以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)の遊技盤1の正面図である。
第1の実施の形態の遊技機は、内部の遊技領域1a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、遊技機の前側上半部のクリア部材(例えば、ガラス板)の奥側には、遊技領域1aを構成する遊技盤1が設けられている。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを形成している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3、3、…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普通図柄変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器15、普通図柄変動表示ゲームを表示する普図表示器5が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1の始動入賞領域をなす第1始動入賞口13と、第2の始動入賞領域をなす普通変動入賞装置7と、が設けられている。そして、遊技球が第1始動入賞口13に入賞した場合は、補助遊技として第1特別図柄変動表示ゲームが実行される。また、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞した場合は、補助遊技として第2特別図柄変動表示ゲームが実行される。
また、遊技領域1a内には、第1特別図柄変動表示ゲームを表示する第1特図表示器8と、第2特別図柄変動表示ゲームを表示する第2特図表示器9と、が設けられている。また、第1特別図柄変動表示ゲームの未処理回数(第1特図始動入賞記憶)を表示する第1特図記憶表示器18と、第2特別図柄変動表示ゲームの未処理回数(第2特図始動入賞記憶)を表示する第2特図記憶表示器19が設けられている。なお、普図記憶表示器15、普図表示器5、第1特図表示器8、第2特図表示器9、第1特図記憶表示器18、第2特図記憶表示器19は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして一体に設けられている。さらに、普図記憶表示器15、普図表示器5、第1特図表示器8、第2特図表示器9、第1特図記憶表示器18、第2特図記憶表示器19は、遊技領域1a外に設けてもよい。
遊技領域1aの略中央には、第1特別図柄変動表示ゲーム及び第2特別図柄変動表示ゲームに対応して行われる飾り特別図柄変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な演出表示装置としての表示装置43が配置される。この表示装置43は、例えば、液晶表示パネルを備え、表示内容が変化可能な表示部がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配置されている。なお、表示装置43は、液晶表示パネルを備えるものに限らず、EL(エレクトロルミネッセンス)、CRT(ブラウン管)等の表示装置を備えるものであってもよい。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、第1特別図柄変動表示ゲーム、第2特別図柄変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口に入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12、12、…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示省略)等が設けられている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ4a(図2参照)が設けられている。そして、遊技領域1a内に向けて発射された遊技球が普図始動ゲート4を通過すると、普図始動入賞記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)であれば、普図始動入賞記憶が一つ記憶され、普図始動入賞記憶数が1加算される。次いで、この普図始動入賞記憶に基づいて、普通図柄変動表示ゲームが行われ、この際に普図始動入賞記憶数が1減算される。
但し、普図始動入賞記憶数が1加算された時点で、普通図柄変動表示ゲームが実行中であれば、実行中の普通図柄変動表示ゲームが終了するまで待機する。また、普図始動入賞記憶数が1加算された時点で、普通変動入賞装置7が作動中であった場合も、普通変動入賞装置7の作動が終了するまで待機する。
なお、普通図柄変動表示ゲームの始動入賞記憶は、LEDを備える普図記憶表示器15に表示される。
普通図柄変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行される。なお、表示装置43の表示領域の一部で普通図柄変動表示ゲームを表示してもよい。この場合は普通図柄として、数字、記号、キャラクタ図柄等を用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって、普通図柄変動表示ゲームを行う。この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合、普通図柄の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aが所定時間(例えば、0.3秒〜1.8秒の範囲内で予め定められた時間)開放される。これによって、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞しやすくなり、第2特別図柄変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a、7aを備え、第1始動入賞口13の下部に配設される。開閉部材7a、7aは、通常時は遊技球の直径程度の(遊技球が通過可能な)間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(普通図柄の当たり)となった場合、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b、図2参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化する。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機は、特別図柄変動表示ゲームの結果に従って、以後の特別図柄変動表示ゲームの当たり確率が変化する場合があり、遊技状態は、常時、特別図柄変動表示ゲームが低確率で当たりとなる低確率状態か、当該低確率状態よりも特別図柄変動表示ゲームが高確率で当たりとなる高確率状態のいずれかに設定されている。なお、低確率状態を非確変遊技状態と称したり、高確率状態を確変遊技状態と称したりする場合もある。
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機の遊技状態は、特別図柄変動表示ゲームの結果に従って、普通変動入賞装置7の開放頻度が変化する場合があり、遊技状態は、常時、普通変動入賞装置7の開放頻度が低い入賞抑制状態か、当該入賞抑制状態よりも普通変動入賞装置7の開放頻度が高い入賞促進状態のいずれかに設定されている。なお、入賞抑制状態を非時短遊技状態と称したり、入賞促進状態を時短遊技状態と称したりする場合もある。
この入賞促進状態においては、普通図柄変動表示ゲームの実行時間が入賞抑制状態における実行時間より短くなるように制御される(例えば、入賞抑制状態で10秒に対し、入賞促進状態で1秒)。これによって、単位時間当たりの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、入賞促進状態においては、普通図柄変動表示ゲームが当たり結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常遊技状態の開放時間より長くなるように制御されてもよい(例えば、入賞抑制状態で0.3秒に対し、入賞促進状態で1.8秒)。また、入賞促進状態においては、普通図柄変動表示ゲームの1回の当たり結果に対して、普通変動入賞装置7が1回ではなく、2回以上の複数回(例えば、2回)開放してもよい。さらに、入賞促進状態においては、普通図柄変動表示ゲームの当たり結果となる確率が入賞抑制状態より高くなるように制御してもよい。すなわち、入賞促進状態では、入賞抑制状態よりも普通変動入賞装置7の開放頻度が増加し、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、第2特別図柄変動表示ゲームの始動が容易となる特典が付与される。
第1始動入賞口13の内部には第1始動口スイッチ13a(図2参照)が備わる。第1始動口スイッチ13aが第1始動入賞口13に入賞した遊技球を検出することに基づいて、補助遊技としての第1特別図柄変動表示ゲームを開始する権利が発生する。この第1特別図柄変動表示ゲームを開始する権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で第1始動入賞記憶(第1特図始動入賞記憶)として記憶される。この第1始動入賞記憶の数は、第1特図記憶表示器18に表示され、表示装置43にも表示される。
普通変動入賞装置7の内部には第2始動口スイッチ7d(図2参照)が備わる。第2始動口スイッチ7dが普通変動入賞装置7に入賞した遊技球を検出することに基づいて、補助遊技としての第2特別図柄変動表示ゲームを開始する権利が発生する。第2特別図柄変動表示ゲームを開始する権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で第2始動入賞記憶(第2特図始動入賞記憶)として記憶される。この第2始動入賞記憶の数は、第2特図記憶表示器19に表示され、表示装置43にも表示される。
そして、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、第1始動入賞記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)であれば、第1始動入賞記憶が一つ記憶され、第1始動入賞記憶数が1加算される。次いで、この第1始動入賞記憶に基づいて第1特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動入賞記憶数が1減算される。
但し、第1始動入賞記憶数が1加算された時点で、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが実行中であれば、実行中の特別図柄変動表示ゲームが終了するまで待機する。また、第1始動入賞記憶数が1加算されたときに、特別遊技状態が発生していた場合も、特別遊技状態が終了するまで待機する。
また、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、第2始動入賞記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)であれば、第2始動入賞記憶が一つ記憶され、第2始動入賞記憶数が1加算される。次いで、この第2始動入賞記憶に基づいて第2特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に第2始動入賞記憶数が1減算される。
但し、第2始動入賞記憶数が1加算された時点で、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが実行中であれば、実行中の特別図柄変動表示ゲームが終了するまで待機する。また、第2始動入賞記憶数が1加算されたときに、特別遊技状態が発生していた場合も、特別遊技状態が終了するまで待機する。
