JP2014222193A - 重量選別機及び充填計量システム - Google Patents

重量選別機及び充填計量システム Download PDF

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Abstract

【課題】原料の損失を抑制してその使用効率を高めることを目的とする。【解決手段】容器1への物品3の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置4の後段に配置され、充填済容器1aの重量を測定する重量選別機5であって、充填済容器1aの測定重量値と、充填済容器1aについての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、充填済容器1aを、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、前記不良品の発生率が設定される設定手段と、前記設定手段に設定される不良品の発生率に応じて、充填装置4の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、各種の物品を計量して包装袋などに充填し、充填した物品の重量を測定する充填計量システム、及び、それに用いる重量選別機に関する。
かかる充填計量システムとして、菓子類などの物品を組合せ計量して排出する組合せ秤と、組合せ秤から排出される物品を包装する包装機と、包装機からの包装商品の重量を測定して良品、不良品を選別する重量選別機とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−175514号公報
組合せ秤では、一般に目標組合せ重量値と、それより大きい上限重量値とが設定され、複数の計量ホッパに供給された物品の重量値を種々に組合せ、組合せた合計重量値(組合せ重量値)が、目標組合せ重量値(下限値)と上限重量値とによって規定される所定重量範囲の組合せの中で、目標組合せ重量値に最も近い組合せとなる計量ホッパを最適組合せとして選択する。
最適組合せとして選択された計量ホッパから排出された物品は、組合せ秤の後段に設置された包装機に投入され、包装機によって袋詰めされて1つの包装商品とされる。
包装商品の内容物の重量は、いわゆる、公称重量として包装商品のラベル等に明記されるが、日本の計量法では、包装商品の内容物の真の重量値が、公称重量より小さい重量で商品を販売してはならないことになっている。
このため、包装機の後段に重量選別機を設置し、包装機から搬送される包装商品の重量を測定し、測定した重量値から包装材の平均重量分を差し引いた包装商品の内容物の重量値が、公称重量より小さい包装商品を不良品として選別除外するようにしている。
組合せ秤では、上記のように、複数の計量器である複数の計量ホッパに供給された物品の重量値に基づいて、所定重量範囲の組合せの中で、目標組合せ重量値に最も近い組合せを、最適組合せとして選択するので、組合せ選択された物品の合計重量値、すなわち、包装商品の内容物の重量値は、必ず目標組合せ重量値に等しいかそれより大きい値となるはずであるが、各計量ホッパの測定重量値には、バラツキ誤差があるので、組合せ選択された商品の真の重量値は、目標組合せ重量値より小さい値の範囲にも分布している。
加えて各計量ホッパへの物品の付着、あるいは、各計量ホッパの荷重を測定する荷重センサ及び測定回路を要因とする零点ドリフトが、組合せ選択に参加した複数の計量ホッパの分だけ存在するので、組合せ選択された包装商品の内容物の真の重量値は、複数の計量ホッパの特性を要因としてばらつき、ドリフトする。
したがって、組合せ秤で製造する商品に関して、目標組合せ重量値を、上記の公称重量として製造して販売することはできず、目標組合せ重量値を、組合せ秤の計量誤差を見込んで公称重量より大きい値に設定して最適組合せを選択するようにしている。そして、商品の真の重量値をチェックするため、組合せ秤の後段に重量選別機が設置される。
この目標組合せ重量値の設定が適切でなく、公称重量に比べて、あまり大きくなく、公称重量に近い値に設定すると、重量選別機で不良品として除外される包装商品の数が増加することになる。不良品として除外された包装商品は、その内容物の性質にもよるが、大抵その内容物を、再び使用することはできず、原料損失となる。
反対に、不良品が全く生じないように、目標組合せ重量値を、公称重量に比べて十分大きな値に設定すると、包装商品の内容重量の、公称重量より大きい分が過剰となり、製造業者にとっての原料損失となり、前記過剰な量が、多い場合には、包装商品の価格に反映させざるを得ない場合もある。
このため、目標組合せ重量値を適切に設定できるようにして、原料損失を、製造業者が許容できる範囲に抑制する、あるいは、原料損失を可及的に低減して原料の使用効率を高めることが望まれる。
なお、かかる原料損失は、組合せ秤によって物品を組合せ計量して包装袋に充填する場合に限らず、包装容器等に物品、例えば、粉体や液体を所定量充填する定量充填機で充填する場合も同様に生じる課題である。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、原料損失を抑制して原料の使用効率を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
(1)本発明の重量選別機は、容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機であって、
前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
前記不良品の発生率が設定される設定手段と、
前記設定手段に設定される不良品の発生率に応じて、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段とを備える。
容器とは、入れ物をいい、瓶や缶に限らず、袋等を含むものである。
充填済容器とは、物品が充填された容器をいい、密封されて商品とされたものであってもよいし、物品は充填されているが、蓋等が装着されていない密封前の容器であってもよい。
充填済容器についての公称重量とは、充填済容器の内容物についての公称重量をいい、充填済容器が商品として販売されるときの公称重量をいう。
本発明の重量選別機によると、許容できる不良品の発生率を設定することによって、それに応じて、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定するので、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値になるように制御することによって、不良品の発生率が、許容できる発生率に抑制されることになる。これによって、不良品としての原料物品の損失を、許容できる損失量に抑制することができる。
(2)本発明の重量選別機は、容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機であって、
前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
不良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の使用量、及び、良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の前記公称重量を超える使用量を抑制するように、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段とを備える。
決定手段は、不良品と判別される充填済容器の内容物である物品の使用量、及び、良品と判別される充填済容器の内容物である物品の、公称重量を超える使用量の両方の使用量を抑制するように管理目標重量値を決定する。
本発明の重量選別機によると、不良品として選別される充填済容器の内容物である物品の使用量、すなわち、不良品としての原料物品の損失量、及び、良品と判別される充填済容器の内容物である物品の公称重量を超える使用量、すなわち、製造業者にとって原料物品の損失となる公称重量を超える過剰な物品の使用量を、抑制するように、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定するので、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値になるように制御することによって、原料物品の損失量を抑制して原料物品の使用効率を向上させることができる。
