JP2014226023A - Srモータのステータ、及びこのステータを備えたsrモータ - Google Patents

Srモータのステータ、及びこのステータを備えたsrモータ Download PDF

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Abstract

【課題】軟磁性体粉末を圧縮して形成されたステータであって、低圧プレスによる成形が可能で且つ内部に不均一な密度分布が生じ難いSRモータのステータ、及びこのステータを備えたSRモータを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、SRモータ10、10Aのステータ30、30Aであって、ロータ20を回転方向に囲うステータ本体32、32Aと、ステータ本体32、32Aからロータ20に向けて径方向内側に延び、且つ回転方向に並ぶ複数の磁極部341、341Aと、を備え、少なくとも、磁極部341、341Aは、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を固めることによって形成され、当該ステータ30、30Aは、回転方向に隣り合う磁極部341、341A間で分離可能な2以上の部位によって構成され、前記2以上の部位のうち所定の部位が残りの部位に嵌め込まれる形状を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、SRモータに関する。
交流モータは、従来、直流モータと比較して速度制御や出力制御が難しいと言われてきたが、この点は、近年のパワーエレクトロニクスによる制御技術の発達によって解消され、交流モータは、種々の用途で使用されるようになってきている。
このようなモータの一つに、スイッチトリラクタンスモータ(Switched reluctance motor、以下、「SRモータ」と略記する)がある。このSRモータは、ステータおよびロータ共に、突極構造を有し、ステータの励磁コイルにロータの位置情報に基づいて電流を供給することで生じる磁気吸引力によって回転運動する。
このRSモータの一つとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。このSRモータは、回転軸と、回転軸に接続されこの回転軸と共に回転する回転子(ロータ)と、回転子を回転方向に囲む励磁コイルと、励磁コイルを保持する固定子(ステータ)と、を備える。そして、回転子と固定子とは、例えば、等方的な所定の磁気特性(透磁率)を有するよう、電気絶縁膜で被覆された軟磁性体粉末をプレス成形によって圧縮して固めることで形成されている。
このSRモータでは、励磁コイルに電流が供給されて励磁したときの回転子と固定子との間の磁気抵抗に起因する磁気吸引力によって回転体に回転トルクが生じ、この回転トルク(回転動力)が回転子に接続された回転軸を通じて外部に出力される。
特開2012−120342号公報
上述のSRモータのステータはプレス成形によって製造されている。このプレス成形におけるプレス圧は、単位面積あたりの圧力で決定されるため、成形体のサイズが大きくなる程、プレス圧の高い大型のプレス機が必要となる。このため、サイズの大きなステータを製造する場合には、コストが大幅に上昇する。
また、成形体のサイズが大きい程、成形体内に不均一な密度分布が生じやすいため、サイズの大きなステータをプレス成形によって製造すると、ステータ内に不均一な密度分布が生じて性能にバラツキが生じたり、材料歩留まりの悪化が懸念される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、軟磁性体粉末を圧縮して形成されたステータであって、低圧プレスによる成形が可能で且つ内部に不均一な密度分布が生じ難いSRモータのステータ、及びこのステータを備えたSRモータを提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。即ち、本発明のSRモータのステータにかかる一態様では、ロータの回転によって回転動力を出力するSRモータのステータであって、前記ロータを回転方向に囲うステータ本体と、前記ステータ本体から前記ロータに向けて径方向内側に延び、且つ前記回転方向に間隔を空けて並ぶ複数の磁極部と、を備える。そして、少なくとも、前記複数の磁極部は、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を固めることによって形成され、当該ステータは、前記回転方向に隣り合う磁極部間で分離可能な2以上の部位によって構成され、前記2以上の部位のうち所定の部位が残りの部位に嵌め込まれる形状を有する。
