JP2014217604A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示による注意喚起をして従来よりも安全性の高い加熱調理器を得る。
【解決手段】開口部が形成され、鍋5を収容する本体1と、鍋5を加熱する加熱コイル9と、加熱コイル9の駆動によって本体1の内部から発生する蒸気を排出する蒸気排出口7が形成され、開口部を開閉自在に覆う蓋2と、加熱調理器の各種情報を表示し、蓋2の上面に設けられた表示手段4と、表示手段4とは別に、蓋2の上面であって蒸気排出口7の周辺に設けられたLED100,101と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理器に関する。
従来、「外蓋カバー35に設けたヒンジ受部の略反対側に位置して、当該外蓋カバー35の前方には蓋体係合部としてのクランプ44を設ける。このクランプ44は、図2にも示すように、蓋体31の内部に設けたクランプシャフト45を中心として、外蓋カバー35に対し回転自在に軸支される。なお、クランプシャフト45は、その軸が蓋体31の水平左右方向にほぼ沿って配置される。蓋体31の前方上面には、蓋開ボタン46が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン46の下側に、前記クランプ44の基端部44Aが配置される。また蓋体31の内部には、前記クランプ44の基端部44Aを蓋開ボタン46側に付勢するバネなどのクランプ付勢手段(図示せず)が設けられており、これにより蓋開ボタン46を常時上方に押し上げようとする力が作用する。」炊飯器があった(例えば、特許文献1参照)。
特許第4329127号公報([0038]、図1)
このように、特許文献1の炊飯器は、蓋体係合部としてクランプを備える。このため、容器内部に大きな圧力がかかっている間に、蓋体の開放による高温蒸気や高温液体の急激な排出を避けるために、蓋開ボタンをクランプで押せなくするようにして、蓋体の開放を規制している。
しかしながら、特許文献1においては、目立たせるような警告を表示することで、使用者が排気口に近づかないように注意を喚起することが出来ない。特に、使用者を排気口に近づけたくない運転状況(例えば排気口から蒸気が排出されるタイミング、あるいは排気口から蒸気が排出される前のタイミング)のような場合に、使用者が排気口に近づいてしまう可能性がある。このため、特許文献1では、安全性の向上の点で課題が残っている。
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、表示による注意喚起をして従来よりも安全性の高い加熱調理器を得ることを目的とする。
本発明に係る加熱調理器は、開口部が形成され、鍋を収容する本体と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の駆動によって前記本体の内部から発生する蒸気を排出する蒸気排出口が形成され、前記開口部を開閉自在に覆う蓋と、加熱調理器の各種情報を表示し、前記蓋の上面に設けられた表示手段と、前記表示手段とは別に、前記蓋の上面であって前記蒸気排出口の周辺に設けられた発光手段と、を備えたものである。
本発明によれば、表示手段とは別に、蓋の上面であって蒸気排出口の周辺に設けられた発光手段を備える。このため、使用者の身体が蒸気排出口に近づかないように使用者に注意喚起することができる。したがって、表示により注意喚起をして従来よりも安全性の高い加熱調理器を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の要部側断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の状態表である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50のLED100,101の点灯パターン表である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の要部斜視図の別の一例である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の要部側断面図である。図2は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の斜視図である。加熱調理器50は、本体1、蓋2、鍋5、制御手段16等を備える。
本体1は、例えば押しボタン式で構成される蓋開閉手段13と、操作パネル3用の基板(図示省略)とを備え、開口部が形成されている。本体1には、この開口部を開閉自在に覆う蓋2が取り付けられる。本体1の内部には、鍋5を設置する空間が形成されている。
蓋2は、蓋ヒンジ14を介して開閉自在に本体1に取り付けられる。蓋2の上面には操作パネル3が設けられている。操作パネル3は、例えば押しボタン式の入力手段29と、入力手段29によって入力された設定状態及び運転状態を表示する表示手段4と、を備える。操作パネル3の操作信号は、操作パネル3用の基板に入力され、操作パネル3用の基板に入力された信号は、制御手段16に入力される。
