JP2014219503A - レンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法 - Google Patents

レンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なレンズ駆動性及び光学性能を有するレンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のレンズ鏡筒100は、レンズL3を保持する樹脂製の筒状の保持部材本体部143Aと、保持部材本体部143Aと同軸であって、保持部材本体部143Aの外周部に外径側に突出して設けられた少なくとも1つの金属製の円環部材143b,143cとを備える保持部材143と、金属製の筒状であり、保持部材と同軸であってその外径側に位置し、保持部材143と係合し、保持部材143を光軸OA方向に沿って移動させる駆動筒120と、を備え、円環部材143b,143cは、保持部材本体部143Aに一体に設けられた後にその外周面が切削され、保持部材本体部143Aと同軸であるものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法に関するものである。
従来、この種のレンズ鏡筒には、固定筒及びカム筒(回転筒)の少なくとも一方がプラスチック製である場合に、固定筒及びカム筒の嵌合具合が環境温度に左右されることを改善するために、プラスチック製の筒の周面に金属製のリングを固定し、回転時にリングと他方の筒の周面とを摺接させる構成としたものがある(例えば、特許文献1)。
特開2009−80439号公報
しかし、上記のような構成では、金属製のカム筒に対してプラスチック製のレンズ保持筒を用いた場合に、各部材の熱膨張係数等の差から、高温環境下や低温環境下において、レンズの駆動が重くなったり、レンズが傾いて光学性能が低下したりする等の問題が生じる。
本発明の課題は、良好なレンズ駆動性及び光学性能を有するレンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
請求項1の発明は、レンズを保持する樹脂製の筒状の保持部材本体部と、前記保持部材本体部と同軸であって、前記保持部材本体部の外周部に外径側に突出して設けられた少なくとも1つの金属製の円環部材とを備える保持部材と、金属製の筒状であり、前記保持部材と同軸であってその外径側に位置し、前記保持部材と係合し、前記保持部材を光軸方向に沿って移動させる駆動筒と、を備え、前記円環部材は、前記保持部材本体部に一体に設けられた後にその外周面が切削され、前記保持部材本体部と同軸であること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、前記円環部材は、光軸方向に沿って、前記保持部材の被写体側と像側の2箇所に設けられること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒であって、前記保持部材本体部は、前記保持部材本体部からの前記円環部材の脱落を規制する規制部を有すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、前記円環部材の外周面の表面粗さは、算術平均粗さRaが、0.2〜1.6μmを満たすこと、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒の製造方法であって、前記保持部材を賦形する成形型の内部に前記円環部材を配置し、インサート成形法により、前記保持部材に前記円環部材を一体に形成する成型工程と、前記成型工程の後に、前記円環部材の外周部を切削し、前記保持部材本体部の軸と前記円環部材の軸とを一致させる同軸化工程と、を備えるレンズ鏡筒の製造方法である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、良好なレンズ駆動性及び光学性能を有するレンズ鏡筒、撮像装置、レンズ鏡筒の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のレンズ鏡筒を備える撮像装置の概略断面図である。 3群レンズ保持筒143を説明する図である。 比較例の3群レンズ保持筒443を説明する図である。 3群レンズ保持筒143の他の例を説明する図である。 3群レンズ保持筒143の変形形態の一例を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態のレンズ鏡筒を備える撮像装置の概略断面図である。図1では、レンズ鏡筒100の光軸OA方向に平行な断面を示しており、図1において、光軸OAの上側はワイド端(一番広角側)の状態であり、下側はテレ端(一番望遠側)の状態を示している。
