JP2014221701A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ガラス板の端面の角部を面取りする方法であって、ガラス板の端面のマイクロクラックの発生を抑制し、かつ、ガラス板の割れおよび変形を抑制することができるガラス板の製造方法を提供することである。
【解決手段】ガラス板の製造方法は、ガラス板90の端面92の角部93を面取りする方法であって、角部加熱工程と、角部剥離工程とを有する。角部加熱工程は、角部93の温度を少なくともガラス転移点まで上げて、角部93を局所的に加熱する。角部剥離工程は、角部加熱工程において加熱された角部93を冷却して、ガラス板90から角部93を剥離させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関し、より具体的には、ガラス板端面の角部を面取りする方法に関する。
液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス板は、例えば、ダウンドロー法によって製造される。ダウンドロー法では、熔融ガラスから成形されたガラス板は、下方に搬送されながら冷却され、所定のサイズに切断される。その後、切断面であるガラス板端面の角部を面取りする面取り加工が行われる。面取り加工では、通常、メタルボンドにダイヤモンド砥粒が混ぜ込まれた、いわゆるダイヤモンドホイールに代表される研削ホイールが使用される。また、このような研削ホイールを使用しない面取り加工として、特許文献1(特表2010−519164号公報)、特許文献2(特開2009−35433号公報)および特許文献3(特開2007−145625号公報)には、ガラス板の角部にレーザービームを照射して角部を熔融させることで、ガラス板端面の角部を面取りする方法が開示されている。
しかし、従来の面取り加工は、次のような問題を有している。研削ホイールを使用する面取り加工では、検出が難しいヘアクラックを含むマイクロクラックがガラス板の端面に生じ、その場合、後の工程で端面の鏡面研磨加工を行っても、マイクロクラックを完全に除去することができない。また、レーザービームを使用する面取り加工では、ガラス板の角部を熔融させることで、ガラス板の端面にマイクロクラックを生じさせずに、ガラス板端面の角部を面取りすることができる。しかし、レーザービームを使用する面取り加工は、非常に時間がかかり、さらに、ガラス板の角部の加熱量が大きいため、ガラス板の角部およびその近傍において、熱応力に起因する割れ、および、残留応力に起因する変形が発生するおそれがある。
本発明の目的は、ガラス板の端面の角部を面取りする方法であって、ガラス板の端面のマイクロクラックの発生を抑制し、かつ、ガラス板の割れおよび変形を抑制することができるガラス板の製造方法を提供することである。
本発明に係るガラス板の製造方法は、ガラス板の端面の角部を面取りする方法であって、角部加熱工程と、角部剥離工程とを有する。角部加熱工程は、ガラス板の角部の温度を少なくともガラス転移点まで上げて、角部を局所的に加熱する。角部剥離工程は、角部加熱工程において加熱された角部を冷却して、ガラス板から角部を剥離させる。
このガラス板の製造方法は、ガラス板の角部をガラス板から剥離して、ガラス板端面の角部を面取りする方法である。この方法では、最初に、ガラス板の角部を局所的に加熱して、角部の温度を少なくともガラス転移点まで上げる。ガラス転移点は、ガラスの熱膨張係数が急激に変化する温度である。そのため、ガラス板の角部を加熱すること、または、角部を加熱により熔融させることによって、角部において、ガラスの不規則な網目構造が変化する。次に、局所的に加熱された角部を冷却する。これにより、加熱された角部の網目構造と、角部を除くガラス板の網目構造との間に、差異が生じる。そして、角部に発生している熱応力の急激な変化、および、網目構造の差異によって、角部は、ガラス板から剥離しやすい状態になる。すなわち、このガラス板の製造方法は、ガラス板の角部を局所的に熱処理することで、ガラス板から角部を剥離して、ガラス板端面の角部を面取りする方法である。ダイヤモンドホイールに代表される研削ホイールを用いてガラス板端面の角部を面取りする従来の方法と比較して、このガラス板の製造方法は、ガラス板端面にマイクロクラックを生じさせることなしに、ガラス板端面の角部を面取りすることができる。その結果、ガラス板端面の角部の面取り加工に起因するガラス板の割れおよび変形を抑制し、かつ、ガラスの微小な破片であるカレットの発生を抑制することができる。
また、本発明に係るガラス板の製造方法は、端面研磨工程をさらに有することが好ましい。端面研磨工程は、角部剥離工程において角部が剥離された端面を研磨する。端面研磨工程は、遊離砥粒を用いて端面を研磨することが好ましい。
また、ガラス板は、シート状に成形されたガラスをレーザ切断して得られることが好ましい。レーザ切断によって得られたガラス板の切断面には、マイクロクラックが生じにくい。
