JP2014220177A - リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン伝導度が有意に向上されたLLZ系固体電解質を製造する。【解決手段】CO2及びH2Oが実質的に共存しない雰囲気下において、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するリチウムイオン伝導性固体電解質を用意する工程と、固体電解質を、CO2含有雰囲気中に曝してエージング処理することにより、CO2に由来するCを固体電解質の結晶格子内に含有させる工程と、CO2含有雰囲気がH2Oを含有する場合には、CO2含有雰囲気中に曝された固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る工程とを含んでなる、リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法に関する。
ガーネット結晶構造を有するLiLaZr12なる基本組成の固体電解質(以下、LLZ系固体電解質ということがある)は、高いリチウムイオン伝導性能と、リチウム金属負極電位で還元されない特徴とを有する。そのため、この材料には、リチウムデンドライト析出による正負極間における短絡の抑制効果が期待されており、全固体電池やリチウム空気電池等の次世代を担う電池への適用が望まれる。このような技術的背景のもと、リチウムイオン伝導性能の更なる向上を図るべく様々な置換元素が検討され、組成改良による伝導性能向上の試みがなされてきた。
例えば、特許文献1(特表2007−528108号公報)には、L5+x12の組成を有するガーネット型の固体イオン伝導体が開示されている。特許文献2(特開2011−051800号公報)には、LLZの基本元素であるLi,La及びZrに加えてAlを加えることで、緻密性やリチウムイオン伝導度を向上できることが開示されている。特許文献3(特開2011−073962号公報)には、LLZの基本元素であるLi,La及びZrに加えてNb及び/又はTaを加えることで、リチウムイオン伝導度を更に向上できることが開示されている。特許文献4(特開2011−073963号公報)には、Li、La、Zr及びAlを含み、Laに対するLiのモル比を2.0〜2.5とすることで、緻密性を更に向上できることが開示されている。より高性能な電池を提供すべく、LLZ系固体電解質材料におけるリチウムイオン伝導性能の更なる向上が望まれる。
別の用途としては、特許文献5(特開2011−147875号公報)には、組成式Li5+XLaZr2−X12(Xは1.5≦X≦1.925を満たす数であり、MはNb,Ta,Sc,Ti,V,Y,Hf,Si,Al,Ga,Ge又はSnである)で表される二酸化炭素吸収材料が開示されている。
特表2007−528108号公報 特開2011−051800号公報 特開2011−073962号公報 特開2011−073963号公報 特開2011−147875号公報
本発明者らは、今般、大気雰囲気等のCO含有雰囲気中に放置することでLLZ系固体電解質のリチウムイオン電導度が向上しうることを知見した。また、CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下においては、高抵抗の層をもたらす炭酸リチウムの固体電解質表面への析出を回避できるとの知見も得た。そして、これらの知見に基づき、LLZ系固体電解質の結晶構造の少なくとも一部の結晶格子内に炭素(C)を含有させ、かつ、固体電解質が炭酸リチウムを実質的に含まないようにすることで、LLZ系固体電解質のリチウムイオン伝導度を有意に向上できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、リチウムイオン伝導度が有意に向上されたLLZ系固体電解質の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下において、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するリチウムイオン伝導性固体電解質を用意する工程と、
前記固体電解質を、CO含有雰囲気中に曝してエージング処理することにより、COに由来するCを前記固体電解質の結晶格子内に含有させる工程と、
前記CO含有雰囲気がHOを含有する場合には、CO含有雰囲気中に曝された前記固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る工程と、
を含んでなる、リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法が提供される。
本発明の固体電解質を備えた固体電解質−電極複合体の一例の模式断面図である。 本発明の固体電解質を備えた固体電解質−電極複合体の他の一例の模式断面図である。 例A1及びA2で用いた成膜装置の構成を示す概略模式図である。 例A1で作製したイオン伝導度評価用カーボン電極を示す概略斜視図である。 例A1で固体電解質AD膜について測定されたXRDプロファイルにおける(422)面ピークを示す図である。 例A1で固体電解質AD膜について測定されたイオン伝導度と測定温度との関係を示す図である。 例B1で作製したイオン伝導度評価用カーボン電極を示す写真である。 例B1で固体電解質焼結体について測定されたイオン伝導度と測定温度との関係を示す図である。
リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法
本発明によるリチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法は、固体電解質の準備工程、エージング工程、及び必要に応じて行われる炭酸リチウム除去工程を含んでなる。固体電解質の準備工程は、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造(以下、LLZ系結晶構造という)を有するリチウムイオン伝導性固体電解質を用意する工程であって、CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下において行われる。エージング工程は、固体電解質を、CO含有雰囲気中に曝してエージング処理することにより、COに由来するCを固体電解質の結晶格子内に含有させる工程である。炭酸リチウム除去工程は、CO含有雰囲気がHOを含有する場合に行われる、CO含有雰囲気中に曝された固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る工程である。このように、本発明の製造方法においては、固体電解質の準備工程がCO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下で行われる一方、エージング工程はCO含有雰囲気で行われ、その雰囲気がHOをも含有する場合にはその雰囲気に曝された固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る。それにより、リチウムイオン伝導度が有意に向上されたLLZ系固体電解質を製造することができる。
より詳しくは以下のとおり説明される。まず、本発明のエージング工程は、エアロゾルデポジション(AD)法等の成膜法により作製したLLZ系固体電解質膜や焼結により作製したLLZ系固体電解質焼結体を大気中に放置することで、リチウムイオン伝導性能が向上したという予想外の現象の知見に基づくものである。この現象を本発明者らが解析した結果、大気中に含まれるCOに由来するCが固体電解質の結晶格子内に含有されることがリチウムイオン伝導性能の向上に寄与していることが判明した。そこで、本発明では、大気雰囲気等のCOを含む雰囲気中に曝してエージング処理することにより、COに由来するCを固体電解質の結晶格子内に含有させる。結晶格子内にCを含むことでリチウムイオン伝導度が向上するメカニズムの詳細は定かではないが、以下の二つの機構が考えられる。第一の機構としては、LLZ系結晶格子のOサイトにCO 2−又はCOが置換固溶して格子を拡張し、それにより結晶粒内のリチウムイオン移動度が向上することが考えられる。第二の機構としては、CO 2−又はCOの吸収により結晶格子の体積が膨張し、それにより粒子同士の密着性が向上して結晶粒界のリチウムイオン移動度を向上することが考えられる。
もっとも、結晶格子内にCを含んでいても、それだけでリチウムイオン伝導度の向上が実現できるとは限らない。これは、LLZ系固体電解質は、雰囲気中にCO及びHOが共存すると、その表面に炭酸リチウムを析出してしまい、この炭酸リチウムが高抵抗の層をもたらし、リチウムイオン伝導を阻害しうるためである。この高抵抗の層の形成を懸念して、従来は、LLZ系固体電解質を大気中に長時間放置することは避けるべきと信じられていた。それ故、本発明者らの知る限り、結晶格子内にCを含むことによる上記利点も今まで認識されていなかった。しかしながら、本発明の方法では、固体電解質の準備工程をCO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下で行い、かつ、エージング工程時のCO含有雰囲気がHOを含有する場合にはその雰囲気に曝された固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取ることで、固体電解質が炭酸リチウムを実質的に含まないようにすることができ、それにより結晶格子内におけるCの含有によって向上したLLZ系固体電解質のリチウムイオン伝導が高抵抗層によって阻害されるのを回避することができる。すなわち、結晶格子内におけるCの含有によるリチウムイオン伝導度向上効果を固体電解質において最大限に発揮させることができる。
(1)固体電解質の準備工程