本実施形態では、撮像装置をカメラ1とする。カメラ1は、レンズ鏡筒100と、このレンズ鏡筒100が着脱自在なカメラボディ10とを備える。なお、カメラ1は、これに限らず、レンズ鏡筒100がカメラボディ10から着脱不可能な一体型のカメラとしてもよい。
なお、図1及び以下の各図において、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸OAを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置(以下、正位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をX軸プラス方向、正位置において上側に向かう方向をY軸プラス方向、正位置において被写体に向かう方向をZ軸プラス方向とする。
また、以下の説明では、光軸OA方向と平行な方向を「前後」とし、被写体側を「前面側」、他端の像側を「後面側」と称する。さらに、光軸OAと平行な方向の移動を「直進」、光軸OA周りの移動を「回転」と称する。
カメラボディ10は、その筐体の内部に、光学的な被写体像を電気信号に変換する機能を有する図示しない撮像素子を有するデジタル式のカメラボディである。
カメラボディ10は、装着されたレンズ鏡筒100によって結像された被写体像を撮像素子によって電気信号に変換し、画像情報として、カメラボディ10が備える図示しないメモリに記録する。
カメラボディ10は、これに限らず、撮像素子やメモリを備えず、フィルムに画像を記録するフィルム式のカメラボディとしてもよい。
レンズ鏡筒100は、結像光学系を構成する複数のレンズ群(L1〜L5)を備えるズームレンズである。レンズ鏡筒100は、光軸OA方向において後面側の端部に設けられたレンズ側マウント部150を介してカメラボディ10に装着される。
レンズ鏡筒100は、固定筒110、カム筒120、ズーム環130、レンズ群(1群レンズL1,2群レンズL2,3群レンズL3、4群レンズL4、5群レンズL5)及びこれを保持する各保持筒(1群レンズ保持筒141、2群レンズ保持筒142、3群レンズ保持筒143、4群レンズ保持筒144、5群レンズ保持筒145)等を備えている。
レンズ群は、光軸OA方向に沿って、前面側から順に、1群レンズL1,2群レンズL2,3群レンズL3,4群レンズL4,5群レンズL5の順に配置されている。
レンズ鏡筒100の焦点距離の変化(ズーミング)は、これらのレンズ群(L1〜L5)の光軸OA方向の移動によって行われる。
固定筒110は、各レンズ群の支持やこのレンズ鏡筒100の全体構造の基準となる金属製の筒体である。この固定筒110の軸は、光軸OAに平行である。固定筒110は、その周面に、光軸OA方向に沿って、直進溝111が複数形成されている。
この直進溝111には、後述する1群レンズ保持筒141の駆動ピン141a、2群レンズ保持筒142の駆動ピン142a、3群レンズ保持筒143の駆動ピン143aが挿通されている。
カム筒120は、固定筒110と同軸の筒体であり、固定筒110の内径側に配置されている。このカム筒120は、アルミニウムやマグネシウム合金等の金属製である。
また、カム筒120は、その周面に、カム溝121が複数形成されている。このカム溝121には、後述する1群レンズ保持筒141の駆動ピン141a、2群レンズ保持筒142の駆動ピン142a、3群レンズ保持筒143の駆動ピン143a、4群レンズ保持筒144の駆動ピン144aが挿通されている。
カム筒120は、固定筒110に対して、回転可能であるが、光軸OA方向への移動が不可能となるように設けられている。
ズーム環130は、固定筒110と同軸であって、固定筒110よりも外径側に設けられた筒体である。ズーム環130を回転操作することにより、不図示の伝達機構により、その回転操作がカム筒120に伝達され、固定筒110に対してカム筒120を回転させることができる。
