JP2014221580A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガス浄化装置から発散される熱気を外部へ円滑に排出可能とした作業車両を提供すること。【解決手段】エンジンルーム内に配設したエンジンから排気管を通して排気ガスをエンジンルーム外へ排出するとともに、エンジンに連動連結した冷却ファンによって生起される冷却風を、エンジンルーム内からラジエータを冷却した後に排風路を通して排風口からエンジンルーム外へ排出するようにした作業車両であって、エンジンルームの一部はボンネットにより開閉蓋自在に被覆して、ボンネット内に排気管の中途部に設けた排気ガス浄化装置を配設し、排気ガス浄化装置の後方に終端の熱気排出口が排風口に臨む熱気排出路を形成して、排気ガス浄化装置から発散される熱気排出路内の熱気が排風口から排出される排風に誘導されて熱気排出口からエンジンルーム外へ排出されるようにした。【選択図】図6
Description
本発明は、作業車両、詳しくは排気ガス浄化装置を具備する作業車両に関する。
作業車両の一形態として特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、エンジンルーム内にエンジンが格納され、エンジンの排気ガスは中途部に排気ガス浄化装置を設けた排気管を通してエンジンルーム外(機外)に排気される構造が開示されている。そして、エンジンルームは仕切壁により仕切られており、仕切壁にはインタークーラやラジエータ等が設置された排風出口が設けられて、エンジンに連動連結された冷却ファンによる冷却風が、エンジンルーム内からインタークーラやラジエータを冷却した後に排風出口→排風ダクト→排風口を通してエンジンルーム外(機外)に排出される構造が開示されている。また、排気管を通した排気ガスは、排風口を通して外部に排気されるようにしている。
排気ガス浄化装置は、エンジンから排出される粒子状物質を高温度の排気ガスで燃焼除去するために、内部が高温度に保持されるようにしている。そのため、排気ガス浄化装置は、その表面から発散される熱気がエンジンルーム内に悪影響を与えないように、仕切壁によりエンジンルームと分離された排風ダクト内に配設されるとともに、その内部が高温度に保持されるように、排風があまり当たらない場所である排風ダクト内の排風出口の上側に配設されている。
ところが、上記した特許文献1では、排風があまり当たらない場所である排風ダクト内の排風出口の上側に排気ガス浄化装置が配設されているため、排気ガス浄化装置の表面から外部に発散される熱気が排気ガス浄化装置の周囲にこもって、排気ガス浄化装置の外周に取り付けられた制御部品が誤動作する等の不具合を生じることがある。
そこで、本発明は、排気ガス浄化装置から発散される熱気を外部へ円滑に排出可能とした作業車両を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、エンジンルーム内に配設したエンジンから排気管を通して排気ガスをエンジンルーム外へ排出するとともに、エンジンに連動連結した冷却ファンによって生起される冷却風を、エンジンルーム内からラジエータを冷却した後に排風路を通して排風口からエンジンルーム外へ排出するようにした作業車両であって、エンジンルームの一部はボンネットにより開閉蓋自在に被覆して、ボンネット内に排気管の中途部に設けた排気ガス浄化装置を配設し、排気ガス浄化装置の後方に終端の熱気排出口が排風口に臨む熱気排出路を形成して、排気ガス浄化装置から発散される熱気排出路内の熱気が排風口から排出される排風に誘導されて熱気排出口からエンジンルーム外へ排出されるようにしたことを特徴とする。
かかる作業車両では、排気ガス浄化装置の後方に先端の熱気排出口が排風口に臨む熱気排出路を形成しているため、排風路を通して排風口からエンジンルーム外へ排出される排風に誘導されて、つまり、排風によるエジェクタ効果が生起されて、排気ガス浄化装置からボンネット内に発散される熱気が熱気排出路の終端の熱気排出口から円滑にエンジンルーム外へ排出される。したがって、ボンネット内に熱がこもって(滞留して)、ボンネット内の温度が高温化されるのを抑制することができる。その結果、エンジンの周囲に配管した配油管内の油温や吸気管内の吸気温の上昇を抑制することができて、作業車両の作業性能を良好に確保することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係る作業車両であって、熱気排出路内には熱気排出ファンを配設して、排気ガス浄化装置から発散される熱気を熱気排出ファンにより熱気排出路の終端である熱気排出口からエンジンルーム外へ強制的に排出可能としたことを特徴とする。
