JP2014225417A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で端子抜け止め用の部材の取り外しが容易なコネクタを提供する。
【解決手段】抜け防止機構27のインナープレート27bを、接合端子6a〜6cの一部に干渉して接合端子6a〜6cのケーブル61a〜61c側への動きを規制する規制部37と、係止部39とで構成し、係止部39を、規制部37を挟み込むように規制部37の両側に離間して設けられ、インナープレート27bの挿入方向と平行に延びる平行部39aと、該平行部39aの挿入方向前方の先端部から規制部37側に延出され、平行部39aと規制部37とを一体に接続する接続部39bと、平行部39aから側方に突出し第2インナーハウジング30の内壁に係止する係止突起39cと、からなり、平行部39aの基端部を規制部37側に移動させ弾性変形させることで、係止突起39cの係止が解除されるように構成している。
【選択図】図12

Description

本発明は、例えば、ハイブリッド車、電気自動車などのエコカーに用いられ、特に、大容量の電力を伝達する際に用いられる電力ハーネスに採用される可能性があるコネクタに関するものである。
近年、著しい進歩を遂げている、例えば、ハイブリッド車、電気自動車などにおいて、モータとインバータとの間、又はインバータとバッテリとの間のように、機器間を接続する大容量の電力を伝達する際に用いられる電力ハーネスは、その一端側には、例えば、第1接合端子と該第1接合端子を収納する第1ターミナルハウジングを備える第1コネクタ部と、前記第1接合端子と接続される第2接合端子と該第2接合端子を収納する第2ターミナルハウジングを備える第2コネクタ部との2分割構成のコネクタが備えられている。
このようなコネクタにおいて、接合端子がケーブルの端部に設けられたものである場合には、ケーブルを引っ張った際に接合端子やケーブルがターミナルハウジングから抜けてしまわないよう、抜け防止機構を備える必要がある。
従来の抜け防止機構として、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、ターミナルハウジングに差し込まれる複数の差込片を連結片で一体化した略櫛形の端子抜け止め具を用いており、この端子抜け止め具をターミナルハウジングの側面に形成された穴に挿入することで、差込片が接合端子の凹部に入り込むなどして、接合端子を固定するように構成されている。この特許文献1では、最外に形成された差込片に窓が形成されており、その窓にターミナルハウジングの内壁に形成された突起を係止することで、端子抜け止め具がターミナルハウジングに固定されるよう構成されている。
特開平9−180803号公報 特許第4905608号公報
しかしながら、上述の特許文献1では、端子抜け止め具をターミナルハウジングに係止(本係止)した後は、最外の差込片とターミナルハウジングの側壁との間にマイナスドライバーを差し込む等しなければ、端子抜け止め具を取り外すことができず、端子抜け止め用の部材を取り外すことが容易ではない。そのため、メンテナンス等を行う際にターミナルハウジングから接合端子やケーブルを容易に取り外すことができず、作業性の観点で問題があった。
特に、シールドの機能をもたせるために金属製のターミナルハウジングを用いる場合、接合端子とハウジングが短絡することを防止するために樹脂成型体からなるインナーハウジングを用いて、ターミナルハウジング内に接合端子やケーブルを保持する必要が生じるが、このとき用いられるインナーハウジングは、小型化のためターミナルハウジングの内壁に当接(あるいは近接)して設けられるのが通常である。よって、特許文献1をそのまま適用してインナーハウジングに対して接合端子を固定するよう構成すると、インナーハウジングの外側への弾性変形はほぼ不可能であるから、端子抜け止め用の部材を取り外すことが実質不可能になってしまう。
なお、インナーハウジングとターミナルハウジングとの間に、インナーハウジングの変形を許容する程度のクリアランスを設けることも考えられるが、この場合、コネクタ全体の大型化に繋がってしまう。また、特許文献1では、端子抜け止め具の最外に位置する差込片は、接合端子の固定用としては不要で省略可能であり、コネクタの小型化という観点において改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、小型で端子抜け止め用の部材の取り外しが容易なコネクタを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、ケーブルの端部に設けられた接合端子が収納されたターミナルハウジングと、前記ターミナルハウジング内に固定されると共に、筒状に形成された本体部を有し、当該本体部の中空部内に前記接合端子と前記ケーブルとを挿入して、前記ターミナルハウジング内で前記接合端子と前記ケーブルとを保持する樹脂成型体からなるインナーハウジングと、前記接合端子と前記ケーブルとが前記インナーハウジングから抜けてしまうこと防止する抜け防止機構と、を備え、前記抜け防止機構は、前記接合端子と前記ケーブルとを前記本体部の中空部内に配置した後に、前記本体部の側面に形成されたインナープレート挿入穴に挿入され、前記接合端子の一部に接触することで前記接合端子に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制するインナープレートを備え、前記インナープレートは、前記インナープレート挿入穴への挿入により前記本体部の中空部内に突出し、前記接合端子の一部に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制する規制部と、該規制部を挟み込むように前記規制部の両側に離間して設けられ、前記インナープレートの挿入方向と平行に延びる平行部と、該平行部の挿入方向前方の先端部から前記規制部側に延出され、前記平行部と前記規制部とを一体に接続する接続部と、前記平行部から側方に突出し前記インナーハウジングの内壁に係止する係止突起と、からなり、前記平行部の基端部を前記規制部側に移動させ弾性変形させることで、前記係止突起の係止が解除されるように構成される係止部と、からなるコネクタである。
前記接合端子と前記ケーブルとを複数備え、前記インナーハウジングの前記本体部は、複数の筒が連なった多連筒状に形成され、当該本体部の各筒に前記接合端子と前記ケーブルをそれぞれ挿入して、複数の前記接合端子と前記ケーブルを整列させて保持するように構成されており、前記インナープレートは、複数の前記規制部が間隔をおいて配置されると共に前記規制部の基端部同士が連結部により一体に接続された櫛状に形成され、その両側の最外に位置する前記規制部と一体に、前記係止部が形成されてもよい。
前記抜け防止機構は、前記接合端子に形成された突起と、該突起に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制する前記インナープレートと、からなってもよい。
前記接合端子は、前記ケーブルの端部から露出された導体をかしめるためのかしめ部と、かしめ部と一体に形成された板状部材とからなり、前記板状部材のかしめ部側の端部に前記抜け防止機構の前記突起が形成されており、前記インナープレートの前記規制部は、前記突起と前記かしめ部間の距離と同等の厚さに形成され、前記突起と前記かしめ部との間に嵌合するように構成されてもよい。
第1接合端子が収納された第1ターミナルハウジングと、前記接合端子である第2接合端子が収納された前記ターミナルハウジングである第2ターミナルハウジングと、を備え、前記両ターミナルハウジングを嵌合させると、前記第1接合端子と前記第2接合端子とが接触して接点が構成され、前記第1ターミナルハウジングに、前記両ターミナルハウジングを嵌合したときに、前記インナープレートを前記インナーハウジングに押さえつけて固定するインナープレート強制固定部を備えてもよい。
前記第1ターミナルハウジング内には、複数の前記第1接合端子が整列されて収納され、前記第2ターミナルハウジング内には、複数の前記第2接合端子が整列されて収納されると共に、複数の絶縁部材が整列されて収納され、前記第1ターミナルハウジングと前記第2ターミナルハウジングとを嵌合させると、前記複数の第1接合端子の一面のそれぞれと前記複数の第2接合端子の一面のそれぞれとが対となるように対面して複数の接点が構成されると共に、前記第1接合端子と前記第2接合端子とが交互に配置され、かつ、前記複数の接点が前記絶縁部材で挟まれた積層構造となるように構成され、隣接する前記絶縁部材を押圧することで、前記複数の第1接合端子及び前記複数の第2接合端子を各接点にて一括して固定し電気的に接続させる接続部材を備えてもよい。
本発明によれば、小型で端子抜け止め用の部材の取り外しが容易なコネクタを提供できる。