(3)上記(1)の実施態様では、前記決定手段は、前記基準重量値と、前記充填済容器の測定重量値のばらつき量と、前記不良品の発生率とに基づいて、前記管理目標重量値を決定してもよい。
この実施態様によると、充填済容器の内容物の重量値の良否を判別する境界重量値である基準重量値に、測定重量値のばらつき量、及び、設定される不良品の発生率を考慮した値を加算して適切な管理目標重量値を決定することができる。
(4)上記(2)の実施態様では、前記決定手段は、前記基準重量値と、前記充填済容器の前記内容物の重量分布と、前記公称重量とに基づいて、前記管理目標重量値を決定してもよい。
この実施態様によると、管理目標重量値を変化させた場合に、充填済容器の内容物の重量値の良否を判別する基準重量値と充填済容器の内容物の重量分布とに基づいて、良品の個数及び不良品の個数がどのようになるかを算定し、良品の内容物である物品の、公称重量を超える使用量、及び、不良品の内容物である物品の使用量を算定することができる。これによって、良品の内容物である物品の、公称重量を超える使用量、及び、不良品の内容物である物品の使用量である、原料物品の損失量を抑制するための管理目標重量値を決定することができる。
(5)本発明の重量選別機の好ましい実施態様では、前記充填済容器の前記内容物の平均重量値と前記管理目標重量値とを比較して、比較結果を前記充填装置へ出力する制御手段を備える。
この実施態様によると、充填済容器の前記内容物の平均重量値と管理目標重量値とを比較してその比較結果を充填装置へ出力するので、充填装置では、前記比較結果に基づいて、目標充填量を、管理目標重量値になるように制御することができる。
(6)本発明の充填計量システムは、容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置と、該充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機とを備える充填計量システムであって、
前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
前記不良品の発生率が設定される設定手段と、
前記設定手段に設定される不良品の発生率に応じて、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
前記目標充填量を、前記管理目標重量値に制御する制御手段とを備える。
前記判別手段は、重量選別機に内蔵させるのが好ましく、前記制御手段は、充填装置に内蔵させるのが好ましい。
本発明の充填計量システムによると、許容できる不良品の発生率を設定することによって、それに応じて、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定し、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値になるように制御するので、不良品の発生率が、許容できる発生率に抑制されることになる。これによって、不良品としての原料物品の損失を、許容できる損失量に抑制することができる。
(7)本発明の充填計量システムでは、容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置と、該充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機とを備える充填計量システムであって、
前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
不良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の使用量、及び、良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の前記公称重量を超える使用量を抑制するように、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
前記目標充填量を、前記管理目標重量値に制御する制御手段とを備える。
本発明の充填計量システムによると、不良品として選別される充填済容器の内容物である物品の使用量、すなわち、不良品としての原料物品の損失量、及び、良品と判別される充填済容器の内容物である物品の公称重量を超える使用量、すなわち、製造業者にとって原料物品の損失となる公称重量を超える過剰な物品の使用量を、抑制するように、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定し、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値になるように制御するので、原料物品の損失を抑制して原料物品の使用効率を向上させることができる。
本発明によれば、許容できる不良品の発生率を設定することによって、それに応じて、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定し、充填量が管理目標重量値になるように制御するので、不良品としての原料物品の損失量を許容できる損失量に抑制することができる。
また、本発明によれば、不良品としての原料物品の損失量、及び、良品としての公称重量を超える過剰な物品の使用量の少なくともいずれか一方の使用量を、抑制するように、充填装置の目標充填量を、管理目標重量値として決定し、充填量が管理目標重量値になるように制御するので、原料物品の損失を抑制して原料物品の使用効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る充填計量システムの概略構成図である。 図1の分岐式搬送機(チャンネライザー)を示す概略平面図である。 重量選別機で測定される充填済容器の内容物の重量分布を示す図である。 図3の重量分布における管理目標重量値Wqoを説明するための図である。 重量選別機の第1回目の制御期間における動作を説明するためのフローチャートである。 重量選別機の第2回目以降の制御期間における動作を説明するためのフローチャートである。 選別余裕幅K=2.88(シグマ)に設定した場合の公称重量Qn、基準重量値Qt、及び、充填済容器の内容物の平均重量値の各重量レベルの関係を示す図である。 選別余裕幅K=2.65(シグマ)に設定した場合の公称重量Qn、基準重量値Qt、及び、充填済容器の内容物の平均重量値の各重量レベルの関係を示す図である。 選別余裕幅K=1.88(シグマ)に設定した場合の公称重量Qn、基準重量値Qt、及び、充填済容器の内容物の平均重量値の各重量レベルの関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る充填計量システムの概略構成図である。 本発明の更に他の実施形態に係る充填計量システムの概略構成図である。 図11の振分け装置(フリッパー)を示す概略平面図である。 図11の重量選別機で測定される包装容器の内容物の重量分布を示す図である。 管理目標重量値Wqoの変更に応じた測定重量値Wxの分布の変化を示す図である。 管理目標重量値Wqoを変更した場合の各度数分布テーブルの事例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る充填計量システムの概略構成図である。
この実施形態のシステムは、包装用の容器1を供給する容器供給装置2と、供給される容器1に、例えば粉粒体状の物品3を一定重量充填する定量重量充填機4と、物品3が充填された容器1の重量を測定して、重量不足の不良品を選別して主搬送ラインから除外する重量選別機5とを備えている。
充填装置としての定量重量充填機4は、オーガー式の充填機であり、オーガー(縦スクリュー)9を、サーボモータ10で所定の回転数だけ回転させることによって、貯留ホッパ6内の物品3を計量ホッパ7に落下供給する。サーボモータ10の回転軸に取付けられたパルスジェネレータ11は、サーボモータ10の回転に応じたパルスを発生する。定量重量充填機4の制御装置12は、計量ホッパ7に供給される物品3の重量に対応するロードセル8からの荷重信号と、パルスジェネレータ11からのパルスとに基づいて、計量ホッパ7に供給される物品3の重量が、目標充填重量になるように、サーボモータ10の駆動を制御する。