なお、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが開始可能な状態となると、第1始動入賞記憶又は第2始動入賞記憶に基づいて、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが開始されるが、このとき、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームとは同時に実行されることはなく、第2特別図柄変動表示ゲームが第1特別図柄変動表示ゲームよりも優先して実行される。すなわち、第1始動入賞記憶と第2始動入賞記憶とがある場合であって、何れの特別図柄変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2始動入賞記憶が第1始動入賞記憶よりも先に消化され、第2始動入賞記憶数が0になるまでの間は、第2特別図柄変動表示ゲームだけが実行されるようになっている。そして、第2始動入賞記憶数が0となった場合に限って、第1始動入賞記憶が消化され、第1特別図柄変動表示ゲームが実行されることになる。
補助遊技としての第1特別図柄変動表示ゲーム、第2特別図柄変動表示ゲームは、各々、第1特図表示器8、第2特図表示器9で実行される。各特別図柄変動表示ゲームでは、複数の識別情報を変動表示した後、所定の結果態様で識別情報を停止表示する。また、表示装置43にて各特別図柄変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特別図柄変動表示ゲームが実行される。そして、この特別図柄変動表示ゲームの結果として、第1特図表示器8又は第2特図表示器9の表示態様が特別結果態様(例えば、停止図柄が「7」)となった場合には、当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置43の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に第1特図表示器8、第2特図表示器9を備えずに、表示装置43のみで特別図柄変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態の遊技機は、特別図柄変動表示ゲームの結果に基づいて、遊技状態として、前述した高確率状態や入賞促進状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特別図柄変動表示ゲームでの当たり結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。なお、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームの何れであっても、その特別図柄変動表示ゲームの結果に基づいて高確率状態が発生可能となっている。また、高確率状態が発生すると、第1特別図柄変動表示ゲーム及び第2特別図柄変動表示ゲームの両方で、当たり結果となる確率が上昇する。
なお、前述した高確率状態と入賞促進状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
本実施形態では、高確率状態と入賞促進状態とが同時に成立している状態を高確率入賞促進状態とし、高確率状態のみが発生している状態(正確には、高確率状態と入賞抑制状態とが同時に成立している状態)を高確率入賞抑制状態とする。また、入賞促進状態のみが発生している状態(正確には、低確率状態と入賞促進状態とが同時に成立している状態)を低確率入賞促進状態とし、高確率状態も入賞促進状態の発生していない状態(正確には、低確率状態と入賞抑制状態とが同時に成立している状態)を低確率入賞抑制状態とする。
なお、図2で後述する遊技制御装置30に備えられたRAM31cの記憶データを初期状態にクリアする操作を行うと、強制的に、遊技状態が低確率入賞抑制状態に設定される(詳細は図3で後述)。さらに、1日の遊技を通して、遊技状態が低確率入賞抑制状態となっている時間帯が、他の遊技状態と比較しても長い場合が多い。このような理由により、本実施形態では、入賞抑制状態である場合を通常遊技状態と称し、入賞促進状態である場合を特定遊技状態と称することにする。
特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することによって、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2参照)によって駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ10c(図2参照)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ12a(図2参照)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12、12、…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が払い出される。払出制御装置125(図2参照)が、賞球払出のための払出モータを制御することによって、所定数の賞球が払い出される。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の遊技制御装置30を中心としたブロック図である。
遊技機は、遊技の実行を統括的に制御する遊技制御装置30と、この遊技制御装置30からの表示制御信号に基づいて、表示装置43の表示を制御する表示制御装置40と、を備える。なお、表示制御信号は、表示装置43における特別図柄変動表示ゲームの演出内容を指令する演出制御指令でもあり、表示制御装置40はこの演出を制御する演出制御装置(演出制御手段)としても機能する。以下、表示制御装置40を演出制御装置40として説明する。
遊技制御装置30は、CPU31a、ROM31b及びRAM31cを備える遊技用ワンチップマイコン31を備え、入力インタフェース(入力I/F)32、出力インタフェース(出力I/F)33、及び、外部通信端子34を備える。
遊技用ワンチップマイコン31は、内部のCPU31aが制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、各特別図柄変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などの各種乱数値も生成する。
また、CPU31aは、始動入賞に基づいて各特別図柄変動表示ゲームを開始させる際に、当該特別図柄変動表示ゲームにおける飾り図柄による変動表示パターン、即ち、識別情報の変動表示時間を含む変動表示パターンやリーチパターン(リーチアクションの種類)を決定する。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のRAM31cには、第1始動口13に設けられた第1始動口スイッチ13a、普通変動入賞装置7に設けられた第2始動口スイッチ7dのオン信号を記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、及び、CPU31aの作業領域等を備える。すなわち、RAM31cには、CPU31aによって検出された遊技球の入賞が始動入賞として記憶される。より具体的には、遊技制御装置30は、第1始動入賞口13への遊技球の入賞数を記憶し、また、普通変動入賞装置7への遊技球の入賞数を記憶する。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のROM31bには、遊技上の制御プログラムや制御データが格納されている。また、前述した各種乱数値に対応して、各特別図柄変動表示ゲームの当たり発生を判定するための、特別図柄変動表示ゲームの当たり判定値、変動表示パターンの判定値、リーチパターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。具体的には、例えば、ROM31bには、特別図柄変動表示ゲームの遊技結果(「当たり」又は「はずれ」)に応じた変動表示パターンテーブルとが記憶され、当該変動表示パターンテーブルに含まれる変動表示パターンに対応したコマンドテーブルが記憶されている。
また、入力インタフェース32には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ7d、入賞口スイッチ12a、…、ゲートスイッチ4a、カウントスイッチ10c、ガラス枠開放スイッチ146、遊技機枠開放スイッチ121、球切れスイッチ122が接続されている。そして、入力インタフェース32は、これらから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン31に出力する。
なお、ガラス枠開放スイッチ146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものである。遊技機枠開放スイッチ121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。球切れスイッチ122は、島設備から供給された遊技球を排出装置に誘導するシュートに設けられ、シュート内の遊技球がなくなったことを検出するものである。
また、出力インタフェース33には、遊技用ワンチップマイコン31から出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該出力インタフェース33により中継されて、出力インターフェース33内の出力ポート及びドライバを介して、第1特図表示器8、第1特図記憶表示器18、第2特図表示器9、第2特図記憶表示器19、普図表示器5、普図記憶表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、遊技機外部の管理装置などと接続される外部端子板16、払出制御装置125、演出制御装置40に出力される。
演出制御装置40は、演算処理用CPU40a、ROM40b及びRAM40cを備え、通信インタフェース(通信I/F)40d、入出力インタフェース(入出力I/F)40eを備える。また、画像や映像データが記憶された画像ROM40f、グラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)40g、音声データが記憶された音ROM40h、音の出力を制御する音LSI40iを備えている。
この演出制御装置40は、通信インタフェース40dを介して遊技制御装置30から受信した各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技の演出を制御する。また、入出力インタフェース40eには、遊技機の前面に設けられた操作ボタン41による検出信号が入力される。演出制御装置40は、この検出信号に基づいて遊技の演出を制御する。
さらに、入出力インタフェース40eには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力される。これらの制御信号は、該入出力インタフェース40eによって中継され、入出力インタフェース40e内の出力ポート及びドライバを介して可動演出装置の役物駆動モータ42、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用のLEDを備える各種LED基板44などに出力され、遊技の演出が行われる。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40gに出力され、VDP40gから該制御信号に基づく画像データが表示装置43に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音LSI40iに出力され、音LSI40iから該制御信号に基づく音響データがスピーカ45に出力される。
なお、遊技制御装置30には、電源供給装置(図示省略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給される。さらに、電源供給装置には、停電時等、遊技機の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止している。