本実施の形態に係るコネクタを示す図であり、(a)は断面図、(b)は第1接合端子と第2接合端子と絶縁部材組立体のみを示した斜視図である。 (a)は図1のコネクタの分解斜視図、(b)はその斜視図である。 (a),(b)は、図1のコネクタにおける第1コネクタ部を示す斜視図である。 図3の第1コネクタ部の第1接合端子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は第1接合端子の挿入方向後方から見た平面図である。 図3の第1コネクタ部における第1ターミナルハウジングと第1インナーハウジングの斜視図である。 (a),(b)は、図1のコネクタにおける第2コネクタ部を示す斜視図である。 (a)は、図6の第2コネクタ部において第2ターミナルハウジングを省略した斜視図であり、(b)は、さらに第2インナーハウジングを省略した斜視図である。 図6の第2コネクタ部の第2接合端子およびケーブルを示す斜視図である。 (a),(b)は、図6の第2コネクタ部の第2インナーハウジングを示す斜視図である。 本発明において、インナープレートを示す斜視図である。 図10のインナープレートと第2接合端子とケーブルを抜き出した斜視図である。 (a)は図1(a)の12A−12A線断面図、(b)は図1(a)の12B−12B線断面図である(第1コネクタ部は省略している)。 (a),(b)は、図6の第2コネクタ部の第2ターミナルハウジングを示す斜視図である。 図9の第2インナーハウジングを図13の第2ターミナルハウジングに取り付けたときの斜視図である。 図6の第2コネクタ部の接続部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)はカムの斜視図、(d)はボルトの斜視図である。 (a)は、図6の第2コネクタ部の絶縁部材組立体を示す斜視図であり、(b),(c)は第1絶縁部材の斜視図である。 (a)は、第1絶縁部材と第2接合端子を示す斜視図であり、(b)は、第1絶縁部材と第2接合端子と第1接合端子を示す斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係るコネクタの断面図である。 本発明の一変形例に係るコネクタの断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1,2は、本実施の形態に係るコネクタを示す図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は第1接合端子と第2接合端子と絶縁部材組立体のみを示した斜視図、図2(a)は分解斜視図、図2(b)は斜視図である。
図1,2に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とで構成され、これらコネクタ部2,3を嵌合させることで、複数の電源ラインを一括して接続するためのものである。
より具体的には、コネクタ1は、複数(3つ)の第1接合端子(オス端子)4a〜4cが整列されて収納される第1ターミナルハウジング(オス側ターミナルハウジング)5を有する第1コネクタ部2と、複数(3つ)の第2接合端子(メス端子)6a〜6cが整列されて収納される第2ターミナルハウジング(メス側ターミナルハウジング)7を有する第2コネクタ部3と、第2ターミナルハウジング7内に整列されて収納され、第2接合端子6a〜6c間を絶縁するための複数(4つ)の絶縁部材8a〜8dと、を備えている。
コネクタ1は、第1コネクタ部2の第1ターミナルハウジング5と第2コネクタ部3の第2ターミナルハウジング7とを嵌合させると、その内部において、複数の第1接合端子4a〜4cの一面のそれぞれと複数の第2接合端子6a〜6cの一面のそれぞれとが対(第1接合端子4aと第2接合端子6a、第1接合端子4bと第2接合端子6b、第1接合端子4cと第2接合端子6cの各対)となるように対面し接触して複数の接点が構成されると共に、第1接合端子4a〜4cと第2接合端子6a〜6cとが交互に配置され、かつ、各接点が絶縁部材8a〜8dで挟まれた積層状態となるものである。
コネクタ1では、第1コネクタ部2は、インバータやモータなどの機器のシールドケースに取り付けられ、外部に露出した第1接合端子4a〜4cが機器の電源ラインに電気的に接続される。第2コネクタ部3にはケーブル61a〜61cが接続されており、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とを接続することで、ケーブル61a〜61cと機器の電源ラインとがそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
コネクタ1では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向とが交差する方向に両ターミナルハウジング5,7を嵌合させるよう構成されている。本実施の形態では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向とが直交する方向に両ターミナルハウジング5,7を嵌合させるようにコネクタ1を構成している。なお、コネクタ1では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向は両ターミナルハウジング5,7の嵌合方向と一致しており、第2接合端子6a〜6cの長さ方向はケーブル61a〜61cの延出方向と一致しているので、両ターミナルハウジング5,7の嵌合方向とケーブル61a〜61cの延出方向とが直交している、と換言することもできる。
本実施の形態では、ケーブル61a〜61cが接続される第2コネクタ部3に、本発明の要部である抜け止め機構27(詳細は後述する)を設ける場合を説明する。よって本明細書においては、便宜上、単に接合端子、ターミナルハウジング、インナーハウジングと呼称する場合、それらは、第2接合端子6a〜6c、第2ターミナルハウジング7、第2インナーハウジング30をそれぞれ意味することとする。
なお、例えば、第1コネクタ部2にケーブルを接続するよう構成する場合などは、第1コネクタ部2に抜け止め機構を設けることも可能であるし、両コネクタ部2,3に抜け止め機構を設けることも可能である。つまり、本発明は、両コネクタ部2,3の一方または両方に抜け止め機構を設けたものである。
以下、コネクタ部2,3のそれぞれの構成について詳述する。
[第1コネクタ部]
まず、第1コネクタ部2について説明する。
図1〜5に示すように、第1コネクタ部2は、第1接合端子4a〜4cと、第1ターミナルハウジング5と、第1インナーハウジング10と、を主に備えている。
第1接合端子4a〜4cのそれぞれには、異なる電圧及び/又は電流の電気が送電される。例えば、本実施の形態においては、モータ、インバータ間用の三相交流の電源ラインを想定しており、第1接合端子4a〜4cのそれぞれには、120°位相の異なる交流が送電される。第1接合端子4a〜4cのそれぞれは、コネクタ1での送電ロスを低減するなどの目的のために、導電率の高い銀、銅、アルミニウムなどの金属で構成されるとよい。また、第1接合端子4a〜4cのそれぞれは、多少の可撓性を有する。
第1ターミナルハウジング5は、シールド性能、放熱性、及びコネクタ1の軽量化のために、導電率、熱伝導率が高く軽量なアルミニウムなどの金属で形成されることが好ましいが、樹脂などにより形成するようにしてもよい。本実施の形態においては、第1ターミナルハウジング5をアルミニウムで形成した。
第1インナーハウジング10は、絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PPA(ポリフタルアミド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エポキシ系樹脂)などからなる。
第1接合端子4a〜4cは、第1インナーハウジング10に形成された貫通孔10aに挿入され固定される。第1インナーハウジング10は、第1ターミナルハウジング5に形成された端子取付孔5aを塞ぐように第1ターミナルハウジング5に取り付けられ、これにより、第1接合端子4a〜4cが、第1インナーハウジング10を介して第1ターミナルハウジング5に固定され、第1ターミナルハウジング5内に所定間隔で離間された状態で整列させて保持されるように構成されている。第1インナーハウジング10には、貫通孔10aの周縁から外方に突出する突出部10bが設けられており、これにより、第1接合端子4a〜4cとの接触面積を大きくして、第1接合端子4a〜4cを強固に保持できるように構成されている。
第1ターミナルハウジング5は、横断面が略矩形状の中空の筒状体20と、筒状体20の一方の開口を塞ぐように設けられると共に端子取付孔5aが形成され、筒状体20と一体に設けられる蓋部24と、からなる。蓋部24は、第1コネクタ部2を機器のシールドケースに取り付ける際に、シールドケースの表面に当接する部分であり、フランジ状に形成されている。
