JP2014222083A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無段変速機の油室の容積変化を補償して動力伝達部材を挟圧する適切な挟圧力を発生させる。【解決手段】 基準挟圧力設定手段M1が、入力ディスク15および出力ディスク16とパワーローラ19との間にスリップが発生しないための基準挟圧力を設定し、容積変化量算出手段M6が、要求挟圧力、目標変速比および実変速比に基づいて挟圧力を発生させる油室27,28の容積変化量を算出し、挟圧力補正手段M9が、容積変化量に基づいて基準挟圧力を補正するので、油室27,28の容積が油圧により変化しても、その油室27,28の容積変化を補償するようにフィードフォワード制御により基準挟圧力を補正することで、過不足のない挟圧力を発生させてパワーローラ19のスリップを防止するとともに油圧を発生するオイルポンプ41の駆動力を節減することができ、しかもトロイダル型無段変速機Tの効率向上、発熱量低減、耐久性向上に寄与することができる。【選択図】 図4

Description

本発明は、トロイダル型無段変速機やベルト式無段変速機において、パワーローラや金属ベルト等の動力伝達部材のスリップを防止するための挟圧力を制御する無段変速機の制御装置に関する。
入力ディスクおよび出力ディスク間に挟圧したパワーローラを傾転させることで変速比を無段階に変化させるトロイダル型無段変速機や、ドライブプーリおよびドライブプーリを無端ベルトで接続し、ドライブプーリおよびドライブプーリの有効半径を変化させることで変速比を無段階に変化させるベルト式無段変速機において、無段変速機がニュートラル状態になったときに、パワーローラを挟圧する挟圧力や無端ベルトを挟圧する挟圧力を低減することで、前記挟圧力を発生する油圧ポンプの駆動エネルギーを節減するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2001−200904号公報
ところで、例えばトロイダル型無段変速機では、油室に供給する油圧で入力ディスクを出力ディスクに向けて付勢することで、入力ディスクおよび出力ディスク間に挟圧したパワーローラのスリップを防止しており、その挟圧力はエンジンからトロイダル型無段変速機に入力される入力トルクに応じて設定される。
しかしながら、油室に作用する油圧が増減すると、油室を区画する壁部が油圧で弾性変形して油室の容積が増減するため、単に入力トルクに応じて設定された油圧を油室に作用させるだけでは、油室の容積が変化する分だけ油圧により発生する挟圧力が変化してしまい、挟圧力が不足してパワーローラがスリップしたり、挟圧力が過剰になってオイルポンプを駆動する駆動力が無駄に消費されたりする問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機の油室の容積変化を補償して動力伝達部材を挟圧する適切な挟圧力を発生させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、無段変速機の一対の挟圧部材間に動力伝達部材を所定の挟圧力で挟圧し、前記一対の挟圧部材および前記動力伝達部材の接触位置を変化させることで変速比を変更する無段変速機の制御装置であって、前記挟圧力を制御する挟圧力制御手段が、前記無段変速機への実入力トルクに基づいて前記一対の挟圧部材および前記動力伝達部材間にスリップが発生しないための基準挟圧力を設定する基準挟圧力設定手段と、運転者の要求度合いに応じて前記無段変速機への目標入力トルクを算出する目標入力トルク算出手段と、運転者の要求度合いに応じて前記無段変速機の目標変速比を算出する目標変速比算出手段と、前記目標入力トルクおよび前記目標変速比に基づいて該目標入力トルクおよび該目標変速比に到達したときに要求される要求挟圧力を算出する要求挟圧力算出手段と、前記無段変速機の入力回転数および出力回転数に基づいて該無段変速機の実変速比を算出する実変速比算出手段と、前記要求挟圧力、前記目標変速比および前記実変速比に基づいて前記挟圧力を発生させる油室の容積変化量を算出する容積変化量算出手段と、前記容積変化量に基づいて前記基準挟圧力を補正する挟圧力補正手段とを備えることを特徴とする無段変速機の制御装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記挟圧力補正手段は、