JP2009042668A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピント距離の調整工程の作業効率を向上させる。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、レンズ保持筒20を固定筒10内に配置し、固定筒10に対しカム筒30をその軸線回りに相対回転させて、保持筒20を光軸Lに沿って相対移動させることでピント調節を行うものであり、ピント距離を表示する目盛53を有する距離表示筒50を備えている。表示筒50が、カム筒30の外周面に対し、軸線方向に相対移動不能且つ軸線回りに相対回転可能に係合されているため、ピント距離調整の際に、カム筒30を相対回転して保持筒20を光軸方向に移動させ、レンズピント距離を無限遠に合わせ、この状態で、表示筒50を相対回転して目盛53のピント距離を無限遠に合わせられる。よって、カム筒30を相対回転してレンズピント位置を調整でき、目盛53のピント距離とレンズピント距離とを、鏡筒1を分解することなく互いに合致できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ピント調整機能を有するレンズ鏡筒に関する。
従来のレンズ鏡筒としては、レンズを保持するレンズ枠が固定筒内に配置され、固定筒に対しカム筒がその軸線回りに相対回転させられて、固定筒に対しレンズ枠がレンズの光軸に沿って相対移動させられることでピント調節を行なうものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなレンズ鏡筒は、ピント距離を表示する目盛が設けられた距離表示部材を備えている。
特開2000−227538号公報
ところで、上述したようなレンズ鏡筒では、例えば、フランジバック調整等のピント距離の調整を行なう工程において、距離表示部材の目盛が示すピント距離と、レンズのピント距離(実際のピント距離)と、を互いに一致させる調整が実施される。この場合、レンズ枠とレンズと間にシムを介在させたり、既に介在されたシムを薄いものに代えたりすることにより、レンズのレンズ枠に対する光軸方向位置を調整し、目盛が示すピント距離にレンズのピント距離を一致させることが一般的である。よって、レンズ鏡筒を分解してレンズ枠を取り出すことが必要となり、ピント距離の調整工程の作業効率が低下してしまう。
そこで、本発明は、ピント距離の調整工程における作業効率を向上させることができるレンズ鏡筒を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明に係るレンズ鏡筒は、レンズを保持するレンズ枠が固定筒内に配置され、固定筒に対しカム筒がその軸線回りに相対回転させられて、固定筒に対しレンズ枠がレンズの光軸に沿って相対移動させられることでピント調節を行なうレンズ鏡筒であって、ピント距離を表示する目盛が設けられた距離表示部材を備え、距離表示部材は、カム筒の外周面に対し、軸線方向に相対移動不能且つ軸線回りに相対回転可能に係合していることを特徴とする。
このレンズ鏡筒では、距離表示部材が、カム筒の外周面に対し、軸線方向に相対移動不能且つ軸線回りに相対回転可能に係合されている。よって、このレンズ鏡筒において、ピント距離の調整を行う際には、例えば、まず、カム筒を相対回転してレンズ枠を光軸方向に移動させ、レンズのピント距離を無限遠に合わせる。そして、この状態で、距離表示部材を相対回転して、目盛のピント距離を無限遠に合わせる。これにより、目盛が示すピント距離とレンズのピント距離とが、無限遠に合致することになる。つまり、ピント距離を調整するに際し、カム筒を相対回転してレンズのピント位置を調整でき、目盛が示すピント距離とレンズのピント距離とを、レンズ鏡筒を分解することなく互いに合致させることが可能となる。従って、本発明のレンズ鏡筒によれば、ピント距離の調整工程における作業効率を向上させることが可能となる。
また、距離表示部材は、周方向の一部が切り欠かれたような環状を呈し、距離表示部材において周方向一端から周方向他端までの間の周方向角度は、180°よりも大きいことが好ましい。この場合、距離表示部材がカム筒に径方向離脱不能に係合することになるため、ピント距離を調整する際に距離表示部材を好適に相対回転することができる。よって、ピント距離の調整工程における作業効率を一層向上させることが可能となる。