筒状体20は、両ターミナルハウジング5,7嵌合させた際に第2ターミナルハウジング7内に収容される。筒状体20の外周には、周方向に沿って溝22が形成されており、この溝22にOリングなどのパッキン(図示せず)を設けることで、両ターミナルハウジング5,7を嵌合した際に第2ターミナルハウジング7との間で防水をとるように構成されている。筒状体20の蓋部24と反対側の端部における外周側の角部は、第2ターミナルハウジング7との嵌合性を考慮してテーパ形状に形成されている。
第1接合端子4a〜4cは、第1ターミナルハウジング5内においてその厚さ方向に整列するように配置されている。本実施の形態では、第1ターミナルハウジング5から外部に露出する部分の第1接合端子4a〜4cを、第1接合端子4a,4cをクランク状に変形させることで、幅方向に整列するように構成している。
図4に示すように、第1接合端子4a,4cは、2つの平行な板状部材60aの端部側面同士をS字状の連結部60bで連結し、厚さ方向、幅方向、長さ方向のいずれの方向から見てもクランク状となるように形成されている。第1接合端子4a,4cは、同じ形状に形成され、第1接合端子4bの厚さ方向および幅方向の中心に対して対称(180度回転対称)となるように配置される。このように構成することで、電源ラインの対称性を損なうことなく端子の配列方向を変換し、機器側の電源ラインとの結線を容易とすることができる。なお、第1ターミナルハウジング5から外部に露出する部分の第1接合端子4a〜4cの形状はこれに限定されるものではなく、機器側の要求に応じて適宜変更可能である。第1接合端子4a〜4cの先端部には、後述する絶縁部材組立体100への挿入を容易とするために、面取り加工が施されている(丸め加工でもよい)。
[第2コネクタ部]
次に、第2コネクタ部3について説明する。
図1,2、および図6,7に示すように、第2コネクタ部3は、内部に3つの第2接合端子6a〜6cを所定間隔で離間された状態で整列させて保持しており、3つの第2接合端子6a〜6cが整列されて収納される第2ターミナルハウジング7と、第2ターミナルハウジング7内に設けられ第2接合端子6a〜6cのそれぞれを絶縁する略直方体形状の複数の絶縁部材8a〜8dと、隣接する絶縁部材8aを押圧することで、複数の第1接合端子4a〜4c及び複数の第2接合端子6a〜6cを各接点にて一括して固定し電気的に接続させる接続部材9とを備える。
第2接合端子6a〜6cの一端側のそれぞれには、モータ側から延びたケーブル61a〜61cが接続されている。ケーブル61a〜61cは、導体62の外周に絶縁層63を形成してなる。本実施の形態においては、断面積が20mm2の導体62を用いた。
第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、コネクタ1での送電ロスを低減するなどの目的のために、導電率の高い銀、銅、アルミニウムなどの金属で構成されるとよい。また、第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、多少の可撓性を有する。
第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、図8に示すように、ケーブル61a〜61cの先端部から露出された導体62をかしめるためのかしめ部45と、かしめ部45と一体に形成された板状部材46とを有し、板状部材46の基端部(かしめ部45との接続部分)をS字状に折り曲げてクランプ状に形成されている。板状部材46には、板状部材46の基端部における幅方向の両端部から上方(あるいは下方)に突出するように突起27aが形成されている。この突起27aは、後述する抜け防止機構27を構成するものである。第2接合端子6a〜6cの先端部には、絶縁部材8b〜8dへの挿入を容易とするために、面取り加工が施されている(丸め加工でもよい)。
図6,7に示すように、第2コネクタ部3は、第2ターミナルハウジング7内に固定されると共に、筒状に形成された本体部30aを有し、当該本体部30aの中空部内に第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cとを挿入して、第2ターミナルハウジング7内で第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cとを保持する樹脂成型体からなる第2インナーハウジング30を備えている。
本実施の形態では、第2インナーハウジング30の本体部30aは、複数の筒が連なった多連筒状に形成され、当該本体部30aの各筒に第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cをそれぞれ挿入して、複数の第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cを整列させて保持するように構成されている。第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cは、第2インナーハウジング30を介して、第2ターミナルハウジング7に固定される。このとき、第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3とを嵌合させたときに、第2接合端子6a〜6cのそれぞれと対となるように対面する(即ち、接続対象の)第1接合端子4a〜4cのそれぞれの下方(接続部材9と反対側)に位置するように位置決めして保持される。
第2インナーハウジング30は、第2接合端子6a〜6cのそれぞれを互いに絶縁して短絡を防止すべく、絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PPA(ポリフタルアミド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エポキシ系樹脂)などからなる。この第2インナーハウジング30により、第2接合端子6a〜6cのそれぞれに接続されたケーブル61a〜61cのそれぞれが可撓性に優れたケーブルであっても、第2接合端子6a〜6cのそれぞれを所定の位置に保持することができる。つまり、本実施の形態では、ケーブル61a〜61cとして可撓性に優れたケーブルを用いることができるので、ケーブル61a〜61cを敷設する際の配線自由度を向上できる。
図9に示すように、第2インナーハウジング30は、一方が開放された角筒を3つ連続させた多連筒状に形成され、全体として直方体形状に形成される本体部30aと、本体部30aの側端部からケーブル61a〜61cの挿入方向に延びる板状の平行部30bと、平行部30bの先端部から直交して延びる板状の垂直部30cと、を有し、本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面と、平行部30bと、垂直部30cとに囲まれた空間30dに絶縁部材8a〜8dを収容するように構成されている。
また、平行部30bの下端部、より詳細には、平行部30bの下端部であって、本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面と交差する角部、および垂直部30cと平行部30bと交差する角部には、最外に位置する第1絶縁部材8dの連結溝82(後述する)に挿入され、絶縁部材組立体100(後述する)の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うための位置決め用突起30hがそれぞれ形成されている。
本体部30aのケーブル61a〜61cの挿入方向前方の面には、第2接合端子6a〜6cを挿入する(本体部30a内から第2接合端子6a〜6cの先端部を露出させる)ための端子挿入孔30eが形成されている。また、本体部30aの上面と下面(ケーブル61a〜61cの配列方向の両側面)には、第2インナーハウジング30を第2ターミナルハウジング7に係止して固定するための係止突起30fが形成されている。
本実施の形態では、端子挿入孔30eに第2接合端子6a〜6cを挿入することで、第2インナーハウジング30で第2接合端子6a〜6cを直接保持し、第2接合端子6a〜6cの位置決めを行っているが、これに限らず、ケーブル61a〜61c(より詳しくは、第2接合端子6a〜6cに近い位置であってケーブル61a〜61cの端部側)を保持することで、第2接合端子6a〜6cの位置決めを行うよう構成することも可能である。なお、接続部材9の押圧による第2接合端子6a〜6cの変形を抑制するために、端子挿入孔30eの大きさを第2接合端子6a〜6cの大きさよりも若干大きく形成することが好ましい。
ここで、本発明の要部である抜け防止機構について説明する。
図1(a)および図9〜12に示すように、第2コネクタ部3は、ケーブル61a〜61cが引っ張られた場合であっても、第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cとが第2インナーハウジング30から抜けてしまうことを防止する抜け防止機構27を備えている。
抜け防止機構27は、第2接合端子6a〜6cとケーブル61a〜61cとを本体部30aの中空部内に配置した後に、本体部30aの側面に形成されたインナープレート挿入穴30gに挿入され、第2接合端子6a〜6cの一部に接触することで第2接合端子6a〜6cに干渉して第2接合端子6a〜6cのケーブル61a〜61c側への動きを規制するインナープレート27bを備える。
