JP2014225851A - パルス幅変調信号生成器およびフルデジタルアンプおよびデジタル−アナログ変換器 - Google Patents

パルス幅変調信号生成器およびフルデジタルアンプおよびデジタル−アナログ変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】フルデジタルアンプ等で用いられるパルス符号変調信号をパルス幅変調信号にデジタル回路により変換する装置において、過渡応答を含めて精度の高い変換を実現する。
【解決手段】パルス符号変調信号である目標信号とパルス幅指令信号から動的な非線形要素を用いて要求信号を作成し、その要求信号に対して非線形要素を通した後に再量子化を行ってパルス幅指令信号を作成し、パルス幅指令信号の値に比例したパルス幅を持つパルス幅変調信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フルデジタルアンプやデジタル−アナログ変換器(A/D変換器)等で用いられるパルス符号変調(PCM)信号をパルス幅変調(PWM)信号に変換する変換器に関するものである。
PCM信号をアナログ信号に変換する手法として、PCM信号を一旦PWM信号に変換し、変換されたPWM信号の低周波成分のみを取り出すことでアナログ信号に変換するというアプローチがある。PWM信号をデジタル回路により生成し、そのパルス幅をデジタル信号処理により算出するようにすることにより、所望の精度を有するPWM信号を容易に生成することができる。PWM信号として大電力のものを用い、受動素子により低周波成分を取り出し出力するものはフルデジタルアンプと呼ばれており、スピーカを駆動するオーディオアンプとして実用化されている。また、単にアナログの電圧信号を得ることを目的として、小電力のPWM信号の低周波成分を取り出してA/D変換器を構成することもできる。
このPCM信号をPWM信号に変換する際に、PWM変調時に発生する歪を考慮しないと、高精度な変換ができない。この現象の対策として、PWM変調時に発生する歪を予め算出しておいて、フィードバック補償するといったアプローチがある。そのようにすることによって、高い信号対雑音比(S/N比)を持った変換が実現できる。図16にPCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器の構成図を示す。目標信号u[k]はPCM信号である音声信号であり、出力信号であるパルス幅変調信号w(t)の低周波域の周波数成分が目標信号u[k]の低周波成分となるべく一致するようにパルス幅変調信号w(t)を生成するものである。
目標信号u[k]はサンプリング周波数705.6kHz語長24ビットのPCM信号である。また、パルス幅変調器2はパルス幅指令信号y[k]を受け、対応するパルス幅を持つパルス幅変調信号w(t)を出力するものである。実際には2相の信号の差動信号を出力信号とみなすものである。パルス幅変調器2は周波数90.3168MHzのクロック信号により動作するデジタル回路により実現されており、入力信号であるパルス幅指令信号y[k]は−64から63までの整数値を取り、出力信号のパルス幅変調信号w(t)は0または1または−1の値を取る128レベルの対称PWM信号である。再量子化器11は入力の範囲を−1から1までの値とし、対応した値のパルス幅指令信号y[k]を出力するものである。
非線形テーブル13、遅延要素14、システム行列15、入力ベクトル16、出力ベクトル17はノイズシェーピングフィルタ101を構成するものであり、目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の差に対して、フィルタ処理を行った信号であるフィルタ出力信号v[k]を出力するものである。過渡応答に関してパルス幅変調は非線形性を持っているので、パルス幅指令信号y[k]からのフィードバックは非線形テーブル13による非線形要素を介して行っている。
しかしこのアプローチでは、PWM変調時に発生する歪をフィードバック補償しているので、一旦歪が発生してから補償動作を行っている。このため時間領域では歪の影響を受けることになり、入力信号に対する高調波歪が発生してしまうといった問題も発生するし、特にオーディオへの応用においては過渡応答波形が乱れてしまい、そのことが音質に影響を与えていた。このことは、周波数領域で見ると、目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の位相差が信号の周波数に対して比例関係から逸脱するといった現象となって現れる。この問題に対して、高調波歪をフィードフォワード補償する試みがなされているが、周波数領域における高調波歪成分は補償できても、すべての条件で過渡応答が正しく補償できるわけではないので、特にオーディオへの応用において音質上の問題が残されていた。
特開2006−54800号公報
解決しようとする課題は、過渡応答も含め、精度の高いPCM信号からPWM信号への変換手段を提供することである。
