JP2006054800A - 低歪パルス幅変調信号発生器 - Google Patents

低歪パルス幅変調信号発生器 Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル信号を入力とするフルデジタルのオーディオアンプにおいて、パルス幅変調による高調波歪が発生していた。その対策として、パルス幅変調により発生する信号歪を計算してフィードバック補償する方法があるが、高調波歪は完全には無くならず、その更なる低減が必要とされていた。
【解決手段】パルス幅変調によって発生する信号歪をノイズシェーピングフィルタにフィードバックさせることにより高調波歪を低減させ、かつ、量子化器の入力に高調波歪補償のためのフィードフォワード信号を重畳させる。フィードフォワード信号は入力信号にべき関数を静的に作用させることにより生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フルデジタルのオーディオアンプのように、連続時間信号に対してデジタル信号化された信号をもとにパルス幅変調を掛けるものに関するものである。
D級増幅器と呼ばれるスイッチング増幅器は、電力効率が高いことにより、スピーカを駆動するオーディオアンプとしても用いられ始めている。このスイッチング増幅器を実現する方法として、アナログ信号を入力信号とするタイプのものと、デジタル信号(離散時間離散値信号)を入力信号とするフルデジタルアンプと呼ばれるタイプのものがある。フルデジタルアンプは、音源信号がCDやMDのようにデジタル信号である場合には、すべての信号処理をデジタルで行うことができるので、低コストで高品質の音を発生できる可能性を持っている。
フルデジタルアンプでは、音源信号に対して電子ボリュームなどの信号処理を行った後、オーバーサンプラにより信号のサンプリング周波数を16倍や32倍などの値に上昇させる。そしてΔ−Σ変調器により5ビットとか6ビットなどの低い分解能に量子化し、量子化した信号でパルス幅変調を掛けPWM信号を発生させる。このPWM信号によりスイッチングアンプを駆動し、その出力に対してローパスフィルタを通してからスピーカなどを駆動する。
このフルデジタルアンプにおける一連の信号処理の中で、パルス幅変調を掛ける段階において、高調波歪が発生してしまう。たとえば、音源信号が1kHzの正弦波信号であった場合、PWM信号にその2倍の周波数の2kHzの信号やその3倍の周波数の3kHzの信号が含まれてしまう。このような高調波歪がフルデジタルアンプの性能を落としてしまっていた。
図7は、従来の技術によるパルス幅変調信号発生器の一例であり、デジタル信号である信号x[k]を入力とし、D級増幅器を駆動するパルス幅変調信号w(t)を出力するものである。入力信号x[k]はサンプリング周波数705.6kHzの離散時間信号であり、サンプリング周波数44.1kHzの音声信号を16倍にサンプルレート変換したものである。この入力信号x[k]を、量子化器1およびノイズシェーピングフィルタ3を用いて量子化する。量子化器1は-15から15までの31レベルの量子化を行う。したがって量子化器1の出力y[k]は31レベルでサンプリング周波数が705.6kHzのデジタル信号である。ノイズシェーピングフィルタ3は、y[k]に含まれる量子化ノイズが20kHzよりも低い周波数成分が小さくなるようにするものである。パルス幅変調器2はレベル数が31の対称型パルス幅変調を行なうものである。
入力信号x[k]を変調率82%の振幅で周波数2.758kHzの正弦波とし、得られた信号y[k]に対して零次ホールドを通した信号のスペクトルの例を図8に示す。この例においては、高調波歪も認められず、量子化ノイズもよく抑えられている。図9は、このときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルである。パルス幅変調によって発生する歪のため、第2高調波成分や第3高調波成分が大きく現れてしまっている。
特公2000−507759号公報 特願2004−026150号 特願2004−047113号 河西宏之:フルディジタル・アンプに必要な信号処理の概要,トランジスタ技術,2003年7月号,205−222頁
解決しようとする課題は、フルデジタルアンプにおけるパルス幅変調によって発生する高調波歪による性能劣化を防ぐことである。また、パルス幅変調によって可聴域のノイズフロアが持ち上がる現象を低減することである。
フルデジタルアンプのパルス幅変調器によって発生する信号歪も検出し、それをノイズシェーピングフィルタにフィードバックすることにより、パルス幅変調器において発生する信号歪を補償するとともに、フィードバック補償しきれなかった分に対して、入力信号に静的非線形要素を通した信号を量子化器の入力に重畳させて高調波歪成分を相殺させることにより、高調波歪の少ないパルス幅変調信号を得る。
パルス幅変調器によって発生する信号歪も検出してフィードバック補償を行なう方法としては、次に述べる特願2004−047113号に記載の技術を用いる。まず、図2に示すようにノイズシェーピングフィルタ3として連続時間動作するものを用い、量子化器の出力信号y[k]の代わりにパルス幅変調信号w(t)をフィードバックさせることにより、パルス幅変調によって発生する信号歪もフィードバック補正する方法が考えられる。しかし、この方法をそのまま実現しようとすると、ノイズシェーピングフィルタ3を、連続時間で動作させるか、または、パルス幅変調に用いる速いクロックに同期させて動作させる必要が発生し、どちらの場合も現実的ではない。
