JP2014221765A - 増殖性疾患を治療するための、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の投与方法 - Google Patents

増殖性疾患を治療するための、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の投与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】哺乳動物における増殖性疾患の治療の為、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)阻害剤及びその投与方法の提供。
【解決手段】式(I)で表される尿素誘導体による増殖性疾患の治療方法。治療上有効量が1日当たり少なくとも12mgである投薬、投薬計画及び医薬製剤。ヒトにおける増殖性疾患又はFLT−3介在性疾患の治療方法。

【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2007年11月8日に出願された米国仮出願番号61/002,583;2007年12月7日に出願された61/005,803;2008年9月19日に出願された61/098,676;及び2008年11月6日に出願された61/112,060の優先権の利益を主張しており、それぞれの開示全体は、参照により本明細書中に組み込まれる。
分野
本明細書において、ヒト患者への、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物の投与方法が提供される。具体的には、本明細書において、投薬、投薬スケジュール又は投薬計画(regimens)が提供される。さらに、医薬製剤が提供される。ヒトにおける増殖性疾患又はFLT−3介在性疾患の治療方法も提供される。
背景
FLK−2(胎児肝臓キナーゼ2)及びSTK−1(幹細胞キナーゼ1)としても知られるFms様チロシンキナーゼ3(FLT3)は、造血幹細胞の増殖及び分化において重要な役割を担う。FLT3受容体キナーゼは、正常な造血細胞、胎盤、性腺、及び脳において発現する。しかし、この酵素は、80%を上回る骨髄性患者の細胞、及び急性リンパ性白血病細胞のごく一部(の細胞)において、非常に高いレベルで発現する。この酵素は、リンパ性の急性転化において、慢性骨髄性白血病を有する患者由来の細胞においても見出され得る。
FLT3キナーゼは、急性骨髄性白血病(AML)の30%において、また急性リンパ性白血病(ALL)の一部においても同様に、変異していることが報告されている(Gilliland et al., Blood 2002, 100, 1532-1542; Stirewalt et al., Nat. Rev. Cancer 2003, 3, 650-665)。FLT3における最も一般的な活性化変異は、膜近傍領域内の内部タ
ンデム重複である。キナーゼドメインにおける点変異、挿入、又は欠失はそれほど一般的ではない。これらの変異FLT3キナーゼのいくつかは、構成的に活性化している。FLT3変異は予後不良と関連付けられている(Malempati et al., Blood 2004, 104, 11)
1ダース以上の公知のFLT3阻害剤が開発中であり、いくつかはAMLに対して有望な臨床上の効果を示している(Levis et al., Int. J. Hematol. 2005, 82, 100- 107)
。低分子FLT3阻害剤のいくつかは、FLT3活性化変異を有する細胞株におけるアポトーシスの誘導、及び骨髄細胞において変異FLT3を発現するマウスの生存期間の延長において、効果的であることが報告されている(Levis et al., Blood 2002, 99, 3885-3891; Kelly et al., Cancer Cell 2002, 1, 421-432; Weisberg et al., Cancer Cell 2002, 1, 433-443; Yee et al., Blood 2002, 100, 2941-2949)。
タンパク質チロシンキナーゼを阻害する低分子の同定に成功したにも関わらず、FLT−3介在性疾患の治療のために有用な化合物を含むこのような化合物を、特にAML及び
ALLを有するヒトに対し、使用又は投与する安全且つ効果的な方法の必要性が存在し続けている。
開示の要旨
一実施形態において、本明細書により、1日当たり少なくとも12mgの式I
の化合物又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、増殖性疾患を有する哺乳動物に投与することによる、増殖性疾患の治療方法が提供される。
別の実施形態において、本明細書により、約0.1から約10mg/kg/日の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、増殖性疾患を有する哺乳動物に投与することによる、増殖性疾患の治療方法が提供される。
さらに別の実施形態において、本明細書により、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、定常状態における該化合物の血漿中濃度として約0.01から約10μMを与えるのに十分な量で、増殖性疾患を有する哺乳動物に投与することによる、増殖性疾患の治療方法が提供される。
さらに別の実施形態において、本明細書により、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、該化合物のピーク血漿中濃度として約0.01から約10μMを与えるのに十分な量で、増殖性疾患を有する哺乳動物に投与することによる、増殖性疾患の治療方法が提供される。
なおさらに別の実施形態において、本明細書により、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、該化合物の2以上の用量で投与される場合、該化合物のトラフ血漿中濃度として約0.01から約10μMを与えるのに十分な量で、増殖性疾患を有する哺乳動物に投与することによる、増殖性疾患の治療方法が提供される。
一実施形態において、本明細書中に提供される方法における増殖性疾患は、癌である。別の実施形態において、本明細書中に提供される方法における増殖性疾患は、固形腫瘍である。さらに別の実施形態において、本明細書中に提供される方法における増殖性疾患は、血液由来の腫瘍である。さらに別の実施形態において、増殖性疾患は、白血病である。一実施形態において、白血病は、急性骨髄性白血病である。別の実施形態において、白血病は、急性リンパ性白血病である。なおさらに別の実施形態において、白血病は、薬物抵抗性白血病である。
一実施形態において、薬物抵抗性白血病は、薬物抵抗性急性骨髄性白血病である。一実施形態において、薬物抵抗性急性骨髄性白血病を有する哺乳動物は、活性化変異FLT3を有する。なおさらに別の実施形態において、薬物抵抗性急性骨髄性白血病は、フィラデ
ルフィア陽性である。
別の実施形態において、薬物抵抗性白血病は、薬物抵抗性急性リンパ性白血病である。一実施形態において、薬物抵抗性急性骨髄性白血病を有する哺乳動物は、活性化変異FLT3を有する。なおさらに別の実施形態において、薬物抵抗性急性骨髄性白血病は、フィラデルフィア陽性である。
本明細書中に提供される各方法は、第二の治療剤を投与する工程をさらに含み得る。一実施形態において、第二の治療剤は、抗癌剤である。一実施形態において、第二の治療剤は、プロテインキナーゼ阻害剤である;別の実施形態において、チロシンキナーゼ阻害剤である;さらに別の実施形態において、第二のFLT3キナーゼ阻害剤である。
別の実施形態において、本明細書により、疾患を有するヒトに、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を、連続的に1日当たり約27から約1000mgの量で投与する方法が提供される。さらなる実施形態において、1日当たり200、450、又は675mgが、疾患を有するヒトに継続的に投与される。さらに、別の実施形態において、1日当たり40mgから1日当たり675mgのN−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物が、AMLを有するヒトに投与され、その疾患が治療される。
図1は、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の、マウス異種移植モデル(FLT3依存性ヒト白血病細胞株MV4−11をマウスに移植した)における腫瘍増殖における効果を示す。 図2は、マウスにおいては1mg/kg又は0.1mg/kgの用量における、そしてヒトにおいては平均で約0.15mg/kgの用量における、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の経時的な血漿中濃度を示す。 図3は、複数回投与計画(第一の投与は1日目の始めに行い、第二の投与は8日目に行った)の下、ヒトにおけるN−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の経時的な血漿中濃度を示す。 図4は、12mgコホート及び18mgコホートにおける、各患者についてのN−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の経時的な血漿中濃度を示す。 図4は、12mgコホート及び18mgコホートにおける、各患者についてのN−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の経時的な血漿中濃度を示す。 図5は、1日目(図5A)及び8日目(図5B)の、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素へ曝露させたヒトにおける用量反応(AUC)を示す。 図5は、1日目(図5A)及び8日目(図5B)の、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素へ曝露させたヒトにおける用量反応(AUC)を示す。
詳細な説明
本明細書中に説明される開示の理解を容易にするために、多数の用語を以下に定義する。
用語「FLT3介在性疾患又は障害」としては、FLT3活性と関連する又は関係している疾患(例えば、FLT3の過剰な活性)、及びこれらの疾患に付随する状態が挙げられる。用語「FLT3の過剰な活性」とは、1)通常はFLT3を発現しない細胞におけるFLT3発現;2)通常はFLT3を発現しない細胞によるFLT3発現;3)好ましくない細胞増殖につながるFLT3発現の増加;又は4)FLT3の構成的活性化につながる変異、のいずれかを言う。「FLT3介在疾患又は障害」の例としては、異常に多い量のFLT3又はFLT3内の変異による、FLT3の過剰な刺激又は異常に高いFLT3活性量に起因する障害が挙げられる。FLT3の過剰な活性は、本明細書中に記載されるように、炎症性疾患及び自己免疫疾患、細胞増殖性障害、腫瘍性障害並びに癌を含む、多くの疾患の発症に関連することが知られている。
用語「増殖性障害又は疾患」とは、多細胞生物にとって害(すなわち、不快感または期待寿命の短縮)となる、多細胞生物における1以上のサブセットの細胞の望まれない細胞増殖を言う。増殖性障害又は疾患は、様々な種類の動物及びヒトにおいて起こり得る。例えば、本明細書中で使用される場合、「増殖性障害又は疾患」は、腫瘍性障害及び他の増殖性障害を含む。
用語「腫瘍性障害又は疾患」あるいは「癌」とは、異常な又は制御されない細胞増殖に起因する腫瘍を言う。腫瘍性障害の例としては、造血性障害(例えば骨髄増殖性障害、血小板血症、本態性血小板増加症(ET)、血管由来の骨髄化生、骨髄線維症(MF)、骨髄化生を伴う骨髄線維症(MMM)、慢性突発性骨髄線維症(IMF)、真性赤血球増加症(PV)、血球減少症、及び前癌性骨髄異形成症候群など);癌(例えばグリオーマ癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、胃癌、食道癌、結腸癌、膵臓癌、卵巣癌、及び血液学的悪性腫瘍など)が挙げられるが、それらに限定されない。
用語「血液学的悪性腫瘍」とは、生体の造血系及び免疫系−骨髄及びリンパ組織の癌を言う。血液学的悪性腫瘍の例としては、例えば、骨髄異形成、リンパ腫、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)、及び骨髄腫(例えば急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、3血球系骨髄異形成を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、及び多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。
用語「白血病」とは、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血
病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含む、造血組織の悪性新生物を言うが、それらに限定されない。白血病は、再発し得るし、難治性であり得るし、あるいは従来の治療に対して抵抗性であり得る。
用語「前骨髄球性白血病」又は「急性前骨髄球性白血病」とは、骨髄系列の細胞における成熟血液細胞の欠損が認められ、且つ前骨髄球と呼ばれる未成熟細胞が過剰に存在する、骨髄の悪性腫瘍を言う。それは通常、第15番及び第17番染色体の一部の交換により特徴付けられる。
用語「急性リンパ性白血病」、「急性リンパ芽球性白血病」、又は「ALL」とは、初期非顆粒性白血球又はリンパ球の異常な増殖及び発生により引き起こされる悪性疾患を言う。
用語「T細胞白血病」とは、Tリンパ球又はT細胞と呼ばれるリンパ系の特定の細胞が悪性となっている疾患を言う。T細胞は、通常ウイルスに感染した細胞、外来性細胞、及び癌細胞を攻撃することができ;免疫応答を制御する物質を産生することができる白血球である。
用語「再発」とは、治療後癌の寛解を得た対象又は哺乳動物が、また癌細胞を有する状態を言う。
用語「難治性又は抵抗性」とは、対象又は哺乳動物が、徹底的な治療の後でも、その体内に残存する癌細胞を有する状況を言う。
用語「抗癌剤」とは、抗増殖剤及び化学療法剤を含むことを意味し、代謝拮抗物質(例えば、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、フルダラビン、シタラビン(シトシンアラビノシド又はAra−Cとしても知られる)、及びHDAC(高用量シタラビン))、抗微小管剤(例えば、ビンカアルカロイド(例えばビンクリスチン及びビンブラスチンなど);及びタキサン(例えばパクリタキセル及びドセタキセルなど))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、メルファラン、イホスファミド、カルムスチン、アザシチジン、デシタビン(decitibine)、ブスルファン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、及びニトロソウレア(例えばカルムスチン、ロムスチン、ビスクロロエチルニトロソウレア(bischloroethylnitrosurea)、及びヒドロキシウレアなど))、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM−216)、及びCI−973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン及びダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、ブレオマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン、ルビドマイシン(rubidomycin)、又はセルビジン(cerubidine)としても知られる)、及びミトキサントロン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば
、エトポシド及びカンプトテシン)、プリン拮抗薬又はピリミジン拮抗薬(例えば、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビル(cytarabile)、クロファラビン、及びゲミシタビン(gemcitabine))、細胞成熟剤(例えば、三酸化ヒ素及びトレチノ
イン)、DNA修復酵素阻害剤(例えば、ポドフィロトキシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、及びテニポシド)、細胞生存を阻止する酵素(例えば、アスパラギナーゼ及びペガスパルガーゼ)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット(vorinostat))、任意の他の細胞毒性剤(例えば、リン酸エストラムスチン、デキサメタゾン、プレドニムスチン、及びプロカルバジン)、ホルモン(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、タモキシフェン、リュープロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、モノクローナル抗体(例えば、ゲムツヅマブ オゾガマイシン、アレムツヅマブ、リツキシマブ、及びイットリウム−90−イブリツモマブ チウキセタ
ン)、免疫賦活剤(例えば、サリドマイド及びレナリドマイド)、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤(例えばAP23464、AZD0530、CGP76030、PD180970、SKI−606、イマチニブ、BMS354825(ダサチニブ)、AMN107(ニロチニブ)、及びVX−680)、ホルモン作動薬又は拮抗薬、部分的作動薬又は部分的拮抗薬、キナーゼ阻害剤、手術、放射線治療(例えば、γ線照射、中性子ビーム(bean)放射線治療、電子ビーム放射線治療、陽子線治療、小線源治療、及び全身性放射性同位元素)、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、及び腫瘍壊死因子)、温熱療法(hyperthemia)及び低温療法、並びに任意の副作
用を軽減する薬剤(例えば、制吐剤)が挙げられるが、それらに限定されない。
用語「対象」とは、動物のことを言い、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含む哺乳動物が挙げられるが、それらに限定されない。用語「対象」及び「患者」は、例えば、哺乳動物対象(例えばヒト対象など)に関して、本明細書中で参照する場合には互換的に使用される。
用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、障害、疾患、若しくは状態、又は障害、疾患、若しくは状態に付随する1以上の症状を軽減あるいは抑制すること;あるいは障害、疾患、又は状態そのものの原因を軽減又は根絶することを含むことが意図される。
用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、障害、疾患、若しくは状態、及び/又はそれに付随する症状の開始を遅らせる及び/又は妨げる方法;対象が疾患になるのを妨げる方法;あるいは障害、疾患、又は状態になる対象のリスクを低減する方法を含むことが意図される。
用語「医薬上許容可能な担体」、「医薬上許容可能な賦形剤」、「生理学的に許容可能な担体」、又は「生理学的に許容可能な賦形剤」とは、例えば液体若しくは固体の増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入物質などの、医薬上許容可能な物質、組成物、又はビヒクルを言う。一実施形態において、各構成要素は、医薬製剤の他の成分に適合するという意味において、そして合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、炎症、アレルギー応答、免疫原性、又は他の問題若しくは合併症なく、ヒト及び動物の組織又は器官と接触して使用するのに適しているという意味において、「医薬上許容可能」である。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition; Lippincott Williams &
