JP2014218472A - オランザピン乃至その塩含有錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】オランザピンの安定性に優れたオランザピン乃至その塩含有錠剤の提供。【解決手段】オランザピン乃至その塩含有錠剤であって、結晶セルロースを含まず、硬度が20.0N以上であるオランザピン乃至その塩含有錠剤である。オランザピンに対する構造式(B)で表される化合物の割合が、0.13質量%以下である態様などが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、オランザピン乃至その塩含有錠剤に関する。
オランザピン(Olanzapine)は、下記構造式(1)で表される化合物である。前記オランザピンは、非定型抗精神病薬であり、多元受容体標的化抗精神病薬に分類され、統合失調症に対して広範な薬理作用を示し、脳内作用部位への選択性が明らかにされている(例えば、非特許文献1参照)。
前記オランザピンは、フィルムコート錠などの形態で、製品名ジプレキサ(登録商標)として販売されている。前記フィルムコート錠には、添加物として、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、ポリソルベート80、カルナバロウが含まれている。
米国薬局方(以下、「USP」と称することがある)や、欧州薬局方(以下、「EP」と称することがある)によれば、前記オランザピンの不純物として、下記構造式(A)で表される化合物(以下、「類縁物質A」と称することがある)、下記構造式(B)で表される化合物(以下、「類縁物質B」と称することがある)などのオランザピンの分解物質が知られている。
したがって、オランザピンの安定性に優れたオランザピン乃至その塩含有錠剤の開発が求められている。
高久史麿、矢崎義雄監修、「治療薬マニュアル 2007」、株式会社医学書院、2007年2月1日、p.181−182
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、オランザピンの安定性に優れたオランザピン乃至その塩含有錠剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、オランザピンと、結晶セルロースとを含む錠剤を加湿条件下で保存すると、オランザピンの分解物質の中でも前記類縁物質Bが増加することを知見した。また、オランザピン乃至その塩含有錠剤を、結晶セルロースを含まない錠剤とすることにより、前記類縁物質Bの生成が抑制されることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> オランザピン乃至その塩含有錠剤であって、結晶セルロースを含まず、硬度が20.0N以上であることを特徴とするオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
<2> オランザピンに対する下記構造式(B)で表される化合物の割合が、0.13質量%以下である前記<1>に記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
<3> 75%の相対湿度で2週間保存した後の錠剤におけるオランザピンに対する構造式(B)で表される化合物の割合が、0.13質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
<4> 保存温度が、40℃である前記<3>に記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
<5> フィルムコートされていない前記<1>から<4>のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
<6> 湿製錠である前記<1>から<5>のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、オランザピンの安定性に優れたオランザピン乃至その塩含有錠剤を提供することができる。
(オランザピン乃至その塩含有錠剤)
本発明のオランザピン乃至その塩含有錠剤は、オランザピン乃至その塩を少なくとも含み、更に必要に応じて結晶セルロース以外のその他の成分を含む。
本発明のオランザピン乃至その塩含有錠剤は、結晶セルロースを含まないが、前記結晶セルロースは、医薬品添加物であり、賦形剤、結合剤、崩壊剤などとして広く用いられているものである。
<オランザピン乃至その塩>
前記オランザピンは、下記構造式(1)で表される化合物である。前記オランザピンは、公知の方法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
前記オランザピンの塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸付加塩などが挙げられる。
前記酸付加塩の酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機酸、有機酸などが挙げられる。
前記無機酸の具体例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。
前記有機酸の具体例としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸などが挙げられる。
前記有機カルボン酸の具体例としては、グリコール酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸などが挙げられる。
前記有機スルホン酸の具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエン−p−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸などが挙げられる。
前記オランザピンの塩は、公知の方法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤における前記オランザピン乃至その塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オランザピンの量として、0.1mg〜30mgが好ましく、1.0mg〜25mgがより好ましく、1.25mg〜20mgが特に好ましい。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤の硬度としては、20.0N以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20.0N〜300.0Nが好ましく、20.0N〜250.0Nがより好ましく、30.0N〜70.0Nが特に好ましい。
前記硬度の測定方法としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択して測定することができる。前記硬度の測定装置としては、例えば、木屋式デジタル硬度計(株式会社藤原製作所製)などが挙げられる。
<<類縁物質B>>