そこで、図2に示す機能を図3に示す装置によって実現することを考える。図中、太線はベクトル信号を表す。今、信号x[k]のサンプリング周期をT、積分器38の出力信号(ベクトル信号)をξ(t)とすると、
Figure 2006054800
となる。ただし、Acは正方行列、bcは縦ベクトルである。したがって、
Figure 2006054800
Figure 2006054800
Figure 2006054800
とおくと、
Figure 2006054800
のようになる。すなわち、連続時間で動作する図2のノイズシェーピングフィルタ3は図3におけるノイズシェーピングフィルタ3のように離散時間系として実現することができる。この際、何ら近似は用いていない。数4においては、w(kT+t)の値が0≦t<Tにおいて、y[k]の値によって決まるので、このように記述してある。
ここまでをまとめると、図3に示すように離散時間系のノイズシェーピングフィルタの量子化器からの入力に対して、非線形要素35を通すことにより、等価的に図2に示すようなパルス幅変調信号w(t)から連続時間でフィードバックすることができる。したがって、パルス幅変調器2において発生する低周波域での信号歪を検出してフィードバック補償することができる。このことにより、パルス幅変調によって発生する高調波歪も低減させることができるし、パルス幅変調によるノイズフロアの持ち上がりも抑制することができる。
しかし、上記の方法を用いても、入力信号x[k]の高調波成分は低減されるものの、完全には除去されない。そこで、上記の方法によってでは除去されなかった高調波成分を、図1に示すように、入力信号に対して静的な非線形要素6を通した信号を量子化器1の入力信号に重畳させることにより相殺させる。このとき、パルス幅変調によって発生する歪をフィードバック補償しているので、高調波のフィードバック補正しきれなかった分をフィードフォワード補償する信号の大きさは入力信号x[k]の周波数には依存しないといった性質がある。したがって、フィードフォワード補償には動的ではなく静的な非線形要素を用いる。
パルス幅変調が対称型もしくは準対称型である場合においては、高調波歪は2次のものが最も大きくなる。この第2高調波を相殺させるためには、入力信号x[k]の2倍の周波数成分を持ち、かつ、発生する第2高調波と逆相の信号を生成する必要がある。そのような信号として、入力信号x[k]の2乗に係数を掛けたものを用いると有効である。すなわち、フィードフォワード補償信号をv[k]としたとき、v[k]を次のように算出する。
(数6)
v[k] = h2 x2[k]
ただし、h2は適当な係数である。このとき、入力信号x[k]の振幅変動などによりフィードフォワード信号v[k]のオフセット成分が変動することになるが、その影響はノイズシェーピングフィルタにより問題なく補償される。
また、パルス幅変調が対称型もしくは準対称型である場合においては、第2高調波の他に第3高調波も発生する。第3高調波は第2高調波よりも小さいが、第2高調波だけではなく第3高調波も除去する場合においては、フィードフォワード信号v[k]に入力信号x[k]の3乗の項を付加することが有効である。
(数7)
v[k] = h2 x2[k] + h3 x3[k]
ただし、h3は適当な係数である。このとき、入力信号x[k]の3乗の項には入力信号自身の成分も含まれてしまうが、この影響もノイズシェーピングフィルタにより問題なく補償される。
パルス幅変調として相補型のものが用いられることがある。これは、図4に示すように、二つのパルス幅変調器41,42を用い、互いにパルス幅が相補的になるように動作をさせ、二つのパルス幅変調信号の差の信号を出力信号として扱うものである。フルデジタルオーディオアンプの場合においては、二つの相補的なパルス幅変調信号は、それぞれスイッチング増幅器41,42により増幅され、スピーカ5にBTL接続される。相補型パルス幅変調信号の波形の例を図5に示す。
相補型パルス幅変調を用いることの利点の一つは、出力信号にパルス幅変調による第2高調波(2次歪)が発生しないことである。したがって、高調波歪のフィードフォワード補償においては、第3高調波(3次歪)のみを補償すればよいことになる。したがって、フィードフォワード信号v[k]は次のように算出すればよいことになる。
(数8)
v[k] = h3 x3[k]
本発明のパルス幅変調信号発生器を用いることにより、高調波歪が小さくノイズフロアも低いフルデジタルアンプを実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態について実施例を通して示す。
本発明第1の実施例は、フルデジタルオーディオアンプのパルス幅変調信号発生部である。機能としては、入力信号x[k]に応じたパルス幅変調信号w(t)を生成するものであり、このパルス幅変調信号w(t)によりD級アンプを駆動し、その出力をローパスフィルタに通すことで、スピーカを駆動する信号を得ることができる。