また、カム筒と同軸に設けられ、固定筒に対し軸線回りに相対回転可能にして固定されると共に、カム筒に対し軸線回りに相対回転可能に係合しているリング部材を備え、リング部材は、固定筒に対するカム筒の相対回転の角度範囲を制限するストッパを有し、カム筒及びリング部材には、カム筒とリング部材とを互いに同期回転可能にするための同期回転部がそれぞれ設けられていることが好ましい。
ところで、通常、ピント距離が無限遠の状態から、無限遠オーバー側でストッパが作用するまでの間にカム筒が相対回転する角度(以下、「オーバーストローク量」という)は、一定に設定される場合が多い。ここで、本発明のレンズ鏡筒では、レンズのピント距離を調整する際、同期回転部でカム筒とリング部材とを同期回転可能にしてカム筒を相対回転することにより、ピント距離に対するストッパの位置関係を一定に保ちつつカム筒が相対回転され、レンズのピント距離が調整され、そして、リング部材が固定筒に固定される。よって、オーバーストローク量を一定に保ちつつレンズのピント距離を調整することが可能となる。すなわち、カム筒を相対回転してレンズのピント位置を調整する際、ピント距離に対するストッパの位置関係が変化するのを抑制することができ、オーバーストローク量が変化するのを抑制することが可能となる。
このとき、同期回転部は、カム筒の外周面に形成された孔と、当該孔に連通可能にリング部材の外周面に形成された貫通溝又は貫通孔と、を有することが好ましい。この場合、カム筒の孔とリング部材の貫通溝又は貫通孔とを互いに連通する状態とし、これらに例えばピン等の棒状体を挿通することで、カム筒とリング部材とが互いに同期回転可能となる。
また、カム筒とリング部材との相対回転の角度に基づいて、ピント距離を電気信号として検出するエンコーダを備え、エンコーダは、リング部に設けられた基板と、カム筒に設けられ当該基板に当接する接片と、を有することが好ましい。この場合、レンズのピント距離を調整する際、上記の同期回転部によりカム筒とリング部材とを同期回転可能な状態にし、この状態でカム筒を相対回転することで、基板上の接片の位置をそのままにしてレンズのピント距離が調整されることになる。よって、ピント距離を調整するに際し、カム筒を相対回転してレンズのピント位置を調整でき、エンコーダにより検出されたピント距離とレンズのピント距離とを、レンズ鏡筒を分解することなく互いに一致させることが可能となる。
本発明によれば、ピント距離の調整工程における作業効率を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態に係るレンズ鏡筒を示す斜視図である。図1に示すように、レンズ鏡筒1は、例えばカメラの超望遠系の交換レンズとして用いられるものであり、内部に複数枚のレンズを備えている。
レンズ鏡筒1は、アクチュエータ(例えば超音波モータ等)でピント調整を行なうオートフォーカス(AF)機能と、フォーカスリング2を回転させることでピント調整を行なうマニュアルフォーカス(MF)機能と、を共に有している。さらに、レンズ鏡筒1には、ピント距離を視認可能に表示するためのピント距離表示部3が設けられている。
図2はレンズ鏡筒の要部を示す縦断面図、図3はレンズ鏡筒の要部を示す斜視図、図4はレンズ鏡筒の要部を示す分解斜視図である。図2に示すように、レンズ鏡筒1のピント距離表示部3周辺の内部には、固定筒10、レンズ保持筒(レンズ枠)20、カム筒30、エンコーダベース(リング部材)40及び距離表示筒(距離表示部材)50が設けられている。
固定筒10は、段付き円筒状に構成されており、その外形は、前側(被写体側、図において左側)に行くに従って段階的に拡径されている。具体的には、固定筒10は、後側(カメラ側、図において右側)の小径部11と、段差部12を介してこれより前側の大径部13とを備えている。
大径部13には、図4に示すように、その前端にフランジ部15が設けられている。このフランジ部15の外周面の周方向に沿う三等配の位置には、エンコーダベース40を固定するためのものとして、周方向に延在する長孔16が形成されている。大径部13の外周面において周方向に沿う三等配の位置には、レンズ保持筒20の移動をガイドするためのものとして、軸線方向に沿って延在するガイド溝18が形成されている。
