[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87aおよびV判定カウントスイッチ15aが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、後述するように、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。誘導路の右側(入口側)には、小当りとなったときに所定期間に亘り開放されることにより遊技球が1個程度入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870と、特定領域以外の非特定領域871とが底部側に設けられている。V入賞領域870は、V判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられている。非特定領域871は、V入賞領域870の両側に設けられている。
作動口とV入賞領域870とは、左右方向に離れた位置に設けられている。作動口が開状態のときに遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に進入すると、遊技機は、V判定入賞装置87の内部において、たとえば、右上側から左下側へ向けて落下する。その落下するときの落下態様は、遊技球の作動口への進入時の運動量等の動作態様に応じて、不規則なものとなる。V判定入賞装置87の内部空間は、落下する遊技球のうち、1/5程度の遊技球がV入賞領域870に進入可能な構造となるように構成(設計)されている。これにより、V判定入賞装置87では、作動口に進入した遊技球が5球に1球程度の割合でV入賞領域870に進入可能である。
作動口からV判定入賞装置87の内部に進入した遊技球のうち、V入賞領域870に進入した遊技球はV入賞スイッチ87aによって検出される。また、V入賞スイッチ87aの下方側にV判定カウントスイッチ15aが設けられている。V入賞領域870に進入した遊技球と、V入賞領域をそれて非特定領域871に進入した遊技球とのすべてが、V判定カウントスイッチ15aによって検出される。このように、V判定入賞装置87の作動口からV判定入賞装置87の内部に進入したすべての遊技球は、V判定カウントスイッチ15aによって検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。
なお、1/5程度の遊技球がV入賞領域870に進入可能とする変形例としては、次のようなものがある。たとえば、V判定入賞装置87の内部に、進入した遊技球が1/5程度の割合でV入賞領域870に遊技球が誘導されるような所定の障害物(構造物)を設けてもよい。また、V判定入賞装置87の内部構造を、小当りが発生したときにV判定入賞装置87の内部に進入した遊技球が必ずV入賞領域870に進入する構成とし、小当りが発生したときに1/5程度の選択割合で、作動口の開放時間を遊技球がV判定入賞装置87の作動口に入賞可能な開放時間(たとえば、1秒間等)に制御するようにしてもよい(逆に4/5程度の選択割合で作動口に入賞不可能な開放時間(0.5秒等)で作動口を開放する)。また、V判定入賞装置87の内部にV入賞領域870と非特定領域871とに遊技球を振分ける振分け部材を設け、進入した遊技球が1/5程度の割合でV入賞領域870に振分けられるように振分け部材の動作を制御してもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。
なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。第1特別図柄については、このような保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14に遊技球が進入した場合には、第1特別図柄とは異なり保留記憶が行われずに変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への始動入賞時の変動表示に関する情報が判定バッファに一時保存(一時記憶)される。一時保存とは、保留記憶とは異なり、第2始動入賞口14への始動入賞により第2特別図柄の変動表示が実行されるまでの間、一時的に判定バッファに始動入賞時のデータを保存することをいう。よって、第2始動入賞口14に遊技球が連続して入賞した場合であっても、2つ目以降に入賞した始動入賞は無効となる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。それに対し、第2始動入賞口14に遊技球が進入した場合は、保留記憶されないので、第2特別図柄表示器8bに対応する保留表示器は設けられていない。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態の開始時には、右打ち報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。このように、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち報知が行なわれる。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の開始時には、右打ち報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、当り発生条件、当り後の制御状態(遊技状態)、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、小当り、8R通常大当り、2R時短大当り、8R時短大当り、および、15R時短大当りが設けられている。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が1回で開放時間が1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、首尾よく作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入した場合は、大当りが発生する。このような小当り経由の大当りには、8R通常大当りと15R時短大当りとがある。
8R通常大当りは、第1,第2特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合、または、第2特別図柄による小当りとなったときのV判定入賞装置87の開放時においてV入賞が生じた場合に発生する。特別図柄の変動表示の表示結果を大当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の大当り判定)。また、大当りの種別は、別の乱数抽選によって事前に行なわれる。8R通常大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。8R通常大当りでは、大当り可変入賞球装置20の開放回数が8回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。8R通常大当りが終了すると、時短状態に制御されない通常状態となる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、2R時短大当りは、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。2R時短大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。2R時短大当りでは、大当り可変入賞球装置20の開放回数が2回であり、1回のラウンドの開放時間が0.5秒である。2R時短大当りは、1回のラウンドの開放時間が0.5秒であるため実質的に遊技球の入賞が不可能な大当りである。2R時短大当りが終了すると、特別図柄の変動表示時間が通常時の変動表示時間よりも短くされた時短状態(後述する短期時短状態)となる。2R時短大当りによる時短状態(短期時短状態)は、第2特別図柄の変動表示回数が5回という終了条件または第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が10回という終了条件が成立したときに終了する。ここで、2R時短大当りは、第2特別図柄の変動表示からは発生しない。
なお、2R時短大当りは、第2特別図柄の変動表示に基づいて発生するようにしてもよい。また、2R時短大当りは、1回のラウンドの開放時間が0.5秒であるため実質的に遊技球の入賞が見込めず賞球の払出しがない場合が多いように設定したが、1回のラウンドの開放時間を長くして遊技球の入賞を可能とし、賞球の払出しが得られるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が時短状態になったにも関わらず、打出す遊技球がなくなり追加投資を強いられる状況を防止することができる。
また、8R時短大当りは、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。8R時短大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。8R時短大当りの大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20の開放回数が8回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。8R時短大当りの大当り遊技状態が終了すると、時短状態となる。8R時短大当りの終了後の時短状態は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が100回に達するまで継続する時短状態(後述する長時短状態)となる。
また、15R時短大当りは、第1,第2特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合、または、第2特別図柄による小当り遊技状態においてV入賞があった場合に発生する。15R時短大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。15R時短大当りの大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20の開放回数が15回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。15R時短大当りの大当り遊技状態が終了すると、時短状態となる。15R時短大当り終了後の時短状態は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が100回に達するまで継続する時短状態(後述する長時短状態)となる。
ここで、2R時短大当り後において、第2特別図柄の変動表示回数が5回という終了条件または第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が10回という終了条件が成立したときに終了するような、時短回数が比較的短い時短のことを短期時短と称する。また、8R時短大当りや15時短大当りのように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が100回に達するまで継続する時短回数が比較的長い時短のことを長期時短と称する。なお、短期時短は、ラウンド数の少ない大当りではなく、8Rや15R等の大当りの終了後に実行されるようにしてもよい。また、長期時短を2Rのようなラウンド数の短い大当りの終了後に実行されるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)したことに基づいて大当りに制御すると決定されたときは、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)したことに基づいて大当りに制御すると決定されたときに比べて高い割合で、通常大当りよりも遊技者にとって有利な時短大当りに決定されやすい。
