JP2014221732A - 温度応答性生分解性高分子組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度に応答してゾル−ゲル転移を示す生分解性高分子組成物であって、固体状態とすることが可能であり、かつ水を含む媒体に溶解させる際に短時間で溶解することが可能な生分解性高分子組成物を提供する。【解決手段】下記(1)並びに(2):(1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であって、前記Aセグメントがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、前記Bセグメントがポリエチレングリコールを含む、前記トリブロック共重合体、並びに(2) スクロース及び/又はラクトースを含有することを特徴とする、温度応答性生分解性高分子組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、温度応答性生分解性高分子組成物及びその製造方法に関する。
温度、pH、電界、及び化学物質の変化に対する刺激応答性ポリマーの物理化学的応答に焦点を合わせた多くの研究がなされてきた。特に、外部の温度変化に応じて相転移現象を示す温度応答性ポリマーは、薬物担体などの医療用材料として広く研究されてきた。
非特許文献1及び2によって開示されたN-イソプロピルアクリルアミド (NIPAAm) のホモポリマーまたはコポリマーは、1つの類である。もう1つの類は、例えば、非特許文献3によって開示されたプルロニック(ポロキサマー、 Poloxamer、 商標)のような、ミドルブロックとして疎水性ポリ(プロピレンオキシド) および側面サイドブロックとして親水性ポリ(エチレンオキシド) からなるトリブロック共重合体である。このトリブロック共重合体は温度に応答して溶液状態(ゾル)から溶媒を含んだゲル状態へ転移する挙動(以下、ゾル−ゲル転移と表記)を示す。これは、特定の分子量および組成範囲を有する共重合体水溶液が、ゾル−ゲル転移温度より低い温度では水溶液として存在するが、温度が転移温度より高いとき(例えば体温まで上昇するとき)、共重合体間の相互作用によって不溶性ゲルを形成するという現象である。留置されたその場で(in situ)ゾルからゲルへの変化が可能なこれらのポリマーは、体内への注射による投与が可能な医療用材料として用いることができる。投与の際および投与後において、外科的処置の必要が無く、生体内において低侵襲的に任意の希望の形状のインプラントを形成できるという利点を有する。つまり、生理(薬理)活性物質とポリマー溶液を体内に注射することで容易に生理(薬理)活性物質を内部に取込んだゲルが調製でき、それをリザーバーとした生理(薬理)活性物質の徐放が可能である。また、適した細胞をポリマー溶液に懸濁させたものを体内に注射することで、容易に細胞を内部に取込んだゲルが調製できる。
この様に、in situでゲル化する材料は、注射によって生体内に埋植可能な埋め込み型ドラッグデリバリーシステムや組織工学 (tissue engineering) 用マトリックスとして注目を集めている。理想的な注射可能な系として機能するため、ポリマーの水溶液は、調製条件では注射可能な程度の低い粘性を示し、そして生理条件下(37℃付近)で迅速にゲル化する必要がある。医用材料として考慮する場合、重合体の生体適合性および安全性も重要な問題である。このため、その材料は生分解性で代謝可能あるいは毒性を発現することなく体外へ排泄される程度の分子量にまで分解される必要がある。また、その分解中、含水性に富んだハイドロゲルの性質を保持することにより、生体組織の刺激を誘起しないようでなければならない。
しかしながら、ポロキサマー型コポリマー(プルロニック)は非生分解性であり、そして動物実験で、ポロキサマーの水溶液を腹腔内に注射するとトリグリセリドとコレステロールが増加することが示されている(非特許文献4)。
最近、非特許文献5では、生分解性で、in situで温度に応答してゲル化する、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)の共重合体(以下、PLGAともいう)と、ポリエチレングリコール(PEG)からなるトリブロック共重合体(以下、PLGA−b−PEG−b−PLGA、単にPLGA−PEG−PLGAともいう)を報告している。
しかしながら、上記PLGA−b−PEG−b−PLGAは、常温かつ無溶媒の状態では粘凋な液体であるため、分注(取り分け)・秤量などの操作性に問題がある。また、PLGA−b−PEG−b−PLGAを水やリン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の水を含む媒体に溶解させて水溶液とする際、非常に時間がかかるという問題がある。そのため、病院や診療所等の医療現場で必要な時にすぐに溶解して使用する(用時調製する)ことが困難であるという問題がある。
このような問題を解消するために、前記PLGA−b−PEG−b−PLGAを乾燥させることにより、粉末化(固体化)することが検討されているが、PLGA−b−PEG−b−PLGAを固体化して粉末にすることができないという問題がある。
よって、温度に応答してゾル−ゲル転移を示す生分解性高分子組成物であって、固体状態とすることが可能であり、かつ水を含む媒体に溶解させる際に短時間で溶解することが可能な生分解性高分子組成物の開発が望まれている。
Baeら Makromol. Chem. Rapid Commun.、8、 481-485 (1987) Chenら Nature、 373、 49-52 (1995) Malstonら Macromolecules、25、 5440-5445 (1992) Wout et. al、 J. Parenteral Sci. & Tech.、 46、 192-200 (1992) Doo Sung Lee、 Macromol. Rapid Commun. 2001、22、587.