かかる構成によれば、ステータが2以上の部位(プレス成形体)によって構成されているため、ステータのサイズが大きくても、プレス成形によって形成される部位(プレス成形体)一つあたりの大きさを抑えることができ、これにより、低圧プレスによって各部位を形成することができる。また、各部位の大きさを抑えることで、成形体内部の不均一な密度分布の発生を抑えることもできる。
さらに、ロータとの間に磁気回路を形成する磁極部を避けた位置でステータが分離可能に構成されているため、即ち、当該ステータでは、磁気抵抗となる分離可能な箇所が磁極部を避けた位置に設けられているため、前記分離可能な箇所が設けられたことによる性能低下(当該ステータを備えたSRモータにおけるモータ特性の低下等)を抑えることができる。
本発明に係るSRモータのステータでは、前記回転方向に隣り合う磁極部同士は、それぞれ分離可能であることが好ましい。
かかる構成によれば、プレス成形によって形成される成形体をより小さくすることができる。これにより、より低いプレス圧で成形することができると共に、内部での不均一な密度分布の発生をより確実に抑えることができる。
また、前記回転方向に並ぶ複数の磁極部を一層としたときに、この磁極部の層が回転軸方向に間隔を空けて複数設けられ、各層間において前記回転方向に互いに対応する位置に配置される磁極部同士が一体に構成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、磁極部を複数層設けることによって当該ステータを備えたモータの出力向上を図りつつ、層間において回転方向に対応する磁極部同士の間に磁気抵抗となる分離可能箇所が形成されるのを避けることで、前記磁気抵抗によるモータ特性の低下を抑えることができる。
また、前記ステータにおいて、前記回転方向に並ぶ複数の磁極部を一層としたときに、この磁極部の層が回転軸方向に間隔を空けて複数設けられ、各層間において前記回転方向に互いに対応する各磁極部間の前記回転方向の中央位置が前記回転方向に互いにずれて配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、互いに対応する各磁極部間の回転方向の中央位置が回転方向に互いにずれて配置されているため、回転方向(周方向)におけるSRモータのトルク発生範囲を広くとることができるとともに、コイルに通電することで、ロータの停止位置によらずSRモータを回転始動させることが可能となる。
また、磁極部が回転軸方向にさらに分断されているため、プレスによる成形体の大きさを抑えることができる。
また、前記ステータにおいて、前記ステータ本体が、当該ステータを備えるSRモータの筐体を兼ねることで、部品点数を低減することができる。この場合、ステータの強度を確保するために、前記ステータ本体は、例えば、非磁性体金属によって構成される。
また、前記ステータにおいて、前記2以上の部位の少なくとも1つが交換可能に構成されることが好ましい。
かかる構成によれば、使用等によっていずれかの部位が損傷したときに、損傷の生じた部位のみを交換することができる。
また、本発明のSRモータにかかる一態様では、上述のいずれかのステータと、前記ステータの内側に回転可能に配置されるロータと、を備える。
かかる構成によれば、ステータが2以上の部位(プレス成形体)によって構成されているため、ステータのサイズが大きくても、プレス成形によって形成される部位(プレス成形体)一つあたりの大きさを抑えることができ、これにより、低圧プレスによって各部位を形成することができる。また、各部位の大きさを抑えることで、成形体内部の不均一な密度分布の発生を抑えることもできる。
さらに、ロータとの間に磁気回路を形成する磁極部を避けた位置でステータが分断された構成であるため、即ち、当該ステータでは磁気抵抗となる分断箇所が磁極部を避けた位置に設けられているため、前記分断によるモータ特性の低下等を抑えることができる。
以上より、本発明によれば、軟磁性体粉末を圧縮して形成されたステータであって、低圧プレスによる成形が可能で且つ内部に不均一な密度分布が生じ難いSRモータのステータ、及びこのステータを備えたSRモータを提供することができる。