本発明第1の局面においては、パルス符号変調信号である目標信号を入力し、パルス幅変調信号を出力するパルス幅変調信号生成器において、前記パルス幅変調信号生成器は要求信号生成器と非線形要素と再量子化器とパルス幅変調器を持ち、前記要求信号生成器は前記目標信号と離散時間信号であるパルス幅指令信号を入力し離散時間信号である要求信号を出力し、前記要求信号を前記非線形要素に作用させた信号に対して前記再量子化器により再量子化を行った信号を前記パルス幅指令信号とし、前記パルス幅変調器は前記パルス幅指令信号の値に比例したパルス幅を持つ前記パルス幅変調信号を出力するようにする。このようにすることにより、過渡応答を含めた歪が小さくなるように理論的に求めたパルス幅変調信号生成方法を実装することができる。また、前記再量子化器は4値以上の数の出力値を出力することができるものであるとき、前記非線形要素の働きが実質的に前記パルス幅変調信号生成器の動作に関係してくる。
本発明第2の局面においては、本発明第1の局面における前記パルス幅変調信号生成器おいて、前記パルス幅指令信号が算出される周期は前記パルス幅変調信号のパルス周期の半分であり、前記要求信号生成器は非線形テーブルをもち、前記非線形要素と前記非線形テーブルはそれぞれ2種類の入出力特性をもち、前記非線形要素の入出力特性と前記非線形テーブルの入出力特性は1回ごとに交互に切り替えられるようにする。このようにすることにより、前記パルス幅指令信号が算出される周期は前記パルス幅変調信号のパルス周期の半分であっても、単相のシングルエンド信号としての前記パルス幅変調信号に対して、過渡応答を含めた歪が小さくなるように理論的に求めたパルス幅変調信号生成方法を実装することができる。
本発明第3の局面においては、本発明第2の局面におけるパルス幅変調信号生成器において、前記パルス幅変調信号は単相のシングルエンド信号であるものとするものである。単相のシングルエンド信号として前記パルス幅変調信号は精度よく生成されているので、歪の小さいシングルエンド信号出力のパルス幅変調信号生成器を実現できる。
本発明第4の局面においては、本発明第2の局面におけるパルス幅変調信号生成器において、前記パルス幅変調器は第1のパルス幅変調器と第2のパルス幅変調器からなり、第1のパルス幅変調器には前記パルス幅指令信号が入力され、第2のパルス幅変調器には前記パルス幅指令信号に(−1)が乗じられた値の信号が入力され、第1のパルス幅変調器によって生成された第1のパルス幅変調信号と第1のパルス幅変調器によって生成された第2のパルス幅変調信号の組を前記パルス幅変調信号とするようにする。第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号は、それぞれ単独でも歪の小さい信号となっているので、フルデジタルアンプにおける後段のローパスフィルタの特性に不揃いが発生しても、そのことが信号の歪に影響を及ぼさないといった利点を発現できる。
本発明第5の局面におけるパルス幅変調信号生成器は、本発明第3の局面におけるパルス幅変調信号生成器を持ち、それよって生成された前記パルス幅変調信号を第1のパルス幅変調信号とし、第1のパルス幅変調信号に対して、遅延と反転を行った信号を第2のパルス幅変調信号とし、第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号の組を差動信号としてのパルス幅変調信号として出力信号とするものである。本発明第4の局面に対して、パルス幅変調器が一つですむという利点を有する。
本発明第6の局面においては、パルス幅変調器は第1のパルス幅変調信号生成器と第2のパルス幅変調信号生成器を内在し、第1のパルス幅変調信号生成器および第2のパルス幅変調信号生成器は本発明第1の局面におけるパルス幅変調信号生成器であり、第1のパルス幅変調信号生成器および第2のパルス幅変調信号生成器は、それぞれ単相のシングルエンド信号である第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号を出力し、第2のパルス幅変調信号生成器の前記目標信号は第1のパルス幅変調信号生成器の前記目標信号に(−1)を乗じた信号であり、第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号の組をパルス幅変調信号としての出力信号とするものである。パルス幅変調信号生成器を二つ内在させることにより、出力信号に含まれる量子化ノイズの割合を小さくできるといった利点を持っている。
本発明第7の局面は、本発明第1の局面から第6の局面におけるパルス幅変調信号生成器の出力であるパルス幅変調信号によりスイッチング増幅器を駆動するようにしてフルデジタルアンプを構成するものである。それらのパルス幅変調信号生成器の利点を受け継いだフルデジタルアンプを実現することができる。
本発明第8の局面は、本発明第1の局面から第6の局面におけるパルス幅変調信号生成器の出力であるパルス幅変調信号によりスイッチング増幅器を駆動し、前記スイッチング増幅器の出力信号に対してローパスフィルタを作用させ、前記ローパスフィルタの出力をアナログ出力信号とすることにより、デジタル−アナログ変換器を実現するものである。過渡応答を含めて歪の小さいデジタル−アナログ変換器を実現することができる。
本発明の技術を用いることにより、過渡応答を含めて精度の良いPCM信号からPWM信号への変換を実現することができる。
またそのことにより、音質の劣化の少ないフルデジタルアンプや音声信号のためのD/A変換器を実現することができる。