本発明の方法は、CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下において、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するリチウムイオン伝導性固体電解質を用意する工程を含む。このようなリチウムイオン伝導性固体電解質は公知の手法に従って作製することができるが、高抵抗の層をもたらす炭酸リチウムの析出を回避すべくCO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下を経て作製することが望まれる。CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気は、好ましくはAr等の不活性ガス雰囲気であるが、CO及びHOのいずれかが存在していてもよい。このような雰囲気下でLLZ系固体電解質を用意することで高抵抗の層をもたらす炭酸リチウムの析出を防止することができる。なお、LLZ系固体電解質が、原料粉末が大気雰囲気との接触等に起因してCO及びHOを含んでいる可能性がある場合には、CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気(好ましくはAr等の不活性ガス雰囲気)下で熱処理され、それにより固体電解質に含有されることがあるCO及びHOが除去されるのが好ましい。そのような熱処理は好ましくは650℃以上、より好ましくは680℃以上、さらに好ましくは800℃以上の温度で、好ましくは10分間以上、より好ましくは1時間以上行われる。
本発明に用いるリチウムイオン伝導性固体電解質は、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有する。ガーネット系セラミックス材料には負極リチウムと直接接触しても反応が起きないとの利点があるが、とりわけ、Li、La、Zr及びOを含んで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するものが、焼結性に優れて緻密化しやすく、かつ、イオン伝導率も高いことから好ましい。この種の組成のガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造はLLZ結晶構造と呼ばれ、CSD(Cambridge Structural Database)のX線回折ファイルNo.422259(LiLaZr12)に類似のXRDパターンを有する。なお、No.422259と比較すると構成元素が異なり、またセラミックス中のLi濃度などが異なる可能性があるため、回折角度や回折強度比が異なる場合もある。Laに対するLiのモル数の比Li/Laは2.0以上2.5以下であることが好ましく、Laに対するZrのモル比Zr/Laは0.5以上0.67以下であるのが好ましい。このガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造はNb及び/又はTaをさらに含んで構成されるものであってもよい。すなわち、LLZのZrの一部がNb及びTaのいずれか一方又は双方で置換されることにより、置換前に比べて伝導率を向上させることができる。ZrのNb及び/又はTaによる置換量(モル比)は、(Nb+Ta)/Laのモル比が0.03以上0.20以下となる量にすることが好ましい。また、この固体電解質はAl及び/又はMgをさらに含んでいるのが好ましく、これらの元素は結晶格子に存在してもよいし、結晶格子以外に存在していてもよい。Alの添加量は固体電解質の0.01〜1質量%とするのが好ましく、Laに対するAlのモル比Al/Laは、0.008〜0.12であるのが好ましい。Mgの添加量は固体電解質の0.01〜1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05〜0.30質量%である。Laに対するMgのモル比Mg/Laは、0.0016〜0.07であるのが好ましい。このようなLLZ系セラミックスの製造は、特許文献2〜4に記載されるような公知の手法に従って又はそれを適宜修正することにより行うことができる。
固体電解質の形態は、粒子状、粉末状、膜状、板状又はその他のバルク状の形態の任意の形態であってよいが、後続の炭酸リチウム除去工程が行われる場合には、膜状、板状又はその他のバルク状の形態であると炭酸リチウムを削り取るのに適することから好ましい。固体電解質は、電池等に組み込まれるための又は組み込まれた最終的な形態としては、エアロゾルデポジション(AD)法等の成膜法により作製したLLZ系固体電解質膜や焼結により作製したLLZ系固体電解質焼結体の形態、すなわち膜状、板状又はその他のバルク状の形態で電極と接合されているのが好ましい。なお、そのような接合工程もCO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下で行われるべきことはいうまでもない。一方、粒子状や粉末状の形態はそのような成膜法や焼結体作製のための原料粉末として好ましく使用可能である。例えば、エアロゾルデポジション(AD)法により行う場合には、AD法用のLLZ系原料粉末の形態であるのが好ましい。一方、後続の電極接合工程をホットプレス等の接合により行う場合にはLLZ系焼結体の形態であるのが好ましく、より好ましくは板状の形態である。そのようにして得られた固体電解質−電極複合体10の一例が図1Aに示される。図1Aに示される固体電解質−電極複合体10は、固体電解質12と、固体電解質12に接合してなる電極14とを備えてなる。電極14は正極及び負極のいずれであってもよい。また、図1Bに示されるように、固体電解質12の電極14と反対側に対向電極15を設け、一方の電極を正極とし、他方の電極を負極としてもよい。固体電解質12は板状固体電解質であり、固体電解質12と電極14の間の界面13に炭酸リチウムが実質的に存在しない。この構成によれば、固体電解質12と電極14の間の接合界面13に炭酸リチウムが実質的に存在しないため、炭酸リチウムからなる高抵抗層を介在させることなく、固体電解質12と電極14との間でリチウムイオン伝導経路が確保される。その結果、結晶格子内におけるCの含有によるリチウムイオン伝導度向上効果をその固体電解質を備えた複合体又は電池において最大限に発揮させることができる。