但し、演出制御装置40には、電源供給装置から電力が供給されているが、電源供給装置のバックアップ電源は供給されていない。そのため、演出制御装置40の揮発性メモリであるRAM40cの記憶データは、遊技機で停電が発生すると消失してしまう。これは、遊技制御装置30の揮発性メモリの方だけをバックアップして、コストダウンを図ったためである。
なお、図示は省略するが、演出制御装置40には、遊技機に電源が投入されたことを検出する回路(停電復帰を検出するための停電復帰検出手段に相当)が備えられており、停電復帰時には、演出制御装置40の演算処理用CPU40aによって、後述の演出制御装置メイン処理(図14)が実行開始される。
そして、これらの制御装置においては、以下の遊技制御が行われる。
遊技制御装置30の遊技用ワンチップマイコン31は、普図始動ゲート4に備えられたゲートスイッチ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づいて、普通図柄の当たり判定用乱数値を抽出し、抽出された乱数値をROM31bに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する。そして、普図表示器5に、普通図柄を所定時間変動表示した後、普通図柄を停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aを所定時間(例えば、0.3秒〜1.8秒の範囲内で予め定められた時間)だけ、上述のように開放するように制御する。
なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果を表示するように制御する。
また、遊技用ワンチップマイコン31は、第1始動入賞口13に備わる第1始動口スイッチ13aからの遊技球の検出信号の入力に基づいて、第1特別図柄変動表示ゲームの当たり判定用乱数値を抽出して、抽出された乱数値をRAM31cに第1始動入賞記憶(優先保留)として記憶する。そして、第1始動入賞記憶に基づく第1特別図柄変動表示ゲームの開始時に、第1始動入賞記憶に記憶されている乱数値をROM31bに記憶されている第1特別図柄変動表示ゲーム用の判定値と比較し、第1特別図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
同様に、普通変動入賞装置7に備わる第2始動口スイッチ7dからの遊技球の検出信号の入力に基づいて、第2特別図柄変動表示ゲームの当たり判定用乱数値を抽出して、抽出された乱数値をRAM31cに第2始動入賞記憶(順延保留)として記憶する。そして、第2始動入賞記憶に基づく第2特別図柄変動表示ゲームの開始時に、第2始動入賞記憶に記憶されている乱数値をROM31bに記憶されている第2特別図柄変動表示ゲーム用の判定値と比較し、第2特別図柄変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
なお、第1特別図柄変動表示ゲームより第2特別図柄変動表示ゲームの方が、特別遊技状態において、遊技者に付与される特典の大きさの期待値が高くなるようにされている。この遊技者に付与される特典の大きさの期待値が高いとは、例えば、特別遊技状態におけるラウンド数の振り分け率が遊技者にとって有利なこと(第1特別図柄変動表示ゲームは、15ラウンドの当たりとなる振り分け率:40%、2ラウンドの当たりとなる振り分け率:60%であるのに対し、第2特別図柄変動表示ゲームは、15ラウンドの当たりとなる振り分け率:70%、2ラウンドの当たりとなる振り分け率:30%となっている。図6と図7で詳細は後述)や、特別遊技状態におけるラウンド数が多いこと(遊技者が獲得可能な賞球数が多いこと)である。
但し、第1特別図柄変動表示ゲームであっても第2特別図柄変動表示ゲームであっても、当りとなる確率、即ち特別遊技状態が発生する確率は等しく設定されている。これは、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームの両方の確率抽選に、同一の乱数カウンタを用いることができるようにしたためである。
そして、遊技制御装置30は、特別図柄変動表示ゲームの遊技結果が「はずれ」となるか「当たり」となるかを決定し、遊技結果に対応する様に、飾り特別図柄変動表示ゲームにおける変動表示パターンを決定する。
そして、遊技制御装置30は、決定された変動表示パターンに基づいて、変動時間コマンドを決定する。決定された変動時間コマンドは、特別図柄変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置30から演出制御装置40に送信される。そして、当該特別図柄変動表示ゲームの変動表示の停止時には、変動停止コマンドが遊技制御装置30から演出制御装置40に送信される。そして、第1特図表示器8又は第2特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、変動表示した識別図柄を停止表示する特別図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。
演出制御装置40は、遊技制御装置30からの指令信号(変動時間コマンド、変動停止コマンド等)に基づいて、表示装置43で特別図柄変動表示ゲームに対応した飾り特別図柄変動表示ゲームを表示するように制御する。
そして、遊技制御装置30は、特別図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、演出制御装置40は、表示装置43にて行われる飾り特別図柄変動表示ゲームにて当たりの表示をする処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とするように制御する。そして、大当たり(詳細は図6で後述)であれば、大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、小当たり若しくは擬似当り(詳細は図6で後述)であれば、大入賞口の開放から所定時間(例えば、0.5秒)が経過するまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば2回)継続する制御を行う。なお、小当たり若しくは擬似当りのときの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いのは、遊技球が図示しない発射装置によって発射されるときの周期(0.6秒毎に1個発射)よりも大入賞口の開放時間を短くして、意図的に、大入賞口へ遊技球を入りにくくして興趣を高めるためである。
このように、本実施の形態の遊技機は、特別図柄変動表示ゲームの結果に基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる。
なお、特別図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、第1特図表示器8、第2特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。また、演出制御装置40は、表示装置43にて行われる飾り特別図柄変動表示ゲームにてハズレ組み合わせの識別情報を表示する。
また、遊技制御装置30は、各種入賞口に設けられたセンサ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ7d、入賞口スイッチ12a、カウントスイッチ10c)から入力される遊技球の検出信号に基づいて、払出制御装置125に所定数の遊技球を払い出す指令をする。払出制御装置125は、遊技制御装置30からの指令に基づいて、払出モータを制御して所定数の遊技球を遊技機の上皿又は下皿に排出する。
また、遊技制御装置30は、特別図柄変動表示ゲームの開始タイミング以外に、第1始動入賞記憶又は第2始動入賞記憶に記憶されている乱数値と、ROM31bに記憶されている判定値とを比較し、未だ特別図柄変動表示ゲームを実行していない始動入賞記憶について、該始動入賞記憶に基づく特別図柄変動表示ゲームで特別結果態様が導出されるか否かを判定し、この判定結果に基づいて予告演出(連続演出)を制御する。
次に、遊技制御装置30における遊技の制御について説明する。なお、この遊技の制御は、主に、遊技制御メイン処理(図3)と、所定時間ごと(例えば、1ミリ秒ごと)に行われるタイマ割込処理(図4)とからなる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。この遊技制御メイン処理は、遊技機に電源が投入されると、遊技制御装置30のCPU31aによって実行される。
第1の実施の形態の遊技制御メイン処理において、まず、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理が実行される(S101)。
その後、RAM31cの記憶領域のデータを、初期状態にクリアすべきか停電発生時の保持状態のまま遊技制御を開始すべきかを判定して必要な処理を行う停電復旧処理を行う(S102)。ここでは、RAM31cに記憶されているデータが壊れている場合(チェックサム等で判定する)、図示しないRAMクリアスイッチが操作されている場合、或いは、停電発生時にオンに設定されるはずの停電フラグがオフとなっている場合のいずれかの条件が成立すると、RAM31cの全ての記憶領域に格納されているデータが初期化される。このとき、停電発生時の遊技状態(高確率入賞促進状態、高確率入賞抑制状態、低確率入賞促進状態、或いは低確率入賞抑制状態の何れかとなっている)は破棄され、必ず低確率入賞抑制状態の状態で遊技制御が開始される。そのため、RAM31cのデータが初期化された場合には、遊技者にとって最も不利な状態に変化してしまう。
一方、RAM31cに記憶されているデータが壊れておらず、RAMクリアスイッチも操作されておらず、且つ、停電検査領域に停電発生フラグがオンの状態で格納されている場合には、RAM31cに記憶されているデータをそのまま用いて遊技機を起動するように、RAM31cの一部の記憶領域に格納されているデータのみを初期化する。このとき、停電発生時の遊技状態(高確率入賞促進状態、高確率入賞抑制状態、低確率入賞促進状態、或いは低確率入賞抑制状態の何れかとなっている)は破棄されず、停電発生時の遊技状態を引き継いで遊技制御が開始される。
なお、停電復旧処理(S102)が完了したら、停電発生フラグがオフにされるが、停電発生時にオンに設定された、停電復帰フラグA(順延保留の始動入賞監視処理(図11のS155)参照)及び停電復帰フラグB(優先保留の始動入賞監視処理(図12のS165)参照)は、停電復旧処理(S102)の時点ではオフにされない。
次に、タイマ割込処理(図4)を実行するための割込みタイマを起動する(S103)を行う。
その後、タイマ割り込みを禁止する(S104)。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S105)。具体的には、初期値乱数更新処理は、特別図柄変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための当たり乱数の初期値、及び普通図柄変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための当たり乱数の初期値を更新する処理である。すなわち、遊技制御装置30で実行される処理の中には、普図始動ゲート4、第1始動入賞口13、普通変動入賞装置7へ遊技球が入賞したときに、対応する遊技の結果態様を導き出すための抽選を行ったり、この抽選結果に基づいて、変動表示ゲームを進行させる際の演出又は装飾にランダム性を付与したりするために行われる、いくつかの乱数処理が含まれる。これらの乱数処理の一例としては、0から316の間でカウンタの値を所定の時間周期(例えば、2ミリ秒周期)で1ずつ増加させ、値が316を越したときに再び0に戻す処理がある。この乱数値の更新処理は、図4に示すステップ114の処理の乱数更新処理1に相当する。