また、2R時短大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が5回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が10回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、短期時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が1/5程度の割合でV入賞領域870に進入することを考慮した回数となっている。後述するように、第2特別図柄の変動表示では、極めて高い割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が5回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が5回程度実行されれば、小当りによって、1回程度はV入賞領域870に遊技球を進入させることができる可能性がある回数としている。このようにすれば、終了条件としての変動表示回数の少ない短期時短での大当り後は、小当り経由大当りの発生に遊技者を注目させることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が10回という終了条件は、第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数分は、変動表示を実行可能にするためである。このようにすることで、短期時短において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、および、V判定カウントスイッチ15aのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、右打ちランプ50の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、演出ゲートスイッチ60から、演出ゲート61を遊技球が通過(演出ゲート61に遊技球が進入)したことを検出した情報を示す情報信号としての演出ゲート通過検出信号が、I/Oポート部105を介して入力する。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、15R時短大当り、8R通常大当り、8R時短大当り、および、2R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、15R時短大当り、8R通常大当り、8R時短大当り、および、2R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム2は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下断が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダム1)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C)〜(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、低ベース状態での第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる低ベース第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、高ベース状態での第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる高ベース第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(E)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の低ベース第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「8R通常大当り」、「15R時短大当り」、および、「2R時短大当り」のそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の高ベース第1特図大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「8R通常大当り」、「15R時短大当り」、「2R時短大当り」、および、「8R時短大当り」のそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(E)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「8R通常大当り」、および、「15R時短大当り」のそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C)〜(E)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R通常大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「1」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。「2R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム2の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム2の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
このような各種の大当り種別判定テーブルによれば、第2特別図柄の大当りについて、第1特別図柄で選択可能な大当り種別と比べて、ラウンド数が最も多く、かつ、時短回数が最も多い大当り種別としての「15R時短大当り」が選択される割合が高く、また、その他に選択可能な大当り種別として、ラウンド数が2番目に多い「8R通常大当り」が選択されることにより、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が高い。
このような各種の大当り種別判定テーブルによれば、第1特別図柄の大当りについて、高ベース状態のときは、低ベース状態のときと比べて、ラウンド数の選択割合は同様であるが、時短状態となる大当りが選択される割合が高い。よって、高ベース状態のときは、低ベース状態のときと比べて、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が高い。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、短期時短状態(変動表示5回〜10回)、および、長期時短状態(変動表示100回)のような時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、2R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。図6は、2R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(5回〜10回)に亘り時短状態に制御される2R時短大当りの短期時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、短期時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、短期時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄についてのみ保留記憶がされるが、第1特別図柄の保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
一方、第2特別図柄については保留記憶がされないため、大当り遊技状態の開始前から終了後まで持ち越される可能性がある保留記憶は、第1特別図柄の保留記憶のみである。したがって、大当り遊技状態の終了後において、第2特別図柄は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が発生しなければ変動表示が実行されない。
図6(A)に示すように、2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の開始時において、第1特別図柄の保留記憶が1個あるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のためのされる第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、短期時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なれるので、図6(A)に示すように、その後、第2回目以降の変動表示として、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が連続的に実行され得る。
一方、図6(B)に示すように、2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の開始時において、第1特別図柄の保留記憶がないときには、2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なれるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が連続的に実行され得る。
2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が10回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、短期時短状態の開始時において、1回目の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示の実行後、第2特別図柄の変動表示のみが連続して実行された場合には、6回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたことにより、終了条件が成立し、短期時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、短期時短状態の開始時において、1回目から第2特別図柄の変動表示のみが連続した場合には、5回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたことにより、終了条件が成立し、短期時短状態の制御が終了される。
2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が10回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、短期時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が同じ回数(5回)実行されたことにより、短期時短状態が終了する。
また、たとえば、短期時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第2特別図柄の変動表示が同じ回数(5回)実行されても第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数の合計回数が10回に満たないので、時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が同じ回数(5回)実行されたことにより、短期時短状態が終了する。
このように、2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が10回実行されたときに成立するように設定されていることにより、短期時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、短期時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される短期時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(5回)との合計回数以上(10回)であるので、短期時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、小当りとするか否か、および、小当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、当りの種別(第1小当り、第2小当り、大当り)ごとに当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。第1小当りの小当り遊技状態が開始されるときには、当り開始1指定コマンドが送信される。第2小当りの小当り遊技状態が開始されるときには、当り開始2指定コマンドが送信される。大当り遊技状態が開始されるときには、当り開始3指定コマンドが送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、当りの種別(第1小当り、第2小当り、大当り)ごとに当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。第1小当りの小当り遊技状態が終了されるときには、当り終了1指定コマンドが送信される。第2小当りの小当り遊技状態が終了されるときには、当り終了2指定コマンドが送信される。大当り遊技状態が終了されるときには、当り終了3指定コマンドが送信される。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC200(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。