本実施の形態では、抜け防止機構27を、第2接合端子6a〜6cに形成された突起27aと、該突起27aに干渉して第2接合端子6a〜6cのケーブル61a〜61c側への動きを規制するインナープレート27bと、で構成した。なお、これに限らず、例えば、第2接合端子6a〜6cに形成した切欠にインナープレート27bを挿入することで第2接合端子6a〜6cの動きを規制するなど、第2接合端子6a〜6cとインナープレート27bの係止構造は適宜変更可能である。
本実施の形態では、突起27aは、第2接合端子6a〜6cのそれぞれの基端部(ケーブル61a〜61cの近傍)に形成される。本実施の形態では、板状部材46のかしめ部45側の端部に突起27aを形成した。
インナープレート27bは、インナープレート挿入穴30gへの挿入により本体部30aの中空部内に突出し、突起27aに干渉して第2接合端子6a〜6cのケーブル61a〜61c側への動きを規制する板状の規制部37を備えている。本実施の形態では、インナープレート27bは、多連筒状の本体部30aの各筒内に突出するように複数(ここでは3つ)の規制部37を備えており、複数(3つ)の規制部37が間隔をおいて配置されると共に規制部37の基端部(挿入方向後方の端部)同士が連結部38により一体に接続され、略櫛状に形成されている。
また、インナープレート27bは、第2インナーハウジング30の内壁に係止してインナープレート27bを第2インナーハウジング30に固定する係止部39を備えている。
係止部39は、規制部37を挟み込むように規制部37の両側に離間して設けられ、インナープレート27bの挿入方向と平行に延びる平行部39aと、該平行部39aの挿入方向前方の先端部から規制部37側に延出され、平行部39aと規制部37とを一体に接続する接続部39bと、平行部39aから側方に突出しインナープレート挿入穴30g周縁の第2インナーハウジング30の内壁に係止する係止突起39cと、からなる係止部39を備えている。係止部39では、平行部39aの基端部を規制部37側に移動させ弾性変形させることで、係止突起39cの第2インナーハウジング30への係止を解除し、インナープレート27bを第2インナーハウジング30から取り外せるように構成されている。係止部39は、両側の最外に位置する規制部37と一体に形成される。
本実施の形態では、平行部39aをなるべく長くして弾性変形し易いようするために、平行部39aを規制部37と同じ長さに形成し、平行部39aと隣接する規制部37の先端部同士を接続部39bで接続する構成としたが、例えば、平行部39aを規制部37よりも短くし、平行部39aの先端部と規制部37の側面とを接続部39bにより接続するように構成してもよい。なお、平行部39aは、規制部37に対して完全に平行でなくてもよく、規制部37に対して多少(−10°〜10°程度)傾いていてもよい。
また、本実施の形態では、係止突起39cは、インナープレート挿入穴30g周縁の第2インナーハウジング30の内壁に係止するよう構成される。係止突起39cは、平行部39aの基端部の近傍に設けられ、インナープレート挿入穴30gへ挿入し易いように、その挿入方向前方がテーパ状に形成されている。本実施の形態では、平行部39aの先端部に接続部39bを設け、平行部39aの基端部近傍に係止突起39cを設けているため、平行部39aの弾性変形を最小限としつつも係止突起39cの動きを大きくでき、少ない力で容易に係止突起39cの係止を解除できるようになっている。
さらに、本実施の形態では、インナープレート27bの規制部37は、第2接合端子6a〜6cの突起27aとかしめ部45間の距離と同等の厚さ(若干薄い厚さ)に形成され、突起27aとかしめ部45との間に嵌合するように構成されている。インナープレート27bの規制部37と、第2接合端子6a〜6cの突起27aとかしめ部45との間のクリアランスを少なくすることで、第2接合端子6a〜6cのがたつきを抑え、第2接合端子6a〜6cをしっかりと固定することが可能になる。規制部37と突起27aやかしめ部45との間のクリアランスを少なくすると、規制部37を突起27aとかしめ部45間に嵌合する際に挿入しにくくなるので、規制部37の先端の角部を面取りあるいは丸め加工することにより、規制部37の突起27aとかしめ部45間への嵌合を容易とすることがより望ましい。
なお、ここでは規制部37が各第2接合端子6a〜6cの一方の突起27aのみ(インナープレート挿入穴30gに近い側の突起27aのみ)を係止するように構成しているが、規制部37を延長し、両方の突起27aを係止するように構成することも勿論可能である。
本実施の形態では、連結部38の挿入方向後方の面(以下、上面という)と、係止部39の上面を一致させており、かつ、その両者の上面が第2インナーハウジング30の側面(インナープレート挿入穴30gを形成した面)と一致するように構成している。これにより、インナープレート27bが第2インナーハウジング30から突出しなくなるので、作業者が誤って係止部39に触れるなどして意図せずにインナープレート27bが脱落してしまうことを防止できる。
なお、これに限らず、連結部38と係止部39の上面を第2インナーハウジング30の側面から突出するように形成することも可能である。この場合、作業者が誤って係止部39に触れてしまうおそれはあるものの、突出した係止部39を操作することで容易にインナープレート27bを取り外すことが可能になる。
また、連結部38と係止部39の上面は一致していなくてもよい。ただし、この場合、連結部38の上面よりも係止部39が突出していると、作業時に引っかかるなどして係止部39が破損する可能性が高くなるため、係止部39よりも連結部38の方が突出していることが望ましい。
インナープレート27bは、第2接合端子6a〜6cの短絡を防止するために、絶縁性樹脂(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PPA(ポリフタルアミド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エポキシ系樹脂)からなる。なお、補強のために、金属を一部(ただし、第2接合端子6a〜6cと接触しない部分に限る)含んだ複合材を用いることも可能である。
図1,6,13に示すように、第2ターミナルハウジング7は、一方が開口した横断面が略矩形状の中空の筒状体36からなり、その筒状体36の開口に第1ターミナルハウジング5が挿入され嵌合されるように構成されている。筒状体36の側面(図13における右側の側面)には、ケーブル61a〜61cが挿入される筒状のケーブル挿入部36aが一体に形成されている。筒状体36の中空部とケーブル挿入部36aの中空部とは、ケーブル61a〜61cを通す3つの矩形状の挿通孔36fを介して連通するようにされ、ケーブル61a〜61cがケーブル挿入部36aの中空部、および挿通孔36fを通って筒状体36の内部へと挿入されるようになっている。第1ターミナルハウジング5の挿入方向と、ケーブル61a〜61cの挿入方向は直交している。
図示していないが、第2ターミナルハウジング7から引き出されたケーブル61a〜61cには、シールド性能の向上を目的とした編組シールドが巻き付けられていてもよい。この編組シールドは、例えば、第2ターミナルハウジング7を介して第1ターミナルハウジング5に電気的に接続され、接地電位とするとよい。
さらに、図示していないが、ケーブル61a〜61cが引き出されるケーブル挿入部36aの外周には、ケーブル挿入部36aや筒状体36内への水の浸入を防止するゴムブーツが被せられる。
また、筒状体36の上部(図13における上側)には、接続部材9を挿入するための接続部材挿入孔26が形成される。接続部材挿入孔26の周縁の第2ターミナルハウジング7は筒状(中空円筒状)に形成されている。
筒状体36の接続部材挿入孔26と対向する位置の内周面には、接続部材挿入孔26側に突出する直方体形状の台座87が設けられている。コネクタ1では、接続部材9と台座87との間に積層構造を挟持し接続部材9を台座87側押し込んで積層構造に押圧力を加えることにより、各接点に押圧力を加えることになる。また、筒状体36の内周面には、第2インナーハウジング30の係止突起30fを係止して第2インナーハウジング30を筒状体36に固定するための係止溝36cが形成されている。
図14に示すように、第2インナーハウジング30は、その本体部30aが台座87のケーブル挿入部36a側に配置され、その平行部36bが台座87の上を通り、台座87のケーブル挿入部36aと反対側に垂直部30cが位置するように配置される。第2インナーハウジング30を第2ターミナルハウジング7内に取り付けると、第2インナーハウジング30の位置決め用突起30hが台座87上に載置された状態となる。