本発明は、温度に応答してゾル−ゲル転移を示す生分解性高分子組成物であって、固体状態とすることが可能であり、かつ水を含む媒体に溶解させる際に短時間で溶解することが可能な生分解性高分子組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、PLGA−b−PEG−b−PLGA等のPLGAを含むトリブロック共重合体に対して特定の成分を含有する組成物を作製する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
1. 下記(1)並びに(2):
(1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であって、
前記Aセグメントがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、
前記Bセグメントがポリエチレングリコールを含む、
前記トリブロック共重合体、並びに
(2) スクロース及び/又はラクトース
を含有することを特徴とする、温度応答性生分解性高分子組成物。
2. 前記(2)スクロース及び/又はラクトースの含有量が、前記(1)トリブロック共重合体100質量部に対して、25〜100質量部である、上記項1に記載の温度応答性生分解性高分子組成物。
3. 前記Aセグメントが前記(1)トリブロック共重合体の30〜75質量%を構成し、
前記Bセグメントが前記(1)トリブロック共重合体の25〜70質量%を構成する、上記項1又は2に記載の温度応答性生分解性高分子組成物。
4. 下記(1)並びに(2):
(1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であり、
前記Aブロックがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、
前記Bブロックがポリエチレングリコールを含む、
前記トリブロック共重合体、並びに
(2) スクロース及び/又はラクトース
を含有する温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法であって、下記(i)並びに(ii):
(i) ポリエチレングリコール、メトキシ−ポリエチレングリコール又は脂肪族ジオールの存在下、ラクチド及びグリコリドを重合させて前記(1)トリブロック共重合体を製造する工程1、並びに
(ii) 前記(1)トリブロック共重合体並びに前記(2)スクロース及び/又はラクトースを、溶媒に溶解させる工程2、
を順に含むことを特徴とする、温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法。
5. 前記工程2で得られた温度応答性生分解性高分子組成物を乾燥させることにより、前記高分子組成物を固体状態とする工程3、
を含む、上記項4に記載の温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法。
≪1.温度応答性生分解性高分子組成物≫
本発明の温度応答性生分解性高分子組成物は、下記(1)並びに(2):
(1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であって、
前記Aセグメントがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、
前記Bセグメントがポリエチレングリコールを含む、
前記トリブロック共重合体、並びに
(2) スクロース及び/又はラクトース
を含有することを特徴とする。そのため、本発明の温度応答性生分解性高分子組成物は、温度に応答してゾル−ゲル転移を示す。特に、室温と体温の間の温度でゲル化させることができるという特徴を有する。そのため、優れたin situゲル化システムを提供でき、外科的処置の必要を無くし、注射により低侵襲にインプラントを形成することができる。生理(薬理)活性物質等を安定に内包し、それらを体内で徐放できるため、注入可能な(インジェクタブル)ドラッグデリバリーシステムを提供できる。さらに、注射可能な組織修復および器官再生用の足場として、また、適した生細胞を内包させることにより、注射投与で生体内組織の欠損部位に細胞を移植する細胞デリバリーシステム等に用いることもできる。また、本発明の温度応答性生分解性高分子組成物は、固体状態とすることが可能であり、かつ短時間で水を含む媒体に溶解させることができる。そのため、操作性及び取り扱い性に優れるとともに必要な時にすぐに溶解して使用することも可能である。