離散時間信号x[k]はサンプリング周波数44.1kHzの離散時間信号に対してサンプリング周波数を16倍の705.6kHzに変換した信号である。すなわち、信号x[k]は、おおよそ20kHz以下の周波数を成分とする信号である。このパルス幅変調信号発生器の目的は、パルス幅変調信号w(t)の20kHz以下の周波数成分が信号x[k]の20kHz以下の周波数成分になるべく近くなるようにパルス幅変調信号w(t)を生成することである。
量子化器1は、入力の値に応じて-15から15までの31レベルの信号y[k]を出力するものである。パルス幅変調器2は、入力信号y[k]の値に応じて31レベルの対称型パルス幅変調を行なうものである。いくつかの入力値に対する1周期分の出力波形を図6に示す。パルス幅変調のキャリア周波数は705.6kHzであり、そのクロック周波数はキャリア周波数の64倍の45.1584MHzである。ノイズシェーピングフィルタは、クロック周波数705.6kHzにて動作するデジタルフィルタであり、5次のものを用いている。その係数は伝達関数
(数9)
G[z] = c (zI-A)-1 b + 1
の極が0、exp(±j*0.157)、exp(±j*0.094)に、分子多項式が次式となるように設定した。
(数10)
n (z) = z^5 -1.8338*z^4 +1.8289*z^3 -0.9770*z^2 +0.2876*z -0.0354
入力信号x[k]は変調率82%の振幅で周波数2.758kHzの正弦波とした。まず、図7に示す通常に用いられている方法でパルス幅変調信号を作成してみる。このときの量子化信号y[k]のスペクトルを図8に、パルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図9に示す。図8を見ると、量子化信号y[k]は信号の高調波は認められず、量子化ノイズの可聴域におけるスペクトルも小さくなっており、所望のスペクトルが得られていることが判る。しかし、その量子化信号y[k]によりパルス幅変調を行った信号w(t)のスペクトル(図9)を見ると、信号の第2および第3高調波が多く含まれてしまっており、ノイズフロアも上昇している。このような現象は、パルス幅変調の非線形性に起因する。
次に、ノイズシェーピングフィルタとして、図3に示す特願2004−047113号に記載のものを用いてみる。そのときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図10に示す。ノイズフロアに関しては、ほぼ理想的に抑制できており、入力信号の高調波もある程度抑制できているのだが、第2高調波が少し残っているし、第3高調波もわずかに残っている。
そこで、図1に示すような高調波歪を相殺させるフィードフォワード信号を量子化器1の信号に重畳させてみる。フィードフォワード信号の生成は、数7に記載の式を用いた。そのときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図11に示す。入力信号の第2高調波、第3高調波ともノイズフロアに埋もれる程度に削減されており、理想的なパルス幅変調信号が生成できていることが判る。
次に、同様のテストをツートーン信号に対して行ってみた。入力信号は、周波数が4.1344kHzの正弦波と5.5125kHzの正弦波の重ねあわせであり、最大変調率は82%である。図7記載の通常のノイズシェーピングフィルタを用いた場合のパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図12に示す。入力信号の高調波のみならず、相互変調によるスペクトルも含まれていることが判る。これを図3に示す方法によりパルス幅変調信号を作成したときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図13に示す。高調波や相互変調はある程度低減されているが、少し残ってしまっている。同じ信号を図1に記載の方法でパルス幅変調信号を作成してみた。フィードフォワード補償信号の生成は、数7に記載の式を用いた。そのときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図14に示す。入力信号の高調波および相互変調のスペクトルが抑制できており、理想的なスペクトルとなっている。ツートーン信号に対してパルス幅変調信号の理想的なスペクトルが得られたことから、本発明における2次歪や3次歪の補正方法が一般的な入力信号に対して有効であることが判る。
本発明第1の実施例においては、ノイズシェーピングフィルタの構造を図1に示したものを用いたが、ノイズシェーピングフィルタの構造は、その機能が図1に示すものと同じであればよく、図15に示すものを用いてもよい。
本発明第2の実施例は、パルス幅変調の方式が準対称型であることを除いては、本発明第1の実施例と同じである。すなわち、本発明第2の実施例のパルス幅変調信号発生器についてのブロック線図は図1に示す通りである。図1におけるパルス幅変調器2の動作が本発明第1の実施例と異なり、それにともない、非線形関数ベクトル35の値も本発明第1の実施例と異なる。