前記油室の容積が増加する場合には前記基準挟圧力を増加させるように補正し、前記油室の容積が減少する場合には前記基準挟圧力を減少させるように補正することを特徴とする無段変速機の制御装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記無段変速機は、インプットシャフトと共に回転する前記挟圧部材である入力ディスクと、前記インプットシャフトに相対回転自在に支持された前記挟圧部材である出力ディスクと、前記入力ディスクおよび前記出力ディスク間に挟圧された前記動力伝達部材であるパワーローラと、前記パワーローラを支持するトラニオンと、前記トラニオンを駆動する油圧アクチュエータとを備え、前記油圧アクチュエータで前記トラニオンをトラニオン軸方向に駆動し、前記パワーローラを前記トラニオン軸まわりに揺動させて前記入力ディスクおよび前記出力ディスクとの接触点の位置を変化させることで変速比を変更することを特徴とする無段変速機の制御装置が提案される。
尚、実施の形態の入力ディスク15、出力ディスク16、ドライブプーリ115およびドリブンプーリ117は本発明の挟圧部材に対応し、実施の形態のパワーローラ19および金属ベルト119は本発明の動力伝達部材に対応し、実施の形態の第1油室27および第2油室28は本発明の油室に対応し、実施の形態の加算手段M9は本発明の挟圧力補正手段に対応し、実施の形態のトロイダル型無段変速機Tおよびベルト式無段変速機は本発明の無段変速機に対応し、実施の形態の電子制御ユニットUは本発明の挟圧力制御手段に対応する。
請求項1の構成によれば、基準挟圧力設定手段が、無段変速機への実入力トルクに基づいて一対の挟圧部材および動力伝達部材間にスリップが発生しないための基準挟圧力を設定し、目標入力トルク算出手段が、運転者の要求度合いに応じて無段変速機への目標入力トルクを算出し、目標変速比算出手段が、運転者の要求度合いに応じて無段変速機の目標変速比を算出し、要求挟圧力算出手段が、目標入力トルクおよび目標変速比に基づいて該目標入力トルクおよび該目標変速比に到達したときに要求される要求挟圧力を算出し、実変速比算出手段が、無段変速機の入力回転数および出力回転数に基づいて該無段変速機の実変速比を算出し、容積変化量算出手段が、要求挟圧力、目標変速比および実変速比に基づいて挟圧力を発生させる油室の容積変化量を算出し、挟圧力補正手段が、容積変化量に基づいて基準挟圧力を補正するので、油室の容積が油圧により変化しても、その油室の容積変化を補償するようにフィードフォワード制御により基準挟圧力を補正することで、過不足のない挟圧力を発生させて動力伝達部材のスリップを防止するとともに油圧発生のための駆動力を節減することができるだけでなく、トロイダル型無段変速機の効率向上、発熱量低減、耐久性向上に寄与することができる。
また請求項2の構成によれば、挟圧力補正手段は、油室の容積が増加する場合には基準挟圧力を増加させるように補正し、油室の容積が減少する場合には基準挟圧力を減少させるように補正するので、油室の容積がどのように変化する場合であっても適切な挟圧力を発生させることができる。
また請求項3の構成によれば、無段変速機は、インプットシャフトと共に回転する挟圧部材である入力ディスクと、インプットシャフトに相対回転自在に支持された挟圧部材である出力ディスクと、入力ディスクおよびディスク間に挟圧された動力伝達部材であるパワーローラと、パワーローラを支持するトラニオンと、トラニオンを駆動する油圧アクチュエータとを備えるトロイダル型無段変速機であるので、油圧アクチュエータでトラニオンをトラニオン軸方向に駆動し、パワーローラをトラニオン軸まわりに揺動させて入力ディスクおよび出力ディスクとの接触点の位置を変化させることで変速比を変更することができる。トロイダル型無段変速機は変速比の変化速度が速いので、挟圧力をフィードバック制御しようとすると応答性が低下する問題があるが、挟圧力をフィードフォワード制御することで、変速比の変化速度が速いトロイダル型無段変速機であっても、変速比の変化に遅れることなく挟圧力を追従させることができる。
