点」とは、例えば電極等の広く電流を通す部分を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る多点プローブの一例を示す斜視図である。図2は図1に示した多点プローブを、説明のために巻回されていた電子接点シートを巻き戻した状態を示す模式図である。図1及び図2に示すのは、芯材を備えた構成の多点プローブである。
なお、多点プローブの説明の中で、本発明の一実施形態に係る電子接点シートについても説明する。
また、図1に示す多点プローブでは、軸状の芯材として棒状のものを示したが、シート状の絶縁基材を巻回することができる構成であれば、棒状に限らず、フレキシブルなものでもよく、また、温度等の条件によって硬さが変化するものでもよい。
図14(a)及び(b)に、フレキシブルな軸状の芯材を用いた多点プローブの例の一部を示す。かかる多点プローブの応用例としては、カテーテルや内視鏡などがある。
その厚さは限定するものではないが、例えば、1μm〜20μmのものを用いることができる。例えば、厚さ1μmのシート状の絶縁基材を用いれば、30回巻回しても、積層された多層のシートの厚さは30μm程度となる。
例えば、矩形のシート状の絶縁基材の、巻回される一端と他端との間の側端に沿って複数の電子接点が配置する場合には、複数の電子接点を露出されるために、管状の積層体10Aの軸線(図示する構成の場合、芯材20の軸線に一致)に対して傾斜するように巻回する。
また、図1及び図2に示す例では、複数の電子接点2はその縁部1cに沿って配置され、また、複数のパッド4はその第2の矩形部(他端の近傍)1eにおいてその他端1dに沿って配置されている。
図1及び図2に示す例のように、シート状の絶縁基材1が芯材20の一端20b側の縁部1cが芯材20の一端20bから他端20cに向けて後退するように形成された領域を有し、その縁部1cに沿って複数の電子接点2が配置する構成の電子接点シート10とすることにより、芯材20の軸線に対して特に傾斜させずに巻回するだけで、複数の電子接点2は露出することとなる。
電子接点2は、シート状の絶縁基材1の、芯材20に巻回される面の反対側の面1aにおいて互いに離間して配置し、その個数に特に制限はなく、外周面の面積が大きい芯材を用いることにより多数の電子接点を配置できる。
電子接点2は、10〜200μmの間隔で配置することが好ましく、各電子接点2の径は、5〜100μmであることが好ましい。その形状は特に制限はなく、例えば、丸型、角型等のものとすることができる。
また、電子接点2の材料としてカーボンナノチューブ(CNT)等のフレキシブルなナノ材料を用いてもよい。
例えば、親水性のイオン液体を構成する分子と水溶性高分子とで二重に被覆されたカーボンナノ材料が水溶性高分子媒体中に分散され、該水溶性高分子が架橋されてなるゲル状の導電性材料(導電ゲル)を用いてもよい。この導電ゲルについては後述する。
配線3は、5〜200μmの間隔で配置することが好ましく、その幅は、2〜100μmであることが好ましい。
また、配線3の材料としては、金、白金等の腐食しにくい金属材料を用いることが好ましい。
配線3が芯材20の軸線方向に沿って延びる構成は、配線が芯材の軸線方向に対して傾斜して配置する構成に比べて配線の長さが短く重畳回数が少なくなり、クロストークを低減することができる。
パッド4は、50〜1000μmの間隔で配置することが好ましく、パッド4の幅は、20〜500μmであることが好ましい。その形状は特に制限はなく、例えば、丸型、角型等である。また、パッドを複数段に千鳥配置することで、実装を容易にする構成も取ることができる。
また、パッド4の材料として電子接点2と同様に、カーボンナノチューブ(CNT)等のフレキシブルなナノ材料を用いてもよく、上記ゲル状の導電性材料(導電ゲル)を用いてもよい。
芯材20の材料としては限定するものではないが、例えば、ステンレススチール、タングステン、チタン等の剛性を有する金属や、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチック、シリコンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の柔軟性を有する樹脂を用いることができる。
第1の絶縁素材の材料としては限定するものではないが、例えば、パリレン(登録商標)、サイトップ(登録商標)を用いることができる。パリレンは例えばCVD法により、また、サイトップはディッピングにより、被覆することができる。
この第1の絶縁素材の被覆層の厚さとしては、1〜10μmであることが好ましい。
第1のシールド導電膜の材料としては限定するものではないが、例えば、金を挙げることができる。
この第1のシールド導電膜の厚さとしては、0.02〜0.2μmであることが好ましい。
第2のシールド導電膜の材料としては限定するものではないが、例えば、金を挙げることができる
この第2のシールド導電膜の厚さとしては、0.02〜0.2μmであることが好ましい。この第2の導電膜は配線と同時に形成することが可能である。
