JP2014221526A - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱硬化性樹脂からなる第1成形体と熱可塑性樹脂からなる第2成形体との接合部のシールを、第2成形体の成形後にシール材を塗布しなくても達成できるようにする。
【解決手段】まず、樹脂シート40を成形型の内面に固定した状態で、熱硬化性樹脂を硬化させることにより、第1成形体13を成形するとともに、第1成形体13の被接合面に樹脂シート40を接着する(第1成形工程)。続いて、第1成形体13と第2成形体20の成形用樹脂との間に樹脂シート40を挟み混んだ状態で、第2成形体20を成形するとともに、成形熱によって樹脂シート40の表面側の一部40aを溶融させて第2成形体20と一体化させる(第2成形工程)。
【選択図】図4A
【解決手段】まず、樹脂シート40を成形型の内面に固定した状態で、熱硬化性樹脂を硬化させることにより、第1成形体13を成形するとともに、第1成形体13の被接合面に樹脂シート40を接着する(第1成形工程)。続いて、第1成形体13と第2成形体20の成形用樹脂との間に樹脂シート40を挟み混んだ状態で、第2成形体20を成形するとともに、成形熱によって樹脂シート40の表面側の一部40aを溶融させて第2成形体20と一体化させる(第2成形工程)。
【選択図】図4A
Description
本発明は、電子装置およびその製造方法に関するものである。
特許文献1には、圧力検出用のセンサチップが一体的に設けられたモールドICと、このモールドICが固定されたコネクタケースとを備える圧力センサが開示されている。モールドICのモールド樹脂は熱硬化性樹脂で構成され、コネクタケースは熱可塑性樹脂で構成されている。この圧力センサでは、モールド樹脂とコネクタケースの接合界面は、ポッティング材で覆われることによって、気体や液体の進入の防止、すなわち、シールがされている。
ところで、電子部品の一部または全部が樹脂成形体に被覆された電子装置や、電子部品が樹脂成形体に被覆されずに樹脂成形体に固定された電子装置がある。これらのような電子部品が一体化された樹脂成形体を備える電子装置の製造方法として、第1成形体を熱硬化性樹脂で一次成形し、さらに、第1成形体の少なくとも一部と接合される第2成形体を熱可塑性樹脂で二次成形する方法がある。第1成形体に電子部品が一体化される。第1成形体を熱硬化性樹脂で成形するのは、熱硬化性樹脂の線膨張係数が電子部品に近い等の理由によるものである。第2成形体を熱可塑性樹脂で成形するのは、熱硬化性樹脂は成形体の寸法精度が高く、靱性が高い等の理由によるものである。
ここで、二次成形に用いる熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に対して密着性が悪いことが知られている。このため、この製造方法では、第1成形体と第2成形体との接合部のシールが必要な場合、第2成形体の成形後に、上記した特許文献1のように、第1成形体と第2成形体との接合部を覆うように、ポッティング材等のシール材を塗布する必要がある。
しかし、この場合、塗布されたシール材を保持するためのスペースを確保したり、第2成形体に溝等を形成して、塗布されたシール材の流出を防止したりしなければならず、第1、第2成形体の形状が制約されてしまう。また、電子装置の小型化を図る上では、このスペースを設けないことが好ましい。したがって、第2成形体の成形後にシール材の塗布をしなくても、接合部のシールを達成できることが望まれる。
本発明は上記点に鑑みて、熱硬化性樹脂からなる第1成形体と熱可塑性樹脂からなる第2成形体との接合部のシールを、第2成形体の成形後にシール材を塗布しなくても達成できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
樹脂シート(40)が、第2成形体と接合される被接合面(13b)に予め接着された第1成形体を用意する第1成形体工程と、
第1成形体と第2成形体の成形用樹脂との間に樹脂シートを挟み混んだ状態で、第2成形体を成形するとともに、第2成形体の成形熱によって樹脂シートの少なくとも第2成形体の成形用樹脂側の一部を溶融させて、樹脂シートを第2成形体と一体化させる第2成形体工程とを備えることを特徴としている。
樹脂シート(40)が、第2成形体と接合される被接合面(13b)に予め接着された第1成形体を用意する第1成形体工程と、
第1成形体と第2成形体の成形用樹脂との間に樹脂シートを挟み混んだ状態で、第2成形体を成形するとともに、第2成形体の成形熱によって樹脂シートの少なくとも第2成形体の成形用樹脂側の一部を溶融させて、樹脂シートを第2成形体と一体化させる第2成形体工程とを備えることを特徴としている。