かかる作業車両では、排気ガス浄化装置から発散される熱気を熱気排出ファンにより熱気排出路の終端である熱気排出口からエンジンルーム外へ強制的に排出することができるため、ボンネット内の温度が高温化されるのを堅実に抑制することができる。そのため、高温度の熱の影響を受けやすい制御装置や樹脂部品等であっても、ボンネット内に配設することができて、ボンネット内における配設空間の自由度を増大させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明に係る作業車両であって、熱気排出路の終端である熱気排出口と、排風路の終端である排風口は、相互に近接させて配置するとともに、熱気排出路と排風路は逆流防止用の仕切壁体を介して流路を相互に仕切ったことを特徴とする。
かかる作業車両では、熱気排出路の終端である熱気排出口と、排風路の終端である排風口は、相互に近接させて配置しているため、排風口から排出される排風のエジェクタ効果により熱気排出口から熱気が円滑に排出される。そして、熱気排出路と排風路は、逆流防止用の仕切壁体を介して流路を相互に仕切っているため、排風路から排出された排風が熱気排出路に逆流して、巻き返し現象が生じるのを防止することができる。そのため、エンジンの排気バランスが崩れることで発生する不具合、例えば、冷却水のオーバーヒートや作動油温度の過剰な上昇を回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明に係る作業車両であって、熱気排出路内には路内の温度を検出する温度検出手段を配設して、温度検出手段が所定の上限側閾値以上の温度を検出した際には熱気排出ファンを作動させる一方、温度検出手段が所定の下限側閾値以下の温度を検出した際には熱気排出ファンを停止させるように制御することを特徴とする。
かかる作業車両では、温度検出手段が所定の上限側閾値以上の温度を検出した際には熱気排出ファンを作動させる一方、温度検出手段が所定の下限側閾値以下の温度を検出した際には熱気排出ファンを停止させるようにしているため、ボンネット内の温度を所定の温度範囲内に保持させることできる。すなわち、排気ガス浄化装置が自己再生中にエンジンを停止、又は、自己再生後にエンジンを停止した場合には、エンジンに連動連結した冷却ファンも停止しているため、ボンネット内の温度が上昇して、エンジン稼働時以上に高温になる可能性があるが、例えば、自己再生後、10分以内にエンジンを停止した場合、エンジン停止から3分間は熱気排出ファンを作動させることで、熱気排出路内のこもり熱(滞留熱)を確実に排出することができる。ここで、例えば、3分間という短時間だけ熱気排出ファンを作動させるのは、熱気排出ファンの作動(特に長時間作動)によってバッテリー上がりが起こるのを回避するためである。
本発明によれば、排気ガス浄化装置から発散される熱気をエンジンルーム外(機外)へ堅実に排出することができる。そのため、ボンネット内に熱がこもって(滞留して)、ボンネット内の温度が高温化されるのを抑制することができる。その結果、エンジンルーム内における油温の上昇、吸気温度の上昇、エンジンルーム内に配設した制御部品の熱気による悪影響を抑制することができる。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。すなわち、図1に示すAは、本発明に係る作業車両であり、作業車両Aは土砂等の掘削作業や積み込み作業等を行うアーティキュレート式のホイルローダである。
[作業車両Aの全体構成の概説]
作業車両Aは、図1に示すように、フロント部A1のフロントフレーム1の後端部とリヤ部A2のリヤフレーム2の前端部とを、上下方向に軸線を向けた枢支軸3により枢支連結して、枢支軸3を中心にフロント部A1とリヤ部A2とが平面視で「く」字状に中折れ(アーティキュレート)するようにしている。つまり、作業車両Aは、車体を適宜中折れ状態となすことで、旋回可能となしている。
