JP2005218070A - パルス幅変調信号発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタル信号を入力とするフルデジタルのオーディオアンプにおいて、PWMによって発生する高調波歪が発生する問題を解決する。
【解決手段】PWMによって発生する高調波歪を予め予想し、高調波歪成分を予め元の信号から差し引いた後、PWMを行うことにより、PWMによって発生する高調波歪を相殺させる。高調波歪を予想する手段としては、元の入力信号やその入力信号に対応する連続時間信号の1階および2階時間微分信号を表す信号を用いた積の一次結合を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フルデジタルのオーディオアンプのように、連続時間信号に対してデジタル信号化された信号をもとにパルス幅変調を掛けるものに関するものである。
D級増幅器と呼ばれるスイッチング増幅器は、電力効率が高いことにより、スピーカを駆動するオーディオアンプとしても用いられ始めている。このスイッチング増幅器を実現する方法として、アナログ信号を入力信号とするタイプのものと、デジタル信号(離散時間離散値信号)を入力信号とするフルデジタルアンプと呼ばれるタイプのものがある。フルデジタルアンプは、音源信号がCDやMDのようにデジタル信号である場合には、すべての信号処理をデジタルで行うことができるので、低コストで高品質の音を発生できる可能性を持っている。
フルデジタルアンプでは、音源信号に対して電子ボリュームなどの信号処理を行った後、オーバーサンプラにより信号のサンプリング周波数を16倍や32倍などの値に上昇させる。そしてΔ−Σ変調器により5ビットとか6ビットなどの低い分解能に量子化し、量子化した信号でパルス幅変調を掛けPWM信号を発生させる。このPWM信号によりスイッチングアンプを駆動し、その出力に対してローパスフィルタを通してからスピーカなどを駆動する。
このフルデジタルアンプにおける一連の信号処理の中で、パルス幅変調を掛ける段階において、高調波歪が発生してしまう。たとえば、音源信号が1kHzの正弦波信号であった場合、PWM信号にその2倍の周波数の2kHzの信号やその3倍の周波数の3kHzの信号が含まれてしまう。このような高調波歪がフルデジタルアンプの性能を落としてしまっていた。
特開2000−354379号公報 河西宏之:フルディジタル・アンプに必要な信号処理の概要,トランジスタ技術,2003年7月号,205−222頁 アメリカ合衆国特許第6563378号
解決しようとする課題は、フルデジタルアンプにおけるパルス幅変調によって発生する高調波歪による性能劣化を防ぐことである。
フルデジタルアンプのパルス幅変調によって発生する高調波歪を予め推定し、推定した高調波歪を差し引いた信号を用いてパルス幅変調を行うことにより、高調波歪を相殺させた出力信号を得る。より具体的には次のようにする。
入力信号に対して、その1階微分および2階微分の信号を算出しておき、パルス幅変調によって発生すると予想される高調波歪を入力信号と1階微分信号と2階微分信号を用いて計算し、もとの入力信号から計算された歪予測値を差し引いた信号に対してパルス幅変調を行なう。
他の方法として、入力信号に対して、その1階微分および2階微分の信号を算出しておき、パルス幅変調によって発生すると予想される高調波歪を入力信号と1階微分信号と2階微分信号を用いて計算し、もとの入力信号から計算された歪予測値を差し引いた信号に対して、Δ−Σ変調器により粗い量子化を行なう。そして粗い量子化を行なった信号に対してパルス幅変調を行なう。
また他の方法として、離散時間信号である入力信号に対して、その1階微分および2階微分の信号を算出しておき、パルス幅変調によって発生すると予想される高調波歪を入力信号と1階微分信号と2階微分信号を用いて計算し、もとの入力信号から計算された歪予測値を差し引いた信号に対してサンプリング周波数の変換を行ない、高いサンプリング周波数の信号を得る。そのサンプリング周波数を変換した信号に対してΔ−Σ変調器により粗い量子化を行なう。そして粗い量子化を行なった信号に対してパルス幅変調を行なう。
前の三つの解決手段に対して、パルス幅変調が対称型であるとき、高調波歪補正を次のように行ない、第2高調波歪を補正する。
y=x-ε・(x・q-p・p)
ただし、上式においてx は補正前の信号、y は補正後の信号、pはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、εは実定数である。