トロイダル型変速機構のスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の要部拡大図。(第1の実施の形態) 図2の3−3線断面図。(第1の実施の形態) 挟圧力の制御系のブロック図。(第1の実施の形態) 挟圧力と油室の容積との関係を示すグラフ。(第1の実施の形態) ベルト式無段変速機のスケルトン図。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図5に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図3に示すように、自動車用のトロイダル型無段変速機Tは、エンジンEのクランクシャフト11にダンパー12を介して接続されたインプットシャフト13を備えており、インプットシャフト13上に実質的に同一構造の第1無段変速機構14Fおよび第2無段変速機構14Rが支持される。第1無段変速機構14Fは、インプットシャフト13に固定された概略コーン状の入力ディスク15と、インプットシャフト13に相対回転自在かつ軸方向摺動自在に支持された概略コーン状の出力ディスク16と、インプットシャフト13を挟むように配置された一対のトラニオン17,17と、トラニオン17に一端を回転自在に支持された一対のクランク状のピボットシャフト18,18と、ピボットシャフト18,18の他端に回転自在に支持されて入力ディスク15および出力ディスク16に当接可能な一対のパワーローラ19,19とを備える。
入力ディスク15および出力ディスク16の対向面はトロイダル曲面から構成されており、一対のトラニオン17,17がトラニオン軸21,21に沿って相互に逆方向に移動すると、一対のパワーローラ19,19がトラニオン軸21,21まわりに傾転し、入力ディスク15および出力ディスク16に対するパワーローラ19,19の当接点が変化する。
第2無段変速機構14Rは、ドライブギヤ22を挟んで前記第1無段変速機構14Fと実質的に面対称に配置されており、第1、第2無段変速機構14F,14Rの出力ディスク16,16およびドライブギヤ22は一体に形成される。但し、第1無段変速機構14Fの入力ディスク15がインプットシャフト13に固着されるのに対し、第2無段変速機構14Rの入力ディスク15はインプットシャフト13に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能にスプライン結合され、油圧ローダ23により軸方向に付勢される。
油圧ローダ23は、インプットシャフト13に固定されたシリンダ24と、外周および内周をそれぞれシリンダ24およびインプットシャフト13に摺動自在に支持された第1ピストン25と、入力ディスク15から軸方向に突出して第1ピストン25に当接する環状のシリンダ部15aと、外周をシリンダ部15aに摺動自在に支持されて内周をインプットシャフト13に係止された第2ピストン26と、シリンダ24および第1ピストン25間に区画された第1油室27と、入力ディスク15および第2ピストン26間に区画された第2油室28とを備える。
従って、図2において、第1油室27に供給された油圧が第1ピストン25をシリンダ24に対して右方向に駆動して第2無段変速機構14Rの入力ディスク15を右向きに付勢し、かつ第2油室28に供給された油圧が第2ピストン26に対して第2無段変速機構14Rの入力ディスク15を右向きに付勢する。その結果、第2無段変速機構14Rの入力ディスク15および出力ディスク16間にパワーローラ19,19が挟圧されるとともに、第1無段変速機構14Fの入力ディスク15および出力ディスク16間にパワーローラ19,19が挟圧され、入力ディスク15,15および出力ディスク16,16とパワーローラ19…との間のスリップを抑制する挟圧力を発生させることができる。
第1無段変速機構14F(あるいは第2無段変速機構14R)は、油圧制御ブロック31,32に設けられた一対の油圧アクチュエータ33,33を備える。各油圧アクチュエータ33は、トラニオン17の下部に一体に形成され、下部支持板29にローラベアリング30,30を介して回転自在かつ上下摺動自在に支持されたピストンロッド34と、油圧制御ブロック31に形成されたシリンダ35と、ピストンロッド34に一体に形成されてシリンダ35に摺動自在に嵌合するピストン36と、ピストン36の上下一側に区画された増速用油室37と、ピストン36の上下他側に区画された減速用油室38とから構成される。
合計4本のトラニオン17…の上端が、各々球面継手39…を介して上部支持板40の四隅に枢支されており、2本のトラニオン17,17が上動して他の2本のトラニオン17,17が下動するときに、その動きが同期するようになっている。
