JP2014218399A - 積層ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、複数枚のガラス板が互いに離間した状態で収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記複数枚のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、上記積層体を加熱する加熱工程と、上記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、上記加熱工程の加熱温度が、上記複数枚のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、最も低い温度以上である、積層ガラスの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、積層ガラスの製造方法に関する。
従来、複数枚のガラス板を重ね合わせて積層体を形成し、形成した積層体に加熱およびプレスを施すことにより、積層ガラスを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−210592号公報
上述したような方法によって得られた積層ガラスにおいては、隣り合うガラス板どうしの間(界面)にガストラップが発生し、透過率等の光学特性が部分的に低下する場合がある。
とりわけ、積層ガラスが、スマートフォン等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして用いられる場合には、特に、問題となる。
そこで、本発明は、光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、離間させた複数枚のガラス板を、真空状態で重ね合わせて積層体を形成した後に、加熱およびプレスを施すことで、ガストラップの発生が抑制された積層ガラスが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
(1)積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、複数枚のガラス板が互いに離間した状態で収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記複数枚のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、上記積層体を加熱する加熱工程と、上記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、上記加熱工程の加熱温度が、上記複数枚のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、最も低い温度以上である、積層ガラスの製造方法。
(2)上記加熱工程の加熱温度が、上記複数枚のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、最も高い温度以下である、上記(1)に記載の積層ガラスの製造方法。
(3)上記プレス工程のプレス圧力が、0.03MPa以上である、上記(1)または(2)に記載の積層ガラスの製造方法。
(4)上記プレス工程において、上記積層体の端面を除く部分に加わるプレス圧力が均一である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(5)上記第1のガラス板および上記第2のガラス板の形状が、互いに異なる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(6)上記複数枚のガラス板が、2枚のガラス板であって、上記積層工程が、上記2枚のガラス板を重ね合わせて2層の上記積層体を形成する工程である場合において、上記2枚のガラス板の熱膨張係数差が、30×10−7/K以下である、上記(5)に記載の積層ガラスの製造方法。
(7)上記複数枚のガラス板が、3枚のガラス板であって、上記積層工程が、上記3枚のガラス板を重ね合わせて3層の上記積層体を形成する工程である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(8)内部層である上記ガラス板の熱膨張係数が、一対の表面層である上記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい、上記(7)に記載の積層ガラスの製造方法。
(9)カバーガラス用の積層ガラスを得る、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
本発明によれば、光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供することができる。
チャンバ41を模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。 形状が互いに異なる第1のガラス板11および第2のガラス板21の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。 形状が互いに異なる第1のガラス板11および第2のガラス板21の別の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。 積層強化ガラスを得る場合の一例を模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。
[積層ガラスの製造方法]
本発明の積層ガラスの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、概略的には、減圧工程と、積層工程と、加熱工程と、プレス工程と、を備える。
