JP2014225460A - 絶縁被覆電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ易い絶縁被覆電線Wを提供する。【解決手段】絶縁被覆電線Wは、中心導体10と、絶縁被覆20と、を備える。絶縁被覆20は、中心導体10の外周面に密着する通常径部分22と、この通常径部分22以外の部分であって当該絶縁被覆10の軸方向の一部の箇所に形成される曲げ補助部24を有する。曲げ補助部24は、通常径部分22よりも薄肉でかつ通常径部分22よりも大きな内径及び外径を有するように絶縁被覆電線Wの径方向の外側に膨出することにより、中心導体10の外周面から全周にわたり離間する形状であって当該曲げ補助部24の伸び変形により絶縁被覆電線Wの曲げを助ける形状を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車等に配索される絶縁被覆電線に関する。
絶縁被覆電線は、中心導体と、これを被覆する絶縁被覆と、を備える。このような絶縁被覆電線が自動車等に配索される場合、その配索場所に適した形状となるように適当な箇所で曲げられながら使用される。しかしながら、例えば互いに近接するバッテリ端子を接続する電線のように、大電流を流すために大きな径を与えられた電線では、絶縁被覆の剛性が高いために容易に曲げることができず、その配線作業が困難であるという課題を有している。
このような課題を解決するための手段として、特許文献1は、絶縁被覆電線の屈曲予定部の被覆材を除去することと、その被覆材を除去した部分をプロテクタの屈曲部に沿わせながら電線をプロテクタに装着することと、を含む方法を開示する。
前記方法は、屈曲予定箇所における絶縁被覆を除去する作業と、その除去した箇所を当該電線とは別のプロテクタに装着する作業とを要する。これらの作業を配線現場で行うのは極めて面倒であり、配線作業の効率の向上は望めない。かかる不都合は、当該電線の曲げ予定箇所が多いほど深刻となる。
本発明の目的は、面倒な作業及び複雑な構造を要することなく適当な部位を曲げることが可能な絶縁被覆電線を提供することにある。
本発明が提供する絶縁被覆電線は、中心導体と、絶縁性を有する合成樹脂材料からなり、前記中心導体を被覆する絶縁被覆と、を備え、前記絶縁被覆は、その軸方向の一部の箇所に形成される曲げ補助部を有し、この曲げ補助部は、他の部位よりも薄肉でかつその少なくとも一部が前記絶縁被覆電線の径方向の外側に膨出する形状であって当該曲げ補助部の伸び変形により前記絶縁被覆電線の曲げを助ける形状を有するものである。
この絶縁被覆電線は、例えば、中心導体と絶縁性を有する熱可塑性樹脂材料からなって前記中心導体を被覆する絶縁被覆とを有する絶縁被覆電線素材を用意する工程と、前記絶縁被覆電線素材の軸方向の少なくとも一部の箇所の周囲に当該絶縁被覆電線素材の外周面に対して径方向外側に膨出する形状の部分を含む内面を有する金型を配置する工程と、当該金型内において前記絶縁被覆を構成する熱可塑性樹脂材料が軟化する温度まで当該絶縁被覆を加熱した状態で当該絶縁被覆の内側の圧力が前記金型内における当該絶縁被覆の外側の圧力よりも高くなるような圧力差を与えることにより、当該絶縁被覆に、前記金型の内面に沿った形状の曲げ補助部であって、他の部分よりも当該絶縁被覆の肉厚が小さくかつ当該曲げ補助部の伸び変形により前記絶縁被覆電線の曲げを助ける形状の曲げ補助部を形成する工程と、を含む方法により製造される。
前記の曲げ補助部を有する絶縁被覆電線によれば、当該曲げ補助部を構成する薄肉の絶縁被覆の伸び変形により、当該曲げ補助部に対応する箇所での絶縁被覆電線の曲げを容易にすることができる。すなわち、この絶縁被覆電線の曲げ易さは、当該絶縁被覆電線を構成する絶縁被覆そのものに形成された曲げ補助部の伸びにより与えられるので、従来のように当該絶縁被覆の一部を除去する作業やその除去した部位を当該絶縁被覆電線とは別の部材であるプロテクタに装着する作業は不要である。