このカウンタ値は、前述した遊技球の入賞等を遊技制御装置30が検出した時点で、そのときの乱数値が抽出される。しかし、乱数とはいえ、317ミリ秒周期で抽出されるカウンタであって、乱数値として抽出されるタイミングの無作為性を利用した乱数に過ぎない。よって、初期値乱数更新処理でカウンタ値の初期値を更新することによってカウンタとしての規則性を排除している。
前述した例において、カウンタ値に毎回所定値(例えば、1)を加算して更新するのではなく、初期値乱数更新処理で求められた値が一周期の更新をするごとに、カウンタ値の初期値として初期値乱数更新処理により得られた新たな値を次のカウンタの初期値として設定する。初期値乱数更新処理における乱数更新の周期は、ステップ604の処理の乱数更新処理1における乱数更新の周期と比較して短いため、前述したカウンタ値の外部からの推定を困難にすることができる。
次に、禁止設定されていた割り込みの許可を設定する(S106)。
そして、RAM31cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かを判定する(S107)を行う。なお、停電検査領域には、停電により所定の割込み処理が発生することで、遊技機の電源が遮断された場合に設定される停電発生フラグがオンとなる。よって、この停電発生フラグがオンかオフかを判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生していないと判定された場合(S107でNo)は、S104に戻り、割込みを禁止した後に(S104)、初期値乱数更新処理(S105)、割り込み許可(S106)、停電発生の判定(S107)を繰り返し行う。
一方、停電が発生していると判定された場合(S107でYes)は、停電発生時の処理を行う(S108)。S108では、停電復帰フラグがオンに設定される。なお、停電発生の直後(停電発生時の処理中)は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給される。
この停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止し、全出力ポートをOFFにし、停電検査領域に記憶されているデータを消去し、停電復帰フラグAと停電復帰フラグBをオンに設定し、RAM31cへのアクセスを禁止する。その後、遊技機の電源遮断を待つ。
図4は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、遊技制御装置30のCPU31aによって実行される。
遊技機の電源が投入されると、遊技制御メイン処理(図3)が実行される。そして、ステップ103の処理で起動させた割り込みタイマによって、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)でタイマ割り込みが発生すると、遊技制御装置30のCPU31aによって、タイマ割り込み処理が繰り返し実行される。ただし、これらの処理(S112〜S122の処理)は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれなくてもよい。例えば、入出力処理(S112)においては、毎回入力信号を監視するが、出力処理は割り込みの発生の1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割り込み処理で一通りの処理をすべて完了するのではなく、この割り込み処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了してもよい。
第1の実施の形態のタイマ割込処理においては、まず、レジスタのデータを待避する(S111)。
次に、入出力処理を実行する(S112)。入出力処理は、入力処理と出力処理とを含む。入力処理は、入力I/F104を介して各種センサ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ7d、ゲートスイッチ4a、入賞口スイッチ12a、12a、…、カウントスイッチ10c、ガラス枠開放スイッチ146、遊技機枠開放スイッチ121、球切れスイッチ122など)から入力される信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する処理である。
出力処理は、出力I/F33を介して、演出制御装置40に表示装置43、各種LED基板44及びスピーカ45に遊技制御に関するデータを出力する。また、この出力処理では、特図ゲーム処理(S119)及び普図ゲーム処理(S120)にて設定されたパラメータに基づいて、特図表示器8、9、特図記憶表示器18、19、普図表示器5及び普図記憶表示器15に対して信号が出力される。また、遊技制御に関するデータを外部端子板125に出力する。
なお、前述したように、入力処理と出力処理とは1回のタイマ割り込みで同時に実行されなくてもよい。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力するコマンド送信処理を行う(S113)。具体的には、演出表示装置40に特別図柄変動表示ゲームに係わるコマンドを出力したり、払出制御装置124に払出コマンドを出力したりする。
その後、特別図柄変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理1を行う(S114)。なお、この乱数更新処理1では、特別図柄変動表示ゲームの停止図柄を決定する当たり図柄乱数カウンタの値、普通図柄変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための普図当たり乱数にも1ずつ加算する。
次に、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S115)。S115の初期値乱数更新処理は、図3に示す初期値乱数更新処理(S105)と同じなので、説明を省略する。
そして、特別図柄変動表示ゲームに関連した飾り特別図柄変動表示ゲームにおける変動表示パターンを決定する乱数を更新するための変動表示パターン乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理2を行う(S116)。
次に、各入賞口に遊技球が入賞していないかを監視するために、入賞口監視処理を行う(S117)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ7d、ゲートスイッチ4a、入賞口スイッチ12a、12a、…、カウントスイッチ10cから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する。このとき、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ7dによる遊技球の検出があれば、特図乱数カウンタ値(特別図柄変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が特図始動入賞記憶領域に記憶され、ゲートスイッチ4aによる遊技球の検出があれば、普図乱数カウンタ値(普通図柄変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が普図始動入賞記憶領域に記憶される。
その後、排出球の球詰まりや、各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う(S118)。
その後、第1特別図柄変動表示ゲーム及び第2特別図柄変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(S119)、普通図柄変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S120)を行う。
特図ゲーム処理(S119)は、第1始動口スイッチ13a及び第2始動口スイッチ7dで検出された第1始動入賞口13及び普通変動入賞装置7への遊技球の入賞に基づいて抽出され、特別図柄始動入賞記憶に記憶された特別図柄乱数カウンタ値(S117の処理で抽出・記憶された特別図柄変動表示ゲームの結果に関する乱数)が当たりか否か判定し、第1特図記憶表示器18及び第2特図記憶表示器19で特別図柄変動表示ゲームを実行する。なお、特図始動入賞記憶には、直ちに前記変動表示ゲームを実行することができない状態で第1始動入賞口13及び普通変動入賞装置7へ遊技球が入賞した場合に、抽出された乱数が始動入賞記憶として記憶される。特図ゲーム処理については、図10を用いて詳細に説明する。
また、第1特図表示器8、第2特図表示器9の表示に対応する識別情報の変動表示のための処理を行う。抽出された乱数が所定の値であれば、特別図柄に関する当たり状態となり、識別情報の変動表示が当たり図柄で停止する。また、当たり状態になると、特別変動入賞装置10に遊技球を受け入れやすい開状態になる。
普図ゲーム処理(S120)は、ゲートスイッチ4aで検出された普図始動ゲート4への遊技球の通過に基づいて抽出され、普通図柄始動入賞記憶に記憶された普通図柄乱数カウンタ値(S117の処理で抽出・記憶された普通図柄変動表示ゲームの結果に関する乱数)が当たりか否かを判定し、普図表示器5で普通図柄の変動表示ゲームを実行する。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図に関する当たり状態となり、普通図柄の変動表示が当たり状態で停止するためのパラメータを設定する。
次に、遊技制御装置30は、遊技機に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(特図表示器8、9、特図記憶表示器18、19、普図表示器5及び普図記憶表示器15)に出力する信号を編集する処理を行う(S121)。具体的には、特別図柄変動表示ゲームが開始されると、今回開始した特別図柄変動表示ゲームの実行回数を減じた特別図柄入賞記憶数を特図記憶表示器18、19を表示するためのパラメータを編集する。同様に、普通図柄の変動表示ゲームが開始されると、今回開始した普通図柄変動表示ゲームの実行回数を減じた普通図柄入賞記憶数を普図記憶表示器15に表示するためのパラメータを編集する。
その後、外部端子板16を介して接続される管理用コンピュータに遊技機の状態を出力するための外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(S122)。外部情報には、図柄が確定したか、当たりであるか、確率変動中であるか、変動時間短縮中であるか、変動表示ゲームのスタート等、変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。また、エラーが発生したことを示すエラー信号も含まれる。
次に、タイマ割り込み処理の終了を宣言する(S123)。
その後、一時退避していたレジスタを復帰する復帰処理(S124)及び禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理を行う(S125)。そして、タイマ割り込み処理を終了し、遊技制御メイン処理(図3)に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで初期値乱数更新処理等(図3のS104〜S107の処理)を繰り返す。
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機において行われる特別図柄変動表示ゲームの実行状態と特別遊技状態との遷移を示す状態遷移図である。
第1の実施の形態の遷移の状態は、「待機状態」、「実行状態」、「確定状態」、「当たり状態」に大別される。