第2の絶縁素材の材料としては限定するものではないが、例えば、パリレン(登録商標)、サイトップ(登録商標)を用いることができる。
第2の絶縁素材で全体を被覆する構成により、巻回した電子接点シートの段差が覆われるので、対象に多点プローブを刺入しやすくなる。
複数の電子接点及び複数のパッド上の第2の絶縁素材を除去する方法としては例えば、レーザーを用いる方法がある。
上述の通り、本発明の多点プローブ、電子接点及び多点プローブアレイを構成する電子接点の材料として、親水性のイオン液体を構成する分子と水溶性高分子とで二重に被覆されたカーボンナノ材料が水溶性高分子媒体中に分散され、該水溶性高分子が架橋されてなるゲル状の導電性材料(導電ゲル)を用いることができる。
親水性のイオン液体としては、従来から知られた各種のイオン液体のうち、親水性のイオン液体を使用することができ、例えば、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート(DEMEBF4)を挙げることができる。
なお、細分化工程において用いるせん断力を付与する手段は特に限定されるものではなく、ボールミル、ローラーミル、振動ミルなどのせん断力を付与することができる湿式粉砕装置を使用することができる。
1.合成高分子
(1)イオン性
ポリマクリル酸(アニオン性)
ポリスチレンスルホン酸(アニオン性)
ポリエチレンイミン(カチオン性)
MPCポリマー(両性イオン)
(2)非イオン性
ポリビニルピロリドン(PVP)
ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニル鹸化物)
ポリアクリルアミド(PAM)
ポリエチレンオキシド(PEO)
2.天然系高分子(多くは多糖類)
デンプン
ゼラチン
ヒアルロン酸
アルギン酸
デキストラン
タンパク質(例えば水溶性コラーゲンなど)
3.半合成高分子(例えばセルロースを可溶化したもの)
カルボキシメチルセルロース(CMC)
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
メチルセルロース(MC)、等のセルロース誘導体
水溶性キトサン(「2.天然系高分子」に分類することもできる)
当該組成物又は導電性材料を用いて、微細な形状のパターンを形成するには、水溶性高分子が光架橋性であることが好ましい。
例えば、カーボンナノ材料としてカーボンナノチューブ、イオン液体としてN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート(DEMEBF4)を選択することにより、カーボンナノチューブを包み込むDEMEBF4の分子の層を単分子層とすることができる。さらに、水溶性高分子として例えば、ポリロタキサンを選択すると、DEMEBF4の単分子層の上に5nm程度の薄いポリロタキサンの層を形成することができる。こうして得られる組成物はカーボンナノチューブの分散濃度を高密度とすることができ、高い導電性材料とすることができる。かかる導電性材料で作製した電子接点等の導電部材では、薄いDEMEBF4分子層及びポリロタキサン層を介してカーボンナノチューブ間を電子が移動して電流が流れる。
これにより、カーボンナノ材料のバンドル又は凝集がより解けた状態で親水性のイオン液体で覆うことができる。
カーボンナノ材料に結合していない前記イオン液体を構成する分子を除去するために濯ぎ工程をさらに備えてもよい。これにより、成形性や加工性が向上する。
この濯ぎ工程は例えば、生理食塩水、エタノール、ゲルを破壊しない液体によって行うことができる。この濯ぎ工程はいずれの段階で行ってもよい。
この組成物の作製は、市販のカーボンナノチューブ(MWNT、長さ10μm、径5nm)30mgと、親水性のイオン液体である、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート(DEMEBF4)60mgと混合し、磁気スターラーを用いて700rpm以上の回転数で1週間、25℃で脱イオン水中で撹拌した。得られた懸濁液を、高圧ジェットミルホモジナイザー(60MPa;Nano−jet pal, JN10, Jokoh)によって処理して、黒い物質を得た。得られたCNTゲルを含む溶液を生理食塩水で濯いだ後に、光架橋剤(Irgacure2959、長瀬産業株式会社製)1mgと、ポリロタキサンゲル(「光架橋性環動ゲル」、アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製)1000mgとを混合し、上記組成物を作製した。
得られたシートのヤング率は10kPaよりも低かった。シリコンのヤング率は100GPa程度であり、従来のプラスチックフィルムのヤング率は1〜5GPaであるから、非常に柔らかいことがわかる。また、脳のヤング率は1〜2kPaであり、心臓の筋肉細胞のヤング率は〜100kPaであるから、本発明の一実施形態の組成物又は導電性材料は、臓器と同程度あるいはそれ以上の高い柔らかさを有することがわかった。このため、臓器の表面に高い追従性を有し、臓器との間に極めて良好な界面を形成できる。