前記曲げ補助部は、前記絶縁被覆電線の全周にわたって膨出することにより当該曲げ補助部以外の部分よりも大きな内径及び外径を有する少なくとも一つの全周膨出部を含むことが、好ましい。かかる形状の全周膨出部を含む曲げ補助部は、任意の方向についての絶縁被覆電線の曲げ易さを向上させることができる。
さらに、前記曲げ補助部は、前記絶縁被覆電線の軸方向に間欠的に並ぶ複数の位置でそれぞれ全周にわたって膨出することにより当該曲げ補助部以外の部分よりも大きな内径及び外径を有する複数の大径部と、これらの大径部のうち互いに隣接する大径部同士の間に位置して当該大径部の内径及び外径よりも小さな内径及び外径を有する小径部と、を交互に有し、これら大径部及び小径部が全体として蛇腹状をなすものが、より好適である。このように複数の大径部と小径部とが交互に並ぶ部位は、絶縁被覆電線の曲げを許容するために効果的な伸び変形をすることが可能であり、曲げ補助部での曲げ易さをより顕著にする。この場合、前記小径部は、前記絶縁被覆のうちの曲げ補助部以外の部分の外径及び内径と同等の外径及び内径を有していてもよいし、当該曲げ補助部以外の部分の外径及び内径よりも大きな外径及び内径を有していてもよい。
一方、前記の絶縁被覆電線の製造方法によれば、絶縁被覆電線素材の周囲に金型を配置して当該金型内で絶縁被覆を加熱しながらその内外に圧力差を与えるだけで、当該絶縁被覆に好適な曲げ補助部を形成することができる。この方法では、前記金型の内面の形状とこれにより得られる曲げ補助部の形状とが対応しているので、当該金型の内面の形状の設定により、好ましい形状の曲げ補助部を自由に形成することが、可能である。
前記金型内における絶縁被覆の内側の圧力と外側の圧力との間に圧力差を与えるには、当該金型内を排気して減圧してもよいし、当該絶縁被覆電線素材の少なくとも一方の端部から前記金型内で加熱している絶縁被覆の内側に空気等のガスを押し込んでもよい。
以上のように、本発明によれば、面倒な作業及び複雑な構造を要することなく適当な部位を曲げることが可能な絶縁被覆電線が提供される。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明に係る絶縁被覆電線Wを示す。この絶縁被覆電線Wは、中心導体10と、これを被覆する絶縁被覆20と、を備える。前記中心導体10は、高い導電性を有するものであればよく、例えば、銅などの良導電性金属材料からなる単一または複数の素線により構成される。絶縁被覆20は、絶縁性を有する合成樹脂材料からなる。
この絶縁被覆電線Wの特徴として、前記絶縁被覆20は、その軸方向の一部の箇所に曲げ補助部24を有する。この曲げ補助部24は、絶縁被覆20のうちの当該曲げ補助部24以外の部分、すなわち当該絶縁被覆20の内周面が中心導体10の外周面に密着または略密着する通常径部分22よりも薄肉でかつ径方向の外側に膨出する形状であって、その膨出度合いが減る方向への当該曲げ補助部24の伸び変形により、当該曲げ補助部24での前記絶縁被覆電線Wの曲げを許容する形状を有する。
この実施の形態に係る曲げ補助部24は、その全体が全周にわたって径方向に膨出する形状を有するとともに、複数の大径部26と複数の小径部28とを交互に有する蛇腹状をなす。具体的に、前記各大径部26は、前記通常径部分22の内径および外径に比べて顕著に大きな内径及び外径を有する。前記各小径部28は、絶縁被覆電線Wの軸方向に隣り合う大径部26同士の間に位置し、当該大径部26の内径及び外径よりも小さいが前記通常径部分22の内径及び外径よりも大きい内径及び外径を有する。すなわち、この実施形態に係る曲げ補助部24は、その内径及び外径が軸方向について繰り返し増減する形状を有する。この場合、前記各小径部28、すなわち図2に示される断面形状において谷となる部分は、前記通常径部分22の外径および内径と略同等の外径および内径を有するものでもよい。