まず、図1に基いて、本発明の製造方法に用いられるチャンバ41の概要について説明する。
図1は、チャンバ41を模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。チャンバ41の本体は、例えば石英管などの赤外線を通す物質で構成されている。
チャンバ41には、チャンバ41内を真空状態にするための減圧手段51が接続されている。減圧手段51は、例えば、真空ポンプである。
また、チャンバ41は、一対の金型71(上型71aおよび下型71b)を備える。上型71aの上方位置には、上下動自在なスライド部72が設けられている。スライド部72は、図示しない駆動源によって駆動して、上型71aを下型71bに向けて押圧する。
さらに、チャンバ41の本体外には、例えば赤外線ランプヒータである加熱手段61が設けられている。チャンバ41の本体が赤外線を通す物質で構成されるため、加熱手段61の稼働により、チャンバ41内が加熱される。
ところで、チャンバ41内には、複数枚のガラス板である第1のガラス板11および第2のガラス板21が収容される。
ここで、第1のガラス板11および第2のガラス板21としては、例えば、両面(両方の主面)が、表面粗さSaが30Å以下の鏡面であるガラス板が挙げられる。
なお、本発明において、表面粗さSaは、JIS−B0601:2001における二次元表面粗さの算術平均粗さ(Ra)の測定方法に準じ、これを三次元に拡張したもの(三次元表面粗さ)である。
すなわち、「三次元表面粗さ」とは、JIS−B0601:2001に規定される表面粗さ、つまり(X、Z)座標を基準とする二次元表面粗さに準じ、かかる基準を(X、Y、Z)座標に拡張した値を意味する。
このような表面粗さSa、つまり、三次元表面粗さにおける算術平均粗さ(Ra)は、例えば、株式会社菱化システム製の非接触表面・層断面形状計測システムVertScan2.0を用いて測定できる。
このとき、第1のガラス板11および第2のガラス板21は、互いの片面(一方の主面)どうしを対面させつつも、互いに離間した状態でチャンバ41内に収容される。図1(a)に示す例では、第1のガラス板11および第2のガラス板21は、離間した状態で、上型71aおよび下型71bの間に配置されている。
本発明において、第1のガラス板11と第2のガラス板21とを離間させる方法としては、特に限定されず、例えば、図1(a)に示すように、第1のガラス板11と第2のガラス板21との間に、所定の厚さを有するスペーサ81を介在させる方法;スライド部72と一体になった上型71aに第1のガラス板11を静電吸着させ、この第1のガラス板11を第2のガラス板から離間させた位置で上型71aを保持する方法;スライド部72と一体になった上型71aに、後述する減圧工程での真空度よりも高い真空度で第1のガラス板11を吸引させ、この第1のガラス板11を第2のガラス板から離間させた位置で上型71aを保持する方法;スライド部72と一体になった上型71aに第1のガラス板11を物理的に固定し、この第1のガラス板11を第2のガラス板から離間させた位置で上型71aを保持する方法;上述したいずれかの手法によって、スライド部72と一体になった上型71aに第1のガラス板11を固定し、上型71aと下型71bとの間の中空位置に第2のガラス板12を物理的に固定し、第1のガラス板11を第2のガラス板から離間した位置で上型71aを保持する方法;等が挙げられる。
スペーサ81としては、例えば、後述する減圧工程での減圧によって空気等のガスが抜け、かつ、加熱によって昇華して消失するものが挙げられ、その具体例としては、樹脂系の材料からなる接着剤や両面テープ等が挙げられる。
また、スペーサ81としては、第1のガラス板11および第2のガラス板21の製品として有効な面(以下、単に「有効面」ともいう。)以外の部分に留まるものであれば、積層体31が形成された後に残存するものであってもよく、例えば、薄肉ガラス等が挙げられる。
さらに、スペーサ81は、第1のガラス板11と第2のガラス板21とを離間させた状態で保持できれば、重ね合わせ面の全面に配置されていなくてもよく、間欠的に配置されていてもよい。
以下、図面に基いて、本発明の製造方法が備える各工程を説明する。
なお、以下では、複数枚のガラス板を離間させる方法として、スペーサ81を用いる場合を例に説明する場合があるが、本発明はこれに限定されるものではなく、離間させるガラス板の枚数も2枚以上であれば特に限定されない。
〔減圧工程〕
減圧工程では、第1のガラス板11および第2のガラス板21が離間した状態で収容されたチャンバ41内を、減圧手段51を稼働させることによって減圧して、真空状態にする。
減圧工程において、チャンバ41内の真空度は、3Pa以下であり、本発明の効果がより優れるという理由から、1Pa以下が好ましく、0.5Pa以下がより好ましい。
もっとも、ある程度の真空度になれば、ガストラップを抑制する効果は飽和するため、チャンバ41内を過剰に減圧する技術的意義は薄く、かえってコスト高も懸念される。このような事情から、チャンバ41内の真空度は、1×10−7Pa以上であるのが好ましく、1×10−6Pa以上であるのがより好ましい。
〔積層工程〕
図1(b)に示すように、積層工程では、上述した減圧工程で真空状態となったチャンバ41内で、互いに離間していた第1のガラス板11と第2のガラス板21とを重ね合わせて、積層体31を形成する。
形成された積層体31においては、その界面に空気等のガスがトラップされないため、後述するようにして加熱およびプレスすることによって、界面のガストラップ発生が抑制された積層ガラスが得られる。
第1のガラス板11と第2のガラス板21とを重ね合わせる方法としては、特に限定されない。