蓋2が本体1を覆った状態で、蓋開閉手段13のボタンが押されると、蓋2と本体1との係合関係が解除される。そして、蓋2は、蓋ヒンジ14周辺に設けられたバネ(図示省略)の復元力で開放される。蓋開閉手段13の周辺には、蓋開閉手段13の開放を規制する蓋ロック手段15(図3)が設けられている。例えば、加熱調理器50の内圧が上昇している場合には、蓋ロック手段15(図3)が、蓋2の開放を規制するため、安全性を高めることができる。蓋2には、炊飯時に発生する蒸気を放出するための蒸気カートリッジ6が設けられる。蒸気カートリッジ6に蒸気排出口7が形成されている。なお、蓋2に蒸気排出口7が形成されていてもよい。この場合には、蓋2及び蒸気カートリッジ6が、本発明の蓋に相当する。
鍋5は、その一部または全部が、磁性を有する材質で構成された、被加熱物が投入される部材であり、誘導加熱によって加熱されるようになっている。鍋5は、例えば、被加熱物が投入された状態で、本体1内部にあるコイルベース10の中に挿入されて設置され、この状態で加熱調理が開始される。コイルベース10の外側には、被加熱物を加熱する加熱手段である加熱コイル9が設置されている。インバータ(図示省略)で駆動された高周波電流を加熱コイル9に流すことで、誘導加熱されて鍋5が発熱する。また、加熱調理器50は、加熱手段である補助ヒータ12(図3)と、加熱コイル9及び補助ヒータ12に電力を供給するための電源装置27(図3)とを備える。加熱コイル9は、制御手段16によって駆動制御される。
制御手段16は、操作パネル3を介して入力される使用者からの指示、各種センサの検知情報に基づいて加熱調理器50の運転を制御するものであり、本体1の背面に設けられる基板ボックス17の内部に収納されている。また、加熱調理器50は、制御手段16、並びに鍋温度検知手段11、鍋内温度検知手段18、圧力検知手段21、計時手段26、報知音発生手段28、弁開放検知手段30及び蒸気カートリッジ温度検知手段31を備える。これらの詳細については、後述する図3を用いて説明する。
鍋5の周辺は、シール材であるパッキン8a,8bと内蓋32とによって密閉される。パッキン8a,8bは、被加熱物から発生した蒸気を逃がさないようにするための部材である。このようにパッキン8a,8bを設けることで、鍋5を加熱して被加熱物から発生する蒸気は、鍋5内部から逃げることがなくなり、鍋5内部の内圧が上昇する。鍋5内の内圧が上昇すると、被加熱物の沸騰温度が上昇するため、沸騰状態とならず、100℃以上の高温で加熱することができる。したがって、大気圧の100℃で沸騰することでは得られない食感や仕上がり等を得ることができる。鍋5内の圧力は、調圧弁19で調整されるようになっている。
調圧弁19は、蓋2に設けられた錘式のものであり、開放部にかかる内圧と錘の重量を適切に設定することで定圧化できる。調圧弁19は、鍋5の内部が一定の圧力を超えると開放され、圧力が逃がされるようになっている。このため、鍋5は、その内部が一定の圧力以上には上がらないように保持されている。
なお、調圧弁19は、制御手段16からの信号により電流を付与されるソレノイド20で強制的に開放することもできる。ソレノイド20は電流が付与されると、先端部がソレノイド20本体内部へ引き込まれる、あるいは伸びる方式となっており、電流ON、OFFを切り替えることで、調圧弁19を開閉することができる。すなわち、ソレノイド20は、鍋5から蒸気排出口7に至るまでの経路を開放又は閉鎖する。例えば、ソレノイド20の先端部が調圧弁19の錘を押すことで、調圧弁19を介して経路が開放される。また、例えば、ソレノイド20の先端部が縮むことで、調圧弁19の錘が戻って経路が閉鎖される。制御手段16は、鍋温度検知手段11及び圧力検知手段21の少なくとも何れかの検知情報に基づいて、ソレノイド20に電流を付与するか否かを決定する。なお、ソレノイド20が、本発明の開閉装置に相当する。
調圧弁19が開放されると、鍋5内部の蒸気は、蓋2の上面中央に設けられた蒸気カートリッジ6内へ噴出される。蒸気カートリッジ6は、噴出する蒸気の勢いを弱めるとともに、噴出した蒸気の一部を凝縮して復水する機能を有する。勢いが弱められた蒸気は、蒸気排出口7から本体1外へ排出される。蒸気カートリッジ6は、鍋5内の蒸気の成分により、汚れやスケールなどの付着が考えられるため、定期的に清掃するのが望ましい。
調圧弁19が詰まる、あるいは開放不能となる場合を想定し、本実施の形態1では、安全弁22を設けている。安全弁22は、鍋5内の圧力が異常に高くなることを抑制する弁である。安全弁22としては、調圧弁19が内圧により開放される圧力より高い圧力にて上昇して開放するような開放弁方式や、通常の内圧では上がりえない温度となった場合に溶解して開放するような溶解弁方式のものがある。図1には、安全弁22を開放弁方式で構成した例を示している。