Wilkins: Philadelphia, PA, 2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition; Rowe et al. , Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;及びHandbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition; Ash
and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007;Pharmaceutical Preformulation and
Formulation, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2004を参照されたい。
用語「薬物抵抗性」とは、疾患が単数又は複数の薬物による治療に対して応答しない場合の状態を言う。薬物抵抗性は、内在性(疾患が単数又は複数の薬物に対して応答性であったことがないことを意味する)であり得、あるいは獲得性(疾患が以前には応答した単数又は複数の薬物に対し、その疾患が応答しなくなることを意味する)であり得る。ある実施形態において、薬物抵抗性は内在性である。ある実施形態において、薬物抵抗性は獲得性である。本明細書中で使用される場合、用語「薬物抵抗性」は、イマチニブ抵抗性、ダサチニブ抵抗性、及び/又はニロチニブ抵抗性を含むことが意図される。
用語「水和物」は、非共有結合性分子間力により結合した、化学量論的な又は非化学量論的な量の水をさらに含む、本明細書中に提供される化合物又はその塩を意味する。
用語「溶媒和物」は、本明細書中に提供される化合物への1以上の溶媒分子の会合から形成される溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」は水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。
用語「約」又は「およそ」は、当業者により決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味し、部分ごとにその値がどのように測定又は決定されるかに依存する。ある実施形態において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差の範囲内を意味する。ある実施形態において、用語「約」又は「およそ」は、所定の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%の範囲内を意味する。
化合物
本明細書中に提供される方法における使用に適した化合物は、式I:
の構造を有するN−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
式Iの化合物は、2007年3月16日に出願され、2007年10月4日に米国公開番号2007/0232604として公開された米国特許出願番号11/724,992に記載の方法に従って調製され得、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。化合物は、本明細書中の教示に基づき当業者に明らかな他の方法に従っても合成され得る。
一実施形態において、本明細書中に提供される方法において使用される化合物は、式Iの化合物の遊離塩基、又はその医薬上許容可能な溶媒和物である。一実施形態において、遊離塩基は固体である。別の実施形態において、遊離塩基は、非晶形の固体である。さらに別の実施形態において、遊離塩基は結晶形の固体である。固形の式Iの化合物は、2007年9月19日に出願された米国仮特許出願番号60/994,635に記載の方法に従って調製され得、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる;又は当分野において公知の他の方法を使用して調製され得る。
別の実施形態において、遊離塩基は、医薬上許容可能な溶媒和物である。一実施形態において、遊離塩基は水和物である。別の実施形態において、医薬上許容可能な溶媒は、メタノール溶媒和物である。式Iの化合物のメタノール溶媒和物は、2007年9月19日に出願された米国仮特許出願番号60/994,635に記載の方法に従って;又は当分野において公知の他の方法を使用して調製され得る。
さらに別の実施形態において、本明細書中において提供される方法において使用される化合物は、式Iの化合物の医薬上許容可能な塩であり、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、ブチレート(butyrate)、クエン酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩(camphorsulfonate)、シクロペンタンプロピオン酸塩(cyclopentanepropionate)、ジグルコン酸塩(digluconate)、ドデシル硫酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩(
エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩(esylate))、ギ酸塩、フマル酸塩
、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミスルホン酸塩(hemisulfate)、ヘプタン酸塩(heptanoate)、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化
水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、2−ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩(napsylate))、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチネー
ト(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、
ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、又はウンデカン酸塩の塩が含まれるが、それらに限定されない。
一実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物の、塩酸塩、臭化水素酸塩
、硫酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、エジシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、又はナプシル酸塩である。別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物の塩酸塩
である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物の臭化水素
酸塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物の硫酸
塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物のメシル
酸塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物のエシ
ル酸塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物のエ
ジシル酸塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合物
のベシル酸塩である。さらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式Iの化合
物のトシル酸塩である。なおさらに別の実施形態において、医薬上許容可能な塩は、式I
の化合物のナプシル酸塩である。式Iの化合物の医薬上許容可能な塩は、2007年9月
19日に出願された米国仮特許出願番号60/994,635;2008年9月19日に出願された特許出願番号12/233,906(それぞれ、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる)に記載の方法に従って調製され得る。式Iの化合物の医薬上許容
可能な塩は、当分野において公知の他の方法を使用しても調製され得る。
本明細書中で使用される場合、式Iの化合物は、特定の立体化学が明記されない限り、
全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。式Iの化合物の構造異性体が、低
いエネルギー障壁により相互交換可能な場合、式Iの化合物は、単一の互変異性体又は互
変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば尿素基を含む化合物においては陽子互変異性の形をとり得;又は芳香族部分を含む化合物においてはいわゆる原子価互変異性の形をとり得る。
医薬組成物
一実施形態において本明細書中に提供されるのは、1以上の医薬上許容可能な担体と組み合わせて、有効成分として式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和
物を含む、医薬組成物である。一実施形態において、該医薬組成物は、少なくとも1つの非放出制御賦形剤又は担体を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、少なくとも1の放出制御賦形剤又は担体を含み、そして少なくとも1の非放出制御の賦形剤又は担体を含む。
別の実施形態において本明細書中に提供されるのは、1以上の医薬上許容可能な担体と組み合わせて、有効成分として式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒
和物を含む、医薬組成物であり、各担体は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))、クエン酸、PEG400、PEG6000、ポリビニルピロリドン(PVP)、ラウロイルポリオキシルグリセリド(lauroyl polyoxylglycerides)(GELUCIRE(登録商標)44/14、Gattefosse Corp.、パラマス、N.J.)、PLURONIC(登録商標)F68、二酸化珪素、及び水からなる群から選択される。PLURONIC(登録商標)F68(Poloxamer 188としても知られる)は、エチレンオキサイド及び酸化プロピレンのブロック共重合体である。
さらに別の実施形態において本明細書中に提供されるのは、式Iの化合物、又はその医
薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物、及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)を含む、医薬組成物である。ある実施形態において、HPBCDを含む組成物は、水溶液として製剤化される。それは、適切な量の式Iの化合物、又はその医薬上
許容可能な塩若しくは溶媒和物に、所望の濃度で水性HPBCD溶液を添加し、化合物の所望の終濃度(約1、約2、約3、約5、約10、約15、約50、又は約100mg/mLの終濃度が含まれるが、それらに限定されない)を達成することにより得られる。一実施形態において、該HPBCD組成物は、約5%のHPBCDを含む。別の実施形態において、該HPBCD組成物は、約22%のHPBCDを含む。ある実施形態において、該医薬組成物は、5%HPBCD中に、2、3、又は5mg/mLの式Iの化合物、又は
その医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む。ある実施形態において、該医薬組成物は、22%HPBCD中に、1、3、又は10mg/mLの式Iの化合物、又はその医薬
上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む。典型的な医薬組成物の例を表1に示す。
さらに別の実施形態において、投与前に1以上の医薬上許容可能な担体を含む水溶液で再構成するための、医薬組成物が本明細書中に提供される。一実施形態において、該医薬組成物は、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む。別の実
施形態において、該医薬組成物は、バイアル中の式Iの化合物を含む。さらに別の実施形態において、該医薬組成物は、約1から約200mg、約10から100mg、若しくは約10から60mg、又は10mg、12mg、14mg、16mg、18mg、20mg、25mg、27mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、若しくは60mgの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む。一実施形態において、再構成に使用される水溶液はHPBCDを含む。ある実施形態において、該水溶液は、5重量%のHPBCDを含む。ある実施形態において、該水溶液は22重量%のHPBCDを含む。
さらに別の実施形態において、PEG400及び水と組み合わせて、式Iの化合物、又
はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が本明細書中に提供される。ある実施形態において、PEG400及び水の比は、3対1である。
さらに別の実施形態において、マンニトール及びEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物
が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、該医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。典型的な医薬組成物の例を表2に示す。
さらに別の実施形態において、マンニトール、EXPLOTAB(登録商標)、及びクエン酸と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含
む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可
能な塩若しくは溶媒和物は、例えば、ジェットミルを使用して、微粉化される。典型的な医薬組成物の例を表3に示す。
さらに別の実施形態において、PEG6000、マンニトール、及びEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和
物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。典型的な医薬組成物の例を表4に示す。
さらに別の実施形態において、ポリビニルピロリドン(PVP)、マンニトール、及びEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な
塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。典型的な医薬組成物の例を表5に示す。
さらに別の実施形態において、GELUCIRE(登録商標)と組み合わせて式Iの化
合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。ある実施形態において、医薬組成物は、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の二塩酸塩及びGELUCIRE(登録商標)44/14を含む。典型的な医薬組成物の例を表6に示す。
さらに別の実施形態において、GELUCIRE(登録商標)及びPEC6000と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成
物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。ある実施形態において、医薬組成物は、3重量部のGELUCIRE(登録商標)及び1重量部のPEG6000を含む。
さらに別の実施形態において、マンニトール、EXPLOTAB(登録商標)、及びPLURONIC(登録商標)F68と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可
能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。典型的な医薬組成物の例を表7に示す。
さらに別の実施形態において、GELUCIRE(登録商標)、PEG6000、シリコーン二酸化物、マンニトール、及びEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて式I
の化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。典型的な医薬組成物の例を表8に示す。
さらに別の実施形態において、HPBCD、マンニトール、及びEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を
含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、カプセルとして処方される。典型的な医薬組成物の例を表9に示す。
さらに別の実施形態において、HPBCDと組み合わせて、式Iの化合物、又はその医
薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が、本明細書中に提供される。ある実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥粉末として処方される。ある実施形態において、医薬組成物中で使用される式Iの化合物は、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能
な塩若しくは溶媒和物とHPBCDとの共結晶である。本明細書で使用されるとき、用語「共結晶」とは、結晶格子(単位格子)内に、2以上の異なる分子の成分を含む結晶を言う。典型的な医薬組成物の例を表10に示す。
ある実施形態において、本明細書中に提供される医薬組成物は、約1から約100mgの、又は約1から約60mgの、又は約10から約60mgの、約10から約40mgの、約10から約27mgの、又は約10から約25mgの用量の、式Iの化合物、又はそ
の医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物で、処方される。
ある実施形態において、本明細書中に提供される医薬組成物において使用される式Iの化合物は、固体剤形である。適切な固体剤形としては、式Iの化合物の遊離塩基を含む固体剤形、及び式Iの化合物の塩(HCl塩、HBr塩、硫酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、エジシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、及びナプシル酸塩を含むが、それらに限定されない)を含む固体剤形が挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態において、式Iの化合物のHCl塩は、モノHCl塩及びビスHCl塩を含む。ある実施形態において、本明細書中に提供される固体剤形は、多型、溶媒和物(水和物を含む)、並びに式Iの化合物及び/又はその塩を含む共結晶を含む。ある実施形態において、固体剤形は、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物、及びHPBCDの共結晶
である。ある実施形態において、本明細書中に提供される医薬組成物において使用される式Iの化合物は、N−(5−tert−ブチル−イソキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の二塩酸塩である。これらの固体剤形の一部は、2007年9月19日に出願された米国仮出願番号60/994,635;2008年9月19日に出願された特許出願番号12/233,906に記載されており:それ