図16は、図1でのパルス幅変調器2における、いくつかの入力の値に対するパルス幅変調信号の1周期分の波形を示している。本発明第2の実施例においては、入力信号の値が-15から15までの31レベルをとり、レベルが順次増えて行くと、パルスの前縁と後縁のタイミングが交互に変化しながら、パルス幅は入力の値に対して直線的に変化するものである。
このようなパルス幅変調を行なうことの利点は、パルス幅変調のレベル数が同じときに、本発明第1の実施例にて用いた対称型のパルス幅変調に比べて、必要とされるクロック周波数が半分で済むことである。本発明第2の実施例におけるパルス幅変調器に必要なクロック周波数は22.5792MHzであり、本発明第1の実施例の45.1584MHzの半分である。パルス幅変調方式を本発明第1の実施例から変えたので、その結果として、非線形関数ベクトル35の入出力関係も変わってくる。非線形関数ベクトル35の入出力関係の計算式は数4に示す通りであり、本発明第1の実施例と同じである。
この準対称パルス幅変調を用いた場合について、入力信号x[k]を変調率80%の振幅で周波数2.758kHzの正弦波としたときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを調べた。この場合、パルス幅変調が準対称型であることの補償をする必要があるので、先ず、図3に示す方法でパルス幅変調信号を作成してみた。このときのパルス幅変調信号のスペクトルを図17に示す。第2高調波の成分が幾分残っている。第3高調波もわずかに認められるが、本発明第2の実施例においてはこの第2高調波(2次歪)の成分のみを抑制する。そこで、フィードフォワード補償信号を数6に示す入力信号の2乗の形式のものを用い、図1に示す方法でパルス幅変調信号w(t)を生成してみた。このときのパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図18に示す。第2高調波の成分が抑制されていることが見て取れる。
次に、同様のテストをツートーン信号に対して行ってみた。入力信号は、周波数が4.1344kHzの正弦波と5.5125kHzの正弦波の重ねあわせであり、最大変調率は80%である。先ほどと同じ図1に示す方法で作成したパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図19に示す。高調波や相互干渉のスペクトルはノイズフロアに埋もれてしまうほど小さくなっていて、フィードフォワード補償が第2高調波(2次歪)に対してだけであっても、この場合は良好なスペクトルが得られていることが判る。
本発明第3の実施例は、パルス幅変調の方式が相補型であることを除いては、本発明第1の実施例と同じである。すなわち、本発明第3の実施例のパルス幅変調信号発生器についてのブロック線図は図1に示す通りである。図1におけるパルス幅変調器2の動作が本発明第1の実施例と異なり、それにともない、非線形関数ベクトル35の値も本発明第1の実施例と異なる。
図5は相補型パルス幅変調の波形例であり、図1でのパルス幅変調器2における、いくつかの入力の値に対するパルス幅変調信号の1周期分の波形を示している。本発明第3の実施例においては、入力信号の値が-15から15までの31レベルを持つものを使用する。このようなパルス幅変調を行なうことの利点は、パルス幅変調を行なうことによる信号の2次歪を相殺させることができることである。すなわち、入力信号の第2高調波は原理的には発生しない。
パルス幅変調方式を本発明第1の実施例から変えたので、その結果として、非線形関数ベクトル35の入出力関係も変わってくる。非線形関数ベクトル35の入出力関係の計算式は数11に示す通りである。
Figure 2006054800
この相補型パルス幅変調を用いた場合について、入力信号x[k]を変調率82%の振幅で周波数2.758kHzの正弦波としたときのパルス幅変調信号
(数12)
w(t) = w1(t) - w2(t)
のスペクトルを調べた。図7に示す従来の方法で作成したパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを図20に示す。相補型パルス幅変調を用いているので2次の高調波は出ていないが、第3高調波が大きく出ている。図21は、図3に示す方法により生成したパルス幅変調信号w(t)のスペクトルである。第3高調波はかなり低減できているが、まだ少し残っている。そこで、図1に示す方法によりパルス幅変調信号を作成してみた。フィードフォワード補償信号に関しては、第3高調波(3次歪)のみを除去すればよいので、数8に示す入力信号の3乗に比例するものを用いた。図22にパルス幅変調信号w(t)のスペクトルを示す。第3高調波が抑制されて、理想的なスペクトルを有していることが判る。
図23は、図1に示す方法に対して、入力信号を4.1344kHzの正弦波と5.5125kHzの正弦波の重ね合わせであるツートーン信号とした場合のパルス幅変調信号w(t)のスペクトルである。最大変調率は82%である。フィードフォワード補償は先程と同じである。高調波や相互干渉のない良好なスペクトルを持つパルス幅変調信号が作成できていることがわかる。