なお、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における小当り判定、小当り種別判定、および、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドを設けるようにしてもよい。具体的には、入賞時判定結果として、小当りとなるか否か、および、小当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドを設けてもよい。また、入賞時判定結果として、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドを設けてもよい。このような始動入賞時における各種判定結果を指定するコマンドを用いるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100において、当該コマンドに基づいて、特別図柄の実際の変動表示順番よりも前のタイミングにおいて、将来の変動表示の表示結果を先読みし、当該先読みに基づいて、たとえば、小当りが発生することの予告(所謂先読み予告)を実行するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファともいう)が設けられている。保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
一方、第2特別図柄については、保留記憶がされないので、このような保留記憶バッファが設けられていない。第2特別図柄については、第2始動入賞口14に進入した遊技球の始動入賞時のランダム1〜ランダム4に関する情報を一時的に保持した後、その情報を直ちに第2特別図柄の変動表示のために用いるための判定バッファが設けられている。その判定バッファは、情報を記憶する点で保留記憶バッファと同様であるが、第2特別図柄を第1特別図柄よりも優先的に変動表示させるために、一時的に変動表示に関する情報を保持するものである点、および、1回の始動入賞の情報のみを保持する点で、保留記憶バッファとは異なる。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて判定バッファに保存(一時保持)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム4)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファまたは判定バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、役物入賞スイッチ25a、および、役物排出スイッチ25bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図10は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動入賞口スイッチ13aと第2始動入賞口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動入賞口スイッチ13aであるか否かを確認する(S1211)。第1始動入賞口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S1214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が保存(格納)される。このように、第1特別図柄については、第1始動入賞に基づく保留記憶がされる。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。入賞時演出処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、始動入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかが判定される。次いで、CPU56は、S1215の判定結果に基づいて、第1特別図柄について、図柄指定コマンドを送信(S1216)するとともに、変動種別コマンドを送信(S1217)する。次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信し(S1218)、保留記憶数指定コマンドを送信する(S1219)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。なお、入賞時演出処理(S1215)を設けずに、S214の処理の後にS1216の処理が実行されるようにしてもよい。
S1211で第1始動入賞口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S1212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S1219で保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動入賞フラグがセットされているか否かを確認する(S1222)。第2始動入賞フラグは、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて判定バッファに変動表示に関する情報が一時保持された後、第2特別図柄の変動表示の実行が終了するまでに、第2始動入賞口14への新たな始動入賞に基づいて判定バッファに一時保持された情報が新たな始動入賞に関する情報に書換えられてしまわないようにするためのフラグであり、S1225によりセットされる。
S1222で第2始動入賞フラグがセットされているときには、新たな始動入賞に関する情報に書換えられてしまわないようにするために、処理を終了する。一方、S1222で第2始動入賞フラグがセットされていないときには、第2始動入賞口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S1223)。第2始動入賞口スイッチ14aがオンしていなければ、処理を終了する。一方、第2始動入賞口スイッチ14aがオンしていれば、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、前述の判定バッファに一時保存する処理を実行する(S12244)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が一時保存(格納)される。このように、第2特別図柄については、第2始動入賞に基づく保留記憶がされない。そして、第2始動入賞フラグをセットし(S1225)、処理を終了する。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第2始動入賞フラグがセットされているか否かに基づいて、第2始動入賞の検出がされたか否かを確認する(S50)。S50で第2始動入賞が検出されたと判定されたときは、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S50A)。そして、前述の判定バッファに一時保持されている前述の各種乱数値を読出し(S51)、RAM55の乱数バッファに格納する。S57に進む。一方、S50で第2始動入賞が検出されていないと判定されたときは、保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S52)。
S52で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理を行なった後、処理を終了する。一方、S52で保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S52A)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S50〜S52Aの処理により、第2始動入賞が検出されれば、判定バッファに一時的に保持されたデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、第1特別図柄について保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する(S53)。具体的には、保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S54)。すなわち、CPU56は、第1特別図柄について、RAM55の保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、第1特別図柄についての保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S56)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや判定バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S57のY)、S58に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S57のN)、第2始動入賞フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否かを確認する(S63)。S63で大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示でない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS66に進む。一方、S63で大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して小当り判定の処理を行なう(S64)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、(S64のY)第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S64)、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S65)、S66に移行する。一方、S64で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S64のN)、後述するS66に進む。
S57で大当りとすることに決定した場合には(S57のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S58)。そして、現在の遊技状態(高ベース状態であるか否か等の遊技状態)を確認する(S59)。現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かの確認は、時短フラグがセットされているか否かにより行なわれる。時短フラグは、遊技状態を時短状態(高ベース状態)に移行するときにセットされ、時短状態(高ベース状態)を終了するときにリセットされる。
次に、特別図柄ポインタと、S59で遊技状態として確認した高ベース状態であるか低ベース状態であるか等の特定の情報に基づいて、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用する大当り種別判定テーブルを選択する(S60)。具体的に、S60では、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合、低ベース状態であれば、図5(C)の低ベース第1特図大当り種別判定テーブルを選択し、高ベース状態であれば、図5(D)の高ベース第1特図大当り種別判定テーブルを選択する。また、S60では、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合、図5(E)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択する。