1群レンズ保持筒141、2群レンズ保持筒142、3群レンズ保持筒143、4群レンズ保持筒144、5群レンズ保持筒145は、いずれも筒状の部材であり、その軸は、固定筒110の軸と一致している。
1群レンズ保持筒141は、固定筒110及びカム筒120よりも、外径側であって、かつ、前面側端部が、固定筒110及びカム筒120よりも前面側に位置している。1群レンズ保持筒141は、内径側に1群レンズL1を保持している。
1群レンズ保持筒141は、その内周面に複数の駆動ピン141aが内径側に突出するように形成されている。この駆動ピン141aは、固定筒110の直進溝111及びカム筒120のカム溝121に挿入されている。
2群レンズ保持筒142は、カム筒120の内径側であって、光軸OA方向において1群レンズ保持筒141よりも後面側に設けられている。2群レンズ保持筒142は、2群レンズL2を内径側に保持している。
2群レンズ保持筒142は、その外周面に複数の駆動ピン142aが外径側に突出するように形成されている。この駆動ピン142aは、固定筒110の直進溝111及びカム筒120のカム溝121に挿入されている。
また、2群レンズL2は、フォーカスレンズである。そのため、レンズ鏡筒100が備える図示しない合焦モータ等により、2群レンズ保持筒142は、光軸OA方向に沿って前後に駆動される。
3群レンズ保持筒143は、カム筒120の内径側であって、光軸OA方向において2群レンズ保持筒142よりも後面側に設けられている。この3群レンズ保持筒143は、光軸OA方向において、前面側端部の内径側に3群レンズL3を保持し、後面側端部の内径側に、5群レンズ保持筒145が取り付けられ、固定されている。
3群レンズ保持筒143は、その外周面に複数の駆動ピン143aが外径側に突出するように形成されている。駆動ピン143aは、固定筒110の直進溝111及びカム筒120のカム溝121に挿入されている。
また、3群レンズ保持筒143の周面には、溝143dが形成され、後述の4群レンズ保持筒144の駆動ピン144aが挿入可能となっている。
さらに、3群レンズ保持筒143の外周面には、光軸OA方向の前面側及び後面側に、外径方向に突出した金属製のリング143b,143cが設けられている。
3群レンズ保持筒143は、リング143b,143c以外の部分が、PC(ポリカーボネート)樹脂や、PC樹脂にガラス繊維や炭素繊維を含有させた合成樹脂(例えば、PC−GF20、PC−CF10)等の樹脂製である。理解を容易にするために、3群レンズ保持筒143において、リング143b,143c以外の樹脂製の略筒状の部分は、本体部143Aと呼ぶ(図2参照)。
この3群レンズ保持筒143及びリング143b,143cの詳細に関しては、後述する。
4群レンズ保持筒144は、3群レンズ保持筒143の内径側であって、光軸OA方向において、3群レンズL3と5群レンズ保持筒145との間に位置している。4群レンズ保持筒144は、その内径側に4群レンズL4を保持しており、4群レンズL4は、光軸OA方向において、3群レンズL3と5群レンズL5との間に位置している。
4群レンズ保持筒144は、その外周面に外径側に突出した駆動ピン144aが複数形成されている。この駆動ピン144aは、カム筒120のカム溝121及び3群レンズ保持筒143の溝143dに挿入されている。
5群レンズ保持筒145は、前述のように、3群レンズ保持筒143の内径側であって、3群レンズ保持筒143の後面側端部に固定されている。5群レンズ保持筒145は、その内径側に5群レンズを保持している。従って、3群レンズL3と5群レンズL5とは、3群レンズ保持筒143の駆動により、互いの距離を一定に保ったまま、一体となって光軸OA方向に駆動される。
使用者が、レンズ鏡筒100のズーム環130を手動で回転操作すると、その回転が、不図示の伝達機構を介してカム筒120に伝えられ、カム筒120が固定筒110に対して回転する。
そして、カム筒120が固定筒110に対して回転することにより、カム溝121及び直進溝111に駆動ピン(141a,142a,143a)が挿入されたレンズ保持筒141,142,143を光軸OA方向に沿って前後に駆動される。また、このとき、カム筒120の回転及び3群レンズ保持筒143の前後方向の移動に伴い、カム溝121及び溝143dに駆動ピン144aが挿入された4群レンズ保持筒144も、光軸OA方向に沿って前後に駆動される。