第1実施形態に係るSRモータの一部切り欠き斜視図である。 前記ステータの一部切り欠き斜視図である。 前記ステータにおける磁極部ユニットの拡大斜視図である。 第2実施形態に係るステータの分解斜視図である。 他実施形態に係るステータを説明するための図である。 第3実施形態に係るステータの磁極部ユニットの拡大斜視図である。 第3実施形態のステータの一部切り欠き斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態に係るSRモータの一部切り欠き斜視図である。図2は、前記ステータの一部切り欠き斜視図である。図3は、前記ステータにおける磁極部ユニットの拡大斜視図である。
本実施形態に係るSRスモータ(スイッチトリラクタンスモータ)は、図1に示されるように、回転動力を出力する回転軸(出力軸、シャフト)12と、回転軸12を回転させるロータ20と、ロータ20をその回転方向に囲むステータ30と、を備える。
ロータ20は、回転軸12が取り付けられるロータ本体22と、ロータ本体22から延びる複数(本実施形態の例では6個)のロータ側磁極部24、24、…とを有する。
ロータ本体22は、回転軸12をその回転方向に囲み且つ回転軸12に沿って(回転軸12の軸心C方向に)延びる。
各ロータ側磁極部24は、ステータ30に設けられる励磁コイル36、36が励磁した状態でロータ本体22が回転した場合に、後述する各ステータ側磁極部341との間の磁気抵抗の増減が繰り返される形状を有し、磁性材料によって形成されている。具体的に、各ロータ側磁極部24は、ロータ本体22から回転軸12の径方向外側に向かって突出すると共に軸心C方向に延びる突条形状を有し、且つ回転軸12の回転方向(周方向)に間隔を空けて並ぶ。本実施形態の例では、6個のロータ側磁極部24、24、…が回転方向に等間隔に並んでいる。各ロータ側磁極部24は、その先端に、磁極面26を有する。この磁極面26は、軸心C方向視においてステータ側磁極部341の先端面(磁極面)と平行な円弧状の面である。
以上のように構成されるロータ20は、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を圧縮して固めることにより形成されている。即ち、ロータ20は、軟磁性粉末のプレス成形体である。具体的に、ロータ20は、鉄基軟磁性粉末からなる圧粉磁心、フェライト磁心、又は、軟磁性合金粉末を樹脂に分散させた軟磁性材料によって構成されている。本実施形態のロータ20は、表面にリン酸系化成皮膜等の電気絶縁皮膜が形成された鉄粉によって形成されている。ここで、軟磁性体粉末とは、強磁性の金属粉末であり、より詳しくは、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe―Si合金、センダスト、パーマロイ等)及びアモルファス粉末等が挙げられる。これら軟磁性体粉末は、公知の手段、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。また、一般に、透磁率が同一である場合に飽和磁束密度が大きいので、軟磁性粉末は、例えば、上記純鉄粉、鉄基合金粉末及びアモルファス粉末等の金属系材料であることが特に好ましい。
ステータ30は、図2にも示されるように、円筒状のステータ本体32と、複数のステータ側磁極部341、341、…が軸心方向に並ぶ複数の磁極部ユニット34、…と、複数の励磁コイル36、…と、を備える。本実施形態のステータ30は、SRモータ10の筐体を兼ねている。
このステータ30では、回転方向に間隔を空けて並ぶ複数のステータ側磁極部341、341、…を一層としたときに、このステータ側磁極部341の層が軸心C方向に間隔を空けて複数(本実施形態の例では3層)設けられている。また、ステータ30は、回転方向に隣り合うステータ側磁極部341、341間で分断された2以上の部位(部品)によって構成されている。本実施形態では、ステータ30は、6つの磁極部ユニット34、34、…と、これら磁極部ユニット34が嵌め込まれるステータ本体32と、2つの励磁コイル36と、によって構成されている。詳しくは、以下の通りである。
ステータ本体32は、円筒形状を有し、ロータ20をその回転方向に囲む(図1参照)。ステータ本体32は、その内側(軸心C側)に、磁極部ユニット34が嵌め込まれる複数(本実施形態の例では6つ)の嵌め込み部321と、励磁コイル36を収容(保持)する複数(本実施形態の例では2つ)のコイル用溝部322と、を備える。また、ステータ本体32は、非磁性体によって形成されている。ロータ20が回転しているときにステータ30におけるステータ側磁極部341、341間の部位に生じる磁束密度が小さいため、本実施形態のステータ30のように当該部位(ステータ本体32)を非磁性体によって構成しても、モータ特性の低下が生じ難い。