計量ホッパ7は、所要のタイミングで一対の排出ゲート7aを開放して、供給された一定重量の物品3を容器1に充填する。
物品3が充填された容器1(以下「充填済容器」ともいう)は、重量選別機5へ搬送される。重量選別機5は、ロードセル13に支持された計量コンベヤ14と、ロードセル13からの荷重信号が与えられる制御装置15とを備えている。
重量選別機5の制御装置15には、充填済容器1aの内容重量に対する不良品判別用の後述の基準重量値Qtが設定され、計量コンベヤ14で測定した充填済容器1aの測定重量値に基づいて、充填済容器1aの内容重量値が基準重量値Qt未満であれば不良品と判別する。重量選別機5の制御装置15と、定量重量充填機4の制御装置12とは、通信ラインを介して接続されている。
重量選別機5の後段には、振り分け装置の一種である分岐式搬送機(チャンネライザー)16が設けられており、図2の概略平面図に示すように、不良品と判定された充填済容器1aを、コンベヤの主搬送ライン17から分岐経路17aへ搬送して除外する。
良品として選別された充填済容器1aは、主搬送ライン17の搬送中に、蓋が装着されて密封され、包装商品とされる。
かかる充填計量システムでは、定量重量充填機4で物品3が充填された充填済容器1aの内容物の真の重量値が、公称重量Qnより小さければ商品とすることはできない。
定量重量充填機4では、物品3の一定重量を、計量ホッパ7を介して容器1に充填するのであるが、物品3を計量ホッパ7へ落下供給するので計量ホッパ7には衝撃による大きいノイズが発生し、充填サイクル時間が短い場合には、充填途中の物品3の供給量を小さく絞ることができず、計量ホッパ7へ供給した物品3、したがって、容器1に充填した物品3の真の重量のバラツキが大きい。
また、容器1へ物品3を供給する計量ホッパ7には、充填する物品3が付着して零点がドリフトするが、充填サイクル時間が短い場合は、零点重量を測定して零点調整するタイミングがなく、容器1に充填される物品3の真の重量がドリフトする。
したがって、上述の組合せ秤の場合と同様に、定量重量充填機4の目標充填重量を、公称重量として商品を製造して販売することはできず、目標充填重量を、定量重量充填機4の計量誤差を見込んで公称重量値より大きい値に設定して製造する。この目標充填重量の設定が適切でなく、公称重量に近い値に設定すると、重量選別機5で不良品として除外される充填済容器1aの数が増加し、原料損失となる。反対に、目標充填重量を、公称重量値に比べて十分大きな値に設定すると、充填済容器1aの内容重量の、公称重量より大きい分が過剰となり、製造業者にとっての原料損失になる。
そこで、この実施形態では、製造業者が許容できる不良品の発生率を重量選別機5に設定することによって、不良品の発生率が、設定された発生率に抑制されるように、定量重量充填機4の目標充填重量を制御する。
あるいは、重量選別機5で不良品として除外される充填済容器1aの個数を少なくして原料損失を低減しつつ、充填済容器1aの内容重量の、公称重量より大きい過剰な重量を小さくして製造業者にとっての原料損失を低減するように、定量重量充填機4の目標充填重量を制御して、原料の使用効率を向上させる。
先ず、許容できる不良品の発生率を重量選別機5に設定することによって、不良品の発生率が、設定された発生率に抑制されるように、定量重量充填機4の目標充填重量を制御する場合について説明する。
すなわち、この実施形態では、作業者が、許容できる不良品の発生率を許容不良品率Rとして重量選別機5の制御装置15の図示しない設定表示部を操作して設定する。これによって、制御装置15は、許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoを後述のように決定し、測定した充填済容器1aの内容重量の平均値と前記管理目標重量値Wqoとの偏差を算出して定量重量充填機4の制御装置12に送信する。制御装置12は、前記偏差を打消すように、目標充填重量を増減制御して容器1への物品3の充填を行う。したがって、重量選別機5によって測定される充填済容器1aの内容物の重量値が、許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoとなるように、定量重量充填機4による物品3の充填量が制御されることになる。
この目標充填重量の増減制御は、重量選別機5で一定の制御期間毎に測定される所定個数単位の充填済容器1aの内容重量Wxに基づいて行われる。この一定の制御期間に製造される充填済容器1aの所定個数であるP個を、制御単位個数と呼び、稼働運転開始前に重量選別機5の制御装置15の設定表示部を操作して設定する。
Pの値は、充填済容器1aの内容物の重量の傾向をできるだけ正確に表せるようにするためには、大きい値がよいが、反対に充填済容器1aの内容物の重量変化に遅れなく制御を追従させるためには、小さい値が適切である。このため、製造ラインや充填される物品3の性質を考慮し、制御期間として、例えば、30分間とし、その間に製造される充填済容器1aの個数、例えば、100個〜500個程度が設定される。
重量選別機5の制御装置15には、不良品選別の基準値(境界重量値)である基準重量値Qtが設定される。この基準重量値Qtは、公称重量Qnより大きい値である。重量選別機5では、充填済容器1aの内容重量が、基準重量値Qt未満の充填済容器1aを不良品として選別除外する。
不良品として選別除外される充填済容器1aが発生する確率、すなわち、不良品の発生率は、製造される充填済容器1aの重量分布確率と基準重量値Qtとに依存する。
定量重量充填機4に所定の目標充填重量を設定して容器1に物品3を充填しても、容器1に充填された物品3の重量はばらつくので、充填済容器1aの真の重量がばらつく。容器1の重量のバラツキも充填済容器1aの真の重量のバラツキの中に含まれる。
更に、重量選別機5も重量測定値にバラツキ誤差を有するので、重量選別機5によって測定される充填済容器1aの重量値は、充填済容器1aの内容物の重量のバラツキ、容器1の重量のバラツキ、及び、重量選別機5の重量測定値のバラツキの3つのバラツキ要因を含んで、例えば、図3に示すように正規分布する。
このように重量測定値が正規分布した充填済容器1aを、基準重量値Qtによって不良品選別する場合、図3に示すように、基準重量値Qtは、公称重量Qnに対して重量選別機5の有する計量誤差を考慮したシフト重量Wscを見込んで
Qt=Qn+Wsc ・・・(1)
と決定する。
重量選別機5の有する計量誤差を考慮したシフト重量Wscは、重量選別機5の測定値のバラツキ誤差を表す計量精度Ewと、使用中の零点ドリフト量や重量選別機5の設置された環境条件や零補正の実施状況など、使用条件を考慮した精度余裕見込み値Dfとを用いて
Wsc=Ew+Df ・・・(2)
と決定する。
バラツキ誤差を表す計量精度Ewは、重量選別機5単独で同一の重量品を複数回測定した場合に生じるバラツキ誤差を表す3シグマ値を計量精度Ewとする(Ew=3シグマ値)。あるいは、計量精度Ewを2シグマ値と規定してもよい。
計量精度Ewの値は、重量選別機5の制御装置15に設定してそのメモリに格納された固定値とするのが好ましい。この計量精度Ewは、計量条件、すなわち、製造する商品の品種や搬送速度等によって異なるので、予め、これらの要求に対応させた計量条件Wcn(n=1,2,・・・・)を規定し、稼働運転開始前の調整段階において、計量条件Wc1、Wc2、・・・・毎にバラツキ誤差を示す計量精度Ew1、Ew2・・・・・を求め、計量条件番号別の計量精度テーブルとして制御装置15のメモリに格納する。稼働運転時には、制御装置15に計量条件を、その番号nの値などによって指定または設定すると、計量精度テーブルから計量条件に応じた計量精度Ewが読み出される。
精度余裕見込み値Dfの値も上記のように重量選別機5の設置された環境条件や零補正の実施状況など、使用条件によって異なるので、初期値は「0」であるが固定値ではなく、使用者が任意の値を設定できるようにするのが好ましい。
このようにして決定されるシフト重量Wscの値は、重量選別機5の制御装置15の設定表示部に表示することができる。
重量選別機5へ搬入された充填済容器1aは、重量選別機5によって測定された重量値Wx’から容器1の平均重量値Wpaを差し引いた内容重量Wxに基づいて、基準重量値Qtを境界重量値として良品と不良品とに選別される。前記内容重量Wxが基準重量値Qt未満の不良品に選別された充填済容器1aは、上記のように主搬送ライン17から分岐搬送され、包装商品とはされない。