オイルポンプ41が発生する油圧は油圧制御回路42において調圧され、油圧アクチュエータ33…に供給される。増速用油室37に高圧が供給されて減速用油室38に低圧が供給されるとピストン36およびピストンロッド34が上下方向一方に移動し、逆に減速用油室38に高圧が供給されて増速用油室38に低圧が供給されるとピストン36およびピストンロッド34が上下方向他方に移動する。
例えば、第1無段変速機構14Fの一対のトラニオン17,17を油圧アクチュエータ33,33で相互に逆方向に駆動するとパワーローラ19,19が図1の矢印a方向に傾転し、入力ディスク15との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向外側に移動するとともに、出力ディスク16との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向内側に移動するため、入力ディスク15の回転が増速して出力ディスク16に伝達され、トロイダル型無段変速機Tの変速比が連続的に減少する。一方、パワーローラ19,19が図1の矢印b方向に傾転すると、入力ディスク15との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向内側に移動するとともに、出力ディスク16との接触点がインプットシャフト13に対して半径方向外側に移動するため、入力ディスク15の回転が減速して出力ディスク16に伝達され、トロイダル型無段変速機Tの変速比が連続的に増加する。
第2無段変速機構14Rの作用は上述した第1無段変速機構14Fの作用と同一であり、第1、第2無段変速機構14F,14Rは同期して変速作用を行う。従って、エンジンEのクランクシャフト11からインプットシャフト13に入力された駆動力は、トロイダル型変速機構Tの変速比のレンジ内の任意の変速比で無段階に変速され、ドライブギヤ22から出力される。
尚、油圧制御回路42において調圧された油圧は油圧ローダ23にも供給され、パワーローラ19…のスリップ抑制制御に供される。
次に、図4に基づいて、油圧ローダ23に供給する油圧、つまり入力ディスク15,15および出力ディスク16,16間にパワーローラ19…を挟圧する挟圧力を制御する電子制御ユニットUの構成および作用を説明する。
電子制御ユニットUは、基準挟圧力設定手段M1と、目標入力トルク算出手段M2と、目標変速比算出手段M3と、要求挟圧力算出手段M4と、実変速比算出手段M5と、容積変化量算出手段M6と、容積変化量−挟圧力変換手段M7と、オイル温度補正手段M8と、加算手段M9とを備える。
基準挟圧力設定手段M1は、現在エンジンEからトロイダル型無段変速機Tに入力されている入力トルクに基づいて、入力ディスク15,15および出力ディスク16,16とパワーローラ19…との間にスリップが発生しないための基準挟圧力を設定する。従来のトロイダル型無段変速機Tは、この基準挟圧力をそのまま油圧ローダ23に供給してパワーローラ19…のスリップを抑制していた。トロイダル型無段変速機Tに入力されている入力トルクはエンジンEの出力トルクに等しく、エンジンEの出力トルクはエンジンEの吸気負圧およびエンジン回転数に基づいて算出可能である。
目標入力トルク算出手段M2は、運転者の要求度合い、例えば運転者により操作されるアクセルペダルの開度(アクセルペダル開度)に基づいて、トロイダル型無段変速機Tの目標入力トルクを算出する。
目標変速比算出手段M3は、運転者の要求度合い、例えば運転者により操作されるアクセルペダルの開度(アクセルペダル開度)に基づいて、トロイダル型無段変速機Tの目標変速比を算出する。
要求挟圧力算出手段M4は、目標入力トルク算出手段M2で算出した目標入力トルクと、目標変速比算出手段M3で算出した目標変速比とに基づいて、トロイダル型無段変速機Tが該目標入力トルクおよび該目標変速比に到達したときに要求される挟圧力である要求挟圧力を算出する。
実変速比算出手段M5は、トロイダル型無段変速機Tのインプットシャフト13の回転数(入力回転数)をドライブギヤ22の回転数(出力回転数)で除算することで実変速比を算出する。
