JP2014222802A - 増幅装置および増幅装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】増幅器の消費電力を予め定められた範囲内に収める。
【解決手段】制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度と第2温度検出回路9で検出された温度との差分、および第1温度検出回路8および第2温度検出回路9の間の部材の熱抵抗に基づき、増幅器4の発熱量を算出する。制御部11は、発熱量および出力電力検出回路10で検出された増幅器4の出力電力に基づき、増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。
【選択図】図1
【解決手段】制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度と第2温度検出回路9で検出された温度との差分、および第1温度検出回路8および第2温度検出回路9の間の部材の熱抵抗に基づき、増幅器4の発熱量を算出する。制御部11は、発熱量および出力電力検出回路10で検出された増幅器4の出力電力に基づき、増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。
【選択図】図1
Description
この発明は、増幅装置および増幅装置の制御方法に関する。
例えばFET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を用いる増幅装置では、入力されるRF(Radio Frequency:無線周波数)信号の変調方法および周波数、またはFETの動作温度の変化により、FETの周波数特性または温度特性にしたがって、消費電力が変動する。使用可能な電力に制限がある場合、消費電力の変動の最大値に合わせて増幅装置の設計を行うと、マージンを大きくとる必要がある。
特許文献1に開示される増幅装置は、増幅素子の近傍に配置された温度検出素子の出力値に基づいて、増幅素子を流れるドレイン電流の電流値を規定値に近づけるために、増幅素子のゲート電圧を制御する。
特許文献1に開示される増幅装置では、FETのドレイン電流を一定にすることはできるが、消費電力を所望の範囲内に収めることはできないという課題があった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、増幅器の消費電力を予め定められた範囲内に収めることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の増幅装置は、増幅器、第1の温度検出回路、第2の温度検出回路、出力電力検出回路、バイアス回路、および制御部を備える。増幅器は、入力信号を増幅して出力する。第1の温度検出回路は、増幅器からの距離が閾値以下である位置の温度を検出する。第2の温度検出回路は、上記位置とは異なる位置の温度を検出する。出力電力検出回路は、増幅器の出力電力を検出する。バイアス回路は、増幅器にバイアスを印加する。制御部は、第1の温度検出回路で検出された温度と第2の温度検出回路で検出された温度との差分、および第1の温度検出回路および第2の温度検出回路の間の部材の熱抵抗に基づき、増幅器の発熱量を算出し、発熱量および出力電力に基づき、増幅器の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路を制御して増幅器に印加されるバイアスを調節する。
本発明によれば、増幅器の発熱量および出力電力に基づき、増幅器の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合にバイアス回路を制御することで、増幅器の消費電力を予め定められた範囲内に収めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る増幅装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態1に係る増幅装置1は、入力端子2から入力された信号を増幅して、出力端子3から出力する。増幅装置1は、入力信号を増幅して出力する増幅器4、増幅器4にバイアスを印加するバイアス回路5、温度を検出する第1温度検出回路8および第2温度検出回路9、増幅器4の出力電力を検出する出力電力検出回路10、および増幅器4の消費電力が予め定められた範囲を超えている場合にはバイアス回路5を制御する制御部11を備える。増幅装置1の各部の詳細について以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る増幅装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態1に係る増幅装置1は、入力端子2から入力された信号を増幅して、出力端子3から出力する。増幅装置1は、入力信号を増幅して出力する増幅器4、増幅器4にバイアスを印加するバイアス回路5、温度を検出する第1温度検出回路8および第2温度検出回路9、増幅器4の出力電力を検出する出力電力検出回路10、および増幅器4の消費電力が予め定められた範囲を超えている場合にはバイアス回路5を制御する制御部11を備える。増幅装置1の各部の詳細について以下に説明する。
増幅器4は、例えばFET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)であり、入力端子2が増幅器4のゲート電極に接続され、出力端子3が増幅器4のドレイン電極に接続される。増幅器4はFETに限られず、任意の増幅素子を用いて構成することができる。バイアス回路5は、増幅器4にバイアスを印加する。バイアス回路5が予め定められたバイアスを増幅器4に印加することで、増幅器4が作動し、入力信号が増幅される。図1の例においては、バイアス回路5は、入力バイアス回路6および出力バイアス回路7を備える。入力バイアス回路6は、増幅器4の入力側の端子に入力バイアスを印加し、出力バイアス回路7は、増幅器4の出力側の端子に出力バイアスを印加する。増幅器4がFETである場合には、入力バイアス回路6は、増幅器4のゲート電極に接続されてゲート電圧を印加し、出力バイアス回路7は、増幅器4のドレイン電極に接続されてドレイン電圧を印加する。