復水弁23は、内蓋32に設けられ、蒸気カートリッジ6及びその周辺で凝縮した水分を、鍋5内に返す機能を有するものである。ここで、鍋5内に返される水分には、蒸気内に含まれるうまみ成分が含まれる場合がある。このため、うまみ成分を含んだ水を、復水弁23で鍋5の内部すなわち被加熱物に帰すことで、被加熱物の味を向上させることができる。蒸気カートリッジ6の近傍で且つ本体1に正対した状態において、蒸気カートリッジ6の奥側及び手前側に、それぞれLED100,101が取り付けられている。
LED100,101は、その発光面が加熱調理器50の前面側(図1の紙面右側)に向くように設置され、蒸気排出口7からの蒸気の排出状態を点灯状態で示す発光手段である。LED100は、発光部100a及び放熱部100bを備える。LED101は、発光部101a及び放熱部101bを備える。LED101は、LED100よりも加熱調理器50の前面側に設けられている。なお、蓋2を閉じた状態で、LED100,101の発光面が蒸気排出口7の開口面と同一方向を向くように設けられていてもよい。なお、上述した発光手段は、LED100,101に限定されるものではなく、有機EL素子、ハロゲンランプ等によって構成してもよい。
発光部100a,101aおよびその周辺は、略透明な高耐熱樹脂で密閉状態に構成され、温度や蒸気からの影響を受けない構造となっている。一方で、放熱部100b、101bはそれぞれ発光部100a,101aの裏側に設置され、本体1内の冷却ファン(図示省略)の冷却風による通風冷却状態や、大気に開放された放冷状態に設置する構成をとることで、十分に発光部100a,101aを冷却する効果を得られる形状で設置される。また、LED100,101の背面に、LED100,101を冷却する放熱部100b,101bが設けられ、放熱部100b,101bは、蒸気排出口7から排出される蒸気の方向とは異なる方向に設置される。このようにして、LED100,101の寿命が長く保たれ、高信頼性を維持することができる。
LED101には導光板25が設けられている。導光板25は樹脂にアルミめっき等の光を反射するコーティングが施されたものである。発光部101aから上方に照射された光は、本体1の手前側と蒸気カートリッジ6側の両方に向けて照射される。このように、一つのLED101で、使用者に見やすい手前側、及び蒸気に乱反射することで蒸気自体を確認しやすくなる効果を見込める蒸気カートリッジ6側の両方に照射することが可能となる上に、放熱部101bが高温となる蒸気カートリッジ6側に向くことがないため、冷却効率を高めることが可能となる。すなわち、LED100,101は、蓋2を閉じた状態で、LED101の発光面が蒸気排出口7から排出される蒸気の方向に指向性を持つように配置されている。
図3は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の制御ブロック図である。
制御手段16は、制御手段16に入力された情報に基づいて、表示手段4、加熱コイル9、補助ヒータ12である熱源の制御、蓋ロック手段15(安全装置)、報知音発生手段28、及びLED100,101を制御する。制御手段16は、例えば、この機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアや、マイコンやCPUなどの演算装置上で実行されるソフトウェアで構成される。
制御手段16に入力される情報としては、例えば、操作パネル3の入力手段29の入力情報、鍋温度検知手段11の検知情報、鍋内温度検知手段18の検知情報、圧力検知手段21の検知情報、計時手段26の検知情報、弁開放検知手段30の検知情報及び蒸気カートリッジ温度検知手段31の検知情報である。
鍋温度検知手段11は、例えば、本体1の底面からバネで上方に付勢され、鍋5に接触することで温度を検知するサーミスタで構成される。鍋温度検知手段11は、例えば鍋5に対する温度制御に用いられる。鍋内温度検知手段18は、鍋5内の雰囲気温度を検知するものであり、例えばサーミスタ、又は赤外線センサで構成される。鍋5内の温度は大気圧では略100℃以上に上昇しないが、内圧が高まることで100℃以上にも上昇するため、その上昇温度を検知することで内圧を推定することもできる。
圧力検知手段21は、鍋5内部の圧力を検知する検知手段であり、例えば感圧素子やひずみゲージで構成される。圧力検知手段21は、事前に設定した閾値以上の圧力を検知した際に、調圧弁19の開放や加熱のOFFなどを判断するために用いられる。上述の調圧弁19、安全弁22と相俟って、二重、三重の安全対策となる。
計時手段26は、運転状態や加熱状態の時間をカウントするものであり、例えばタイマで構成される。弁開放検知手段30は、例えば、ソレノイド20のON、OFFを検知することで、調圧弁19の開放、閉鎖を検知する検知手段である。蒸気カートリッジ温度検知手段31は、例えば蒸気カートリッジ6の温度を接触式で検知するサーミスタである。なお、必ずしも接触式であることに限定されず、非接触の赤外線センサなどであってもよい。