また、図2に示すように、大径部13の外周面の前端部には、ローラベアリング17が取り付けられている。固定筒10の内径は、外径にならうように、前側に行くに従って段階的に拡径されている。段差部12の径方向内側の端部には、前側に突出する環状凸部14が設けられている。これにより、小径部11の内周面は、環状凸部14の突出高さに応じて、前側に拡張されている。
レンズ保持筒20は、その内周面にレンズ郡60の外周面が当接されている。また、レンズ保持筒20の後端には、径方向内側に突出する環状爪部21が形成されており、この環状爪部21とレンズ保持筒20の内周面に螺合されたレンズ押えリング22とで、レンズ郡60が軸線方向に挟持されている。これにより、レンズ保持筒20は、その軸線とレンズ郡60の光軸Lとを同軸に当該レンズ郡60を保持する。
また、図4に示すように、レンズ保持筒20の前端部には、フランジ部23が形成されている。このフランジ部23の外周面において周方向に沿う三等配の位置には、ピン24が径方向外側に突出するように設けられている。フランジ部23の後面には、固定筒10の環状凸部14との干渉を回避するためのものとして(環状凸部14の逃げとして)、後方に開口する環状凹部25が形成されている。また、レンズ保持筒20の外周面には、固定筒10に摺動可能に当接するためのものとして、環帯状の第1摺動部26及び第2摺動部27が形成されている。これらの摺動部26,27は、摩擦軽減のために鏡面状とされている。
そして、このレンズ保持筒20においては、図2に示すように、固定筒10と同軸に当該固定筒10に内挿され、第1摺動部26が固定筒10の小径部11の内周面に当接されると共に、第2摺動部27が固定筒10の大径部13の内周面に当接されている。加えて、図示されていないが、レンズ保持筒20のピン24が、固定筒10のガイド溝18に挿通されている。これにより、レンズ保持筒20は、光軸L方向に沿って摺動可能(移動可能)とされている。なお、レンズ保持筒20の前側には、レンズ郡60の遮光性を高めるため、環状の遮光移動枠28が同軸に取り付けられている。
カム筒30は、レンズ保持筒20を光軸L方向に沿って移動させるためのものである。カム筒30の内周面には、図4に示すように、螺旋状のカム溝31が形成されている。カム筒30の外周面の軸線方向中央には、距離表示筒50を装着するための環状凹部32が設けられている。このカム筒30の外周面の環状凹部32より前側には、エンコーダベース40と同期回転可能にするための孔(同期回転部)33が形成されている。
また、カム筒30は、その前側にフランジ部34を有している。このフランジ部34の外周面の前端には、径方向外側に突出する円弧状凸部35が設けられている。一方、図2に示すように、フランジ部34の内周面には、環状凹部36が形成されている。
そして、このカム筒30においては、固定筒10と同軸に当該固定筒10に外挿され、固定筒10の外周面に当接されている。これと共に、フランジ部34の環状凹部36内にローラベアリング17が収容されて嵌合されている。これにより、カム筒30は、固定筒10に対し軸線回りに相対回転可能且つ軸線方向に移動不能とされている。
加えて、カム溝31に、固定筒10のガイド溝18を挿通したピン24が摺動可能に係合されている。これにより、カム筒30を固定筒10に対して相対回転することで、カム溝31とガイド溝18とが協働し、レンズ保持筒20が光軸方向に沿って移動される。なお、カム筒30の後端面には、アクチュエータ(不図示)が接続され、これにより、カム筒30は、アクチュエータによっても相対回転可能とされている。
エンコーダベース40は、環状を呈している。このエンコーダベース40の外周面には、図4に示すように、カム筒30と同期回転可能にするためものとして、前面から後面に至る貫通溝(同期回転部)41が形成されている。また、図2に示すように、エンコーダベース40の前面の所定位置には、固定筒10に対するカム筒30の相対回転の角度範囲を制限するものとして、軸線方向に突出するストッパ43が設けられている。