容積変化量算出手段M6は、要求挟圧力に基づいて油圧ローダ23の第1油室27および第2油室28の容積変化量を算出する。油圧ローダ23の第1油室27に油圧が作用すると、その壁面を構成するシリンダ24が油圧で弾性変形することで、第1油室27の容積が拡大する。同様に、油圧ローダ23の第2油室28に油圧が作用すると、その壁面を構成する第2ピストン26が油圧で弾性変形することで、第2油室28の容積が拡大する。図5は、第1、第2油室27,28の油圧と容積との関係を示すもので、何れの変速比においても油圧の増加に応じて容積が増加していることが分かる。よって、目標変速比および要求挟圧力が決まれば、その目標変速比および要求挟圧力に達したときの第1、第2油室27,28の容積の増加量を知ることができる。
このように、第1、第2油室27,28の容積が増加すると、基準挟圧力に相当する油圧を供給しても容積の増加分だけ挟圧力が低下してしまい、挟圧力が不足してパワーローラ19,19がスリップする虞があるが、第1、第2油室27,28の容積の増加を見越して基準挟圧力を増加方向に補正することで、パワーローラ19,19のスリップを阻止し得る挟圧力を発生させることができる。
更に、容積変化量算出手段M6は、実変速比および目標変速比の差分に基づいて目標変速速度を算出し、この目標変速速度に同期させて第1、第2油室27,28の容積の増加速度を算出する。
容積変化量−挟圧力変換手段M7は、油圧ローダ23の第1油室27および第2油室28の容積変化量(容積変化速度)を、それを補償し得る油圧ローダ23の挟圧力の補正量に変換する。
オイル温度補正手段M8は、トロイダル型無段変速機Tのオイルの温度に基づいて油圧ローダ23の挟圧力の補正量を補正する。具体的には、低温時にはオイルの粘性が高くて挟圧力が増加し難いので、挟圧力の補正量を増加方向に補正し、逆に高温時にはオイルの粘性が低くて挟圧力が増加し易いので、挟圧力の補正量を減少方向に補正する。
加算手段M9は、基準挟圧力設定手段M1で設定した基準挟圧力に、容積変化量算出手段M6が算出した第1油室27および第2油室28の容積変化量を挟圧力の補正量に変換し、それをオイル温度で補正した値を加算して補正する。そして加算手段M9が出力する最終的な目標挟圧力を油圧ローダ23が発生するように、その目標挟圧力に対応する油圧を油圧制御回路42が油圧ローダ23に出力する。
その結果、第1油室27および第2油室28の容積が油圧により変化しても、その容積変化を補償するようにフィードフォワード制御により基準挟圧力を補正することで、入力ディスク15,15および出力ディスク16,16間にパワーローラ19…を挟圧する挟圧力を過不足なく発生させ、パワーローラ19…のスリップを防止しながらオイルポンプ41の駆動力を節減することができるだけでなく、トロイダル型無段変速機Tの効率向上、発熱量低減、耐久性向上に寄与することができる。このとき、第1油室27および第2油室28の容積が増加する場合には基準挟圧力を増加させるように補正し、第1油室27および第2油室28の容積が減少する場合には基準挟圧力を減少させるように補正するので、油室の容積がどのように変化する場合であっても適切な挟圧力を発生させることができる。
またトロイダル型無段変速機Tは変速比の変化速度が速いので、挟圧力をフィードバック制御しようとしても挟圧力が変速比に追従できない可能性があるが、挟圧力をフィードフォワード制御することで、変速比の変化速度が速いトロイダル型無段変速機Tであっても、変速比の変化に遅れることなく挟圧力を追従させることができる。
第2の実施の形態
第1の実施の形態はトロイダル型無段変速機Tに関するものであるが、第2の実施の形態はベルト式無段変速機Tに関するものである。
図6に示すように、自動車用のベルト式無段変速機Tは平行に配置されたドライブシャフト111およびドリブンシャフト112を備えており、エンジンEのクランクシャフト113の左端はダンパー114を介してドライブシャフト111の右端に接続される。
ドライブシャフト111の外周に筒状のアウタシャフト140が相対回転自在に嵌合しており、アウタシャフト140に支持されたドライブプーリ115は、該アウタシャフト140に一体に形成された固定側プーリ半体141と、この固定側プーリ半体141に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体142とを備える。可動側プーリ半体142は、油室116に作用する油圧により固定側プーリ半体141との間の溝幅が可変である。ドリブンシャフト112に支持されたドリブンプーリ117は、該ドリブンシャフト112に一体に形成された固定側プーリ半体143と、この固定側プーリ半体143に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体144とを備える。可動側プーリ半体144は、油室118に作用する油圧により固定側プーリ半体143との間の溝幅が可変である。そしてドライブプーリ115とドリブンプーリ117とに金属ベルト119が巻き掛けられる。