制御手段16は、例えば、操作パネル3にある入力手段29から入力された情報、及び電源装置27から得た電力に基づいて、加熱コイル9、補助ヒータ12などの加熱源へ電力を供給する制御を実施する。そして、制御手段16は、加熱状態に応じて運転状態を表示手段4に表示させ、加熱調理器50の状態を使用者に報知する。状態によっては、制御手段16は、報知音発生手段28を、操作指示、警報を発生するように制御する。
報知音発生手段28は、設定状態や運転状態に合わせて、使用者に機器の状態を報知する報知手段であり、例えばスピーカーで構成される。報知音発生手段28は、例えば、LED100,101の点灯状態と連動し、ブザー音、音声ガイド等を報知する。これにより、効果的に使用者に注意喚起することができ、目の不自由な人にとっても使いやすくなる。
蒸気カートリッジ6は、蒸気が排出された直後に蒸気による熱伝達を受けて、高温になる場合がある。ここで、蒸気カートリッジ6は、加熱調理器50の上面に位置しているため、使用者が触れる可能性があることが想定される。このため、蒸気カートリッジ6が高温であるとき、使用者が蒸気カートリッジ6に触れない、あるいは近寄らないように注意を促すことで安全性を向上することができる。本実施の形態1では、蒸気カートリッジ6の温度を検知する蒸気カートリッジ温度検知手段31を設け、蒸気カートリッジ6の温度を直接検知し、正確に蒸気カートリッジ6の温度情報を把握している。
そして、例えば、制御手段16は、蒸気カートリッジ温度検知手段31の検知情報に基づいて、LED100,101、及び報知音発生手段28を制御する。具体的には、制御手段16は、蒸気カートリッジ温度検知手段31の検知温度が閾値温度を超えたとき、LED100,101を発光させ、警告する音声を報知するように報知音発生手段28を制御する。これにより、加熱調理器50の安全性を高めることができる。
図4は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50の状態表である。図4は、制御手段16の状態判定結果と、状態判定結果に基づく点灯パターンを示している。図4に示されるように、状態1〜状態12の各状態に対応して、調圧弁(ソレノイド電流)、加熱時間(タイマ)、鍋内温度(温度センサ)、蒸気カートリッジ温度(温度センサ)、鍋内圧力(圧力センサ)、熱源(IHコイル電流)、状態判定、及び点灯パターンが示されている。
図4中で、「OPEN」は調圧弁19が開放されていることを意味し、「CLOSE」は調圧弁19が閉鎖されていることを意味し、「HI」は、検知手段の検知値が閾値よりも高いことを意味し、「LOW」は、検知手段の検知値が閾値よりも低いことを意味し、「ON」は加熱中であることを意味し、「OFF」は加熱停止中であることを意味し、「−」は状態参照しないことを意味する。
制御手段16は、図3で説明した各検知手段の情報に基づいて、現在の蒸気カートリッジ6(蒸気排出口7)周辺の状態を判定し、LED100,101を、判定結果に応じた点灯パターン「A」〜「H」の何れかで点灯させるように制御する。各種点灯パターンの具体的な内容については、後述する図5を用いて説明する。
状態1は、調圧弁19が開放された「OPEN」の状態であり、加熱時間が閾値を超えた「HI」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出中」あるいは「蒸気排出可能性有(内圧上昇)」と判定し、使用者に対して点灯パターン「A」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態2は、調圧弁19が開放された「OPEN」の状態であり、鍋内温度が閾値を超えた「HI」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出中」あるいは「蒸気排出可能性有(内圧上昇)」と判定し、使用者に対して点灯パターン「A」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態3は、調圧弁19が開放された「OPEN」の状態であり、鍋内圧力が閾値を超えた「HI」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出中」あるいは「蒸気排出可能性有(内圧上昇)」と判定し、使用者に対して点灯パターン「A」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
このように、状態1〜状態3において、制御手段16は、調圧弁19の開閉状態以外にそれぞれ異なる検知情報を参照し、加熱調理器50が「蒸気排出中」あるいは「蒸気排出可能性有(内圧上昇)」であると判定している。このように、複数の検知手段のうち何れかが故障を起こした場合であっても、故障した検知手段以外の検知手段を状態判定に用い、同一の状態であることを判定することができるため、蒸気カートリッジ6の状態をより正確に把握することができ、安全性を高めることができる。