最初の三つの解決手段に対して、パルス幅変調が対称型であるとき、高調波歪補正を次のように行ない、第2および第3高調波歪を補正する。
y=x-ε・(x・q-p・p)-δ・(3・x・p・p+x・x・q)
ただし、上式においてx は補正前の信号、y は補正後の信号、pはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、ε,δは実定数である。
最初の三つの解決手段に対して、パルス幅変調が非対称型であるとき、高調波歪補正を次のように行なう。
y=x-ε・x・p-δ・(3・x・p・p+x・x・q)
ただし、上式においてx は補正前の信号、y は補正後の信号、pはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、ε,δは実定数である。
本発明のパルス幅変調器を用いることにより、高調波歪の小さいフルデジタルアンプを実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態について実施例を通して示す。
図1は、本発明第1の実施例のパルス幅変調信号発生器のブロック図であり、オーディオのフルデジタルアンプの一部を成すものである。機能としては、入力信号u[i]に応じたパルス幅変調信号w(t)を生成するものであり、このパルス幅変調信号w(t)によりD級アンプを駆動し、その出力をローパスフィルタに通すことで、スピーカを駆動する信号を得ることができる。
入力信号u[i]はサンプリング周波数44.1kHzの離散時間信号であり、x[k]は入力信号に対してサンプリング周波数を17倍の749.7kHzに変換した信号である。本発明第1の実施例においては、信号x[k]を生成するのに次の方法を用いている。まずゼロインサータ5により、信号u[i]の各サンプル点間に16個の値が0であるデータを挿入してサンプリング周波数が749.7kHzである信号s[k]を作成し、その信号s[k]をデジタルフィルタ31に通して周波数が20kHz以下の信号成分を通過させ24kHz以上の信号成分を遮断することにより信号x[k]を生成している。すなわち、デジタルフィルタ31をローパスフィルタとして動作させている。
デジタルフィルタ31の設計法は種々考えられるが、本発明第1の実施例では次のように設計する。まず、所望の特性を持つ連続時間のローパスフィルタF(s)を設計する。そしてフィルタF(s)を双一次変換などの手法により離散時間化デジタルフィルタに変換する。そのようにして得られたデジタルフィルタをc1inv(zI-A)bという形で実現する。ただし、c1は横ベクトル、bは縦ベクトル、Aは正方行列、Iは単位行列、zはパルス伝達関数の変数であり、inv(*)は逆行列を表わすものである。また、デジタルフィルタ31では、信号x[k]の1階時間微分に相当する信号p[k]および信号x[k]の2階時間微分に相当する信号q[k]も同時に推定する。信号p[k]の推定については、信号s[k]に対して、時間微分とローパスフィルタの機能を持ったフィルタsF(s)を作用させることにより得ることができる。フィルタF(s)を離散時間化したときと同じ方法によりフィルタsF(s)を離散時間化すると、フィルタF(s)の相対次数が2以上であるとき、c2inv(zI-A)bという形で実現することができる。したがって、信号p[k]を算出するデジタルフィルタの状態変数は、信号x[k]を算出するデジタルフィルタの状態変数と共用させることができ、信号x[k]を算出するデジタルフィルタに新たに出力ベクトルを加えることのみで信号p[k]を算出することができる。同様に、信号q[k]の推定については、信号s[k]に対して、2階時間微分とローパスフィルタの機能を持ったフィルタs^2・F(s)を作用させることにより得ることができる。フィルタF(s)を離散時間化したときと同じ方法によりフィルタs^2・F(s)を離散時間化すると、フィルタF(s)の相対次数が3以上であるとき、c3inv(zI-A)bという形で実現することができる。また、フィルタF(s)の相対次数が2であるとき、c4inv(zI-A)b+dという形で実現することができる。したがって、信号q[k]を算出するデジタルフィルタの状態変数は、信号x[k]を算出するデジタルフィルタの状態変数と共用させることができ、信号x[k]を算出するデジタルフィルタに新たに出力ベクトルを加えることのみで信号q[k]を算出することができる。フィルタF(s)の相対次数が3以上であるときのデジタルフィルタ31のブロック線図を図2に示す。