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤における、前記オランザピンに対する下記構造式(B)で表される化合物(以下、「類縁物質B」と称することがある)の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.13質量%以下が好ましく、0.06質量%以下がより好ましく、0.04質量%以下が特に好ましい。
前記オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国薬局方(USP)に記載の方法が挙げられる。なお、前記USPに記載の方法を参考に、後述する試験例のようにして測定することもできる。
本発明のオランザピン乃至その塩含有錠剤は、結晶セルロースを含まないので、加湿条件下などで一定期間保存した後でも前記類縁物質Bの生成を抑制することができる。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤は、75%の相対湿度で2週間保存した後の錠剤におけるオランザピンに対する前記類縁物質Bの割合が、0.13質量%以下が好ましく、0.06質量%以下がより好ましく、0.04質量%以下が特に好ましい。
また、前記オランザピン乃至その塩含有錠剤は、40℃の温度、75%の相対湿度で2週間保存した後の錠剤におけるオランザピンに対する前記類縁物質Bの割合が、0.13質量%以下が好ましく、0.06質量%以下がより好ましく、0.04質量%以下が特に好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、結晶セルロースを含まず、かつ、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、矯味剤、香料などがあげられる。
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、乳糖、無水乳糖、白糖、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、部分アルファー化デンプン、酸化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ミツロウなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、サラシミツロウ、カルナウバロウ、ポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、エチルセルロース、魚鱗箔などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記懸濁化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜硫酸塩、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、白糖、ソルビトール、キシリトール、果糖ブドウ糖液糖、グリチルリチン酸二カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、普通錠、口腔内崩壊錠などが挙げられる。
前記オランザピン乃至その塩含有錠剤は、フィルムコートされていないことが好ましく、湿製錠がより好ましい。
前記錠剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、混合した原料をそのまま打錠する直接打錠法、混合した原料を顆粒としてから打錠する顆粒打錠法、混合した原料を湿潤顆粒としてから打錠する湿式打錠法などが挙げられる。
以下、本発明の一例である湿製錠の製造方法の一例を説明する。
前記湿製錠の製造方法の具体例としては、前記オランザピン乃至その塩と、前記賦形剤などとを撹拌混合した後、練合溶媒を加え練合し、得られた湿潤粉体を圧縮成型する方法が挙げられる。
前記撹拌混合の手段としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、撹拌混合機(岡田精工株式会社製、メカノミル)などが挙げられる。
前記練合溶媒は、水及び含水有機溶媒のいずれかである。前記練合溶媒は、前記結合剤を溶解させたものであってもよい。
前記含水有機溶媒における有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられる。前記含水有機溶媒における有機溶媒と水との配合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記練合溶媒の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿潤粉体は、そのまま圧縮成型してもよいし、湿式造粒して造粒物とした後に圧縮成型してもよい。
前記湿式造粒の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、円筒造粒機、ペレッターなどを使用する押出造粒法、スピードミル、パワーミルなど使用する破砕造粒法、ミニマイザー、パワーニーダー、スピードミル、マルメライザーなどを使用し、主として転動作用により造粒する転動造粒法、噴霧乾燥による流動層造粒法などが挙げられる。
前記圧縮成型する手段としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択して行うことができ、例えば、特開平8−19589号公報に記載の装置、特開平8−19588号公報に記載の装置などが挙げられる。
前記圧縮成型における圧縮時の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の試験例に制限されるものではない。
(試験例1)
下記表1に記載の処方(1錠あたり)に基づき、以下のようにして錠剤1−1〜1−2を製造した。
オランザピン(白鳥製薬株式会社製、110501R;以下、「OLA」と称することがある)と、マンニトール及びトウモロコシデンプンの混合物(ロケットジャパン株式会社製、ペアリトールフラッシュ;以下、「PF」と称することがある)と、部分アルファー化デンプン(旭化成ケミカルズ株式会社製、PCS;以下、「PCS」と称することがある)と、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、セオラスUF−711(以下、「UF−711」と称することがある);錠剤1−1では不使用)とを全量が5gとなるようにビニール袋に入れ、5分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製;以下、「St−Mg」と称することがある)を加え、更に1分間混合し、打錠用粉末とした。
前記打錠用粉末を、打錠成型装置(オートグラフ AGS−1000D、株式会社島津製作所製)を用いて7,000Nの圧力で圧縮及び成型し、1錠あたり200mgの錠剤1−1〜1−2を得た。
前記錠剤の硬度を、木屋式デジタル硬度計(株式会社藤原製作所製)により測定した。結果を表4に示した。
<評価1>
前記錠剤1−1〜1−2の安定性について、以下のようにして評価した。
前記錠剤1−1〜1−2を、40℃、相対湿度75%の遮光条件下で2週間保存した後、以下の測定方法を用いて、オランザピンの類縁物質(分解物質)である下記構造式(B)で表される化合物(以下、「類縁物質B」と称することがある)のオランザピンに対する割合(質量%)を測定した。結果を表4に示した。