状態4は、蒸気カートリッジ6の温度が「HI」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気口高温」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「B」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態5は、調圧弁19が閉じた「CLOSE」の状態であり、加熱時間が閾値を超えた「HI」の状態であり、熱源が「ON」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出直前」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「C」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態6は、調圧弁19が閉じた「CLOSE」の状態であり、鍋内温度が閾値を超えた「HI」の状態であり、熱源が「ON」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出直前」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「C」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態7は、調圧弁19が閉じた「CLOSE」の状態であり、鍋内圧力が閾値を超えた「HI」の状態であり、熱源が「ON」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気排出直前」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「C」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
このように、状態5〜状態7では、蒸気が蒸気排出口7から排出される直前の状態であることが分かる。
状態8は、調圧弁19が閉じた「CLOSE」の状態であり、鍋内圧力が閾値を超えた「HI」の状態であり、熱源が「OFF」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「圧力付与による省エネ加熱中」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「D」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
このように、状態8においては、状態1〜状態7のような注意喚起ではなく、運転状態を表示しており、調圧弁19が閉じた状態かつ鍋内部の圧力が高まっている状態であることを示している。被加熱物を加熱し、調圧弁19を密閉することで、適度の高温、高圧状態に維持したまま、熱源からのエネルギー供給はOFFとすることで余熱にて加熱を実施する省エネ加熱状態であることを表示でき、使用者に電気料金抑制や環境貢献などの達成感を与える狙いがある。
状態9は、鍋内温度が閾値以下の「LOW」の状態であり、熱源が「ON」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「機器異常1(熱源or温度センサに不具合の疑い)」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「E」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態10は、鍋内圧力が閾値以下の「LOW」の状態であり、熱源が「ON」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「機器異常2(調圧弁合orパッキンor圧力センサに不具合の疑い)」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「F」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態9、状態10はそれぞれ機器の不具合が推定される情報を示しており、加熱しているのに内圧が上がらない、加熱しているのに温度が上がらない、という状態である。このような場合においては、使用者に注意深く機器を操作するように誘導し、表示手段4及び報知音発生手段28を同時に用いて、エラーである旨を報知することが好ましい。
状態11は、蒸気カートリッジ温度が閾値以下の「LOW」の状態であり、熱源が「OFF」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「蒸気口低温(安全に蒸気口着脱可能)」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「G」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。なお、蒸気口着脱可能とは、蓋2に蒸気カートリッジ6が設けられるときには、蒸気カートリッジ6が着脱可能であることを指し、蒸気カートリッジ6が、本発明の部品に相当する。また、蒸気口着脱可能とは、蒸気カートリッジ6が設けられず、蓋2に蒸気排出口7が設けられるときには、蓋2が開閉可能であることを指し、蓋2が、本発明の部品に相当する。