光架橋材料の種類を変えることで様々な波長で架橋できるので、UVには限定されない。
高分解断面透過電子顕微としては、HF−2000Cold−FE TEM(80kV、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
図6(b)に示すように、単体のカーボンナノチューブにポリロタキサンが被覆しているが、その被覆層の層厚は不均一であることがわかる。これに対して、図6(c)に示すように、単体のカーボンナノチューブを被覆するポリロタキサン層の層厚が非常に均一であり、図6(b)に示すものとは明確に異なることわかる。
この被覆層の層厚の均一性の違いは、後者がカーボンナノチューブを覆っていた親水性イオン液体DEMEBF4の分子が剥がされて、ポリロタキサンがカーボンナノチューブを覆いなおしたのではなく、カーボンナノチューブを覆っていた親水性イオン液体DEMEBF4の分子の層の上にポリロタキサンが覆ったものであることを示している。カーボンナノチューブを覆っていた親水性イオン液体DEMEBF4の分子が剥がされて、ポリロタキサンがカーボンナノチューブを覆ったのであれば、図6(c)も図6(b)と同様に被覆層の層厚は不均一になるはずである。また、カーボンナノチューブとDEMEBF4の分子との結合が水素結合にも匹敵する高いカチオン-π相互作用で結合しているので、カーボンナノチューブを覆っていた親水性イオン液体DEMEBF4の分子は上記の工程では剥がされないと考えられる。
当該組成物(CNT−gel)は、図5(a)で示した組成物の作製条件と同じ条件で得られた組成物である。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
生理食塩水を主成分とするゲル(Saline−based gel)は、300mgのロタキサンゲルに1mgの光架橋剤を入れて、100mlの生理食塩水で溶かし、その後にUVにより光架橋することにより得た。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
図7に示すように、組成物の面抵抗は、従来のゲルに比べて、2桁〜3桁以上低いことがわかった。
当該組成物(CNT−rotaxane gel)は、図5(a)で示した組成物の作製条件と同じ条件で得られた組成物である。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
ポリアクリルアミドゲル(Poly−acrylamide gel)は、300mgのポリアクリルアミドに1mgの光架橋剤を入れて、100mlの生理食塩水で溶かし、その後にUVにより光架橋することにより得た。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
生理食塩水含有ポリアクリルアミドゲル(Saline poly−acrylamide gelは、300mgのポリアクリルアミドに1mgの光架橋剤を入れて、100mlの生理食塩水で溶かし、その後にUVにより光架橋することにより得た。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
生理食塩水含有ロタキサンゲル(Saline−rotaxane gel)は、300mgのロタキサンゲルに1mgの光架橋剤を入れて、100mlの生理食塩水で溶かし、その後にUVにより光架橋することにより得た。大きさは1cm角、厚みは1mmであった。
図8に示すように、当該組成物の電気容量は、比較例のゲルよりも高いことがわかった。
また、当該組成物又は導電性材料は、カーボンナノ材料を含むものであり、カーボンナノ材料特に、カーボンナノチューブは高い比表面積を有するものなので、この点からも高い信号検出能力を有するものである。また、当該組成物又は導電性材料を用いて作製した電子接点の導電率は、Au電子接点の導電率より低いが、信号を容量でとる場合には導電率ではなく、実効的な表面積が大きいことが重要である。
(1)第1の工程
まず、カーボンナノチューブとDEMEBF4と水とを混合し、撹拌して、イオン液体を構成する分子に覆われたカーボンナノチューブが分散する第1の分散系を得る。
第1の分散系を、生理食塩水、エタノール、ゲルを破壊しない液体等によって濯ぐ工程を行って、カーボンナノチューブに結合していないDEMEBF4を除去してもよい。
この分散系においては、イオン液体を構成する分子に覆われたカーボンナノチューブが水に分散されており、カーボンナノチューブとイオン液体の量に依存して、他に、イオン液体を構成する分子に十分に覆われていない又は全く覆われていないカーボンナノチューブ(バンドル化されているカーボンナノチューブも含む)やイオン液体を構成する分子が含有されている場合がある。