本発明の温度応答性生分解性高分子組成物(以下、単に高分子組成物ともいう)は、前記(1)のトリブロック共重合体(以下、単にトリブロック共重合体ともいう)、並びに前記(2) スクロース及び/又はラクトースを含有していれば、特に限定されない。例えば、(i) トリブロック共重合体、並びにスクロース及び/又はラクトースのみからなる高分子組成物、(ii) 前記(i)にさらに薬物を含有する高分子組成物、(iii) トリブロック共重合体、水、並びにスクロース及び/又はラクトースを含有する高分子組成物、(iv) 前記(iii)にさらに薬物を含有する高分子組成物、等が挙げられる。なお、以下の記載では、特に断りがない限り、本発明の高分子組成物は固体状であるものとして高分子組成物を説明するが、本発明の高分子組成物は固体に限定されない。即ち、本発明の高分子組成物は、液体状及び固体状のいずれの形態も含むものとする。固体状の本発明の高分子組成物は、例えば溶媒に溶解した液体状の本発明の高分子組成物を乾燥させることにより得られる。液体状の本発明の高分子組成物は、例えば前記(1)のトリブロック共重合体、並びに前記(2)のスクロース及び/又はラクトースを、水を含む媒体に溶解させることにより得られ、また、前記固体状の本発明の高分子組成物を水を含む媒体に溶解させることによっても得られる。
(1)トリブロック共重合体
本発明の高分子組成物は、A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体を含有する。前記トリブロック共重合体は、生分解性であって、前記Aブロックがポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)を含み、前記Bブロックがポリエチレングリコール(PEG)を含む。
トリブロック共重合体における各物性;例えばトリブロック共重合体に対するPLGAセグメント(Aセグメント)及びPEGセグメント(Bセグメント)の質量比率;PLGAセグメント及びPEGセグメントの各重量平均分子量;トリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)及び当該数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn);PLGA中の乳酸とグリコール酸とのモル比;乳酸及びグリコール酸の各重合度;などの各物性は、特に限定されない。上記各物性の好ましい一例を挙げると、A−B−A型トリブロック共重合体の場合、
PLGAセグメント及びPEGセグメントの質量比率は、PLGAセグメントがトリブロック共重合体の30〜75質量%を構成し、かつPEGセグメントがトリブロック共重合体の25〜70質量%を構成することが好ましく、
PLGAセグメントの重量平均分子量は、1.0k〜2.0k(1000〜2000)が好ましく、
PEGセグメントの重量平均分子量は、1.0k〜1.5k(1000〜1500)が好ましく、
トリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、3.0k〜5.5k(3000〜5500)が好ましく、
トリブロック共重合体の数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)は、1.0〜1.8が好ましく、
PLGA中の乳酸とグリコール酸とのモル比は、乳酸(LA):グリコール酸(GA)=0.3:1〜5.0:1(モル比)が好ましく、
乳酸の重合度は、3〜10が好ましく、
グリコール酸の重合度は、2〜9が好ましい。
また、B−A−B型トリブロック共重合体の場合、
PLGAセグメント及びPEGセグメントの質量比率は、PLGAセグメントがトリブロック共重合体の30〜75質量%を構成し、かつPEGセグメントがトリブロック共重合体の25〜70質量%を構成することが好ましく、
PLGAセグメントの重量平均分子量は、2.0k〜3.0k(2000〜3000)が好ましく、
PEGセグメントの重量平均分子量は、0.5k〜1.0k(500〜1000)が好ましく、
トリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、3.0k〜5.0k(3000〜5000)が好ましく、
トリブロック共重合体の数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)は、1.0〜1.8が好ましく、
PLGA中の乳酸とグリコール酸とのモル比は、乳酸(LA):グリコール酸(GA)=0.5:1〜5.0:1(モル比)が好ましく、
乳酸の重合度は、2〜7が好ましく、
グリコール酸の重合度は、1.5〜5が好ましい。
