以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業を利用者にゲームとして行わせ、撮影画像や編集済み画像を提供する代わりに利用者より代金を受け取るゲーム機である。写真シール作成装置1はゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は1人であることもあるが、主に2人または3人等の複数人である。
写真シール作成装置1が提供するゲームで遊ぶ利用者は、代金を投入し、自身が被写体となって撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した編集対象の画像に対して、背景や前景の画像となる合成用画像や手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かな画像にする。利用者は、編集済みの画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させることになる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成される。撮影ユニット11と編集部12が接した状態で設置され、編集部12と事後接客部13が接した状態で設置される。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において撮影処理が行われる。
撮影部21は撮影処理を利用者に行わせる装置である。撮影部21は、撮影空間に入り、撮影処理を行っている利用者の正面に位置する。撮影空間を正面に臨む面を構成する撮影部21の正面パネル41には、撮影処理時に利用者により用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図示せず)により構成される。
背景部22は、正面を向いて撮影処理を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Aより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Bより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52B(図示せず)から構成される。
撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Aによって、それぞれの下部が、例えば金属製の略コの字型の部材である連結部23A’によって連結される。また、撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Bによって、それぞれの下部が、例えば金属製の略コの字型の部材である連結部23B’(図示せず)によって連結される。
撮影部21の側面パネル42A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口G1となる。図示されないが、撮影部21の側面パネル42B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口G2となる。撮影空間の内部には床材27が設置される。利用者は、撮影空間に入り、床材27の上に立って撮影を行うことになる。
背景部22の上部には、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bに支持される形で背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25には、色または柄の異なる、背景に利用される巻き取り式の背景カーテンが複数収納される。背景カーテンユニット25は、撮影部21に設けられたカメラ等による撮影と連動して動作し、撮影の際に、例えば利用者により選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。
なお、背景カーテンユニット25に収納される背景カーテンとしては、複数枚のカーテンを1枚のクロマキ用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを用意してもよい。また、クロマキ用のカーテンを予め撮影空間の背面となる背面パネル51に張り付けるとともに、合成用の背景画像を複数種類用意し、撮影処理や編集処理において、利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部23A、連結部23B、および背景カーテンユニット25に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、フラッシュとして撮影に合わせて撮影空間内に向けて発光するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に、蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
編集部12は、撮影処理によって得られた画像を編集する処理である編集処理を利用者に行わせる装置である。編集部12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集部12には、編集処理時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図1に示す編集部12の構成を正面側の構成とすると、2組の利用者が同時に編集処理を行うことができるように、編集部12の正面側と背面側には編集処理に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
編集部12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、側面パネル42Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成され、編集作業に用いられる構成が斜面72に設けられる。斜面72の右側には、柱状の形状を有し、照明装置74の一端を支持する支持部73Aが設けられる。斜面72の左側にも、照明装置74の他端を支持する支持部73B(図2)が設けられる。さらに、支持部73Aの右側には、板状の形状を有し、事後接客部13が連結して設けられる支持部73Cが設けられる。また、支持部73Cの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。
編集部12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、上から見たときの形状がコの字状となるように3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端に残りの一本のレール26Cの両端が接合される。
カーテンレール26には、編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集処理を行う編集空間となる。