本発明において、樹脂シートとして、第2成形体の成形用樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂で構成されたものを用いた場合、第2成形体工程で、第1成形体と樹脂シートとが接着した状態で、樹脂シートの一部が溶融し、この溶融樹脂と第2成形体の成形用樹脂とが液状で混ざり合った後に固化することにより、樹脂シートと第2成形体とが一体化する。この結果、第1成形体と第2成形体とが強固に接合される。
一方、樹脂シートとして、第2成形体の成形用樹脂に対して非相溶性の熱可塑性樹脂で構成されたものを用いた場合でも、熱可塑性樹脂同士を密着させる方が、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を密着させる場合よりも、高い密着性が得られる。このため、樹脂シートを介して第1成形体と第2成形体とを一体化させることで、第1成形体と第2成形体を直に密着させる場合と比較して、第1成形体と第2成形体との間の密着性を高められる。
したがって、本発明によれば、第1成形体と第2成形体との接合部のシールを、第2成形体の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
なお、ここでいう「成形熱」には、第2成形体の成形用樹脂の流動時における熱だけでなく、第2成形体へのアニール処理時の熱も含まれる。また、本発明では、第2成形体工程後の第1成形体と樹脂シートとの接合状態については、接着した状態に限られない。第2成形体工程の際に、第1成形体と樹脂シートの両方の表面が溶融し、両方の溶融樹脂が液状で混ざり合った後に固化して一体化した状態となっても良い。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本実施形態は、車両に搭載される圧力センサに本発明を適用したものである。この圧力センサは、エンジンに吸入される空気の圧力(吸気圧)や、エンジンに供給される燃料の圧力等を検出する。
本実施形態は、車両に搭載される圧力センサに本発明を適用したものである。この圧力センサは、エンジンに吸入される空気の圧力(吸気圧)や、エンジンに供給される燃料の圧力等を検出する。
図1に示すように、圧力センサ1は、モールドIC10と、コネクタケース20と、ハウジング30とを備えている。
モールドIC10は、電子部品としてのセンサチップ11と、リードフレーム12と、モールド樹脂13とを備え、センサチップ11がモールド樹脂13に一体化されたものである。
センサチップ11は、ダイアフラム等で構成された圧力を検出するセンシング部を有している。本実施形態のセンサチップ11は、モールド樹脂13に形成された開口部13a内に配置され、接着剤によってモールド樹脂13に固定されており、開口部13a内に導入された圧力媒体の圧力を検出するようになっている。
リードフレーム12は、センサチップ11とボンディングワイヤ等を介して電気的に接続されており、一端側部分がモールド樹脂13から露出している。
モールド樹脂13は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で成形された一次成形体である。このモールド樹脂13が特許請求の範囲に記載の第1成形体に相当する。モールド樹脂13は、リードフレーム12の大部分を被覆して封止している。また、図示しないが、モールド樹脂13には、電子部品としての信号処理回路用ICが内蔵されている。
コネクタケース20は、モールドIC10と一体に成形された二次成形体である。コネクタケース20は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂で構成されている。このコネクタケース20が、特許請求の範囲に記載の第2成形体に相当する。
コネクタケース20は、外部コネクタが接続されるコネクタ部21と、ターミナル23およびモールドIC10を被覆する被覆部22とが一体に形成されている。
コネクタ部21は、外部にセンサ信号を出力する部分であり、内部が空洞の筒状であって、その内部にターミナル23の一端側部分23aが配置されている。ターミナル23の他端側部分23bは、モールドIC10のリードフレーム12と電気的に接続されている。
被覆部22は、リードフレーム12に接続されたターミナル23と、モールドIC10のコネクタ部21側の部分とを被覆しており、モールドIC10のセンサチップ11側の部分を露出している。