なお、上記各モル比、重合度及び質量比率は、例えば1H−NMR等の公知の方法を用いて測定することができ、上記各数平均分子量及び重量平均分子量は、例えば上記1H−NMR に加えてGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)等を用いて測定できる。
トリブロック共重合体がA−B−A型である場合は、以下の式(A):
Figure 2014221732
で表すことができ、PLGA−b−PEG−b−PLGAとも称される(b はblockを意味する)。上記式(A)中のx、y及びzは、それぞれ上述の各物性を満たすことができるような値であり、例えば、xは20〜40の数が好ましく、22〜35の数がより好ましい。yは同一又は異なって、それぞれ3〜10の数が好ましく、3〜8の数がより好ましい。zは同一又は異なって、それぞれ2〜9の数が好ましく、3〜6の数がより好ましい。なお、x、y及びzは、ポリマー中の各ユニットの平均個数を表し、1H−NMR及びGPCから求められる。式(A)中の[ ]で示されるPLGAセグメント内では、乳酸ユニットとグリコール酸ユニットとの配列に規則性は無く、上記式(A)の配列の順に限定されない。また、y及びzは片方のPLGAセグメント内に含まれる乳酸ユニットおよびグリコール酸ユニットそれぞれのユニットの平均個数を示す。
また、トリブロック共重合体がB−A−B型である場合は、例えば、以下の式(B):
Figure 2014221732
[式(B)中、Rは同一若しくは異なって、それぞれH若しくはCH3である。]、又は、以下の式(C):
Figure 2014221732
[式(C)中、Rは同一若しくは異なって、それぞれH若しくはCH3であり、R’は
Figure 2014221732
である。]で表すことができる。上記式(B)又は式(C)中のx、y及びzもまた、それぞれ上述の各物性を満たすことができるような値であり、xは同一又は異なってそれぞれ10〜25の数が好ましく、11〜23の数がより好ましい。yは同一又は異なって、それぞれ5〜10の数が好ましく、7〜10の数がより好ましい。zは同一又は異なって、それぞれ5〜10の数が好ましく、5〜8の数がより好ましい。pは2〜6の数が好ましく、qは1〜6の数が好ましく、rは1〜6の数が好ましい。なお、x、y及びzは、ポリマー中の各ユニットの平均個数を表し、1H−NMR及びGPCから求められる。式(B)又は式(C)中で[ ]で示されるPLGAセグメント内では、乳酸ユニットとグリコール酸ユニットとの配列に規則性は無く、上記式(B)又は式(C)の配列の順に限定されない。また、y及びzは片方のPLGAセグメント内に含まれる乳酸ユニットおよびグリコール酸ユニットそれぞれのユニットの平均個数を示す。
トリブロック共重合体は、室温と体温との間にゲル転移温度を有する。具体的には、トリブロック共重合体を水やリン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の水を含む媒体に溶解させた場合、室温付近ではゾル状態であり、体温付近まで加温するとゲル状態に変化する。なお、PLGA−b−PEG−b−PLGAは、常温かつ無溶媒の状態では粘凋な液体である。
本発明の高分子組成物のゾル−ゲル転移温度、ゲル状態での力学強度等は、該共重合体中のPEGセグメントとPLGAセグメントの分子量、後述するスクロース及び/又はラクトースの含有量、トリブロック共重合体の濃度等を調節することにより、調整することができる。
トリブロック共重合体は、例えば以下の方法によって製造することができる。
(2)スクロース及び/又はラクトース
本発明の高分子組成物は、トリブロック共重合体とともに、スクロース及び/又はラクトースを含有する。これにより、温度に応答するゾル−ゲル転移性を保持しつつ、固体状態とすることが可能であり、さらに水を含む媒体に溶解させる際に短時間で溶解することが可能な高分子組成物が得られる。上記効果が奏される理由としては、固体で水溶性のスクロース及び/又はラクトースに対して粘凋な液体であるトリブロック共重合体が分子レベルで吸着することにより、(i) トリブロック共重合体起因の温度に応答するゾル−ゲル転移の性質と、(ii) スクロース及び/又はラクトース起因の水溶性及び固体状態を維持する性質とを併せ持つと推測される。前記スクロース及び/又はラクトースはそれぞれ1種単独で使用してもよく、また2種を組み合わせて使用してもよい。2種を組み合わせて使用する場合、スクロースとラクトースの割合は特に限定されないが、スクロース:ラクトース=99.9:0.1〜0.1:99.9(質量比)が好ましい。