このようにして用意された固体電解質は、後続の(2)エージング工程に付されることになるが、当該後続工程へ移行はCO及びHOの共存下を経ずに行われるのが好ましい。もっとも、この工程移行時にCO及びHOが共存する雰囲気下を通過する又はそのような雰囲気下に一時的に放置される時点が存在してもよく、炭酸リチウムが実質的に析出しない又は析出するとしても伝導度の観点から実害の無いレベルであれば差し支えない(実害のあるレベルであればその雰囲気に曝された部分を削り取ることにより適宜除去することにより炭酸リチウムが実質的に含まれないようにすればよい)。
(2)エージング工程
本発明の方法は、CO含有雰囲気中に曝すエージング処理する工程を含む。エージング処理によりCOに由来するCを固体電解質の結晶格子内に含有させることができ、それによりリチウムイオン伝導度を向上させることができる。エージング処理は600℃以下の温度で行われるのが好ましく、より好ましくは0〜500℃、さらに好ましくは0〜400℃の温度で、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上、さらに好ましくは50時間以上行われる。
エージング処理の諸条件は、LLZ系結晶構造の少なくとも一部が結晶格子内にCを含むように、好ましくは結晶構造の大半ないし概ね全体にわたって結晶格子内にCを含んでなるように、適宜決定すればよい。結晶格子内におけるCの含有は、エージング処理前の固体電解質を参照として用いて、X線回折における(422)面ピーク位置のシフト量及び/又はa軸の格子定数の増大量を測定することにより確認することができる。すなわち、エージング処理後の固体電解質が、エージング処理前の固体電解質と比較して、X線回折における(422)面のピークが低角側に好ましくは0<2θ<1°、より好ましくは0.1<2θ<1°シフトした結晶構造を有する。また、エージング処理後の固体電解質が、エージング処理前の固体電解質と比較して、a軸の格子定数が好ましくは0.01Å以上、より好ましくは0.05Å以上増大した結晶構造を有する。
CO含有雰囲気は、COを含む雰囲気であれば特に限定されず、最も簡便に入手可能なCO含有雰囲気である大気雰囲気を好ましく利用できる。後続の(3)炭酸リチウム除去工程を回避することが望まれる場合には、CO含有雰囲気は乾燥雰囲気であるのが好ましく、より好ましくは相対湿度1%以下の雰囲気、さらに好ましくはHOを実質的に含まない。
(3)炭酸リチウム除去工程
エージング工程におけるCO含有雰囲気はHOを含んでいてもよく、その場合には、CO含有雰囲気中に曝された固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る工程をさらに行うのが好ましい。CO含有雰囲気がHOを含有する場合には高抵抗の層をもたらす炭酸リチウムが固体電解質表面に析出するためである。すなわち、本発明により製造される固体電解質は、その表面の少なくとも一部に、炭酸リチウムが実質的に存在しない領域を有していればよい。「炭酸リチウムが実質的に存在しない」とはリチウムイオン伝導度の観点から実害の無いレベルの極微量の炭酸リチウムの存在は本発明の趣旨を逸脱するものではなく許容されることを意味する。もっとも、当該領域に炭酸リチウムが全く存在しないことが望ましいことは言うまでもない。したがって、固体電解質の表面全体が削り取られるのが最も好ましいが、リチウムイオン伝導経路の入口と出口を確保する観点からすれば、表面に炭酸リチウムが存在する形態の固体電解質であっても、固体電解質の表面の少なくとも2か所が削り取られていれば足りる。典型的には、固体電解質の表面に1か所が位置し、もう1か所が固体電解質の裏面に位置される。
もっとも、前述したような固体電解質−電極複合体10を構成する場合には固体電解質12と電極14との接合界面13に炭酸リチウムが実質的に存在しない領域が位置しさえしていればよく、それ以外の部分に炭酸リチウムが存在するとしても他の部材と接合される際に必要に応じて適宜削り取ればよい。この場合、固体電解質12と電極14の間の接合界面13に炭酸リチウムが実質的に存在しない領域が位置するため、炭酸リチウムからなる高抵抗層を介在させることなく、固体電解質12と電極14との間でリチウムイオン伝導経路が確保される。その結果、結晶格子内におけるCの含有によるリチウムイオン伝導度向上効果をその固体電解質を備えた複合体又は電池において最大限に発揮させることができる。したがって、炭酸リチウムが実質的に存在しない領域が、固体電解質と電極の間の界面の全部を構成するのがより好ましいといえる。一方、固体電解質12における電極14との界面13以外の表面(例えば固体電解質12の側面12aや裏面12b)には炭酸リチウムが存在していてもよく、その場合には他の部材と接合される際に必要に応じて伝導性を確保した表面部位を適宜削り取ればよい。