図2は、写真シール作成装置1を別の角度から見た斜視図である。
事後接客部13は事後接客処理を利用者に行わせる装置である。事後接客処理には、撮影画像や編集済みの画像を携帯電話機などの携帯端末に送信する処理、ミニゲームを利用者に行わせる処理、アンケートに答えさせる処理などが含まれる。
図2に示すように、事後接客部13は、所定の厚さを有する板状の筐体を有しており、編集部12の右側面に接合されて設けられる。事後接客部13の正面には、事後接客処理時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタや、撮影画像や編集済みの画像が印刷されたシール紙が排出される排出口などが設けられる。事後接客部13の正面前方の空間が、シール紙への印刷が終わるのを待っている利用者が事後接客処理を行う事後接客空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について図3を参照して説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影処理を行う。
撮影処理を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集部12の正面側の編集空間であり、編集空間A2−2は、編集部12の背面側の編集空間である。編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方の空間が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は編集処理を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集処理を行うことができる。
編集処理が終了した後、撮影画像や編集済みの画像の中から選択された画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集処理を終えた利用者は、編集空間A2−1で編集処理を行っていた場合には白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から事後接客空間A3に移動して事後接客処理を行う。また、編集処理を終えた利用者は、編集空間A2−2で編集処理を行っていた場合には白抜き矢印#6で示すように編集空間A2−2から事後接客空間A3に移動し、事後接客空間A3において事後接客処理を行う。
画像の印刷が終了したとき、利用者は、事後接客部13に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
次に、各装置の構成について説明する。
[撮影部の構成]
図4は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
正面パネル41は撮影空間A1で撮影処理を行う利用者の正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影処理を行う利用者の左側、右側に位置する。
正面パネル41の中央からやや上側には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、タッチパネルモニタ92、および正面ストロボ93から構成される。
カメラ91は、レンズやCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により構成され、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)として保存される。
カメラ91の下側に設けられたタッチパネルモニタ92は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)画像を表示し、利用者の選択操作をタッチパネルにより受け付ける機能とを備えている。タッチパネルモニタ92には、適宜、撮影結果としての静止画像や、背景等の画像が合成された後の動画像が表示される。
カメラ91の上側および左右を囲むように半円状の発光面(乳白アクリル板)が設けられた正面ストロボ93は、内蔵されたストロボがカメラ91による撮影に合わせて発光することで、被写体としての利用者の顔付近を正面から照射する。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット81の上方に右上ストロボ82および左上ストロボ83が設置される。右上ストロボ82は、内蔵されたストロボが発光することで、利用者を、利用者から見て右上前方から照射し、左上ストロボ83は、内蔵されたストロボが発光することで、利用者を、利用者から見て左上前方から照射する。
ベース部43には利用者の足元を照射する足元ストロボ84も設けられる。右上ストロボ82、左上ストロボ83、足元ストロボ84、および正面ストロボ93の内部には、ストロボの他に、蛍光灯を設けるようにし、天井ストロボユニット24の内部の蛍光灯と合わせて、撮影空間A1内の照明として用いられるようにしてもよい。
各ストロボの発光量が調整されることによって、または、発光させるストロボの数が調整されることによって、利用者に照射される光が調整される。
足元ストロボ84の右側には、利用者がお金を投入する硬貨投入返却口85が設けられる。
ベース部43の上面の左右に形成されるスペース43Aおよび43Bは、撮影処理を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。正面パネル41の例えば天井付近には、撮影処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
[背景部の構成]
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
上述したように、背面パネル51の上方には背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25のほぼ中央には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を後方中央から照射する背面中央ストロボ101が取り付けられる。
背面パネル51の、出入り口G1側の位置には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を右後方から照射する背面右ストロボ102が取り付けられる。また、背面パネル51の、出入り口G2側の位置には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を左後方から照射する背面左ストロボ103が取り付けられる。
図6は、床材27の平面図である。
板や樹脂よりなる床材27には、角丸の長方形の区画である区画27Aと区画27Bが並べて形成される。例えば区画27Aと区画27Bは、床材27にプリントされることによって、またはシートが貼り付けられることによって形成される。