本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器の構成を示すブロック図。 本発明第1の実施の形態における実際に出力するパルス幅変調信号と差動信号として考えるパルス幅変調信号の関係を示す図。 本発明第1の実施の形態における実際に出力するパルス幅変調信号と差動信号として考えるパルス幅変調信号およびパルス幅指令信号決定のタイミングの関係を示す図。 本発明第1の実施の形態におけるフルデジタルアンプの構成を示すブロック図。 本発明第1の実施の形態におけるパルス幅指令信号生成器の設計方針を説明するための図。 本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器により生成したパルス幅変調信号のスペクトルの例。 本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器の位相誤差と非線形要素をゲインが異なる線形要素で置き換えた場合の位相誤差の周波数依存性を示す図。 本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器に対して非線形要素を修正した場合におけるパルス幅変調信号のスペクトルの例。 本発明第2の実施の形態におけるフルデジタルアンプの構成を示すブロック図。 本発明第2の実施の形態におけるパルス幅変調信号とパルス幅指令信号決定のタイミングの関係を示す図。 本発明第2の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器の構成を示すブロック図。 本発明第2の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器により生成したパルス幅変調信号のスペクトルの例。 本発明第4の実施の形態におけるフルデジタルアンプの構成を示すブロック図。 本発明第5の実施の形態におけるフルデジタルアンプの構成を示すブロック図。 本発明第6の実施の形態におけるパルス幅変調信号とパルス幅指令信号決定のタイミングの関係を示す図。 従来のパルス幅変調信号生成器の構成例を示すブロック図。 本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器に対して非線形要素を線形要素に置き換えたパルス幅変調信号生成器により生成したパルス幅変調信号のスペクトルの例。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態によるPCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器の構成図を図1に示す。目標信号u[k]はPCM信号である音声信号であり、出力信号であるパルス幅変調信号w(t)の低周波域の周波数成分が目標信号u[k]の低周波成分となるべく一致するようにパルス幅変調信号w(t)を生成するものである。
目標信号u[k]はサンプリング周波数705.6kHz語長24ビットのPCM信号である。また、パルス幅変調器2はパルス幅指令信号y[k]を受け、対応するパルス幅を持つパルス幅変調信号w(t)を出力するものである。
要求信号生成器10は、ノイズシェーピングフルタ101の出力信号と目標信号u[k]に直達要素191を乗じた信号の和r[k]を出力する。r[k]に非線形要素12し、更に再量子化器11を処理した信号が、パルス幅指令信号生成器1の出力であるパルス幅変調信号w(t)となる。
パルス幅変調信号w(t)は図2に示すように2相の信号である単相2値パルス幅変調信号wa(t)と単相2値パルス幅変調信号w(t)の差を差動信号として出力信号とみなすものである。パルス幅変調器2は周波数90.3168MHzのクロック信号により動作するデジタル回路により実現されており、入力信号であるパルス幅指令信号y[k]は−64から63までの整数値を取り、出力信号のパルス幅変調信号w(t)は0または1または−1の値を取る128レベルの対称PWM信号である。
再量子化器11は入力の範囲を−1から1までの値とし、対応した値のパルス幅指令信号y[k]を出力するものである。出力されたパルス幅指令信号y[k]はシングルエンドパルス幅変調器21aおよび21bに供給されるが、シングルエンドパルス幅変調器21aに対してはy[k]の値がそのまま、シングルエンドパルス幅変調器21bに対しては信号の値に−1が乗ぜられてパルス幅指令信号として入力される(図2)。このときの波形の例を図3に示す。パルス幅指令信号y[k]はパルス幅変調信号wa(t)とパルス幅変調信号wb(t)のパルスの半周期ごとに更新され、パルス幅変調信号wa(t)とパルス幅変調信号w(t)のパルス幅は半周期ごとに制御される。しかし、差動信号であるパルス幅変調信号w(t)のパルス周期はパルス幅変調信号wa(t)とパルス幅変調信号w(t)ののパルス周期の半分となるため、パルス幅指令信号y[k]の更新周期と等しくなる。
このパルス幅変調信号生成器を用いたフルデジタルアンプの構成例を図4に示す。この図において、パルス幅変調信号生成器はパルス幅指令信号生成器1とパルス幅変調器2より構成されている。音声PCMある目標信号u[k]はパルス幅指令信号生成器1によりパルス幅指令信号y[k]に変換され、パルス幅変調器2によりパルス幅指令信号y[k]に応じた単相2値パルス幅変調信号wa(t)およびw(t)に変換される。単相2値パルス幅変調信号wa(t)およびw(t)はそれぞれスイッチング増幅器3aおよび3bにより増幅された後、ローパスフィルタ4aおよび4bにより、高域の信号成分が遮断され、ローパスフィルタ4aおよび4bの出力はスピーカ5の二つの端子にそれぞれ接続される。このようにして、スピーカ5には単相2値パルス幅変調信号wa(t)およびw(t)の差の信号であるパルス幅変調信号w(t)に応じた信号が供給され、音声が再生される。本発明第1の実施の形態においては、ローパスフィルタ4aおよび4bは独立に設置されているが、ローパスフィルタ4aおよび4bは独立していなくてもよく、相互に干渉を持つ一体型のローパスフィルタであってもよい。また、ローパスフィルタ4aおよび4bは無くてもよい。