状態12は、鍋内圧力が閾値以下の「LOW」の状態であり、熱源が「OFF」の状態である。このため、制御手段16は、加熱調理器50が「鍋内圧力低下(安全に蓋開閉可能)」であると判定し、使用者に対して点灯パターン「H」で注意喚起するよう、LED100,101を制御する。
状態11、状態12については、鍋内の圧力及び鍋内の温度が十分に下がっているため、制御手段16は、鍋内が安全な状態であることを示すような判定を行っている。このように、加熱調理後、調圧弁19を開放し、内圧を逃がした後、蒸気カートリッジ6の温度も十分に下がっていることを使用者に報知することができ、使用者の安心感を高めることができる。
なお、図4の状態判定の欄に示される文言が、表示手段4に表示されるようにしてもよい。このようにすれば、使用者は、表示手段4の表示内容を確認して、LED100,101の点灯状態の意味を把握することができる。
図5は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50のLED100,101の点灯パターン表である。図5に示されるように、図4で示した点灯パターン「A」〜「H」に対応して、色、点滅/点灯、点滅スピード、報知音、及び優先順位が示されている。
なお、点灯パターンの点灯色は、注意喚起の度合が強い順に「赤」、「黄」、「緑」である。
また、点灯パターンの点滅/点灯、点滅スピードは、注意喚起の度合が強い順に「速」で「点滅」、「遅」で「点滅」、「点灯」である。
また、点灯パターンの報知音は、注意喚起の度合が強い順に「ON」、「OFF」である。
また、「優先順位」は、その注意換気の度合を数値で示したものであり、数値が小さいほど、注意喚起の度合が強いことを意味している。このように優先順位を規定することで、加熱調理器50が状態1〜状態12の複数に該当するような場合であっても、制御手段16は、該当する状態に対応する、最も優先順位が高い点灯パターンで注意喚起する。このため、最も危険な状態を想定した点灯パターンによる報知が行われ、安全性を高めることができる。
例えば、点灯パターンAは、色が「赤」、点滅/点灯が「点滅」、点滅スピードが「遅」、報知音が「点灯に連動してON」、優先順位が「2」である。ここで、点灯パターンAは、上述したように、「蒸気排出中」あるいは「蒸気排出可能性有」に対応する点灯パターンである。このため、LED100,101は、注意喚起の度合いが最も強い赤色で点滅する。したがって、使用者は、蒸気排出口7付近が高温で危険であることを認識でき、使用者が高温の蒸気に近づいて火傷する危険性を低減できる。
また、例えば、点灯パターンCは、色が「赤」、点滅/点灯が「点滅」、点滅スピードが「速」、報知音が「点灯に連動してON」、優先順位が「1」である。ここで、点灯パターンCに対応する「蒸気排出直前」においては、点灯パターンAに対応する「蒸気排出中」のように、蒸気が既に排出されている状態を視覚的に把握できるような状態でない。このため、点灯パターンCの状態は、点灯パターンAの状態よりも注意することが望ましい状態である。したがって、点灯パターンAよりも点滅を速くして、使用者に対してより注意喚起するように構成している。
また、例えば、点灯パターンGは、色が「緑」、点滅/点灯が「点灯」、報知音が「OFF」、優先順位が「8」である。上述したように、点灯パターンGは、状態11、すなわち「蒸気口低温」を示す状態であり、状態1〜状態12の中で最も安全である。このため、LED100,101は、注意喚起の度合いが最も弱い緑色で点灯する。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器50は、開口部が形成され、鍋5を収容する本体1と、鍋5を加熱する加熱コイル9と、加熱コイル9の駆動によって本体1の内部から発生する蒸気を排出する蒸気排出口7が形成され、開口部を開閉自在に覆う蓋2と、加熱調理器の各種情報を表示し、蓋2の上面に設けられた表示手段4と、表示手段4とは別に、蓋2の上面であって蒸気排出口7の周辺に設けられたLED100,101と、を備えた。このため、使用者の身体が蒸気排出口7に近づかないように使用者に注意喚起することができる。したがって、表示により注意喚起をして従来よりも安全性の高い加熱調理器を得ることができる。
なお、図6に示されるように、LED101の前方に、発光時に文字を浮き上がらせて表示する文字表示部101cを設けてもよい。このようにすれば、文字で使用者に注意喚起を促すことができるため、より高温時の注意喚起に効力を発揮することとなる。
また、図6に示されるように、蒸気排出口7の両側面にLED102、103を設けてもよい。このようにして、使用者は、LEDの点灯状態を各方向から視認することができる。したがって、安全性、利便性をより高めることができる。
また、蒸気が蒸気排出口7から排出されている場合には、LED100,101の両方を点灯させることで、蒸気への注目度をより高め、蒸気が排出されていない場合には、LED100又はLED101のみを点灯させることで、過度なアイキャッチを抑制するようにしてもよい。