ドライブシャフト111の左端に、前進変速段を確立する際に係合してドライブシャフト111の回転を同方向にアウタシャフト140に伝達するフォワードクラッチ120と、後進変速段を確立する際に係合してドライブシャフト111の回転を逆方向にアウタシャフト140に伝達するリバースブレーキ121とを備えた、シングルピニオン式の遊星歯車機構よりなる前後進切換機構122が設けられる。前後進切換機構122のサンギヤ137はドライブシャフト111に固定され、プラネタリキャリヤ138はリバースブレーキ121によりケーシングに拘束可能であり、リングギヤ139はフォワードクラッチ120によりアウタシャフト140に結合可能である。
ドリブンシャフト112の右端に設けられる発進用クラッチ123は、ドリブンシャフト112に相対回転自在に支持した第1中間ギヤ124を該ドリブンシャフト112に結合する。ドリブンシャフト112と平行に配置された中間軸125に、前記第1中間ギヤ124に噛合する第2中間ギヤ126が設けられる。ディファレンシャルギヤ127のギヤボックス128に設けた入力ギヤ129に、前記中間軸125に設けた第3中間ギヤ130が噛合する。ギヤボックス128にピニオンシャフト131,131を介して支持した一対のピニオン132,132に、ギヤボックス128に相対回転自在に支持した左車軸133および右車軸134の先端に設けたサイドギヤ135,136が噛合する。左車軸133および右車軸134の先端にそれぞれ駆動輪W,Wが接続される。
従って、セレクトレバーでフォワードレンジを選択すると、オイルポンプ41からの油圧が油圧制御回路42を介して伝達されたフォワードクラッチ120が係合し、その結果ドライブシャフト111はアウタシャフト140を介してドライブプーリ115に一体に結合される。続いて発進用クラッチ123が係合し、エンジンEのトルクがドライブシャフト111、アウタシャフト140、ドライブプーリ115、金属ベルト119、ドリブンプーリ117、ドリブンシャフト112およびディファレンシャルギヤ127を経て駆動輪W,Wに伝達され、車両は前進発進する。セレクトレバーでリバースレンジを選択すると、リバースブレーキ121が係合してアウタシャフト140およびドライブプーリ115がドライブシャフト111の回転方向と逆方向に駆動されるため、発進用クラッチ123の係合により車両は後進発進する。
このようにして車両が発進すると、油圧制御回路42によりドライブプーリ115の油室116に供給される油圧が増加し、ドライブプーリ115の可動側プーリ半体142が固定側プーリ半体141に接近して有効半径が増加するとともに、ドリブンプーリ117の油室118に供給される油圧が減少し、ドリブンプーリ117の可動側プーリ半体144が固定側プーリ半体143から離反して有効半径が減少することにより、ベルト式無段変速機TのレシオがLOW側からOD側に向けて連続的に変化する。
さて、かかるベルト式無段変速機Tにおいて、ドライブプーリ115の油室116に油圧を供給して可動側プーリ半体142を固定側プーリ半体141に対して付勢し、かつドリブンプーリ117の油室118に油圧を供給して可動側プーリ半体144を固定側プーリ半体143に対して付勢することで、ドライブプーリ115およびドリブンプーリ117に対する金属ベルト119のスリップが防止される。その際にも、油圧によってドライブプーリ115の油室116およびドリブンプーリ117の油室118の容積が増加するため、規定の油圧を作用させても油室118の容積の増加分だけ金属ベルト119の挟圧力が低下してしまい、金属ベルト119がスリップする可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様に、油圧による油室116,118の容積の増加を見越して金属ベルト119の挟圧力をフィードフォワード制御することで、過不足のない挟圧力を発生させて金属ベルト119のスリップを防止しながらオイルポンプ41の駆動力を節減することができ、しかもベルト式無段変速機Tの効率向上、発熱量低減、耐久性向上に寄与することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態のトロイダル型無段変速機Tは第1油室27および第2油室28を備えているが、単一の油室だけを備えるものであっても良い。