「待機状態」で、始動入賞記憶がなければ、遊技の状態は待機状態のままである。一方、「待機状態」で、始動入賞記憶が有れば、遊技制御装置30から演出制御装置40に変動開始指令が送信されることによって、変動表示ゲーム(第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲーム)が開始され、変動表示ゲームが実行中である「実行状態」に遷移する。そして、変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、遊技制御装置30から演出制御装置40に変動停止指令が送信されることによって、変動表示ゲームが終了し、変動表示ゲームの結果が確定した「確定状態」に遷移する。
なお、「待機状態」、「実行状態」、「確定状態」の各状態は、その時点での遊技状態が、前述した低確率入賞抑制状態、高確率入賞抑制状態、低確率入賞促進状態、高確率入賞促進状態の何れかであることに対応して、それぞれ「A」「B」「X」「Y」の4種類に細分化される。例えば、現在の遊技状態が低確率入賞抑制状態となっているときに特別図柄変動表示ゲームが実行されると「実行状態A」となり、現在の遊技状態が高確率入賞促進状態となっているときに特別図柄変動表示ゲームの結果が確定すると「確定状態Y」となる。
「確定状態」において、変動表示ゲームの結果が当たりであれば、遊技制御装置30から演出制御装置40に当たり発生指令が送信されることによって、当たり状態(特別遊技状態)に遷移する。そして、当たり状態で行われる当たり遊技が終了すると、待機状態に遷移する。このとき、当たりの種類によって待機状態の種類(A、B、X、Y)が決まる。なお、「待機状態」に遷移した時に特図始動入賞記憶が記憶されていれば、直ちに変動表示ゲームが開始され「実行状態」となる。
一方、「確定状態」において、変動表示ゲームの結果がはずれであれば、「待機状態」に遷移する。なお、待機状態に遷移した時に特図始動入賞記憶が記憶されていれば、直ちに変動表示ゲームが開始され「実行状態」となる。
なお、「待機状態」、「実行状態」、「確定状態」の各状態を遷移している間は、細分化された種類(A、B、X、Y)は、「当たり状態」となるまで同一の種類で遷移する。但し例外として、「当たり状態」から「待機状態X」へ遷移した時点から所定回数(例えば、100回)の特別図柄変動表示ゲームが行われた場合には、「確定状態X」から「待機状態A」へと遷移する。
なお、4つの種類(A、B、X、Y)を比較すると、種類「A」は、時間当たりに実行される変動表示ゲームの数が少なく、さらに変動表示ゲームの結果が当たりとなる確率が低いので、遊技者に最も不利な状態である。逆に、種類「Y」は、時間当たりに実行される変動表示ゲームの数が多く、さらに変動表示ゲームの結果が当たりとなる確率が高いので、遊技者に最も有利な状態である。種類「B」と「X」との優位性は、時間当たりに実行される変動表示ゲームの数と、変動表示ゲームの結果が当たりとなる確率とによって決定されるため、一概に比較はできない。
図6、図7は、本発明の第1の実施の形態における特別図柄変動表示ゲームの遊技結果の内容と、各遊技結果が発生する確率とを定義したテーブルを示す。なお、図7は、高確率状態で使用される第2テーブルを示し、図6は、低確率状態で使用される第1テーブルを示す。
図6、図7に示すテーブルは、遊技結果の種類と各遊技結果毎の発生確率を示す。図中の「遊技結果」の列は、特別図柄変動表示ゲームの遊技結果の種類を示しており、「確変大当たり」、確変小当たり」、「確変擬似当たり」、「通常大当たり」、「通常小当たり」、「通常擬似当たり」の6種類の当たりと、「はずれ」の計7種類が規定されている。
また、「特図1始動口」の列は、第1特別図柄変動表示ゲームによってもたらされる各遊技結果毎の発生確率を示し、「特図2始動口」の列は第2特別図柄変動表示ゲームによってもたらされる各遊技結果毎の発生確率を示す。
図6においては、第1特別図柄変動表示ゲームの実行によって「はずれ」が発生する確率が「5980/6000」であり、第2特別図柄変動表示ゲームの実行によって「はずれ」が発生する確率も「5980/6000」となっている。言い換えれば、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームは、「20/6000」の確率で何らかの当たりが発生することになる。
そして、当たりは前述したように6種類に細分化されており、発生した当りが「確変大当たり」、確変小当たり」、「確変擬似当たり」、「通常大当たり」、「通常小当たり」、「通常擬似当たり」となるそれぞれの振り分けの比率は、第1特別図柄変動表示ゲームが実行された場合は、4:4:4:4:2:2となり、第2特別図柄変動表示ゲームが実行された場合は、8:2:2:6:1:1となる。
一方で、図7においては、第1特別図柄変動表示ゲームの実行によって「はずれ」が発生する確率が「5800/6000」であり、第2特別図柄変動表示ゲームの実行によって「はずれ」が発生する確率も「5800/6000」となっている。言い換えれば、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームは、「200/6000」の確率で何らかの当たりが発生することになる。但し、発生した当りが「確変大当たり」、確変小当たり」、「確変擬似当たり」、「通常大当たり」、「通常小当たり」、「通常擬似当たり」「確変大当たり」となるそれぞれの振り分けの比率は、図6の場合と同一である。即ち、図7に示す高確率状態用の第2テーブルは、図6に示す第1テーブルより当たり確率が10倍になっている点を除き、第1テーブルと同じである。
このように、第1特別図柄変動表示ゲーム及び第2特別図柄変動表示ゲームの結果が当たりとなる確率は、当たりの態様毎に設定される。なお、図6、図7には、当たり確率を記載したが、実際には、この態様の当たりを導出する乱数値が、その確率の数だけ格納されている。具体的には、0〜5999の範囲で更新される乱数カウンタから値を抽出して、抽出された値が所定の値と一致するか否かの判定を行うことにより、当たりを判定すると同時に当りの種類を決定している。なお、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームで別の乱数カウンタを用いてもよい。
このように、第1特別図柄変動表示ゲームの当たり確率と、第2特別図柄変動表示ゲームの当たり確率とは、同じ確率(低確率状態で20/6000、高確率状態で200/6000)が設定される。このため、第1特別図柄変動表示ゲームと第2特別図柄変動表示ゲームは、同一の乱数カウンタを用いることができるようになり、各々の特別図柄変動表示ゲームの抽選方法の共通点が多くなるので、遊技を制御するためのプログラムが作成しやすくなる。
図6及び図7における「大入賞口開放態様」の列は、該当する遊技結果に対応する特別遊技状態が発生したときの大入賞口(特別変動入賞装置10)の作動態様を規定しており、定められた回数だけ大入賞口が開閉動作を繰り返し行うようになっている。また、「特賞終了後の状態」の列は、該当する遊技結果に対応する特別遊技状態が終了した後の遊技状態を規定している。
ここで「確変大当たり」とは、大入賞口が長時間(例えば、大入賞口に9個の遊技球が入賞するまで開放するまでの時間)の開放動作を、多くの回数(例えば15回)繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。そして、特別遊技状態が終了すると、前述した高確率入賞促進状態に移行(「待機状態Y」(図5)へと遷移)する。
また「確変小当たり」とは、「確変大当たり」よりも、大入賞口が短時間(例えば、遊技球の入賞があまり期待できない0.5秒の開放時間)の開放動作を、少ない回数(例えば2回)繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。そして、特別遊技状態が終了すると、前述した高確率入賞促進状態に移行(「待機状態Y」(図5)へと遷移)する。なお「確変小当たり」は「突確」と称される場合もある。
また「確変擬似当たり」とは、「確変小当たり」と同じく、大入賞口が短時間の開放動作を少ない回数繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。但し、「確変小当たり」とは異なって、特別遊技状態が終了すると前述の高確率入賞抑制状態に移行(「待機状態B」(図5)へと遷移)する。
さらに「通常大当たり」とは、「確変大当たり」と同じく、大入賞口が長時間の開放動作を、多くの回数(例えば15回)繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。但し、「確変大当たり」とは異なって、特別遊技状態が終了すると前述の低確率入賞促進状態に移行(「待機状態X」(図5)へと遷移)する。
また「通常小当たり」とは、「確変小当たり」と同じく、大入賞口が短時間の開放動作を、少ない回数(例えば2回)繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。但し、「確変小当たり」とは異なって、特別遊技状態が終了すると前述の低確率入賞促進状態に移行(「待機状態X」(図5)へと遷移)する。なお「通常小当たり」は「突時」と称される場合もある。
また「通常擬似当たり」とは、「確変擬似当たり」と同じく、大入賞口が短時間の開放動作を、少ない回数繰り返す特別遊技状態が発生する当りである。但し、「確変擬似当たり」とは異なって、特別遊技状態が終了すると前述の低確率入賞抑制状態に移行(「待機状態A」(図5)へと遷移)する。
なお、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合は、特別遊技状態が発生しないので大入賞口は開放されず、遊技結果確定後の遊技状態も変化しない。
以上説明したように、本実施の形態では、第1特別図柄変動表示ゲームが実行された場合の当りの振り分け率と、第2特別図柄変動表示ゲームが実行された場合の当りの振り分け率は異なっている。つまり、第1特別図柄変動表示ゲームによって、15ラウンドの当たり(確変大当たり及び通常大当たり)と2ラウンドの当たり(確変小当たり、確変擬似当たり、通常小当たり、通常擬似当たり)とに振り分けられる割合は、40%と60%になるのに対して、第2特別図柄変動表示ゲームによって、15ラウンドの当たりと2ラウンドの当たりとに振り分けられる割合は、70%と30%になっている。
このため、第2特別図柄変動表示ゲームが実行されるときは、第1特別図柄変動表示ゲームが実行されるときよりも、遊技者が獲得できるラウンド数の平均値が大きくなり、遊技者に付与される特典の大きさの期待値を高めることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄変動表示ゲームの当たり確率と、第2特別図柄変動表示ゲームの当たり確率とを同一にしたうえで、各々の特別図柄変動表示ゲームで獲得できるラウンド数の平均値だけが互いに異なるように構成しているが、各々の特別図柄変動表示ゲームの当り確率を異ならせることも考えられる。このように二つの変動表示ゲームで異なる当たり確率を設定すると、得られる特典の大きさの期待値が変動表示ゲームによって異なるようにすることができ、遊技の多様性が増大する。特に、第2特別図柄変動表示ゲームで得られる特典を、第1特別図柄変動表示ゲームで得られる特典より大きくすると、特典の大きい変動表示ゲームを優先的に実行することになり、遊技の興趣を高めることができる。
図8は、本発明の第1の実施の形態における、特別図柄変動表示ゲームの変動開始を通知するコマンド(変動開始指令)の構成を示す説明図である。
本実施の形態の変動開始指令は、特図識別コード、変動表示パターン番号、遊技結果コード及び変動開始後の保留数を含む。
特図識別コードは、実行される変動表示ゲームが特図1の変動表示ゲームか特図2の変動表示ゲームかを区別するためのコードである。変動表示パターン番号は、変動表示ゲームの演出の種類を示す番号であり、例えば、変動表示時間を示すコードである。遊技結果コードは、変動表示ゲームの結果を示すコードであり、結果が外れとなるか当たりとなるかを区別可能(当たりの場合は前述した6種類の当たりをも区別可能)なコードとなっている。変動開始後の保留数は、変動表示ゲームの開始時に表示される始動入賞記憶数を示し、0〜3のいずれかである。通常、特別図柄の変動表示開始時には特図始動入賞記憶数が減るので、特図始動入賞記憶数の表示を更新する必要があるからである。