第1温度検出回路8は、増幅器4からの距離が閾値以下である位置の温度を検出し、検出した温度に応じた電圧を制御部11に出力する。第2温度検出回路9は、第1温度検出回路8とは異なる位置の温度を検出し、検出した温度に応じた電圧を制御部11に出力する。例えば、第1温度検出回路8は、増幅器4の近傍に配置され、第2温度検出回路9は、増幅器4の温度変化の影響を受けない、例えば増幅器4から一定の間隔を空けた位置に配置される。第1温度検出回路8および第2温度検出回路9として、例えばサーミスタおよび熱電対を用いることができる。出力電力検出回路10は、増幅器4の出力側の端子に接続され、増幅器4の出力する信号の電力を検出し、電力に応じた電圧を制御部11に出力する。出力電力検出回路10は、例えば結合器および検波器から構成される。増幅器4がFETである場合には、出力電力検出回路10は、増幅器4のドレイン電極に接続される。
制御部11は、入力バイアス回路6、出力バイアス回路7、第1温度検出回路8、第2温度検出回路9、および出力電力検出回路10に接続される。制御部11は、コンパレータ、差動増幅回路、加算回路などを用いて構成してもよいし、例えばCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read-Only Memory)などを用いて構成してもよい。RAMには、例えば第1温度検出回路8、第2温度検出回路9、および出力電力検出回路10から送られた信号データが記憶される。ROMには制御部11が増幅装置1の動作を制御するための制御プログラムが格納される。
制御部11は、第1温度検出回路8、第2温度検出回路9、および出力電力検出回路10から送られた信号データに基づき、増幅器4の作動中に増幅器4の消費電力が予め定められた範囲を超えた場合には、入力バイアス回路6および出力バイアス回路7を制御し、増幅器4に印加されるバイアスを調節する。例えば入力バイアス回路6および出力バイアス回路7は、一端が電源に接続され、互いに並行に接続される抵抗を備え、トランジスタなどのスイッチのオンとオフが制御部11からの信号により切り替えられることで電路が変化し、出力するバイアス電圧が変化する。
制御部11の動作の詳細について以下に説明する。制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度と第2温度検出回路9で検出された温度との差分、および第1温度検出回路8および第2温度検出回路9の間の部材の熱抵抗に基づき、増幅器4の発熱量を算出する。制御部11は、発熱量および出力電力検出回路10で検出された出力電力に基づき、増幅器4の消費電力を算出する。
従来のように、電源とドレイン電極との間に直列に挿入した抵抗における電圧降下からFETの消費電力を算出する方法では、ドレイン電極に高電圧、大電流が流れる場合に損失が大きくなってしまう。そこで増幅器4の消費電力Wを、熱として消費される電力、すなわち発熱量Qと、出力電力検出回路10で検出された出力電力Pとの合計とみなし、W=Q+Pに基づき増幅器4の消費電力を算出する。増幅器4の消費電力Wを算出する式は、上記のW=Q+Pに限られず、誤差を補正するための項をさらに設けてもよいし、誤差を補正するための係数を各項に乗算してもよい。
増幅器4の発熱量Qは、増幅器4の近傍の温度と増幅器4から一定の距離にある位置の温度との差分の関数である。したがって、第1温度検出回路8で検出された温度と第2温度検出回路9で検出された温度の差分ΔT、および第1温度検出回路8および第2温度検出回路9の間の部材の熱抵抗Rに基づき、Q=ΔT/Rで表すことができる。熱抵抗Rの値は、増幅器4が配置される箇所の材質や構造に依存するため、予め熱計算、シミュレーションまたは実験などを行い、定めることが好ましい。
増幅器4の周囲に複数の冷却媒体がある場合には、冷却媒体ごとに第2温度検出回路9を設け、冷却媒体のそれぞれについて上記の式を適用し、増幅器4の発熱量Qを求めることができる。増幅器4の周囲に2つの冷却媒体がある場合を例にして説明する。第1温度検出回路8で検出された温度と、冷却媒体ごとに設けられた第2温度検出回路9のそれぞれで検出された温度との差をΔT1、ΔT2とする。また冷却部材のそれぞれの熱抵抗をR1、R2とする。この場合、発熱量Q=ΔT1/R1+ΔT2/R2で表すことができる。また熱抵抗Rの値を固定せずに、線形近似が成立する温度範囲ごとに値を変えてもよい。冷却媒体ごとに第2温度検出回路9を設けて発熱量Qを算出すること、または、熱抵抗Rを可変とすることで、発熱量Qの算出の精度を向上させることが可能となる。
制御部11は、上述のように増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5が備える入力バイアス回路6および出力バイアス回路7を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。制御部11は、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、予め定められた範囲からの乖離の程度に応じて、入力バイアス回路6および出力バイアス回路7を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。消費電力に対する上記予め定められた範囲は、消費電力の所望の値に応じて、任意に定めることができる。
増幅器4がp型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である場合を例にして説明する。制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の上限値より大きい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を減少させ、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の下限値より小さい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を増加させる。ドレイン電圧の減少または増加の程度は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲から乖離している程度に応じて決定される。