この絶縁被覆電線Wでは、小さな曲げ荷重で前記曲げ補助部24に曲げ変形を生じさせることができ、このことが配線作業の容易化に寄与する。具体的に、前記曲げ補助部24に対して任意の方向に曲げ荷重を作用させると、その曲げ変形に際して外側となる部分に引張応力が生ずるが、その引張応力に対して大径部26及び小径部28を交互に有する部分は容易に伸び変形するため、小さな曲げ荷重で大きな曲げ変形を得ることができる。
しかも、この絶縁被覆電線Wの曲げ易さは、当該絶縁被覆電線Wを構成する絶縁被覆20そのものに形成された曲げ補助部24の伸びにより与えられるものなので、従来のように当該絶縁被覆の一部を除去する作業やその除去した部位を当該絶縁被覆電線とは別の部材であるプロテクタに装着する作業は不要である。従って、この絶縁被覆電線Wの配線のための作業は飛躍的に容易化される。
この効果は、前記のように大径部26及び小径部28を交互に有する形状において特に顕著であるが、例えば前記曲げ補助部24が単一の膨出部分を有する場合でも、その部分について曲げ易さを向上させることが可能である。この場合も、当該膨出部分は前記絶縁被覆電線Wの全周にわたって膨出することにより通常径部分22よりも大きな内径及び外径を有する全周膨出部であることが好ましい。ただし、絶縁被覆電線Wに対して曲げ易さが求められる方向が特定されている場合には、その曲げ変形の際に外側となる部分にのみ膨出部が形成されていてもよい。
以上説明した絶縁被覆電線Wは、例えば以下の工程を含む方法により、合理的かつ容易に製造されることが可能である。
1)予備工程(絶縁被覆電線素材準備工程)
この工程では、前記の中心導体10と絶縁被覆20とを有する通常の(すなわち絶縁被覆20の肉厚及び径が均一の)絶縁被覆電線素材が準備される。この絶縁被覆電線素材は、通常の被覆電線と同様、例えば押出し成形によって生産されることが可能である。前記絶縁被覆20の材質としては、後の加熱状態での成形のために、絶縁性に加えて熱可塑性を有する樹脂が用いられる。具体的には、架橋ポリエチレン、エチレン−エチルアクリルレート共重合樹脂、サーモプラスチックポリウレタン共重合樹脂、塩化ビニルが好適である。
この工程では、前記の中心導体10と絶縁被覆20とを有する通常の(すなわち絶縁被覆20の肉厚及び径が均一の)絶縁被覆電線素材が準備される。この絶縁被覆電線素材は、通常の被覆電線と同様、例えば押出し成形によって生産されることが可能である。前記絶縁被覆20の材質としては、後の加熱状態での成形のために、絶縁性に加えて熱可塑性を有する樹脂が用いられる。具体的には、架橋ポリエチレン、エチレン−エチルアクリルレート共重合樹脂、サーモプラスチックポリウレタン共重合樹脂、塩化ビニルが好適である。
2)金型配置工程及び曲げ補助部形成工程
これらの工程では、前記絶縁被覆電線素材の軸方向の少なくとも一部の箇所の周囲に、前記曲げ補助部24を形成するための金型が配置され、その状態で曲げ補助部24の形成が行われる。換言すれば、当該金型の内部に前記絶縁被覆電線素材の軸方向の少なくとも一部が配置され、当該金型の内部で前記曲げ補助部24の形成が行われる。この曲げ補助部24の形成は、当該曲げ補助部24の形成箇所における絶縁被覆20の内側の圧力と外側の圧力(すなわち金型内の圧力)との間に前者の圧力の方が低いような圧力差を与えることにより、行われる。このような圧力差を利用した曲げ補助部24の形成は、例えば、次の真空成形またはブロー成形にて行われることが可能である。