図1において、非線形テーブル13、遅延要素14、システム行列15、入力ベクトル16、出力ベクトル17はノイズシェーピングフィルタ101を構成するものであり、目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の差に対して、フィルタ処理を行った信号であるフィルタ出力信号v[k]を出力するものである。過渡応答に関してパルス幅変調は非線形性を持っているので、パルス幅指令信号y[k]からのノイズシェーピングフィルタ101へのフィードバックはパルス幅指令信号y[k]が離散値を取るため、非線形テーブル13による非線形要素を介して行っている。
パルス幅指令信号生成器1におけるノイズシェーピングフィルタの設計は次の通り行われる。図5は、ノイズシェーピングフィルタの設計指針を示すためのものである。実際に用いるパルス幅指令信号生成器はパルス幅算出部192および再量子化器11により構成される。零次ホールド193および伝達関数要素194は設計指針を示すためのものであり、実際には実装されない。基本的な考え方として、目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の低周波域成分の誤差がなるべく小さくなるようにパルス幅指令信号y[k]を生成する。その際の目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の低周波域成分の誤差の評価方法として、その誤差信号に対して伝達関数要素194を作用させた信号をサンプリングのタイミングでサンプルしたフィルタ出力信号v[k]の値の絶対値を考える。すなわち、各サンプル時点において、フィルタ出力信号v[k]の値の絶対値がなるべく小さくなるようにパルス幅指令信号y[k]を決定する。このとき、伝達関数要素194は誤差信号に対して周波数重み付けを行っていると解釈することができる。このようにすることにより、過渡応答の観点においても歪の少ないパルス幅変調信号w(t)を算出することができる。
いま、伝達関数要素194が次のように状態変数表現されているものとする。
・・・式(1)
ただし、信号u(t)は目標信号u[k]に対して零次ホールドを通した連続時間信号であり、零次ホールド193の出力信号である。また、信号v(t)は伝達関数要素194の出力信号である。信号v(t)をサンプラ195によりサンプルした信号がフィルタ出力信号v[k]である。また、x(t)は連続時間の状態変数である。サンプリング周期をTとして上式を離散時間化すると、次のようになる。
・・・式(2)
・・・式(3)
・・・式(4)
式(4)右辺のw(kT+T-τ)の値はy[k]により決定されるので、左辺はy[k]の関数として表現している。
ここで、式(2)よりx[k]の値を用いてv[k+1]の値を算出すると次式のようになる。
・・・式(5)
ここで、ce(y[k])はy[k]を引数としたスカラー関数となるので、これを次のようにh(y[k])とおく。
・・・式(6)
さらに、関数h(y[k])の逆関数をf(・)とおく。
・・・式(7)
ただし、rは関数f(・)の引数である。この関数f(r)の実装に対しては、関数f(r)の値をrの3次のべき関数として表現することとし、その係数は関数h(y[k])の値の表から最小2乗法などの曲線の当てはめ手法により求めておく。
ここで、パルス幅指令信号y[k]の決定指針として、次ステップにおけるフィルタ出力信号v[k+1]の値がなるべく小さくなるように決めることにする。実際にはパルス幅指令信号y[k]は量子化された信号であるが、量子化されていない場合は、次式の値をパルス幅指令信号y[k]の値とすることにより、次ステップにおけるフィルタ出力信号v[k+1]の値を0とすることができることが、式(5)よりわかる。
・・・式(8)
しかし、パルス幅指令信号y[k]は量子化された信号であるので、式(8)により得られた信号を量子化した信号とする。
これらの関係をブロック線図により表現すると、図1のようになる。ただし、
・・・式(9)
・・・式(10)
である。パルス幅指令信号y[k]は量子化された信号であるので、e(y[k])の評価はテーブルを用いて行うことができる。
ここで、パルス幅変調信号w(t)に含まれるパルス幅指令信号y[k]の量子化に起因するノイズ成分のスペクトルについて考える。このノイズは図5における伝達関数要素194とサンプラ195を経てフィルタ出力信号v[k]となっている。このフィルタ出力信号v[k]は、毎ステップにおいて最小化がはかられており、その結果としてフィルタ出力信号v[k]のスペクトルは白色に近くなることが経験的に知られている。したがって、ここで考えているパルス幅変調信号w(t)の誤差信号のスペクトルは、伝達関数要素194とサンプラ195を組み合わせた要素の伝達関数
・・・式(11)
の逆数の伝達関数の周波数応答とほぼ同じ形になることになる。すなわち、ノイズ伝達関数は次式の伝達関数GN[z]となる。
・・・式(12)
上式においてz-1が乗ぜられているのは、ノイズ伝達関数をプロパーなものにするためである。