例えば、第1のガラス板11を上型71aに静電吸着または吸引させた場合には、スライド部72を駆動して上型71aを下降させ、第1のガラス板11が第2のガラス板21に接した状態にして、静電吸着または吸引を解除することで、第1のガラス板11を第2のガラス板21に重ね合わせる方法が挙げられる。
また、加熱により昇華するスペーサ81を用いた場合には、加熱手段61を稼働させて、スペーサ81が昇華する温度以上にチャンバ41内を加熱して、スペーサ81を消失させることで、第1のガラス板11を第2のガラス板21に重ね合わせる方法が挙げられる。なお、スペーサ81が昇華する温度は、一般的に、後述する加熱工程での加熱温度よりも低いことから、積層工程を、加熱工程と併せて(同時に)行われる工程とし、加熱工程での加熱が、スペーサ81を昇華させるための加熱を兼ねるようにしてもよい。
さらに、スペーサ81として薄肉ガラスを用いた場合には、加熱手段61を稼働させてチャンバ41内を加熱し、かつ、スライド部72を駆動させて上型71aを下型71bに押し付けてプレスすることにより、薄肉ガラスを第1のガラス板11および第2のガラス板12に溶解させるか(この場合、チャンバ41内を、薄肉ガラスの軟化点以上に加熱するのが好ましい)、または、残存させたまま、第1のガラス板11を第2のガラス板21に重ね合わせる方法が挙げられる。なお、このような積層工程を、後述する加熱工程およびプレス工程と併せて(同時に)行われる工程とし、加熱工程での加熱およびプレス工程でのプレスが、それぞれ、積層工程における加熱およびプレスを兼ねるようにしてもよい。
〔加熱工程〕
加熱工程では、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内で、加熱手段61を稼働させて、積層体31を加熱する。加熱された積層体31においては、第1のガラス板11と第2のガラス板21とが融着する。
第1のガラス板11と第2のガラス板21とを融着させるという観点から、加熱工程の加熱温度は、これら複数枚のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、最も低い温度以上であり、最も高い温度以上であるのが好ましい。
また、加熱工程の加熱温度は、これら複数枚のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、最も高い方の温度以下であるのが好ましい。
なお、上記温度は、次のように求める。まず、ガラス板の徐冷点をJIS R3103−2に準拠して測定し、軟化点をJIS R3103−1に準拠して測定し、100dPa・sから10,000dPa・sの粘度となる温度を回転粘度計により測定し、徐冷点および軟化点と共にFulcher式にてフィッティングしてガラス板の粘度η(単位:dPa・s)がlogη=7.6〜12となる温度を求める。
加熱工程での加熱時間は、特に限定されないが、例えば、300〜600秒であるのが好ましい。
〔プレス工程〕
プレス工程では、駆動源(図示せず)を稼働してスライド部72を駆動させることにより、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内で、上型71aを下型71bに向けて押し付けて、積層体31をプレスする。
プレス工程のプレス圧力が高いほどガラス板どうしの接着強度は高く、具体的には、プレス圧力は、0.03MPa以上が好ましく、0.2MPa以上がより好ましい。
もっとも、プレス工程によるガラス板表面への加傷を抑制するという観点から、プレス圧力は、100MPa以下が好ましい。
なお、積層体31の端面を除く部分に加わるプレス圧力は、均一であるのが好ましい。これにより、積層体31の界面から均一に空気が抜け、得られる積層ガラスの光学特性がより優れる。
プレス工程におけるプレス時間は、特に限定されないが、例えば、10〜1,200秒であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、加熱工程およびプレス工程の順序は特に限定されず、加熱工程およびプレス工程が、併せて行われる工程であってもよい。
なお、本発明の製造方法は、上述した減圧工程の前に、複数枚のガラス板である第1のガラス板11および第2のガラス板21を洗浄する洗浄工程を備えていてもよい。
洗浄の方法としては、特に限定されず、例えば、水槽中で超音波洗浄した後に乾燥する方法;洗浄剤で洗浄した後に水洗し、乾燥する方法;等が挙げられる。
このような洗浄工程の後において、第1のガラス板11および第2のガラス板21の重ね合わせ面の接触角は、光学特性がより優れるという理由から、20°以下が好ましく、10°以下がより好ましい。
なお、接触角とは、ガラスの濡れ性を評価する指標である。一般的に、同じガラスであっても面が清浄であるほど接触角は小さいため、接触角によって間接的に清浄度を評価できる。接触角は、例えば、協和界面科学株式会社製のポータブル接触角計PCA−1を用い、θ/2法に基づく液滴法で測定できる。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、第1のガラス板11および第2のガラス板21が互いに離間した状態でチャンバ41内が減圧された後に、積層されて積層体31が形成されるため、この積層体31に加熱およびプレスを行なって得られた積層ガラスにおいては、界面でのガストラップの発生が抑制され、光学特性に優れる。
本発明の製造方法によって得られた積層ガラスは、光学特性に優れることから、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして、好適に用いられる。