スクロース及び/又はラクトースの含有量は、特に限定されないが、トリブロック共重合体100質量部に対して25〜100質量部が好ましく、25〜50質量部がより好ましい。スクロース及び/又はラクトースの含有量が上記範囲内であることにより、さらに短時間で水を含む媒体に溶解させることができ、しかも再溶解後の均一性及び流動性に優れる。
本発明の高分子組成物において、温度応答性挙動を示す高分子組成物の濃度は、通常、トリブロック共重合体が5〜30質量%程度、好ましくは10〜25質量%程度である。なお、本発明の高分子組成物は、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、(食塩の入っていない)リン酸緩衝液等の水を含む媒体に希釈することができる。本明細書では、この水を含む媒体に希釈されたものも本発明の高分子組成物として包含する。
トリブロック共重合体が10質量%となるように本発明の液体状の高分子組成物を作製し、ゲル化温度以上の37℃でpH=7.4のリン酸緩衝液中に浸漬した場合に、13日後における分子量の減少率は、好ましくは70〜80%である。
本発明の高分子組成物は、乾燥させることにより固体化(粉末化)することができる。乾燥方法は、以下の方法に従って行えばよい。本発明の固体状の高分子組成物は、保存安定性に優れるとともに、上述の水を含む媒体に短時間で再溶解することができる。
≪2.温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法≫
本発明の温度応答性分解性高分子組成物の製造方法は、特に限定はされないが、例えば下記(i)並びに(ii):
(i) ポリエチレングリコール、メトキシ−ポリエチレングリコール又は脂肪族ジオールの存在下、ラクチド及びグリコリドを重合させて前記(1)トリブロック共重合体を製造する工程1、並びに
(ii) 前記(1)トリブロック共重合体並びに前記(2)スクロース及び/又はラクトースを、溶媒に溶解させる工程2、
を順に含む。当該製造方法によれば、上述のトリブロック共重合体並びにスクロース及び/又はラクトースを含有する温度応答性生分解性高分子組成物を好適に製造することができる。
工程1
本発明の製造方法における工程1では、PEG、MeO−PEG(メトキシ−ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールモノメチルエーテルともいう)又は脂肪族ジオールの存在下、ラクチド及びグリコリドを重合させる工程を経てトリブロック共重合体を製造する。ラクチドは、L,L体(L-ラクチド)、D,D体(D-ラクチド)、D,L体(meso-ラクチド)の1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合方法に関して、一例を示す。上記式(A)のトリブロック共重合体は、Sn(Oct)2(オクチル酸錫)の存在下、PEGを高分子開始剤として、ラクチド及びグリコリドを重合することにより、製造することができる。また、上記式(B)のトリブロック共重合体は、脂肪族ジオールを開始剤として、ラクチド及びグリコリドを重合し、さらに得られた左右対称のポリマーの末端にPEG及び/又はMeO-PEGを結合することにより、製造することができる。また、上記式(C)のトリブロック共重合体は、MeO−PEGを用いてラクチド及びグリコリドを重合することによりABジブロック共重合体を合成した後、ジイソシアナート化合物、ジカルボン酸化合物等を使用して当該ABジブロック共重合体同士を縮合反応によって結合させることにより、製造することができる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
ラクチド、グリコリド、PEG、MeO−PEG及び脂肪族ジオールの各原料の使用量は、特に限定されず、例えば上述のトリブロック共重合体の好ましい各物性を満たすように適宜調整すればよい。なお、ラクチド、グリコリド、PEG、MeO−PEG、脂肪族ジオール及びSn(Oct)2は、それぞれ乾燥させたものを使用してもよい。
重合終了後は、良溶媒及び貧溶媒を用いてトリブロック共重合体を再沈殿させることができる。上記良溶媒としては、例えばクロロホルムを使用することができ、また上記貧溶媒としては、例えばジエチルエーテルを使用することができる。
工程2
本発明の製造方法における工程2では、(1)トリブロック共重合体、並びに(2)スクロース及び/又はラクトースを、溶媒に溶解させる。これにより、上記溶媒にトリブロック共重合体並びにスクロース及び/又はラクトースが均一に溶解した本発明の液体状の高分子組成物が得られる。