また、LED100,101,102,103は、上述したような、使用者に注意喚起する以外の意味合いを持たせて点灯させてもよく、例えば、加熱調理の工程、段階を示す意味合いで点灯させることもできる。例えば、点灯パターンGである場合のみ、LED100,101の点灯色を「緑」としているが、「省エネ加熱中」において、LED100,101を「緑」で点滅させて、使用者への省エネへの達成感を与えてもよい。ここで「省エネ加熱中」とは、鍋内の圧力を高めて高温状態を維持したまま、熱源への入力をなくすことで加熱状態を維持する状態である。
本発明の活用例として、業務用及び家庭用の加熱調理器、特に、鍋の内圧を高めて利用する加熱調理器の安全性向上に適用することが可能である。
1 本体、2 蓋、3 操作パネル、4 表示手段、5 鍋、6 蒸気カートリッジ、7 蒸気排出口、8a、8b パッキン、9 加熱コイル、10 コイルベース、11 鍋温度検知手段、12 補助ヒータ、13 蓋開閉手段、14 蓋ヒンジ、15 蓋ロック手段、16 制御手段、17 基板ボックス、18 鍋内温度検知手段、19 調圧弁、20 ソレノイド、21 圧力検知手段、22 安全弁、23 復水弁、25 導光板、26 計時手段、27 電源装置、28 報知音発生手段、29 入力手段、30 弁開放検知手段、31 蒸気カートリッジ温度検知手段、32 内蓋、50 加熱調理器、100,101,102,103 LED、100a,101a 発光部、100b,101b 放熱部、101c 文字表示部。

Claims (11)

  1. 開口部が形成され、鍋を収容する本体と、
    前記鍋を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の駆動によって前記本体の内部から発生する蒸気を排出する蒸気排出口が形成され、前記開口部を開閉自在に覆う蓋と、
    加熱調理器の各種情報を表示し、前記蓋の上面に設けられた表示手段と、
    前記表示手段とは別に、前記蓋の上面であって前記蒸気排出口の周辺に設けられた発光手段と、を備えた
    ことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記発光手段は、
    前記蒸気排出口から排出される蒸気の状態に応じて制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記発光手段は、
    前記蒸気排出口の温度、前記鍋の内部圧力、蒸気が排出されるタイミング、前記加熱手段の駆動状態、蒸気の排出完了に伴う部品の着脱許可、及び加熱調理器の異常の有無、の少なくともいずれか一つに応じて制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記発光手段は、
    前記蓋を閉じた状態で、該発光手段の発光面が前記本体の前面側に向くように設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記発光手段は、
    前記蓋を閉じた状態で、該発光手段の発光面が前記蒸気排出口から排出される蒸気の方向に指向性を持たせて設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱調理器。
  6. 前記発光手段の背面には、前記発光手段を放熱する放熱部が設けられ、
    前記放熱部は、前記蒸気排出口から排出される蒸気の方向とは異なる方向に設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の加熱調理器。
  7. 前記鍋の内部の温度を検知する鍋温度検知手段、及び前記鍋の内部の圧力を検知する圧力検知手段の少なくとも何れかと、
    前記鍋温度検知手段の検知情報、及び前記圧力検知手段の検知情報の少なくとも何れかに基づいて、前記鍋から前記蒸気排出口に至るまでの経路を開放又は閉鎖する開閉装置とを備えた
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の加熱調理器。
  8. 前記発光手段はLEDである
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の加熱調理器。
  9. 前記発光手段は複数設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の加熱調理器。
  10. 前記発光手段は、
    該発光手段の点灯時間、点滅間隔、色、点灯あるいは点滅させる数、及び発光方向の少なくとも何れかが変化される
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の加熱調理器。
  11. 前記発光手段の点灯状態と連動して音又は音声を報知する報知手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の加熱調理器。
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