第2ターミナルハウジング7は、シールド性能、放熱性、及びコネクタ1の軽量化のために、導電率、熱伝導率が高く軽量なアルミニウムなどの金属で形成されることが好ましいが、樹脂などにより形成するようにしても良い。本実施の形態においては、筒状体36をアルミニウムで形成した。
また、第2コネクタ部3では、ケーブル61a〜61cの揺れが接点に伝って第1接合端子4a〜4cや第2接合端子6a〜6cに摩耗が生じないように、ケーブル61a〜61cを第2ターミナルハウジング7に固定している。
具体的には、図7に示すように、ケーブル61a〜61cを挟持する孔50aを設けた2分割構造のテールプレート50でケーブル61a〜61cを挟み込み、そのテールプレート50に設けた爪50bをケーブル挿入部36aに設けた溝36d(図13参照)に係止することで、テールプレート50を介して、ケーブル61a〜61cをケーブル挿入部36aに固定するように構成した。本実施の形態では、より強固にケーブル61a〜61cを固定するために、2つのテールプレート50を用いたが、1つでもよい。テールプレート50は、挿通孔36f(図13(a)参照)の周囲の壁により筒状体36の内側への動きが規制されており、ケーブル61a〜61bが無理に筒状体36の内側に押し込まれることを防止する役割も果たしている。さらに、テールプレート50は、ケーブル61a〜61cを伝って第2ターミナルハウジング7内に水が浸入するのを防止する役割も果たしている。
図1,6,7に示すように、複数の絶縁部材8a〜8dは、第2ターミナルハウジング7内に整列されて収納されると共に複数の第2接合端子6a〜6cの他面(第1接合端子4a〜4cと接合される面と反対側の面)のそれぞれに一体的に設けられる複数の第1絶縁部材8b〜8dと、複数の第1接合端子4a〜4cと複数の第2接合端子6a〜6cとが積層状態となったときに最外(図1,6,7では最も上側)に位置する第1接合端子4aの他面(第2接合端子6aと接合される面と反対側の面)と対向するように設けられる第2絶縁部材8aとからなる。
本実施の形態に係るコネクタ1では、各絶縁部材8a〜8dをそれぞれ連結し、各絶縁部材8a〜8d同士の積層構造の積層方向に対して垂直な方向の動きを規制する絶縁部材規制手段101を有する絶縁部材組立体100を構成している。絶縁部材規制手段101は、積層構造の積層方向をZ軸とする直交座標系を考えたとき、各絶縁部材8a〜8d同士のXY面内の動きを規制するように構成されている。
絶縁部材組立体100には、直交する方向に挿入される両接合端子4a〜4c,6a〜6cを挿入するための孔、すなわち、第1接合端子4a〜4cを挿入するための第1端子挿入孔102と、第2接合端子6a〜6cを挿入するための第2端子挿入孔103が形成されている。第1端子挿入孔102は、隣接する絶縁部材8a〜8d間に形成され、第2端子挿入孔103は各第1絶縁部材8b〜8dに形成される。絶縁部材組立体100の詳細は後述する。
図15に示すように、接続部材9は、カム9aとボルト9bとからなる。カム9aは、下方のみに開口する円筒状に形成されると共に、その上面に異形孔(ここでは星形の穴)9cが形成されており、レンチなどの工具を嵌合させて回動できるようになっている。カム9aの側面には、第2ターミナルハウジング7内に水が浸入するのを防止するOリングなどのパッキン14(図1(a)参照)を収容する溝9hが形成されている。カム9aの下部(溝9hを形成する位置も含む)はフランジ状に拡径されており、図1(a)に示すように、第2ターミナルハウジング7の接続部材挿入孔26内にカム9aを挿入し、接続部材挿入孔26の内周面に形成された溝26aにリング状の固定部材26bを嵌め込み固定することで、フランジ部分が固定部材26bに干渉してカム9aの外側への動きを規制するようにし、第2ターミナルハウジング7と固定部材26bとの間でカム9aを回転自在に保持するようになっている。
カム9aの中空部内には、ボルト9bの上部が挿入される。ボルト9bは、下方のみに開口する円筒状に形成され、その周方向の対向する位置から外方に突出するように凸部9dが形成されている(図15(d)参照)。ボルト9bの下部はフランジ状に拡径されており、そのフランジ部分に形成された切欠9eを第2ターミナルハウジング7に形成された上下に延びる直線上の突起36e(図13(a)参照)にスライド自在に係合することで、カム9aの回転と共に回転することなく、上下方向にスライド可能とされている。
カム9aの中空部内における上面の周縁部には、周方向に沿って徐々に下方に突出するスロープ9fが形成されている。スロープ9fは、ボルト9bの2つの凸部9dに対応するように、カム9aの回転軸に対して180度回転対称の位置に2つ形成されている。スロープ9fの下方に突出する側の端部には、ボルト9bの凸部9dに干渉してカム9aの過回転を防止するストッパ9gが設けられている。
この接続部材9では、カム9aを回転させると、スロープ9fがボルト9bの凸部9dに干渉してボルト9bを第2絶縁部材8a側に移動させて第2絶縁部材8aを押圧するようになっている。このように構成することで、作業者が回動させるカム9aが常に一定の位置にあり上下に動かなくなるので、作業性が向上する。
カム9aおよびボルト9bとしては、例えば、SUS、鉄、銅合金などの金属からなるものを用いるとよい。なお、カム9aやボルト9bとして樹脂製のものを用いてもよいが、強度の観点からは、金属製のものを用いることが好ましい。
また、接続部材9のボルト9bとその直下の第2絶縁部材8aの上面との間には、第2絶縁部材8aに所定の押圧力を付与する弾性部材15が設けられる。本実施の形態では、ボルト9bの中空部に弾性部材15の上部を収納するようにした。これは、弾性部材15の長さがある程度長い場合であっても、ボルト9bと第2絶縁部材8a間の間隔を短くし、コネクタ1を小型化するための工夫である。弾性部材15は、金属(例えば、SUSなど)製のバネで構成される。なお、本実施の形態において、弾性部材15は、接続部材9の一部という位置付けである。
弾性部材15の下部が当接する第2絶縁部材8aの上面には、弾性部材15の下部を覆う(収納する)凹部16が形成され、凹部16の底部(即ち、弾性部材15の下部が当接する座の部分)には、弾性部材15を受けて絶縁性樹脂からなる第2絶縁部材8aの損傷を防止する金属(例えば、SUSなど)製の受け部材17が設けられる。
受け部材17は、弾性部材15から第2絶縁部材8aの上面に加わる応力を分散することで第2絶縁部材8aの損傷を防止するためのものである。そのため、受け部材17と第2絶縁部材8aとの接触面積をできるだけ大きくすることが好ましい。本実施の形態では、受け部材17と第2絶縁部材8aとの接触面積を大きくすべく、凹部16の底部全面に亘って接触するような形状の受け部材17を設けた。
[第1コネクタ部と第2コネクタ部との接続]
両ターミナルハウジング5,7を嵌合させると、第1接合端子4a〜4cのそれぞれが第1端子挿入孔102に挿入され、対となる第2接合端子6a〜6cのそれぞれと絶縁部材8a〜8dとの間に挿入される。そして、該挿入により、複数の第1接合端子4a〜4cの一面のそれぞれと複数の第2接合端子6a〜6cの一面のそれぞれとが対となるように対面すると共に、第1接合端子4a〜4c、第2接合端子6a〜6c、及び絶縁部材8a〜8dとが交互に配置される、即ち、絶縁部材8a〜8dが対となる第1接合端子4a〜4c及び第2接合端子6a〜6cを挟むように配置される積層状態となる。
このとき、第2コネクタ部3の内部において、第1絶縁部材8b〜8dのそれぞれが、所定間隔で離間させた状態で整列させて保持されている第2接合端子6a〜6cの先端側に設けられているため、各絶縁部材8b〜8dの間隔を保持するための保持用治具等を別途設けなくても、各絶縁部材8b〜8dの間隔を保持することができるようになる。これにより、第1接合端子4a〜4cのそれぞれを、対となる第2接合端子6a〜6cのそれぞれと絶縁部材8a〜8dとの間に容易に挿入することができる。即ち、第1接合端子4a〜4cの挿抜性を低下させることがない。また、絶縁部材8b〜8dの間隔を保持するための保持用治具を設けなくてもよい分、従来に比べて更なる小型化を実現できる点において、非常に有効である。
また、第1接合端子4aと第2接合端子6aに係る接点が、第2絶縁部材8aと、接点を構成する第2接合端子6aに設けられた第1絶縁部材8bとにより挟み込まれる。同様に、第1接合端子4b(又は4c)と第2接合端子6b(又は6c)に係る接点が、接点を構成する第2接合端子6b(又は6c)に設けられた第1絶縁部材8c(又は8d)と、他の接点を構成する第2接合端子6a(又は6b)に設けられた第1絶縁部材8b(又は8c)とにより挟み込まれる。
この状態でレンチ等の工具で接続部材9のカム9aを回動させ、カム9aを下方に押し込むと、弾性部材15によって第2絶縁部材8a、第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8c、第1絶縁部材8dの順に押圧されていき、接点のそれぞれが絶縁部材8a〜8dのいずれか2つによって挟み込まれるように押圧されて各接点に対して押圧力が付与され、接点のそれぞれが互いに絶縁された状態で接触される。このとき、第1接合端子4a〜4cのそれぞれと第2接合端子6a〜6cのそれぞれは、絶縁部材8a〜8dからの押圧によって多少撓み広範囲で接触されることとなる。これにより、車両などの振動を発生させる環境においても、接点のそれぞれが強固に接触して固定される。