そして、このエンコーダベース40においては、固定筒10と同軸に当該固定筒10に装着され、カム筒30に対し軸線回りに相対回転可能とされている。さらに、エンコーダベース40とカム筒30とを相対回転することで、カム筒30の孔33及びエンコーダベース40の貫通溝41が互いに連通するように構成されている。
加えて、エンコーダベース40は、図3に示すように、固定筒10のフランジ部15の長孔16を介して、当該固定筒10に螺子81で固定されている。つまり、エンコーダベース40は、固定筒10に対して軸線回りに相対回転可能にして固定されている。さらに、このようにエンコーダベース40が固定筒10に固定されることで、カム筒30を固定筒10に対して所定角度相対回転したときに、エンコーダベース40のストッパ43とカム筒30の円弧状凸部35の周方向端面とが周方向に係合する。つまり、カム筒30の固定筒10に対する相対回転の角度範囲が制限されている。
ここでは、カム筒30の孔33及びエンコーダベース40の貫通溝41が互いに連通する状態から、レンズ保持筒20が前側に移動する方向(レンズのピント距離を無限遠に近づける方向)にカム筒30を一定角度だけ相対回転したときに、ストッパ43が作用するように構成されている。この一定角度は、オーバーストローク量の仕様値(例えば、5°)とされている。なお、オーバーストローク量とは、温度等の周囲雰囲気によるレンズ郡60のピント距離(以下、単に「レンズピント距離」という)の変化に対応すべく設定されるものである。
距離表示筒50は、ピント距離を表示するためのものである。この距離表示筒50は、可撓性を有する材料(例えば、樹脂等)により形成されている。図5に示すように、距離表示筒50は、周方向の一部が切り欠かれたような環状(軸線方向視においてC字状)を呈している。また、距離表示筒50は、目盛部51と、当該目盛部51の前側に段差部57を介して連設され目盛部51より小径の取付部52と、を含んで構成されている。
図5は距離表示筒を示す斜視図、図6は距離表示筒を示す平面図、図7は距離表示筒を示す正面図である。目盛部51は、ピント距離表示部3(図1参照)を介して外部に露出される部分であり、この目盛部51の外周面には、ピント距離を表示する目盛53が周方向に沿って形成されている。取付部52は、カム筒30に取り付けるための部分であり、カム筒30と略等しい径とされている。この取付部52の外周面には、図6に示すように、カム筒30の外周面に相対回転可能にして固定するためのものとして、周方向に沿って延在する長孔54が形成されている。また、取付部52の外周面には、後述の調整ピン84を挿入するためのボス56が形成されている。図7に示すように、この取付部52の周方向の一端52eから他端52fまでの間の周方向角度は、180°よりも大きくなっている。
そして、この距離表示筒50においては、図2に示すように、カム筒30と同軸に当該カム筒30に外挿され、カム筒30の環状凹部32に、取付部52が嵌合するように装着されている。これにより、距離表示筒50は、カム筒30の外周面に対し、軸線方向に相対移動不能且つ軸線回りに相対回転可能に係合すると共に、カム筒30に径方向離脱不能に係合する。加えて、距離表示筒50は、取付部52の長孔54を介して、固定筒10の外周面に例えば螺子で固定されている。
ちなみに、距離表示筒50は、上記のように、可撓性を有する材料で形成され且つ周方向の一部が切り欠かれたような環状を呈していることから、取付部52の一端52eと他端52fとの隙間が拡がるように撓ませることで、カム筒50に好適に着脱可能となっている。
また、レンズ鏡筒1は、エンコーダ70を備えている。エンコーダ70は、図3に示すように、基板71と当該基板71に当接する接片72とを有している。このエンコーダ70は、基板71上の接片72の位置に応じて検出される信号パターンからピント距離を電気信号として検出する。つまり、カム筒30とエンコーダベース40との相対回転の角度に基づいてピント距離を電気信号として検出する。
基板71は、エンコーダベース40の後面において、周方向に沿う所定部分に固定されている。接片72は、図12に示すように、長孔73を有している。この接片72は、長孔73がカム筒30の周方向に沿うようにしてカム筒30の外周面に当接され、そして、長孔73を介して螺子で固定されている。