本実施形態のステータ本体32は、例えば、SUS、AL等の非磁性体金属によって構成されている。これにより、ステータ30の強度が十分に確保され、ステータ本体32がSRモータ10の筐体を兼ねることができる。
複数の嵌め込み部321、321、…は、軸心C方向視において、径方向外側に向かって凹む部位であり、回転方向に間隔を空けて並ぶように設けられている。本実施形態では、6つの嵌め込み部321が回転方向に等間隔となるように設けられている。嵌め込み部321は、コイル用溝部322よりも径方向外側まで凹んでいる。各嵌め込み部321には磁極部ユニット34がそれぞれ嵌め込まれ、これにより、回転方向における各ステータ側磁極部341の位置決めが行われる。
コイル用溝部322は、軸心C方向において、各ステータ側磁極部341、341間(即ち、ステータ側磁極部341の層間)に設けられ、回転方向に延び且つ径方向外側に向かって凹んでいる。このコイル用溝部322内には、励磁コイル36が嵌め込まれる(収容される)。
各磁極部ユニット34は、図3にも示されるように、ステータ30の径方向内側に向かって延びる複数のステータ側磁極部341、341、…と、軸心C方向に延びて各ステータ側磁極部341を連接する連接部342と、を有する。各ステータ側磁極部341は、軸心C方向に所定の間隔を空けて平行に並んでいる。この所定の間隔は、励磁コイル36における軸心C方向の幅と対応している。本実施形態の磁極部ユニット34は、3つのステータ側磁極部341、341、341を有しているため、側面視、E字状である(図3参照)。
このように構成される磁極部ユニット34は、ロータ20と同様に、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を圧縮して固めることにより形成されたプレス成形体である。この磁極部ユニット34は、鉄基軟磁性粉末からなる圧粉磁心、フェライト磁心、又は、軟磁性合金粉末を樹脂に分散させた軟磁性材料によって構成されている。
励磁コイル36は、ロータ20を回転方向に囲むように配置され、電流が供給されることによってステータ側磁極部341とロータ側磁極部24との間に鎖交磁束を生じさせる。この励磁コイル36は、その厚さ方向が当該励磁コイル36の径方向を向くように(いわゆるフラットワイズに)帯状の電導線材を絶縁させつつ巻き重ねた、即ち、帯状の導体部材がその幅方向を軸心方向に沿うように巻回された、いわゆるパンケーキコイルである。尚、励磁コイル36は、帯状の電導線材を巻回した構成に限定されず、線状の電導線材を絶縁させつつソレノイド状に巻回した構成でもよい。
以上のSRモータ10によれば、軟磁性体粉末を圧縮して形成されたステータ30であるが、ステータ30が2以上の部位(プレス成形体)によって構成されているため、ステータ30のサイズが大きくても、プレス成形によって形成される部位(本実施形態では、磁極部ユニット34)一つあたりの大きさを抑えることができ、これにより、低圧プレスによって各部位を形成することができる。また、各部位(磁極部ユニット34)の大きさを抑えることで、成形体(磁極部ユニット34等)の内部の不均一な密度分布(密度の偏り)の発生を抑えることもできる。
また、ロータ20(ロータ側磁極部24)との間に磁気回路を形成するステータ側磁極部341を避けた位置でステータ30が分断されているため、即ち、当該ステータ30では、磁気抵抗となる分断箇所がロータ側磁極部24との間に磁気回路を形成するステータ側磁極部341を避けた位置に設けられているため、前記分断によるモータ特性の低下等を抑えることができる。
また、上記SRモータ10では、前記回転方向に隣り合う磁極部ユニット34、34同士は、それぞれ分断されているため、プレス成形によって形成される成形体(本実施形態では磁極部ユニット34)をより小さくすることができる。これにより、より低いプレス圧で成形することができると共に、内部での不均一な密度分布の発生をより確実に抑えることができる。
また、プレス成形によって形成される成形体1つあたりの大きさを抑えることで、金型からの取り出しが容易になり、取り出し時の損傷(欠け)が生じ難くなる。また、ステータ30全体を一体的にプレス成形する場合に比べ、成形失敗時のロス量(廃棄量)を抑えることができ、また、歩留まりも向上する。