ぞれは参照により、全体として本明細書中に組み込まれる。
本明細書中に提供される医薬組成物は、経口、非経口、及び局所投与用に種々の剤形で処方され得る。医薬組成物は、遅延放出剤形、持続(extended-)放出剤形、持続(prolonged-)放出剤形、持続(sustained-)放出剤形、パルス放出剤形、制御放出剤形、加速
性放出剤形及び高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、並びに胃貯留剤形を含む、放出調整剤形としても処方され得る。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製され得る(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,
上記;Modified-Release Drug Deliver Technology, Rathbone et al., Eds., Drugs and
the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2003; Vol. 126を参照のこと)。
一実施形態において、医薬組成物は、経口投与用の剤形で提供される。別の実施形態において、医薬組成物は、非経口投与用の剤形で提供される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、局所投与用の剤形で提供される。
本明細書中に提供される医薬組成物は、単位投与剤形又は複数回投与剤形で提供され得る。単位投与剤形とは、本明細書中で使用される場合、ヒト及び動物の対象に投与するために適しており、当分野で知られるように個別に包装された、物理的に分離した単位を言う。各単位用量は、必要な医薬担体又は賦形剤と共に、所望の治療効果を生じさせるのに十分な、既定の量の活性成分を含む。単位投与剤形の例としては、アンプル、注射器、並びに個別に包装された錠剤及びカプセルが挙げられる。単位投与剤形は、それらの分数で又は倍数で投与され得る。複数回投与剤形は、単一の容器に包装され、分離された単位投与剤形で投与される、多数の同一の単位投与剤形である。複数回投与剤形の例としては、バイアル、錠剤若しくはカプセルのボトル、又はパイント若しくはガロンボトルが挙げられる。
本明細書中に提供される医薬組成物は、一度に、又は時間間隔を置いて複数回投与され得る。正確な用量及び治療の期間は、治療される患者の年齢、体重、及び状態により変化し得、公知の試験プロトコールを使用して、あるいはインビボ若しくはインビトロ試験又は診断データからの外挿により、実験的に決定され得ることが理解される。さらに、任意の特定の個体について、具体的な投薬計画は、個別の要求、そして製剤を投与する又は製剤の投与を監督する人物の専門的判断に従って、経時的に調整されるべきであることが理解される。
A.経口投与
上に議論されたこれらのことに加えて、本明細書中に提供される医薬組成物は、経口投与用に、固体投与剤形、半固体投与剤形、又は液体投与剤形で提供され得る。本明細書中で使用される場合、経口投与は、頬側投与、舌投与、及び舌下投与も含む。適切な経口投与剤形としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、トローチ剤(pastilles)、カプセル剤(cachets)、ペレット剤、薬用チューイングガム、顆粒剤、原末剤、発泡性若しくは非発泡性粉末剤又は顆粒剤、溶剤、乳剤、懸濁剤、溶剤、ウエハース剤、散剤、エリキシル剤、及びシロップ剤が挙げられるが、それらに限定されない。活性成分に加えて、医薬組成物は、1以上の医薬上許容可能な担体又は賦形剤を含み得、これらには結合剤、増量剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色素移動阻害剤(dye-migration inhibitors)、甘味料、及び香味料が含まれるが、それらに限定されない。
結合剤又は造粒剤は、錠剤に凝集性を与え、圧縮しても錠剤が原形を保つようにする。
適切な結合剤又は造粒剤としては、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500));ゼラチン;糖(例えばショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖);天然及び合成ゴム(例えばアカシアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュ・モスの抽出物、パンワー(panwar)ゴム、ガッティ(ghatti)ゴム、イサゴール(isabgol)殻の粘液、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム(Veegum)、カラマツアラボガラクタン(arabogalactan)、粉末トラガカント、及び
グアーガム);セルロース(例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC));微結晶性セルロース(例えばAVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp.、マルクスフック、PA));並びにそれらの混
合物が挙げられるが、それらに限定されない。適切な増量剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリ
ン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。結合剤又は増量剤は、本明細書中に提供される医薬組成物中に約50から約99重量%存在してもよい。
適切な希釈剤としては、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉末糖が挙げられるが、これらに限定されない。特定の希釈剤(例えばマンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、及びイノシトール)は、十分な量で存在する場合には、そしゃくによる口の中での崩壊を可能にする特性を一部の圧縮錠に与え得る。このような圧縮錠は、チュアブル錠として使用され得る。
適切な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;セルロース(例えばメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース);木製品;天然のスポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム(例えばグアーガム及びビーガムHV);柑橘類の果肉;架橋セルロース(例えばクロスカルメロース);架橋ポリマー(例えばクロスポビドン);架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース(例えばデンプングリコール酸ナトリウム);ポラクリリンカリウム;デンプン(例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びアルファ化デンプン);粘土;アライン(aligns);及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書中に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、処方の型によって変化し、これは当業者であれば容易に認識できる。本明細書中に提供される医薬組成物は、約0.5から約15重量%又は約1から約5重量%の崩壊剤を含み得る。
適切な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(例えばグリセロールベヘネート及びポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG400及びPEG6000));ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;水素化植物油(ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油を含む);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl laureate);寒天;デンプン;ヒカゲノカズラ;シリカ(二酸化珪素(silicone dioxide))又はシリカゲル(例えばAEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co.、バルチモア、MD)及びCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston、MA)など);及びそれらの混合
物が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書中に提供される医薬組成物は、約0.1から約5重量%の滑沢剤を含み得る。
適切な流動促進剤としては、コロイド状二酸化珪素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston、MA)、及びアスベストを含まないタルクが挙げられる。着色
剤としては、認可され保証された水溶性FD&C色素のいくつか、及びアルミナ水和物に懸濁された非水溶性のFD&C色素、及びレーキ顔料のいずれか、並びにそれらの混合物が挙げられる。レーキ顔料は、重金属の水和酸化物への水溶性色素の吸着(その結果不溶性形態の色素となる)による組み合わせである。香味料としては、植物(例えば果物)から抽出された天然香味料、並びに心地よい味覚を生じさせる化合物(例えばペパーミント及びサリチル酸メチル)の合成ブレンドが挙げられる。甘味料としては、人工甘味料(例えばショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテーム)が挙げられる。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカント、ベントナイト、並びに界面活性剤(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、TWEEN(登録商標)20)、ポロキサマー(例えば、PLURONIC(登録商標)F68)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミン)が挙げられる。懸濁剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシアガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びラウロイルポリオキシルグリセリド(例えば、GELUCIRE(登録商標)44/14)が挙げられる。保存剤としては、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム並びにアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップが挙げられる。乳剤に使用される非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
適切な錯化剤としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル 7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa、KS)を含む、シクロデキストリンが挙げられるが、それらに限定されない。
多くの担体及び賦形剤が、同じ処方においても、いくつかの機能を果たし得ることが理解されるべきである。
本明細書中に提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、チュアブルロゼンジ、速溶性錠剤、複数回圧縮錠剤、又は腸溶性コーティング錠剤、糖衣若しくはフィルムコート錠として提供され得る。腸溶性コーティング錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解又は崩壊する物質でコートされ、したがって活性成分を胃の酸性環境から保護する圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、それらに限定されない。糖衣錠は、糖衣により包まれた圧縮錠剤であり、糖衣は、不快な味又は匂いを覆い隠すのに、また錠剤を酸化から保護するのに有益であり得る。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄層又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、ヒロドキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、それらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を与える。複数回圧縮錠は、1回を超える圧縮サイクルにより作られる圧縮錠剤であり、層状錠剤、及び圧縮コート又は乾燥コート錠を含む。
錠剤剤形は、粉末、結晶、若しくは顆粒形態の活性成分のみから、又は本明細書中に記載される1以上の担体若しくは賦形剤(結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む)と組み合わせて、調製され得る。香味料及び甘味料は、チュアブル錠及びロゼンジの形成に特に有用である。
本明細書中に提供される医薬組成物は、ソフト又はハードカプセル(ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作られ得る)として提供され得る。ハードゼラチンカプセル(乾燥充填カプセル(dry- filled capsule)(DFC)とし
ても知られる)は、2つの部分からなり、一方が他方の上にはまり込み、したがって活性成分を完全に封入する。軟カプセル剤(soft elastic capsule)(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、又は類似のポリオールの添加により可塑性を与えられた、ゼラチンシェルなどの、柔らかい球形のシェルである。ソフトゼラチンシェルは、微生物の増殖を予防するために保存剤を含んでもよい。適切な保存剤は、メチル−及びプロピル−パラベン、並びにソルビン酸を含む、本明細書中に記載される保存剤である。本明細書中に提供される液体投与剤形、半固体投与剤形、及び固体投与剤形は、カプセル中に封入され得る。適切な液体投与剤形及び半固体投与剤形としては、プロピレンカーボネート、植物油、又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液が挙げられる。このような溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;4,409,239号;及び4,410,545号に記載されるように調製され得る。カプセルはまた、活性成分の溶解を調整又は持続させるために、当業者に知られるようにコートされ得る。
本明細書中に提供される医薬組成物は、乳剤、溶剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む、液体投与剤形及び半固体投与剤形で提供され得る。エマルジョンとは、1の液体が別の液体中に小さな小球の形態で分散されている二相系のことを言い、水中油又は油中水であり得る。乳剤は、医薬上許容可能な水不溶性液体又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含み得る。懸濁剤は、医薬上許容可能な懸濁剤及び保存剤を含み得る。水性アルコール性溶液は、医薬上許容可能なアセタール(例えば低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール));及び1以上の水酸基を有する水混和性溶媒(例えばプロピレングリコール及びエタノールなど)を含み得る。エリキシル剤は、透明で甘い、含水アルコール溶液である。シロップは、糖(例えば、ショ糖)の濃縮水溶液であり、保存剤も含んでよい。液体投与剤形のために、例えば、ポリプロピレングリコール中の溶液は、十分量の医薬上許容可能な液状担体(例えば、水)で希釈され得、投与のために都合よく計量され得る。
他の有用な液体投与剤形及び半固体投与剤形としては、本明細書中に提供される活性成分、及びジアルキル化されたモノ又はポリアルキレングリコール(1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を示す)を含む)を含むものが挙げられるが、それらに限定されない。さらに、これらの処方には、1以上の抗酸化剤(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバミン酸塩など)を含み得る。
本明細書中に提供される医薬組成物は、非発泡性又は発泡性の、顆粒剤及び粉末剤として提供され得、液体投与剤形中に再構成され得る。非発泡性顆粒剤又は粉末剤に使用される医薬上許容可能な担体及び賦形剤は、希釈剤、甘味剤、及び湿潤剤を含み得る。発泡性
顆粒剤又は粉末剤に使用される医薬上許容可能な担体及び賦形剤は、有機酸及び二酸化炭素源を含み得る。
着色剤及び香料は、上記投与剤形の全てにおいて使用され得る。
本明細書中に提供される医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、及びプログラム放出剤形を含む、即効型又は放出調整型投与剤形として処方され得る。
本明細書中に提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分と共に、又は所望の作用を補う物質と共に、共製剤化され得る。
B.非経口投与
本明細書中に提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、吸入、又は移植により非経口的に投与され得る。本明細書中で使用される場合、非経口投与としては、静脈内、動脈内、腹膜内、脳脊髄膜内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、及び皮下投与が挙げられる。
本明細書中に提供される医薬組成物は、溶剤、懸濁剤、乳剤、ミセル剤、リポソーム剤、ミクロスフェア剤、ナノシステム剤、及び注射前の液体の溶剤又は懸濁剤に適した固体剤形を含む、非経口投与に適した任意の剤形で製剤化され得る。このような投与剤形は、薬剤学分野の当業者に知られる従来の方法に従って調製され得る(上記Remington:The Science and Practice of Pharmacyを参照のこと)。
非経口投与用に意図された医薬組成物は、1以上の医薬上許容可能な担体及び賦形剤を含み得、それらには、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤若しくは保存剤、安定化剤、溶解性促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁及び分散剤、湿潤若しくは乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖若しくはキレート剤、凍結防止剤、溶解保護剤(lyoprotectants)、増粘剤、pH調節剤、及び不活性ガスが含まれるが、それらに限定されない。
適切な水性ビヒクルとしては、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張デキストロース注射液、無菌水注射液、デキストロース及び加乳酸リンガー注射液が挙げられるが、それらに限定されない。非水性ビヒクルとしては、植物由来の固定油、ひまし油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、並びにココナッツ油及びヤシ種子油の中鎖トリグリセリドが挙げられるが、それらに限定されない。水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3−ブタンジオール、液状ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、それらに限定されない。