次に、レンズ鏡筒1のピント距離の調整を行なう工程の一例として、ピント距離を無限遠に調整する工程(いわゆるフランジバック調整)について説明する。
まず、エンコーダベース40に対しカム筒30を相対回転し、図8及び図9に示すように、エンコーダベース40の貫通溝41とカム筒30の孔33とが連通する状態とする。なお、カム筒30の相対回転は、フォーカスリング2を相対回転する(MF機能)ことで実現してもよいし、アクチュエータを駆動する(AF機能で)ことで実現してもよい。これについては、以下の説明において同様である。
続いて、図10に示すように、フォーカスリング2に設けられたハッチ4から、貫通溝41と孔33とに調整ピン82を挿入する。これにより、図11に示すように、エンコーダベース40とカム筒30とが、調整ピン82を介して相対回転不能に連結されることになる。すなわち、エンコーダベース40とカム筒30とは、同期回転(共回り)が可能とされる。
続いて、この調整ピン82を挿入した状態で、図12に示すように、接片72の長孔73により基板71上の接片72の周方向位置を調整し、エンコーダ70にて検出される電気信号としてのピント距離(以下、「電気信号ピント距離」という)を無限遠に合わせる。そして、この状態で、接片72をカム筒30に螺子83で固定する。このとき、孔33及び貫通溝41の連通状態(調整ピン82挿入状態)からストッパ43の作用までのカム筒30の相対回転角度がオーバーストローク量の仕様値とされているため、オーバーストローク量を仕様値に合わせた状態で電気信号ピント距離が無限遠に合うことになる。
続いて、調整ピン82を挿入した状態でカム筒30を相対回転し、エンコーダベース40を同期回転させると共にレンズ保持筒20を光軸に沿って移動させ、レンズ郡60の光軸方向の位置を調整し、レンズピント距離を無限遠に合わせる。なお、ここでの、カム筒30の相対回転は、調整ピン82を相対回転することで実現してもよい。
具体的には、図17に示すように、前方より平行光Pを入射し、例えばフィルムや撮像素子からなるピント面Sの結像状態を観察しながらカム筒30を相対回転し、結像状態の点像が最も小さくなるようにレンズ保持筒20を光軸に沿って移動させる。入射光が平行光Pであることから、このときのレンズピント距離が無限遠となる。
そして、この状態で、図13に示すように、フォーカスリング2に設けられたハッチ7からドライバ等を挿入し、エンコーダベース40を、固定筒10の長孔16を介して当該固定筒10に螺子81で固定する。このとき、カム筒30とエンコーダベース40とが同期回転されているため、オーバーストローク量が仕様値で、且つ電気信号ピント距離が無限遠に合った状態において、レンズピント距離が無限遠に合うことになる。
続いて、図14及び15に示すように、フォーカスリング2に設けられたハッチ5から、距離表示筒50におけるボス56の孔に調整ピン84を挿入する。この調整ピン84により、距離表示筒50をカム筒30に対して相対回転し、距離表示筒50の周方向位置を調整し、目盛部51の目盛53を無限遠に合わせる。
そして、図16に示すように、フォーカスリング2に設けられたハッチ6からドライバ等を挿入し、距離表示筒50をカム筒30に螺子等で固定する。これにより、オーバーストローク量が仕様値で、且つ電気信号ピント距離及びレンズピント距離が無限遠に合った状態において、目盛53が無限遠を示すことになる。つまり、オーバーストローク量を仕様値に保ちつつ、電気信号ピント距離とレンズピント距離と目盛53との何れもが無限遠に合致する。
以上、レンズ鏡筒1によれば、ピント距離を調整する際、固定筒10に対してカム筒30を相対回転してレンズピント位置を調整することができ、レンズピント距離と距離表示筒50の目盛53とを、レンズ鏡筒1を分解することなく互いに一致させることができる。従って、ピント距離の調整工程における作業効率を向上させることができる。また、ピント距離を調整する際に、レンズ鏡筒1を分解することが不要となることから、分解・組立時に塵や埃等がレンズ鏡筒1内に混入することが抑制され、レンズ鏡筒1の信頼性をも向上させることができる。