溶媒は、トリブロック共重合体、並びにスクロース及び/又はラクトースを溶解させることができる限り特に限定されず、水を含む媒体、アセトン等が挙げられる。特に、水を含む媒体が好ましい。水を含む媒体としては、上述の水を含む媒体(即ち、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、食塩の入っていないリン酸緩衝液等)を使用することができる。溶媒の使用量は、トリブロック共重合体が15〜25質量%程度となるように溶媒を使用することが好ましい。
工程3
本発明の製造方法では、工程2の後の工程3において、本発明の液体状の高分子組成物を乾燥させることにより、前記高分子組成物を固体状態としてもよい。
乾燥方法としては、特に限定されない。例えば、真空凍結乾燥、熱風乾燥、真空減圧乾燥、赤外線加熱乾燥、マイクロ波加熱乾燥等が挙げられる。中でも真空凍結乾燥が好ましい。本発明の液体状の高分子組成物に対して真空凍結乾燥を行う場合、トリブロック共重合体とスクロース及び/又はラクトースとを含む溶液を凍結させた後、この凍結した溶液を真空圧下で乾燥させることにより、前記凍結した溶媒を昇華させる。当該真空凍結乾燥により得られた本発明の固体状の高分子組成物は、多数の隙間を有し、表面積が大きい。そのため、上記高分子組成物は保存安定性に優れるとともに、上述の水を含む媒体に対してより短時間で再溶解し易い。
真空凍結乾燥の各条件は、限定的ではない。例えば、凍結することが可能な温度(−0℃未満)で凍結させた後、5〜20Pa程度の圧力下かつ室温(例えば10〜20℃)下で24時間乾燥させることにより、固体状の高分子組成物が得られる。
本発明の固体状の高分子組成物を得るためには、トリブロック共重合体が1〜5質量%程度である本発明の液体状の高分子組成物に対して、上述の乾燥を行うことが好ましい。
≪3.温度応答性生分解性高分子組成物の性質及び用途≫
本発明の高分子組成物は、上記したように、良好な生体適合性、生分解性及び温度応答性を有する。
ここで、温度応答性ゾル-ゲル転移とは、一般に化合物(又は高分子組成物)の溶液がゲル化温度を境にして、ゾル(溶液)状態から、ゲル(固体)状態への転移を示す性質をいう。具体的には、化合物(又は高分子組成物)の水溶液をゲル化温度以上の温度に加熱するとゲル状態となり、それ以下の温度に冷却すると再び溶解して透明のゾル状態に戻るという性質をいう。
本発明の高分子組成物の水溶液は、10〜50℃程度の範囲にゲル化温度が存在し、かかる範囲で容易にゲル化温度を調節でき、その応用範囲は極めて広範である。特に、薬物と混合して医用材料として用いることができる。
例えば、25〜35℃の範囲にゲル化温度を有する高分子組成物の水溶液では、室温(例えば10〜20℃程度)と体温(35〜37℃程度)の間にゲル化温度が存在することより、溶液(ゾル)状態のまま注射により体内に投与可能で体内でハイドロゲルを形成することができる。このような高分子組成物を薬物と混合すると、室温付近では溶液状態であるため注射時における取扱が容易であり、一方体温付近では不溶のゲル状態となるため、体内に投与後は不溶物となり薬物の早期拡散を抑制し、投与部位での薬物の滞留性を向上させることができる。そのため、インジェクタブル製剤、特に持続性インジェクタブル製剤における生分解性ポリマー材料として好適に用いることができる。
投与形態としては、例えば、皮下注射、筋肉内注射等が挙げられる。
医薬組成物への高分子組成物の配合量は、用いる薬物の種類などにより適宜選択することができ、例えば、医薬組成物の全質量に対し、60〜99.9質量%程度であればよい。
該医薬組成物に用いられる薬物としては、特に限定されないが、生理活性を有するペプ
チド類、蛋白類、その他の抗生物質、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去痰剤、
鎮静剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、不整
脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホル
モン剤、麻薬拮抗剤などがあげられる。
本発明の医薬組成物における薬物の配合量は、薬物の種類などにより適宜選択すること
ができる。特に、持続性注射剤とした場合には、薬物の配合量は、薬物の種類、持続放出
させる期間等によって定められる。例えば、薬物がペプチド類の場合、約1週間〜約1ケ
月の徐放製剤とするためには、通常、医薬組成物全質量に対し、10質量%〜50質量%程度含有させればよい。