これにより、レンズ群(L1〜L5)が、光軸OA方向に沿って前後に駆動され、レンズ鏡筒100の合成焦点距離が変化する。
なお、ここでは、ズーム環130を手動で回転させることによりカム筒120を回転させ、レンズ鏡筒100のズーミング動作を行う例を挙げて説明したが、これに限らず、図示しないズームモータによってカム筒120を回転させてズーミング動作を行ってもよい。
ここで、3群レンズ保持筒143及びそのリング143b,143cについて詳細に説明する。
図2は、3群レンズ保持筒143を説明する図である。図2では、光軸OA方向に平行な3群レンズ保持筒143の断面を示している。なお、図2では、理解を容易にするために、溝143dや4群レンズ保持筒144、5群レンズ保持筒145等は省略し、光軸OAに対して上側(Y軸プラス側)のみを示している。
リング143b,143cは、アルミニウム、真鍮、SUS等の金属製の円環状の部材である。
リング143b,143cは、3群レンズ保持筒143の外周面であって、駆動ピン143aとカム筒120のカム溝121との係合を阻害しない位置に設けられている。
リング143b,143cは、その軸が、3群レンズ保持筒143の軸に一致している。
リング143b,143cは、3群レンズ保持筒143の本体部143Aの外周面に対して、その外周面が外径側に突出している。リング143bとリング143cとは、その外径が等しい。また、リング143b,143cは、常温の状態で、径方向において、その外径とカム筒120の内径との間に所定の間隙(クリアランス)を有するように設けられている。
また、図2に示すように、リング143cは、その内周面に周方向を長手方向とする凹部143eが形成されている。この凹部143eは、周方向に連続した円環状であり、3群レンズ保持筒143を形成する樹脂が充填されている。これにより、リング143cの3群レンズ保持筒143からの脱落を規制することができる。
なお、リング143bに関しても、同様の形状とし、3群レンズ保持筒143からの脱落の規制を図ってもよい。
3群レンズ保持筒143の製造方法の一例について説明する。
まず、リング143b,143cとなる円環状の部材を、プレス加工等により作製する。このとき、この円環状の部材は、後述する研磨加工の加工代を有しており、リング143b,143cとして所望する外径よりも大きな外径となっている。
この円環状の金属部材を、3群レンズ保持筒143を賦形する成形型(金型)の内部の所定の位置に配置する。そして、インサート成形により、3群レンズ保持筒143の樹脂製の本体部143Aと金属製のリング143b,143cとが一体に形成されている。
次に、成形型から3群レンズ保持筒143を離型し、3群レンズ保持筒143の軸とリング143b,143cとの軸とが同軸となるように、リング143b,143cの外周面を旋削加工等により切削する。
このとき、リング143b,143cの外周面の表面粗さである算術平均粗さRa(JIS B 0601−1994)が、Ra=0.2〜1.6μmの範囲内となるように切削する。
ここで、算術平均粗さRaを、0.2μm未満とする場合には、旋削加工等による加工では、加工工数が増えて生産コストが大きくなったり、工具摩耗が早くなったりする等の生産性を妨げるという問題点がある。
また、算術平均粗さRaが、1.6μmより大きい場合には、リング143b,143cの外径とカム筒120の内径との間隙が小さい場合に、固定筒110の内周面の微細凹凸等と、リング143b,143cの外周面の表面の微細凹凸とが噛み合い、ズーミング動作が重くなったり、ズーミングの精度が低下したり、ズーミング動作ができなくなったりするという問題がある。
従って、リング143b,143cの外周面の表面粗さは、算術平均粗さRa=0.2〜1.6μmの範囲内とすることが好ましい。
なお、リング143b,143cの同軸加工やその表面加工に関しては、旋削加工に限らず、フライス加工等、他の加工方法を用いてもよい。
所定の外径及び表面粗さにリング143b,143cを加工した後、組み立て工程を経て、レンズ鏡筒100が完成する。
ここで、リング143b,143cを備える3群レンズ保持筒143の利点について説明する。