ハウジング30は、コネクタケース20に連結された金属製のケースである。ハウジング30は、センサチップ11のセンシング部に圧力媒体を導く圧力導入通路31と、コネクタケース20の一部を収容する収容部32とを有している。圧力導入通路31は、ハウジング30の中空部として構成されたものである。収容部32は、圧力導入通路31と反対側の部位に開口部として構成されたものである。
ハウジング30は、コネクタケース20のモールドIC10側の部分を収容部32に収容した状態で、ハウジング30の一部33がかしめられることによって、コネクタケース20と連結されている。ハウジング30とコネクタケース20との間には、Oリング34が介在しており、このOリング34によってハウジング30とコネクタケース20との間がシールされている。
次に、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明する。
まず、図2Aに示すように、モールドIC10のモールド樹脂13を成形する第1成形工程を行う。具体的には、図示しないが、リードフレーム12を成形型50の内部に設置した状態で、トランスファー法、圧縮法、射出法等により、加熱溶融された熱硬化性樹脂131を成形型50の内部に注入する。
このとき、樹脂シート40を成形型50の内面に予め固定しておく。樹脂シート40は、モールド樹脂13のうちコネクタケース20と接合される被接合面13bに接着されるように、成形型50の上型50aおよび下型50bの内面に配置される。樹脂シート40は、モールド樹脂13の被接合面13bの全域を覆うように配置される。このため、樹脂シート40の平面形状は、モールド樹脂13の被接合面13bと同じ形状である。図2Bに示すように、樹脂シート40の成形型への固定は真空引き等により行うことができる。
樹脂シート40は、後述するコネクタケース20の成形熱で溶融可能であって、コネクタケース20の成形用樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂で構成されたシート状のものである。なお、ここでいう熱可塑性樹脂には、熱可塑性エラストマーも含まれる。樹脂シート40は、コネクタケース20の成形熱よりも低温のときに、流動性を失った固体状のものであり、完全な固体でなく、ゲル状であっても良い。
成形熱とは、後述するコネクタケース20の成形工程時に成形用樹脂に与えられる熱であり、コネクタケース20の成形用樹脂の流動時における熱だけでなく、コネクタケース20の成形用樹脂を固化させた後のアニール処理時における熱等も含まれる。したがって、樹脂シート40を構成する熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度または軟化点がコネクタケース20の成形温度よりも低く、且つ、熱分解温度がコネクタケース20の成形温度よりも高いものである。例えば、コネクタケース20の成形用樹脂がPPSである場合、その成形温度は300〜340℃程度である。
相溶性を有する熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂や熱可塑性エポキシ樹脂等が挙げられる。フェノキシ樹脂は図3Aに示される化学構造を有するものであり、軟化点は65〜160℃程度、熱分解温度は350℃程度である。また、熱可塑性エポキシ樹脂は、典型的には図3Bに示される成分と図3Cに示される成分とを混合した樹脂である。ここで、図3B、図3C中のR1〜R4は、水素もしくはアルキル基である。この熱可塑性エポキシ樹脂については、軟化点は80〜150℃程度、顕著な熱分解温度は350℃程度である。相溶性を有する熱可塑性樹脂は、コネクタケース20の成形用樹脂の種類に応じて適宜選択される。
そして、樹脂シート40を成形型50の内面に固定した状態で、加熱溶融された熱硬化性樹脂を成形型50の内部に注入し、熱硬化性樹脂を架橋反応により硬化させる。これにより、モールド樹脂13が成形されるとともに、モールド樹脂13の被接合面13bに樹脂シート40が接着される。この接着は、モールド樹脂13を構成する熱硬化性樹脂の架橋反応によるものであり、すなわち、水素結合によるものである。
このようにして、樹脂シート40が被接合面13bに予め接着されたモールド樹脂13を用意する。本実施形態では、この第1成形工程が、特許請求の範囲に記載の第1成形体工程に相当する。
モールド樹脂13を成形した後、図1に示すように、モールド樹脂13に設けられた開口部13aにセンサチップ11を取り付ける。続いて、モールドIC10のリードフレーム12とターミナル23とを接続する接続工程を行う。