[絶縁部材組立体]
次に、絶縁部材組立体100について詳細に説明する。
図1,7,16に示すように、絶縁部材組立体100は、各絶縁部材8a〜8dを積層方向に順次連結して構成される。つまり、絶縁部材組立体100は、第2絶縁部材8aと第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8bと第1絶縁部材8c、第1絶縁部材8cと第1絶縁部材8dをそれぞれ連結して構成される。
絶縁部材組立体100では、絶縁部材規制手段101は、各絶縁部材8a〜8dを連結したときに、各絶縁部材8a〜8d同士の積層方向と垂直方向の動きを規制するようにされる。絶縁部材組立体100では、接続部材9による押圧力を各接点に伝えるために、各絶縁部材8a〜8dは積層方向に相対的に移動可能に連結される。
絶縁部材規制手段101は、積層方向に隣り合う絶縁部材8a〜8dの一方に設けられ隣り合う絶縁部材8a〜8dの他方に向かって突出する複数の連結片81と、隣り合う絶縁部材8a〜8dの他方に複数の連結片81に対応するように設けられ、複数の連結片81を積層方向にスライド自在に収容する複数の連結溝82と、を備えている。
本実施の形態では、絶縁部材8a〜8dを、その積層方向から見た形状が略矩形状となるように形成し、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部のうち少なくとも2箇所に、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成するようにした。ここでは、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部それぞれに、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成する場合を説明する。
絶縁部材組立体100では、第1絶縁部材8b〜8dには、第1絶縁部材8b〜8dの幅方向の4つの隅部から、当該第1絶縁部材8b〜8dが設けられる第2接合端子6a〜6cを挟んで対向する絶縁部材8a〜8c(第1絶縁部材8bでは第2絶縁部材8a、第1絶縁部材8cでは第1絶縁部材8b、第1絶縁部材8dでは第1絶縁部材8c)に延びる連結片81がそれぞれ一体に形成される。
また、第1絶縁部材8b〜8dと対向する(第1絶縁部材8b〜8dが設けられる第2接合端子6a〜6cを挟んで対向する)絶縁部材8a〜8cには、絶縁部材8a〜8cの両側面に、連結片81を積層方向にスライド自在に収容する連結溝82がそれぞれ形成される。本実施の形態では、複数の第1絶縁部材8b〜8dを同じ形状に形成し、最外に位置する第1絶縁部材8dにも、連結溝82を形成した。また、本実施の形態では、連結片81と連結溝82を、積層方向から見て略矩形状に形成した。
複数の第1絶縁部材8b〜8dを同じ形状に形成することにより、部品点数を削減し低コスト化が可能になると共に、最外に位置する第1絶縁部材8dに形成された連結溝82を利用して、絶縁部材組立体100の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うことが可能になる。本実施の形態では、第1絶縁部材8dの連結溝82に、第2ターミナルハウジング7内に備えられた位置決め用突起30h(図9,14参照)を挿入することで、絶縁部材組立体100の第2ターミナルハウジング7に対する位置決めを行うようになっている。なお、本実施の形態では、位置決め用突起30hを第2インナーハウジング30に形成したが、第2ターミナルハウジング7に直接形成することも勿論可能である。
第1絶縁部材8bの連結片81を第2絶縁部材8aの連結溝82に、第1絶縁部材8cの連結片81を第1絶縁部材8bの連結溝82に、第1絶縁部材8dの連結片81を第1絶縁部材8cの連結溝82にそれぞれ収容することで、各絶縁部材8a〜8dは、積層方向に相対的に移動可能な状態で連結され、絶縁部材組立体100が構成される。
また、絶縁部材組立体100では、絶縁部材8a〜8dを連結(積層)したときに、連結片81の先端(上端)が連結溝82の上面で規制されて、絶縁部材8a〜8d同士の間隔が所定の間隔(最小積層間隔という)よりも狭くならないよう規制されるようになっている。
この最小積層間隔は、接点を構成する第1接合端子4a〜4cと第2接合端子6a〜6cの合計厚さ(接点厚さという)よりも、若干小さい間隔となるように調整される。最小積層間隔が接点厚さよりも大きいと、接続部材9による押圧力が接点に伝わらず、また最小積層間隔を小さくし過ぎると、何らかの理由で第2接合端子6a〜6cが変形するなどした際に、絶縁部材8a〜8dの積層方向の位置ずれが大きくなりすぎ、嵌合性が悪化するなどの不具合が発生するためである。最小積層間隔の調整は、連結片81と連結溝82の積層方向の長さの差を調整することで行うことができる(例えば、連結溝82の長さに対して連結片81を長くしていくと、最小積層間隔が長くなる)。
図17(a)に示すように、第1絶縁部材8b〜8dの4つの連結片81は、第2接合端子6a〜6cの長さ方向から見て略Γ字状、あるいは略左右反転させたΓ字状に形成されており、内側に向かって開口するコの字状の嵌合溝83が形成されている。この嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを挿入することで、第1絶縁部材8b〜8dが第2接合端子6a〜6cに係止され固定されるようになっている。つまり、連結片81は、絶縁部材8a〜8d同士を連結する役割と、第2接合端子6a〜6cに係止する役割を兼ねており、その嵌合溝83が第2端子挿入孔103となっている。
他方、図1(b)および図17(b)に示すように、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させたときには、第2ターミナルハウジング7の開口に臨む位置(第1接合端子4a〜4cの挿入側)に形成される連結片81の間に、第1接合端子4a〜4cが挿入される。つまり、第2ターミナルハウジング7の開口に臨む位置に形成される連結片81は、第1接合端子4a〜4cの先端部をガイドし位置決めを行う役割も兼ねており、また、第2接合端子6a〜6cと絶縁部材8a〜8cとの間であって、かつ、両連結片81に挟まれた開口が第1端子挿入孔102となる。
本実施の形態では、図17(a),(b)に示すように、複数の第1絶縁部材8b〜8dに、第2接合端子6a〜6cの第1接合端子4a〜4cの挿入側の端面を覆い、第2接合端子6a〜6cと絶縁部材8a〜8cとの間に第1接合端子4a〜4cを挿入する際に両接合端子4a〜4c,6a〜6cが衝突することを防止する衝突防止用壁84を一体に形成し、各衝突防止用壁84の角部に、第1接合端子4a〜4cの挿入を容易とするための面取り加工(または丸め加工)を施すようにした。同様の面取り加工(または丸め加工)が、衝突防止用壁84と対向する位置の絶縁部材8a〜8c(つまり、絶縁部材8a〜8cの接続部材9と反対側でかつ第1接合端子4a〜4cの挿入側の角部)にも形成される。本実施の形態では省略しているが、連結片81の第1端子挿入孔102側の角部にも面取り加工または丸め加工を施し、第1接合端子4a〜4cの挿入をより容易としてもよい。衝突防止用壁84は、その上面が第2接合端子6a〜6cの上面と同一面となるように形成される。
第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに設けることで、第1絶縁部材8b〜8dが、第2接合端子6a〜6c、第2インナーハウジング30を介して第2ターミナルハウジング7に保持されることとなり、第1絶縁部材8b〜8dの第1ターミナルハウジング5に対する位置決めがなされる。第1ターミナルハウジング5に対する位置決めがなされた状態では、連結片81の先端と連結溝82の上面との間には隙間が形成され、第1絶縁部材8b〜8d同士が積層方向に相対的に移動可能となっている。なお、このとき、各絶縁部材8a〜8dは、第2インナーハウジング30の本体部30aと平行部30bと垂直部30cとに囲まれた空間30dに収容されることになる(図9,14参照)。