このとき、透過性が優れ、カバーガラス用途により好適であるという理由から、第1のガラス板11と第2のガラス板21との屈折率差(Δn)は、0.1以下であるのが好ましく、0.05以下であるのがより好ましい。
なお、本発明において、屈折率は、d線に対する屈折率であり、株式会社島津デバイス製造社製の精密屈折計KPR−2000により測定したものである。
第1のガラス板11および第2のガラス板21は、その製造方法は特に限定されず、例えば、フュージョン法で得られたものであっても、フロート法で得られたものであってもよく、ガラス組成も特に限定されない。
また、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状(板厚等のサイズを含む)も、本明細書において特別な断りのない限り、特に限定されない。
例えば、本発明の製造方法によって得られる積層ガラスをカバーガラスとして用いる場合は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の板厚(図1中、上下方向の長さ)は、0.05〜2mmが好ましい。
次に、図2および図3に示す例に基いて、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が、互いに異なる場合について説明する。
<部分積層>
図2は、形状が互いに異なる第1のガラス板11および第2のガラス板21の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。
図2に示す例では、第2のガラス板21が単なる平板であるのに対して、第1のガラス板11の中央部分には貫通孔が形成されている。形成される積層体31全体としては、中央部分に凹部を有する形状となって、部分積層される。
このように第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる場合であっても、上述したようにプレス圧力は均一であるのが好ましい。そこで、図2に示すように、積層体31の凹部に嵌る凸部を有する形状に成形された上型71aを用いることで、積層体31の端面を除く部分に対して、均一にプレス圧力を加える。
ところで、第1のガラス板11および第2のガラス板21のガラス組成が互いに異なる場合、一般的には、両者の熱膨張係数も互いに異なる。
図2に示すように、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる場合においては、得られる積層ガラスの反りを防止するという観点から、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差は小さい方が好ましく、具体的には、30×10−7/K以下であるのが好ましく、20×10−7/K以下であるのがより好ましく、10×10−7/K以下であるのがさらに好ましい。
なお、本発明において「熱膨張係数」は、50〜350℃での線膨張係数であり、熱膨張計を用いて5℃/分の昇温速度で測定したものである(以下、同様)。
また、上述したように、積層体31を構成するガラス板の枚数(層数)も特に限定されず、例えば、後述するように3層以上であってもよい(図3参照)。
図3は、形状が互いに異なる第1のガラス板11および第2のガラス板21の別の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。
図3に示す例では、1枚の第2のガラス板21の両面上に、2枚の第1のガラス板11が積層され、3層の積層体31が形成される。このとき、第1のガラス板11および第2のガラス板21は、ともに平板形状であるが、第1のガラス板11は、端部が切り欠き成形され、第2のガラス板21よりも幅(図3中、左右方向の長さ)が短くなっている。その結果、積層体31全体としては、両面の中央部分に凸部を有する形状となっている。
このとき、図3に示すように、積層体31が両面に有する凸部が嵌る凹状に成形された上型71aおよび下型71bを用いることで、積層体31の端面を除く部分に対して、均一にプレス圧力を加えることができる。
なお、図3に示すような3層の場合には、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差が大きくても反りは生じないから、この熱膨張係数差は特に限定されない。
<積層強化>
また、3層の積層体31とする場合、本発明の製造方法によって、いわゆる「積層強化ガラス」を得ることができる。
図4は、積層強化ガラスを得る場合の一例を模式的に示す側面図であり、(a)は積層体31の形成前を示し、(b)は積層体31の形成後を示す。
図4に示すように、積層強化においては、上述した積層工程では、2枚の第1のガラス板11を、1枚の第2のガラス板21に重ね合わせて、3層の積層体31を形成する。このとき、第2のガラス板21の熱膨張係数が、第1のガラス板11の熱膨張係数よりも大きい。
その後、上述したように加熱およびプレスすることによって、表面層(第1のガラス板11)に圧縮応力が発生し、内部層(第2のガラス板21)に引張応力が発生し、機械的強度を高めた積層強化ガラスが得られる。
なお、積層強化ガラスを得る場合、内部層の板厚が、表面層の板厚よりも厚いのが好ましく、引張応力と圧縮応力とのバランスに優れるという理由から、2層の表面層の合計板厚と内部層の板厚との比(表面層の合計/内部層)が、0.05〜1.5であるのがより好ましく、0.1〜1.0であるのがさらに好ましい。
また、積層強化ガラスを得る場合、表面層の軟化点は、内部層の軟化点よりも高いのが好ましい。
さらに、内部層および表面層のガラス転移温度としては、それぞれ450℃以上であるのが好ましく、500℃以上であるのがより好ましい。