上記のことを用い、次のようにノイズシェーピングフィルタの設計を行う。まず、パルス幅変調信号w(t)に含まれるパルス幅指令信号y[k]の量子化に起因するノイズ成分のスペクトル形状の目標となるものを指定する。これは、目標となるスペクトル形状と同じゲイン特性を持つ離散時間伝達関数GN[z]を指定することにより行う。次に、式(11)に示す伝達関数G[z]を算出する。その次に、式(2)および式(3)を満たす連続時間系の状態変数表現である式(1)を求める。この状態変数表現を用いて、式(4)によりe(y[k])を求め、式(6)を用いて式(7)における関数f(r)を求める。入力ベクトル16および遅延要素14の値は式(9)および式(10)を用いて決定する。
本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの例を図6に示す。ノイズ伝達関数を
・・・式(13)
としてパルス幅指令信号生成器を設計した。目標信号u[k]はツートーン信号であり、最大変調率は90%である。20kHz以下の帯域において量子化ノイズがよく抑制できていることがわかる。また、3次相互変調によるスペクトルも比較的低く抑えられている。
このパルス幅指令信号生成器に対して、非線形要素12を単なる線形要素に置き換えた場合におけるパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの例を図17に示す。線形要素に置き換えた際のゲインは、非線形要素12の入出力特性を多項式表現した際の1次の係数を用いている。量子化ノイズは同様に抑えられているが、3次相互変調によるスペクトルが本発明第1の実施の形態に対して大きくなってしまっている。このことは、本発明第1の実施の形態における非線形要素12が相互変調歪を抑える働きをしていることを意味している。また、非線形要素12の役割は単に相互変調歪を抑えるのみではなく、大信号に対して過渡的な歪も抑制しており、パルス幅指令信号生成器により再生される音に対する音感上の劣化を抑制している。
このように非線形要素12を線形要素に置き換えると本発明第1の実施の形態における優位性の一部が失われることになるが、それでも非線形要素12をその1次の係数をゲインとする線形要素に置き換える利点は存在する。図7におけるLINE1は、本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器の位相誤差をプロットしたものである。パルス幅変調信号生成器はパルス符号変調信号をパルス幅変調信号に変換する際に時間遅れを発生させるが、その遅れ時間が一定でないと再生音に悪影響をもたらしてしまう。位相の観点で表現すると、目標信号u[k]とパルス幅変調信号w(t)の位相の差が、信号の周波数に対して比例していないと、再生音に悪影響をもたらしてしまう。そこで、各周波数に対して位相の差が周波数に対する直線からどれだけずれているかを位相誤差としてプロットしたものがこの図である。非線形要素12をその1次の係数をゲインとする線形要素に置き換えた場合、目標信号u[k]の振幅がゼロに漸近すると、位相誤差の値は非線形要素12を用いた場合の値に漸近することになる。図7におけるLINE2は、非線形要素12をその1次の係数の0.7倍をゲインとする線形要素に置き換えた場合における位相誤差である。非線形要素12を用いていた場合に対して位相誤差が大きくなってしまっている。この誤差は、目標信号u[k]の振幅がゼロに漸近しても小さくはならない。すなわち、本発明第1の実施の形態に対して、非線形要素12をその1次の係数をゲインとする線形要素に置き換えることにより、非線形要素を用いることなく、小信号時に位相誤差が少ないパルス幅変調信号生成器を実現することができる。
本発明第1の実施の形態においては、パルス幅指令信号生成器を式(1)から式(12)を用いて厳密に計算して求めたが、パルス幅指令信号生成器に用いる係数等はこれらの式に従い厳密に計算して求めた値を使わなくてもよく、調整を行って変更した係数等を用いてもよい。図8に、非線形要素12の3次の係数を1.4倍した場合のパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの例を示す。図6に示すスペクトルに対して、3次相互変調歪がさらに抑制されていることが判る。これは、本発明第1の実施の形態においては、サンプルされたフィルタ出力信号v[k]の大きさを小さくしようとしていたため、サンプル点間の挙動を含めて考えると必ずしも理想的なパルス幅指令信号y[k]が求まっていなかったことに起因する。非線形要素12の3次の係数を調整することにより、3次相互変調歪の抑制具合を調整することができるが、パルス幅変調信号w(t)が最適化されている訳ではないので、高次の相互変調歪を増やしてしまうなどの副作用を伴っている。
本発明第1の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをデジタル−アナログ変換器(D/A変換器)として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4aおよび4bは受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。さらに、ローパスフィルタ4aおよび4bは各相の信号に対して別々にフィルタ処理しなくてもよく、差動信号に対するローパスフィルタとしてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明第2の実施の形態は、スピーカをシングルエンド信号により駆動するためのパルス幅変調信号生成器およびそれを用いたフルデジタルアンプである。フルデジタルアルプの構成図を図9に示す。スピーカ5はシングルエンドの信号により駆動されている。すなわち、ローパスフィルタ4、シングルエンドパルス幅変調器21およびスイッチング増幅器3もシングルエンドのものである。したがって、パルス幅指令信号生成器1はシングルエンドのパルス幅変調に対するパルス幅指令信号y[k]を算出する必要がある。