固体電解質の表面を削り取る手法は特に限定されず、例えば、機械的な研磨や切断、水や酸又はアルカリ等の溶液による溶解洗浄、イオンミリングやスパッタ等によって、表面層を除去できればよい。中でも、機械的な研磨や切断は、プロセスが簡便である点及び副反応が起こりにくい点で好ましい。また、スパッタによる処理は、母材の結晶性低下や組成ズレなどのダメージを抑制できる点で好ましい。また、これらの工程は加熱しながら行ってもよい。
用途
本発明の方法により製造される固体電解質の用途としては、電池やキャパシタ等の蓄電素子が挙げられ、好ましくは電池である。電池は全固体電池の構成を有してもよいし、固体電解質がセパレータであり、セパレータと対向電極との間に電解液をさらに備えた液系の電池であってもよい。前者の典型例としては全固体リチウムイオン二次電池が、後者の典型例としてはリチウム空気電池が挙げられる。前述のとおり電極14は正極及び負極のいずれでもあってもよいが、例えば、リチウムイオン二次電池として構成する場合には電極14は正極であるのが好ましく、それにより固体電解質12を電解液代替物として機能させて全固体電池を構成することができる。また、リチウム空気電池として構成する場合には電極14は負極とされるのが好ましく、それにより固体電解質12を負極と電解液を隔離するセパレータとして機能させることができる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。なお、以下の例において使用されるAr雰囲気はCO及びHOを実質的に含まない不活性雰囲気である。
例A1:固体電解質AD膜の作製及び評価
(1)AD膜原料粉末の合成及び熱処理
焼成用原料調製のための各原料成分として、水酸化リチウム(関東化学株式会社)、水酸化ランタン(信越化学工業株式会社)、酸化ジルコニウム(東ソー株式会社)、酸化タンタルを用意した。これらの粉末をLiOH:La(OH):ZrO:Ta=7:3:1.625:0.1875になるように秤量及び配合し、ライカイ機にて混合して焼成用原料を得た。
第一の焼成工程として、上記焼成用原料をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気で600℃/時間にて昇温し900℃にて6時間保持した。
第二の焼成工程として、第一の焼成工程で得られた粉末に対しγ−Alを0.6質量%の濃度となるように添加し、この粉末と玉石を混合し振動ミルを用いて3時間粉砕して、出発原料組成がLi7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512Al0.1の粉末を得た。なお、このγ−Alの添加量は、一次焼成粉末が仕込み組成通りの組成を有しているものと想定した組成式Li7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512に対するモル比で0.1のAlとなる量に相当している。得られた原料粉末をマグネシア製のサヤに入れ、Ar雰囲気中にて800℃で1時間熱処理して、原料粉末に含有されうるCO及びHOを除去した。こうして得られた原料粉末は、Li及びOは焼成時の欠損等により仕込み組成のモル数である7及び12からずれている可能性があるものの、仕込み組成のLi7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512Al0.1に概ね基づく組成を有し、炭酸リチウムを含まない。
(2)固体電解質AD膜の作製
熱処理後の原料粉末をAr雰囲気のグローブボックス中で、開口径75μmのナイロンメッシュを用いて解砕した後、キャリアガスとしてNガスを用いてエアロゾルデポジション(AD)法により成膜を行った。このAD成膜は、図2に示されるような成膜装置20を用いて行った。図2に示される成膜装置20は、大気圧より低い気圧の雰囲気下で原料粉末を基板上に噴射するAD法に用いられる装置として構成されている。この成膜装置20は、原料成分を含む原料粉末のエアロゾルを生成するエアロゾル生成部22と、原料粉末を基板21に噴射して原料成分を含む膜を形成する成膜部30とを備えている。エアロゾル生成部22は、原料粉末を収容し図示しないガスボンベからのキャリアガスの供給を受けてエアロゾルを生成するエアロゾル生成室23と、生成したエアロゾルを成膜部30へ供給する原料供給管24と、エアロゾル生成室23及びその中のエアロゾルに10〜100Hzの振動数で振動が付与する加振器25とを備えている。成膜部30は、基板21にエアロゾルを噴射する成膜チャンバ32と、成膜チャンバ32の内部に配設され基板21を固定する基板ホルダ34と、基板ホルダ34をX軸−Y軸方向に移動するX−Yステージ33とを備えている。また、成膜部30は、先端にスリット37が形成されエアロゾルを基板21へ噴射する噴射ノズル36と、成膜チャンバ32を減圧する真空ポンプ38とを備えている。この成膜装置20は、成膜チャンバ32内に加熱装置や耐熱部材等を設けて原料粉末を加熱できるように構成されてもよい。例えば、原料粉末が単結晶化する温度での加熱処理を行えるように石英ガラスやセラミックス等の耐熱部材を用いてもよい。