重量選別機5の制御装置15では、設定される許容不良品率Rに基づいて、管理目標重量値Wqoが、次のようにして決定される。
重量選別機5によって測定される充填済容器1aの重量値は、上記のように充填済容器1aの内容物の重量のバラツキと、容器1の重量のバラツキと、重量選別機5の重量測定のバラツキが加わることによって、図3に示すような正規分布に相当する確率密度関数で表される状態でばらついているものとし、そのバラツキ量の標準偏差をWsとする。
定量重量充填機4による物品3の充填重量を制御することによって充填済容器1aの内容重量の平均重量値Wxaが、例えば、下記(3)式を満足するように制御するとき、
Wxa−3・Ws=Qt ・・・(3)
規準正規分布の確率密度関数に基づけば、Z=3シグマの値が、0.4987であるので、充填済容器1aの約0.13%(=0.5−0.4987)だけ基準重量値Qt未満の内容重量の充填済容器1aが存在することになり、充填済容器1aが0.13%の確率で不良品選別されることになる。
基準重量値Qtから管理目標重量値Wqoまでの選別余裕幅Kとして、シグマ値を設定するようにし、選別余裕幅K=3シグマと設定したとする。
管理目標重量値Wqoは、基準重量値Qtと標準偏差Wsとによって
Wqo=Qt+3・Ws ・・・(4)
と表される。平均重量値Wxaを管理目標重量値Wqoに一致するように制御すれば、0.13%の確率での不良品選別が達成されることになる。
シグマ値として選別余裕幅Kを設定した場合、管理目標重量値Wqoは、
Wqo=Qt+K・Ws ・・・(5)
と表される。
標準偏差値Wsを求めるために、稼働運転開始前の調整段階において、定量重量充填機4及び重量選別機5を、稼働運転時と同様の条件で運転する。すなわち、定量重量充填機4には、稼働運転時に製造する充填済容器1aの所定の目標充填重量を設定し、調整段階のテストとして繰り返し物品3を容器1へ充填して複数個の充填済容器1aを製造する。製造される充填済容器1aの重量を、稼働運転時の条件にて重量選別機5で測定し、制御装置15は、測定した重量測定値によって標準偏差値Wsを算出する。
重量選別機5の制御装置15に、シグマ値として選別余裕幅Kを設定すると、算出された標準偏差値Wsと設定された選別余裕幅Kとによって、上記(5)式に従って、管理目標重量値Wqoを決定することができる。なお、基準重量値Qtは、公称重量Qnが設定されることによって、上記(1),(2)式に従って算出される。
この実施形態では、選別余裕幅Kを重量選別機5の制御装置15に設定するのではなく、許容できる不良品の発生率を設定することによって、選別余裕幅Kが決定され、更に、管理目標重量値Wqoが決定される。
すなわち、許容できる不良品の発生率として、許容不良品率Rを制御装置15に設定する。
重量選別機5の制御装置15の図示しない制御演算部には、内蔵のメモリに予め規準正規分布表が格納されており、許容不良品率Rが設定されることによって、次のようにして、選別余裕幅K(シグマ値)及び管理目標重量値Wqoを決定する。
すなわち、許容不良品率Rが、例えばR=1(%)に設定されると、規準正規分布表において0.5−(R/100)=0.5−0.01=0.49に最も近い値を探す。
Z=2.33シグマの値が0.4901であるので、図4に示すように、管理目標重量値Wqoを、
Wqo=Z+Qt=2.33・Ws+Qt ・・・(6)
と決定する。
設定した許容不良品率Rに丁度当てはまるZ値が無い場合は最も近いZ値を用いもよいし、補間法で求めてもよい。
許容不良品率Rの代わりに、上記制御単位個数であるP個に対する不良個数としてもよい。その場合、許容不良品率Rは、不良個数をRuとすると、
R=(Ru/P)・100(%)になる。
管理目標重量値Wqoを算出するための標準偏差Wsは、上記のように稼働運転開始前の調整段階のテストで決定して固定値として設定してもよいが、次のようにして決定してもよい。
すなわち、稼働運転開始時は、充填済容器1aが不良品として選別されにくいように大きめの仮の管理目標重量値Wqoを設定し、第1回目の制御期間として定めた制御単位個数であるP個の充填済容器1aを製造し、充填済容器1aの重量測定値を以て標準偏差Wsを算出し、算出した標準偏差Wsによって上記(5)式を使用し、管理目標重量値Wqoを定め、下記に述べるように充填目標重量を制御するようにしてもよい。
そして第2回目以降の制御期間以降に、第1回目の制御期間で求めた標準偏差Wsを継続的に使用してもよいが、制御期間毎に、運転開始時点からこれまでの重量測定値、或いは、制御期間毎の重量測定値に基づいて最新の標準偏差Wsを算出して次の管理目標重量値Wqoを更新するようにしてもよい。
次に、定量重量充填機4の目標充填重量の増減制御について説明する。
重量選別機5で測定された充填済容器1aの内容重量値のP個単位の平均値と、上記の管理目標重量値Wqoとに基づいて、定量重量充填機4の充填重量を制御する。
ここでは、稼働運転開始後に標準偏差Wsを求める場合について説明する。
稼働運転開始時点では、重量選別機5の制御装置15の設定表示部から、制御期間に対応する制御単位個数P、公称重量Qn、シフト重量Wsc及び許容不良品率R(%)を設定入力する。但し、精度余裕見込み値Dfは予め設定されており、計量条件Wcnを設定することによって計量精度Ewが読み出され、上記(2)式によってシフト重量Wscが設定されるものとする。
これによって、基準重量値Qtが算出、設定される。運転開始時は、定量重量充填機4の制御装置12に、充填済容器1aの内容重量が基準重量値Qtに比べて十分余裕のある目標充填重量を設定する。
重量選別機5で充填済容器1aの重量Wx’が測定され、予め設定された容器1の平均重量値Wpaが差し引かれ、重量選別機5の重量測定値として、充填済容器1aの内容重量Wx(=Wx’−Wpa)が算出される。
なお、定量重量充填機4側には、物品3の充填に伴うトラブルが発生する場合があるので、適正な充填済容器1aとしての重量であるか否かを判定するため、下限値We1と上限値We2を予め設定し、測定した重量が、この適正な重量範囲に入らない場合は、制御演算対象から除外する。
稼働運転開始後からP個の充填済容器1aの重量を測定した後、重量測定値に基づいて標準偏差Wsを算出し、管理目標重量値Wqoを上記のように決定して制御運転に入る。
P個の充填済容器1aの内容重量Wxを測定する度に、最新の平均重量値Wxaと最新の標準偏差Wsを求め、平均重量値Wxaと管理目標重量値Wqoとの比較結果、例えば差wdxを下記のように算出する。
Wxa−Wqo=wdx
この差wdxの絶対値と符号を制御対象となる定量重量充填機4に対する操作量として、定量重量充填機4の制御装置12へ送信する。なお、平均重量値Wxaと管理目標重量値Wqoとの比較結果として、平均重量値Wxaと管理目標重量値Wqoとの比率を求めて比率値を送信してもよい。同時にP個の平均重量値Wxaも送信する。
定量重量充填機4と重量選別機5との間の搬送経路に、S個の充填済容器1aが存在するとすれば、重量選別機5が操作量を送信し、定量重量充填機4側でその操作量に基づく制御が行われた結果として現れる充填済容器1aは、S個が通過した後になるので、次の制御のためのP個の充填済容器1aの重量の収集は、S個の充填済容器1aの内容重量の測定値を除外して次のP個の重量測定値を収集する。Sの値は不感個数として稼働運転開始前に重量選別機5の制御装置15に設定する。
常に重量選別機5によって測定した充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaが、管理目標重量値Wqo付近になるように制御するので、不良品率が許容不良品率Rに近い値となる。
なお、不感個数であるS個は、制御単位個数であるP個に比べて小さいく影響が少ないので、2回目以降の制御期間では、(P+S)個の充填済容器1aの重量測定値を収集するようにしてもよい。
定量重量充填機4では、目標充填重量値Wtを設定して充填を行うので、重量選別機5から受信した上記差wdxの絶対値と符号によって、目標充填重量値Wtを、
Wt−wdx → Wt ・・・(7)
と、修正する。すなわち、偏差を打消すように、目標充填重量を修正する。
これによって、重量選別機5によって測定した充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaが、管理目標重量値Wqoになるように制御され、重量選別機5によって選別される不良品が、設定された許容不良品率に近い値となる。