目標信号u[k]はサンプリング周波数705.6kHz語長24ビットのPCM信号である。また、パルス幅変調器21はパルス幅指令信号y[k]を受け、対応するパルス幅を持つ単相2値パルス幅変調信号wa(t)を出力するものである。単相2値パルス幅変調信号wa(t)は、そのままの信号を出力信号とみなすものである。パルス幅変調器21は周波数90.3168MHzのクロック信号により動作するデジタル回路により実現されており、入力信号であるパルス幅指令信号y[k]は−64から63までの整数値を取り、出力信号のパルス幅変調信号w(t)は1または−1の値を取る128レベルの対称PWM信号である。再量子化器11は入力の範囲を−1から1までの値とし、対応した値のパルス幅指令信号y[k]を出力するものである。出力されたパルス幅指令信号y[k]はシングルエンドパルス幅変調器21aに供給される。このときの波形の例を図10に示す。パルス幅指令信号y[k]は単相2値パルス幅変調信号wa(t)のパルスの半周期ごとに更新される。そのため、パルス幅指令信号y[k]は、単相2値パルス幅変調信号wa(t)の立ち上がりのタイミングと立ち下がりのタイミングを交互に指定することになる。そのため、パルス幅指令信号生成器1におけるパルス幅指令信号y[k]の算出方法は二つの計算式を交互に変える必要がある。
パルス幅変調信号生成器の構成を図11に示す。非線形要素12aおよび12bと非線形テーブル13aおよび13bが、パルスの立ち上がりと立ち下がりに応じて切り替えられており、その他の点は本発明第1の実施の形態の場合と同じである。
以下、その設計について述べる。設計指針は本発明第1の実施の形態と同じであり、図5におけるフィルタ出力信号v[k]の大きさを毎ステップごとに最小化するものである。設計方法もほぼ同じであるが、パルスの立ち上がりと立ち下がりにおいてパルス幅指令信号y[k]と単相2値パルス幅変調信号wa(t)の関係が異なる。したがって、パルスの立ち上がりと立ち下がりで別々に式(4)によるe(y[k])のテーブルを評価する必要がある。立ち上がりに対応するe(y[k])をe(y[k])、立ち下がりに対応するe(y[k])を e(y[k])とする。これにともない、式(7)における関数f(r)も立ち上がりと立ち下がりで異なることになる。立ち上がりに対応するf(r)をf(r)、立ち下がりに対応するf(r)をf(r)とする。その他の相違点はない。
二つの非線形テーブルの値e(y[k])およびe(y[k])に関しては、
e(y[k]) = -e(-y[k])
の関係があるので、この関係を用いることによりハードウェアに実装するテーブルは一つで済む。
また、非線形関数f(r)およびf(r)に対しては、これらをべき関数で表現したとき、偶数次の係数の符号が異なるのみで、係数の絶対値は共通しているので、この事実を用いると記憶しておかないといけない係数の数を減らすことができる。
本発明第2の実施の形態におけるパルス幅変調信号wa(t)のスペクトルの例を図12に示す。ノイズ伝達関数を本発明第1の実施の形態の場合と同じく式(13)のようにしてパルス幅指令信号生成器を設計した。目標信号u[k]はツートーン信号であり、最大変調率は90%である。20kHz以下の帯域において量子化ノイズがよく抑制できていることがわかる。また、3次相互変調によるスペクトルも比較的低く抑えられている。しかし、量子化ノイズおよび3次相互変調歪の大きさは本発明第1の実施の形態の場合に比べて僅かに大きくなってしまっている。これは、パルス幅変調がシングルエンドであることに起因するものである。本発明第2の実施の形態においては、スイッチング増幅器3およびローパスフィルタ4が各チャネルに一つだけで済むので、本発明の第1の実施の形態の場合と比べてハードウェア量を減らすことができるといった利点を持っている。
本発明第2の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをD/A変換器として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4は受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。
(第3の実施の形態)
本発明第3の実施の形態は、本発明第2の実施の形態において用いたパルス幅指令信号生成器1(図11)を本発明第1の実施の形態におけるパルス幅変調信号生成器に用いたパルス幅変調信号生成器およびそれを用いたフルデジタルアンプである。
本発明第1の実施の形態に比べて、ハードウェアが複雑になり、また量子化ノイズが大きくなるといった不利な点があるが、フルデジタルアルプの場合、図4におけるローパスフィルタ4aと4bの不整合の問題を回避することができる。本発明第1の実施の形態の場合、二つの単相2値パルス幅変調信号wa(t),w(t)の差をパルス幅変調信号生成器の出力信号として扱っていたため、ローパスフィルタ4aと4bの特性の差が再生音に悪影響を及ぼしてしまう。しかし、本発明第3の実施の形態においては、二つの相の信号それぞれに対して単独でも目標信号u[k]に対応した信号となっているため、ローパスフィルタ4aと4bの特性の差は再生音に影響を及ぼさないといった利点がある。この利点のため、本発明第3の実施の形態を用いることにより、聴感上より好ましい音を再生することができる。