作業車両Aは、図1に示すように、フロント部A1のフロントフレーム1の後端部とリヤ部A2のリヤフレーム2の前端部とを、上下方向に軸線を向けた枢支軸3により枢支連結して、枢支軸3を中心にフロント部A1とリヤ部A2とが平面視で「く」字状に中折れ(アーティキュレート)するようにしている。つまり、作業車両Aは、車体を適宜中折れ状態となすことで、旋回可能となしている。
フロントフレーム1は、左右一対の前車輪4,4により支持されて、ローダ5を装備している。ローダ5は、フロントフレーム1から立ち上げて形成した左右一対のアーム支柱6,6の上端部に、左右一対のリフトアーム7,7の基端部をそれぞれ上下回動自在に取り付け、両リフトアーム7,7の先端部にバケット8を横架状にかつ上下回動自在に取り付けている。各リフトアーム7,7の中途部と各アーム支柱6,6の中途部との間にはそれぞれリフトシリンダ9,9を介設している。両リフトアーム7,7の中途部間に介設したベルクランク支持片10には上下方向に伸延するベルクランク11の中途部を前後揺動自在に取り付けている。そして、両アーム支柱6,6の間にはフロントフレーム1から前上方へ向けてシリンダ支持片12を突設し、シリンダ支持片12の先端部とベルクランク11の上端部との間にバケットシリンダ13を介設する一方、ベルクランク11の下端部とバケット8との間には連動リンク14を介設している。
リヤフレーム2は、左右一対の後車輪20,20により支持されて、リヤフレーム2上にキャビン21とボンネット22を前後に隣接させて載設している。
キャビン21は運転部23を囲繞する箱型に形成している。つまり、キャビン21は前後壁24,25と左右側壁26,26と天井部27とから形成している。前壁24の上半部にはフロントガラス28を張設し、また、左側壁26の一部は開閉自在に取り付けた乗降用開閉ドア29により形成している。
運転部23は、図2及び図3に示すように、リヤフレーム2上に水平面上の床部30を張設して前半部を形成するとともに、段付き凸状のシートマウントカバー31を配設して後半部を形成している。床部30の前部には上下方向に伸延する筒状のステアリングコラム32を立設している。ステアリングコラム32の上面には冷・暖気分配ケース33と計器盤34を前後に隣接させて配設して、ステアリングコラム32の上面を閉塞している。ステアリングコラム32の後壁35は前低後高の傾斜状となす一方、計器盤34は前高後低の傾斜状となしている。ステアリングコラム32の後部中には上下方向に伸延するステアリングシャフト36をステアリングコラム32の後壁35に沿わせて傾斜状に配設するとともに、計器盤34の後部から上方へむけて突出させて、ステアリングシャフト36の上端部にはステアリング操作具としてのステアリングハンドル37を取り付けている。38はステアリングコラム32の直後方において、床部30上に配設した操作ペダル群である。
シートマウントカバー31は、床部30から上方へ立ち上げ状に形成した四角形板状の前壁面部40と、前壁面部40の上端縁部から後方へ水平に延設して形成した四角形板状の上面部41とから形成して、これらの左右側端面を左・右蓋体42,42により開閉自在に閉蓋している。そして、シートマウントカバー31は、床部30の左右幅と略同一幅に形成している。キャビン21の左右側壁26,26の後下端部は、運転部23の一部を形成するシートマウントカバー31の前壁面部40と上面部41の左右側縁部に沿わせて凹状に形成して、キャビン21により運転部23の一部を形成するシートマウントカバー31の前面及び上面を囲繞するとともに、キャビン21から左・右蓋体42,42を左右側方へ露出させている。
シートマウントカバー31上にはステアリングハンドル37の直後方に位置させて座席43を配置し、座席43の右側方には操作レバー44を配置している。シートマウントカバー31の下方はエンジンルーム45の前上部を形成している。エンジンルーム45の前上部内には、リヤフレーム2の後部に搭載したエンジン46の前上部を配設している。エンジン46は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関である。48は足掛かり、49はリヤフェンダである。