さらに近似を重ねることになるが、フィルタF(s)が多段のフィルタとして表わされ、その最終段のフィルタの相対次数が2以上であり、フィルタF(s)を離散時間化する際に格段ごとに離散時間化する場合においては、上述の方法を最終段のフィルタに適用するのみで、信号p[k]および信号q[k]を容易に算出することができる。
歪予測器11においては、パルス幅変調器2によって発生する高調波歪の推定値を算出する。そして、算出した推定値を信号x[k]から減ずることにより、高調波歪を補正した信号y[k]を得る。高調波歪補正については後述する。信号y[k]はΔ−Σ変調器により、32レベルに再量子化される。その際、量子化ノイズは20kHz以上の周波数領域に偏るように周波数シェーピングされる。Δ−Σ変調器の出力信号である信号v[j]はサンプリング周波数が749.7kHzであり、32レベルに量子化された信号である。信号v[j]はパルス幅変調器2に入力され、キャリア周波数749.7kHz、32レベルの対称型パルス幅変調が行われる。そのパルス幅変調信号が信号w(t)として出力される。対称型パルス幅変調の出力波形の例を図3に示す。
まず、パルス幅変調器において発生する高調波歪について説明する。パルス幅変調器2において発生する高調波歪は、パルス幅変調が対称型であるか非対称型であるかや、パルス幅変調器のキャリア周波数によっても変わってくる。図4はx[k]を1kHzの正弦波とし、高調波歪に対する対策をとらなかったときの、パルス幅変調信号w(t)の周波数スペクトルを示したものである。元の信号の1kHzの信号成分の他に、その2倍の2kHzの成分や3倍の3kHzの成分を持ってしまっている。これらの信号成分がパルス幅変調における高調波歪に起因するものであり、このような現象に対処することが本発明の目的である。
第2高調波成分については次のような特徴がある。今、x[k]に対応する連続時間信号がa・sin(ωt)であるとき、第2高調波成分はε・(a・ω)^2・cos(2ωt)となる。ただしεは適当な定数である。また、^は指数を表わす。したがって、第2高調波成分はx,p,qを用いてε・(x・q+p・p)のように推定することができる。
第3高調波成分に関しては、x[k]に対応する連続時間信号がa・sin(ωt)であるとき、2δ・(a・ω)^3・sin(3ωt)となる。ただし、δは適当な定数である。したがって、第3高調波成分はx,p,qを用いてδ・(3・x・p・p+x・x・q) のように推定することができる。
そこで、信号x[k]に対して、予め2次および3次の高調波歪の分を次式のように補正する。
(式1)
y[k]=x[k]-ε・(x・q+p・p)-δ・(3・x・p・p+x・x・q)
これらの高調波歪の推定が妥当であることを次に示す。信号x[k]として、3kHzの正弦波と7kHzの正弦波を重ね合わせた信号を用いる。そのときの高調波歪を補償しない場合におけるパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの様子を図5に示す。パルス幅変調の際に発生する高調波歪により、所望の信号以外のスペクトルが立ってしまっている。そこで、式1に示す高調波歪補正を行なうと、パルス幅変調信号w(t)のスペクトルの様子は図6に示すようになり、高調波歪がほとんど相殺されていることがわかる。
本発明第2の実施例は、高調波歪補正の式を除いては本発明第1の実施例のパルス幅変調信号発生器と同じものである。
パルス幅変調器2におけるパルス幅変調が対称型であるとき、パルス幅変調によって発生する高調波歪は2次のものが大きく、3次の高調波歪が2次のものに比して小さいことが多い。図4に示すスペクトルの例においても、3次高調波の振幅は2次高調波の振幅の4分の1程度になっている。したがって、パルス幅変調によって発生する高調波歪のうち、2次の高調波のみに対して補正することにより、パルス幅変調信号発生器として必要とされる歪特性が得られるのであれば、歪補正の式を簡略化することができる。そこで、本発明第2の実施例においては、高調波歪補正の演算を式2に示すように行なう。
(式2)
y[k]=x[k]-ε・(x・q+p・p)
このように簡略化した歪補正の式を用いることにより、歪補正にともなう計算量を削減することができる。
本発明第3の実施例は、いくつかの信号のサンプリング周波数が本発明第1の実施例と異なることを除いては本発明第1の実施例のパルス幅変調信号発生器と同じものである。