次いで、S60で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定する(S61)。また、S61で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定し(S62)、S66に進む。たとえば、大当り種別が「8R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「2R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
S66では、特別図柄の停止図柄を決定する(S66)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる予め定められた「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S60で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図11のS59〜S61に示すように、時短状態(高ベース状態)中には、非時短状態(低ベース状態)中と比べて時短大当りの選択割合が高い図5(D)の高ベース第1特図大当り種別判定テーブルを選択して大当り種別を選択するので、時短状態(高ベース状態)中に第1特別図柄の表示結果が大当り表示結果となったときであっても、遊技者に不利な状態となる可能性を低くすることができる。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、8R時短大当り、および、15R時短大当りのように、変動表示100回という長期の継続条件が設定された長期時短状態であるときにセットされる長期時短フラグ、または、2R時短大当りのように、変動表示5回〜10回という短期の継続条件が設定された短期時短状態であるときにセットされる短期時短フラグのうち、セットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、大当り開始3指定コマンド、または、大当り開始4指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図8のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が8R通常大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が8R時短大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R時短大当りである場合には大当り開始4指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、8回、または、2回)、開放時間(たとえば、29秒または0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒または0.5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、小当りの開放時間(1秒間)を設定するための小当り開放時間タイマをセットし(S140)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、時短状態であることを示す短期時短フラグ、または、長期時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、短期時短フラグ、または、長期時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、短期時短フラグ、または、長期時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図13の大当り終了処理において、短期時短状態に制御されるときにS166により10回にセットされ、長期時短状態に制御されるときにS170により100回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、図13のS166およびS170に示すように、短期時短の終了条件の成立の有無と、長期時短の終了条件の成立の有無との両方の判断をするために用いられる。次に、短期時短フラグがセットされている状態であるか否かを確認することにより、短期時短状態であるか否かを確認する(S144)。
S144で短期時短フラグがセットされているときは、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS149に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、2R時短大当りの大当り遊技終了後に時短状態に制御される第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図13の大当り終了処理において、短期時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、2R時短大当りの大当り遊技終了後における短期時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、短期時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、短期時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、短期時短または長期時短の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149は、短期時短状態において、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、短期時短状態および長期時短状態において、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、時短状態を終了させるために実行される。
S149では、短期時短フラグと長期時短フラグとのうち、現在セットされている時短フラグをリセットし(S149)、さらに、セットされている時短回数カウンタ(短期時短の場合は、特図2時短回数カウンタと合計時短回数カウンタとの2つのカウンタ。長期時短の場合は、合計時短回数カウンタのみの1つのカウンタ。)をリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、前述した第2始動入賞フラグがセットされているか否かを確認し(S152)、S152で、第1特別図柄の変動表示時であることによりセットされていないときは、S155に進む。一方、S152で、第2特別図柄の変動表示時であることによりセットされているときは、次の第2特別図柄の始動入賞を受付けるために、セットされている第2始動入賞フラグをリセットするとともに(S153)、判定バッファのデータをクリアし(S154)、S155に進む。S155では、はずれ表示結果となった変動表示の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S155)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S155により、短期時短状態のときは、第2特別図柄の5回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計10回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、当該短期時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S155により、長期時短状態のときは、第1特別図柄および第2特別図柄の合計100回のはずれ変動表示の実行が成立したときに、当該長期時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図13は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が2R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が2R時短大当りであるときは、大当り遊技状態の終了後に短期時短状態に制御するために、短期時短フラグをセットし(S164)、短期時短状態の終了条件を設定するために、特図2時短回数カウンタに「5」(第2特別図柄の変動表示5回対応)のデータをセットし(S165)、合計時短回数カウンタに「10」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示10回対応)のデータをセットする(S166)。そして、短期時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S172に進む。
これにより、2R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に短期時短状態に制御され、その短期時短状態の終了条件が、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより規定されることとなる。
一方、S163により、終了する大当りの種別が2R時短大当りでないときは、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りまたは15R時短大当りであるか否かを確認する(S168)。
S168で、終了する大当りの種別が8R時短大当りまたは15R時短大当りではないときは、時短状態に制御しないので、後述するS172に進む。一方、S168で、終了する大当りの種別が8R時短大当りまたは15R時短大当りであるときは、大当り遊技状態の終了後に長期時短状態に制御するために、長期期時短フラグをセットし(S169)、長期時短状態の終了条件を設定するために、合計時短回数カウンタに「100」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示100回対応)のデータをセットする(S170)。そして、長期時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S171)、S172に進む。
これにより、8R時短大当りまたは15R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に長期時短状態に制御され、その長期時短状態の終了条件が、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより規定されることとなる。
S172では、前述した第2始動入賞フラグがセットされているか否かを確認し(S172)、S172で、第1特別図柄の変動表示に基づく大当りであることによりセットされていないときは、S175に進む。一方、S172で、第2特別図柄の変動表示に基づく大当りであることによりセットされているときは、次の第2特別図柄の始動入賞を受け付けるために、セットされている第2始動入賞フラグをリセットするとともに(S173)、判定バッファのデータをクリアし(S174)、S175に進む。S175では、はずれ表示結果となった変動表示の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S175)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような大当り終了処理においては、S164〜S166により、2R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の5回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計10回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、短期時短状態に制御する設定がされる。また、S169〜S170により、8R時短大当りまたは15R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第1特別図柄および第2特別図柄の合計100回のはずれ変動表示の実行が成立するまで、長期時短状態に制御する設定がされる。