また、レンズ鏡筒1では、上述したように、距離表示筒50が、周方向の一部が切り欠かれたような環状を呈し、その周方向一端から周方向他端までの間の周方向角度が、180°よりも大きいことから、距離表示筒50をカム筒30に径方向離脱不能に係合させることができる。よって、ピント距離を調整するに際し距離表示筒50を好適に相対回転することができ、ピント距離の調整工程の作業効率を一層向上させることができる。
ここで、従来のレンズ鏡筒では、カム筒30を固定筒10に対して相対回転してレンズピント距離を調整すると、カム筒30と固定筒10に固定されたストッパ43との位置関係が変化することから、レンズピント距離に対するストッパ43の位置関係が変化してしまう。よって、オーバーストローク量が一定に保たれないおそれがある。
これに対し、レンズ鏡筒1では、上述したように、レンズピント距離を調整する際、カム筒30の孔33とエンコーダベース40の貫通溝41とに調整ピン82が挿通され、カム筒30とエンコーダベース40とが互いに同期回転可能とされている。そして、この状態において、カム筒30を相対回転することにより、ピント距離に対するストッパ43の位置関係を一定に保ちつつカム筒30が相対回転させ、レンズピント距離を調整し、その後、エンコーダベース40が固定筒10に固定している。よって、オーバーストローク量を一定に保ちつつレンズピント距離を調整することが可能となる。すなわち、カム筒30を相対回転してレンズピント位置を調整する際、ピント距離に対するストッパ43の位置関係が変化するのを抑制することができ、オーバーストローク量が変化するのを抑制することができる。
また、レンズ鏡筒1では、上述したように、エンコーダ70の基板71がエンコーダベース40に設けられ、基板71に当接する接片72がカム筒30に設けられている。よって、カム筒30を相対回転してレンズピント距離を調整する際、カム筒30の孔33とエンコーダベース40の貫通溝41とに調整ピン82を挿通し、カム筒30とエンコーダベース40とを互いに同期回転可能とすることで、基板71上の接片72の位置をそのままにしてレンズピント距離を調整することができる。その結果、ピント距離を調整するに際し、カム筒30を相対回転してレンズピント位置を調整することができ、エンコーダ70により検出された電気信号ピント距離とレンズピント距離とを、レンズ鏡筒1を分解することなく互いに一致させることができる。
ところで、一般的に、レンズ鏡筒1では、レンズ郡60の光軸方向の円滑な移動を実現するために、レンズ保持筒20と固定筒10との摺動部26,27には一定以上の面積が必要とされる。よって、最適設計とされた現状のレンズ保持筒20においては、その軸線方向における寸法を小さくすることは困難である。また、摺動部26,27が鏡面状であることから、レンズ郡60の移動時に摺動部26,27が露出すると、入射する光が摺動部26,27にて反射してしまい、撮影に悪影響が及ぶおそれがある。よって、摺動部26,27を形成可能な範囲が制限されてしまう。従って、従来、限られた空間内でレンズ郡60の光軸方向に沿った移動可能距離を増加させることは困難とされていた。
この点、レンズ鏡筒1では、上述したように、固定筒10に環状凸部14を設けて小径部11の内周面を前側に拡張することで、レンズ郡60の移動可能距離を増加している。そして、レンズ保持筒20のフランジ部23の後面に環状凹部25を形成している。よって、レンズ保持筒20の後進限時において、環状凹部25に環状凸部14が進入し、環状凹部25と環状凸部14との干渉が回避される。その結果、第2摺動部27の面積を一定以上確保しつつ、レンズ郡60の移動可能距離を増加することができるのに加え、第2摺動部27が露出するのを防止することが可能となる。
従って、限られた空間内でレンズ郡60の光軸に沿った移動可能距離を増加させることができる。特に、ピント距離を調整する工程においてカム筒30を相対回転させる場合には、レンズ郡60の移動可能距離にピント距離を調整するための領域が形成されることになり、この効果は顕著となる。なお、これらの環状凹部25と環状凸部14とは、従来のレンズ鏡筒1にも勿論適用可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンコーダベース40に貫通溝41を形成したが、貫通孔であってもよい。また、上記実施形態は、AF機能及びMF機能を共に有するが、いずれか一方の機能を有していればよい。