ゲート電圧を同じ値で維持したままドレイン電圧を変更した場合には、動作点を最適化することができないため、増幅器4の効率の低下、または出力波形の歪といった、増幅器4の性能低下が起こる場合がある。増幅器4の性能低下を抑制するために、制御部11は、予め定めた入力バイアスと出力バイアスの値の組み合わせに基づき、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加される入力バイアスおよび出力バイアスを調節してもよい。例えば、制御部11は、ドレイン電圧とゲート電圧との値の組み合わせに基づき、出力バイアス回路7および入力バイアス回路6を制御して、ドレイン電圧の変化に応じてゲート電圧を変化させてバイアスを調節してもよい。これにより、増幅器4の性能低下を最小限に抑えることが可能となる。
図2は、実施の形態1に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節1の動作の一例を示すフローチャートである。第1温度検出回路8および第2温度検出回路9はそれぞれ温度を検出し、出力電力検出回路10は増幅器4の出力電力を検出する(ステップS110)。制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度と第2温度検出回路9で検出された温度との差、および第1温度検出回路8および第2温度検出回路9の間の部材の熱抵抗に基づき、増幅器4の発熱量を算出し、発熱量および出力電力に基づき、増幅器4の消費電力を算出する(ステップS120)。
増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内である場合には(ステップS130;Y)、ステップS110に戻る。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には(ステップS130;N)、制御部11は、予め定められた範囲からの乖離の程度に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する(ステップS140)。ステップS140の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収める。
以上説明したとおり、実施の形態1に係る増幅装置1によれば、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収めることが可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。実施の形態1と異なる増幅装置1の各部の動作について説明する。実施の形態2に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の出力電力に対する上記予め定められた範囲は、出力電力の所望の値に応じて、任意に定めることができる。
本発明の実施の形態2に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。実施の形態1と異なる増幅装置1の各部の動作について説明する。実施の形態2に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の出力電力に対する上記予め定められた範囲は、出力電力の所望の値に応じて、任意に定めることができる。
増幅器4がp型MOSFETである場合を例にして説明する。制御部11は、実施の形態1と同様に、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の上限値より大きい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を減少させ、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の下限値より小さい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を増加させる。ドレイン電圧の減少または増加の程度は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲から乖離している程度に応じて決定される。
制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲より大きい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を減少させ、増幅器4の消費電力Wが予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲より小さい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を増加させる。ドレイン電圧の減少または増加の程度は、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲から乖離している程度に応じて決定される。
なお制御部11は、ドレイン電圧とゲート電圧との値の組み合わせに基づき、出力バイアス回路7および入力バイアス回路6を制御して、ドレイン電圧の変化に応じてゲート電圧を変化させてバイアスを調節してもよい。上述の制御を行うことで、例えば、増幅器4の消費電力を抑えながら、所望の増幅器4の出力電力を得ることが可能となる。
図3は、本発明の実施の形態2に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節2の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS110〜S140の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲内である場合には(ステップS130;Y、ステップS131;Y)、ステップS110に戻る。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の出力電力が予め定められた範囲を超えている場合には(ステップS130;Y、ステップS131;N)、制御部11は、予め定められた範囲からの乖離の程度に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する(ステップS141)。ステップS140、S141の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収め、また増幅器4の出力電力を予め定められた範囲内に収める。