なお、本実施の形態では、変動開始指令のうち、特図識別コードにより特図1の変動表示ゲームが指定されるものを第1特図変動開始指令コマンドと称し、特図識別コードにより特図2の変動表示ゲームが指定されるものを第2特図変動開始指令コマンドと称することにする。
図9は、本発明の第1の実施の形態において、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口へ遊技球が入賞したことを通知するコマンド(始動入賞指令)の構成を示す説明図である。
本実施の形態の始動入賞指令は、特図識別コード、予告演出指定コード、遊技結果コード及び始動入賞後の保留数を含む。
特図識別コードは、入賞した始動入賞口が、第1始動入賞口13か第2始動入賞口(普通変動入賞装置)7かを区別するためのコードである。予告演出指定コードは、始動入賞記憶に基づく演出の種類を示すコードである。遊技結果コードは、今回の入賞に対する変動表示ゲームの結果を示すコードであり、前述した外れと6種類の当たりを区別可能なコードとなっている。始動入賞後の保留数は、始動入賞記憶数更新後に表示される始動入賞記憶数を示す。
なお、本実施の形態では、始動入賞指令のうち、特図識別コードにより第1始動入賞口13が指定されるものを第1特図始動入賞指令コマンドと称し、特図識別コードにより第2始動入賞口7が指定されるものを第2特図始動入賞指令コマンドと称することにする。
図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理のフローチャートである。この特図ゲーム処理は、タイマ割込処理(図4)のS119にて実行される。
まず、第1始動入賞口13への遊技球の入賞に基づいて第1始動入賞記憶を増加させるための順延保留の始動入賞監視処理(S131)を実行する。この順延保留の始動入賞監視処理は、図11で詳述する。
その後、普通変動入賞装置7への遊技球の入賞に基づいて第2始動入賞記憶を増加させるための優先保留の始動入賞監視処理(S132)を実行する。この優先保留の始動入賞監視処理は、図12で詳述する。
次に、カウントスイッチ10cが特別変動入賞装置10への遊技球の入賞を検出したか否かを監視するカウントスイッチ監視処理を実行する(S133)。
次に、ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S134)。ゲーム処理タイマは、ゲーム処理タイマに設定された値がタイムアップするまで(所定値に達するまで)、次の処理を実行しないようにするためのタイマである。具体的には、ゲーム処理タイマには、表示装置43で実行されている第1特別図柄変動表示ゲーム若しくは第2特別図柄変動表示ゲームの変動表示パターンの時間値、特別遊技状態中の特別変動入賞装置10を開放する時間値、又は、当たり状態のエンディングの時間値等が設定される。
S134の処理で、ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定された場合、特図変動制御内容を切り換えるタイミングでないため、前回の特図変動制御を継続して実行すればよいので、特図変動制御処理を実行して(S144)、タイマ割込処理に戻る。
一方、S134の処理で、ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定された場合、特図変動制御内容を切り換えるタイミングなので、現在設定されているゲーム処理番号に対応する処理を特定して、各処理に分岐する(S135)。
具体的には、現在設定されているゲーム処理番号が「0」である場合には、特図普段処理を実行して(S136)、S143の処理に進む。特図普段処理は、これから第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが開始される場合、当該特図変動ゲームが特別遊技状態を発生するか否かを設定し、当該特別図柄変動表示ゲームにおける停止図柄を設定し、また、表示装置53で客待ちデモ画面が表示される場合、客待ちコマンドを設定する処理である。この特図普段処理は、図13で詳述する。
第1特別図柄変動表示ゲームは、第1始動入賞記憶数がゼロでない場合に開始され、第2特別図柄変動表示ゲームは、第2始動入賞記憶数がゼロでない場合に開始される。なお、第1始動入賞記憶数及び第2始動入賞記憶数がともにゼロでない場合には、第2特別図柄変動表示ゲームが第1特別図柄変動表示ゲームよりも優先して開始される。また、客待ちデモ画面は、第1始動入賞記憶数及び第2始動入賞記憶数がともにゼロである場合に、表示装置43に表示される。
現在設定されているゲーム処理番号が「1」である場合には、特図変動中処理を実行して(S137)、S143の処理に進む。特図変動中処理は、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームにおいて変動表示中の図柄を停止させる停止コマンドを設定し、図柄が停止している停止時間を設定する処理である。
現在設定されているゲーム処理番号が「2」である場合には、特図表示中処理を実行して(S138)、S143の処理に進む。特図表示中処理は、第1特別図柄変動表示ゲーム又は第2特別図柄変動表示ゲームが特別遊技状態を発生させる場合に、開閉扉10aを作動させて、大入賞口を開放状態にする処理である。なお、前述した入賞促進状態で特別遊技状態が発生した場合には、特別遊技状態の発生を契機に入賞抑制状態へと切り替えられるので、特別遊技状態の間は普通変動入賞装置7への入賞が抑制される。
現在設定されているゲーム処理番号が「3」である場合には、ファンファーレ/インターバル中処理を実行して(S139)、S143の処理に進む。ファンファーレ/インターバル中処理は、開閉扉10aが大入賞口を開放している時間である大入賞口開放時間を設定する処理である。
現在設定されているゲーム処理番号が「4」である場合には、大入賞口開放中処理を実行して(S140)、S143の処理に進む。大入賞口開放中処理は、開閉扉10aの開放時間の監視と大入賞口へ入賞した遊技球個数の監視を行い、開閉扉10aを閉止するタイミングを決定する処理である。そして、開閉扉10aの閉止タイミングになると開閉扉10aを閉止し、ラウンド数が上限値未満であればラウンド数を更新し、ラウンド数が上限値であれば特別遊技状態が終了することを報知するためのエンディングコマンドを設定する。
現在設定されているゲーム処理番号が「5」である場合には、大入賞口残存球処理を実行して(S141)、S144の処理に進む。大入賞口残存球処理は、大入賞口を開放していた開閉扉10aが大入賞口を閉塞後に大入賞口に残存している遊技球を不正入賞としないために待機する処理である。
現在設定されているゲーム処理番号が「6」である場合には、大当たり終了処理を実行して(S142)、S144の処理に進む。大当たり終了処理は、特別遊技状態終了後の遊技状態(高確率入賞促進状態、高確率入賞抑制状態、低確率入賞促進状態、低確率入賞抑制状態)を決定する処理である。
S136〜S142の処理が終了した後に、各処理で更新されたゲーム処理番号をRAM31cに記憶するテーブルデータセーブ処理を実行する(S143)。
その後、S136〜S142の処理で設定された態様で表示装置43に対する出力信号を生成する特図変動制御処理を実行し(S144)、タイマ割込処理に戻る。
図11は、本発明の第1の実施の形態の順延保留の始動入賞監視処理のフローチャートである。この順延保留の始動入賞監視処理は特図ゲーム処理(図10)のS131にて実行される。
まず、第1始動口スイッチ13aからの入力信号が、入出力処理(S112)において検出されているか否かを判定する(S151)。判定の結果、第1始動口スイッチ13aからの入力信号が検出されていなければ、遊技球が第1始動入賞口13に入賞していないので、順延保留の始動入賞監視処理を終了する。一方、第1始動口スイッチ13aからの入力信号が検出されていれば、S152に進む。
S152では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したので、現在の第1始動入賞記憶数と第1始動入賞記憶数の上限値とを比較する。その結果、第1始動入賞記憶数が上限値未満であれば、第1始動入賞記憶数に1を加算し(S153)、第1変動表示ゲームを実行するために必要な乱数を取得し、取得した乱数を保存する(S154)。例えば、第1変動表示ゲームが当りになるか否かを決定する乱数、当りの種類を決定する乱数、さらには、変動表示ゲームの演出を決める乱数を取得する。その後、S155に進み、第1始動入賞記憶数を表示するための始動入賞指令を送信バッファにセットする。さらに、停電復帰フラグAをオフに設定して(S156)、順延保留の始動入賞監視処理を終了する。
一方、第1始動入賞記憶数が上限値以上であれば、停電復帰フラグAがオンに設定されているか否かを判定する(S157)。その結果、停電復帰フラグAがオンに設定されていなければ(停電復帰フラグAがオフに設定されていれば)、第1始動入賞記憶数は表示装置43に表示されているので、順延保留の始動入賞監視処理を終了する。一方、停電復帰フラグAがオンに設定されていれば、第1始動入賞記憶数は表示装置43に表示されていないので、S155に進み、第1始動入賞記憶数を表示する始動入賞指令をセットする。さらに、停電復帰フラグAをオフに設定して(S156)、順延保留の始動入賞監視処理を終了する。
図12は、本発明の第1の実施の形態の優先保留の始動入賞監視処理のフローチャートである。この優先保留の始動入賞監視処理は特図ゲーム処理(図10)のS132にて実行される。
まず、第2始動口スイッチ7dからの入力信号が、入出力処理(S112)において検出されているか否かを判定する(S161)。判定の結果、第2始動口スイッチ7dからの入力信号が検出されていなければ、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞していないので、優先保留の始動入賞監視処理を終了する。一方、第2始動口スイッチ7dからの入力信号が検出されていれば、S162に進む。
S162では、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞したので、現在の第2始動入賞記憶数と第2始動入賞記憶数の上限値とを比較する。その結果、第2始動入賞記憶数が上限値未満であれば、第2始動入賞記憶数に1を加算し(S163)、第2変動表示ゲームを実行するために必要な乱数を取得し、取得した乱数を保存する(S164)。例えば、第2変動表示ゲームが当りになるか否かを決定する乱数、当りの種類を決定する乱数、さらには、変動表示ゲームの演出を決める乱数を取得する。その後、S165に進み、第2始動入賞記憶数を表示するための始動入賞指令を送信バッファにセットする。さらに、停電復帰フラグBをオフに設定して(S166)、優先保留の始動入賞監視処理を終了する。
一方、第2始動入賞記憶数が上限値以上であれば、停電復帰フラグBがオンに設定されているか否かを判定する(S167)。その結果、停電復帰フラグBがオンに設定されていなければ(停電復帰フラグBがオフに設定されていれば)、第2始動入賞記憶数は表示装置43に表示されているので、優先保留の始動入賞監視処理を終了する。一方、停電復帰フラグBがオンに設定されていれば、第2始動入賞記憶数は表示装置43に表示されていないので、S165に進み、第2始動入賞記憶数を表示する始動入賞指令をセットする。さらに、停電復帰フラグAをオフに設定して(S166)、順延保留の始動入賞監視処理を終了する。
図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理のフローチャートである。この特図普段処理は特図ゲーム処理(図10)のS136にて実行される。
まず、第2始動入賞記憶数(優先保留の保留数)がゼロより大きいか否かを判定する(S171)。判定の結果、第2始動入賞記憶数がゼロより大きいと判定された場合、つまり、第2始動入賞記憶が存在する場合には、第2特別図柄変動表示ゲームを開始するためにS173に進む。