また、上記実施形態は、オーバーストローク量を設定すべくストッパ43を備えたが、ストッパ43を備えない場合もある。また、ピント距離を電気信号として検出すべくエンコーダ70を備えたが、エンコーダ70を備えない場合もある。
本発明の一実施形態に係るレンズ鏡筒を示す斜視図である。 レンズ鏡筒の要部を示す縦断面図である。 レンズ鏡筒の要部を示す斜視図である。 レンズ鏡筒の要部を示す分解斜視図である。 距離表示筒を示す斜視図である。 距離表示筒を示す平面図である。 距離表示筒を示す正面図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図である。 図8の状態におけるレンズ鏡筒の要部を示す図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図8の後続の図である。 図10の状態におけるレンズ鏡筒のフォーカスリング内側を示す図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図10の後続の図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図12の後続の図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図13の後続の図である。 図14の状態におけるレンズ鏡筒のフォーカスリング内側を示す図である。 レンズ鏡筒のピント距離の調整を行なう工程を説明するための図14の後続の図である。 レンズのピント距離を無限遠に合わせる工程におけるレンズ鏡筒の概略構成図である。
符号の説明
1…レンズ鏡筒、10…固定筒、20…レンズ保持筒(レンズ枠)、30…カム筒、33…孔(同期回転部)、40…エンコーダベース(リング部材)、41…貫通溝(同期回転部)、43…ストッパ、50…距離表示筒(距離表示部材)、53…目盛、60…レンズ、70…エンコーダ、71…基板、72…接片、L…レンズの光軸。

Claims (5)

  1. レンズを保持するレンズ枠が固定筒内に配置され、前記固定筒に対しカム筒がその軸線回りに相対回転させられて、前記固定筒に対し前記レンズ枠が前記レンズの光軸に沿って相対移動させられることでピント調節を行なうレンズ鏡筒であって、
    ピント距離を表示する目盛が設けられた距離表示部材を備え、
    前記距離表示部材は、前記カム筒の外周面に対し、前記軸線方向に相対移動不能且つ前記軸線回りに相対回転可能に係合していることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記距離表示部材は、周方向の一部が切り欠かれたような環状を呈し、
    前記距離表示部材において周方向一端から周方向他端までの間の周方向角度は、180°よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記カム筒と同軸に設けられ、前記固定筒に対し前記軸線回りに相対回転可能にして固定されると共に、前記カム筒に対し前記軸線回りに相対回転可能に係合しているリング部材を備え、
    前記リング部材は、前記固定筒に対する前記カム筒の相対回転の角度範囲を制限するストッパを有し、
    前記カム筒及び前記リング部材には、前記カム筒と前記リング部材とを互いに同期回転可能にするための同期回転部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記同期回転部は、前記カム筒の前記外周面に形成された孔と、当該孔に連通可能に前記リング部材の外周面に形成された貫通溝又は貫通孔と、を有することを特徴とする請求項3記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記カム筒と前記リング部材との相対回転の角度に基づいて、前記ピント距離を電気信号として検出するエンコーダを備え、
    前記エンコーダは、前記リング部に設けられた基板と、前記カム筒に設けられ当該基板に当接する接片と、を有することを特徴とする請求項3又は4記載のレンズ鏡筒。

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