続いて、コネクタケース20の成形用樹脂である熱可塑性樹脂でコネクタケース20を成形する第2成形工程を行う。この第2成形工程が、特許請求の範囲に記載の第2成形体工程に相当する。具体的には、ターミナル23が接続されたモールドIC10を成形型の内部に設置した状態で、射出法、押出法等により、加熱溶融させたコネクタケース20の成形用樹脂を成形型の内部に注入した後、冷却固化する。
本実施形態では、図4Aに示すように、モールド樹脂13とコネクタケース20の成形用樹脂との間に樹脂シート40を挟み混んだ状態で、コネクタケース20を成形する。このとき、成形熱によって樹脂シート40のコネクタケース20の成形用樹脂側の一部40aが溶融し、この溶融樹脂と溶融状態のコネクタケース20の成形用樹脂とが液状で混ざり合った後に固化する。これにより、樹脂シート40とコネクタケース20とが一体化され、モールド樹脂13とコネクタケース20とが接合される。なお、第2成形工程での成形条件は、樹脂シート40の一部40aが溶融する条件とされる。換言すると、樹脂シート40は、この第2成形工程時に一部が溶融するものが採用される。
ここで、図4Bに示すように、第2成形工程後におけるモールド樹脂13とコネクタケース20との接合部では、モールド樹脂13と樹脂シート40とは接着しているので、両者の接着界面が存在している。一方、樹脂シート40とコネクタケース20とは接着ではなく両方の樹脂が液状で混合することにより一体化しているので、樹脂シート40とコネクタケース20との間には、両者の接着界面が存在せず、両方の樹脂が混合した混合層41が形成されている。
続いて、図1に示すように、Oリング34を介して、コネクタケース20とハウジング30とを嵌め合わせ、ハウジング30の一部33をコネクタケース20にかしめることにより、コネクタケース20とハウジング30とを一体化する。以上により、図1に示す圧力センサ1が完成する。
以上の説明の通り、本実施形態では、第2成形工程で、モールド樹脂13と樹脂シート40とが接着した状態で、樹脂シート40の一部が溶融し、この溶融樹脂とコネクタケース20の成形用樹脂とが液状で混ざり合った後に固化することにより、樹脂シート40とコネクタケース20とが一体化する。この結果、モールド樹脂13とコネクタケース20とが強固に接合され、モールド樹脂13とコネクタケース20との間への圧力媒体の進入を防止できる。したがって、本実施形態によれば、モールド樹脂13とコネクタケース20との接合部のシールを、コネクタケース20の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
なお、本実施形態では、樹脂シート40として樹脂成分が熱可塑性樹脂のみからなるものを用いたが、樹脂シート40として上記した熱可塑性樹脂に対して熱硬化性樹脂が混合されたものを用いることがより好ましい。この熱硬化性樹脂は、モールド樹脂13の成形時に、モールド樹脂13の成形用樹脂と架橋反応可能なものである。例えば、モールド樹脂13がエポキシ樹脂で構成される場合、樹脂シート40として架橋反応前のエポキシ樹脂が混合されたものを用いる。これによれば、第1成形工程時に、モールド樹脂13の成形用樹脂と樹脂シート中の熱硬化性樹脂とが架橋反応することにより、樹脂シートの樹脂成分が熱可塑性樹脂のみの場合と比較して、モールド樹脂13と樹脂シート40との接着を強固にできる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1成形工程で成形したモールド樹脂13の被接合面13bは平坦面であったが、本実施形態では、図5に示すように、モールド樹脂13の被接合面13bに複数の凸部14を形成する。
第1実施形態では、第1成形工程で成形したモールド樹脂13の被接合面13bは平坦面であったが、本実施形態では、図5に示すように、モールド樹脂13の被接合面13bに複数の凸部14を形成する。
具体的には、第1実施形態で説明した第1成形工程の際に、図示しないが、モールド樹脂13の凸部14に対応した形状の凹部が内面に形成された成形型を用いる。この成形型に樹脂シート40を固定した状態で、モールド樹脂13を成形する。これにより、モールド樹脂13の被接合面13bに複数の凸部14が形成されるとともに、この複数の凸部14が形成された被接合面13bに樹脂シート40が接着される。複数の凸部14の平面レイアウトパターンとしては、図6に示すように、凸部14が一方向とそれに垂直な方向にそれぞれ並ぶ格子状のパターンを採用できる。なお、図6では、凸部14の識別容易化のために凸部14に斜線を付している。