適切な抗菌剤又は保存剤としては、フェノール類、クレゾール類、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp−ヒドロキシ安息香酸類、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル及びプロピル−パラベン類、並びにソルビン酸が挙げられるが、それらに限定されない。適切な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースが挙げられるが、それらに限定されない。適切な緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられるが、それらに限定されない。適切な抗酸化剤は、本明細書中に記載されるものであり、亜硫酸水素塩及び
二亜硫酸ナトリウムが含まれる。適切な局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられるが、それに限定されない。適切な懸濁剤及び分散剤は、本明細書中に記載されるものであり、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。適切な乳化剤としては、本明細書中に記載されるものが挙げられ、モノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン80、及びオレイン酸トリエタノールアミンが含まれる。適切な金属イオン封鎖剤又はキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、それに限定されない。適切なpH調節剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸が挙げられるが、それらに限定されない。適切な錯化剤としては、シクロデキストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル−7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa、KS)を含む)が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書中に提供される医薬組成物は、単回又は複数回用量投与用に製剤化され得る。単回用量製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジに包装される。複数回用量非経口製剤は、静菌的又は静真菌的濃度で抗菌剤を含まなければならない。全ての非経口製剤は、当分野において知られ且つ実施されるように、無菌的でなければならない。
一実施形態において、医薬組成物は、そのまま使用できる無菌溶液として提供される。別の実施形態において、医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成されるよう、無菌の乾燥可溶性製品(凍結乾燥粉末及び皮下注射用錠剤を含む)として提供される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、そのまま使用できる無菌懸濁液として提供される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成されるよう、無菌の乾燥不溶性製品として提供される。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、そのまま使用できる無菌乳液として提供される。
本明細書中に提供される医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、及びプログラム放出剤形を含む、即効型又は放出調整型投与剤形として処方され得る。
医薬組成物は、移植デポー剤としての投与用に、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロピック液体として処方され得る。一実施形態において、本明細書中に提供される医薬組成物は、外側の高分子膜(体液中では不溶性であるが、それを通して医薬組成物中の活性成分が拡散するのを許容する)により囲まれる、固形の内部マトリクス中に分散される。
適切な内部マトリクスとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩(silicone carbonate)共重合体、親水性ポリマー(例えばアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなど)、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
適切な外側の高分子膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体が挙げられる。
C.局所投与
本明細書中に提供される医薬組成物は、坐薬、膣坐薬、ブジー、湿布若しくはパップ、ペースト、粉末、包帯、クリーム、膏剤、避妊薬、軟膏、溶液、乳液、懸濁液、タンポン、ジェル、泡、スプレー液、又は浣腸剤の形態で、直腸、尿道、膣、又は膣周囲投与され得る。これらの投与剤形は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記
)に記載される従来の工程を使用して製造され得る。
直腸、尿道、及び膣坐薬は、身体開口部への挿入のための固形物であり、常温では固体であるが、体温で融解又は軟化し、開口部の内側に活性成分を放出する。直腸及び膣坐薬に利用される医薬上許容可能な担体としては、本明細書中に提供される医薬組成物と共に製剤化される場合、融点を体温付近にする、硬化剤などの基剤又はビヒクル;並びに亜硫酸水素塩及び二亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書中に記載の抗酸化剤が挙げられる。適切なビヒクルとしては、ココアバター(カカオ脂)グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋及び黄蝋、並びに脂肪酸の、モノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル(例えばポリビニルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸);グリセリンゼラチンが挙げられるが、それらに限定されない。種々のビヒクルの組み合わせが使用され得る。直腸及び膣坐薬は、圧縮法又は成形により調製され得る。直腸及び膣坐薬の典型的な重さは、約2から約3gである。
本明細書中に提供される医薬組成物は、鼻腔内投与、又は気道への吸入により投与され得る。医薬組成物は、エアロゾルの形態で、又は加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(例えば微細な霧を作り出すために電気流体力学を使用するアトマイザー)、若しくはネブライザーを使用する送達のための溶液の形態で、単独で若しくは適切な噴霧剤(例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)と組み合わせて、提供され得る。医薬組成物はまた、吸入のための乾燥粉末として、単独で又は不活性担体(例えば乳糖又はリン脂質)と組み合わせて;そして点鼻薬として提供され得る。鼻腔内使用のために、粉末は、生体接着剤(キトサン又はシクロデキストリン)を含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーに使用するための溶液又は懸濁液は、エタノール、含水エタノール、又は本明細書中に提供される活性成分の分散、溶解、又は持続放出のための適切な別の薬剤、溶媒としての噴霧剤;及び/又は界面活性剤(例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸(oligolactic acid))を含むように製剤化され得る。
本明細書中に提供される医薬組成物は、約50マイクロメートル以下、又は約10マイクロメートル以下といった、吸入による送達に適したサイズに微粉末化され得る。このようなサイズの粒子は、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、又はスプレードライなどの当業者に知られる粉砕法を使用して調製され得る。
吸入器(inhaler)又は吸入器(insufflator)に使用するためのカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書中に提供される医薬組成物;乳糖又はデンプンなどの適切な粉末基剤;及びl−ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能修飾剤の粉末混合物を含むように製剤化され得る。乳糖は、無水物であってもよいし、一水和物の形態であってもよい。他の適切な賦形剤又は担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、及びトレ
ハロースが挙げられる。本明細書中に提供される医薬組成物は、吸入/鼻腔内投与のために、適切な香味料(例えばメントール及びレボメントール(levomenthol))、又は甘味
料(例えばサッカリン若しくはサッカリンナトリウム)をさらに含み得る。
局所投与用の本明細書中に提供される医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、及びプログラム放出を含む、即効型又は放出調整型となるように処方され得る。
使用方法
一実施形態において、増殖性疾患を有する哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含む、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法が本明細書中で提供される。ある実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約1,000mg、1日当たり約0.1から約500mg、1日当たり約0.1から約450mg、1日当たり約0.1から約300mg、1日当たり約0.1から約200mg、1日当たり約1から約100mg、1日当たり約5から約100mg、1日当たり約10から約90mg、1日当たり約10から約80mg、1日当たり約10から約70mg、1日当たり約15から約65mg、又は1日当たり約20から約60mgの範囲である。一実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約1,000mgである。別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約500mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約450mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約400mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約0.1から約200mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約1から約100mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約5から約100mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約10から約90mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約10から約80mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約10から約70mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約15から約65mgである。なおさらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約20から約60mgである。
ある実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約12、約18、約20、約25、約27、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約90、約135、約200、約300、又は約450mgである。一実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約12mgである。別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約18mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約20mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約25mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約27mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約30mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約35mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約40mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約45mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約50mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約55mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約60mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約90mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約135mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約200mgである。さらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約300mgである。なおさらに別の実施形態において、治療上有効量は、1日当たり約450mgである。
別の実施形態において、増殖性疾患を有する哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含む、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法が本明細書中で提供される。ある実施形態において、治療上有効量は、約0.01から約20mg/kg/日、約0.01から約15mg/kg/日、約0.01から約10mg/kg/日、約0.01から約9mg/kg/日、約0.01から約8mg/kg/日、約0.01から約7mg/kg/日、約0.01から約6mg/kg/日、約0.01から約5mg/kg/日、約0.01から約5mg/kg/日、約0.05から約5mg/kg/日、約0.05から約4mg/kg/日、約0.1から約3mg/kg/日、約0.1から約2mg/kg/日、約0.1から約1mg/kg/日、又は約0.24mg/kg/日から約9mg/kg/日の範囲である。
一実施形態において、治療上有効量は約0.01から約20mg/kg/日である。別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約15mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約10mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約9mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約8mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約7mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約6mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.01から約5mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.05から約5mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.05から約4mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.1から約3mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.1から約2mg/kg/日である。さらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.1から約1mg/kg/日である。なおさらに別の実施形態において、治療上有効量は約0.24から約9mg/kg/日である。
投与される用量は、mg/kg/日としての単位以外の単位でも表現され得る。例えば、非経口投与のための用量は、mg/m/日として表現され得る。当業者は、対象の所定の身長若しくは体重のいずれか又は両方に対し、どのようにして用量をmg/kg/日からmg/m/日へと変換するかを容易に知るであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照のこと)。例えば、65kgのヒトに対する1mg/kg/日の用
量は、38mg/m/日とほぼ同じである。
さらに別の実施形態において、増殖性疾患を有する哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される化合物の量が、約0.005から約100μM、約0.005から約10μM、約0.01から約10μM、約0.01から約5μM、約0.005から約1μM、約0.005から約0.5μM、約0.005から約0.5μM、約0.01から約0.2μM、又は約0.01から約0.1μMの範囲の、定常状態における化合物の血漿中濃度を与えるのに十分量である、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法が本明細書中で提供される。一実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約100μMの、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約10μMの、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約10μMの、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約5μMの、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約1μMの、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約0.5μM
の、定常状態における血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.2μMの、定常状態における化合物の血漿中濃度を与えるのに十分である。なおさらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.1μMの、定常状態における化合物の血漿中濃度を与えるのに十分である。本明細書中で使用される場合、用語「定常状態における血漿中濃度」は、化合物の投与期間の後に到達する濃度である。定常状態に到達すると、化合物の血漿中濃度の時間依存曲線上に小さなピーク及びトラフが存在する。