信号u[i]は本発明第1の実施例と同じくサンプリング周波数44.1kHzの離散時間信号である。これをゼロインサータ5およびデジタルフィルタ31を用いてサンプリング周波数を8倍の352.8kHzに変換して信号x[k]を得る。歪補償は式1に示す演算式を用いるが、y[k]のサンプリング周波数も352.8kHzであるので、本発明第1の実施例と比べて歪補正の計算頻度が低い。信号y[k]はΔ−Σ変調器4に入力されるが、Δ−Σ変調器4の動作周波数は44.1kHzの16倍の705.6kHzである。このとき、信号y[k]は同じ信号を2回ずつΔ−Σ変調器4に入力することによりサンプリング周波数を2倍にしている。このようなゼロ次ホールドを用いることにより、式1の歪補正演算の頻度を低減させている。Δ−Σ変調器4の出力信号v[j]はサンプリング周波数705.6kHzレベル数32の信号であり、キャリア周波数705.6kHzによりパルス幅変調器2においてパルス幅変調され、パルス幅変調信号w(t)を得ている。
本発明第4の実施例は、パルス幅変調器2におけるパルス幅変調が非対称型のものであることと、高調波歪補正の式が異なることを除いては本発明第1の実施例のパルス幅変調信号発生器と同じものである。図7に非対称パルス幅変調の波形の例を示す。
パルス幅変調によって発生する高調波歪は、パルス幅変調が対称型であるか非対称型であるかによって異なってくる。パルス幅変調が非対称、信号x[k]が周波数1kHzの正弦波で、高調波歪補正を行なわない場合におけるパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの例を図8に示す。第2高調波および第3高調波の信号のピークが見うけられる。図8においては第3高調波の大きさは周波数20kHz付近のノイズフロアと同程度であるが、信号の周波数が高くなると第3高調波の大きさも無視できなくなってくる。
第2高調波成分については次のような特徴がある。今、x[k]に対応する連続時間信号がa・sin(ωt)であるとき、第2高調波成分は2ε・a^2・ω・sin(2ωt)となる。ただしεは適当な定数である。したがって、第2高調波成分はx,p,qを用いてε・x・pのように推定することができる。
第3高調波成分に関しては、x[k]に対応する連続時間信号がa・sin(ωt)であるとき、2δ・(a・ω)^3・sin(3ωt)となる。ただし、δは適当な定数である。したがって、第3高調波成分はx,p,qを用いてδ・(3・x・p・p+x・x・q) のように推定することができる。
そこで、信号x[k]に対して、予め2次および3次の高調波歪の分を次式のように補正する。
(式3)
y[k]=x[k]-ε・x・p -δ・(3・x・p・p+x・x・q)
これらの高調波歪の推定が妥当であることを次に示す。信号x[k]として、3kHzの正弦波と7kHzの正弦波を重ね合わせた信号を用いる。そのときの高調波歪を補償しない場合におけるパルス幅変調信号w(t)のスペクトルの様子を図9に示す。パルス幅変調の際に発生する高調波歪により、所望の信号以外のスペクトルが立ってしまっている。そこで、式3に示す高調波歪補正を行なうと、パルス幅変調信号w(t)のスペクトルの様子は図10に示すようになり、高調波歪がほとんど相殺されていることがわかる。
パルス幅変調として非対称型のものを用いる一つの利点は、キャリア周波数と分解能が同一であるとき、対称型のものに比べてクロックの周波数を半分にすることができることである。
図11は、本発明第5の実施例のパルス幅変調信号発生器のブロック図であり、オーディオのフルデジタルアンプの一部を成すものである。機能としては、入力信号x[k]に応じたパルス幅変調信号w(t)を生成するものであり、このパルス幅変調信号w(t)によりD級アンプを駆動し、その出力をローパスフィルタに通すことで、スピーカを駆動する信号を得ることができる。
入力信号x[k]はサンプリング周波数44.1kHzの離散時間信号である。この入力信号x[k]に対して、パルス幅変調器2によって発生すると予測される高調波歪を歪予測装置1により推定して補正し、信号y[k]を得る。高調波歪の補正の式としては、式2を用いて第2高調波成分のみを補正する。
図12は歪予測装置12の内部のブロック図である。高調波歪を補正する式1または式2を計算するためには、信号x[k]に対応する連続時間信号の1階および2階時間微分に対応する信号p[k]およびq[k]が必要になる。本発明第5の実施例においては、信号x[k]をFIRフィルタ12,13に通してp[k]およびq[k]を算出している。