また、角部加熱工程は、ガラス板の端面が延びる方向に沿って角部を連続的に加熱することが好ましい。
また、角部剥離工程は、ガラス板の端面が延びる方向に沿って角部を連続的に冷却することが好ましい。
また、ガラス板の100℃〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は、少なくとも25×10-7/Kであることが好ましい。
また、角部加熱工程は、プラズマ放電によって角部を加熱することが好ましい。プラズマ放電によるプラズマ処理は、ガラス板の角部を局所的に加熱することに適している。
また、ガラス板は、1.5mm以下の厚みを有することが好ましい。
また、ガラス板は、ディスプレイ用のガラス板であることが好ましい。
本発明に係るガラス板の製造方法は、ガラス板の端面の角部を面取りする方法であって、ガラス板の端面のマイクロクラックの発生を抑制し、かつ、ガラス板の割れおよび変形を抑制することができる。
実施形態に係るガラス板製造方法のフローチャートである。 実施形態に係るガラス板製造装置の模式図である。 ガラスシートの平面図である。 端面加工装置によって面取りされるガラス板を表す外観図である。 端面加工装置によって面取りされるガラス板を表す断面図である。 面取りされたガラス板の端面近傍の断面図である。 図6の鎖線で囲まれた領域の写真である。 端面が研磨されたガラス板の端面近傍の断面図である。
(1)ガラス板製造装置の構成
本発明に係るガラス板の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るガラス板の製造方法によって加工されるガラス板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示されるように、本実施形態におけるガラス板製造方法は、主として、熔解工程S1と、清澄工程S2と、攪拌工程S3と、成形工程S4と、冷却工程S5と、切断工程S6と、処理工程S7とを含む。本実施形態に係るガラス板の製造方法は、処理工程S7において行われ、かつ、ガラス板端面の角部を面取りする方法である。
熔解工程S1では、ガラス原料が加熱されて熔融ガラスが得られる。熔融ガラスは、熔解槽に貯留され、所望の温度を有するように通電加熱される。ガラス原料には、清澄剤が添加される。環境負荷低減の観点から、清澄剤として、SnO2が用いられる。
清澄工程S2では、熔解工程S1で得られた熔融ガラスが清澄管の内部を流れて熔融ガラスに含まれているガスが除去されることで、熔融ガラスが清澄される。最初に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を上昇させる。熔融ガラスに添加されている清澄剤は、昇温により還元反応を起こして酸素を放出する。熔融ガラスに含まれるCO2、N2、SO2等のガス成分を含む泡は、清澄剤の還元反応によって生じた酸素を吸収する。酸素を吸収して成長した泡は、熔融ガラスの液面に浮上し、破泡して消滅する。消滅した泡に含まれていたガスは、清澄管の内部の気相空間に放出されて、外気に排出される。次に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を低下させる。これにより、還元された清澄剤は、酸化反応を起こして、熔融ガラスに残存している酸素等のガス成分を吸収する。
攪拌工程S3では、清澄工程S2でガスが除去された熔融ガラスが攪拌されて、熔融ガラスの成分が均質化される。これにより、ガラス板の脈理等の原因である熔融ガラスの組成のムラが低減される。
成形工程S4では、オーバーフローダウンドロー法を用いて、攪拌工程S3で均質化された熔融ガラスからガラスシートが連続的に成形される。
冷却工程S5では、成形工程S4で連続的に成形されたガラスシートが冷却される。冷却工程S5は、ガラスシートに歪みおよび反りが生じないように、ガラスシートの温度を調節しながらガラスシートを徐々に冷却する徐冷工程を含む。
切断工程S6では、冷却工程S5で冷却されたガラスシートが切断されて、ガラス板が得られる。ガラスシートは、最終的に、製品として出荷されるガラス板の寸法を有するように切断される。
処理工程S7では、切断工程S6で得られたガラス板の端面を研削することにより、端面の角部の面取りが行われる。角部が面取りされた端面は、さらに、研磨される。その後、ガラス板の洗浄が行われる。さらに、ガラス板のキズ等の欠陥の有無が検査され、検査に合格したガラス板が梱包されて製品として出荷される。
図2は、本実施形態で使用されるガラス板製造装置1の一例を示す模式図である。ガラス板製造装置1は、熔解槽10と、清澄管20と、攪拌装置30と、成形装置40と、移送管50a,50b,50cと、切断装置60とを備える。移送管50aは、熔解槽10と清澄管20とを接続する。移送管50bは、清澄管20と攪拌装置30とを接続する。移送管50cは、攪拌装置30と成形装置40とを接続する。