また、本実施形態のSRモータ10では、ステータ側磁極部341を複数層設けることによって当該ステータ30を備えたSRモータ10の出力向上を図ることができる。また、磁極部ユニット34を一体成形することで層間において回転方向に対応するステータ側磁極部341、341同士の間に磁気抵抗となる分断箇所が形成されるのを避けることができ、これにより、前記磁気抵抗によるモータ特性の低下を抑えることができる。
また、SRモータ10において、ステータ本体32が、SRモータ10の筐体を兼ねることで、部品点数を低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照しつつ説明するが、上記第1実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に説明を省略し、異なる構成ついてのみ詳細に説明する。図4は、第2実施形態に係るステータの分解斜視図である。
第1実施形態のステータ30では、図2に示されるように、回転方向に隣り合うステータ側磁極部341、341同士がそれぞれ分断されているが、軸心C方向に対応するステータ側磁極部341、341同士は磁極部ユニット34として一体的に構成されているのに対し、図4に示される本実施形態のステータ30Aでは、回転方向に隣り合うステータ側磁極部341A、341A同士がそれぞれ分断されているのに加え、軸心C方向に対応するステータ側磁極部341A、341A同士も分断されている。
本実施形態では、ステータ本体32Aは、軸心C方向に3層に分断され、各層にステータ側磁極部341Aがそれぞれ嵌め込まれている。そして、ステータ本体32Aの各層間に励磁コイル36が配置される。このようなステータ本体32Aでは、層間で対応するステータ側磁極部341A、341A間が分断されているため当該分断箇所において磁気抵抗が生じるが、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を固めた部位(各層のステータ側磁極部341A)の大きさを抑えることができる。このため、当該部位を低圧プレスによって形成することができ、且つ成形体(各層のステータ側磁極部341A)内部の不均一な密度分布の発生を抑えることもできる。
尚、また、ステータ30AがSRモータ10の筐体を兼ねない構成、即ち、ステータ30A(ステータ本体32A)の外周面側に筐体(ケーシング)を別途設ける構成の場合には、図5に示されるように、ステータ30Aの外周面側にステータ側磁極部341Aを構成する部品の一部が露出してもよい。
次に、本発明の第3実施形態について、図6および図7を用いて説明するが、上記第1及び第2実施形態と同様の構成には同一符号を用いて説明を省略し、異なる構成についてのみ詳細に説明する。図6は、第3実施形態における磁極部ユニットの拡大斜視図であり、図7は、第3実施形態のステータの一部切り欠き斜視図である。
第3実施形態のステータ30Bでは、図6に示すように、回転軸方向の一方側に配設された磁極部ユニット343Aと回転軸方向の他方側に配設された磁極部ユニット343Bとの分離した2つに形成する。そして、これらの磁極部ユニット343A、343Bは、ステータ本体32Bに回転軸方向で磁極の位置をずらして配置されている。
詳しくは、例えば図7に示すように、回転軸方向の2つの磁極部ユニット343A、343Bは、互いに対応する各ステータ側磁極部341間の回転方向(周方向)の中央位置が回転方向に互いにずれて配置されている。これにより、例えば回転軸方向の一方側の励磁コイル36Aと他方側の励磁コイル36Bとのいずれか一方にのみ通電し、励磁を行うと周方向の異なる位置で上記一方のステータ側磁極部とロータ側磁極部間の磁束密度が高くなるようなトルクが生じる。従って、2つの励磁コイル36A、36Bに交互に通電することで、上記2つの磁極部ユニット343A、343Bは交互にロータ20に対し回転方向に発生するトルクを受け、回転始動を可能とする。
以上のように構成した第3実施形態のSRモータ10Bによれば、回転軸方向の一方側の磁極部ユニット343Aと他方側の磁極部ユニット343Bとで互いの磁極部341間の回転方向の中央位置が回転方向に互いにずれた位置に配置するため、周方向におけるSRモータのトルク発生範囲を広くとることができる。さらに回転軸方向の一方側の励磁コイル36Aと他方側の励磁コイル36Bとに通電することで、ロータの停止位置によらずSRモータを回転始動させることが可能となる。
また、第3実施形態のSRモータ10Bでは、磁極部ユニットがさらに回転軸方向に分断されているため、プレスによる成形体の大きさを抑えることができる。