以上説明したとおり、実施の形態2に係る増幅装置1によれば、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収め、また増幅器4の出力電力を予め定められた範囲内に収めることが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。実施の形態1と異なる増幅装置1の各部の動作について説明する。実施の形態3に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の温度が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の温度として、第1温度検出回路8で検出された温度を用いる。増幅器4の温度に対する上記予め定められた範囲は、例えば増幅器4の温度特性に応じて、任意に定めることができる。
本発明の実施の形態3に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。実施の形態1と異なる増幅装置1の各部の動作について説明する。実施の形態3に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、増幅器4の温度が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の温度として、第1温度検出回路8で検出された温度を用いる。増幅器4の温度に対する上記予め定められた範囲は、例えば増幅器4の温度特性に応じて、任意に定めることができる。
増幅器4がp型MOSFETである場合を例にして説明する。増幅器4の発熱量は、ドレイン電圧に依存する。ドレイン電圧を増加させれば発熱量は増加し、ドレイン電圧を減少させれば発熱量は減少する。制御部11は、実施の形態1と同様に、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の上限値より大きい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を減少させ、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲の下限値より小さい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を増加させる。ドレイン電圧の減少または増加の程度は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲から乖離している程度に応じて決定される。
制御部11は、増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、第1温度検出回路8で検出された温度が予め定められた範囲の上限値より大きい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を減少させ、第1温度検出回路8で検出された温度が予め定められた範囲の下限値より小さい場合には、出力バイアス回路7を制御してドレイン電圧を増加させる。ドレイン電圧の減少または増加の程度は、第1温度検出回路8で検出された温度が予め定められた範囲から乖離している程度に応じて決定される。なお制御部11は、ドレイン電圧とゲート電圧との値の組み合わせに基づき、出力バイアス回路7および入力バイアス回路6を制御して、ドレイン電圧の変化に応じてゲート電圧を変化させてバイアスを調節してもよい。上述の制御を行うことで、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収めながら、増幅器4の温度を予め定められた範囲内に収めることが可能となる。
図4は、本発明の実施の形態3に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節3の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS110〜S140の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、第1温度検出回路8で検出された温度が予め定められた範囲内である場合には(ステップS130;Y、ステップS132;Y)、ステップS110に戻る。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲内であって、第1温度検出回路8で検出された温度が予め定められた範囲を超えている場合には(ステップS130;Y、ステップS132;N)、制御部11は、予め定められた範囲からの乖離の程度に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する(ステップS142)。ステップS140、S142の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収め、また増幅器4の温度を予め定められた範囲内に収める。
以上説明したとおり、実施の形態3に係る増幅装置1によれば、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収め、増幅器4の温度を予め定められた範囲内に収めることが可能となる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。増幅器4の出力電力はバイアスの変化にすぐに追随するが、増幅器4の温度変化には時間を要する。増幅器4の制御をより安定させるため、実施の形態4に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の温度の変化率が閾値以下である場合に増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の温度として、第1温度検出回路8で検出された温度を用いる。増幅器4の温度の変化率に対する上記閾値は、増幅器4の制御の安定性に応じて、任意に定めることができる。