本発明第3の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをD/A変換器として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4aおよび4bは受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。さらに、ローパスフィルタ4aおよび4bは各相の信号に対して別々にフィルタ処理しなくてもよく、差動信号に対するローパスフィルタとしてもよい。
(第4の実施の形態)
本発明第4の実施の形態であるフルデジタルアンプの構成を図13に示す。パルス幅指令信号生成器1は本発明第2の実施の形態のものを用いる。シングルエンドパルス幅変調器21の出力信号である単相2値パルス幅変調信号wa(t)は、スイッチング増幅器3aに入力される一方、遅延器7によりパルスの半周期分の時間だけ遅延された後、反転器8により信号が反転され、単相2値パルス幅変調信号w(t)としてスイッチング増幅器3bに入力される。スイッチング増幅器3aおよび3bの出力は、それぞれローパスフィルタ4aおよび4bを経て、BTL信号としてスピーカ5を駆動する。
本発明第4の実施の形態における利点は、本発明第3の実施の形態の利点を含むが、さらにシングルエンドパルス幅変調器21が一つで済むという利点を持つ。しかし、遅延器7による遅延を行った信号を合成しているので、音声信号として僅かにディレイが掛かった信号を合成することになり、このことが僅かではあるが音感上の相違をもたらしてしまう問題点を持っている。
本発明第4の実施の形態においては、単相2値パルス幅変調信号wa(t)から単相2値パルス幅変調信号w(t)を生成する手段として、遅延器7に信号を通してから反転器8により信号を反転していたが、この順番でなくてもよく、反転器8により信号を反転してから遅延器7に信号を遅延させてもよい。
本発明第4の実施の形態においては、遅延器7における信号遅延の時間はパルスの半周期としていたが、この時間はパルスの半周期にちょうど等しくする必要はなく、それより短くても長くてもよい。また、遅延器7は無くてもよい。
本発明第4の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをD/A変換器として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4aおよび4bは受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。さらに、ローパスフィルタ4aおよび4bは各相の信号に対して別々にフィルタ処理しなくてもよく、差動信号に対するローパスフィルタとしてもよい。
(第5の実施形態)
本発明第5の実施の形態であるフルデジタルアンプの構成を図14に示す。スピーカをBTL接続にて駆動するフルデジタルアルプである。パルス幅指令信号生成器1aおよび1bは本発明第2の実施の形態のものを用いる。BTL出力を構成する一つの信号は、パルス幅指令信号生成器1a、シングルエンドパルス幅変調器21a、スイッチング増幅器3a、ローパスフィルタ4aにより本発明第2の実施の形態と同様に生成される。BTL出力を構成するもう一方の信号は、反転器9により目標信号u[k]の値に対して(−1)倍され、その信号に対して、パルス幅指令信号生成器1b、シングルエンドパルス幅変調器21b、スイッチング増幅器3b、ローパスフィルタ4bにより本発明第2の実施の形態と同様に生成される。
本発明第5の実施の形態は、本発明第3の実施の形態や本発明第4の実施の形態に対して多くのハードウェアを必要としてしまうが、パルス幅指令信号生成器を二つ持ち、それらを独立に動作させることにより、本発明第3の実施の形態や本発明第4の実施の形態に比べて量子化ノイズを約3dB下げることが可能となるといった利点を持っている。
本発明第5の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをD/A変換器として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4aおよび4bは受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。さらに、ローパスフィルタ4aおよび4bは各相の信号に対して別々にフィルタ処理しなくてもよく、差動信号に対するローパスフィルタとしてもよい。
(第6の実施の形態)
本発明第6の実施の形態は、スピーカをシングルエンド信号により駆動するためのパルス幅変調信号生成器およびそれを用いたフルデジタルアンプである。フルデジタルアルプの構成を図1に示す通りであるが、フルデジタルアンプとしての構成は図9に示す通りである。パルス幅指令信号y[k]の算出周期は単相2値パルス幅変調信号wa(t)のパルス周期と等しい。この様子を図15に示す。そのため、パルス幅指令信号y[k]の算出方法は、1回ごとに変更する必要はなく、毎回同じ算出方法を用いることができ、非線形テーブル13や非線形要素12の特性を切り替える必要はない。