これらの工程では、前記絶縁被覆電線素材の軸方向の少なくとも一部の箇所の周囲に、前記曲げ補助部24を形成するための金型が配置され、その状態で曲げ補助部24の形成が行われる。換言すれば、当該金型の内部に前記絶縁被覆電線素材の軸方向の少なくとも一部が配置され、当該金型の内部で前記曲げ補助部24の形成が行われる。この曲げ補助部24の形成は、当該曲げ補助部24の形成箇所における絶縁被覆20の内側の圧力と外側の圧力(すなわち金型内の圧力)との間に前者の圧力の方が低いような圧力差を与えることにより、行われる。このような圧力差を利用した曲げ補助部24の形成は、例えば、次の真空成形またはブロー成形にて行われることが可能である。
2−1)真空成形
この真空成形は、絶縁被覆20の外側空間を減圧することにより前記圧力差を形成するものであり、例えば図3及び図4に示すような上金型30A及び下金型30B(図4は下金型30Bのみ図示)の使用により、実現される。
この真空成形は、絶縁被覆20の外側空間を減圧することにより前記圧力差を形成するものであり、例えば図3及び図4に示すような上金型30A及び下金型30B(図4は下金型30Bのみ図示)の使用により、実現される。
上金型30A及び下金型30Bは、図3及び図4に示す絶縁被覆電線素材W′のうちの曲げ補助部形成部位及びその近傍部位のみを上下から挟みこむ形状を有する。具体的に、両金型30A,30Bの軸方向両端部は、前記絶縁被覆電線素材W′の外周面に対応する断面半円状の半割内周面32をそれぞれ有し、軸方向中央部分は、形成目標となる曲げ補助部24の外側面形状に対応した形状、すなわち、前記大径部26および前記小径部28の膨出寸法に対応した寸法で径方向外向きに膨出する内面36,38を有する。さらに、当該内側面32の複数の箇所(図3及び図4に示す例では前記大径部26に対応する内面36すなわち径方向外向きに大きく膨出する内面)にそれぞれエア吸引孔34がつながり、各エア吸引孔34に図略の真空ポンプが接続されている。また、両金型30A,30Bにはこれらを締結するためのボルトが挿通されるボルト挿通孔39(図4に示される下金型30Bについてのみ図示)が設けられている。
真空成形の際には、前記上金型30A及び前記下金型30Bのうちその軸方向両端部に形成された内周面32のみが前記絶縁被覆電線素材W′の外周面(絶縁被覆20の外周面)に全周にわたり密着するように、両金型30A,30B同士の間に前記絶縁被覆電線素材W′が挟み込まれて両金型30A,30Bが締結される。換言すれば、絶縁被覆電線素材W′の周囲に前記両金型30A,30Bが配置される。
この状態で、例えば前記金型30A,30Bに内蔵されたヒータにより前記絶縁被覆20を構成する熱可塑性樹脂がその軟化温度以上の温度(例えば塩化ビニルでは100°C〜130°C)まで加熱され、さらに、前記真空ポンプが作動して金型30A,30Bの内部のエアを吸引して負圧を形成することにより、当該金型30A,30B内のエアの圧力(すなわち絶縁被覆20のすぐ外側のエアの圧力)Poと絶縁被覆20の内側の圧力Piとの間にPo<Pi(=大気圧)となる圧力差が与えられ、この圧力差により、金型30A,30B内で加熱され軟化した絶縁被覆20が金型30A,30Bの内側面に密着する形状に変形させられ(すなわち金型内周面に対応する形状に膨張させられ)、これにより、通常径部分22よりも薄肉でかつ前記大径部26および小径部28を含む曲げ補助部24が形成される。このようにして、当該曲げ補助部24をもつ絶縁被覆電線Wが製造される。