本発明の実施の形態4に係る増幅装置1の構成は、実施の形態1に係る増幅装置1の構成と同じである。増幅器4の出力電力はバイアスの変化にすぐに追随するが、増幅器4の温度変化には時間を要する。増幅器4の制御をより安定させるため、実施の形態4に係る増幅装置1が備える制御部11は、増幅器4の温度の変化率が閾値以下である場合に増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。増幅器4の温度として、第1温度検出回路8で検出された温度を用いる。増幅器4の温度の変化率に対する上記閾値は、増幅器4の制御の安定性に応じて、任意に定めることができる。
上述の制御を行うことで、増幅装置1の制御をより安定させることが可能となる。なお第1温度検出回路8で検出された温度の変化率を算出し、変化率に応じた電圧を出力する変化率検出回路を別に設け、制御部11は変化率検出回路の出力に基づきバイアス回路5を制御してもよい。
増幅器4の温度の変化率が閾値以下である場合とは、増幅器4の温度の変化率が閾値以下であるとみなせる場合も含むものとする。制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度の変化率に基づき、変化率が閾値以下となる時点を予測し、予測した時点以降に増幅器4の消費電力を算出してもよい。
図5は、本発明の実施の形態4に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節4の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS110の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。制御部11は、第1温度検出回路8で検出された温度の変化率を算出する(ステップS111)。第1温度検出回路8で検出された温度の変化率が閾値より大きい場合には(ステップS112;N)、ステップS110に戻る。第1温度検出回路8で検出された温度の変化率が閾値以下である場合には(ステップS112;Y)、ステップS120に進む。ステップS120〜S140の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。ステップS140の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、増幅器4の動作が安定している状態で増幅器4の消費電力を算出し、消費電力を予め定められた範囲内に収める。
また制御部11は、直前にバイアス回路5を制御したタイミングから定めた時間が経過した後に増幅器4の消費電力を算出し、消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、バイアス回路5を制御し、増幅器4に印加されるバイアスを調節してもよい。上記定めた時間は、増幅器4の特性に基づく、バイアス回路5の制御をしてから増幅器4の出力電力が安定するまでの時間に応じて、任意に定めることができる。
図6は、実施の形態4に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節5の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS110の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。制御部11は、直前にバイアス回路5を制御したタイミングから定めた時間が経過していない場合には(ステップS113;N)、ステップS110に戻る。直前にバイアス回路5を制御したタイミングから定めた時間が経過している場合には(ステップS113;Y)、ステップS120に進む。ステップS120〜S140の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。ステップS140の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、増幅器4の動作が安定している状態で増幅器4の消費電力を算出し、消費電力を予め定められた範囲内に収める。
以上説明したとおり、実施の形態4に係る増幅装置1によれば、増幅器4の制御をより安定させることが可能となる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係る増幅装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態5に係る増幅装置1は、図1に示す実施の形態1に係る増幅装置1の構成に加え、タイミング回路12をさらに備える。タイミング回路12は、入力端子2に接続され、入力信号の有無に応じたタイミング信号を制御部11に出力する。信号が入力されている間にバイアスが変化すると、出力波形が歪む可能性がある。実施の形態5に係る制御部11は、タイミング信号に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。
図7は、本発明の実施の形態5に係る増幅装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態5に係る増幅装置1は、図1に示す実施の形態1に係る増幅装置1の構成に加え、タイミング回路12をさらに備える。タイミング回路12は、入力端子2に接続され、入力信号の有無に応じたタイミング信号を制御部11に出力する。信号が入力されている間にバイアスが変化すると、出力波形が歪む可能性がある。実施の形態5に係る制御部11は、タイミング信号に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する。
例えば、タイミング回路12は、入力信号がある間はHレベルであり、入力信号がない間はLレベルであるタイミング信号を出力し、制御部11は、タイミング信号がLレベルである間にバイアス回路5を制御する。
図8は、実施の形態5に係る増幅装置が行う増幅器の消費電力調節6の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS110〜S130の処理は、図2に示す実施の形態1に係る増幅装置1が行う処理と同じである。増幅器4の消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には(ステップS130;N)、制御部11は、タイミング信号に基づき制御可能であるか否かを判定する(ステップS134)。制御可能でない場合には(ステップS135;N)、ステップS134に戻る。制御可能である場合には(ステップS135;Y)、制御部11は、予め定められた範囲からの乖離の程度に応じて、バイアス回路5を制御して増幅器4に印加されるバイアスを調節する(ステップS140)。ステップS140の処理が完了すると、ステップS110に戻る。増幅装置1は、上述の処理を繰り返し行うことで、入力信号がない間にバイアス回路5を制御し、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲内に収める。