本発明第6の実施の形態においては、スピーカをシングルエンド信号により駆動していたが、図2に示すパルス幅変調器2と図4に示すフルデジタルアンプの構成を用いて、BTL接続によってスピーカ5を駆動してもよい。また、フルデジタルアンプの構成を図13に示すようにしてスピーカ5を駆動してもよく、フルデジタルアンプの構成を図14に示すようにしてスピーカ5を駆動してもよい。
本発明第6の実施の形態においては、PCM信号をPWM信号に変換するパルス幅変調信号生成器と、それを用いたフルデジタルアンプを実現していたが、これをD/A変換器として用いてもよい。すなわち、スピーカ5を駆動するのではなく、その信号をアナログ信号として出力してもよい。この場合、ローパスフィルタ4は受動回路により実現してもよいし、能動回路により実現してもよい。
本発明のパルス幅変調信号生成器を用いることにより、入力信号をパルス幅変調信号に変換する際の位相誤差を小さくでき、忠実度の高いフルデジタルアンプを実現することができる。
1,1a,1b・・・パルス幅指令信号生成器
10・・・要求信号生成器
101・・・ノイズシェーピングフィルタ
11・・・再量子化器
12,12a,12b・・・非線形要素
13,13a,13b・・・非線形テーブル
14・・・遅延要素
15・・・システム行列
16・・・入力ベクトル
17・・・出力ベクトル
18・・・非線形フィードフォワード要素
191・・・直達要素
192・・・パルス幅算出部
193・・・零次ホールド
194・・・伝達関数要素
195・・・サンプラ
2・・・パルス幅変調器
21,21a,21b・・・シングルエンドパルス幅変調器
22・・・反転器
3,3a,3b・・・スイッチング増幅器
4,4a,4b・・・ローパスフィルタ
5・・・スピーカ
6・・・インバータ
7・・・遅延器
8・・・反転器
9・・・反転器

Claims (8)

  1. パルス符号変調信号である目標信号を入力し、パルス幅変調信号を出力し、要求信号生成器と非線形要素と再量子化器とパルス幅変調器を持つパルス幅変調信号生成器であって、
    前記要求信号生成器は前記目標信号と離散時間信号であるパルス幅指令信号を入力し離散時間信号である要求信号を出力し、
    前記要求信号を前記非線形要素に作用させた信号に対して前記再量子化器により再量子化を行った信号を前記パルス幅指令信号とし、
    前記再量子化器は4値以上の数の出力値を出力するものであり、
    前記パルス幅変調器は前記パルス幅指令信号の値に比例したパルス幅を持つ前記パルス幅変調信号を出力することを特徴とするパルス幅変調信号生成器。
  2. 前記パルス幅指令信号が算出される周期は前記パルス幅変調信号のパルス周期の半分であり、前記要求信号生成器は非線形テーブルをもち、前記非線形要素と前記非線形テーブルはそれぞれ2種類の入出力特性をもち、前記非線形要素の入出力特性と前記非線形テーブルの入出力特性は1回ごとに交互に切り替えられることを特徴とする請求項1記載のパルス幅変調信号生成器。
  3. 前記パルス幅変調信号は単相のシングルエンド信号であることを特徴とする請求項1または2に記載のパルス幅変調信号生成器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のパルス幅変調信号生成器によって生成された前記パルス幅変調信号を第1のパルス幅変調信号とし、
    前記第1のパルス幅変調信号に対して、遅延と反転を行った信号を第2のパルス幅変調信号とし、前記第1のパルス幅変調信号と前記第2のパルス幅変調信号の組をパルス幅変調信号としての出力信号とすることを特徴とするパルス幅変調信号生成器。
  5. 前記パルス幅変調器は第1のパルス幅変調器と第2のパルス幅変調器からなり、
    前記第1のパルス幅変調器には前記パルス幅指令信号が入力され、
    前記第2のパルス幅変調器には前記パルス幅指令信号に(−1)が乗じられた値の信号が入力され、第1のパルス幅変調器によって生成された第1のパルス幅変調信号と前記第2のパルス幅変調器によって生成された第2のパルス幅変調信号の組を前記パルス幅変調信号とすることを特徴とする請求項1または2に記載のパルス幅変調信号生成器。
  6. 請求項1〜3に記載の第1のパルス幅変調信号生成器と第2のパルス幅変調信号生成器を内在するパルス幅変調信号生成器であり、
    前記第1のパルス幅変調信号生成器および前記第2のパルス幅変調信号生成器は、それぞれ単相のシングルエンド信号である第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号を出力し、
    前記第2のパルス幅変調信号生成器の前記目標信号は第1のパルス幅変調信号生成器の前記目標信号に(−1)を乗じた信号であり、
    第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号の組をパルス幅変調信号としての出力信号とすることを特徴とするパルス幅変調信号生成器。
  7. 請求項1から6に記載のパルス幅変調信号生成器と、前記パルス幅変調信号生成器の出力により駆動されるスイッチング増幅器を持つことを特徴とするフルデジタルアンプ。
  8. 請求項1から6に記載のパルス幅変調信号生成器と、前記パルス幅変調信号生成器の出力により駆動されるスイッチング増幅器と、前記スイッチング増幅器の出力信号を入力するローパスフィルタを持ち、前記ローパスフィルタの出力をアナログ出力信号とするデジタル−アナログ変換器。
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