本発明のSRモータのステータ、及びこのステータを備えたSRモータは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第1〜第3実施形態のステータ30、30A、30Bでは、磁極部ユニット34、343A、343B又はステータ側磁極部341Aを除く部位が非磁性体によって構成されているが、この構成に限定されない。例えば、ステータ全体が電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を固めることによって形成されていてもよい。この場合でも、2以上の部位(プレス成形体)によって構成されていれば、プレスによる成形体の大きさを抑えることができる。
また、上記第1〜第3実施形態のステータ30、30A、30Bでは、回転方向に隣り合うステータ側磁極部341、341又は341A、341A同士がそれぞれ分断されているが、回転方向において2以上のステータ側磁極部341、341又は341A、341Aが一体的に構成されていてもよい。
上記第1〜第3実施形態のステータ本体32、32A、32Bと各磁極部ユニット34、343A、343B又は各ステータ側磁極部341Aとは固着されているが、例えば、各磁極部ユニット34、343A、343B又は各ステータ側磁極部341Aを熱可塑性の接着剤等によってステータ本体32、32Aに接着する構成でもよい。係る構成によれば、使用等によっていずれかの部位が損傷したときに、損傷の生じた部位のみを交換することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
10、10A SRモータ
20 ロータ
30、30A、30B ステータ
32、32A、32B ステータ本体
34、343A、343B 磁極部ユニット
341、341A ステータ側磁極部(磁極部)
36 励磁コイル
C 軸心

Claims (8)

  1. ロータの回転によって回転動力を出力するSRモータのステータであって、
    前記ロータを回転方向に囲うステータ本体と、
    前記ステータ本体から前記ロータに向けて径方向内側に延び、且つ前記回転方向に間隔を空けて並ぶ複数の磁極部と、を備え、
    少なくとも、前記複数の磁極部は、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を固めることによって形成され、
    当該ステータは、前記回転方向に隣り合う磁極部間で分離可能な2以上の部位によって構成され、前記2以上の部位のうち所定の部位が残りの部位に嵌め込まれる形状を有する、SRモータのステータ。
  2. 前記回転方向に隣り合う磁極部同士は、それぞれ分離可能である、請求項1に記載のSRモータのステータ。
  3. 前記回転方向に並ぶ複数の磁極部を一層としたときに、この磁極部の層が回転軸方向に間隔を空けて複数設けられ、
    各層間において前記回転方向に互いに対応する位置に配置される磁極部同士が一体に構成されている、請求項1又は2に記載のSRモータのステータ。
  4. 前記回転方向に並ぶ複数の磁極部を一層としたときに、この磁極部の層が回転軸方向に間隔を空けて複数設けられ、
    各層間において前記回転方向に互いに対応する各磁極部間の前記回転方向の中央位置が前記回転方向に互いにずれて配置されている、請求項1又は2に記載のSRモータのステータ。
  5. 前記ステータ本体は、当該ステータを備えるSRモータの筐体を兼ねる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のSRモータのステータ。
  6. 前記ステータ本体は、非磁性体金属によって構成される、請求項5に記載のSRモータのステータ。
  7. 前記2以上の部位の少なくとも1つが交換可能に構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のSRモータのステータ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のステータと、
    前記ステータの内側に回転可能に配置されるロータと、を備える、SRモータ。
JP2014046175A 2013-04-23 2014-03-10 Srモータのステータ、及びこのステータを備えたsrモータ Expired - Fee Related JP6325291B2 (ja)

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