さらに別の実施形態において、増殖性疾患を有する哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される量が、約0.005から約100μM、約0.005から約10μM、約0.01から約10μM、約0.01から約5μM、約0.005から約1μM、約0.005から約0.5μM、約0.01から約0.2μM、又は約0.01から約0.1μMの範囲の、化合物の最高血漿中濃度(ピーク濃度)を与えるのに十分である、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法が本明細書中で提供される。一実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約100μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約10μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約10μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約5μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約1μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約0.5μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.2μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。なおさらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.1μMの、化合物の最高血漿中濃度を与えるのに十分である。
さらに別の実施形態において、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法であって、当該方法は増殖性疾患を有する哺乳動物に治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される量が、1単位用量を超える用量で投与される場合、約0.005から約100μM、約0.005から約10μM、約0.01から約10μM、約0.01から約5μM、約0.005から約1μM、約0.005から約0.5μM、約0.01から約0.2μM、又は約0.01から約0.1μMの範囲の、化合物の最低血漿中濃度(トラフ濃度)を与えるのに十分である方法が、本明細書中で提供される。一実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約100μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約10μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約10μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約5μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約1μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.005から約0.5μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。さらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.2μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。なおさらに別の実施形態において、投与される化合物の量は、約0.01から約0.1μMの、化合物の最低血漿中濃度を与えるのに十分である。
なおさらに別の実施形態において、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法であって、当該方法は増殖性疾患を有する哺乳動物に治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される量が、約100から約50,000ng*hr/mL、約100から約25,000ng*hr/mL、又は約10,000から約25,000ng*hr/mLの範囲の、化合物の曲線下面積(AUG)を与えるのに十分である方法が、本明細書中で提供される。
ある実施形態において、哺乳動物はヒトである。
一実施形態において、増殖性疾患は癌である。別の実施形態において、癌は白血病である。
一実施形態において、白血病は、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病である。
別の実施形態において、白血病は急性白血病である。一実施形態において、急性白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態において、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3若しくはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4若しくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)である。別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M1)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M2)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、前骨髄球性白血病(M3若しくはM3バリアント[M3V])である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、骨髄単球性白血病(M4若しくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、単球性白血病(M5)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、赤白血病(M6)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、巨核芽球性白血病(M7)である。さらに別の実施形態において、急性骨髄性白血病は、前骨髄球性白血病である。さらに別の実施形態において、白血病は、FLT3内部タンデム重複(ITD)変異に起因する。さらに別の実施形態において、白血病は、FLT3点変異に起因する。なおさらに別の実施形態において、FLT3点変異は、アミノ酸D835における点変異である。
別の実施形態において、急性白血病は急性リンパ性白血病(ALL)である。一実施形態において、急性リンパ性白血病は、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)、又はリンパ節の芽細胞に由来する白血病である。急性リンパ性白血病は、L1−成熟様リンパ芽球(T細胞又は前B細胞)、L2−未成熟且つ多形性の(種々の形の)リンパ芽球(T細胞又は前B細胞)、及びL3−リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)として、フレンチ−アメリカン−ブリティッシュ(FAB)形態学的分類体系に従って分類される。別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、骨髄(B細胞)の芽細胞に由来する。さらに別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、胸腺(T細胞)に由来する。さらに別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、リンパ節に由来する。さらに別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、成熟様リンパ芽球(T細胞又は前B細胞)により特徴付けられるL1型である。さらに別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、未成熟且つ多形性の(種々の形の)リンパ芽球(T細胞又は前B細胞)により特徴付けられるL2型である。さらに別の実施形態において、急性リンパ性白血病は、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)により特徴付けられるL3型である。
さらに別の実施形態において、白血病はT細胞白血病である。一実施形態において、T細胞白血病は末梢性T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病、及び成人T細胞白血病である。別の実施形態において、T細胞白血病は、末梢性T細胞白血病である。さらに別の実施形態において、T細胞白血病は、T細胞リンパ芽球性白血病である。さらに別の実施形態において、T細胞白血病は、皮膚T細胞白血病である。なおさらに別の実施形態において、T細胞白血病は、成人T細胞白血病である。
さらに別の実施形態において、白血病はフィラデルフィア陽性である。一実施形態において、フィラデルフィア陽性白血病はフィラデルフィア陽性AMLであり、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3若しくはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4若しくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)が挙げられるが、それらに限定されない。別の実施形態において、フィラデルフィア陽性白血病はフィラデルフィア陽性ALLである。
なおさらに別の実施形態において、白血病は薬物抵抗性である。一実施形態において、対象は抗癌治療に対して薬物抵抗性を有する。別の実施形態において、対象はFLT3キナーゼ阻害剤に対して薬物抵抗性を発現している。さらに別の実施形態において、対象は、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649、又はCHIR−258で治療される。なおさらに別の実施形態において、対象は構成的活性化FLT3変異を有する。
ある実施形態において、本明細書中に提供される方法で治療され得る癌としては、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、食道癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞及び非小細胞肺癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、皮膚癌(例えば、扁平上皮細胞癌)、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、及び子宮癌が挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態において、癌は転移性癌であり、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌)、食道癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞及び非小細胞肺癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、皮膚癌(例えば、扁平上皮細胞癌)、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、及び子宮癌が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、転移性癌は、乳癌又は前立腺癌である。別の実施形態において、転移性癌は、乳癌である。さらに別の実施形態において、転移性癌は、前立腺癌である。
ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物の投与前に、抗癌治療により治療されていない。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物の投与前に、抗癌治療により治療されている。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、FLT3キナーゼ阻害剤により治療されている。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649、CHIR−258、又は、AML若しくはALLを治療するための公知の若しくは定評のある他の治療剤により治療されて
いる。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、抗癌治療に対して薬物抵抗性を発現している。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法の1つで治療されるべき哺乳動物は、FLT3キナーゼ阻害剤に対して薬物抵抗性を発現している。ある実施形態において、本明細書中に提供される方法で治療されるべき哺乳動物は、構成的活性化FLT3変異を有する。
いくつかの疾患又は障害は、特定の年齢集団においてより一般的であるが、本明細書中に提供される方法は、患者の年齢に関わらず対象を治療する工程を包含する。さらに、問題となっている疾患又は状態を治療するために、手術を受けている対象を治療するための方法が、受けていない対象と同様に、本明細書中で提供される。癌を有する対象は、不均一な臨床症状及び様々な臨床転帰を有するため、特定の対象に与えられる治療は、彼/彼女の予後に応じて変わり得る。熟練した臨床医は、具体的な第二の薬剤、手術の種類、及び癌を有する個別の対象を治療するために効果的に使用され得る非薬物ベースの標準的治療の種類を、過度の実験を行なうことなく、容易に決定することができるであろう。
治療されるべき疾患及び対象の状態に応じて、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内(intracistemal)注射若しくは点滴、皮下注射、又は埋め込み)、吸入、経鼻、膣
、直腸、舌下、又は局所(topical)(例えば、経皮的又は局所(local))の投与経路により、投与され得る。式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、単独で、又は適切な単位用量中、各投与経路に適した医薬上許容可能な賦形剤、担体、アジュバント及びビヒクルと共に、処方され得る。一実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、経口投与される。別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、非経口投与される。さらに別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、静脈内投与される。
式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、例えば、単回ボーラス注射、又は経口錠剤若しくは丸剤などの単回投与として;あるいは、例えば、徐々の持続点滴又は徐々の分割ボーラス投与などのように徐々に送達され得る。化合物は、必要な場合、例えば、患者が安定(stable disease)若しくは退縮を経験するまで、又は患者が疾患進行若しくは許容できない毒性を経験するまで、反復して投与され得る。例えば、固形癌についての安定とは、一般的には、測定可能な病変の直交する直径が、直前の測定から25%以上増加していないことを意味する。固形がんの治療効果判定のための(RECIST)ガイドライン、Journal of the National Cancer Institute 92(3): 205-216 (2000)。安定又はその欠如は、患者の症状の評価、理学的診断、X線、CAT、PET、又はMRIスキャンを使用して画像化された腫瘍の視覚化、及び他の一般的に容認された評価様式などの、当分野において公知の方法により決定される。
式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、毎日1回(once daily)(QD)投与され得、又は毎日2回(BID)、毎日3回(TID)、及び毎日4回(QID)など、複数回の1日用量に分けられ得る。また投与は、継続的(すなわち、連続する日について毎日(daily)又は毎日(every day))、断続的、例えば周期的(すなわち、数日、数週間、又は数ヶ月の薬物を与えない休止を含む)であり得る。本明細書中で使用される場合、用語「毎日(daily)」は、式Iの化合物などの治療化合物が、例え
ば、一定期間、各日1回又は1回以上投与されることを意味することが意図される。用語「継続的」は、式Iの化合物などの治療用化合物が、少なくとも10日から52週の中断のない期間、毎日投与されることを意味することが意図される。本明細書中で使用される場合、用語「断続的」又は「断続的に」は、規則的な間隔又は不規則な間隔のいずれかで、停止及び開始することを意味することが意図される。例えば、式Iの化合物の断続的投
与は、1週間当たり1〜6日間の投与、周期的な投与(例えば、連続する2から8週間の毎日投与、次いで1週間を超えない投与のない休止期間)、又は1日おきの投与である。本明細書中で使用される場合、用語「周期(cycling)」は、式Iの化合物などの、治療
用化合物が、毎日又は継続的に、しかし休止期間を伴って、投与されることを意味することが意図される。
いくつかの実施形態において、投与頻度は、約1日毎の投与から約1月毎の投与の範囲である。ある実施形態において、投与は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日おきに1回、1週間に2回、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、又は4週間毎に1回である。一実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日に1回投与される。別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日に2回投与される。さらに別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日に3回投与される。なおさらに別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日に4回投与される。
ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日から6ヶ月の間、1週間から3ヶ月の間、1週間から4週間の間、1週間から3週間の間、又は1週間から2週間の間、1日当たり1回投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1週間、2週間、3週間、又は4週間の間、1日当たり1回投与される。一実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1週間、1日当たり1回投与される。別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、2週間、1日当たり1回投与される。さらに別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、3週間、1日当たり1回投与される。なおさらに別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、4週間、1日当たり1回投与される。
ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、約1週間、2週間、3週間、約4週間、約6週間、約9週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間、又は約26週間の間、1日当たり1回投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、断続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約40から450mgの量で断続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約12mgから1000mgの範囲の量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約12mgから2000mg、又は1日当たり約27mgから1000mgの範囲の量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約200mgから1000mgの範囲の量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約200mgから675mgの範囲の量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、1日当たり約200mgから450mgの範囲の量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、28日間、継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、約200mgの量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、約450mgの量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、約675mgの量で継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物は、約1000mgの量で継続的に投与される。
ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、患者に対して周期的に投与される。サイクリング療法(Cycling therapy)は、一定
期間の活性薬剤の投与、それに続く一定期間の休止、及びこの逐次的投与を繰り返す工程
を含む。サイクリング療法は、1以上の治療に対する抵抗性の発生を低減し得、1の治療の副作用を回避若しくは低減し得、そして/あるいは治療の効果を向上させ得る。
したがって、一実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間、又は20週間の間、単回投与又は分割投与で毎日投与され、その後に約1日から約10週間の休止期間が続く。例えば、本方法は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間、又は20週間の周期を使用することを意図する。別の実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1、3、5、7、9、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、又は30日の休止期間を伴い、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、又は6週間の間、単回投与又は分割投与で毎日投与される。いくつかの実施形態において、休止期間は14日である。いくつかの実施形態において、休止期間は28日である。一実施形態において、休止期間は骨髄回復に十分な期間である。投与サイクルの頻度、回数及び長さは、増加又は減少し得る。
ある実施形態において、本明細書中に提供される方法は、i)第一の1日用量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を哺乳動物に投与する工程;ii)少なくとも1日の期間、休止する工程(ここで式Iの化合物は哺乳動物に投与されない);iii)哺乳動物に第二の用量の化合物を投与する工程;及びiv)工程ii)からiii)を複数回繰り返す工程、を含む。ある実施形態において、第一の1日用量は約0.1mg/kgから約10mg/kgである。ある実施形態において、第二の1日用量は約0.1mg/kgから約10mg/kgである。ある実施形態において、第一の1日用量は第二の1日用量よりも高い。ある実施形態において、第二の1日用量は第一の1日用量よりも高い。
ある実施形態において、休止期間は、2日、3日、5日、7日、10日、12日、13日、14日、15日、17日、21日、又は28日である。一実施形態において、休止期間は少なくとも2日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。別の実施形態において、休止期間は少なくとも2日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも3日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも3日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも7日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも7日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも14日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも14日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも21日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも21日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。さらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも28日であり、工程ii)からiii)は少なくとも3回繰り返される。なおさらに別の実施形態において、休止期間は少なくとも28日であり、工程ii)からiii)は少なくとも5回繰り返される。
ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、患者に対して継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日当たり約0.1から約1,000mg、1日当たり約1から約675mg、1日当たり約1から約500mg、1日当たり約12か
ら約450mg、1日当たり約12から約300mg、1日当たり約12から約200mg、1日当たり約12から約100mg、1日当たり約12から約100mg、1日当たり約12から約90mg、1日当たり約12から約80mg、1日当たり約12から約70mg、1日当たり約18から約65mg、又は1日当たり約18から約60mgの量で、患者に対して継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、1日当たり約12、約18、約20、約25、約27、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約90、約135、約200、約300、約450、又は約675mgの量で、患者に対して継続的に投与される。治療期間は、治療されている患者の年齢、体重、及び状態によって異なり得、公知の試験プロトコールを使用して、又は治療を提供若しくは監督する人物の専門的判断に従って、実験的に決定され得ることが理解される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、約1から約52週間、継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間、継続的に投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物は、約14、約28、約42、約84、又は約112日間、継続的に投与される。
本明細書中に提供される各実施形態において、本方法は、哺乳動物における構成的活性化FLT3変異の存在を決定するための診断工程をさらに含み得る。
式Iの化合物はまた、本明細書中に記載される疾患の治療及び/若しくは予防に有用な他の治療剤と組み合わせられ得、又はそれらと組み合わせて使用され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「組み合わせて」は、1つ以上の治療剤(例えば、1つ以上の予防剤及び/又は治療剤)の使用を含む。しかし、用語「組み合わせて」の使用は、治療剤(例えば、予防剤及び/又は治療剤)が疾患又は障害を有する対象に対して投与されるべきかという点での順序を制限するものではない。第一の治療剤(例えば、本明細書中に提供される化合物などの予防剤又は治療剤)は、対象に対する第二の治療剤(例えば、予防剤又は治療剤)の投与前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、投与と同時に、又は投与の後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)、投与され得る。3剤治療もまた、本明細書において意図される。
式Iの化合物の投与経路は、第二の治療の投与経路と独立である。一実施形態において、式Iの化合物は経口投与される。別の実施形態において、式Iの化合物は静脈内投与される。したがって、これらの実施形態に従って、式Iの化合物は経口又は静脈内投与され、第二の治療剤は、経口、非経口、腹膜内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経頬側(transbuccally)、鼻腔内、リポソーム、吸入を介した投与、膣、眼内、カテ
ーテル若しくはステントによる局所送達を介した投与、皮下、脂肪内、関節内、くも膜下腔内、又は緩効性剤形によって、投与され得る。一実施形態において、式Iの化合物及び第二の治療剤は、同じ投与様式により、経口又はIVにより投与される。別の実施形態において、式Iの化合物は1の投与様式(例えばIV)により投与され、一方第二の薬剤(抗癌剤)は、別の投与様式(例えば経口)投与される。
ある実施形態において、本明細書中に提供される各方法は、独立して、第二の治療剤を投与する工程をさらに含み得る。一実施形態において、第二の治療剤は抗癌剤である。別
の実施形態において、抗癌剤は代謝拮抗剤であり、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン(シトシンアラビノシド又はAra−Cとしても知られる)、及びHDAC(高用量シタラビン)及びフルダラビンが挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤は抗微小管剤であり、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)及びタキサン(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)が挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤はアルキル化剤であり、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、及びニトロソウレア(例えば、ビスクロロエチルニトロソウレア及びヒドロキシウレア)が挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤は白金剤であり、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM−216)、及びCI−973が挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤はアントラサイクリンであり、ドキソルビシン及びダウノルビシンが挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤は抗腫瘍抗生物質であり、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、及びダウノマイシン(ダウノルビシンとしても知られる)が挙げられるが、それらに限定されない。さらに別の実施形態において、抗癌剤はトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びカンプトテシン)である。さらに別の実施形態において、抗癌剤は、アドリアマイシン、ブスルファン、シタラビン、シクロホスファミド、デキサメタゾン、フルダラビン、フルオロウラシル、ヒドロキシウレア、インターフェロン、オブリメルセン、白金誘導体、タキソール、トポテカン、及びビンクリスチンからなる群から選択される。
別の実施形態において、抗癌剤はBcr−Ablキナーゼ阻害剤である。一実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤は、イマチニブ、BMS354825(ダサチニブ)、AMN107(ニロチニブ)、AP23464、AZD0530、CGP76030、ON012380、INN−0406(NS−187)、SKI−606(ボスチニブ)、VX−680、並びにPD166326、PD173955及びPD180970を含むピロロ[2,3−d]ピリミジンからなる群から選択される。別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はイマチニブである。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はダサチニブである。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はニロチニブである。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はAP23464である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はAZD0530である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はCGP76030である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はSKI−606である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はON012380である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はINN−0406(NS−187)である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はピロロ[2,3−d]ピリミジンである。別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はVX−680である。別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はPD166326である。さらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はPD173955である。なおさらに別の実施形態において、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤はPD180970である。
なおさらに別の実施形態において、抗癌剤はFLT3キナーゼ阻害剤である。一実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤は、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649、及びCHIR−258からなる群から選択される。別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はPKC 412である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はMLN 578である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はCE
P−701である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はCT 53518である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はCT−53608である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はCT−52923である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はD−64406である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はD−65476である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はAGL−2033である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はAG1295である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はAG1296である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はKN−1022である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はKN−1022である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はSU5416である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はSU5614である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はSU11248である。さらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はL−00021649である。なおさらに別の実施形態において、FLT3キナーゼ阻害剤はCHIR−258である。
式Iの化合物と組み合わせて使用され得る他の治療剤又は抗癌剤としては、手術、放射線治療(例えば、γ線照射、中性子ビーム放射線治療、電子ビーム放射線治療、陽子線治療、小線源治療、及び全身性放射性同位元素)、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、及び腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法及び低温療法、任意の副作用を軽減する薬剤(例えば、制吐剤)、並びに他の定評のある化学療法剤(アルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、及びイホスファミド)、代謝拮抗剤(シタラビン(シトシンアラビノシド又はAra−Cとしても知られる)、HDAC(高用量シタラビン)、及びメトトレキサート)、プリン拮抗薬及びピリミジン拮抗薬(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン(cytarbine)、及びゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビン
クリスチン、ビノレルビン、及びパクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、及びトポテカン)、抗生物質(ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、及びマイトマイシン)、ニトロソウレア(カルムスチン及びロムスチン)、無機イオン(シスプラチン及びカルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、及びホルモン(タモキシフェン、リュープロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、イマチニブ、アドリアマイシン、デキサメタゾン、及びシクロホスファミドを含むが、それらに限定されない)が挙げられる。最新の癌治療のより総合的な考察については、http://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmのFDAに認可された
腫瘍学薬剤(oncology drugs)のリスト、及びThe Merck Manual, Seventeenth Ed. 1999を参照されたい(それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
実施例1
FLT3依存性細胞株対非依存細胞株における細胞増殖アッセイの評価
癌細胞の生存及び増殖は、テトラゾリウム塩還元細胞ベースアッセイ(tetrazolium salt reduction cell-based assay)を使用して評価することができる。生細胞において、
この比色アッセイによれば、テトラゾリウム成分(MTS)の不溶性ホルマザン産物へのミトコンドリア還元を測定することができる。MV4−11は、急性骨髄性白血病を有する患者において見出される内部タンデム重複(ITD)を含む、よく特徴付けられたFLT3依存性ヒト細胞株であり、これは構成的活性Flt3受容体を発現する(Yee et al.
Blood 2002, 100(8), 2941-2949)。この細胞株を使用して、無傷細胞における本明細書中に提供される化合物のFlt3を阻害する能力を決定した。RS4−11細胞株(野生型(WT)受容体を発現する)も対照として使用し、ITD変異を含むFLT3受容体を
阻害する、試験化合物の能力を検証した。MV4−11細胞増殖は、本明細書中に提供される化合物と72時間インキュベートした後測定し、RS4−11細胞増殖は、本明細書中に提供される化合物と48時間インキュベートした後測定し、いずれの場合にも標準的MTSプロトコールを使用した(Promega Cat #5430 "Cell Titer 96 Aqueous Non-radioactive Cell Proliferation Assay")。
MV4−11細胞を、0.5%血清を含むDMEM培地中で、10,000細胞/ウェルで播種した。RS4−11細胞は、0.5%血清を含むRPMI培地中で、20,000細胞/ウェルで播種した。化合物プレートを、96ウェル300μLポリプロピレンプレートの列1の中に陰性対照(DMSO)を分注し、列12の中に陽性対照(MV4−11アッセイにおいて64nMのIC50を有することが先に示されている内的化合物(internal compound))を分注し、列2〜11の中へ段階希釈した試験化合物を滴定するこ
とにより構成した。化合物プレートの各ウェルからのアリコートを培養した細胞に移し、次いでMV4−11細胞については3日間、RS4−11細胞については2日間、5%CO中で37℃にてインキュベートした。
MTSテトラゾリウム化合物(オーエン試薬)を、水浴中で融かした。MTSテトラゾリウム(20mL)を、光学プレート(optical plate)の各ウェルに添加し、細胞を5
%CO中で37℃にて2時間インキュベートした。Molecular DevicesのSpectramax Plus 384 Absorbance Microplate Readerを使用して、490nmにおける吸光度を測定し
た。細胞増殖値を、対照と比較した細胞増殖の50%阻害を達成する試験化合物濃度(IC50)によって測定し、下記表11に提示する。
式Iの化合物の細胞ベースリン酸化の研究
細胞環境においてFLT3のキナーゼ活性を阻害する式Iの化合物の能力は、白血病細胞株におけるFLT3リン酸化の程度を測定することにより決定した。MV4;11細胞(FLT3 ITD変異を有する)を5つの異なる濃度の式Iの化合物(20nM、4nM、0.8nM、0.16nM、及び0.032nM)と共にインキュベートした。DMSOのみを、陰性対照として使用した。
FLT3自己リン酸化の阻害は、対照におけるリン酸化レベルと比較して、様々な濃度の式Iの化合物における、FLT3リン酸化レベルのウェスタンブロット解析により決定した。試料間のバリエーション及びゲルロード上の差異について調整するために、各ウェルにおけるリン酸化FLT3のレベルを、存在するFLT3の総量と比較した。
MV4;11細胞におけるFLT3−ITD(内部タンデム重複)自己リン酸化の結果を、FLT3特異的抗体を使用して評価した。式Iの化合物は、MV4;11白血病細胞株において、FLT3−ITD触媒活性の極めて強力な細胞内阻害剤であることが示された。ウェスタンブロットにおける式Iの化合物の潜在力の半定量的評価は、表11に提示するように、1nM未満のIC50で、FLT3リン酸化の顕著な阻害を明確に示した。式Iの化合物は、FLT3/ITD発現細胞株において、及び初代FLT3/ITD AML患者芽細胞試料において、約2nMのIC50を有する。式Iの化合物は、IL−3レスキューアッセイにおいて、FLT3における高度の選択性も示した。式Iの化合物は、約4nMのIC50で、野生型FLT3も阻害した。式Iの化合物のFLT3結合親和性(affintiy)(K)は、約1.6nMである。
実施例2
FLT3依存性ヒト白血病細胞株MV4−11における式Iの化合物の評価
雌胸腺欠損ヌードマウスにおける皮下MV4−11腫瘍に対する、1、3、及び10mg/kgの式Iの化合物のインビボ活性を評価するために、異種移植マウスモデルにおいて試験した。異種移植片は、10%熱不活化ウシ胎仔血清、100単位/mLペニシリンG、100μg/mL硫酸ストレプトマイシン、0.25μg/mLアンフォテリシンB、2mMグルタミン、0.075%重炭酸ナトリウム、及び25μg/mLゲンタマイシンを添加したイスコフ改変ダルベッコ培地中で培養したMV4−11 FLT3依存ヒト白血病細胞に由来した。腫瘍細胞は95%空気及び5%COの加湿雰囲気下、37℃で維持した。細胞は対数増殖期に採取し、50%マトリゲルマトリクス(BD Biosciences)及び50%PBS中に5×10細胞/mLの濃度で再懸濁した。MV4−11細胞(1×10)を、各試験マウスの右脇腹中に皮下移植し、腫瘍の増殖をモニターした。12日後(研究の1日目)、マウスを、それぞれ126から221mmの個別の腫瘍サイズを有し、グループの平均腫瘍サイズが174mmである10匹のマウスからなる8グループに置き、腫瘍体積を、MV4−11腫瘍の幅×幅×長さ(mm)の積として算出した。式Iの化合物は、10mL/kgでの投与用に製剤化し、28日間、毎日1回、経口胃内投与(oral gavage)(p.o.)により投与した。薬物の各投与は、
体重20g当たり0.2mL(10mL/kg)の容量で与え、動物の体重に合わせて調整した。腫瘍が既定の終点サイズ1,000mmに達したとき、又は研究の最終日(59日目)の、いずれか早く来たときに、各動物を殺した。図1は、インビボ実験から生成したメジアン腫瘍増殖曲線を示し、これは本明細書中に提供される表題化合物が用量依存的な抗腫瘍活性を生ずることを実証する。この異種移植モデルにおいて、腫瘍退縮は3及び10mg/kg(9mg/m、p.o.、QD)において観察され、そして腫瘍増殖阻害は1mg/kg(3mg/m、p.o.、QD)において観察された。
10mg/kg経口用量における以後の研究において、投与を中止した後、さらに60日間、腫瘍サイズをモニターした。研究の終了までに、式Iの化合物により治療した10個体の動物において、8の完全奏効及び2の部分奏効が観察された。式Iの化合物は、1日に1回、経口的に与えたわずか1mg/kgの用量における白血病腫瘍モデルにおいても活性を有した。第一世代のFLT3阻害剤(CEP−701、MLN−518、PKC−412、ソラフェニブ、及びスニチニブ)と式Iの化合物の直接比較は、有効性、選択性、及び薬物動態学的特性の組み合わせが式Iの化合物に特有であることを明らかにした。
実施例3
マウスにおける有効な曝露とヒト曝露の比較
実施例2における異種移植実験は、式Iの化合物が、1mg/kg p.o.、QDでマウスにおいて効力を有することを実証した。式Iの化合物への曝露が、マウスにおいて0.1〜300mg/kg POで用量に比例することも見出した(データは示さない)
。マウスにおける有効な血漿中レベルは、MV4;11 IC50の約800倍を超えることが示され(およそ3.2〜μM*hr(AUC)の曝露)、一方ヒト血漿中レベル(C)は、12及び18mgにおけるMV4;11 IC50よりも、それぞれ約200倍及び約400倍高い(図2)。定常状態の血漿中レベル(SS C)により測定される式Iの化合物への臨床的曝露は、ヒト有効用量を約60mgと予測する。しかし、式Iの化合物への定常状態曝露は、マウス(6h)よりもヒト(24h)においてより長い(図2)。濃度時間曲線下面積(AUC)により測定される式Iの化合物への臨床的曝露は、約20mgのヒト有効用量を予測する。
10mg/kgの用量でマウスに経口投与した場合、式Iの化合物は、3.8μMのピーク血漿中濃度(Cmax)を投与の2時間以内に達成する。血漿タンパク質結合について補正した場合、血漿中の式Iの化合物の濃度は、投与後24時間で、FLT3阻害についての細胞IC50よりも高いままだった。総曝露(AUC0−24h)及びCmaxは、0.1からおよそ30mg/kgで投与した用量と比例して増加した。より高い用量において、Cmax及びAUC0−24hはいずれも増加し続け、100mg/kgを超えてプラトーに近づいた。
実施例4
ラット及びイヌにおける式Iの化合物の毒性研究
式Iの化合物の90日毒性プロファイルを、ラット及びイヌの両方において評価した。式Iの化合物を、5%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)中に処方した。ラットに対して、化合物を1、3、又は10mg/kg/日の用量で投与した。低及び中用量において、顕著な臨床的兆候は観察されなかった。高用量にすると、肝臓機能試験(LFTS)において上昇を生じさせ、これは約30μM*hr又はそれ以上のAUCで、約2から3倍である。高用量にすると、好中球減少症の持続(非常に軽度の貧血)が観察された。式Iの化合物の最終的な半減期は、ラットにおいて5.7時間である。
イヌについて、化合物を1、5、又は15mg/kg/日の用量で投与した。低及び中用量において、顕著な臨床的兆候は観察されなかった。高用量にすると、肝臓機能試験(LFTS)において上昇を生じさせ、これは約30μM*hr又はそれ以上のAUCで、約3から6倍である。高用量にすると好中球減少症の持続(非常に軽度の貧血)が観察された。高用量にすると、10%の体重増加抑制が観察された。式Iの化合物の最終的な半減期は、イヌにおいて5.9時間である。
実施例5
第I相臨床試験
本研究は、再発性又は難治性急性骨髄性白血病を有するヒトにおける、式Iの化合物の最初のヒト臨床試験であった。本研究は非盲検であり、安全性、許容性、用量規定毒性(DLT)、増量に伴う薬物動態及び薬力学を決定するよう設計された。式Iの化合物は、一患者のコホート、14日間、12mg QDの経口投与で開始した。最初の患者が有害事象(薬物に関連しない)を経験したため、コホートを3患者コホートに拡大し、次いで、用量レベル当たり少なくとも3患者の連続するコホートにおいて、式Iの化合物の用量を増加させた。現在の用量レベルにおける全ての患者が、用量投与の最初の日から最低14日間観察されており、且つ最低3人の患者が、少なくとも1回の式Iの化合物の14日投与計画を完了している場合にのみ、各新規用量レベルを発生させた。ある用量レベルにおける最初の3人の患者がいずれも初回の用量規定毒性(DLT)を経験しなかった場合、次いで3人の新たな患者を、先の用量の150%までの次に高い用量レベルに参加させた。3人の患者のうちの1人が初回のDLTを経験した場合、合計でN=6となるよう、少なくともさらに3人の患者をその同じ用量レベルで開始させた。拡大したコホート中の2人以上の患者が初回のDLTを経験した場合、さらなる患者をその用量に登録せず、次に低い用量レベルを最大許容用量(MTD)と宣言する。研究の第一の評価項目は、安全性、許容性、用量規定毒性(DLT)、及びPKである。第二の評価項目は、PDである。
3人の患者が最初のコホートを完了した。コホート1における最初の患者は、2007年3月12日に登録されたとき、59歳で体重81.2kgであった。本患者は2006年6月29日にAMLと診断され、次いで4つの化学療法により治療された。疾患は2007年3月6日に再発した。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。登録後、本患者は、1日当たり12mgの式Iの化合物での14日投与計画1回を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。14日目に、腎臓機能不全(本研究に関連する可能性は低いと確定された)により本患者は入院した。
コホート1における第二の患者は、2007年5月14日に登録されたとき、75歳で体重78kgであった。本患者は2005年8月16日にAMLと診断され、次いで3つの化学療法により治療された。疾患は2006年8月16日に再発した。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。登録後、本患者は、1日当たり12mgの式Iの化合物での14日投与計画2回を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート1における第三の患者は、2007年7月16日に彼女が登録されたとき、27歳の女性で体重101kgであった。本患者は2004年7月12日にAMLと診断され、次いで7つの化学療法により治療された。疾患は2007年5月31日に再発した。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。登録後、本患者は、1日当たり12mgの式Iの化合物での14日投与計画1回を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
8人の患者が第二のコホートに登録された。コホート2に登録された最初の患者は、2007年8月7日に彼女が治療を開始したとき、82歳の女性で体重55kgであった。本患者は2007年7月31日にAMLと診断され、事前の化学療法治療を受けなかった。本患者は、8日目に自発的に治療を中止し、薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート2における第二の患者は44歳の女性で、2007年8月15日に彼女が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重55kgであった。彼女は2007年8月2日にAMLと診断され、次いで、疾患が2007年7月7日に再発する前に、4つの化学療
法により治療された。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。登録後、本患者は、1日当たり18mgの式Iの化合物での14日投与計画2回を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート2に登録する第三の患者は78歳の女性で、2007年8月15日に彼女が本研究に登録したとき、体重77kgであった。彼女は2007年8月3日にAMLと診断され、事前の化学療法治療を受けなかった。遺伝子型決定において、D835におけるFLT3変異が検出された。本患者は、18mgの式Iの化合物での2単位の治療を成功裏に完了した。本患者はその後、10月に死亡したが(AML又は併存疾患による可能性が高いと考えられた)、DLT評価はまだ未決定である。しかし本患者は、治療中、付随する投薬、処置又は輸血に起因し得ない大きな血液学的改善を示した。本患者の血小板数は、第一サイクルの治療の始めにおける82k/μLから、19日目の158k/μLへと増加した。
コホート2に登録する第四の患者は72歳の女性で、2007年8月22日に彼女が式Iの化合物の治療を最初に受けたとき、体重78kgであった。彼女は2007年8月2日にAMLと診断され、1つの化学療法を受け、その後疾患は難治性であるとみなされた。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。本患者は、7日間の式Iの化合物の投与を受け、その時点で彼女は複数のグレード3の有害事象(急性鬱血性心不全を含む)を経験した。本患者はその後死亡した。鬱血性心不全は、前から存在していたことが分かったが、SAEは薬物関連であり得ると考えられ、したがってDLTとして報告した。しかし本患者は、治療後、付随する投薬、処置又は輸血に起因し得ない小さな血液学的改善を示した。本患者の絶対好中球数(ANC)は、式Iの化合物の最初の投与の8日後に1.3×10/L増加し、その数は最初の投与の17日後の2.6×10/Lまで増加し続けた。
コホート2に登録する第四の患者がDLTを経験したため、コホートを少なくともさらに3人の患者を含むよう拡大した。コホート2に登録する第五の患者は72歳の男性で、2007年9月6日に彼が式Iの化合物の治療を開始したとき、体重86kgであった。彼は2006年12月28日にAMLと診断され、疾患が2007年8月6日に再発する前に、2つの化学療法を受けた。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。本患者は、3単位の治療を成功裏に完了し、現在4単位目が進行中である。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。本患者は、治療後、付随する投薬、処置又は輸血に起因し得ない大きな血液学的改善を示した。本患者は、式Iの化合物による治療の最初のサイクルの0日目における63%から、最初のサイクルの15日目における15%までの、骨髄芽球の減少を示した。本患者は、治療の最初のサイクルの0日目における9%から、最初のサイクルの15日目における0%までの、末梢芽球(peripheral blast)の減少も示した。
コホート2に登録する第六の患者は72歳の男性で、2007年9月24日に彼が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重72kgであった。彼は2002年8月2日にAMLと診断され、事前に8つの化学療法を受けた。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。本患者は、1単位の治療を成功裏に完了し、第二の単位の間に自発的に治療を中止した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート2における第七の患者は36歳の男性で、2007年9月24日に彼が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重89kgであった。彼は2006年3月23日にAMLと診断され、事前に7つの化学療法を受け、その後疾患は2007年9月10日に再発した。本患者は、10日間の治療のみを受けた。薬物関連の有害事象又は深刻な有害
事象は起こらなかった。