また、本発明の高分子組成物は、温度応答性、生分解性、生体に対する安全性を有することから、手術後の組織癒着防止材として用いることができる。塗布またはスプレーなどにより術後の内臓組織などを被覆し、他の生体組織と一定期間、隔離することで癒着を防止することができる。
さらに、本発明の高分子組成物は、再生医療用のスカフォールド(足場)、細胞培養基材などとしての応用も可能である。スカフォールドとしては、細胞、本発明の高分子組成物及び培養液などを低温においてゾル状態で混合し、この混合物を高温で所定の形状にゲル化することでスカフォールドとして用いることができる。細胞培養基材としては、所定の3次元の形状を持つ繊維質又は多孔質の基材に、細胞、本発明の高分子組成物及び培養液を含む液状混合物を含浸させ、所定温度でゲル化させて、基材中に再生細胞を保持することも可能である。なお、繊維質又は多孔質の基材としては、コラーゲン、ハイドロキシアパタイトなどの生体親和性の高い材料を使うことが可能で、軟骨組織や骨組織の再生などに特に有効である。さらに、損傷組織に細胞を移植する(細胞デリバリー)システムを提供することが可能である。
本発明の温度応答性生分解性高分子組成物は、温度に応答してゾル−ゲル転移を示すとともに、固体状態とすることが可能であり、かつ短時間で水を含む媒体に溶解させることができる。
図1は、実施例1の固体状の高分子組成物の写真を示す。 図2は、実施例4の固体状の高分子組成物の写真を示す。 図3は、(a)実施例1の固体状の高分子組成物を試験例2に従ってPBSに溶解させた、液体状の高分子組成物(25℃)の写真、(b) 当該液体状の高分子組成物(37℃)の写真、を示す。 図4は、(a)実施例4の固体状の高分子組成物を試験例2に従ってPBSに溶解させた、液体状の高分子組成物(25℃)の写真、(b) 当該液体状の高分子組成物(37℃)の写真、を示す。 図5は、比較例1の固体状の高分子組成物を試験例2に従ってPBSに溶解させた、液体状の高分子組成物(25℃)の写真を示す。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
[製造例1]
トリブロック共重合体の合成
PEG(Mw=1,540)(Polyethylene glycol(1,540)、和光純薬工業(株)製)5,000mg(3.3mmol)、D,L−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、D,L−Lactide)8,750mg(63.0mmol)、グリコリド(polysciences,Inc. 製)3,125mg(27.0mmol)及びSn(Oct)2(和光純薬工業(株)製)40mg(90.0μmol)を仕込み、140℃オイルバス中で6時間重合を行った。次いで、生成物を良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にジエチルエーテルを用いて再沈殿を行った。これにより、PLGA−b−PEG−b−PLGAを得た。なお、前記トリブロック共重合体の各物性は、以下の表1の通りである。
Figure 2014221732
[実施例1]
温度応答性生分解性高分子組成物の製造
製造例1で得られたトリブロック共重合体 100mgと25mgのスクロースを秤量し、これをサンプル管に入れた。次いで、前記サンプル管に超純水1.875mlを加えて、7時間撹拌した。これにより、実施例1の液体状の温度応答性生分解性高分子組成物(トリブロック共重合体濃度:5wt%)を得た。
次いで、前記高分子組成物に対して真空凍結乾燥を行った。具体的には、液体窒素にて上記高分子組成物を凍結させた後、5〜20Pa程度の圧力下かつ室温(20℃)下で24時間乾燥することにより、実施例1の固体状の温度応答性生分解性高分子組成物を得た。
[実施例2〜8及び比較例1〜5]
添加物の種類、添加物の含有量等を表2のように適宜変更する以外は実施例1と同様にして、各液体状の高分子組成物(トリブロック共重合体濃度:5wt%)及び固体状の高分子組成物を得た。比較例1〜3のα−CDはα−シクロデキストリンを意味する。使用した各添加物の詳細を以下に示す。
・スクロース:スクロース(サッカロース)、和光純薬工業(株)製
・ラクトース:ラクトース水和物(乳糖)、和光純薬工業(株)製
・α−CD:α-シクロデキストリン、東京化成工業(株)製
・MeO-PEG(350): Polyethylene glycol (350) monomethyl ether、和光純薬工業(株)製
・MeO-PEG(550): Polyethylene glycol (550) monomethyl ether、Sigma Aldrich製
[実施例7]