そして、第1実施形態と同様に、第2成形工程を行う。このとき、本実施形態では、図7に示すように、モールド樹脂13の被接合面13bに複数の凸部14を設けているので、この凸部14に成形圧力が集中する。これにより、樹脂シート40とコネクタケース20の一体化反応が進み、モールド樹脂13とコネクタケース20との接合力を増大できる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)第2実施形態では、複数の凸部14の平面レイアウトパターンとして格子状のパターンを採用したが、他のパターンを採用しても良い。例えば、図8に示すように、一方向に延びた形状の凸部14が平行に複数並ぶストライプ状のパターンを採用しても良い。また、図9に示すように、環状の凸部14が同心状に複数配置された多重環状のパターンを採用しても良い。なお、図8、9では、凸部14の識別容易化のために凸部14に斜線を付している。また、図8、9のV−V断面図が図5に対応する。
(2)第1実施形態では、モールド樹脂13の成形と同時に、モールド樹脂13と樹脂シート40とを接着させたが、下記のように、モールド樹脂13の成形後に、モールド樹脂13と樹脂シート40とを接着させても良い。
第1実施形態で説明した第1成形工程を、樹脂シート40を固定していない成形型を用いて行う。続いて、樹脂シート40の接着工程を行う。この接着工程では、モールド樹脂13の被接合面13bに透明な樹脂シート40を配置し、レーザ照射によりモールド樹脂13と樹脂シート40の接触部分を溶融させて固化させる。
このようにして、樹脂シート40が被接合面13bに予め接着されたモールド樹脂13を用意しても良い。この場合、第1成形工程から樹脂シート40の接着工程までが、特許請求の範囲に記載の第1成形体工程に相当する。
(3)第1実施形態では、第2成形工程の際に、成形熱によって樹脂シート40の表面側の一部が溶融することにより、この溶融樹脂とコネクタケース20の成形用樹脂とが液状で混ざり合って一体化する現象を説明した。このとき、樹脂シート40とコネクタケース20の成形用樹脂との間に加えて、樹脂シート40とモールド樹脂13との間においても、同様の現象を生じさせても良い。
この場合、樹脂シート40として、コネクタケース20の成形用樹脂とモールド樹脂13の成形用樹脂の両方に対して相溶性を有するものを用いる。これにより、第2成形工程の際、成形熱によってモールド樹脂13の表面側部分と樹脂シート40のモールド樹脂側部分とが溶融し、溶融樹脂同士が混ざり合って一体化する。このとき、樹脂シート40の全部が溶融しても良い。
このように、樹脂シート40とコネクタケース20とを液状で混合させて一体化させるとともに、樹脂シート40とモールド樹脂13とを液状で混合させて一体化させることにより、モールド樹脂13とコネクタケース20とを接合することも可能である。
(4)第1実施形態では、樹脂シート40として、コネクタケース20の成形用樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂で構成されたものを用いたが、コネクタケース20の成形用樹脂に対して非相溶性の熱可塑性樹脂で構成されたものを用いても良い。なお、ここでいう熱可塑性樹脂には、熱可塑性エラストマーも含まれる。
この場合、第2成形工程で、モールド樹脂13と樹脂シート40とが接着した状態で、樹脂シート40の一部が溶融したとき、この溶融樹脂はコネクタケース20の成形用樹脂と混ざり合わないが、この溶融樹脂が粘性を発現することにより、両方の樹脂が固化した際に、樹脂シート40とコネクタケース20とが、水素結合や分子間力を介して密着し一体化する。
ここで、熱可塑性樹脂同士を密着させる方が、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を密着させる場合よりも、高い密着性が得られる。このため、この場合によれば、モールド樹脂13とコネクタケース20とを直に密着させる場合と比較して、モールド樹脂13とコネクタケース20との間の密着性を高められ、モールド樹脂13とコネクタケース20との接合部のシールを、コネクタケース20の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
(5)第1実施形態では、樹脂シート40の平面形状を、モールド樹脂13の被接合面13bと同じ形状したが、モールド樹脂13とコネクタケース20との接合部のシールが可能であれば、他の形状としても良い。例えば、樹脂シート40をリング状としてもよい。