熔解工程S1において熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄工程S2において清澄管20で清澄された熔融ガラス2は、移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。攪拌工程S3において攪拌装置30で攪拌された熔融ガラス2は、移送管50cを通過して成形装置40に流入する。成形工程S4では、成形装置40によって熔融ガラス2からガラスシート3が成形される。冷却工程S5では、ガラスシート3が下方に搬送されながら冷却される。切断工程S6では、冷却されたガラスシート3が、切断装置60によって切断されて枚葉化され、さらに、所定の寸法を有するように端部が切断されて、ガラス板が得られる。切断工程S6で得られたガラス板の幅は、例えば、500mm〜3500mmであり、長さは、例えば、500mm〜3500mmである。ガラス板の厚みは、例えば、0.2mm〜0.8mmである。処理工程S7では、切断工程S6で得られたガラス板の端面加工、洗浄および検査等が行われる。
ガラス板製造装置1によって製造されるガラス板は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス板として特に適している。FPD用のガラス板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび有機ELディスプレイ等に用いられるガラス、タッチパネル用のガラス、および、カバーガラス用の化学強化ガラス等を含む。液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイに用いられるガラスとしては、無アルカリガラス、または、アルカリ微量含有ガラスが用いられる。FPD用のガラス板は、高温時において高い粘性を有する。例えば、FPD用のガラス板が成形される熔融ガラスは、1500℃において、102.5poiseの粘性を有する。
熔解槽10では、ガラス原料が熔解されて、熔融ガラス2が得られる。ガラス原料は、所望の組成を有するガラス板を得ることができるように調製されている。ガラス板の組成の一例として、FPD用のガラス板として好適な無アルカリガラスは、SiO2:50質量%〜70質量%、Al23:0質量%〜25質量%、B23:1質量%〜15質量%、MgO:0質量%〜10質量%、CaO:0質量%〜20質量%、SrO:0質量%〜20質量%、BaO:0質量%〜10質量%を含有する。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計は、5質量%〜30質量%である。
また、FPD用のガラス板として、アルカリ金属を微量含むアルカリ微量含有ガラスを用いてもよい。アルカリ微量含有ガラスは、0.1質量%〜0.5質量%のR’2Oを含み、好ましくは、0.2質量%〜0.5質量%のR’2Oを含む。ここで、R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。R’2Oの含有量の合計は、0.1質量%未満であってもよい。
また、ガラス板製造装置1によって製造されるガラス板は、SnO2:0.01質量%〜1質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%)、Fe23:0質量%〜0.2質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.08質量%)をさらに含有してもよい。なお、ガラス板製造装置1によって製造されるガラス板は、環境負荷低減の観点から、As23、Sb23およびPbOを実質的に含有しない。
上記の組成を有するように調製されたガラス原料は、原料投入機(図示せず)を用いて熔解槽10に投入される。原料投入機は、スクリューフィーダを用いてガラス原料の投入を行ってもよく、バケットを用いてガラス原料の投入を行ってもよい。熔解槽10では、ガラス原料は、その組成等に応じた温度に加熱されて熔解される。熔解槽10では、例えば、1500℃〜1600℃の高温の熔融ガラス2が得られる。熔解槽10では、モリブデン、白金または酸化錫等で成形された少なくとも1対の電極間に電流を流すことで、電極間の熔融ガラス2が通電加熱されてもよく、また、通電加熱に加えてバーナーの火焔によってガラス原料が補助的に加熱されてもよい。
熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、熔解槽10から移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄管20および移送管50a,50b,50cは、白金製あるいは白金合金製の管である。清澄管20には、熔解槽10と同様に加熱手段が設けられている。清澄管20では、熔融ガラス2がさらに昇温させられて清澄される。例えば、清澄管20において、熔融ガラス2の温度は、1500℃〜1700℃に上昇させられる。