図5は、重量選別機5の上記動作作を説明するためのフローチャートである。
先ず、稼働運転開始後の第1回目の制御期間が終了したことを示す第1終了フラグF1が「1」にセットされているか否かを判断し(ステップn1)、セットされていないとき、すなわち、第1回目の制御期間が終了していないときには、制御用の集計演算に入る。この集計演算では、充填済容器1aの重量測定値Wx´を読込んだか否かを判断し(ステップn2)、読込んでいないときには、終了する。
ステップn2で重量測定値Wx´を読込んだと判断したときには、重量測定値Wx´から容器1の平均重量Wpaを減算して充填済容器1aの内容重量Wxを算出し(ステップn3)、内容重量Wxが制御演算対象として適正な重量範囲、すなわち、上記の下限値We1と上限値We2とによって規定される重量範囲であるか否かを判断し(ステップn4)、適正な重量範囲にないときには、終了する。
ステップn4で、内容重量Wxが、適正な重量範囲にあるときには、充填済容器1aの計量個数を計数する個数カウンタCxに「1」を加算し(ステップn5)、内容重量Wxの平均値や標準偏差を算出するための集計処理を行なう。具体的には、内容重量Wxを積算し(ステップn6)、内容重量Wxの2乗を積算する(ステップn7)。
次に、充填済容器1aの計量個数を計数する個数カウンタCxの計数値が、制御単位個数であるP個になったか否かを判断し(ステップn8)、P個になっていないときには終了し、P個になったときには、充填済容器1aの内容重量Wxの平均値Wxaを算出し(ステップn9)、更に、標準偏差Wsを算出し(ステップn10)、上記ステップn6,n7で集計した集計値をリセットする(ステップn11)。
次に、設定されている許容不良率Rに対応するZ値を、規準正規分布表に基づいて算出し(ステップn12)、管理目標重量値Wqoを、上記の(6)式に基づいて算出する(ステップn13)。なお、(6)式における基準重量値Qtは、上記の(1)式及び(2)式に基づいて算出する。
次に、個数カウンタCxの計数値を「0」にリセットし(ステップn14)、第1回目の制御期間が終了したことを示す第1終了フラグF1を「1」にセットして終了する(ステップn15)。
上記のステップn1で、第1終了フラグF1が、「1」にセットされているときには、第1回目の制御期間が終了したので、図6のステップn16に移り、第1回目以降の制御期間が終了したことを示す第2終了フラグF2が「1」にセットされているか否かを判断し、セットされているときには、制御期間が終了したので、ステップn21に移る。ステップn21では、充填済容器1aの重量測定値Wx´を読込んだか否かを判断し、読込んでいないときには、終了し、重量測定値Wx´を読込んだときには、充填済容器1aの計量個数を計数する個数カウンタCxの計数値に「1」を加算し(ステップn22)、個数カウンタCxの計数値が、不感個数であるS個になったか否かを判断し(ステップn23)、S個になっていないときには、終了し、S個になったときには、個数カウンタの計数値を「0」にリセットし(ステップn24)、第2終了フラグF2を「0」にリセットしてステップn16に戻る(ステップn25)。
このようにして制御期間終了後のS個の充填済容器1aは、制御演算の対象から除外する。
ステップn16で、第2終了フラグF2が「1」にセットされていない、すなわち、「0」にリセットされているときには、制御期間が終了していないので、ステップn17に移り、第2回目以降の制御期間における制御用の集計演算処理を行なう。この集計演算処理は、図5のステップn2〜ステップn14までの処理と同様であり、説明を省略する。
次に、ステップn18では、今回の制御期間で取得した重量測定値に基づく充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaと、前回の制御期間で算出されて今回の制御期間の制御に用いられた管理目標重量値Wqoとの差wdxを算出し、算出した差wdxの絶対値と符号とを、定量重量充填機4へ送信し(ステップn19)、制御期間が終了したことを示す第2終了フラグF2を「1」にセットして終了する(ステップn20)。
定量重量充填機4では、差wdxがなくなるように、目標充填重量を制御し、これによって、重量選別機5で不良品として選別される充填済容器1aの発生率が、設定された許容不良品率Rに近い値となり、不良品としての原料物品の損失を、許容できる損失量に抑制することができる。
上記のように、作業者が、重量選別機5の制御装置15に、許容不良品率Rを設定することによって、許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoを決定し、測定した充填済容器1aの内容重量と管理目標重量値Wqoとの偏差を算出して定量重量充填機4の制御装置12に送信し、制御装置12は、前記偏差を打消すように、目標充填重量を制御することによって、不良品としての原料物品の損失を、許容できる損失量に抑制することができる。
また、重量選別機5によって測定した充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaが、管理目標重量値Wqo付近となるように制御されるので、充填済容器1aの内容重量が、基準重量値Qtより大きくなり過ぎることもない。これによって、充填済容器1aの内容物の、公称重量Qnを超える過剰な量が大きくなり過ぎることによる原料の損失を防止することができる。
以上では、許容不良品率Rを設定し、それに応じて管理目標重量値Wqoを決定したけれども、更に、この実施形態では、重量選別機5で不良品として除外される充填済容器1aの個数を少なくして原料損失を低減しつつ、充填済容器1aの内容重量の、公称重量より多い過剰な量を少なくして製造業者にとっての原料損失を低減して、原料の使用効率を向上させることができる。
すなわち、この実施形態では、充填済容器1aの重量分布、基準重量値Qt、公称重量値Qnに基づいて、充填済容器1aを所定の個数だけ製造した場合に、原料の使用効率を最大にする管理目標重量値Wqoを決定することができる。
定量重量充填機4で製造され、重量選別機5で測定された充填済容器1aの内容重量値は、上記のように正規分布している。
容器1に充填する物品である原料の使用効率をコストの観点から最大にするには、すなわち、製造業者にとって原料損失量を最小にするには、製造する充填済容器1aの内容重量値の目標値である管理目標重量値Wqoを、大きく設定し過ぎて充填済容器1aの内容重量が大きくなり過ぎ、公称重量から余裕があり過ぎないようにする必要がある。反対に、管理目標重量値Wqoを小さく設定し過ぎて充填済容器1aの内容重量が小さくなり過ぎて、不良品個数が増えないように選択する必要がある。
具体的な事例を掲げて説明する。
例えば、公称重量Qn=100g、標準偏差Ws=1gで充填される充填済容器1aで、重量選別機5の計量誤差を見込み、Wsc=1gが設定されているとする。
基準重量値Qt=Qn+Wsc=101gを境界重量値として不良品が選別される。
充填済容器1aの、例えば1000個を計量選別した場合に、選別余裕幅Kの設定値の違いによって、原料の損失量がどのようになるかを計算する。
ここで、原料損失量の定義は、重量選別機5で測定した充填済容器1aの内容重量について、公称重量値との重量差分と、不良品選別される充填済容器1aの内容重量分(基準重量値Qt未満の種々の重量値のものがあるが公称重量値であるとする)とし、これらの合計値を合計原料損失量とする。
なお、原料損失量の定義を、重量選別機5で測定した充填済容器1aの内容重量の基準重量値との重量差分と、不良品選別される充填済容器1aの内容重量分(基準重量値Qt未満の種々の重量値のものがあるが基準重量値Qtであるとする)とし、これらの合計値を合計原料損失量としてもよい。
(1)選別余裕幅K=2.88(シグマ)に設定した場合
図7に示すように、公称重量Qn=100gに対して、標準偏差Ws=1gであり、基準重量値Qt=Qn+Wsc=101gとなる。選別余裕幅K=2.88シグマであり、充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaは、管理目標重量値Wqoに制御されるので、その値は、Wqo=Qt+K・Ws=103.88gとなる。