コホート2における第8の患者は51歳の男性で、2007年9月25日に彼が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重67kgであった。本患者は2007年5月16日にAMLと診断され、事前に4つの化学療法を受け、その後疾患は再発した。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。本患者は、3単位の治療を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート2についてさらなるDLTは観察されなかったため、患者を27mgの用量で、第三のコホートに登録した。コホート3における第一の患者は49歳の男性で、2007年10月15日に彼が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重84kgであった。本患者は2007年1月31日にAMLと診断され、事前に2つの化学療法を受け、その後疾患は2007年9月28日に再発した。遺伝子型決定において、本患者にFLT3変異は検出されなかった。本患者は、3単位の治療を成功裏に完了し、第二の単位の間に自発的に治療を中止した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート3に登録される第二の患者は86歳の女性で、2007年10月17日に彼女が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重62kgであった。本患者は骨髄異形成症候群(MDS)と診断され、事前の化学療法により治療され、その後2007年10月11日にAMLと診断された。本患者は、7日目に治療を自発的に中止した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート3に登録される第三の患者は64歳の女性で、2007年10月16日に彼女が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重82kgであった。本患者は2007年4月にAMLと診断され、2007年10月8日に疾患が再発するまで、事前に2つの化学療法を受けた。本患者は、8日間の治療のみを受け、その時点で彼は、疾患の進行のため、治験責任医師によって研究から離脱させられた。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート3に登録される第四の患者は68歳の男性で、2007年10月25日に彼が式Iの化合物による治療を開始したとき、体重66kgであった。本患者は2006年9月28日にAMLと診断され、事前に2つの化学療法を受けた。本患者は、1単位の治療を成功裏に完了し、第二の単位を開始した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート3に登録される第五の患者は57歳の女性で、2007年11月28日に式Iの化合物による治療を開始した。彼女は、1単位の治療を成功裏に完了し、第二の単位を開始した。
コホート3に登録される第六の患者は78歳の男性で、2007年11月16日に式Iの化合物による治療を開始した。彼は、2単位の治療を成功裏に完了した。薬物関連の有害事象又は深刻な有害事象は起こらなかった。
コホート3についてMTD(6人の患者のうち2人未満が最初のサイクルのDLTを発現した最大耐量、又は最高用量レベル)に達しなかったため、現在患者をコホート4に登録している。コホート1及び2における患者の中で、最も一般的なグレード1(軽度)薬物関連有害事象としては、2例の吐き気/嘔吐、2例の腹部膨満/便秘、1例のせき、1例の食欲減退及び1例の味覚異常(disgeusia)が挙げられた。2件の死亡が起こり、1
件は無関係の真菌感染に起因し、もう1件は、後に事前に存在するCHFの症状を有していたことが分かった患者における、鬱血性心不全(おそらく薬物関連であると考えられた
)に起因した。CHFを有する患者は、2つのコホートの患者のみであり、グレード3の薬物関連有害事象を経験した。しかし、血液学的毒性はいずれのコホートにおいても観察されなかった。
臨床試験患者からのヒト経口PKデータを、ノンコンパートメント(noncompartmental)解析及び線形台形フィット(linear-trapezoidal fit)を使用してWinNonlinでモデル化した。コホート1についての薬物動態データを表13にまとめる。結果を図2及び3に示す。これらの患者についての体重範囲は、77.9から101.25kgである。12mg用量における平均血漿中濃度は、1日目において11.2ng/mL、8日目において37.9ng/mL、及び15日目までの定常状態において42.9ng/mL(0.06mM)である。定常状態は1〜2週間で達成され、小さなピーク及びトラフを伴い、見かけの最終的な半減期は約2.8日であった。始めの12mg用量において、ヒト血漿中レベルは、定常状態においておよそ0.06μMである。3患者コホート内の定常状態血漿中濃度の患者間の変動は少ない。式Iの化合物は、ヒトにおいて良好な生物学的利用能を有するように見え、最初の3人の患者の間の血漿曝露変動は少ない。
コホート2についての薬物動態データを表14にまとめる。結果を図4に示す。これらの患者についての体重範囲は、54.9kgから88.5kgである。18mg用量における平均血漿中濃度は、1日目において21.1ng/mL(N=8)、8日目において72.5ng/mL(N=6)及び15日目において51.8ng/mL(N=3)である。2つのコホートを合わせることで、ヒトにおける良好な生物学的利用能が示され、各コホート内での血漿曝露の患者内変動が少ないことが示される。2つのコホートデータは定常状態を示し、これは1〜2週間で達成され、小さなピーク及びトラフを伴い、見かけの最終的な半減期は約1〜2.8日である。式Iの化合物の生物活性は、血液学的改善として、コホート2中の3人の異なる患者において観察され、1人の患者においては、骨髄芽球における50%を超える減少という部分奏効が観察された。
コホート3中の2人の患者についての薬物動態データを表15にまとめる。コホート3(27mg/日)中の1人の患者には、許容可能な耐容性で且つDLTなしに、式Iの化合物を42日間継続的に投与し、その後、彼はさらなる治療を受けないことを決めた。
式Iの化合物の臨床研究は、50%の用量増加を伴う標準的な3+3用量増加設計を含んでいた。例えば、式Iの化合物は、12mgの開始用量で14日間、経口溶液として1日に1回投与し、その後14日間の休止期間を置いた(1サイクル)。同時に、200mg/日で開始する28日間の継続投与計画で患者に投与した。臨床的利益を示す患者は、さらなる治療サイクルを受け続けてもよい。52人の患者に、450mg/日までの式Iの化合物を投与した(10用量コホート)。年齢中央値は60歳(23歳から86歳の範囲)であり、事前の治療の回数中央値は3回(0から8回の範囲)であり、2人の患者は事前の同種造血幹細胞移植(HSCT)を受けていた。導入化学療法に不向きな2人の老齢の患者(年齢≧78歳)は、前もって治療されなかった。15人の患者はFLT3変異(12のITD及び3のTKD)を有し、25人の患者はWTであり、12人の患者については決定しなかった。患者を、PK、pFLT3、pSTAT5、FLT3遺伝子型決定、及びエキソビボ血漿阻害活性についても評価する。式Iの化合物は、良好な耐容性を示し、MTDは、いずれのスケジュールでも未だ観察されていない。1人の患者は、18mgコホートにおいて薬物関連であり得るDLT(グレード3 CHF、しかしながら本患者は前から存在する心臓の異常を有していた)を有し、コホートの拡大に至ったが、薬物関連のCHFの他のケース又は他のDLTは、現在まで確認されていない。薬物関連であり得る他のAE(最も頻繁には胃腸の事象)は軽度であった(グレード≦2)。治験責任医師の評価に基づく応答データは、最初の45人の患者について入手可能である。現在まで、応答は、11人の患者(24%)において観察された。4人の患者は、完全奏効(
CR)を達成した−2人は不完全な血小板回復(CRp)を伴い、2人は不完全な血小板及び好中球回復(CRi)を伴い、これらの患者のうち1人は、完全な皮膚白血病の消散も示した。また、7人の患者は部分奏効(PR、≧50%の芽球の、骨髄におけるレベルの5%〜25%への減少として定義される)を示した。ほとんどの応答(8/11、73%)は、サイクル1の後に起こり、1例はサイクル3の後に観察された。応答期間中央値は18週(範囲、4から26+週)である。3人の応答者は、FLT3変異体(2のITD及び1のTKD)であり、5人はWTであり、3人については決定しなかった。ITD変異を有する9人の非応答患者のうち6人は、式Iの化合物の断続的投与で、末梢芽球の初期の急速な消失を示したが、次いで疾患に関連した死亡を導くか、死亡した。これらの患者は全て、悪性の疾患を有し、中央値で6つの事前の治療計画(3つから8つの範囲)を受けた。式Iの化合物への血漿の曝露は、投与間隔の間で持続し、1日に12mgから300mgの範囲で用量に比例する様式で増加し続け、定常状態の血漿中濃度は、300mgにおいて1,500nM以上を達成した。FLT3リン酸化は、試験患者から得た血漿を、FLT3−ITD及びWT細胞株において、それぞれ12mg及び60mgの用量でエキソビボで試験した場合、強く抑制された。
60mgコホート及び200mgコホートにおける特定の患者(14日投与に続いて14日休止の投与計画で開始した)は、継続的投与計画へと変更した。
14日投与に続いて14日休止を記載するプロトコールは、200mg/日で開始する28日間(1サイクル)の継続的投与計画を許可するよう、修正もした。臨床的利益を有する患者は、さらなるサイクルを受け続けるであろう。
実施例6
式Iの化合物カプセル75mgの調製
カプセル75mgは、ラウロイルポリオキシルグリセリド(GELUCIRE(登録商標)44/14、Gattefosse)の蝋質マトリクス中に懸濁した、75mgの式Iの化合物の二塩酸塩で構成される。およそ4,000個のカプセル75mgを製造するために、適切なサイズのジャケット付き容器中で、式Iの化合物の二塩酸塩(300g)及びGELUCIRE(登録商標)44/14(1,900g)の混合物を、およそ70℃で融解するまで撹拌した。融解した混合物を、容器の渦の中にゆっくりと入れ、均一な懸濁液が得られるまで混合した。懸濁液を混合温度の70℃に維持し、真空下で脱気した。空気の取り込みを避けるために穏やかに混合しながら、懸濁液を50℃の温度に冷やした。次いで懸濁液を、CAPSUGEL(登録商標)CSF1200又は類似のカプセル充填機に取り付けた加熱ホッパーに充填した。各カプセルを、平均重量550mgとなるように懸濁液で満たした。完成したカプセルを、適切な容器への包装前に冷やした。
実施例7
式Iの化合物のボトル入り粉末350mgの調製
ボトル入り粉末350mgは、350mgの式Iの化合物の二塩酸塩で構成され、さらに賦形剤を含まない。2,000ボトルを製造するために、式Iの化合物の二塩酸塩(350mg)を、較正した秤を使用して、100mLボトル中に量り取った。各ボトルをゴム栓及びフリップオフシールで密封した。
ボトル入り粉末350を、使用前に、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの5%溶液で、5mg/mLの式Iの化合物の二塩酸塩の濃度に再構成した。再構成した式Iの化合物を経口溶液として投与した。
実施例8
式Iの化合物のボトル入り凍結乾燥粉末75mgの調製
ボトル入り凍結乾燥粉末75mgは、75mgの式Iの化合物の二塩酸塩及び75mgのヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンで構成される。4,000ボトルを製造するために、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの溶液(6L)を、適切な容器中で、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(3kg)を溶解することにより調製した。撹拌し続けながら、式Iの化合物の二塩酸塩(300g)を溶液に添加し、必要な場合加熱しながら、溶解するまで混合した。充填する前に、溶液をろ過した。各30
mLボトルを15mLの溶液で充填した。充填の後、各ボトル中の溶液を急速凍結し、凍結乾燥した。次いで、ボトルをしっかりと密封した。
投与前に、ボトルに15mLの水を添加し、粉末が溶解するまで1分間穏やかにボトルをかき混ぜることにより、ボトル入り凍結乾燥粉末75を再構成した。再構成した式Iの化合物を経口溶液として投与した。
実施例9
さらなる製剤
調製したさらなる製剤を、それらの調製方法と共に、表16にまとめる。表16中の特定の製剤を、インビボで研究した。
上に説明した実施例は、当業者に対し、特許請求する実施形態をいかに製造及び使用するかを完全に開示し記載するために提供されるものであって、本明細書中に開示されるものの範囲を制限することを意図するものではない。当業者に自明な変更は添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。本明細書中に引用される全ての出版物、特許、及び特許出願は、このような出版物、特許、又は特許出願それぞれが、参照により本明細書中に組み込まれるよう具体的且つ個別に示されるように、参照により本明細書中に組み込まれる。

Claims (46)

  1. 増殖性疾患を有する又は有することが疑われる哺乳動物に、治療上有効量の式I:

    の化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、治療上有効量が1日当たり少なくとも12mgである、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法。
  2. 治療上有効量が1日当たり約40から450mgである、請求項1の方法。
  3. 化合物が断続的に投与される、請求項1又は2の方法。
  4. 化合物が連続的に投与される、請求項1又は2の方法。
  5. 治療上有効量が1日当たり約27から約1000mgである、請求項4の方法。
  6. 増殖性疾患を有する又は有することが疑われる哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、治療上有効量が約0.1から約10mg/kg/日である、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法。
  7. 増殖性疾患を有する又は有することが疑われる哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される量が、約0.01から約10μMの、定常状態における化合物の血漿中濃度を与えるのに十分である、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法。
  8. 増殖性疾患を有する又は有することが疑われる哺乳動物に、治療上有効量の式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、投与される量が、約0.01から約10μMの、化合物のピーク血漿中濃度を与えるのに十分である、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法。
  9. 溶媒和物がメタノール溶媒和物である、請求項1から8のいずれかの方法。
  10. 増殖性疾患が癌である、請求項1から9のいずれかの方法。
  11. 癌が白血病である、請求項10の方法。
  12. 白血病が急性白血病である、請求項11の方法。
  13. 白血病が急性骨髄芽球性白血病である、請求項12の方法。
  14. 白血病が前骨髄球性白血病である、請求項12の方法。
  15. 白血病が急性リンパ芽球性白血病である、請求項12の方法。
  16. 白血病がフィラデルフィア陽性である、請求項11から15のいずれかの方法。
  17. 白血病が再発性又は難治性である、請求項11から16のいずれかの方法。
  18. 白血病が薬物抵抗性白血病である、請求項11から17のいずれかの方法。
  19. 薬物抵抗性白血病がFLT3キナーゼ阻害剤に対して抵抗性である、請求項18の方法。
  20. 薬物抵抗性白血病が、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649、又はCHIR−258に対して抵抗性である、請求項18の方法。
  21. 薬物抵抗性白血病を有する哺乳動物が構成的活性化FLT3変異を有する、請求項18から20のいずれかの方法。
  22. 対象に、治療上有効量の第二の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項1から21のいずれかの方法。
  23. 第二の治療剤が抗癌剤である、請求項22の方法。
  24. 抗癌剤が、アドリアマイシン、ブスルファン、シタラビン、シクロホスファミド、デキサメタゾン、フルダラビン、フルオロウラシル、ヒドロキシウレア、インターフェロン、オブリメルセン、白金誘導体、タキソール、トポテカン、及びビンクリスチンからなる群から選択される、請求項23の方法。
  25. 抗癌剤が、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649、及びCHIR−258からなる群から選択されるFLT3キナーゼ阻害剤である、請求項23の方法。
  26. 構成的活性化FLT3変異の存在を決定するための診断工程をさらに含む、請求項1から25のいずれかの方法。
  27. 癌が固形腫瘍である、請求項10の方法。
  28. 癌が、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌、鼻咽腔癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、又は血液悪性腫瘍である、請求項10の方法。
  29. 投与が経口である、請求項1から28のいずれかの方法。
  30. 投与が非経口である、請求項1から28のいずれかの方法。
  31. 投与が静脈内である、請求項1から28のいずれかの方法。
  32. 用量が1日当たり12、約18、約27、約40、約60、約90、約135、約200、又は約450mgである、請求項1の方法。
  33. 化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物が、1日に1回、1週間、2週間、又は3週間投与される、請求項1から32のいずれかの方法。
  34. 化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物が、1日に1回、14日間投与される、請求項33の方法。
  35. 投与に続いて休止期間があり、その間、式Iの化合物が投与されない、請求項33又は34の方法。
  36. 休止期間が1、2、3、4、5、6、又は7日;2、3、又は4週間である、請求項35の方法。
  37. 哺乳動物が、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩、溶媒和物、若しくは水和物の投与前に、増殖性疾患に対する抗癌治療で治療されない、請求項1から36のいずれかの方法。
  38. 哺乳動物が、式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩、溶媒和物、若しくは水和物の投与前に、増殖性疾患に対する抗癌治療で治療される、請求項1から36のいずれかの方法。
  39. 式Iの化合物、又はその医薬上許容可能な塩若しくは溶媒和物、並びにヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、クエン酸、PEG400、PEG6000、ポリビニルピロリドン、ラウロイルポリオキシルグリセリド、エチレンオキシド及び酸化プロピレンのブロック共重合体、二酸化ケイ素、及び水からなる群から選択される1つ以上の医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物。
  40. 医薬上許容可能な担体がラウロイルポリオキシルグリセリドである、請求項39の医薬組成物。
  41. 医薬上許容可能な担体がヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、請求項39の医薬組成物。
  42. 医薬組成物が粉末である、請求項41の医薬組成物。
  43. 組成物がカプセルとして処方される、請求項39から42のいずれかの医薬組成物。
  44. 化合物が二塩酸塩である、請求項39から43のいずれかの医薬組成物。
  45. 組成物が一回用量投与用に処方される、請求項39から44のいずれかの医薬組成物。
  46. 組成物が経口投与用に処方される、請求項39から45のいずれかの医薬組成物。
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