清澄管20において清澄された熔融ガラス2は、清澄管20から移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。熔融ガラス2は、移送管50bを通過する際に冷却される。攪拌装置30では、清澄管20を通過する熔融ガラス2の温度よりも低い温度で、熔融ガラス2が攪拌される。例えば、攪拌装置30において、熔融ガラス2の温度は、1250℃〜1450℃であり、熔融ガラス2の粘度は、500poise〜1300poiseである。熔融ガラス2は、攪拌装置30において攪拌されて均質化される。
攪拌装置30で均質化された熔融ガラス2は、攪拌装置30から移送管50cを通過して成形装置40に流入する。熔融ガラス2は、移送管50cを通過する際に、熔融ガラス2の成形に適した粘度を有するように冷却される。例えば、熔融ガラス2は、1200℃付近まで冷却される。
成形装置40では、オーバーフローダウンドロー法によって熔融ガラス2からガラスシート3が成形される。成形装置40は、成形体62を有する。攪拌装置30から移送管50cを介して成形装置40に送られてきた熔融ガラス2は、成形体62の上面に形成される溝からオーバーフローし、成形体62の両側面を伝って流下して、成形体62の下端の近傍で合流する。合流した熔融ガラス2は、板状に成形される。これにより、成形体62の下端の近傍において、ガラスシート3が連続的に成形される。成形されたガラスシート3は、重力により流下して、室温まで徐々に冷却されながら、下方に搬送される。
切断装置60では、成形装置40で成形されたガラスシート3が切断されて枚葉化される。切断装置60は、カッターを用いてガラスシート3の表面に幅方向の溝を形成し、ガラスシート3に力を加えてガラスシート3を溝に沿って切断する。
切断装置60によって枚葉化されたガラスシート3は、製品として出荷されるガラス板の寸法を有するように、熱的割断によりさらに切断される。具体的には、図3に示されるように、切断線3aに沿ってガラスシート3の表面にレーザが照射され、製品サイズのガラス板90がガラスシート3から切り出される。ガラスシート3は、例えば、公知のレーザ切断技術、または、レーザスクライブを用いる切断技術により切断される。公知のレーザ切断技術では、ガラスシート3は、レーザのみを用いて切断される。レーザスクライブを用いる切断技術では、最初に、レーザを用いて切断線3aに沿ってガラスシート3の表面に溝を形成し、次に、ガラスシート3に力を加えてガラスシート3を溝に沿って切断する。熱的割断によってガラスシート3から切り出されたガラス板90の切断面は、マイクロクラックをほとんど有さない。なお、ガラス板90の100℃〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は、少なくとも25×10-7/Kであることが好ましく、少なくとも30×10-7/Kであることがより好ましい。
次に、ガラス板90は、端面加工装置70によって面取り加工される。具体的には、端面加工装置70は、ガラス板90の切断面の角部を、ガラス板90から取り除く。次に、端面加工装置70の構成について説明する。
(2)端面加工装置の構成
図4は、端面加工装置70によって面取りされるガラス板90を表す外観図である。図4は、端面加工装置70がガラス板90の切断面の角部を面取りしている状態を表している。図4に示される矢印は、ガラス板90が搬送される方向を表す。図5は、端面加工装置70によって面取りされるガラス板90を表す断面図である。図6は、端面加工装置70によって面取りされたガラス板90の切断面近傍の断面図である。図7は、図6の鎖線で囲まれた領域の写真である。
端面加工装置70は、ガラス板90の切断面の角部を面取りする。ガラス板90は、図4および図5に示されるように、主表面91および端面92を有する。主表面91は、電極、TFT素子およびカラーフィルタ等が取り付けられる面である。端面92は、ガラス板90の切断面である。以下、図5に示されるように、主表面91と端面92とが接続するポイントの近傍の部分を、角部93を呼ぶ。図6に示されるように、角部93は、端面加工装置70によってガラス板90から除去される部分である。図6に示されるように、端面92は、2つの角部93を有している。端面加工装置70は、0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上の厚みを有するガラス板90を面取りすることができる。端面加工装置70は、3.0mm以下の厚みを有するガラス板90を面取りすることが好ましい。