この工程において、ジェットミル等により、カーボンナノチューブにせん断力を加えて細分化するのが好ましい。この工程により、カーボンナノチューブは、ファンデルワールス力でバンドル化していた1本1本のカーボンナノチューブが解けて、バンドル化(凝集)の程度が低減し、1本1本のカーボンナノチューブにまで解くことも可能となるからである。
次に、上記第1の分散系とポリロタキサン(「光架橋性環動ゲル」、アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製)と水とを混合し、撹拌して、イオン液体を構成する分子に覆われたカーボンナノ材料と水溶性高分子とが分散する第2の分散系を得る。
第2の分散系を、生理食塩水、エタノール、ゲルを破壊しない液体等によって濯ぐ工程を行って、カーボンナノチューブに結合していないDEMEBF4を除去してもよい。
なお、図9に示すように、得られた組成物を架橋する場合には架橋剤も混合することができる。これによって、得られた第2の分散系は図9に示すようなゲル状の物質である。
次に、ポリロタキサンを架橋して、DEMEBF4を構成する分子に覆われたカーボンナノチューブがポリロタキサン媒体中に分散され、該ポリロタキサンが架橋されてなる組成物(導電性材料)を得る。
得られた組成物(導電性材料)を生理食塩水、エタノール、ゲルを破壊しない液体等によって濯ぐ工程を行って、カーボンナノチューブに結合していないDEMEBF4を除去してもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る多点プローブアレイの一例を示す斜視図である。
多点プローブアレイ200は、上記した多点プローブ100がベース基板30上に離間して複数立設されたものである。図5においては、多点プローブ100は6本立設することができるが、図においては便宜上、1本しか描いていない。
ベース基板30の材料はジルコニア等の加工性のあるセラミクスやガラスエポキシが好適であるが、単結晶シリコン基板やガラス基板を用いることも可能である。このベース基板には多点プローブ100を精密に位置決めする溝32が複数設けられている。この溝32に多点プローブ100を嵌め込み、電子接点シート10の他端に形成されたパッドがベース基板30側に向くようにして、ベース基板30上にパッドと対応して形成された実装端子(図示せず)と位置合わせされた状態で電気的に接続する。この実装端子はベース基板30上に形成された配線を通じて、ベース基板30に固定された電気コネクタ31に電気的に接続される。
また、ベース基板30上に配線や電気コネクタ31を形成することなく、電子接点シート10のパッドとフレキシブルケーブルと直接接続しても良い。この場合は、電子接点シート10の端部は、パッドがベース基板から上面を向くように巻回しされた状態で接着固定される。
以下に、本発明の一実施形態に係る多点プローブの製造方法の一例について説明する。
まず、所定の形状を有するシート状の絶縁基材を準備する。具体的には例えば、市販のポリイミドフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムを準備する。
次に、シート状の絶縁基材の一方の面に、公知の回路作成技術を用いて、複数の電子接点と、各電子接点に接続された複数の配線と、各配線に接続された複数のパッドとを形成する。公知の回路作成技術としては例えば、フレキシブルプリント基板作成技術が挙げられる。
次に、回路が形成された基板に、電子接点及びパッドを露出するように第1の絶縁素材からなる層を形成する。
次に、電子接点シートの一端を例えば、シアノアクリレート系接着剤を用いて芯材の外周面に固定して巻回を開始し、その後例えば、1周巻回するごとに例えば、エポキシ接着剤を用いて、電子接点シートのおもて面と裏面とを接着し、巻回を続け、最後に電子接点シートの他端の裏面を例えば、同じくエポキシ接着剤を用いて電子接点シートのおもて面に接着して巻回を完了する。
次に、パリレン等の第2の絶縁素材を全体に被覆し、電子接点及びパッド上の第2の絶縁素材をレーザー等を用いて除去して、電子接点及びパッドを露出させる。
概略以上の工程によって、多点プローブを製造することができる。
図13に示す製造工程のフロー図を用いて、本発明の一実施形態に係る多点プローブアレイの製造方法の一例について説明する。本製造方法の一部の工程を、多点プローブの製造方法に適用してもよいし、また、上述した多点プローブの製造方法の一部の工程を、以下の多点プローブアレイの製造方法に適用してもよい。
まず、平坦なガラス基板等のサポート基板に、ポリイミドフィルム等のシート状の絶縁基材を貼る((a)工程)。
次に、シート状の絶縁基材の一方の面に、例えば、CVDでパリレン等を用いた平坦化層を形成する((b)工程)。
次に、その平坦化層の上に、マスク蒸着によって、複数の電子接点と、各電子接点に接続された複数の配線と、各配線に接続された複数のパッドとを形成して電子接点シートを作製する((c)工程)。
次に、回路が形成された電子接点シート全体を第1の絶縁素材で被覆し((d)工程)、その後、電子接点及びパッド上の第1の絶縁素材を除去する((e)工程)。