成膜装置20による固体電解質膜の作製条件は以下のとおりとした。基板としては、20mm平方で厚さ1mmのMgO板を用いた。また、キャリアガスとして流量2L/minの窒素ガスを使用し、成膜チャンバ内の圧力が0.1〜0.2kPa、エアロゾル化室の圧力を50〜70kPaになるように調整して、成膜を行った。その際、ノズルの開口サイズは10mm×1.8mmとし、ノズルの短辺方向に走査距離10mm、走査速度5mm/secで60往復分、成膜と同時に走査させた。こうして、固体電解質AD膜を得た。
(3)評価用電極の作製
図3に示されるように、MgO基板40上成膜した固体電解質AD膜42の表面に、Ar雰囲気グローブボックス中でカーボンペースト44(日本電子株式会社製、ドータイトペーストXC−12)を塗布して、イオン伝導度評価用カーボン電極を形成した。
(4)大気への暴露
こうして電極が形成された固体電解質AD膜を大気に暴露した。この暴露は、大気暴露時間による影響を確認するため、常温で16時間、58時間及び171時間行い、各時間経過後にその都度特性評価及び解析を行った。
(5)XRD測定
XRD装置(株式会社リガク製、ガイガーフレックスRAD−IB)を用い、大気暴露前後のAD膜のXRD測定を行った。また、比較のため、大気暴露する前のAD膜についても、上記同様にして測定を行った。その結果、図4に示される(422)面ピークが観察された。図4に示されるように、大気暴露前におけるピークが、大気暴露後には低角度側に0.1<2θ<1シフトすることが確認された。この結果から、大気放置によりCが格子内に導入されて、格子定数が拡大したものと解される。実際に、大気暴露前における(422)面ピーク位置と50時間の大気暴露後における(422)面ピーク位置との差に基づいて、a軸の格子定数の増加量を算出したところ、0.08Åであった。
(6)イオン伝導度の評価
大気暴露した固体電解質AD膜を、Ar雰囲気グローブボックス中で、4端子法を用いた交流インピーダンス法により100℃、150℃及び200℃の温度でLiイオン伝導度を評価した。具体的には、AD膜にAuスパッタを施し、更に110℃以上で5時間以上真空乾燥させ、そのままAr雰囲気のグローブボックス内に導入し、CR2032コインセルに組み込んだ。本コインセルを大気中に取り出し、ソーラトロン社製電気化学測定システム(ポテンショ/ガルバノスタッド,周波数応答アナライザ)を用い、周波数1MHz〜0.1Hz、電圧10mVにて交流インピーダンス測定を行った。また、比較のため、大気暴露する前のAD膜についても、上記同様にして測定を行った。その結果、図5に示されるイオン伝導度が測定された。なお、図5には参照のためAD膜と同じ組成の焼結体の大気暴露していないサンプルのイオン伝導度も示してある。図5に示されるように、各測定温度において粒内伝導度が大気暴露前よりも向上することが確認された。
例A2:固体電解質AD膜/正極複合体の作製及び評価
(1)正極活物質板の作製
(1A)スラリー調製
Co粉末(粒径1〜5μm、D50=1.2、正同化学工業株式会社製)と、分散媒(トルエン:イソプロパノール=1:1)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)10重量部と、可塑剤(DOP:ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、黒金化成株式会社製)4重量部と、分散剤(レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱泡するとともに、500〜700cPの粘度に調製した。なお、粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。
(1D)成形
得られた成形用スラリーを用いて、ドクターブレード法により、厚さ50μmのシートを形成した。乾燥後のシートに対して打ち抜き加工を施すことによって、11mm平方のグリーンシート成形体を得た。
(1E)焼成(リチウム導入)
上述のようにして得られた10mm平方のグリーンシート成形体を、大気雰囲気中で1000℃にて熱処理することで、成形体の脱脂及び仮焼成を行った。得られた仮焼成成形体の両面に対して、水酸化リチウムのエタノール分散液をエアブラシによって所定量スプレーしたものを、750℃で24時間(大気雰囲気)熱処理することで、LiCoOの組成を有する、10mm平方で厚さ50μmの正極活物質板を得た。
なお、上述の水酸化リチウムのエタノール分散液は、以下のようにして調製したものである。まず、LiOH・HO粉末(和光純薬工業株式会社製)を、ジェットミルを用いて、電子顕微鏡観察による目視粒径で1〜5μmになるように粉砕した。この粉末をエタノール(片山化学株式会社製)100重量部に対し1重量部の割合で加えたものを、超音波により、粉末が目視によって確認することができなくなるまで分散させた。
(2)AD膜原料粉末の合成及び熱処理