端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71を備える。プラズマ放電加熱装置71は、プラズマ放電によって発生したプラズマを用いて、被処理物を加熱する装置である。図5に示されるように、プラズマ放電加熱装置71は、1対の電極72、1対の誘電体バリア73、および、ガス管74を有する。1対の電極72は、互いに対向して配置されている。1対の誘電体バリア73は、1対の電極72の間において、互いに対向して配置されている。誘電体バリア73を配置することで、誘電体バリア73が容量結合されて、1対の電極72間でプラズマ放電させることが可能になる。ガス管74は、1対の誘電体バリア73の間の空間であるプラズマ放電空間75に、希ガスまたは窒素ガスを供給するための管である。
プラズマ放電加熱装置71は、図5に示されるように、ガス管74を介して希ガスまたは窒素ガスをプラズマ放電空間75に流入させ、ガスが流入する側の反対側から、プラズマ76を噴射させて、被処理物であるガラス板90に作用させる。図5に示されるプラズマ放電加熱装置71は、2.45GHz等のマイクロ波や13.56MHz等のRF波のような高周波電源を使用する必要はなく、パルス電源や1kHz〜100kHzの交流電源を使用可能である。また、図5に示されるプラズマ放電加熱装置71は、チャンバーを用いないので、チャンバー内を真空または低圧にして放電させる必要がない。
(3)端面加工装置の動作
最初に、端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71を用いて、ガラス板90の端面92の一方の角部93を局所的に加熱する。プラズマ放電加熱装置71は、図4に示されるように、端面92が延びる方向である長手方向に沿って、角部93を連続的に加熱する。長手方向は、図4に示されるガラス板90の搬送方向を示す矢印が指す方向である。端面加工装置70は、角部93の温度を少なくともガラス転移点まで上げる。プラズマ放電加熱装置71は、長手方向に沿って、ガラス板90に対して相対的に移動する。本実施形態では、プラズマ放電加熱装置71の位置は、長手方向において固定され、かつ、ガラス板90の位置は、ガラス板搬送機構(図示せず)によって長手方向において変化する。
次に、端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71によって局所的に加熱された角部93を冷却する。端面加工装置70は、例えば、冷たい空気を角部93に吹き付けることによって角部93を冷却する。端面加工装置70は、長手方向に沿って、角部93を連続的に冷却してもよい。後述するように、角部93の冷却によって、角部93がガラス板90から剥離する。その後、角部93がガラス板90から取り除かれる。以上の工程は、ガラス板90の端面92の他方の角部93にも同様に行われる。これにより、ガラス板90の端面92の2つの角部93が面取りされ、図6に示される面取りされたガラス板90が得られる。
面取りされたガラス板90は、図6に示されるように、ガラスシート3の切断によって形成された切断面である端面92と、角部93の除去によって形成された面取り面94とを有する。面取りされたガラス板90は、角部93のみを除去して形成される、いわゆるC面取り形状を有する。面取り面94は、角部93を熱的割断によって剥離除去することで形成される面である。
(4)特徴
本実施形態に係るガラス板の製造方法は、ガラス板90の端面92の角部93をガラス板90から剥離して、角部93を面取りする方法である。この方法に用いられる端面加工装置70は、最初に、プラズマ放電加熱装置71を用いてガラス板90の角部93を局所的に加熱して、角部93の温度を少なくともガラス転移点まで上げる。ガラス転移点は、ガラスの熱膨張係数が急激に変化する温度である。そのため、ガラス板90の角部93を加熱すること、または、角部93を加熱により熔融させることによって、角部93において、ガラスの不規則な網目構造が変化する。
次に、端面加工装置70は、局所的に加熱された角部93を冷却する。角部93の冷却により、局所的に加熱された角部93の網目構造と、角部93を除くガラス板90の網目構造との間に、差異が生じる。そして、角部93に発生している熱応力の急激な変化、および、ガラス板90に発生している網目構造の差異によって、角部93は、ガラス板90から剥離しやすい状態になる。
従って、このガラス板の製造方法は、ガラス板90の端面92の角部93を局所的に熱処理して、ガラス板90から角部93が剥離しやすい状態にすることで、ガラス板90から角部93を除去してガラス板90を面取り加工する方法である。ダイヤモンドホイールに代表される研削ホイールを用いてガラス板を面取りする従来の方法と比較して、このガラス板の製造方法は、角部93のみをガラス板90から剥離して除去することで、主表面91と端面92との接続部に面取り面94を形成することができる。このガラス板の製造方法では、局所的な熱処理によってC面取り形状が形成され、端面92におけるマイクロクラックおよびヘアクラックの形成が抑えられる。その結果、ガラス板90の面取り加工に起因するガラス板90の割れおよび変形を抑制し、かつ、ガラスの微小な破片であるカレットの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るガラス板の製造方法を用いてガラス板90の面取り加工を行った結果、角部93が除去されたガラス板90の面取り面94は、図7に示されるように、マイクロクラックの存在は確認されなかった。図7に示されるガラス板の100℃〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は、34×10-7/Kである。