規準正規分布表の上で、2.88シグマは、Z=0.498であり、Z=Qt以下のものの分布確率は、0.002になる。すなわち、不良品率=0.002となり、1000個の充填済容器1aに対して、発生する不良品の個数は、2個となる。
したがって、良品個数は、
1000−2=998
となり、良品1個当たりの原料の平均損失量は、
103.88g−100g=3.88g
となり、良品についての原料損失量の合計は、
998×3.88=3872.24g
となる。
一方、不良品による原料損失量は、不良品の内容重量が公称重量であったとすると、
100×2=200g
となる。
したがって、良品及び不良品についての原料損失量の合計は、
3872.24g+200g=4072.24g
となる。
(2)選別余裕幅K=2.65(シグマ)に設定した場合
選別余裕幅Kを少し小さくし、不良品選別数を増やす代わりに良品の損失量を減らすためにK=2.65(シグマ)に設定した場合は、図8に示すように、充填済容器1aの内容重量の平均値は、103.65gとなる。
規準正規分布表の上で、2.65シグマは、Z=0.496であり、Z=Qt以下のものの分布確率は、0.004になる。すなわち、不良品率=0.004となり、1000個の充填済容器1aに対して、発生する不良品の個数は、4個となる。
したがって、良品個数は、
1000−4=996
となり、良品1個当たりの原料の平均損失量は、
103.65g−100g=3.65g
となり、良品についての原料損失量の合計は、
996×3.65=3635.4g
となる。
一方、不良品による原料損失量は、
100×4=400g
となる。
したがって、良品及び不良品についての原料損失量の合計は、
3635.4g+400g=4035.4g
となる。
(3)選別余裕幅K=1.88(シグマ)に設定した場合
更に選別余裕幅Kを小さくし、K=1.88(シグマ)に設定した場合は、図9に示すように、充填済容器1aの内容重量の平均値は、102.88gとなる。
規準正規分布表の上で、1.88シグマは、Z=0.4699であり、Z=Qt以下のものの分布確率は、0.03になる。すなわち、不良品率=0.03となり、1000個の充填済容器に対して、発生する不良品の個数は、30個となる。
したがって、良品個数は、
1000−30=970
となり、良品1個当たりの原料の平均損失量は、
102.88g−100g=2.88g
となり、良品についての原料損失量の合計は、
970×2.88=2793.6g
となる。
一方、不良品による原料損失量は、
100×30=3000g
となる。
したがって、良品及び不良品についての原料損失量の合計は、
2793.6g+3000g=5793.6g
となる。
以上のように製造される充填済容器1aの重量が正規分布する場合、バラツキ量Wsが与えられ、公称重量Qn、不良品選別の基準重量値Qtが設定されると、選別余裕幅Kを変更することによって管理目標重量値Wqoを種々に変更した場合、定量重量充填機4が製造する充填済容器1aの重量選別機5での重量測定値の平均値Wxaを、管理目標重量値Wqoに一致するように制御したときの所定の処理個数における原料の損失量が算定できる。そして、上記事例では、選別余裕幅K=2.88とK=1.88との間に原料損失量を最小にするKの値が存在することが判る。
そこで、この実施形態では、重量選別機5の制御装置15の設定表示部を操作して、原料の使用効率を最大する管理目標重量値Wqoを決定するモードを設定する。
制御装置15では、この設定に応じて、原料損失量を最小にする管理目標重量値Wqoを次の手順で決定する。
稼働運転開始前に定量重量充填機4によって、例えば、基準重量値Qtにほぼ等しい重量のサンプル商品を製造して重量選別機5で重量測定し、標準偏差Wsを求める。
選別余裕幅Kを最小値にとる場合(すなわち管理目標重量値Wqoが、基準重量値Qtに等しい場合)から最大値を取る場合(すなわち管理目標重量値Wqoが基準重量値Qtに対して、充填済容器1aの重量選別機5での重量測定値のバラツキについて、3.5シグマ、4シグマだけ大きい値である場合)について、選別余裕幅Kの値を、その間をできるだけ小さいシグマ値に関するステップ値で変更しつつ、管理目標重量値Wqoを変更し、上記の定義によって合計原料損失量を求め、相互に比較し、合計原料損失重量が最小の場合の管理目標重量値Wqoを決定する。
合計原料損失重量が最小となる管理目標重量値Wqoを決定した後の動作は、許容不良品率R(%)の設定に応じて、管理目標重量値Wqoを決定した上記の場合と同様である。
このように不良品として選別される充填済容器1aの原料物品の損失量、及び、良品の公称重量を超える原料物品の損失量を、抑制するように管理目標重量値Wqoを決定して定量重量充填機4の目標充填重量を制御するので、原料物品の損失を抑制して原料物品の使用効率を最大にすることができる。
この実施形態では、重量選別機5の制御装置15で、管理目標重量値Wqoを算出し、充填済容器1aの内容重量Wxの平均値Wxaとの差wdxを定量重量充填機4の制御装置12に送信するようにしたけれども、充填済容器1aの内容重量Wxの平均値Wxa等の重量データを定量重量充填機4の制御装置12に送信すると共に、制御装置12で管理目標重量値Wqoを算出できるようにし、充填済容器1aの内容重量Wxの平均値Wxaと管理目標重量値Wqoとの差wdxを制御装置12で算出して充填目標重量を制御するようにしてもよい。
あるいは、重量選別機5の制御装置15と、定量重量充填機4の制御装置12とを一台の制御装置で構成してもよい。
(実施形態2)
上述の実施形態では、物品3を包装用の容器1に一定重量充填する定量重量充填機4に適用して説明したけれども、本発明は、物品を包装用の容器1に一定体積充填する定量体積充填機にも同様に適用できるものである。
図10は、定量重量充填機4に代えて、物品3を、包装用の容器1に一定体積充填する定量体積充填機4aを備える充填計量システムの概略構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この充填計量システムでは、生産される商品は、重量値に応じた価格で販売される。したがって、定量体積充填機4aで物品3が充填された充填済容器1aの内容量の真の重量値が公称重量Qnより小さければ商品とすることはできない。
定量体積充填機4aで、所定の目標充填体積を設定して容器1へ物品3を充填しても、定量体積充填機4aによる充填体積量のバラツキがあるのでそれに応じて重量値がばらつく。
また、物品3の温度が異なると、物品3の見かけ比重が異なるので、所定の体積量だけ充填しても物品3の温度の変動に応じて重量が変動する。
定量体積充填機4aの制御装置12aは、設定された目標充填体積Vtなるように、容器1に充填する物品3の体積を制御する。
この実施形態の定量体積充填機4aは、オーガー式の充填機であり、オーガー9の所定の回転数に対応する所定の体積量の物品3を容器1に充填する。定量体積充填機4aの制御装置12aは、オーガー9の回転軸の設けたパルスジェネレータ11からのパルス数を内蔵のカウンタで計数する。
予め稼働運転開始前の調整段階でのテストによって、常温における物品3の体積Vとオーガー9の回転数に対応するパルス数Cとを
V=kc・C ・・・(8)
と、比例定数kcを定めて関係づける。
所定の環境条件における物品3の見かけ比重をρとすると、充填重量Wと体積Vとの関係は
W=ρ・V ・・・(9)
である。パルス数Cと充填重量Wの関係は(8)、(9)式より
C=V/kc=(1/ρ・kc)・W ・・・(10)
になる。
オーガ一式の定量体積充填機4aでは、所定の体積量Vtを充填するための所定のパルス数(目標充填パルス数)Ctを、
Ct=Vt/kc ・・・(11)
と定め、オーガー9を、パルス数がCtになるまで回転させ、所定の充填体積量を得る。体積量Vtの物品3の重量は、所定の環境条件では見かけ比重がρであるため重量は
Wt=ρ・Vt ・・・(12)
となる。しかし環境条件が変化し、見かけ比重ρの値が変化すると、所定のパルス数Ctにて充填していても充填済容器1aの内容重量がWtから変化し、上記のように重量選別機5において基準重量値Qtで不良品を選別すると、不良品が増えたり、原料損失が増えたりする。
稼働運転開始時に、充填済容器1aの内容重量として、例えば基準重量値Qtより表示重量値の最小目盛の2倍の重量Wdだけ大きい重量を、初期充填重量Wtとして定量体積充填機4aの制御装置12aに設定する。
初期充填重量Wtは(10)、(11)式によって