シートマウントカバー31の背後に位置するリヤフレーム2上には仕切壁50を配設して、仕切壁50の下半部によりシートマウントカバー31の背面(後面)を閉塞するとともに、仕切壁50の上半部をシートマウントカバー31の上面部41よりも後上方へ傾斜状に延設して形成している。仕切壁50の上端縁部には枢支部97を介してボンネット22の前端縁上部を枢支連結して、枢支連結部を中心にボンネット22を上下方向に開閉蓋自在としている。仕切壁50の後面上半部には図示しないECU(エンジンコントロールユニット)等を取り付け、これらをボンネット22により被覆している。
[エンジンルーム45の説明]
次に、エンジンルーム45内に配設された構成部材について、図2〜図9を参照しながら説明する。
エンジンルーム45は、リヤフレーム2の後半部と、その前上部に配設したシートマウントカバー31と、その左右側端面を開閉自在に閉蓋している左・右蓋体42,42と、リヤフレーム2の後半部の後上部に配置したボンネット22と、リヤフレーム2の後端部間に横架状に配設したカウンタウエイト51とにより形成している。
次に、エンジンルーム45内に配設された構成部材について、図2〜図9を参照しながら説明する。
エンジンルーム45は、リヤフレーム2の後半部と、その前上部に配設したシートマウントカバー31と、その左右側端面を開閉自在に閉蓋している左・右蓋体42,42と、リヤフレーム2の後半部の後上部に配置したボンネット22と、リヤフレーム2の後端部間に横架状に配設したカウンタウエイト51とにより形成している。
リヤフレーム2は、前後方向に伸延する左右一対の板状のフレーム形成片2a,2aを左右方向に一定の間隔をあけて対面状態に配置し、両フレーム形成片2a,2a間に複数の横フレーム形成片(図示せず)を横架して平面視枠状に形成している。
ボンネット22は、左右一対の左右側壁形成片22a,22aと、その上端間に架設した架設片とから形成している。架設片は、左右側壁形成片22a,22aの上端間の前部に架設した天井壁形成片22bと、中途部に架設した傾斜壁形成片22cと、後端部に架設した後壁形成片22dとから形成している。左右側壁形成片22a,22aは多角形板状に形成して左右側方に起立状に配置している。架設片である天井壁形成片22bと傾斜壁形成片22cと後壁形成片22dは、それぞれ横長四角形板状に形成して、略水平に配置した天井壁形成片22bの後端縁に前高後低の傾斜状に配置した傾斜壁形成片22cの前端縁を接続し、傾斜壁形成片22cの後端縁に、起立状に配置した後壁形成片22dを接続して、これらの形成片22b,22c,22dにより屈曲状円弧面を一体成形している。後壁形成片22dの中央上部には、後方へ向けて横長に開口させた第1排風口64を形成している。
傾斜壁形成片22cの中央部には、その左右幅の略三分の一幅にわたって、かつ、傾斜壁形成片22cの上端縁部から第1排風口64の上端縁位置まで、外方へわずかに膨出する断面が扁平台形状の膨出部22eを形成している。膨出部22e内には、その内面に沿って第1排風口64に臨む熱気排出路65の上面を形成している。つまり、膨出部22eは熱気排出路65の流路断面を拡張している。熱気排出路65の終端(下端)には熱気排出口66を下方へ向けて開口させて形成している。したがって、下方へ向けて開口させた熱気排出口66から排出される熱気は、後方へ向けて開口させた第1排風口64から勢いよく排出される排風に吸引・誘導されて、略直交状態に合流される。熱気排出路65の構成については後述する。
カウンタウエイト51は、鋳物等により平面視コ字状に形成して、フレーム形成片2a,2aの後端部間に横架状に架設している。そして、上部と下部にそれぞれ横長状の第2・第3排風口52,53を形成している。
エンジン46は、リヤフレーム2のフレーム形成片2a,2a間の後部にエンジンマウント54を介して搭載して、エンジンルーム45内の中央部に配置している。エンジン46から排出される排気ガスは、排気管60を通してリヤフレーム2の後部下方位置からエンジンルーム45外(機外)へ排出するようにしている。また、エンジンルーム45の一部である後上部を開閉蓋自在に被覆しているボンネット22内には、エンジン46の後上部から立ち上げて形成した左右一対のステー55,55を介して排気ガス浄化装置47をエンジン46の後上方に位置させて配設している。