図6においては、上方向が撮影部21の設置方向であり、下方向が背景部22の設置方向である。カメラ91の位置を基準とした場合、区画27Aは、カメラ91に近い位置に形成され、区画27Bは、カメラ91から遠い位置に形成される。区画27Aの短手方向の長さは、区画27Bの短手方向の長さより若干長く、区画27Aの長手方向の長さは、区画27Bの長手方向の長さより短い。区画27Aと区画27Bの長手方向は、破線で示すカメラ91の光軸Lと略垂直に交わる。
区画27Aの内側には「盛れるzone」の文字がプリントされ、区画27Bの内側には「大人数zone」の文字がプリントされる。後述するように、2人または3人で撮影することを利用者が選択した場合、区画27Aの内側に入って撮影することが写真シール作成装置1により案内され、4人で撮影することを利用者が選択した場合、区画27Bの内側に入って撮影することが写真シール作成装置1により案内される。撮影位置の案内は、タッチパネルモニタ92の表示やスピーカからの音声によって行われる。
区画27Aからカメラ91までの距離は、2人または3人の利用者が区画27A内に立って撮影したときに、利用者の顔付近が所定の大きさで写る距離とされる。同様に、区画27Bからカメラ91までの距離は、4人の利用者が区画27B内に立って撮影したときに、その利用者の顔付近が所定の大きさで写る距離とされる。
図6の例においては利用者の人数に応じた立ち位置を示す区画として2つの区画が形成されるものとしたが、3つ以上の区画が形成されるようにしてもよい。この場合、より人数の少ない利用者の立ち位置として案内する区画の方が、大人数の利用者の立ち位置として案内する区画よりカメラ91に近い位置に形成される。また、より人数の多い利用者の立ち位置として案内する区画の長手方向の長さが、小人数の利用者の立ち位置として案内する区画の長手方向の長さより長くなるように形成される。
また、大人数の場合には、利用者は、自然とカメラ91から遠い位置を立ち位置とする可能性もあるので、利用者の人数に応じた立ち位置を示す区画として、区画27Aのみが形成されるようにしてもよい。
[編集部の構成]
図7は、編集部12の背面側(編集空間A2−2側)の構成例を示す図である。
斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたは132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集対象画像として選択された撮影画像の編集に用いられる画面である編集画面が表示される。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aは一方の利用者により用いられ、タッチペン132Bは他方の利用者により用いられる。
編集部12の左側には事後接客部13が設けられる。
[事後接客部の構成]
図8は、事後接客部13の正面側の構成例を示す図である。
事後接客部13の上方中央にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161は、利用者の指等を用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ161には、事後接客処理に用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ161の下にはスピーカ162が設けられ、スピーカ162の下にはシール紙排出口163が設けられる。
スピーカ162は、事後接客処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
シール紙排出口163には、編集空間A2−1の利用者が編集処理を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙、または、編集空間A2−2の利用者が編集処理を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。編集部12の内部にはプリンタが設けられており、画像の印刷がそのプリンタにより行われる。
[写真シール作成装置の内部構成]
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図9は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209、および事後接客部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報等を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1における撮影処理を行う構成である硬貨処理部221、背景制御部222、照明装置223、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ224から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口85に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
背景制御部222は、制御部201より供給される背景制御信号に従って背景カーテンユニット25に収納されている背景カーテンの上げ下ろしを行う。背景カーテンの選択が利用者により手動で行われるようにしてもよい。
照明装置223は、撮影空間A1内の各ストロボの内部に設けられるストロボ(フラッシュ)であり、制御部201より供給される照明制御信号に従って発光する。上述したように、撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21に設けられる右上ストロボ82、左上ストロボ83、足元ストロボ84、正面ストロボ93、背景部22に設けられる背面中央ストロボ101、背面右ストロボ102、背面左ストロボ103が設けられている。すなわち、照明装置223は、複数設けられており、各ストロボにより、複数の方向から撮影空間A1内の利用者(被写体)に光を照射する。
また、複数の照明装置223はそれぞれ、制御部201による制御に従って発光量を調整したり、発光自体をオン/オフすることで、各ストロボにより被写体に照射される光の向きを変えたりする。
なお、各ストロボの内部に設けられる照明装置223は、1つに限られず、複数であってもよい。この場合、1つのストロボについて、発光させる照明装置223の数を制御することにより、そのストロボ自体の発光量を調整することができる。
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1における編集処理を行う構成として編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bも編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2における編集処理を行う。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。