本発明のパルス幅変調信号発生器を用いることにより、パルス幅変調にともなう信号歪を低減でき、高調波歪や相互干渉歪がほとんどないフルデジタルのオーディオアンプを実現することができる。
本発明を説明する図であり、PCM信号をPWM信号に変換する装置のブロック図。 従来のパルス幅変調歪を低減させる技術を説明するための図であり、PCM信号をPWM信号に変換する装置のブロック図。 従来のパルス幅変調歪を低減させる技術を説明する図であり、PCM信号をPWM信号に変換する装置のブロック図。 相補型パルス幅変調の説明するブロック図。 相補型パルス幅変調信号の波形の例。 対称パルス幅変調信号の波形の例。 従来の一般に用いられているPCM信号をPWM信号に変換する装置のブロック図。 従来の一般的な方法によって生成された量子化信号y[k]のスペクトル。 従来の一般的な方法によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 従来のパルス幅変調歪抑制手法によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 本発明第1の実施例によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 従来の一般的な方法によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。 従来のパルス幅変調歪抑制手法によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。 本発明第1の実施例によって生成されたパルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。 本発明に対する他の実現方法を説明する図であり、PCM信号をPWM信号に変換する装置のブロック図。 準対称パルス幅変調信号の波形の例。 従来のパルス幅変調歪抑制手法によって生成された準対称パルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 本発明第2の実施例によって生成された準対称パルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 本発明第2の実施例によって生成された準対称パルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。 従来の一般的な方法によって生成された相補型パルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。 従来のパルス幅変調歪抑制手法によって生成された相補型パルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 本発明第3の実施例によって生成された準対称パルス幅変調信号w(t)のスペクトル。 本発明第2の実施例によって生成された準対称パルス幅変調信号w(t)のスペクトル(ツートーン信号入力)。
符号の説明
1・・・量子化器
2・・・パルス幅変調器
3・・・ノイズシェーピングフィルタ
31・・・遅延器
32・・・行列
33・・・ベクトル
34・・・ベクトル
35・・・非線形関数ベクトル
36・・・零次ホールド
37・・・サンプラ
38・・・積分器
41,42・・・スイッチングアンプ
5・・・スピーカ
6・・・フィードフォワード補償要素

Claims (4)

  1. パルス幅変調信号を出力信号とし、前記出力信号の低周波成分を離散時間信号である入力信号の低周波成分に比例させるパルス幅変調信号発生器において、パルス幅変調器と量子化器とノイズシェーピングフィルタと高調波抑制非線形要素を持ち、前記ノイズシェーピングフィルタは前記入力信号と前記量子化器の出力を入力とする離散時間フィルタであり、前記高調波抑制非線形要素は前記入力信号を入力とする静的な非線形要素であり、前記量子化器は前記ノイズシェーピングフィルタの出力と前記高調波抑制非線形要素の出力の和を入力とする量子化器であり、前記パルス幅変調器は前記量子化器の出力である離散時間離散値信号を入力とし前記出力信号を出力するものであり、前記ノイズシェーピングフィルタは前記入力信号に対しては線形に作用し前記量子化器の出力からの入力に対しては入出力の関係が線形でない非線形要素を通して作用することを特徴とする低歪パルス幅変調信号発生器。
  2. 請求項1に記載のパルス幅変調信号発生器において、該高調波抑制非線形要素の出力信号の値が該高調波抑制非線形要素の入力信号の値の2乗に比例することを特徴とする低歪パルス幅変調信号発生器。
  3. 請求項1に記載のパルス幅変調信号発生器において、該高調波抑制非線形要素の出力信号の値が該高調波抑制非線形要素の入力信号の値の2乗の値と3乗の値の一次結合であることを特徴とする低歪パルス幅変調信号発生器。
  4. 請求項1に記載のパルス幅変調信号発生器において、該パルス幅変調器は相補型のものであり、該高調波抑制非線形要素の出力信号の値が該高調波抑制非線形要素の入力信号の値の3乗の値に比例することを特徴とする低歪パルス幅変調信号発生器。
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