排気ガス浄化装置47は、左右方向に伸延する円筒状箱形に形成するとともに、エンジン46の左右幅よりも短幅に形成している。エンジン46の排気口には排気管60の基端部側形成管60aの基端を接続しており、排気ガス浄化装置47の右側部に排気管60の基端部側形成管60aの先端を接続している。排気ガス浄化装置47の左側端面部には排気管60の先端部側形成管(テールパイプ)60bの基端を接続して、先端部側形成管60bの先端をカウンタウエイト51の下方位置まで伸延させて、カウンタウエイト51の下方から先端を後方へ向けて突出させている。ここで、排気ガス浄化装置47は、排気管60中を通して排出される排気ガスの排気音を消音するサイレンサ(消音器)としても機能する。56は先端部側形成管60bの先端を下方から保護する保護体である。そして、排気ガス浄化装置47によりエンジン46から排出される排気ガスを浄化するようにしている。91はエアクリーナ、92は外気吸入口、93はエンジン46の吸気口とエアクリーナ91の送気口とを接続する送気管である。
エンジン46は、その後方へ向けてファン軸59を突出させて、ファン軸59に冷却ファン61を連動連結し、冷却ファン61の直後方位置にラジエータ62を配設している。ラジエータ62と第1〜第3排風口64,52,53との間には排風路63を形成している。94はラジエータ62にエンジン46からラジエータ液を送給する送給管、95はラジエータ62からエンジン46にラジエータ液を戻す戻し管である。96は冷却ファン61とラジエータ62との間に介設した冷風案内シュラウドである。
ラジエータ62の上半部後方位置には、前後端が開口した筒状の排風案内シュラウド58を配置している。排風案内シュラウド58は、後方へ向けて漸次縮径して、先細り状となした後端開口部57を横長四角形状に形成して、後端開口部57を第1排風口64に近接させた対面状態に配置している。
このように構成して、エンジン46を駆動した際には、ファン軸59を介してエンジン46と連動する冷却ファン61が回転されて、冷却ファン61によって冷却風が生起されるようにしている。冷却ファン61により生起された冷却風は、冷風案内シュラウド96を通してラジエータ62を冷却した後に排風路63を通して第1〜第3排風口64,52,53からエンジンルーム45外(機外)へ排風W1となって排出されるようにしている。
この際、ラジエータ62の上半部を通して排風案内シュラウド58の後端開口部57から第1排風口64に向けて排出される排風W1の風速が、排風案内シュラウド58により増速されて第1排風口64から勢いよく排出されるようにしている。
上記のように構成した作業車両Aにおいて、本実施形態では、図2〜図9に示すように、ボンネット22内に、排気ガス浄化装置47から発散される熱気をエンジンルーム45外(機外)へ排出するための熱気排出ダクト80を配設して、熱気排出ダクト80内に熱気排出路65を形成している。熱気排出ダクト80は、本実施形態ではボンネット22の内面に一体的に設けている。すなわち、後述する仕切壁体72と流下案内体73と左・右側仕切体74,75とボンネット22の架設片(天井壁形成片22bと膨出部22eと後壁形成片22d)とから後下方へ向けて先細り筒状に形成して、その内部空間を熱気排出路65となしている。
そして、ボンネット22を閉蓋した状態では、熱気排出ダクト80は、エンジンルーム45内にて排気ガス浄化装置47の左右側方に前端部が一部重合するとともに、そこから後方へ伸延する状態に配置されて、熱気排出路65と排風路63を仕切る一方、ボンネット22を開蓋した状態では、熱気排出ダクト80は、ボンネット22と一体的に上方に移動されるとともに、エンジンルーム45外に配置されて、エンジンルーム45内の整備時に熱気排出ダクト80が支障とならないようにしている。
熱気排出路65は、エンジンルーム45内に、排気ガス浄化装置47の直上方位置から閉蓋したボンネット22の内面に沿って第1排風口64に臨むように先端先細り状に形成している。そして、熱気排出路65の終端(下端)に形成した熱気排出口66は下方へ向けて開口させており、その直下方に形成された第1排風口64は後方へ向けて開口させている。つまり、排気ガス浄化装置47から発散される熱気W2が、第1排風口64から勢いよく後方へ排出される排風W1に誘導されて、熱気排出路65を通して熱気排出口66からエンジンルーム45外(機外)へ円滑にかつ堅実に排出されるように構成している。