例A1と同様にして、CO及びHOを除去されたAD膜原料粉末を得た。
(3)固体電解質AD膜の作製
成膜用基板としてMgO板の代わりに、上記得られた正極活物質板を用いたこと以外は、例A1と同様にして、固体電解質AD膜の作製を行った。
(4)評価用電極の作製
活物質板上に成膜した固体電解質AD膜の上面、及び活物質板の裏面にAr雰囲気グローブボックス中でカーボンペースト(日本電子株式会社 ドータイトペーストXC−12)を塗布して、イオン伝導度評価用カーボン電極を形成した。
(5)大気への暴露
こうして電極が形成された固体電解質AD膜を大気に暴露した。この暴露は常温で171時間行った。
(6)イオン伝導度の評価
大気暴露したAD膜を、Ar雰囲気グローブボックス中で、擬似4端子(2端子)法を用いた交流インピーダンス法によりLiイオン伝導度を評価した。4端子法の代わりに擬似4端子(2端子)法を用いたこと以外、評価方法の詳細は例A1と同様とした。その結果、例A1と同様に、粒内伝導度が処理前よりも向上することが分かった。
例B1:固体電解質焼結体の作製及び評価
(1)固体電解質焼結体の作製
焼成用原料調製のための各原料成分として、水酸化リチウム(関東化学株式会社)、水酸化ランタン(信越化学工業株式会社)、酸化ジルコニウム(東ソー株式会社)、酸化タンタルを用意した。これらの粉末をLiOH:La(OH):ZrO:Ta=7:3:1.625:0.1875になるように秤量及び配合し、ライカイ機にて混合して焼成用原料を得た。
第一の焼成工程として、上記焼成用原料をアルミナ坩堝に入れて大気雰囲気で600℃/時間にて昇温し900℃にて6時間保持した。
第二の焼成工程として、第一の焼成工程で得られた粉末に対しγ−Alを0.6質量%の濃度となるように添加し、この粉末と玉石を混合し振動ミルを用いて3時間粉砕して、Li7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512Al0.1の組成を有する粉砕粉を得た。なお、このγ−Alの添加量は、一次焼成粉末が仕込み組成通りの組成を有しているものと想定した組成式Li7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512に対するモル比で0.1のAlとなる量に相当している。この粉砕粉を篩通しした後、得られた粉末を、金型を用いて約100MPaにてプレス成形してペレット状にした。得られたペレットをマグネシア製セッター上に乗せ、セッターごとマグネシア製のサヤ内に入れて、Ar雰囲気にて200℃/時間で昇温し、1000℃で36時間保持することにより、55mm×55mmのサイズで厚さ10mmの焼結体を得て、そこから3mm×4mmのサイズで長さ40mmの棒状の固体電解質焼結体を機械加工により得た。なお、Ar雰囲気として、事前に容量約3Lの炉内を真空引きした後、純度99.99%以上のArガスを電気炉に2L/分で流した。こうして得られた焼結体は、Li及びOは焼成時の欠損等により仕込み組成のモル数である7及び12からずれている可能性があるものの、仕込み組成のLi7.0La3.0Zr1.625Ta0.37512Al0.1に概ね基づく組成を有し、炭酸リチウムを含まない。
(2)評価用電極の作製
図6に示されるように、Ar雰囲気グローブボックス中でカーボンペースト(日本電子株式会社製、ドータイトペーストXC−12)を塗布して、イオン伝導度評価用カーボン電極を作製し電圧測定用端子として形成した。
(3)大気への暴露
こうして電極が形成された固体電解質焼結体を大気に暴露した。この暴露は200℃で24時間行った。
(4)イオン伝導度の評価
大気暴露した固体電解質焼結体を、Ar雰囲気グローブボックス中で、作製した棒状の固体電解質焼結体の長手方向の両端に金属リチウム箔を密着させて電流通電用端子とした4端子法を用いた交流インピーダンス法でLiイオン伝導度評価した。測定はソーラトロン社製電気化学測定システム(ポテンショ/ガルバノスタッド,周波数応答アナライザ)を用い、周波数1MHz〜0.1Hz、電圧10mVにて交流インピーダンス測定を行った。また、比較のため、大気暴露する前の焼結体板についても、上記同様にして測定を行った。その結果、図7に示されるイオン伝導度が測定された。図に示されるように、室温から200℃の範囲で測定温度を行い、粒内伝導度が大気暴露前よりも向上することが確認された。
例B2:固体電解質焼結体/正極複合体の作製及び評価
(1)固体電解質焼結体の作製
例B1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(2)正極活物質板の作製
正極活物質板のサイズを変えたこと以外は例A2と同様にして、LiCoOの組成を有する、10mm平方で厚さ1mmの正極活物質板を得た。
(3)正極形成
上記得られた固体電解質焼結体と、上記得られた正極活物質板をホットプレスを用いて接合した。具体的には、10mm平方に加工した厚さ1mmの固体電解質板上に、1mm平方の厚さ50μmの正極活物質板を3行3列となるように9枚配列した。この配列体の上下面を焼成冶具との癒着防止用Pt箔で挟み、焼成条件700℃で5時間、2000kgf/cmの圧力でホットプレスにより焼成して、固体電解質焼結体/正極複合体を得た。