Ct=(1/ρ・kc)・Wt ・・・(13)
と、オーガー9の回転数に対応する目標パルス数Ctに変換され、個々の充填済容器1aは、パルス数Ctで物品3が容器1へ充填され、重量選別機5へ送られ、内容重量Wxが測定される。
見かけ比重ρの値は、環境条件で変動するので定量体積充填機4a側で充填体積量の増減制御を行う。
したがって、上記実施形態と同様に、重量選別機5から送信された充填済容器1aの内容重量の平均値Wxaと管理目標重量値Wqoと差wdxの値から、下記(14)式にて増減すべきパルス数cdxに
cdx=(1/ρ・kc)・wdx ・・・(14)
と、変換され、同時に送信された符号を考慮して
Ct−cdx → Ct ・・・(15)
と算出して、充填済容器1aの内容重量が管理目標重量値Wqoになるように新たな目標充填パルス数を求めて物品3を容器1に充填する。
なお(14)式の計算おいて、見かけ比重ρの変化によって修正パルス数の値も変化するので、(14)式の関係から
ρ=(1/kc・Ct)・Wx
であるから、最新の見かけ比重値ρnとして、同時送信されたP個の平均重量値Wxaを使用して
ρn=(1/kc・Ct)・Wxa ・・・(16)
を算出し、(16)式によって
cdx=(1/ρn・kc)・wdx ・・・(17)
と補正することが好ましい。しかし、cdxは小さい値であるから調整時点で求めた見かけ比重値ρを使用してもよい。
その他の構成は、上述の実施形態と同様である。
(実施形態3)
上述の各実施形態では、一定重量または一定体積の物品3を容器1に充填する定量充填機4,4aに適用して説明したが、本発明は、組合せ秤で組合せ計量された物品を、包装袋等に充填する場合にも同様に適用できるものである。
図11は、組合せ秤20を用いたシステムの概略構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態のシステムは、菓子類などの物品を組合せ計量して排出する組合せ秤20と、組合せ秤20から排出される物品を包装する包装機21と、包装機21からの包装商品の重量を測定して選別する重量選別機5aとを備えている。
組合せ秤20では、図示しない供給装置から分散フィーダ23の中央部に物品(図示せず)が供給され、分散フィーダ23では振動によって物品をその周縁部方向へ送り出し、分散フィーダ23の周辺に放射状に設置された複数のリニアフィーダ24へ搬送する。各リニアフィーダ24には振動装置が取り付けられており、各々のリニアフィーダ24を振動させることによって物品を搬送してリニアフィーダ24の周辺に放射状に設置された複数の供給ホッパ25に投入する。各供給ホッパ25では一時的に物品を保持し、底部の開閉可能な排出用のゲートを開いて、各供給ホッパ25の下方にそれぞれ配設された各計量ホッパ26に物品を投入する。各計量ホッパ26では投入された物品の重量が、複数のロードセル等の各重量センサ27によって計量される。
各重量センサ27の検出出力は、組合せ秤20内部に配置された制御装置22に与えられ、制御装置22では、各重量センサ27の重量値に基づいて組合せ演算することにより、組合せ重量が、所定重量範囲であって、目標組合せ重量と一致するか最も近い計量ホッパ26の組合せを、最適組合せとして選択し、選択された最適組合せの計量ホッパ26の排出用のゲートを開いて物品を排出し、集合シュート28を介して包装機21へ投入する。
包装機21は、組合せ秤20の最適組合せの計量ホッパ26から排出された物品を受け取って、その物品を包装袋などの包装材で包装し、包装商品1bとして搬送コンベヤへ排出する。
この実施形態では、組合せ秤20と包装機21とによって、組合せ計量された物品を包装袋に充填する充填装置が構成される。
重量選別機5aでは、上述の各実施形態と同様に、計量コンベヤ14で測定した包装商品1bの内容重量値が、基準重量値Qt未満であれば不良品と判定し、後段の振り分け装置としてのフリッパー29を作動させて図12の概略平面図に示すように、不良品と判定された包装商品1bを、コンベヤの主搬送ライン17から落下除外する。
組合せ秤20には、目標組合せ重量値Wt、上限重量値Wuが図示しない設定表示部から設定され、複数の計量ホッパ26に貯留した物品の重量測定値に基づいて組合せ演算を行い、組合せ重量値が、目標組合せ重量値Wt以上であって、上限重量値Wu以下の所定重量範囲にあって、最も目標組合せ重量値Wtに近いものを最適組合せとして選択し、選択した計量ホッパ26に貯留した物品を包装機21に投入し、包装機21で袋詰めして包装商品1bとする。
したがって、包装商品1bの内容物の重量測定値は、目標組合せ重量値Wt以上であって、上限重量値Wu以下の所定重量範囲にあり、目標組合せ重量Wtに近づくほど分布確率が大きい。
しかし、組合せ秤20の計量器である計量ホッパ26の測定重量値には、バラツキ誤差があるので、包装商品1bの内容物の真の重量は、目標組合せ重量値Wt未満の重量から上限重量値Wuを超える重量範囲まで分布する。更に、このように重量分布する包装商品1bの重量選別機5による重量測定値の分布は、重量選別機5の計量バラツキによってそれより広がり、図13に表すような形状になる。
この分布は正規分布でなく、上記実施形態のように、正規分布の確率密度関数を適用することはできない。
この場合の管理目標重量値Wqoの決定は、稼働運転開始前の調整段階にて、目標組合せ重量値Wt、上限重量値Wuを設定してできるだけ多くの組合せ選択品である包装商品1bを製造し、重量選別機5にて重量を測定し、包装商品1bの内容物の重量測定値Wxにおける調整運転段階時の平均重量値Wxaと最小重量値Wminを求め、その差を下方最大ばらつき幅(Wxa−Wmin)として管理目標重量値Wqoを、
Wqo=Qt+(Wxa−Wmin) ・・・(18)
と設定する。下方最大ばらつき幅(Wxa−Wmin)は、上記(5)式の選別余裕幅Kと標準偏差Wsとの積K・Wsに相当するものである。
つまり、組合せ品において極めて小さい確率でしか不良品選択がなされないように制御する。
ただし調整段階での組合せ選択品の個数は、作業時間、コストの関係で多くは取れないので、調整運転段階で得た平均重量値Wxaと最小重量値Wminの幅である下方ばらつき幅Dw(=Wxa−Wmin)は、統計的に偏りのある可能性がある。
稼働運転に入ると、制御単位個数であるP個の重量を測定する制御期間毎に下方最大ばらつき幅Dwが求まるので、制御期間毎に継続的に複数の下方最大ばらつき幅Dwを加算して制御期間回数で除算し、稼働運転時の平均重量値Wxaと最小重量値Wminを使用して下方最大ばらつき幅の平均値Dwaを、Dwa=Wxa−Wminとして求めることで下方最大ばらつき幅の統計的な信頼性を高め、平均値Dwaを以て管理目標重量値Wqoを
Wqo=Qt+Dwa ・・・(19)
と、更新させた上で、
Wxa−Wqo=wdxによって差wdxを求める。
差wdxの絶対値と符号を組合せ秤20へ送信し、組合せ秤20では目標組合せ重量値Wtをwdxの絶対値と符号に基づいて
Wt−wdx→ Wt ・・・(20)
と修正する。
また、稼働運転開始前の調整段階、或いは、稼働運転段階で組合せ選択品である包装商品1bを製造し、重量選別機5で包装商品1bの重量を測定する。
重量選別機5の制御装置5aでは、包装商品1bの重量の測定結果に基づいて、包装商品1bの内容物の測定重量値別の包装商品1bの個数を、重量の最小表示目盛、例えば1gのステップで分割した重量値別に分類集計した度数分布テーブルを作成してメモリに格納する。すなわち、包装商品1bの内容物の各測定重量値と、各測定重量値の包装商品1bの個数とを対応させた度数分布テーブルを作成する。この度数分布テーブルに基づいて、制御装置15aに設定された許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoを決定する。
具体的には、度数分布テーブルの測定重量値別の包装商品1bの所属個数を、測定した包装商品1bの全個数で除算し、測定重量値別の分布比率の値に置き換える。
今、許容不良品率R(%)が設定されると、最小の測定重量値W<1>に対応する分布比率r<1>(%)から順に、重量の最小表示目盛のステップで測定重量値を増加させるに応じて分布比率を加算し、分布比率の加算値が、初めて許容不良品率Rに等しいか大きくなる測定重量値W<i>を検出する。
この測定重量値W<i>と、全測定重量値の平均重量値Wxaを求め、許容不良品率Rに応じた下方最大ばらつき幅を下記のように規定する。