3群レンズ保持筒143は、前述のように、カム筒120のカム溝121や固定筒110の直進溝111に挿入される駆動ピン143aに加え、4群レンズ保持筒144の駆動ピン144aが挿入される溝143dや、5群レンズ保持筒145を固定するための取り付け部の形状等を有し、その形状が複雑である。このような複雑な形状を有する3群レンズ保持筒143は、金属材料を加工しての作製が困難であったり、生産コストが増大したりすることや、レンズ鏡筒の重量化を招く。そのため、3群レンズ保持筒143は、樹脂による成型品が主に用いられている。
一方、カム筒120や固定筒110は、一般的に、強度や精度を出すために、金属製である。
図3は、比較例の3群レンズ保持筒443を説明する図である。図3では、比較例の3群レンズ保持筒443及び3群レンズL3、カム筒120の光軸OA方向に平行な断面を示し、理解を容易にするために、4群レンズ保持筒144や5群レンズ保持筒145を省略して示している。
比較例の3群レンズ保持筒443は、リング143b,143cを備えていない点以外は、本実施形態の3群レンズ保持筒143と同様の形態であり、樹脂製である。
図3(a)に示すように、比較例の3群レンズ保持筒443は、常温時には、カム筒120の内径と、3群レンズ保持筒443との間に適当な間隙があり、ズーミング動作は良好に行える。
しかし、樹脂製の3群レンズ保持筒443と、金属製のカム筒120とでは、熱膨張係数が異なる。例えば、50℃を越えるような高温環境下では、3群レンズ保持筒443及びカム筒120は、いずれも膨張するが、樹脂製の3群レンズ保持筒443の方が金属製のカム筒120よりもその膨張率が大きい。そのため、図3(b)に示すように、カム筒120の内径と3群レンズ保持筒443との間の間隙が小さくなったり、カム筒120の内周面に3群レンズ保持筒443の外周面が接触したりする。
これにより、高温環境下では、比較例の3群レンズ保持筒443の光軸OA方向への駆動が困難となり、レンズ鏡筒のズーミング動作が困難となるという問題がある。
一方、−20℃以下となるような低温環境下では、3群レンズ保持筒443及びカム筒120は、いずれも収縮するが、樹脂製の3群レンズ保持筒443の方が金属製のカム筒120よりもその収縮率が大きい。そのため、図3(c)に示すように、カム筒120の内径と3群レンズ保持筒443の外径との径方向の間隙が大きくなりすぎ、3群レンズ保持筒443が傾いてしまう。そのため、3群レンズ保持筒443の中心軸が光軸OAと角度をなし、レンズ鏡筒としての光学性能を劣化させてしまうという問題がある。
これに対して、本実施形態の3群レンズ保持筒143は、金属製のリング143b,143cを備えているので、高温環境下や低温環境下での、カム筒120とリング143b,143cとの膨張率及び収縮率の差を低減することができ、膨張収縮差を大幅に低減できる。
従って、高温環境下や低温環境下における、リング143b,143cの外径とカム筒120の内径との径方向の間隙の変動量が小さくなり、適正な間隙を維持することができる。また、常温環境下においても、カム筒120の内径と3群レンズ保持筒443の外径との径方向の間隙は適正な状態に維持される。
よって、レンズ鏡筒100及びカメラ1は、ズーミング動作の不具合を生じることなく、良好なレンズ駆動性及び光学性能を発揮できる。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)レンズ鏡筒100及びカメラ1は、高温環境下や低温環境下においても、良好なレンズ駆動性及び光学性能を発揮できる。また、これにより、ズーム操作の精度が上がり、かつ、その操作性が向上する。さらに、モータによってズーム動作を行う場合には、その消費電力を抑えることができる。
(2)3群レンズ保持筒143は、リング143b,143cを備え、それ以外の部分は樹脂成型品とすることにより、複雑な形状を有しかつ高精度の部材を安価なコストで製造することができる。
(3)3群レンズ保持筒143は、インサート成形した後に旋盤加工等を施すことにより、形成できるので、製造が容易である。
(4)リング143b,143cは、その外周面の算術平均粗さRaが、Ra=0.2〜1.6μmを満たすので、高温環境下でリング143b,143cの外径とカム筒120の内径との間隙が小さくなった場合にも、良好な駆動性を発揮でき、かつ、製造コストの増大を抑制できる。
(他の実施形態)
図4は、3群レンズ保持筒143の他の例を説明する図である。図4では、3群レンズ保持筒143の光軸OA方向の断面を示している。図4では、図2と同様に、光軸OA方向に平行な3群レンズ保持筒143の断面を示し、理解を容易にするために、溝143dや4群レンズ保持筒144、5群レンズ保持筒145等は省略し、光軸OAに対して上側(Y軸プラス側)のみを示している。