図14は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開放する(S411)。次いで、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図15は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放時間タイマを−1減算更新し(S430)、小当り開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S431)。
S431で小当り開放時間タイマがタイムアウトしていないときは、後述するS434でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S432)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V判定入賞装置87内部のV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S433)。S433でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S433でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S434)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S435)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S431で小当り開放時間タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放時間が終了したときであり、S436に進む。S436において、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S436)。さらに、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S437)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S438)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検知することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検知されないので、不正を防ぐこともできる。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
次いで、CPU56は、図5(E)に示す第2特別図柄大当り種別判定テーブルを選択する(S450)。そして、ランダム2を抽出し、抽出したランダム2に基づいてS540で選択した第2特別図柄大当り種別判定テーブルにより、大当り種別を決定する(S451)。このようなV入賞経由の大当りの大当り種別としては、図5(E)に示すように、8R通常大当りと15R時短大当りとのいずれかの種別が選択決定される。次いで、S451で決定された大当り種別を、RAM55に形成される所定の記憶領域に、前述したような大当り種別を特定可能なデータを用いて記憶する(S452)。次いで、その時点でセットされていた時短フラグ(図13の大当り終了処理でセットされる短期時短フラグ、長期時短フラグ)を一旦リセットする(S453)。
次いで、CPU56は、S451で決定された大当り種別に応じて、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始4指定コマンドを送信する(S454)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S455)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S456)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、図10に示す始動口スイッチ通過処理でセットされる第2始動入賞が発生していることを示す第2始動入賞フラグをリセットする(S459)。そして、RAM55の所定領域に一時記憶されている第2始動入賞に基づく変動表示に関する判定バッファデータをクリアする(S460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S461)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図17は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図18は、図17に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S700の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
小当り演出処理(S700):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した小当りに関する演出制御コマンドに基づいて、小当りに関する演出を実行する。小当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、小当りを開始させることを報知する演出を実行する。たとえば、前述の小当り開始報知、右打ち報知、および、その他小当り演出用の装飾的画像表示を実行する。また、小当り遊技状態中にV入賞指定コマンドを受信したことに応じて、前述のV入賞報知を実行する。また、小当り終了指定コマンドを受信したことに応じて、小当りを終了させることを報知する演出を実行する。たとえば、前述の小当り終了報知、および、その他小当り演出終了用の装飾的画像表示を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当り(第1大当りまたは第2大当り)のラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。そして、演出制御プロセス処理では、S600により、普通図柄の変動表示に対応した変動時演出が実行される。これにより、演出表示装置9においては、普通図柄表示器10の変動表示に対応した普通図柄演出表示と、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bでの特別図柄の変動表示に対応した特別図柄演出表示とが並行して実行可能とされている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、時短状態指定コマンドを受信したときに、時短状態報知、および、右打ち報知を含む時短状態用の演出を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、通常状態指定コマンドを受信したときに、時短終了報知、および、左打ち報知を含む時短状態終了用の演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
前述した実施の形態では、第2特別図柄について保留記憶をしない例として、第2始動入賞について判定バッファに、始動入賞時の変動表示に関する情報(大当り判定用乱数値等)を一時的に保持する例を示したが、これに限らず、第2始動入賞については、判定バッファを用いずに、始動入賞が発生したときに、変動表示に関する情報(大当り判定用乱数値等)を抽出し、当該情報を一時的に保持せずに、当該情報に基づいて、直接的に変動表示を実行させるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、第2特別図柄について保留記憶をしない例を示したが、これに限らず、第2特別図柄についての保留記憶をさせる構成としてもよい。その場合においては、第2特別図柄についての保留記憶を第1特別図柄の保留記憶よりも優先的に変動表示に用いる制御が行なわれる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、第2特別図柄についても、第1特別図柄と同様に保留記憶をする構成例を説明する。具体的には、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファと同様に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファを設ける。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14に進入した遊技球の始動入賞時のランダム1〜ランダム4に関する情報を保留記憶させる。
このように、第2特別図柄について、保留記憶情報を記憶する構成とした場合には、たとえば、時短状態(高ベース状態)が終了した際に、第2保留記憶バッファに保留記憶されていた保留記憶情報による変動表示が行なわれたときに小当り表示結果となった場合には、時短状態(高ベース状態)中に、第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となった場合とは異なる演出としての特別演出を、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行されるようにしてもよい。
たとえば、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファを1つ設ける。このような場合、時短状態(高ベース状態)が終了した際に、第2保留記憶バッファに保留記憶されていた保留記憶情報による変動表示が行なわれたときには、図5(B)に示すように、第2特別図柄による変動表示では、小当り表示結果となる確率が極めて高い。そして、小当りとなった場合には、1/5程度の割合で大当りを発生させることが可能である。このように第2特別図柄に対する保留記憶を設けることにより、時短状態(高ベース状態)が終了した際(低ベース状態となった場合)にも、1/5程度の割合で大当りに引戻せる可能性がある。そして、時短状態(高ベース状態)中に第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となった場合には、特別なキャラクタ画像が表示されない演出を実行するが、時短状態(高ベース状態)が終了した際に、第2保留記憶バッファに保留記憶されていた保留記憶情報による変動表示が行なわれたときに小当り表示結果となった場合には、特別なキャラクタ画像が表示される演出を実行すればよい。
このような演出を実行することにより、時短状態(高ベース状態)が終了して、通常状態(低ベース状態)に戻っても、特別な演出が実行されることに基づいて、大当りに引き戻せる可能性があるので、遊技者に与える残念な印象を軽減することができる。なお、第2特別図柄の保留記憶は、1つでもよいし第1特別図柄と同じように4つ設けるようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、第1実施形態で説明したV入賞経由の大当りを設けず、V入賞経由の確変状態を設ける例を説明する。具体的には、図1に示したV判定入賞装置87を、V入賞したときに確変状態とする制御をするために用いる。確変状態とは、大当り判定において大当りに決定する確率が通常確率状態(低確率状態)よりも向上した高確率状態に変化した状態をいう。第3実施形態では、第1実施形態で行なわる制御と共通する部分は記載を省略して説明する。まず、第3実施形態において、遊技者がパチンコ遊技機1での遊技を開始してからの遊技の流れについて図1を用いて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示を実行させ、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当りとなった後には、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技中は、右打ちにより大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技中は、右打ち報知が行なわれる。第3実施形態では、大当りの種類として、通常大当りとV確変判定大当りとが設けられている。V確変判定大当りとは、V判定入賞装置87の開放時においてV入賞があった場合に確変状態となる大当りのことである。また、確変状態とは、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態のことである。