嵌合溝83の積層方向の幅(コの字状の開口の幅)は、第2接合端子6a〜6cの厚さよりも若干大きく形成される。これにより、嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを嵌合したときに、嵌合溝83と第2接合端子6a〜6cの間に隙間(クリアランス)が形成されるようになり、第1絶縁部材8b〜8dが、第2接合端子6a〜6cに対してがたつきを持たせて設けられることになる。第1絶縁部材8b〜8dを、第2接合端子6a〜6cに対してがたつきを持たせて設けることにより、第1絶縁部材8b〜8dの位置が多少ずれた場合でも、第1絶縁部材8b〜8dが柔軟に移動可能となるので、第1接合端子4a〜4cが第1絶縁部材8b〜8dに突き当たる等して、嵌合性が悪化することを防止できる。また、嵌合溝83と第2接合端子6a〜6cの間に隙間(クリアランス)を形成することにより、第2接合端子6a〜6cを嵌合溝83に容易に嵌合させることが可能になる。なお、本実施の形態では省略しているが、第2接合端子6a〜6cの嵌合溝83への嵌合を容易とするために、嵌合溝83の周縁(および第2接合端子6a〜6c挿入側の第1絶縁部材8b〜8dの角部)に面取り加工あるいは丸め加工を施すようにしてもよい。
また、第1絶縁部材8b〜8dでは、その第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側の2つの連結片81間を連結するように、連結壁85が一体に形成されている。連結壁85は、嵌合溝83の第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側を塞ぐように第1接合端子4a〜4cの挿入方向と平行に設けられ、連結片81の機械的強度を向上させると共に、この連結壁85に第2接合端子6a〜6cの先端を当接させることで、第2接合端子6a〜6cの位置決めおよび過挿入を防止する役割を果たしている。また、連結壁85は下方に延長されて連結溝82の第2接合端子6a〜6cの挿入側と反対側を覆うように構成されており、連結溝82に連結片81を挿入した際の接触面積を大きくして、絶縁部材8b〜8d同士の連結をより安定させる役割を果たしている。なお、連結壁85は、絶縁部材8a〜8dの間隔を最小積層間隔としたときに、対向する絶縁部材8a〜8cに衝突しない程度の高さに形成される。
さらに、連結壁85は、図17(b)に示すように、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させ第1接合端子4a〜4cを挿入した際に、第1接合端子4a〜4cの側方を覆い、各接点間の沿面距離を大きくする役割も果たしている。このような構成は、絶縁部材8b〜8dを小型としコネクタ1全体の小型化を図る場合に特に有効である。なお、本実施の形態では、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させた際に、第1接合端子4a〜4cが第2接合端子6a〜6c全体を覆わずに途中まで挿入されるように構成しており、これにより絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側を介した接点間の沿面距離を大きくしているため、絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側には連結壁を形成しなかったが、当然ながら、絶縁部材8b〜8dの第1接合端子4a〜4cの挿入側と反対側にさらに連結壁を形成することも可能である。
本実施の形態では、第1絶縁部材8b〜8dに連結片81を形成し、対向する絶縁部材8a〜8cに連結溝82を形成したが、絶縁部材組立体100において、連結片81と連結溝82の関係を逆にする(絶縁部材8a〜8cに連結片81を形成し、対向する絶縁部材8b〜8dに連結溝82を形成する)ことも当然可能である。ただし、この場合、連結片81に嵌合溝83を形成することができなくなるので、第1絶縁部材8b〜8dに、別途第1接合端子4a〜4cを設ける機構を設けなければならず、第1絶縁部材8b〜8dの構造が複雑になる。
[本実施の形態の作用]
本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るコネクタ1では、抜け防止機構27のインナープレート27bを、インナープレート挿入穴30gへの挿入により本体部30aの中空部内に突出し、接合端子6a〜6cの一部に干渉して接合端子6a〜6cのケーブル61〜61c側への動きを規制する規制部37と、係止部39とで構成し、係止部39を、該規制部37を挟み込むように規制部37の両側に離間して設けられ、インナープレート27bの挿入方向と平行に延びる平行部39aと、該平行部39aの挿入方向前方の先端部から規制部37側に延出され、平行部39aと規制部37とを一体に接続する接続部39bと、平行部39aから側方に突出しインナーハウジング30の内壁に係止する係止突起39cと、からなり、平行部39aの基端部を規制部37側に移動させ弾性変形させることで、係止突起39cの係止が解除されるように構成している。
コネクタ1では、平行部39aを規制部37側に移動させ弾性変形させることのみで係止突起39cの係止を解除できるので、従来のようにマイナスドライバーを差し込む等の面倒な作業を行わずとも、端子抜け止め用の部材であるインナープレート27bを容易に取り外すことが可能である。そのため、メンテナンス等を行う際にターミナルハウジング7から接合端子6a〜6cやケーブル61a〜61cを容易に取り外すことができ、作業性を向上できる。
コネクタ1では、平行部39aを規制部37側に移動させ弾性変形させることで係止突起39cの係止を解除するので、ターミナルハウジング7とインナーハウジング30との間にクリアランスを設ける必要がない。さらに、インナープレート27bを、その規制部37の両側に規制部37と一体に係止部39を形成するよう構成しているため、従来のように両側に係止目的の差込片を別途設ける必要がなくなり、コネクタ1全体の小型化に寄与する。
つまり、本発明によれば、小型で端子抜け止め用の部材の取り外しが容易なコネクタ1を実現できる。
[他の実施の形態]
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
図18に示すコネクタ181は、基本的に上述のコネクタ1と同じ構成であり、第1ターミナルハウジング5に、両ターミナルハウジング5,7を嵌合したときに、インナープレート27bを第2インナーハウジング30に押さえつけて固定するインナープレート強制固定部182を、さらに備えたものである。
インナープレート強制固定部182は、両ターミナルハウジング5,7を嵌合したときにインナープレート27bと対向する部分に設けられる。本実施の形態では、第1ターミナルハウジング5の蓋部24から突出するように直方体形状のインナープレート強制固定部182を形成した。
インナープレート強制固定部182の上面(インナープレート27b側の面)は、平坦に形成されており、両ターミナルハウジング5,7を嵌合させたときに、インナープレート27bの上面および第2インナーハウジング30の表面に当接するように構成されている。
インナープレート強制固定部182を構成することで、インナープレート27bの嵌合が不完全で浮いているような場合や、インナープレート27bが何らかの理由により変形して嵌合が不完全となっているような場合であっても、両ターミナルハウジング5,7を嵌合した際に、インナープレート27bがインナープレート強制固定部182により強制的に適切な位置へと固定され、インナープレート27bの嵌合が不完全であることによる不具合を抑制することが可能になる。
ここでは、インナープレート強制固定部182がインナープレート27bの上部全体に当接する場合を説明したが、インナープレート強制固定部182を、インナープレート27b上部の中央部のみ、あるいは両側の端部のみといったように、インナープレート27b上部の一部のみに当接するように構成することも可能である。
また、ここでは、インナープレート強制固定部182がインナープレート27bと第2インナーハウジング30の両者に当接する場合を説明したが、インナープレート27bを第2インナーハウジング30の表面から突出するようにし、その突出したインナープレート27bの上部のみに当接するよう構成することも可能である。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施の形態では、積層構造型のコネクタ1に適用する場合を説明したが、本発明は、積層構造型以外のコネクタにも適用可能であり、例えば、第1接合端子と第2接合端子を1対のみ備えたものであっても、当然に適用可能である。
また、上記実施の形態では、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向(ケーブル61a〜61cの延出方向)が直交する所謂L字型の構成とする場合を説明したが、第1接合端子4a〜4cの長さ方向と第2接合端子6a〜6cの長さ方向(ケーブル61a〜61cの延出方向)を一致させた所謂直線型の構成のコネクタにおいても、本発明は適用可能である。
この場合、図19に示すコネクタ191のように、第1ターミナルハウジング5の先端部の内壁をテーパ状に形成し、両ターミナルハウジング5,7を嵌合したときに、テーパ状の内壁によりインナープレート27bが第2インナーハウジング30に押し込まれるよう構成することで、インナープレート強制固定部192を実現できる。