図4に示すように、リング143cに、その径方向に貫通する孔hを設けて、3群レンズ保持筒143の樹脂部分を形成する樹脂がその孔hに充填されている形態としてもよい。このような3群レンズ保持筒143は、前述のようなインサート成形等により形成可能である。
リング143cをこのような形態とすることにより、孔hに充填された樹脂が抜け止めの機能を発揮し、リング143cが容易に脱落してしまうことを抑止する効果を高めることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
(1)リング143b,143cは、3群レンズ保持筒143の本体部143Aとは別体で形成され、予め射出成形等により形成された3群レンズ保持筒の本体部143Aに嵌め込む等して3群レンズ保持筒143に一体に設けてもよい。
図5は、変形形態の3群レンズ保持筒143の一例を説明する図である。図5では、3群レンズ保持筒143の後面側端部の光軸OA方向に沿った断面の一部(Y軸プラス側)を拡大して示している。
このとき、3群レンズ保持筒143の本体部143Aとリング143cとは、例えば、本体部143Aの後面側端部に設けられた凸状の係止部143fと、リング143cの凹状の係止部143gとによるスナップフィット構造等により一体に嵌合され、リング143cの脱落が抑制される形態としてもよい。
(2)2群レンズ保持筒142にも、リング143b,143cと同様なリングを設けて、カム筒120の内径と2群レンズ保持筒142の外径との径方向の間隙を保ち、環境温度の変化によらず、良好なズーム駆動性や光学性能の向上を図ってもよい。
(3)3群レンズ保持筒143は、その光軸OA方向の寸法が短い場合等は、リング143b,143cのいずれか1つのみを3群レンズ保持筒143が備える形態としてもよい。
なお、上述の実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、10:カメラ本体部、100:レンズ鏡筒、110:固定筒、120:カム筒、130:ズーム環、141:1群レンズ保持筒、142:2群レンズ保持筒、143:3群レンズ保持筒、143b,143c:リング、144:4群レンズ保持筒、145:5群レンズ保持筒、L1:1群レンズ、L2:2群レンズ、L3:3群レンズ、L4:4群レンズ、L5:5群レンズ

Claims (5)

  1. レンズを保持する樹脂製の筒状の保持部材本体部と、前記保持部材本体部と同軸であって、前記保持部材本体部の外周部に外径側に突出して設けられた少なくとも1つの金属製の円環部材とを備える保持部材と、
    金属製の筒状であり、前記保持部材と同軸であってその外径側に位置し、前記保持部材と係合し、前記保持部材を光軸方向に沿って移動させる駆動筒と、
    を備え、
    前記円環部材は、前記保持部材本体部に一体に設けられた後にその外周面が切削され、前記保持部材本体部と同軸であること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記円環部材は、光軸方向に沿って、前記保持部材の被写体側と像側の2箇所に設けられること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記保持部材本体部は、前記保持部材本体部からの前記円環部材の脱落を規制する規制部を有すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記円環部材の外周面の表面粗さは、算術平均粗さRaが、0.2〜1.6μmを満たすこと、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒の製造方法であって、
    前記保持部材を賦形する成形型の内部に前記円環部材を配置し、インサート成形法により、前記保持部材に前記円環部材を一体に形成する成型工程と、
    前記成型工程の後に、前記円環部材の外周部を切削し、前記保持部材本体部の軸と前記円環部材の軸とを一致させる同軸化工程と、
    を備えるレンズ鏡筒の製造方法。
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