(4)評価用電極の作製
接合した正極活物質及び固体電解質の各表面に、Ar雰囲気グローブボックス中でカーボンペースト(日本電子株式会社製、ドータイトペーストXC−12)を塗布して、イオン伝導度評価用カーボン電極を形成した。
(5)大気への暴露
こうして電極が形成された固体電解質焼結体を大気に暴露した。この暴露は常温で50時間行った。
(6)XRD評価
XRD装置(株式会社リガク製 ガイガーフレックスRAD−IB)を用い、大気暴露前後の固体電解質焼結体のXRD測定を行った。大気放置により、XRD測定結果において格子定数が拡大した。
(7)イオン伝導度の評価
大気暴露した膜を、Ar雰囲気グローブボックス中で、擬似4端子(2端子)法を用いた交流インピーダンス法でLiイオン伝導度評価した。4端子法の代わりに擬似4端子(2端子)法を用いたこと以外、評価方法の詳細は例B1と同様とした。その結果、例B1と同様に、粒内伝導度が処理前よりも向上することが分かった。
例B3:CO及びHOの共存下でエージング処理を行った例
例B1において、固体電解質焼結体の大気への暴露(すなわちエージング処理)を評価用電極の作製(すなわち接合工程)よりも前にCO及びHOが共存下で行ったこと、及び大気雰囲気(CO含有雰囲気)に曝された固体電解質の電極と接触されるべき表面をAr雰囲気グローブボックス中で1200番のSiC研磨紙を用いて削り取ったこと以外、例B1と同様にして固体電解質焼結体/正極複合体を作製した。その際、マイクロメーターを用いて研磨前後の厚みを測定したところ、固体電解質層の厚みが20μm程度減少していることを確認した。
10 固体電解質−電極複合体
12 固体電解質
13 接合界面
14 電極
15 対向電極


Claims (13)

  1. CO及びHOが実質的に共存しない雰囲気下において、少なくともLi、La、Zr及びOで構成されるガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造を有するリチウムイオン伝導性固体電解質を用意する工程と、
    前記固体電解質を、CO含有雰囲気中に曝してエージング処理することにより、COに由来するCを前記固体電解質の結晶格子内に含有させる工程と、
    前記CO含有雰囲気がHOを含有する場合には、CO含有雰囲気中に曝された前記固体電解質の表面の少なくとも一部又は全部を削り取る工程と、
    を含んでなる、リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法。
  2. 前記固体電解質が、膜状、板状又はその他のバルク状の形態を有する、請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記固体電解質の表面の少なくとも2か所が削り取られる、請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. 前記固体電解質の表面全体が削り取られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解質。
  5. 前記CO含有雰囲気が大気雰囲気である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記エージング処理が600℃以下の温度で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記エージング処理後の前記固体電解質が、前記エージング処理前の前記固体電解質と比較して、X線回折における(422)面のピークが低角側に0<2θ<1°シフトした結晶構造を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記エージング処理後の前記固体電解質が、前記エージング処理前の前記固体電解質と比較して、a軸の格子定数が0.01Å以上増大した結晶構造を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. Laに対するLiのモル比Li/Laが2.0〜2.5である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. Laに対するZrのモル比Zr/Laが0.5〜0.67である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ガーネット型又はガーネット型類似の結晶構造が、Nb及び/又はTaをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. Laに対するNb及びTaの合計量のモル比(Nb+Ta)/Laが0.03〜0.20である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記固体電解質がAl及び/又はMgをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

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