V確変判定大当りが発生した場合には、大当りのラウンド中の所定ラウンドとしての2ラウンド目の期間において、V判定入賞装置87が開放状態に制御される。1ラウンド目の途中(1ラウンド目が終了した後でもよい)には、次のラウンド(2ラウンド)においてV入賞を狙うことが報知される。たとえば、演出表示装置9の画面上で「次のラウンドでVを狙え」等のVラウンド報知が行なわれる。
そして、大当りラウンドの2ラウンド目においてV判定入賞装置87でV入賞が発生した場合には、大当り遊技状態終了後に所定回数の変動表示に亘り継続可能な確変状態および時短状態に制御される。確変状態および時短状態が継続する変動回数は、複数種類設定されている。大当りラウンドの2ラウンド目においてV判定入賞装置87でV入賞が発生しなかった場合および通常大当りの終了後には、変状態および時短状態に制御されない通常の遊技状態となる。
大当り遊技終了後、確変状態および時短状態に制御される場合、確変状態および時短状態の開始時に確変状態および時短状態の始まることが報知されるとともにその確変状態および時短状態が継続可能な変動表示回数が報知される。また、確変状態および時短状態の開始時には、右打ち報知がされる。確変状態および時短状態に制御される場合には、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。確変状態および時短状態に制御されているときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。そして、大当りが通常大当りでなければ、2ラウンド目にV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。
大当り遊技状態の終了後に、確変状態および時短状態に制御されない場合には、通常状態となる旨の報知と、および、左打ち報知とが実行される。大当り遊技終了後、確変状態および時短状態に制御されていない場合に、遊技者は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。
V確変判定大当りが発生したときの2ラウンド目の状況について詳細に説明する。V確変判定大当りにより、1ラウンド目が終了した後、遊技者は、2ラウンド目においてV判定入賞装置87で開放された作動口を狙い、遊技球がV入賞領域870の内部に進入するように遊技を進める。
V判定入賞装置87の作動口を狙い遊技を行なったときに、遊技球が、V判定入賞装置87の内部に進入してV入賞領域870に進入すれば、V入賞が発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。
V判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870の内部に進入しないか、または、遊技球がV入賞領域870の内部にしたがV入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、V入賞は発生しない。V入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。
通常大当りの場合には、V判定入賞装置87の作動口が開放することはないので、V入賞が発生する場合はなく、遊技者は大当り可変入賞球装置20のみを狙いラウンドを消化する。また、V確変判定大当りには、2R,8R,15Rというような複数種類のラウンドが設けられている。2RV確変判定大当りの場合は、2ラウンド目が終了後に、大当りラウンドが終了する。8Rおよび15RV確変判定大当りの場合は、2ラウンド目終了後に大当り可変入賞球装置20が再び開放し、3ラウンド目以降は、大当り可変入賞球装置20を狙いラウンドを消化する。
図19は、第3実施形態における当り種別表を示す図である。図19の当り種別表には、当りの種別ごとに、当り発生条件、V入賞確変確定後の制御状態、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、8R通常大当り、2RV確変大当り、8RV確変大当り、および、15RV確変大当りが設けられている。
8R通常大当りは、第1,第2特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の変動表示の表示結果を大当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の大当り判定)。また、大当りの種別も乱数抽選によって事前に行なわれる。8R通常大当りは、V入賞ラウンドが発生しない大当りであり、V入賞は不可である。8R通常大当りの終了後は、確変状態および時短状態に制御されず、通常状態となる。また、8R通常大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。8R通常大当りでは、大当り可変入賞球装置20の開放回数が8回であり、1回のラウンドの開放時間が29秒である。
なお、8R通常大当りのような確変状態とならない通常大当りについては、他のV確変判定大当り(2RV確変判定大当り、8RV確変判定大当り、および、15RV確変判定大当り)と同様に、2R目においてV判定入賞装置87の作動口が開放するが、遊技球がV入賞領域870に入賞不可能な状態または入賞困難な状態とすることにより、実質的に確変大当りとならない開放パターンで、V判定入賞装置87を開放してもよい。たとえば、2R目においては、制御的に、または、構造的および制御的に、V判定入賞装置87内部に遊技球が入賞不可能な状態または入賞困難な状態にしてもよい。また、2R目においては、V判定入賞装置87内に遊技球が入賞可能となるが、制御的に、または、構造的および制御的に、V入賞領域870に遊技球が入賞不可能な状態または入賞困難な状態にしてもよい。
2RV確変判定大当りは、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。2RV確変判定大当りは、2ラウンド目にV入賞ラウンドが発生する大当りである。2RV確変判定大当りにおいては、大当り遊技状態において、1ラウンド目で大当り可変入賞球装置20が29秒の間、開放する。そして、2ランド目において、V判定入賞装置87が29秒の間、開放する。2ラウンド目でV判定入賞装置87においてV入賞が発生した場合は、大当りの終了後に確変状態および時短状態に制御される。この場合の確変状態および時短状態は、第2特別図柄の変動回数が80回という終了条件が成立したとき、または、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計回数が85回という終了条件が成立したときに終了する。
8RV確変判定大当りは、第1特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。8RV確変判定大当りは、2ラウンド目にV入賞ラウンドが発生する大当りである。8RV確変判定大当りにおいては、大当り遊技状態において、1ラウンド目で大当り可変入賞球装置20が29秒の間、開放する。3ラウンド目から8ラウンド目では、大当り可変入賞球装置20が1回のラウンドの開放時間が29秒の間、開放する。2ラウンド目でV判定入賞装置87においてV入賞が発生した場合は、大当りの終了後に確変状態および時短状態に制御される。この場合の確変状態および時短状態は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計回数が100回という終了条件が成立したときに終了する。
15RV確変判定大当りは、第1,第2特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。15RV確変判定大当りは、2ラウンド目にV入賞ラウンドが発生する大当りである。15RV確変判定大当りにおいては、大当り遊技状態において、1ラウンド目で大当り可変入賞球装置20が29秒の間、開放する。3ラウンド目から15ラウンド目では、大当り可変入賞球装置20が1回のラウンドの開放時間が29秒の間、開放する。2ラウンド目でV判定入賞装置87においてV入賞が発生した場合は、大当りの終了後に確変状態および時短状態に制御される。この場合の確変状態および時短状態は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計回数が100回という終了条件が成立したときに終了する。
ここで、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)したことに基づいて大当りに制御すると決定されたときは、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)したことに基づいて大当りに制御すると決定されたときに比べて高い割合で、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい。
また、第1始動入賞および第2始動入賞のいずれも所定の上限数(4個)において、保留記憶される。また、第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
また、2RV確変判定大当り後は、第2特別図柄の変動回数が80回という終了条件または第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計回数が85回という終了条件が設定されている。このような、8RV確変判定大当りや15RV確変判定大当りと比べ、回数の短い時短状態(確変状態)は、時短状態(確変状態)中に第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数分は、変動表示を実行可能にするためである。このようにすることで、短い時短状態(確変状態)において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
なお、V判定入賞装置87を設けずに、乱数抽選により、確変大当りが付与される遊技性としてもよい。そして、2R確変大当りの確変状態および時短状態は、第2特別図柄の変動回数が80回という終了条件または第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計回数が85回という終了条件が成立したときに終了するようにしてもよい。
また、ゲート32および可変入賞球装置15を左遊技領域に設け、通常状態時および確変状態および時短状態の付与時中も左打ちにより遊技を行なうようにしてもよい。たとえば、第1始動入賞口13の下方に可変入賞球装置15を設けてもよい。たとえば、第1始動入賞と第2始動入賞とで、いずれの入賞かが遊技者にとって有利となる場合に、同じ左打ちにより第1始動入賞口13を狙い遊技を行なうことや、第2始動入賞口14を狙い遊技を行なうことができるので、遊技の幅が広がり興趣を向上させることができる。
図20は、第3実施形態における大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。これらのテーブルのうち、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図20(C)は、低ベース状態での第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる低ベース第1特図大当り種別判定テーブルである。図20(D)は、高ベース状態での第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる高ベース第1特図大当り種別判定テーブルである。図20(E)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
このような各種の大当り種別判定テーブルによれば、第2特別図柄の大当りについて、第1特別図柄で選択可能な大当り種別と比べて、ラウンド数が最も多く、かつ、時短回数が最も多い大当り種別としての「15RV確変判定大当り」が選択される割合が高く、また、その他に選択可能な大当り種別として、ラウンド数が2番目に多い「8R通常大当り」が選択されることにより、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が高い。