(5)変形例
(5−1)変形例A
本実施形態に係るガラス板の製造方法では、端面加工装置70は、ガラス板90の端面92の角部93を面取りするが、角部93が面取りされた端面92をさらに研磨してもよい。端面92の研磨は、例えば、研磨ホイールを用いて行われる。端面92の研磨は、遊離砥粒を含むスラリーによって行われることが好ましい。図8は、端面92が研磨されたガラス板90の端面92近傍の断面図である。図8において、端面92と面取り面94との接続部、および、面取り面94と主表面91との接続部は、滑らかな曲線で示されている。
(5−2)変形例B
本実施形態に係るガラス板の製造方法では、端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71を用いて、ガラス板90の角部93を局所的に加熱する。しかし、端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71以外の加熱装置を用いて、角部93を局所的に加熱してもよい。例えば、端面加工装置70は、レーザによって角部93を局所的に加熱してもよい。
(5−3)変形例C
本実施形態に係るガラス板の製造方法では、端面加工装置70は、プラズマ放電加熱装置71によって局所的に加熱された角部93に、例えば、冷たい空気を吹き付けて、角部93を冷却する。しかし、端面加工装置70は、他の方法を用いて、角部93を冷却してもよい。例えば、端面加工装置70は、水冷機構によって角部93を冷却してもよい。
(5−4)変形例D
本実施形態に係るガラス板の製造方法では、端面加工装置70は、図6に示されるように、ガラス板90の端面92の2つの角部93を面取りする。しかし、端面加工装置70は、ガラス板90の端面92の2つの角部93の少なくとも一方のみを面取りしてもよい。
90 ガラス板
92 ガラス板の端面
93 ガラス板の端面の角部
特表2010−519164号公報 特開2009−35433号公報 特開2007−145625号公報

Claims (9)

  1. ガラス板の端面の角部を面取りする方法であって、
    前記角部の温度を少なくともガラス転移点まで上げて、前記角部を局所的に加熱する角部加熱工程と、
    前記角部加熱工程において加熱された前記角部を冷却して、前記ガラス板から前記角部を剥離させる角部剥離工程と、
    を有するガラス板の製造方法。
  2. 前記角部剥離工程において前記角部が剥離された前記ガラス板の前記端面を研磨する端面研磨工程をさらに有する、
    請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記端面研磨工程は、遊離砥粒を用いて前記端面を研磨する、
    請求項2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ガラス板は、シート状に成形されたガラスをレーザ切断して得られる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記角部加熱工程は、前記端面が延びる方向に沿って前記角部を連続的に加熱する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記角部剥離工程は、前記端面が延びる方向に沿って前記角部を連続的に冷却する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記ガラス板の100℃〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は、少なくとも25×10-7/Kである、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記角部加熱工程は、プラズマ放電によって前記角部を加熱する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  9. 前記ガラス板は、ディスプレイ用のガラス板である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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