(6)上記各実施形態では、センサチップ11をモールド樹脂13の開口部13aの内部に接着したが、センサチップ11をモールド樹脂13の外面に接着しても良い。また、センサチップの一端側に設けられたセンシング部を露出しつつ、センサチップの他端側の部分をモールド樹脂で被覆することにより、センサチップ11をモールド樹脂13に一体化させても良い。
(7)上記各実施形態では、本発明を圧力センサに適用した例を説明したが、磁気センサ、湿度センサ、加速度センサ等の他のセンサや、センサ以外の他の電子装置に対しても、本発明の適用が可能である。本発明が適用される電子装置としては、電子部品の一部または全部が樹脂成形体に被覆された電子装置や、電子部品が樹脂成形体に被覆されずに樹脂成形体に固定された電子装置が挙げられる。特に、上述の各実施形態のように、電子部品が一体化されるとともに、コネクタ部を有する樹脂成形体を備える電子装置に対して、本発明を適用することが有効である。
(8)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
1 圧力センサ
10 モールドIC
11 センサチップ(電子部品)
13 モールド樹脂(第1成形体)
20 コネクタケース(第2成形体)
40 樹脂シート
10 モールドIC
11 センサチップ(電子部品)
13 モールド樹脂(第1成形体)
20 コネクタケース(第2成形体)
40 樹脂シート
Claims (5)
- 電子部品(11)が一体化されているとともに、熱硬化性樹脂で成形された第1成形体(13)と、
前記第1成形体の少なくとも一部と接合され、熱可塑性樹脂で成形された第2成形体(20)とを備える電子装置の製造方法において、
前記第2成形体の成形熱で溶融可能であって、熱可塑性樹脂で構成された樹脂シート(40)が、前記第2成形体と接合される被接合面(13b)に予め接着された前記第1成形体を用意する第1成形体工程と、
前記第1成形体と前記第2成形体の成形用樹脂との間に前記樹脂シートを挟み混んだ状態で、前記第2成形体を成形するとともに、前記第2成形体の成形熱によって前記樹脂シートの少なくとも前記第2成形体の成形用樹脂側の一部を溶融させて、前記樹脂シートを前記第2成形体と一体化させる第2成形体工程とを備えることを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記樹脂シートとして、前記第2成形体の成形用樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂で構成されたものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1成形体工程は、前記樹脂シートを成形型(50)の内面に固定した状態で、前記成形型の内部で熱硬化性樹脂を硬化させることにより、前記第1成形体を成形するとともに、前記被接合面に前記樹脂シートを接着することを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置の製造方法。
- 前記樹脂シートとして、前記第1成形体の成形用樹脂に対して架橋反応可能な熱硬化性樹脂が混合されたものを用いることを特徴とする請求項3に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1成形体工程は、前記第1成形体の前記被接合面に複数の凸部(14)が形成されているとともに、前記樹脂シートが前記被接合面に接着された前記第1成形体を用意することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子装置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114729955A (zh) * | 2019-11-27 | 2022-07-08 | 住友电装株式会社 | 传感器装置 |
WO2024106508A1 (ja) * | 2022-11-16 | 2024-05-23 | 国立大学法人東北大学 | 金属被覆繊維強化プラスチックおよびその製造方法 |
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2013
- 2013-05-13 JP JP2013101526A patent/JP2014221526A/ja active Pending
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