−前記類縁物質Bの量の測定−
前記2週間保存した後の錠剤1−1〜1−2について、オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)を、米国薬局方(USP)の条件を参考にして、以下の方法により測定した結果から算出した。
−−標準溶液の調製−−
オランザピンの原薬10mgを精密に量り、下記希釈液を加え100mLとし、標準溶液とした。
〔希釈液〕
水とアセトニトリルを1:1で混合した溶液。
−−試料溶液の調製−−
前記2週間保存した後の各錠剤を、オランザピンの濃度が5mg/50mLとなるように、前記標準溶液の調製に記載の希釈液に溶解させたものを、HPLCに供する試料溶液とした。
−−HPLC条件−−
装置 : 日立D7000−2
検出波長 : 220nm
カラム : C8(Agilent社製、ZORBAX RX−C8;粒子径 5μm;4.6mm×25cm)
カラム温度 : 35℃
注入量 : 20μL
流速 : 1.5mL/分間
移動相A : 前記標準溶液の調製に記載の緩衝液:アセトニトリル=52:48(体積比)の溶液
移動相B : 前記標準溶液の調製に記載の緩衝液:アセトニトリル=70:30(体積比)の溶液
勾配スケジュール : 下記表2参照。
−−前記構造式(B)で表される化合物の量の算出−−
米国薬局方(USP)に記載のオランザピン類縁物質の基準値(下記表3参照)に基づき、前記HPLCの結果から、オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)を下記式から算出した。
オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)=100×(1/F)×(C/C)×(r/r
上記式中、Fは、前記類縁物質Bの相対感度係数(Relative Response Factor、以下、「RRF」と称することがある)を示し、Cは、標準溶液におけるオランザピンの濃度(mg/mL)を示し、Cは、試料溶液におけるオランザピンの濃度(mg/mL)を示し、rは、試料溶液における前記類縁物質Bのピーク面積を示し、rは、標準溶液におけるオランザピンのピーク面積を示す。
表3中、RRTは、相対保持時間(Relative Retention Time)を表し、RRFは、相対感度係数(Relative Response Factor)を表す。
表4の結果から、オランザピンと、結晶セルロースとを含む錠剤1−2では、前記類縁物質Bが増加することがわかった。一方、結晶セルロースを含まない錠剤1−1では、類縁物質Bの増加が顕著に抑えられていた。したがって、結晶セルロースを含まないことにより、高温条件下や加湿条件下で保存してもオランザピンの分解が顕著に抑えられた安定な錠剤が得られることが示された。また、前記錠剤1−1は、フィルムコートをしていない素錠であるにもかかわらず、オランザピンの安定性に優れていることが示された。
(試験例2)
下記表5に記載の処方(1錠あたり)に基づき、以下のようにして錠剤2−1を製造した。
オランザピン(白鳥製薬株式会社製、110501R;以下、「OLA」と称することがある)と、マンニトール(三菱商事フードテック株式会社製、マンニットP;以下、「マンニットP」と称することがある)とを、固形分の全量が420gとなるように前記各原料を秤量した。
前記秤量した各原料を、3Lの撹拌混合機(岡田精工株式会社製、メカノミル)に投入し、800rpmで3分間混合した。
前記混合物に、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製;以下、「PVA」と称することがある)を2.1g溶解した水−エタノール混合液(水:エタノール=75:25、質量比)を加え、3分間練合し、打錠用粉末とした。
前記打錠用粉末を、錠剤製造装置(エーザイ株式会社製、EMT−18;特開平8−19589号公報に記載の装置)を用いて約100Nの圧力で成型した後、乾燥し、1錠あたり280mg(固形分)の錠剤2−1(湿製錠)を得た。
前記錠剤2−1の硬度を、前記試験例1と同様にして測定したところ、73.5Nであった。
<評価2−1>
前記錠剤2−1を、40℃、相対湿度75%の遮光条件下で2週間保存した後、前記試験例1と同様にして、オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)を測定した。
前記測定の結果、前記類縁物質Bは、検出されなかった。
<評価2−2>
前記錠剤2−1を、25℃、相対湿度60%の遮光条件下で2週間保存した後、前記試験例1と同様にして、オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)を測定した。
前記測定の結果、前記類縁物質Bは、検出されなかった。
<評価2−3>
前記錠剤2−1を、シャーレに入れた開放条件(25℃、相対湿度60%)において、キセノンランプ(耐光試験機PTH−400NC−D、日本医化器械製作所製)を用い、照射量120万lux・hの条件下で2週間露光した後、前記試験例1と同様にして、オランザピンに対する前記類縁物質Bの割合(質量%)を測定した。
前記測定の結果、前記類縁物質Bは、検出されなかった。
前記試験例2の結果から、結晶セルロースを含まないオランザピン乃至その塩含有錠剤は、湿製錠でも、高温条件下や加湿条件下での保存の間に類縁物質Bの生成を抑制できることが示された。更に、結晶セルロースを含まないオランザピン乃至その塩含有錠剤は、光に対しても安定であることが示された。
本発明のオランザピン乃至その塩含有錠剤は、結晶セルロースを含まないため、加湿条件下や、高温条件下で保存した場合であってもオランザピンの前記類縁物質Bの生成を抑えることができ、更に光安定性にも優れるので、医薬として非常に有用である。

Claims (6)

  1. オランザピン乃至その塩含有錠剤であって、結晶セルロースを含まず、硬度が20.0N以上であることを特徴とするオランザピン乃至その塩含有錠剤。
  2. オランザピンに対する下記構造式(B)で表される化合物の割合が、0.13質量%以下である請求項1に記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤。
  3. 75%の相対湿度で2週間保存した後の錠剤におけるオランザピンに対する構造式(B)で表される化合物の割合が、0.13質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤。
  4. 保存温度が、40℃である請求項3に記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤。
  5. フィルムコートされていない請求項1から4のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤。
  6. 湿製錠である請求項1から5のいずれかに記載のオランザピン乃至その塩含有錠剤。
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