以上説明したとおり、実施の形態5に係る増幅装置1によれば、バイアスの調節による出力波形の歪を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られず、上述の実施の形態のうち複数の形態を任意に組み合わせたもので構成してもよい。例えば、実施の形態2、3を組み合わせることで、増幅器4の消費電力を予め定められた範囲に収め、増幅器4の出力電力を予め定められた範囲に収め、増幅器4の温度を予め定められた範囲に収める、増幅装置1を実現することができる。このような制御は、出力電力が温度によって大きく変化する増幅器4を用いる場合に有用である。
1 増幅装置、2 入力端子、3 出力端子、4 増幅器、5 バイアス回路、6 入力バイアス回路、7 出力バイアス回路、8 第1温度検出回路、9 第2温度検出回路、10 出力電力検出回路、11 制御部、12 タイミング回路。
Claims (8)
- 入力信号を増幅して出力する増幅器と、
前記増幅器からの距離が閾値以下である位置の温度を検出する第1の温度検出回路と、
前記位置とは異なる位置の温度を検出する第2の温度検出回路と、
前記増幅器の出力電力を検出する出力電力検出回路と、
前記増幅器にバイアスを印加するバイアス回路と、
前記第1の温度検出回路で検出された温度と前記第2の温度検出回路で検出された温度との差分、および前記第1の温度検出回路および前記第2の温度検出回路の間の部材の熱抵抗に基づき、前記増幅器の発熱量を算出し、前記発熱量および前記出力電力に基づき、前記増幅器の消費電力を算出し、前記消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する制御部と、
を備える増幅装置。 - 前記バイアス回路は、前記増幅器の入力側の端子に入力バイアスを印加し、前記増幅器の出力側の端子に出力バイアスを印加し、
前記制御部は、前記消費電力が前記予め定められた範囲を超えている場合には、予め定めた前記入力バイアスと前記出力バイアスの値の組み合わせに基づき、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加される入力バイアスおよび出力バイアスを調節する、
請求項1に記載の増幅装置。 - 前記制御部は、前記消費電力が前記予め定められた範囲内であって、前記出力電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する請求項1または2に記載の増幅装置。
- 前記制御部は、前記消費電力が予め定められた範囲内であって、前記第1の温度検出回路で検出された温度が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の増幅装置。
- 前記制御部は、前記第1の温度検出回路で検出された温度の変化率が閾値以下である場合に前記増幅器の消費電力を算出し、前記消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の増幅装置。
- 前記制御部は、直前に前記バイアス回路を制御したタイミングから定めた時間が経過した後に前記増幅器の消費電力を算出し、前記消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の増幅装置。
- 前記入力信号がない場合に、前記バイアス回路の制御を許可する制御タイミング信号を出力するタイミング回路をさらに備え、
前記制御部は、前記消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記制御タイミング信号に応じて、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の増幅装置。 - 入力信号を増幅して出力する増幅器と、
前記増幅器にバイアスを印加するバイアス回路と、
を備える増幅装置の制御方法であって、
前記増幅器からの距離が閾値以下である位置の温度を検出する第1の温度検出ステップと、
前記位置とは異なる位置の温度を検出する第2の温度検出ステップと、
前記増幅器の出力電力を検出する出力電力検出ステップと、
前記第1の温度検出ステップで検出された温度と前記第2の温度検出ステップで検出された温度との差分、および前記第1の温度検出ステップで温度を検出された位置および前記第2の温度検出ステップで温度を検出された位置の間の部材の熱抵抗に基づき、前記増幅器の発熱量を算出し、前記発熱量および前記出力電力に基づき、前記増幅器の消費電力を算出し、前記消費電力が予め定められた範囲を超えている場合には、前記バイアス回路を制御して前記増幅器に印加されるバイアスを調節する制御ステップと、
を備える増幅装置の制御方法。
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WO2016185515A1 (ja) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | 株式会社東芝 | 制御装置、および無線モジュール |
JP2017009440A (ja) * | 2015-06-22 | 2017-01-12 | ローム株式会社 | 半導体集積回路、オーディオアンプ回路、電子機器 |
EP3561530A1 (en) * | 2018-04-24 | 2019-10-30 | Yazaki Corporation | Abnormality detection device and power supply device |
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2013
- 2013-05-13 JP JP2013101064A patent/JP2014222802A/ja active Pending
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