超純水を1.875mlに代えて、9.875ml使用する以外は実施例1と同様にして、液体状の温度応答性生分解性高分子組成物(トリブロック共重合体濃度:1wt%)を得た。また、実施例1と同様にして固体状の温度応答性生分解性高分子組成物を得た。
[実施例8]
スクロースを25mgに代えて50mg使用し、超純水を1.875mlに代えて9.85ml使用する以外は実施例1と同様にして、液体状の温度応答性生分解性高分子組成物(トリブロック共重合体濃度:1wt%)を得た。また、実施例1と同様にして固体状の温度応答性生分解性高分子組成物を得た。
[試験例1]
再溶解性試験
実施例1〜8及び比較例1〜5の各固体状の高分子組成物に対して、トリブロック共重合体(ポリマー)濃度が20wt%となるようにPBS(pH=7.4)を加え、次いで常温の下マグネチックスターラーで撹拌した。これにより、前記固体状の各高分子組成物が前記PBSに溶解するか否かを目視にて観察した。また、前記固体状の各高分子組成物が前記PBSに溶解する場合、(i)その溶解に要した時間を測定し、さらに(ii)溶解の均一性及び流動性を評価した。なお、(ii)に関して、溶解の均一性については目視で評価し、流動性については前記PBSに溶解した高分子組成物がシリンジ(内径0.9mm)を通過できたか否かで評価した。均一に溶解しており流動性があるものを○、均一に溶解しておらず流動性がないものを×と評価した。各試験結果を以下の表2に示す。
[試験例2]
温度応答性挙動試験
実施例1〜8及び比較例1〜5の各固体状の高分子組成物に対して、試験例1と同様にしてトリブロック共重合体濃度が20wt%であるPBS溶液を調製した。この溶液に対して、試験管傾斜法により、ゾルーゲル転移の有無を調べた。具体的には、サンプル管(直径約1cm)中に保管された上記各溶液を37℃にした後、上記サンプル管を倒立させた。そして、30秒間流動しないものをゲル化したものとみなした。37℃でゲル化したものを○、37℃でゲル化しなかったものを×と評価した。各試験結果を以下の表2に示す。
Figure 2014221732

Claims (5)

  1. 下記(1)並びに(2):
    (1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であって、
    前記Aセグメントがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、
    前記Bセグメントがポリエチレングリコールを含む、
    前記トリブロック共重合体、並びに
    (2) スクロース及び/又はラクトース
    を含有することを特徴とする、温度応答性生分解性高分子組成物。
  2. 前記(2)スクロース及び/又はラクトースの含有量が、前記(1)トリブロック共重合体100質量部に対して、25〜100質量部である、請求項1に記載の温度応答性生分解性高分子組成物。
  3. 前記Aセグメントが前記(1)トリブロック共重合体の30〜75質量%を構成し、
    前記Bセグメントが前記(1)トリブロック共重合体の25〜70質量%を構成する、請求項1又は2に記載の温度応答性生分解性高分子組成物。
  4. 下記(1)並びに(2):
    (1) A−B−A型又はB−A−B型トリブロック共重合体であり、
    前記Aブロックがポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含み、
    前記Bブロックがポリエチレングリコールを含む、
    前記トリブロック共重合体、並びに
    (2) スクロース及び/又はラクトース
    を含有する温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法であって、下記(i)並びに(ii):
    (i) ポリエチレングリコール、メトキシ−ポリエチレングリコール又は脂肪族ジオールの存在下、ラクチド及びグリコリドを重合させて前記(1)トリブロック共重合体を製造する工程1、並びに
    (ii) 前記(1)トリブロック共重合体並びに前記(2)スクロース及び/又はラクトースを、溶媒に溶解させる工程2、
    を順に含むことを特徴とする、温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法。
  5. 前記工程2で得られた温度応答性生分解性高分子組成物を乾燥させることにより、前記高分子組成物を固体状態とする工程3、
    を含む、請求項4に記載の温度応答性生分解性高分子組成物の製造方法。
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