また、上記実施の形態においては、三相交流の電源ラインを想定していたが、本発明の技術思想によれば、例えば、自動車用のコネクタであって、モータ、インバータ間用の三相交流の電源ライン、エアコン用の直流二相の電源ラインなど異なる用途のラインを一括して接続するような構成としても良い。このように構成することにより、1つのコネクタで複数の用途の電源ラインを一括して接続することができるため、用途毎に異なるコネクタを用意する必要がなく、省スペース化や低コスト化などに貢献することができる。
また、第1接合端子4a〜4cのそれぞれと第2接合端子6a〜6cのそれぞれの端子表面をローレット加工などにより荒らし、摩擦力を大きくさせ、端子同士を動きづらくして接点のそれぞれでの固定を強固にするようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、第1コネクタ部2を機器側に取り付ける場合を説明したが、第1接合端子4a〜4cをケーブルの端部に設けられた端子とし、ケーブル同士を接続するように構成することも可能である。
さらに、上記実施の形態では、第1インナーハウジング10の貫通孔10aに第1接合端子4a〜4cを挿入することで、第1接合端子4a〜4cを第1インナーハウジング10に固定したが、インサート成型により第1接合端子4a〜4cと一体に第1インナーハウジング10を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、嵌合溝83に第2接合端子6a〜6cを嵌合することで、第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに設ける場合を説明したが、インサート成型により第1絶縁部材8b〜8dを第2接合端子6a〜6cに固定したり、あるいは、第1絶縁部材8b〜8dに第2接合端子6a〜6cを圧入して固定するようにしてもよい。但し、インサート成型や圧入を用いた場合、第2接合端子6a〜6cに対する第1絶縁部材8b〜8dのがたつきが無くなるので、嵌合性を向上させる観点からは、第2接合端子6a〜6cを嵌合溝83に嵌合させる構造が望ましい。
また、上記実施の形態においては、ケーブル61a〜61cとして可撓性に優れたケーブルを用いていたが、リジッドなケーブルでも良い。
また、上記実施の形態においては、コネクタの使用状態における向きは、接続部材9が略水平状態であっても、略垂直状態であっても良い。即ち、本実施の形態におけるコネクタの使用条件に、使用状態における向きは要件としない。
また、上記実施の形態においては、接続部材9の一部である弾性部材15を介して接続部材9のボルト9bによって隣接する第2絶縁部材8aを押圧しているが、弾性部材15を介さずに直接、ボルト9bによって隣接する第2絶縁部材8aを押圧しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1ターミナルハウジング5の一側のみに接続部材9を設ける場合を説明したが、第1ターミナルハウジング5の両側に接続部材9を設け、両側に設けられた両接続部材9により各接点に押圧力を付与するように構成してもよい。
上記実施の形態では、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部それぞれに、連結片81と連結溝82の一方または両方を形成する場合を説明したが、これに限定されず、絶縁部材8a〜8dの4つの隅部のうち2箇所あるいは3箇所に、連結片81、連結溝82を形成するようにしてもよい。
1 コネクタ
2 第1コネクタ部
3 第2コネクタ部
4a〜4c 第1接合端子
5 第1ターミナルハウジング
6a〜6c 第2接合端子(接合端子)
7 第2ターミナルハウジング(ターミナルハウジング)
8a〜8d 絶縁部材
9 接続部材
10 第1インナーハウジング
27 抜け防止機構
27a 突起
27b インナープレート
30 第2インナーハウジング(インナーハウジング)
30a 本体部
37 規制部
38 連結部
39 係止部
39a 平行部
39b 接続部
39c 係止突起
81 連結片
82 連結溝
83 嵌合溝
100 絶縁部材組立体
101 絶縁部材規制手段
102 第1端子挿入孔
103 第2端子挿入孔

Claims (6)

  1. ケーブルの端部に設けられた接合端子が収納されたターミナルハウジングと、
    前記ターミナルハウジング内に固定されると共に、筒状に形成された本体部を有し、当該本体部の中空部内に前記接合端子と前記ケーブルとを挿入して、前記ターミナルハウジング内で前記接合端子と前記ケーブルとを保持する樹脂成型体からなるインナーハウジングと、
    前記接合端子と前記ケーブルとが前記インナーハウジングから抜けてしまうこと防止する抜け防止機構と、を備え、
    前記抜け防止機構は、前記接合端子と前記ケーブルとを前記本体部の中空部内に配置した後に、前記本体部の側面に形成されたインナープレート挿入穴に挿入され、前記接合端子の一部に接触することで前記接合端子に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制するインナープレートを備え、
    前記インナープレートは、
    前記インナープレート挿入穴への挿入により前記本体部の中空部内に突出し、前記接合端子の一部に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制する規制部と、
    該規制部を挟み込むように前記規制部の両側に離間して設けられ、前記インナープレートの挿入方向と平行に延びる平行部と、該平行部の挿入方向前方の先端部から前記規制部側に延出され、前記平行部と前記規制部とを一体に接続する接続部と、前記平行部から側方に突出し前記インナーハウジングの内壁に係止する係止突起と、からなり、前記平行部の基端部を前記規制部側に移動させ弾性変形させることで、前記係止突起の係止が解除されるように構成される係止部と、からなる
    ことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記接合端子と前記ケーブルとを複数備え、
    前記インナーハウジングの前記本体部は、複数の筒が連なった多連筒状に形成され、当該本体部の各筒に前記接合端子と前記ケーブルをそれぞれ挿入して、複数の前記接合端子と前記ケーブルを整列させて保持するように構成されており、
    前記インナープレートは、複数の前記規制部が間隔をおいて配置されると共に前記規制部の基端部同士が連結部により一体に接続された櫛状に形成され、その両側の最外に位置する前記規制部と一体に、前記係止部が形成される
    請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記抜け防止機構は、前記接合端子に形成された突起と、該突起に干渉して前記接合端子の前記ケーブル側への動きを規制する前記インナープレートと、からなる
    請求項1または2記載のコネクタ。
  4. 前記接合端子は、前記ケーブルの端部から露出された導体をかしめるためのかしめ部と、かしめ部と一体に形成された板状部材とからなり、前記板状部材のかしめ部側の端部に前記抜け防止機構の前記突起が形成されており、
    前記インナープレートの前記規制部は、前記突起と前記かしめ部間の距離と同等の厚さに形成され、前記突起と前記かしめ部との間に嵌合するように構成される
    請求項3記載のコネクタ。
  5. 第1接合端子が収納された第1ターミナルハウジングと、
    前記接合端子である第2接合端子が収納された前記ターミナルハウジングである第2ターミナルハウジングと、を備え、
    前記両ターミナルハウジングを嵌合させると、前記第1接合端子と前記第2接合端子とが接触して接点が構成され、
    前記第1ターミナルハウジングに、前記両ターミナルハウジングを嵌合したときに、前記インナープレートを前記インナーハウジングに押さえつけて固定するインナープレート強制固定部を備えた
    請求項1〜4いずれかに記載のコネクタ。
  6. 前記第1ターミナルハウジング内には、複数の前記第1接合端子が整列されて収納され、
    前記第2ターミナルハウジング内には、複数の前記第2接合端子が整列されて収納されると共に、複数の絶縁部材が整列されて収納され、
    前記第1ターミナルハウジングと前記第2ターミナルハウジングとを嵌合させると、前記複数の第1接合端子の一面のそれぞれと前記複数の第2接合端子の一面のそれぞれとが対となるように対面して複数の接点が構成されると共に、前記第1接合端子と前記第2接合端子とが交互に配置され、かつ、前記複数の接点が前記絶縁部材で挟まれた積層構造となるように構成され、
    隣接する前記絶縁部材を押圧することで、前記複数の第1接合端子及び前記複数の第2接合端子を各接点にて一括して固定し電気的に接続させる接続部材を備えた
    請求項5記載のコネクタ。
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