一方、第2始動入賞記憶数がゼロ以下であると判定された場合、つまり。第2始動入賞記憶が存在しない場合には、第1始動入賞記憶数(順延保留の保留数)がゼロより大きいか否かを判定する(S172)。判定の結果、第1始動入賞記憶数がゼロより大きいと判定された場合、つまり、第2始動入賞記憶が存在せず、第1始動入賞記憶が存在する場合には、第1特別図柄変動表示ゲームを開始するためにS177に進む。
第2特別図柄変動表示ゲームを開始する場合、まず、第2始動入賞記憶数(優先保留の保留数)から1を減じる(S173)。その後、S164で取得した各種乱数に基づいて、第2特別図柄変動表示ゲームの遊技結果(当たりか外れかを決定し、当りであれば当りの種類も含む)と、変動表示パターンを決定する(S174)。その後、特図ゲーム処理で特図変動中処理(S138)を実行するために、特図ゲーム処理の処理番号を1に設定する(S175)。そして、決定された変動表示パターンの第2特別変動表示ゲームを開始するための変動開始指令を送信バッファにセットする(S176)。前述したように、変動開始指令コマンドは変動開始後の保留数の情報を含むので、S176の処理でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、表示装置43には第2始動入賞記憶数が表示される。
第1特別図柄変動表示ゲームを開始する場合、まず、第1始動入賞記憶数(順延保留の保留数)から1を減じる(S177)。その後、S154で取得した各種乱数に基づいて、第1特別図柄変動表示ゲームの遊技結果(当たりか外れかを決定し、当りであれば当りの種類も含む)と、変動表示パターンを決定する(S178)。その後、特図ゲーム処理で特図変動中処理(S138)を実行するために、特図ゲーム処理の処理番号を1に設定する(S179)。そして、決定された変動表示パターンの第1特別変動表示ゲームを開始するための変動開始指令を送信バッファにセットする(S180)。前述したように、変動開始指令コマンドは変動開始後の保留数の情報を含むので、S180の処理でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、表示装置43には第1始動入賞記憶数が表示される。
図14は、本発明の第1の実施の形態の演出制御メイン処理のフローチャートである。この演出制御メイン処理は、演出制御装置40のCPU40aによって実行される。
第1の実施の形態の演出制御メイン処理において、まず、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理が実行される(S186)。
その後、電源投入時の画面(図17(A))を表示する(S187)。そして、遊技制御装置からの指令信号(コマンド)を監視して、コマンド待ち受け状態となる(S188)。この状態で遊技制御装置からの指令信号を受信すると、通信割込処理(図15)の処理が割り込んで実行される。
図15は、本発明の第1の実施の形態の通信割込処理のフローチャートである。この通信割込処理は、演出制御装置40のCPU40aによって実行され、遊技制御装置からの指令信号を受信すると、演出制御メイン処理(図14)に割り込んで実行される。なお、この通信割込処理は、後述する画面切替処理(図16)を行っている最中に遊技制御装置からの指令信号を受信した場合でも、割り込んで実行される。
まず、遊技制御装置30から受信した指令信号が始動入賞指令であるか否かを判定する(S191)。その結果、受信した指令信号が始動入賞指令であれば、S194〜S195の処理を実行する。一方、受信した指令信号が始動入賞指令でなければ、S192に進む。
次に、遊技制御装置30から受信した指令信号が変動開始指令であるか否かを判定する(S192)。その結果、受信した指令信号が変動開始指令であれば、S196〜S200の処理を実行する。一方、受信した指令信号が始動入賞指令でなければ、S193に進む。
次に、遊技制御装置30から受信した指令信号が特賞演出指令であるか否かを判定する(S193)。その結果、受信した指令信号が特賞演出指令であれば、S201の処理を行う。一方、受信した指令信号が特賞演出指令でなければ(すなわち、受信した指令信号が始動入賞指令、変動開始指令、特賞演出指令のいずれでもなければ)、その他の指令に関する処理を実行し(S202)、割り込み発生時のアドレスへ復帰する。
この場合、今回実行されている通信割込処理が、演出制御メイン処理(図14)に割り込んで実行されていた場合には、演出制御メイン処理へ復帰して、再度コマンド待ち受け状態となる(S188)。また、今回実行されている通信割込処理が、画面切替処理(図16)に割り込んで実行されていた場合には、通信割込が発生した時点で実行されていた画面切替処理のステップへ復帰し、中断していた処理を再開する。
なお、通信割込処理が実行開始される際には、割り込み発生時のアドレスを、演出制御装置40のRAM40c(図2)に形成されたスタック領域に退避する処理を行い、通信割込処理が終了して割り込み発生時のアドレスに復帰する際には、退避していたアドレスをスタック領域から取り出す処理を行う。
受信した指令信号が始動入賞指令である場合、演出制御装置40のRAM40cに格納された特図始動入賞記憶数を更新し(S194)、更新された特図記憶数を表示するためのデータを出力して、表示装置43に表示された特図記憶数の表示を更新する(S195)。その後、割り込み発生時のアドレス(上記同様に、演出メイン処理又は画面切替処理)へ復帰する。
受信した指令信号が変動開始指令である場合、次にどの画面を表示するかを示すポインタである画面切替番号を設定し(S196)、演出制御装置40のRAM40cに格納された特図始動入賞記憶数を更新する(S197)。
その後、受信した変動開始指令が第1特別図柄変動表示ゲーム(順延保留に基づく変動表示ゲーム)を開始させるものであるか否かを判定する(S198)。判定の結果、受信した変動開始指令が、第1特別図柄変動表示ゲームを開始させるものであれば、第2始動入賞記憶数は(優先保留数)をゼロに設定する(S199)。これは、第2始動入賞記憶数が1以上であれば第2特別図柄変動表示ゲームが優先して実行されるところ、第1特別図柄変動表示ゲームが実行されるということは、第2始動入賞記憶数はゼロであるからである。一方、受信した変動開始指令が第2特別図柄変動表示ゲームを開始させるものであれば、S200に進む。
その後、更新された特図記憶数を表示するためのデータを出力して、表示装置43に表示された特図記憶数の表示を更新する(S200)。次いで、画面切替処理(図16)へ移行する。このとき、演出制御装置40のRAM40c(図2)のスタック領域に退避された割り込み発生時のアドレスが不要となるため、退避していたアドレスをスタック領域から削除する。
また、ステップS193の判断処理において、受信した指令信号が特賞演出指令である場合、次にどの画面を表示するかを示すポインタである画面切替番号を設定し(S201)、画面切替アドレス処理へ復帰する。このときも、演出制御装置40のRAM40c(図2)のスタック領域に退避された割り込み発生時のアドレスが不要となるため、退避していたアドレスをスタック領域から削除する。
このように、通信割込処理では、遊技制御装置30からの指令信号に従って、予め定められた処理を実行する。
図16は、本発明の第1の実施の形態の画面切替処理のフローチャートである。この画面切替処理は、演出制御装置40のCPU40aによって実行され、前述したように通信割込処理(図15)から継続して実行されるものである。なお、前述したように、画面切替処理の実行中に遊技制御装置からの指令信号を受信した場合には、その時点での処理が中断されて通信割込処理(図15)が割り込んで実行される。
まず、通信割込処理(図15)のS197又はS198で設定された画面切替番号を判定する(S211)。この画面切替番号が当たり演出に関する番号であれば、画面切替番号に対応する変動表示パターンに対応する当たり画面を表示する(S218)。S218の処理を繰り返し実行され、画面切替番号に対応する当たり演出が行われる。
一方、この画面切替番号が変動表示の開始に関する番号であれば、画面切替番号に対応する変動表示パターンを選択し(S212)、遊技制御装置30から受信した変動開始指令に含まれる変動表示パターン信号に基づいて変動表示時間を決定し、決定された変動表示時間に対応する変動表示タイマを設定して(S213)、特別図柄の変動表示を開始する(S214)。
その後、図柄の変動表示を継続し(S215)、変動表示タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S216)。変動表示タイマがタイムアップしていなければ、所定時間の変動表示は終了していないので、S215に戻り、図柄の変動表示を継続する。一方、変動表示タイマがタイムアップしていれば、所定時間の変動表示が終了したので、S217に進み、図柄の変動表示を停止する。
図17、図18は、本発明の第1の実施の形態の表示装置43に表示される特別図柄記憶表示の態様を示す説明図である。
図17(A)は、停電復帰時の表示を示す。この画面は、演出制御メイン処理のS187の処理によって表示される。演出制御装置40のRAM40c(図2)は、停電発生時にデータを保持する機能を有していないため、停電から復帰した直後は、第1特図始動入賞記憶数及び第2特図始動入賞記憶数が不定な値となる。そのため、停電から復帰した直後は、第1特図始動入賞記憶及び第2特図始動入賞記憶のいずれも表示されない。なお、この状態では、第1特図始動入賞記憶及び第2特図始動入賞記憶は、始動入賞記憶がない状態と区別可能な表示がされる。例えば、図のように「????」等の表示をして、始動入賞記憶が0個であるときとは区別できる表示を行う。
図17(B)は、停電復帰後(図17(A)の後)、第1特別図柄変動表示ゲームよりも先に第2特別図柄変動表示ゲームの変動表示が開始した時の表示を示す。前述したように、変動開始指令コマンド(第2特図変動開始指令コマンド)は、変動開始後の第2特図始動入賞記憶数の情報を含むので、特図普段処理のS176でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第2特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第2特図始動入賞記憶数が表示される。
図17(C)は、その後、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が検出された後の表示を示す。第1始動入賞口13への遊技球の入賞が検出された場合、第1特図始動入賞記憶表示を更新する必要がある。このため、順延保留の始動入賞監視処理のS157でセットされた、第1始動入賞記憶数を表示するための始動入賞指令(第1特図始動入賞指令コマンド)が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第1特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第1特図始動入賞記憶数が表示される。
この第1特図始動入賞指令コマンドは、通常、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達していれば、第1特図始動入賞記憶表示を更新する必要がないことから、従来の遊技機では、始動入賞記憶数が上限値に達している場合には、第1特図始動入賞指令コマンドは送信されない。しかし、第1の実施の形態では、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達している場合でも、停電復帰後の少なくとも1回目の第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出については第1特図始動入賞指令コマンドを送信し、停電によって消えた第1特図始動入賞記憶数の表示を再開する。