このような各種の大当り種別判定テーブルによれば、第1特別図柄の大当りについて、高ベース状態のときは、低ベース状態のときと比べて、ラウンド数の選択割合は同様であるが、確変状態+時短状態となる大当りが選択される割合が高い。よって、高ベース状態のときは、低ベース状態のときと比べて、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が高い。
なお、V入賞経由の確変状態を設ける第3実施形態では、大当り種別判定テーブルとして、第1特別図柄の大当りについて、低ベース状態のときと、高ベース状態のときとで、同じ複数種類の大当り種別のうちから実行する大当りの種別を選択可能として、同じ(共通の)選択割合で大当り種別が選択可能となるような大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定するようにしてもよい。その場合には、低ベース状態のときと、高ベース状態のときとで、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が同じ(共通)となる。
第3実施形態に示すV確変大当りは、主として、次のように特別図柄停止処理の処理内容、および、大当り終了処理の処理内容を一部変更することにより、実現することが可能となる。
図21は、第3実施形態による特別図柄停止処理を示すフローチャートである。図21の特別図柄停止処理が、第1実施形態の図12に示された特別図柄停止処理と異なるのは、S134を、S134Aに変更し、S142〜S150を、S142A〜S150Aに変更したことである。S134A、S142A〜S150Aについて説明する。
S133で大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、8RV確変判定大当り、および、15RV確変判定大当りのように、変動表示100回という長期の継続条件が設定された状態であるときにセットされる長期確変フラグおよび長期時短フラグ、または、2RV確変判定大当りのように、変動表示80回〜85回という短期の継続条件が設定された状態であるときにセットされる短期確変フラグおよび短期時短フラグのうち、セットされているフラグをリセットする(S134A)。
S133で大当りフラグがセットされていないときは、確変状態であることを示す短期確変フラグ、または、長期確変フラグがセットされているか否かを確認する(S142A)。短期確変フラグは、変動表示5回〜10回という短期の継続条件が設定された確変状態であるときにセットされるフラグであり、長期確変フラグは、変動表示100回という長期の継続条件が設定された確変状態であるときにセットされるフラグである。S142で、短期確変フラグ、または、長期確変フラグがセットされていないときは、確変状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142Aで、短期確変フラグ、または、長期確変フラグがセットされているときは、確変状態であるので、確変状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計確変回数カウンタを−1減算更新する(S143A)。
S143Aで減算更新する合計確変回数カウンタは、図22の大当り終了処理において、短期確変状態に制御されるときにS166Aにより85回にセットされ、長期確変状態に制御されるときにS170Aにより100回にセットされ、S143Aにより、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計確変回数カウンタは、図22のS166AおよびS170Aに示すように、短期確変の終了条件の成立の有無と、長期確変の終了条件の成立の有無との両方の判断をするために用いられる。次に、短期確変フラグがセットされている状態であるか否かを確認することにより、短期確変状態であるか否かを確認する(S144A)。
S144Aで短期確変フラグがセットされているときは、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145A)。S145Aで、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS149Aに進む。一方、S145Aで、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2確変回数カウンタを−1減算更新する(S146A)。S146Aで減算更新する特図2確変回数カウンタは、2R確変大当りの大当り遊技終了後に確変状態に制御される第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2確変回数カウンタは、図22の大当り終了処理において、短期確変状態に制御されるときにS165Aにより80回にセットされ、S146Aにより、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146Aで更新された特図2確変回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147A)。S147Aで、特図2確変回数カウンタの計数値が「0」になったときは、2R確変大当りの大当り遊技終了後における短期確変状態の終了条件の1つが成立したときであるので、短期確変状態を終了させるために、後述するS149Aに進む。一方、S147Aで、特図2確変回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、短期確変状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148Aに進む。
S148Aでは、確変状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、短期確変または長期確変の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143Aで減算更新された合計確変回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148A)。S148Aで、合計確変回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148Aで、合計確変回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149Aに進む。
S149Aは、短期確変状態において、S147Aにより第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、短期確変状態および長期確変状態において、S148Aにより第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、確変状態を終了させるために実行される。
S149Aでは、短期確変フラグと長期確変フラグとのうち、現在セットされている確変フラグをリセットし(S149A)、さらに、セットされている確変回数カウンタ(短期確変の場合は、特図2時短回数カウンタと合計時短回数カウンタとの2つのカウンタ。長期時短の場合は、合計時短回数カウンタのみの1つのカウンタ。)をリセットする(S150A)。
このような特別図柄停止処理においては、S142A〜S155により、短期確変状態のときは、第2特別図柄の80回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計85回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、当該短期確変状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142A〜S155により、長期時短状態のときは、第1特別図柄および第2特別図柄の合計100回のはずれ変動表示の実行が成立したときに、当該長期確変状態を終了させる処理が行なわれる。
図22は、第3実施形態による大当り終了処理を示すフローチャートである。図22の大当り終了処理が、第1実施形態の図13に示された大当り終了処理と異なるのは、S163〜S171を、S163A〜S171Aに変更したことである。S163A〜S171Aについて次に説明する。
S162により大当り終了時間が経過したときは、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が2R確変大当りであるか否かを確認する(S163A)。
S163Aにより終了する大当りの種別が2R確変大当りであるときは、大当り遊技状態の終了後に短期確変状態に制御するために、短期確変フラグをセットする(S164A)とともに、短期時短フラグをセットし(S164B)、短期確変状態の終了条件を設定するために、特図2確変回数カウンタに「80」(第2特別図柄の変動表示80回対応)のデータをセットし(S165A)、合計確変回数カウンタに「85」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示85回対応)のデータをセットする(S166A)。そして、短期確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167A)、S172に進む。
これにより、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後に短期確変状態に制御され、その短期確変状態の終了条件が、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより規定されることとなる。
一方、S163Aにより、終了する大当りの種別が2R確変大当りでないときは、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R確変大当りまたは15R確変大当りであるか否かを確認する(S168A)。
S168Aで、終了する大当りの種別が8R確変大当りまたは15R確変大当りではないときは、確変状態に制御しないので、後述するS172に進む。一方、S168Aで、終了する大当りの種別が8R確変大当りまたは15R確変大当りであるときは、大当り遊技状態の終了後に長期確変状態に制御するために、長期確変フラグをセットする(S169A)ともに、長期時短フラグをセットし(S169B)、長期確変状態の終了条件を設定するために、合計確変回数カウンタに「100」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示100回対応)のデータをセットする(S170A)。そして、長期確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S171A)、S172に進む。
これにより、8R確変大当りまたは15R確変大当りの大当り遊技状態の終了後に長期確変状態に制御され、その長期確変状態の終了条件が、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより規定されることとなる。
このような大当り終了処理においては、S164A〜S166Aにより、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の80回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計85回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、短期確変状態に制御する設定がされる。また、S169A〜S170Aにより、8R確変大当りまたは15R確変大当りの大当り遊技状態の終了後に、第1特別図柄および第2特別図柄の合計100回のはずれ変動表示の実行が成立するまで、長期確変状態に制御する設定がされる。
このように、第3実施形態では、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後における短期確変状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が80回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が85回実行されたときに成立するように設定されていることにより、短期確変状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、短期確変状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、確変状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