歪補正された信号y[k]はゼロインサータ5およびデジタルフィルタ31によりサンプリング周波数が4倍の176.4kHzの信号であるr[h]に変換される。その際、デジタルフィルタ31においては、後にゼロ次ホールドによってサンプリング周波数がさらに4倍に上げられる際に発生する20kHz以下の帯域のゲイン歪を補償する。Δ−Σ変調器4は周波数が44.1kHzの16倍の749.7kHzにて動作しており、Δ−Σ変調器4への入力信号は信号r[h]が4ステップずつ同じ値が入力される。信号解析的には、ゼロ次ホールドが掛けられることになる。Δ−Σ変調器4において、32レベルでサンプリング周波数が749.7kHzの信号v[j]が生成され、キャリア周波数が749.7kHzのパルス幅変調器2に入力される。そして所望のパルス幅変調信号w(t)が出力される。
本発明第5の実施例の本発明第3の実施例に対する利点は、高調波歪を補正する式の演算頻度が低いことである。本発明第5の実施例においては、信号のサンプリング周波数を上げる前に歪補正を行なうので、高調波歪の演算頻度は入力信号のサンプリング周波数と同じで済む。しかし、何らかの対策をとらないと高調波歪補正信号の周波数が20kHzを越えてしまいエイリアスを発生する恐れがある。対処方法としては、FIRフィルタ12,13にハイカットの特性を持たせ、信号p[k] ,q[k]に10kHz以上の周波数成分が含まれないようにするとよい。
本発明第5の実施例においては、信号p[k] ,q[k]を得るのにFIRフィルタを用いたが、そのための手段はFIRフィルタでなくてもよく、IIRフィルタであってもよい。
図11は、本発明第6の実施例のパルス幅変調信号発生器のブロック図であり、オーディオのフルデジタルアンプの一部を成すものである。機能としては、入力信号x[k]に応じたパルス幅変調信号w(t)を生成するものであり、このパルス幅変調信号w(t)によりD級アンプを駆動し、その出力をローパスフィルタに通すことで、スピーカを駆動する信号を得ることができる。
入力信号u[i]はサンプリング周波数44.1kHzの離散時間信号である。入力信号u[i]はゼロインサータ5およびデジタルフィルタ31によりサンプリング周波数が4倍の176.4kHzの信号であるx[k]に変換される。その際、デジタルフィルタ31において、信号x[k]に対応する連続時間信号の1階および2階時間微分に相当する信号p[k]およびq[k]も算出される。
この信号x[k]に対して、パルス幅変調器2によって発生すると予測される高調波歪を歪予測器11において算出し補正を行ない、信号y[k]を得る。高調波歪の補正には式3を用いる。
歪補正された信号y[k]はパルス幅変調器2に入力される。パルス幅変調器2においては、高分解能の非対称パルス幅変調が行なわれる。パルス幅変調のキャリア周波数は信号y[k]のサンプリング周波数と同じ176.4kHzである。そして所望のパルス幅変調信号w(t)が出力される。
本発明第6の実施例の特徴は、パルス幅変調信号w(t)のキャリア周波数が低いことである。そのため、オーディオアンプを構成する際のD級増幅器におけるスイッチング周波数も低くなるので、スイッチングによる損失も低減できるし、スイッチングノイズも低減する。しかし、本発明第6の実施例においては、高分解能のパルス幅変調器が必要となる。
本発明のパルス幅変調信号発生器を用いることにより、高調波歪の少ないフルデジタルのオーディオアンプを実現することができる。
本発明の第1の実施例を説明するブロック図。 本発明の第1の実施例におけるデジタルフィルタ31の構成例。 対称型パルス幅変調の説明図。 対称型パルス幅変調における高調波歪を示すパルス幅変調信号のスペクトル。 対称型パルス幅変調において高調波歪対策を取らないときのパルス幅変調信号のスペクトル。 対称型パルス幅変調において高調波歪対策を取ったときのパルス幅変調信号のスペクトル。 非対称型パルス幅変調の説明図。 非対称型パルス幅変調における高調波歪を示すパルス幅変調信号のスペクトル。 非対称型パルス幅変調において高調波歪対策を取らないときのパルス幅変調信号のスペクトル。 非対称型パルス幅変調において高調波歪対策を取ったときのパルス幅変調信号のスペクトル。 本発明の第5の実施例を説明するブロック図。 本発明の第5の実施例における歪予測装置1の構成例。 本発明の第6の実施例を説明するブロック図。
符号の説明