なお、前記絶縁被覆20の弾性が低くて当該絶縁被覆20と金型内周面32との密着が難しい場合には、両者間に例えばOリングが挟み込まれてもよい。また、両金型30A,30B同士の接合面のシールのためにゴムシートが両金型30A,30Bの間に挟みこまれてもよい。あるいは、絶縁被覆電線素材Wが比較的短い場合には、当該電線素材W全体を密封するような長尺の金型が使用されてもよい。この場合も、当該金型内を排気して減圧すると、絶縁被覆電線素材Wにおける中心導体10での流路抵抗により絶縁被覆20の内側圧力Piと外側圧力Poとの間にPo<Pi(=大気圧)となる圧力差が生ずるので、前記と同様に曲げ補助部24を形成することが可能である。
2−2)ブロー成形
このブロー成形は、前記絶縁被覆20の内側に圧力ガス(例えばエア)を押し込んで当該内側を昇圧することにより、前記圧力差を形成するものであり、例えば図5〜図7に示すような金型装置の使用により、実現される。
このブロー成形は、前記絶縁被覆20の内側に圧力ガス(例えばエア)を押し込んで当該内側を昇圧することにより、前記圧力差を形成するものであり、例えば図5〜図7に示すような金型装置の使用により、実現される。
この金型装置は、中央金型40Aと、その前後に連続して配置される前金型40B及び後金型40Cと、を備え、各金型40A〜40Cはそれぞれ左右に分割された一対の半割型により構成され、各半割型にはこれらを締結するためのボルトが挿通されるボルト挿通孔49が設けられている。
中央金型40Aは、図5及び図6に示す絶縁被覆電線素材W′のうちの曲げ補助部形成部位のみを左右から挟みこむ形状を有する。具体的に、中央金型40Aは、形成目標となる曲げ補助部24の外側面形状に対応した形状の内周面42A、つまり、前記曲げ補助部24に含まれる複数の大径部26および小径部28の膨出寸法に対応した寸法で径方向外向きに膨出する内面46,48を含む内周面、を有する。その一方、前金型40B及び後金型40Cは、前記曲げ補助部24の前後に位置する部分すなわち通常径部分22とされる部分を外側から拘束する形状の内周面、つまり、絶縁被覆電線素材W′の外周面に密着または略密着する径の内周面42B,42Cをそれぞれ有する。
前記後金型42Cには、前記絶縁被覆20の内側にガスを押し込むためのガス供給管50がシール部材52を介して接続され、当該ガス供給管50には圧力ガスを吐出するためのブロアまたはポンプが接続されている。前記シール部材52は、前記後金型40Cの外側端部に配置され、前記ガス供給管50から供給されるガスを絶縁被覆20の内側にのみ導入すべく(すなわち絶縁被覆20の外側への導入を阻止すべく)、絶縁被覆20と中心導体10とに跨ってその端面を覆うように配置される。
ブロー成形の際には、絶縁被覆電線素材W′のうち曲げ補助部24が形成されるべき部位を中央金型40Aが左右から挟みこみ、当該部位の前後の部位を前金型40B及び後金型40Cが左右から挟み込むように、金型装置が配置される。この状態で、例えば前記中央金型40Aに内蔵されたヒータにより前記絶縁被覆20のうち当該中央金型40A内に位置する部位が局所的にその軟化温度以上の温度まで加熱され、さらに、ガス供給管50を通じて絶縁被覆電線素材W′の端部から絶縁被覆20の内側に圧力ガスが押し込まれて当該内側が昇圧されることにより、金型40A〜40C内のエアの圧力(すなわち絶縁被覆20のすぐ外側のエアの圧力)Poと絶縁被覆20の内側の圧力Piとの間にPo(=大気圧)<Piとなる圧力差が与えられ、この圧力差により、中央金型40A内で加熱され軟化した絶縁被覆20が中央金型40Aの内側面42Aに密着する形状に変形させられ(すなわち金型内周面42Aに対応する形状に膨張させられ)、これにより前記大径部26および小径部28を含む曲げ補助部24が形成される。こうして、当該曲げ補助部24
をもつ絶縁被覆電線Wが製造される。
をもつ絶縁被覆電線Wが製造される。