次に、シート状の絶縁基材(電子接点シート)を、別のサポート基板に反転して転写し((f)工程)、先のサポート基板に貼着されていた側の面の一端に例えば、シアノアクリレート系接着剤等の接着剤を塗布する((g)工程)。
次に、電子接点シートのその接着剤を塗布した部分に芯材を固定し((h)工程)、芯材に電子接点シートを巻回し、最後に電子接点シートの他端の裏面を、同じくエポキシ接着剤を用いて電子接点シートのおもて面に接着して巻回を完了する((i)工程)。
次に、パリレン等の第2の絶縁素材を全体に被覆し、電子接点及びパッド上の第2の絶縁素材をレーザー等で除去して、電子接点及びパッドを露出させて、多点プローブを製造する。
次に、その多点プローブを、ベース基材の溝に固定する((j)工程)。
次に、多点プローブのパッドをベース基材の端子に実装する((k)工程)。
概略以上の工程によって、多点プローブアレイを製造することができる。
1a 一方の面
1c 縁部
2 電子接点
3、3a、3b、3c 配線
4 パッド
10 電子接点シート
10a 一端
10b 他端
20 芯材
20a 外周面
20b 一端
20c 他端
30 ベース基板
100 多点プローブ
200 多点プローブアレイ
Claims (14)
- シート状の絶縁基材に、列状に離間して配設された複数の電子接点と、各電子接点に接続された複数の配線とを有する電子接点シートを、その一端から他端に向けて巻回することにより多層に積層して構成された管状の積層体からなる多点プローブであって、
前記電子接点は前記シート状の絶縁基材で覆われることなく露出し、前記配線は、最上層の配線以外は少なくともその一部が前記シート状の絶縁基材に覆われるように積層されていることを特徴とする多点プローブ。 - 軸状の芯材を備え、前記電子接点シートは前記芯材の外周面に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の多点プローブ。
- 前記複数の電子接点は、前記シート状の絶縁基材の一方の面において、前記電子接点シートの一端側の縁部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の多点プローブ。
- 前記シート状の絶縁基材は、前記縁部が前記管状の積層体の一端から他端に向けて後退するように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 前記複数の電子接点は、前記管状の積層体の軸線を基準として螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 前記複数の配線は、前記複数の電子接点を起点として所定範囲にわたり前記管状の積層体の軸線方向に沿って延在されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 各配線に接続され、外部回路に接続される複数のパッドが、前記電子接点シートの前記他端の近傍においてその他端に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 前記電子接点シートは、前記複数の電子接点及び前記複数のパッドが露出するように、第1の絶縁素材で被覆されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 前記シート状の絶縁基材において、前記配線が配設された面の他方の面に、第1のシールド導電膜が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の多点プローブ。
- 前記シート状の絶縁基材において、前記配線が配設された面に、第2のシールド導電膜が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 前記シート状の絶縁基材に、前記複数の電子接点に接続された増幅器を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の多点プローブ。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の多点プローブが、ベース基板上に離間して複数立設されていることを特徴とする多点プローブアレイ。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の多点プローブを構成する電子接点シート。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の多点プローブの製造方法であって、
前記電子接点シートを、その一端から他端に向けて、前記複数の電子接点が露出するように巻回した後に、全体に第2の絶縁素材を被覆し、その後、前記複数の電子接点及び複数のパッド上の第2の絶縁素材を除去することを特徴とする多点プローブの製造方法。
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