下方最大ばらつき幅=Wxa−W<i>
更に、許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoを、
Wqo=Qt+Wxa−W<i>
と、決定する。
このようにして、重量選別機5の制御装置15に、許容不良品率R(%)を設定することによって、予め作成した度数分布テーブルに基づいて、許容不良品率Rに応じた管理目標重量値Wqoが決定される。
この管理目標重量値Wqoが決定された後は、上記実施形態と同様に、Wxa−Wqo=wdxによって差wdxを求め、差wdxの絶対値と符号を組合せ秤20へ送信し、組合せ秤20では目標組合せ重量値Wtをwdxの絶対値と符号に基づいて
Wt−wdx→ Wt
と修正する。
すなわち、包装商品1bの内容量の平均値Wxaと、管理目標重量値Wqoとの差を求め、包装商品1bの平均重量値Wxaが管理目標重量値Wqoより大きい場合は、組合せ目標重量値Wtを小さくし、包装商品1bの平均重量値Wxaが管理目標重量値Wqoより小さい場合は、目標組合せ重量値Wtを大きくすることによって、重量選別機で測定された包装商品1bの内容量重量Wxが、常に管理目標重量値Wqoの近傍の値になるように制御される。なお、目標組合せ重量値Wtと上限重量値Wuとで規定される重量幅は一定とし、目標組合せ重量値Wtの変更に応じて一定の重量幅で所定重量範囲を移動させる。
次に、上記実施形態と同様に原料の使用効率を最大する管理目標重量値Wqoの決定について説明する。
上記のように組合せ秤20で最適組合せ選択されて製造された包装商品1bの重量選別機5による測定重量値は、正規分布しない。
稼働運転開始前に、例えば、基準重量値Qtを目標組合せ重量値Wtに設定して組合せ選択商品を製造し、上記のように測定重量値と個数とを対応させた度数分布テーブルを作成する。また、全測定重量値の平均値Wxaを求める。
上記の通り、最小の測定重量値は、W<1>であるので、下方最大ばらつき幅の最大値は、Wxa−W<1>である。管理目標重量値Wqoを、Wqo=Qt+Wxa−W<1>から重量の最小表示目盛ずつ減少させ、Wqo=Qtまで、
Wqo=Qt+Wxa−W<1> 、Qt+Wxa−W<2>、・・・・・
・・・・・、Qt+Wxa−W<v>、・・・・・、Qt
と変更させた場合、測定重量値Wxの平均値Wxaが、管理目標重量値Wqoに一致するように制御されるので、管理目標重量値Wqoの変更に応じて、測定重量値Wxの分布は、図14に示すように変化する。なお、図14では、Wqo=Qt+Wxa−W<1>、Wqo=Qt+Wxa−W<v>、及び、Wqo=Qtの場合の測定重量値Wxの分布を代表的に示している。
このように管理目標重量値Wqoを重量の最小表示目盛ずつ減少させたそれぞれについて、測定重量値Wxが基準重量値Qt以上の良品の個数と基準重量値Qt未満の不良品の個数を度数分布テーブルよりそれぞれ求めて所定の個数における不良品と良品の個数を算出し、上記の定義に基づいて合計原料損失量を算出し、合計原料損失量が最小の場合の管理目標重量値Wqoを決定する。
図15は、管理目標重量値Wqoを、Wqo=Qt+Wxa−W<1>から重量の最小表示目盛である1gずつWqo=Qtまで減少させた場合の各度数分布テーブルの事例を示すものである。この例では、公称重量Qn=276g、基準重量値Qt=280gである。測定重量値Wxの平均値Wxaが、管理目標重量値Wqoに一致するように制御されるので、管理目標重量値Wqoを最小表示目盛である1gずつ減少させると、それに応じて度数分布テーブルも1gずつずれることになる。
この図15に示すように、管理目標重量値Wqoを、重量の最小表示目盛である1gずつ減少させるのに応じて、度数分布テーブルを、その平均値Wxa(=300g)を基準に最小表示目盛ずつずらし、ずらす度にずらした度数分布テーブルに基づいて、基準重量値Qtを境界重量値として、不良品個数と良品個数とを算出し、上記の定義に基づいて合計原料損失量を算出し、合計原料損失量が最小の場合の管理目標重量値Wqoを決定する。
1 容器
1a 充填済容器
1b 包装商品
3 物品
4 定量重量充填機
4a 定量体積充填機
5,5a 重量選別機
8,13 ロードセル
12 定量重量充填機の制御装置
12a 定量体積充填機の制御装置
14 計量コンベヤ
15,15a 重量選別機の制御装置
20 組合せ秤
21 包装機

Claims (7)

  1. 容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機であって、
    前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
    前記不良品の発生率が設定される設定手段と、
    前記設定手段に設定される不良品の発生率に応じて、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする重量選別機。
  2. 容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機であって、
    前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
    不良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の使用量、及び、良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の前記公称重量を超える使用量を抑制するように、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする重量選別機。
  3. 前記決定手段は、前記基準重量値と、前記充填済容器の測定重量値のばらつき量と、前記不良品の発生率とに基づいて、前記管理目標重量値を決定する、
    請求項1に記載の重量選別機。
  4. 前記決定手段は、前記基準重量値と、前記充填済容器の前記内容物の重量分布と、前記公称重量とに基づいて、前記管理目標重量値を決定する、
    請求項2に記載の重量選別機。
  5. 前記充填済容器の前記内容物の平均重量値と前記管理目標重量値とを比較して、比較結果を前記充填装置へ出力する制御手段を備える、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の重量選別機。
  6. 容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置と、該充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機とを備える充填計量システムであって、
    前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
    前記不良品の発生率が設定される設定手段と、
    前記設定手段に設定される不良品の発生率に応じて、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
    前記目標充填量を、前記管理目標重量値に制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする充填計量システム。
  7. 容器への物品の充填量が、目標充填量となるように充填する充填装置と、該充填装置の後段に配置され、前記物品が充填された充填済容器の重量を測定する重量選別機とを備える充填計量システムであって、
    前記充填済容器の測定重量値と、前記充填済容器についての公称重量よりも大きい基準重量値とに基づいて、前記充填済容器を、その内容物の重量値が、前記基準重量値以上の良品と基準重量値未満の不良品とに判別する判別手段と、
    不良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の使用量、及び、良品と判別される前記充填済容器の内容物である前記物品の前記公称重量を超える使用量を抑制するように、前記充填装置の前記目標充填量を、管理目標重量値として決定する決定手段と、
    前記目標充填量を、前記管理目標重量値に制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする充填計量システム。
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