また、第3実施形態では、確変状態(高ベース状態、時短状態)は、第2特別図柄の変動表示回数が80回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が85回実行されたときに終了条件が成立するので、確変状態を終了させる条件が複数あり、遊技の面白みを向上する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図13のS164〜S166、および、図12のS147〜S150等に示すように、2R時短大当りの大当り遊技状態終了後における短期時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が5回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が10回実行されたときに成立するように設定されていることにより、図6(A),(B)等に示すように、短期時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときとないときとで、短期時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
(2) 図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される短期時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(5回)との合計回数以上(10回)であるので、短期時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
(3) 図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、短期時短状態(変動表示5回〜10回)、および、長期時短状態(変動表示100回)のような時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
(4) 図11のS59〜S61に示すように、時短状態(高ベース状態)中には、非時短状態(低ベース状態)中と比べて時短大当りの選択割合が高い図5(D)の高ベース第1特図大当り種別判定テーブルを選択して大当り種別を選択するので、時短状態(高ベース状態)中に第1特別図柄の表示結果が大当り表示結果となったときであっても、遊技者に不利な状態となる可能性を低くすることができる。
(5) 第2実施形態に示すように、第2特別図柄について、保留記憶情報を記憶する構成とし、時短状態(高ベース状態)が終了した際に、第2保留記憶による変動表示により小当り表示結果となった場合には、時短状態(高ベース状態)中に第2保留記憶による変動表示により小当り表示結果となった場合とは異なる特別演出が実行される。第2特別図柄による変動表示では、小当り表示結果となる確率が極めて高く、小当りとなった場合には、1/5程度の割合で大当りに引戻せることができる。よって、時短状態(高ベース状態)が終了して、通常状態(低ベース状態)に戻っても、特別な演出が実行されることに基づいて、大当りに引き戻せる可能性があるので、遊技者に与える残念な印象を軽減することができる。
(6) 第3実施形態に示すように、確変状態(高ベース状態、時短状態)は、第2特別図柄の変動表示回数が80回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が85回実行されたときに終了条件が成立するので、確変状態を終了させる条件が複数あり、遊技の面白みを向上する。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、右打ち報知および左打ち報知のような遊技球の打ち分け方を報知する例を示した。しかし、これに限らず、このような右打ち報知および左打ち報知は、しなくてもよい。だだし、前述の実施形態では、小当り遊技状態におけるV判定入賞装置87の作動口の開放時間が比較的短い(1秒間)ので、遊技者がV入賞発生の機会を失わないようにするためには、右打ち報知をして遊技者の注意を喚起するのが望ましい。また、このような遊技球の打ち分け方を報知は、報知条件が成立したときに毎回報知するのではなく、たとえば、抽選等により報知するか否かを選択して実行するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、遊技球を遊技領域7の下部に設けられた打球発射装置から遊技領域7に発射する構成例を示したが、これに限らず、遊技球を遊技領域7の上部に設けられた打球発射装置から遊技領域7へ遊技球を発射する構成を採用してもよい。このようにすれば、遊技者が右打ちを容易に行なうことが可能となる。
(3) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14が、遊技球の進入(入賞)に応じて賞球が払出される入賞領域である例を示したが、これに限らず、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14は、遊技球が進入しても賞球が払出されないゲートとして用いてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、短期時短の時短終了条件として、第2特別図柄の変動表示回数が5回という第1の終了条件または第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が10回という第2の終了条件が成立したときに終了する例を説明した。しかし、これに限らず、第1の終了条件の設定回数が第2の条件の設定回数よりも少ない特定回数となるようにすればよく、たとえば、第1の終了条件は、第2特別図柄の変動表示回数が5回以上の値に設定されてもよく、第2の終了条件は、合計回数が10回以上の値に設定されてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、2R時短大当り、8R時短大当り、および、15R時短大当りのように、特定の大当り種別について、大当り遊技状態の終了後に、時短状態かつ高ベース状態に制御する例を示した。しかし、これに限らず、特定の大当り種別については、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されずに高ベース状態に制御されるようにしてもよい。特定の大当り種別については、大当り遊技状態の終了後に、高ベース状態に制御されずに、時短状態に制御されるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りについて、第1特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りと比べて、遊技者にとって有利な大当りが選択されやすい例を説明した。第2特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りについて、第1特別図柄の変動表示結果に基づいて実行可能な大当りと比べて、遊技者にとって有利な大当りが選択されやすい例としては、たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態終了後の高ベース状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態終了後の確変状態が継続する変動表示回数が多い、大当り遊技状態でのラウンド数が多い、および、大当り遊技状態での1ラウンドの入賞可能個数が多い等の各種遊技者にとって有利な事項のうち、いずれか1つ、または、いずれか複数の組合せによる有利な大当りであれば、どのようなものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、大当り種別判定用のランダム2について、0〜9という比較的少ない計数範囲を設定したが、これに限らず、大当り種別判定用のランダム22は、たとえば、0〜99というような比較的広い計数範囲に設定してもよい。
(8) 前述した実施の形態では、表示結果指定コマンドのうち、たとえば、8R通常大当り、および、15R時短大当りのような大当りを指定する表示結果コマンドについて、V入賞経由の大当りと、特別図柄の変動表示に基づく大当りとで同じコマンドを用いる例を示した。しかし、これに限らず、V入賞経由の大当りと、特別図柄の変動表示に基づく大当りとで、個別のコマンドを用いてもよい。
(9) 前述した実施形態に示した可変入賞球装置15、V判定入賞装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、V判定入賞装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、V判定入賞装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、V判定入賞装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施形態では、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、必ずV判定入賞装置87が開放される例を示したが、これに限らず、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、特定の抽選に基づいて開放状態とするか否かを決定し、開放状態とする抽選結果となったときに、V判定入賞装置87を開放するようにしてもよい。
(12) 前述した実施形態では、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87内のV入賞領域に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、第1ラウンドでV判定入賞装置87を開放し、第2ラウンド以降のラウンドで大当り可変入賞球装置20を開放するような開放パターンの大当り遊技制御を実行可能とする。大当り判定によりこのような大当り遊技制御を実行することが決定された場合には、このような大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、V判定入賞装置87を開放させることにより小当り遊技状態と見せ、第1ラウンドで遊技球がV入賞領域870にV入賞したときに、当該大当り遊技状態を継続させることにより、大当り可変入賞球装置20を開放させる第2ラウンド以降のラウンド制御を実行させて大当り遊技状態と見せる。一方、当該大当り遊技状態の第1ラウンドで、V判定入賞装置87において遊技球がV入賞領域870に入賞しないときには、当該大当り遊技状態として、第2ラウンド以降に継続させずに、第1ラウンドで終了させる制御を実行する。
(13) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(16) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(17) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(18) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(19) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および球払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は球払出装置等の基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は「持点」に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末等の「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(20) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、第1特別図柄表示器8a第2特別図柄表示器8bにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(21) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。