なお、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達しているか否かに拘らず、第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出が発生する度に毎回、第1特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。言い換えれば、停電復帰後の1回目の第1始動入賞口13への遊技球の入賞に限らず、第1始動入賞口13へ入賞により、無条件で第1特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。但し、この方法は、第1特図始動入賞指令コマンドが必要以上に送信されて、遊技制御装置30から演出制御装置40への通信が滞る恐れがあるので、第1始動入賞口13へ極めて容易に遊技球が入賞しやすい遊技機には適していない。
このように、図17(A)〜図17(C)に示す場合、第1特図始動入賞記憶数の表示と第2特図始動入賞記憶数の表示とは異なるタイミングで復旧する。
図17(D)は、停電復帰後(図17(A)の後)、第2特別図柄変動表示ゲームよりも先に第1特別図柄変動表示ゲームの変動表示が開始した時の表示を示す。前述したように、第1特図変動開始指令コマンドは、変動開始後の第1特図始動入賞記憶数の情報を含むので、特図普段処理のS180でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第1特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第1特図始動入賞記憶数が表示される。
なお、第1の実施の形態の遊技機では、第1特別図柄変動表示ゲームより第2特別図柄変動表示ゲームが優先して実行されるので、第1特別図柄変動表示ゲームの実行が開始する場合には、第2特図始動入賞記憶数は0である(通信割込処理のS199)。よって、演出制御装置40は、第1特図変動開始指令コマンドを受信した時点で、RAM40cに第2特図始動入賞記憶数が0である旨のデータを設定し、第1特図始動入賞記憶数を表示する時に、第2特図始動入賞記憶数が0である旨の表示をする(通信割込処理のS200)。
図18(A)は、停電復帰後(図17(A)の後)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞が検出された後の表示を示す。第2始動入賞口7への遊技球の入賞が検出された場合、第2特図始動入賞記憶表示を更新する必要がある。このため、優先保留の始動入賞監視処理のS167でセットされた、第2始動入賞記憶数を表示するための始動入賞指令(第2特図始動入賞指令コマンド)が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第2特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第2始動入賞記憶数が表示される。
この第2特図始動入賞指令コマンドは、通常、第2特図始動入賞記憶数が上限値に達していれば、第2特図始動入賞記憶表示を更新する必要がないことから、従来の遊技機では、始動入賞記憶数が上限値に達している場合には、第2特図始動入賞指令コマンドは送信されない。しかし、第1の実施の形態では、第2特図始動入賞記憶数が上限値に達している場合でも、停電復帰後の少なくとも1回目の第2始動入賞口7への遊技球の入賞の検出については第2特図始動入賞指令コマンドを送信し、停電によって消えた第2特図始動入賞記憶数の表示を再開する。
なお、第2特図始動入賞記憶数が上限値に達しているか否かに拘らず、第2始動入賞口7への遊技球の入賞の検出が発生する度に、毎回、第2特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。言い換えれば、停電復帰後の1回目の第2始動入賞口7への遊技球の入賞に限らず、第2始動入賞口7へ入賞により、無条件で第2特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。但し、この方法は、第2特図始動入賞指令コマンドが必要以上に送信されて、遊技制御装置30から演出制御装置40への通信が滞る恐れがあるので、第2始動入賞口7へ極めて容易に遊技球が入賞しやすい遊技機には適していない。
図18(B)は、その後、第2特別図柄変動表示ゲームの変動表示が開始した時の表示を示す。前述したように、第2特図変動開始指令コマンドは、変動開始後の第2特図始動入賞記憶数の情報を含むので、特図普段処理のS176でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第2特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第2始動入賞記憶数が表示される。第2特別図柄変動表示ゲームの開始時には、まだ、第1特図始動入賞記憶表示は復旧せず、その後、第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出、又は、第1特別図柄変動表示ゲームの開始によって、第1特図始動入賞記憶数が表示される。
このように、図17(A)、図18(A)、図18(B)に示す場合でも、第1特図始動入賞記憶数の表示と第2特図始動入賞記憶数の表示とは異なるタイミングで復旧する。
図18(C)は、停電復帰後(図17(A)の後)、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が検出された後の表示を示す。第1始動入賞口13への遊技球の入賞が検出された場合、第1特図始動入賞記憶表示を更新する必要がある。このため、順延保留の始動入賞監視処理のS157でセットされた、第1始動入賞記憶数を表示するための始動入賞指令(第1特図始動入賞指令コマンド)が演出制御装置40に送信されると、演出制御装置40はRAM40cに第1特図始動入賞記憶数を設定し、表示装置43には第1始動入賞記憶数が表示される。
この第1特図始動入賞指令コマンドは、通常、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達していれば、第1特図始動入賞記憶表示を更新する必要がないことから、従来の遊技機では、始動入賞記憶数が上限値に達している場合には、第1特図始動入賞指令コマンドは送信されない。しかし、第1の実施の形態では、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達している場合でも、停電復帰後の少なくとも1回目の第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出については、たとえ始動入賞記憶数が上限値に達している場合であっても第1特図始動入賞指令コマンドを送信し、停電によって消えた第1特図始動入賞記憶数の表示を再開する。なお、第1特図始動入賞記憶数が上限値に達しているか否かに拘らず、第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出が発生する度に、毎回、第1特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。言い換えれば、停電復帰後の1回目の第1始動入賞口13への遊技球の入賞に限らず、第1始動入賞口13へ入賞により、無条件で第1特図始動入賞指令コマンドを送信してもよい。但し、この方法は、第1特図始動入賞指令コマンドが必要以上に送信されて、遊技制御装置30から演出制御装置40への通信が滞る恐れがあるので、第1始動入賞口13へ極めて容易に遊技球が入賞しやすい遊技機には適していない。
なお、この第1始動入賞口13への遊技球の入賞の検出時には、まだ、第2特図始動入賞記憶表示は復旧しない。しかしながら、本実施形態の遊技機のように、第2特柄変動表示ゲームが第1特柄変動表示ゲームよりも優先して実行される構成の遊技機では、停電復旧後まもなく第2特柄変動表示ゲームが実行されるために、第2特図始動入賞記憶表示を短時間で正常な状態に復旧させることができる。仮に、停電復旧時点で第2特図始動入賞記憶数が0であった場合には第1特柄変動表示ゲームが実行されることになり、このときは第2特図始動入賞記憶数が0であることが明らかなので、この場合でも、第2特図始動入賞記憶表示を短時間で正常な状態に復旧させることができる。
図18(D)は、その後、 特図2の変動表示が開始した時の表示を示す。前述したように、変動開始指令コマンドは変動開始後の保留数の情報を含むので、特図普段処理のS176でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、表示装置43には第2始動入賞記憶数が表示される。
このように、図17(A)、図18(C)、図18(D)に示す場合でも、第1特図始動入賞記憶数の表示と第2特図始動入賞記憶数の表示とは異なるタイミングで復旧する。
<第2の実施の形態>
図19は、本発明の第2の実施の形態の遊技制御装置30(遊技制御メイン処理(図3))と演出制御装置40(演出制御メイン処理(図14))との処理を示すシーケンス図である。第1の実施形態においては、停電から復旧した場合に、第1始動入賞口13へ遊技球が入賞するか、第1特別図柄変動表示ゲームが実行されない限り、第1特図始動入賞記憶数が正常な値に復帰しない構成となる。これに対して、本実施形態では、停電から復旧した場合には、無条件で第1特図始動入賞記憶数のみを復帰させるための情報を送信する点で異なっている。
演出制御装置40は、演出制御メイン処理において、まず、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理を実行する(S181)。
その後、電源投入時の画面(図17(A))を表示する(S182)。そして、通信割込処理(図15)によって遊技制御装置からの指令信号(コマンド)を監視して、コマンド待ち受け状態となる。
一方、遊技制御装置30は、遊技制御メイン処理の停電復旧処理(S102)において、第1始動入賞記憶数(順延保留の保留数)の表示を指示する始動入賞指令を送信する。
第2の実施の形態では、順延保留の始動入賞監視処理(図11)のS155〜S156は実行しなくてよい。これは、第2の実施の形態では、停電復旧処理(S102)において、第1始動入賞記憶数の表示を指示する始動入賞指令が送信されるからである。すなわち、第2の実施の形態では、停電復旧処理(S102)で停電復帰フラグAをオフにしてもよい。
なお、第2の実施の形態では、前述した処理の他は、前述した第1の実施の形態と同じである。
図20は、本発明の第2の実施の形態の表示装置43に表示される特別図柄記憶表示の態様を示す説明図である。
図20(A)は、停電復帰時の表示を示す。停電復帰時には、第1特図始動入賞記憶を表示するための第1特図始動入賞指令コマンドが送られてくるので、第1特図始動入賞記憶表示が表示され、第2特図始動入賞記憶は表示されない。なお、第2特図始動入賞記憶は、始動入賞記憶がない状態と区別可能な表示がされる。
図20(B)は、特図2の変動表示が開始した時の表示を示す。前述したように、変動開始指令コマンドは変動開始後の保留数の情報を含むので、特図普段処理のS176でセットされた変動開始指令が演出制御装置40に送信されると、表示装置43には第2始動入賞記憶数が表示される。
図20(C)は、図20(A)に示す表示と別の停電復帰時の表示を示す。停電復帰時に送られる第1特図始動入賞記憶を表示するためのコマンドには、始動入賞記憶数ではなく、始動入賞記憶に空きがあるか否か(始動入賞記憶数が上限値に達していれば空きが無く、始動入賞記憶数が上限値に達していなければ空きが有る)の情報で代用されていってもよい。この場合、停電復帰時の第1特図始動入賞記憶には、「保留の空きあり」又は「保留の空きなし」が表示される。
このように、図20(A)〜図20(B)に示す場合、及び、図20(C)に示す場合でも、第1特図始動入賞記憶数の表示と第2特図始動入賞記憶数の表示とは異なるタイミングで復旧する。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。