熱気排出路65内には熱気排出ファン70を配設している。そして、排気ガス浄化装置47から発散される熱気W2を熱気排出ファン70により熱気排出路65の終端である熱気排出口66からエンジンルーム45外へ強制的に排出可能としている。
すなわち、ボンネット22の傾斜壁形成片22cの内面中途部からボンネット22内に向けてファンステー71を直交状態に垂設し、ファンステー71に熱気排出ファン70をその回動軸が傾斜壁形成片22cの内面、さらには、熱気W2の排出流動方向と略平行するように取り付けている。そして、熱気排出ファン70はバッテリー(図示せず)に電気的に接続して、バッテリーを電源として駆動可能としている。このように構成することで、エンジン46の停止により冷却ファン61が停止して、第1排風口64から排風が排出されていない場合であっても、熱気排出ファン70を電気的に駆動させて、排気ガス浄化装置47から発散される熱気W2を、熱気排出路65の終端である熱気排出口66からエンジンルーム45外(機外)へ強制的に排出可能としている。
熱気排出路65の終端である熱気排出口66と、排風路63の終端である第1排風口64は、相互に近接させて開口配置するとともに、これらの熱気排出口66と第1排風口64に至るまでの熱気排出路65と排風路63の大部分は逆流防止用の仕切壁体72を介して流路を相互に仕切っている。
すなわち、逆流防止用の仕切壁体72は、薄肉平板状に形成している。そして、仕切壁体72は、前端縁部72aの左右幅を排気ガス浄化装置47の左右幅よりもやや広幅に形成して、前端縁部72aを排気ガス浄化装置47の後部とラジエータ62との間に配置している。つまり、仕切壁体72は上下の空間(流路)を仕切るように略水平に配設している。
前端縁部72aは排気ガス浄化装置47の後端位置まで同一幅に形成し、前端縁部72aの後端縁位置から後端縁72bまでを漸次短幅化させて、後端縁72bの左右幅を前端縁部72aの左右幅の略三分の一幅に形成している。
後端縁72bには四角形凹状の切欠凹部72cを形成している。仕切壁体72の下面後端部には流下案内体73を下方へ垂設している。流下案内体73は、切欠凹部72cに沿わせて前案内形成片73aと左・右側案内形成片73b,73cとから平面視コ字状に形成して、上・下方と後方を開口させた樋状に形成している。そして、仕切壁体72よりも上方の熱気W2を切欠凹部72cから流下案内体73を通して下方へ向けて流下案内するようにしている。ここで、熱気排出口66は、流下案内体73の下端縁と第1排風口64の上端縁を形成している後壁形成片22dの上部の部分とにより形成される。左・右側案内形成片73b,73cの後端縁下部には左・右側下部連結ブラケット73d,73eを外側方へ略垂直に張り出し状に設けて、左・右側下部連結ブラケット73d,73eを介して後壁形成片22dの内面上部に流下案内体73を連結している。つまり、ボンネット22に熱気排出ダクト80の後下部を連結している。
仕切壁体72には左・右側仕切体74,75を立設している。左・右側仕切体74,75は、前端縁部72aに沿わせてその左右側部に立設した前部側形成片74a,75aと、前端縁部72aの後端から後端縁部に沿わせてその左右側部に立設した後部側形成片74b,75bとから形成している。前部側形成片74a,75aは排気ガス浄化装置47の左右側端面の後上部を側方から被覆している。前部側形成片74a,75aと後部側形成片74b,75bの上端縁は、閉蓋したボンネット22の内面形状に沿わせて形成している。前部側形成片74a,75aの上端縁前部には左・右側上部連結ブラケット74c,75cを外側方へ略水平に張り出し状に設けて、左・右側上部連結ブラケット74c,75cを介して天井壁形成片22bの内面前部に前部側形成片74a,75aを連結している。つまり、ボンネット22に熱気排出ダクト80の前上部を連結している。
このように構成して、仕切壁体72と左・右側仕切体74,75とボンネット22の架設片とにより、後方へ向かって先細り状に漸次縮幅された空間、つまり、熱気排出路65が形成されるようにしている。そして、排気ガス浄化装置47から発散される熱気が熱気排出路65→切欠凹部72c→流下案内体73→熱気排出口66から機外へ排出されるようにしている。熱気排出路65と排風路63は、仕切壁体72さらには左・右側仕切体74,75により仕切られて、排風路63から排風が熱気排出路65内に逆流するのを堅実に防止することができる。