1・・・歪予測装置
11・・・歪予測器
12,13・・・FIRフィルタ
2・・・パルス幅変調器
31,32・・・デジタルフィルタ
4・・・Δ−Σ変調器
5・・・ゼロインサータ

Claims (6)

  1. パルス幅変調信号を出力信号とし、前記出力信号の低周波成分を入力信号に比例させるパルス幅変調信号発生装置において、パルス幅変調器を持ち、前記出力信号は前記パルス幅変調器により生成されるものであり、前記入力信号および前記入力信号の1階および高階の時間微分に相当する信号のうちの幾つかを用いて算出される前記パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を前記入力信号から減じた信号を元にパルス幅変調を行うことを特徴とするパルス幅変調信号発生装置。
  2. パルス幅変調信号を出力信号とし、前記出力信号の低周波成分を入力信号に比例させるパルス幅変調信号発生装置において、パルス幅変調器を持ち、前記出力信号は前記パルス幅変調器により生成されるものであり、前記入力信号および前記入力信号の1階および高階の時間微分に相当する信号のうちの幾つかを用いて算出される前記パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を前記入力信号から減じた信号をΔ−Σ変調器に入力し、前記Δ−Σ変調器の出力信号を元にパルス幅変調を行うことを特徴とするパルス幅変調信号発生装置。
  3. パルス幅変調信号を出力信号とし、前記出力信号の低周波成分を入力信号に比例させるパルス幅変調信号発生装置において、前記入力信号は離散時間信号であり、パルス幅変調器を持ち、前記出力信号は前記パルス幅変調器により生成されるものであり、前記入力信号および前記入力信号の1階および高階の時間微分に相当する信号のうちの幾つかを用いて算出される前記パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を前記入力信号から減じた信号をサンプリング周波数変換手段により異なるサンプリング周波数の信号に変換し、前記サンプリング周波数変換手段の出力をΔ−Σ変調器に入力し、前記Δ−Σ変調器の出力信号を元にパルス幅変調を行うことを特徴とするパルス幅変調信号発生装置。
  4. 請求項1から3に記載のパルスパルス幅変調信号発生装置において、該パルス幅変調器におけるパルス幅変調は対称型であり、該入力信号をxとし、前出の該パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を該入力信号から減じた信号をyとしたときに、yを以下の式を用いて算出することを特徴とするパルス幅変調信号発生装置:
    y=x-ε・(x・q-p・p)
    ただし、上式においてpはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、εは実定数である。
  5. 請求項1から3のパルス幅変調信号発生装置において、該パルス幅変調器におけるパルス幅変調は対称型であり、該入力信号をxとし、前出の該パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を該入力信号から減じた信号をyとしたときに、yを以下の式を用いて算出することを特徴とするパルス幅変調信号発生装置:
    y=x-ε・(x・q-p・p)-δ・(3・x・p・p+x・x・q)
    ただし、上式においてpはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、εは実定数、δは実定数である。
  6. 請求項1から3のパルス幅変調信号発生装置において、該パルス幅変調器におけるパルス幅変調は非対称型であり、該入力信号をxとし、前出の該パルス幅変調器により発生する高調波歪の推定値を該入力信号から減じた信号をyとしたときに、yを以下の式を用いて算出することを特徴とするパルス幅変調信号発生装置:
    y=x-ε・x・p-δ・(3・x・p・p+x・x・q)
    ただし、上式においてpはxの1階時間微分に相当する信号、qはxの2階時間微分に相当する信号、εは実定数、δは実定数である。
JP2004026150A 2004-02-02 2004-02-02 パルス幅変調信号発生装置 Pending JP2005218070A (ja)

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