また実施の形態のトロイダル変速機構Tはダブルキャビティ型のものであるが、シングルキャビティ型のものであっても良い。
13 インプットシャフト
15 入力ディスク(挟圧部材)
16 出力ディスク(挟圧部材)
17 トラニオン
19 パワーローラ(動力伝達部材)
21 トラニオン軸
27 第1油室(油室)
28 第2油室(油室)
33 油圧アクチュエータ
115 ドライブプーリ(挟圧部材)
116 油室
117 ドリブンプーリ(挟圧部材)
118 油室
119 金属ベルト(動力伝達部材)
M1 基準挟圧力設定手段
M2 目標入力トルク算出手段
M3 目標変速比算出手段
M4 要求挟圧力算出手段
M5 実変速比算出手段
M6 容積変化量算出手段
M9 加算手段(挟圧力補正手段)
T トロイダル型無段変速機、ベルト式無段変速機(無段変速機)
U 電子制御ユニット(挟圧力制御手段)

Claims (3)

  1. 無段変速機(T)の一対の挟圧部材(15,16,115,117)間に動力伝達部材(19,119)を所定の挟圧力で挟圧し、前記一対の挟圧部材(15,16,115,117)および前記動力伝達部材(19,119)の接触位置を変化させることで変速比を変更する無段変速機の制御装置であって、
    前記挟圧力を制御する挟圧力制御手段(U)が、
    前記無段変速機(T)への実入力トルクに基づいて前記一対の挟圧部材(15,16,115,117)および前記動力伝達部材(19,119)間にスリップが発生しないための基準挟圧力を設定する基準挟圧力設定手段(M1)と、
    運転者の要求度合いに応じて前記無段変速機(T)への目標入力トルクを算出する目標入力トルク算出手段(M2)と、
    運転者の要求度合いに応じて前記無段変速機(T)の目標変速比を算出する目標変速比算出手段(M3)と、
    前記目標入力トルクおよび前記目標変速比に基づいて該目標入力トルクおよび該目標変速比に到達したときに要求される要求挟圧力を算出する要求挟圧力算出手段(M4)と、 前記無段変速機(T)の入力回転数および出力回転数に基づいて該無段変速機の実変速比を算出する実変速比算出手段(M5)と、
    前記要求挟圧力、前記目標変速比および前記実変速比に基づいて前記挟圧力を発生させる油室(27,28,116,118)の容積変化量を算出する容積変化量算出手段(M6)と、
    前記容積変化量に基づいて前記基準挟圧力を補正する挟圧力補正手段(M9)と、
    を備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記挟圧力補正手段(M9)は、前記油室(27,28,116,118)の容積が増加する場合には前記基準挟圧力を増加させるように補正し、前記油室(27,28,116,118)の容積が減少する場合には前記基準挟圧力を減少させるように補正することを特徴とする、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記無段変速機(T)は、インプットシャフト(13)と共に回転する前記挟圧部材である入力ディスク(15)と、前記インプットシャフト(13)に相対回転自在に支持された前記挟圧部材である出力ディスク(16)と、前記入力ディスク(15)および前記出力ディスク(16)間に挟圧された前記動力伝達部材であるパワーローラ(19)と、前記パワーローラ(19)を支持するトラニオン(17)と、前記トラニオン(17)を駆動する油圧アクチュエータ(33)とを備え、前記油圧アクチュエータ(33)で前記トラニオン(17)をトラニオン軸(21)方向に駆動し、前記パワーローラ(19)を前記トラニオン軸(21)まわりに揺動させて前記入力ディスク(15)および前記出力ディスク(16)との接触点の位置を変化させることで変速比を変更することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の無段変速機の制御装置。
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