熱気排出路65内には路内の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ90を配設している。すなわち、温度センサ90は、排気ガス浄化装置47の近傍、本実施形態では排気ガス浄化装置47の直上方に位置するボンネット22の天井壁形成片22bの中途部内面に垂設することで、熱気排出路65内に配置している。そして、温度センサ90が熱気排出路65内の温度として所定の上限側閾値(例えば、60℃)以上の温度を検出した際には、熱気排出ファン70を作動させる一方、温度センサ90が熱気排出路65内の温度として所定の下限側閾値(例えば、50℃)以下の温度を検出した際には、熱気排出ファン70を停止させるように制御部(図示せず)により制御している。ここで、制御部は、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)とRAMとROM等を具備し、その入力側インターフェースに温度センサ90を接続する一方、その出力側インターフェースに熱気排出ファン70を接続しており、運転部23等のリヤ部A2の適宜箇所に配設している。
上記のように構成した作業車両Aでは、排気ガス浄化装置47の後方に先端の熱気排出口66が第1排風口64に臨む熱気排出路65を形成しているため、熱気排出路65内の熱気W2は、排風路63を通して第1排風口64からエンジンルーム45外へ排出される排風W1に誘導されて排出される。つまり、排風によるエジェクタ効果やオーギュメント効果(流体を管の中に速い速度で噴出させると、周りの流体もその流れに誘導されて大きな流れになる現象)が生起されて、排気ガス浄化装置47からボンネット22内に発散される熱気W2が熱気排出路65の終端から円滑にエンジンルーム45外へ排出される。したがって、ボンネット22内の温度が高温化されるのを抑制することができて、エンジン46の周囲に配管した配油管内の油温や吸気管内の吸気温の上昇を抑制することができる。その結果、作業車両Aの作業性能を良好に確保することができる。
そして、排風W1の排出の有無にかかわらず、排気ガス浄化装置47から発散される熱気W2を熱気排出ファン70により熱気排出路65の終端である熱気排出口66からエンジンルーム45外へ強制的に排出することができるため、ボンネット22内の温度が高温化されるのを堅実に抑制することができる。そのため、高温度の熱の影響を受けやすい制御装置や樹脂部品等であっても、ボンネット22内に配設することができて、ボンネット22内における配設空間の自由度を増大させることができる。
しかも、熱気排出路65の終端である熱気排出口66と、排風路63の終端である第1排風口64は、相互に近接させて配置しているため、第1排風口64から排出される排風のエジェクタ効果やオーギュメント効果により熱気排出口66から熱気が円滑に吸引・誘導されて排出される。そして、熱気排出路65と排風路63は、熱気排出口66と第1排風口64を除いてそれらの大部分が逆流防止用の仕切壁体72を介して流路を相互に仕切られているため、排風路63を通して排出された排風W1が熱気排出路65側に逆流して、巻き返し現象が生じるのを防止することができる。そのため、エンジン46の排気バランスが崩れることで発生する不具合、例えば、冷却水のオーバーヒートや作動油温度の過剰な上昇を回避することができる。
さらには、温度センサ90が所定の上限側閾値以上の温度を検出した際には熱気排出ファン70を作動させる一方、温度センサ90が所定の下限側閾値以下の温度を検出した際には熱気排出ファン70を停止させるようにしているため、ボンネット22内の温度を所定の温度範囲内に保持させることできる。すなわち、排気ガス浄化装置47が自己再生中にエンジン46を停止、又は、自己再生後にエンジン46を停止した場合には、エンジン46に連動連結した冷却ファン61も停止しているため、ボンネット22内の温度が上昇して、エンジン稼働時以上に高温になる可能性があるが、例えば、自己再生後、10分以内にエンジン46を停止した場合、エンジン停止から3分間は熱気排出ファン70を作動させることで、熱気排出路65内のこもり熱(滞留熱)を確実に排出することができる。ここで、例えば、3分間という短時間だけ熱気排出ファン70を作動させるのは、熱気排出ファンの作動(特に長時間作動)によってバッテリー上がりが起こるのを回避するためである。