このブロー成形では、圧力ガスの押し込みにかかわらず曲げ補助部24以外の部分(通常径部分22)の形状を保持すべく、図5及び図6に示されるように中央金型40Aに加えて前金型40B及び後金型40Cが用いられることが好ましいが、絶縁被覆20の常温での剛性が比較高くて前記圧力ガスの押し込みによる膨らみが無視できる程度のものであれば、前記前後金型40B,40Cの省略が可能である。あるいは、これらの前後金型40B,40Cは、絶縁被覆電線素材W′をその全長にわたって拘束するものではなく、曲げ補助部24の近傍部位のみ、すなわち、前記中央金型40Aでの加熱による熱的影響を受けて軟化するおそれのある部位のみ、を拘束するものであってもよい。
以上示した製造方法によれば、絶縁被覆電線素材W′の周囲に適当な形状の内面をもつ金型を配置して当該金型内で絶縁被覆20を加熱しながら当該絶縁被覆20の内側と外側との間に圧力差を与えるだけで、当該絶縁被覆20に好適な曲げ補助部24を形成することができる。この方法では、前記金型の内面の形状と、これにより得られる曲げ補助部24の形状とが対応しているので、当該金型の内面の形状の設定により、好ましい形状の曲げ補助部24を自由に形成することが、可能である。換言すれば、要求される形状の曲げ補助部の形成は、その形状に対応した形状の金型を用いることで容易に達成することが可能である。
W 絶縁被覆電線
W′ 絶縁被覆電線素材
10 中心導体
20 絶縁被覆
22 通常径部分
24 曲げ補助部
26 大径部
28 小径部
W′ 絶縁被覆電線素材
10 中心導体
20 絶縁被覆
22 通常径部分
24 曲げ補助部
26 大径部
28 小径部
本発明が提供する絶縁被覆電線は、中心導体と、絶縁性を有する合成樹脂材料からなり、前記中心導体を被覆する絶縁被覆と、を備え、前記絶縁被覆は、押出し成形によって内周面が前記中心導体の外周面に密着するように形成された通常径部分と、この通常径部分以外の部分であって当該絶縁被覆の軸方向の一部の箇所に形成される曲げ補助部を有し、この曲げ補助部は、他の部位よりも薄肉でかつその少なくとも一部が前記絶縁被覆電線の径方向の外側に膨出することにより内周面が前記中心導体の外周面から全周にわたり離間する形状であって当該曲げ補助部の伸び変形により前記絶縁被覆電線の曲げを助ける形状を有するものである。
Claims (2)
- 絶縁被覆電線であって、
中心導体と、
絶縁性を有する合成樹脂材料からなり、前記中心導体を被覆する絶縁被覆と、を備え、
前記絶縁被覆は、前記中心導体の外周面に密着する通常径部分と、この通常径部分以外の部分であって当該絶縁被覆の軸方向の一部の箇所に形成される曲げ補助部を有し、この曲げ補助部は、前記通常径部分よりも薄肉でかつ当該通常径部分よりも大きな内径及び外径を有するように前記絶縁被覆電線の径方向の外側に膨出することにより前記中心導体の外周面から全周にわたり離間する形状であって当該曲げ補助部の伸び変形により前記絶縁被覆電線の曲げを助ける形状を有する、絶縁被覆電線。 - 請求項1記載の絶縁被覆電線であって、前記曲げ補助部は、複数の大径部と、これらの大径部のうち互いに隣接する大径部同士の間に位置して当該大径部の内径及び外径よりも小さな内径及び外径を有しかつ前記通常径部分よりも大きな内径及び外径を有する小径部と、を交互に有し、これら大径部及び小径部が全体として蛇腹状をなす、絶縁被覆電線。
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JPS5912209U (ja) * | 1982-07-15 | 1984-01-25 | 株式会社フジクラ | 可「あ」性ケ−ブル |
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