そして、表面層と内部層との熱膨張係数差は、5×10−7〜70×10−7/Kが好ましく、5×10−7〜60×10−7/Kがより好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記実施例等において使用されたガラス板の詳細は下記のとおりである。
(ガラス板A)
・組成:SiO 64.3モル%、Al 6モル%、MgO 11モル%、CaO 0.1モル%、SrO 0.06モル%、BaO 0.04モル%、NaO 12モル%、KO 4モル%、ZrO 2.5モル%
・熱膨張係数:91×10−7/K
・ガラス転移温度:620℃
・軟化点:842℃
・屈折率:1.52
・ヤング率:78GPa
・ポアソン比:0.22
・logη=11.5となる温度:672℃
・logη=7.65となる温度:840℃
・表面粗さSa:両面ともに6Å
<実施例1>
図1に基いて説明したようにして、積層体31を形成した。具体的には、まず、第1のガラス板11および第2のガラス板21としてガラス板Aを用い、ともに同じ形状とした(板厚:0.9mm)。
第1のガラス板11と第2のガラス板21とを、水槽中で超音波洗浄および乾燥した後、スペーサ81を介在させて互いに離間させ、図1に基いて説明したチャンバ41内に収容して、金型71(上型71aおよび下型71b)に挟んで配置した。このとき、スペーサ81としては、板厚0.05mmの薄肉ガラス(軟化点:937℃)を用い、第1のガラス板11と第2のガラス板21との間であって有効面以外の部分に、間欠的に配置した。
その後、減圧手段51を稼働させて、チャンバ41内を1Paの真空状態にした。
次に、真空状態にしたチャンバ41内において、駆動源(図示せず)を稼働させてスライド部72を駆動させて上型71aを下型71bに押し付けつつ、加熱手段61を稼働させて700℃までチャンバ41内を加熱し、5分間保持した後、同温度のまま、8MPaのプレス圧力で10分間プレスすることで、加熱およびプレスされた積層体31を得た。
その後、積層体31を徐冷し、チャンバ41内から取り出すことで、実施例1の積層ガラスを得た。
<比較例1>
スペーサ81を用いずに、第1のガラス板11と第2のガラス板21とを密着させた状態で、チャンバ41内に収容した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の積層ガラスを得た。
<評価>
上述した各実施例および比較例の積層ガラスについて、1サンプルずつ製造し、各サンプルの外観を目視で確認した。
その結果、実施例1では、いずれのサンプルにもガストラップは確認されず、積層ガラスの光学特性に優れることが分かった。
これに対して、比較例1では、ガストラップが確認されたことから、積層ガラスの光学特性に劣ることが分かった。
11 第1のガラス板(複数枚のガラス板)
21 第2のガラス板(複数枚のガラス板)
31 積層体
41 チャンバ
51 減圧手段
61 加熱手段
71 金型
71a 上型
71b 下型
72 スライド部
81 スペーサ

Claims (9)

  1. 積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、
    複数枚のガラス板が互いに離間した状態で収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、
    前記真空状態の前記チャンバ内で前記複数枚のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を加熱する加熱工程と、
    前記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、
    前記加熱工程の加熱温度が、前記複数枚のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、最も低い温度以上である、積層ガラスの製造方法。
  2. 前記加熱工程の加熱温度が、前記複数枚のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、最も高い温度以下である、請求項1に記載の積層ガラスの製造方法。
  3. 前記プレス工程のプレス圧力が、0.03MPa以上である、請求項1または2に記載の積層ガラスの製造方法。
  4. 前記プレス工程において、前記積層体の端面を除く部分に加わるプレス圧力が均一である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
  5. 前記第1のガラス板および前記第2のガラス板の形状が、互いに異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
  6. 前記複数枚のガラス板が、2枚のガラス板であって、前記積層工程が、前記2枚のガラス板を重ね合わせて2層の前記積層体を形成する工程である場合において、
    前記2枚のガラス板の熱膨張係数差が、30×10−7/K以下である、請求項5に記載の積層ガラスの製造方法。
  7. 前記複数枚のガラス板が、3枚のガラス板であって、
    前記積層工程が、前記3枚のガラス板を重ね合わせて3層の前記積層体を形成する工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
  8. 内部層である前記ガラス板の熱膨張係数が、一対の表面層である前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい、請求項7に記載の積層ガラスの製造方法。
  9. カバーガラス用の積層ガラスを得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
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