排気ガス浄化装置47は、エンジンから排出された排気ガスを内部に通過させることで、排気ガスを浄化するようにしている。ここで、排気ガス浄化装置47は、エンジンから排出される排気ガス中の黒煙を主体とする粒子状物質(以下、「PM」ともいう。)等を捕集して燃焼させることで濾過するものである。排気ガス浄化装置47を通過する排気ガス温度が自己再生可能温度(例えば、250℃)を超えていれば、排気ガス浄化装置47内に堆積されたPMを酸化除去することができて、排気ガス浄化装置47のPM捕集能力が回復する。つまり、本実施形態では排気ガスの熱により燃焼除去する連続再生方式の排気ガス浄化装置47となして、排気ガス浄化装置47の目詰まりを防止するようにしている。
45 エンジンルーム
46 エンジン
47 排気ガス浄化装置
65 熱気排出路
70 熱気排出ファン
80 熱気排出ダクト
90 温度センサ
46 エンジン
47 排気ガス浄化装置
65 熱気排出路
70 熱気排出ファン
80 熱気排出ダクト
90 温度センサ
Claims (4)
- エンジンルーム内に配設したエンジンから排気管を通して排気ガスをエンジンルーム外へ排出するとともに、エンジンに連動連結した冷却ファンによって生起される冷却風を、エンジンルーム内からラジエータを冷却した後に排風路を通して排風口からエンジンルーム外へ排出するようにした作業車両であって、
エンジンルームの一部はボンネットにより開閉蓋自在に被覆して、ボンネット内に排気管の中途部に設けた排気ガス浄化装置を配設し、排気ガス浄化装置の後方に終端の熱気排出口が排風口に臨む熱気排出路を形成して、
排気ガス浄化装置から発散される熱気排出路内の熱気が排風口から排出される排風に誘導されて熱気排出口からエンジンルーム外へ排出されるようにしたことを特徴とする作業車両。 - 熱気排出路内には熱気排出ファンを配設して、排気ガス浄化装置から発散される熱気を熱気排出ファンにより熱気排出路の終端である熱気排出口からエンジンルーム外へ強制的に排出可能としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
- 熱気排出路の終端である熱気排出口と、排風路の終端である排風口は、相互に近接させて配置するとともに、熱気排出路と排風路は逆流防止用の仕切壁体を介して流路を相互に仕切ったことを特徴とする請求項1又は2記載の作業車両。
- 熱気排出路内には路内の温度を検出する温度検出手段を配設して、温度検出手段が所定の上限側閾値以上の温度を検出した際には熱気排出ファンを作動させる一方、温度検出手段が所定の下限側閾値以下の温度を検出した際には熱気排出ファンを停止させるように制御することを特徴とする請求項2又は3記載の作業車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013101429A JP2014221580A (ja) | 2013-05-13 | 2013-05-13 | 作業車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014221580A true JP2014221580A (ja) | 2014-11-27 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018052348A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 良栄 杉本 | エンジンルームの排熱装置 |
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JP2011126488A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Iseki & Co Ltd | 作業車両 |
-
2013
- 2013-05-13 JP JP2013101429A patent/JP2014221580A/ja active Pending
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