事後接客部210は、事後接客空間A3における事後接客処理を行う構成であるタブレット内蔵モニタ161、スピーカ162、印刷処理を行う構成であるプリンタ241、およびシール紙ユニット242から構成される。
プリンタ241は、撮影画像、または編集処理によって得られた編集済みの画像を、プリンタ241に装着されたシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口163に排出する。
[制御部の構成]
次に、制御部201について説明する。図10は、制御部201がROM206などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
制御部201は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理や利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部301、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部302、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部303、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部304を有する。
このように、制御部201は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
[撮影処理部の構成例]
図11は、撮影処理部301の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
撮影処理部301は、表示制御部311、照明制御部312、撮影制御部313、および画像処理部314から構成される。
表示制御部311は、タッチパネルモニタ92の表示を制御する。
照明制御部312は、撮影空間A1内の各ストロボの内部に設けられる照明装置223の発光を制御することで、各ストロボの発光を制御する。
撮影制御部313は、カメラ91を制御し、照明制御部312による発光制御によって、各ストロボのうちの少なくとも1つにより光が照射されている被写体を撮影することで、撮影画像を取得する。
画像処理部314は、撮影画像に対して所定の画像処理を施す。
具体的には、画像処理部314は、撮影画像の、被写体の領域である被写体領域以外の領域である背景領域における、被写体に光が照射されることによってできる被写体の影を含む領域に対して、所定の画像処理を施す。
また、画像処理部314は、利用者によって選択された写りに応じた撮影コースに基づいて、撮影画像に対して写りに関する画像処理を施す。
[写真シール作成装置の動作]
ここで、図12のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の処理について説明する。
ステップS1において、写真シール作成装置1の撮影処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを硬貨処理部221から供給される信号に基づいて判定し、投入されたと判定するまで待機する。
ステップS1において、硬貨が投入されたと判定された場合、ステップS2において、撮影処理部301は、撮影部208を制御し、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を出力する撮影処理を行う。
ステップS3において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部208のタッチパネルモニタ92に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ224から出力させることによって行われる。
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御し、撮影画像に対して利用者に落書き編集入力を行わせ、落書き編集が施された編集済み画像を出力する編集処理を行う。
ステップS5において、編集処理部302は、編集空間A2−1または編集空間A2−2で編集処理を終えた利用者に対して事後接客空間A3への移動を案内する。事後接客空間A3への移動の案内は、タブレット内蔵モニタ131に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
ステップS6において、印刷処理部303は、利用者により選択された撮影画像または編集済み画像を、印刷画像としてプリンタ241に出力してシール紙に印刷する印刷処理を行う(開始する)。
また、タブレット内蔵モニタ161に表示される、事後接客処理の開始ボタンが選択されると、ステップS7において、事後接客処理部304は、印刷終了待機中の利用者に対する事後接客処理を行う。具体的には、事後接客処理部304は、送信処理手段として、撮影画像や編集済みの画像を、携帯送信用画像として携帯端末に送信する携帯送信ゲーム処理を事後接客処理として行う。
印刷が終了すると、ステップS8において、事後接客処理部304は、印刷が終了した旨をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口163に排出し、処理を終了させる。
[撮影処理の例]
次に、図13のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS2の撮影処理の流れを説明する。
まず、ステップS11において、表示制御部311は、写り選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。写り選択画面は、撮影画像における被写体の写りに応じた撮影コースの選択に用いられる画面である。
撮影画像における被写体の「写り」は、撮影画像に対して施される画像処理によって、彩度、明度、シャープネス、コントラスト等が設定されることによって決まる。写りとしては、例えば、かわいい写りやきれいな写りがあり、かわいい写りであればシャープネスを抑えてぼかしを強調する画像処理が、きれいな写りであれば彩度の色味を(かわいい写りで施される彩度より)赤系統にするとともに、ぼかしを抑えてシャープネスを強調する画像処理が、撮影画像に対して施される。また、撮影画像における被写体の「写り」は、上述した画像処理の他、各ストロボによる発光が制御されることによっても決まる。
図14は、写り選択画面の例を示す図である。
写り選択画面の中央上方には「今日はどっちの写りで撮影する?」のメッセージが、その下方には「好きな写りに合わせて選んでね!」のメッセージが表示される。
これらのメッセージの下方左側には、かわいい写りに応じた撮影コースである「cuteコース」を選択するときに操作(選択)されるサンプル画像341aを含むcuteコース選択部341が表示される。このサンプル画像は、cuteコースで撮影を行ったときに得られる画像のサンプルである。
また、上述したメッセージの下方右側には、きれいな写りに応じた撮影コースである「coolコース」を選択するときに操作(選択)されるサンプル画像342aを含むcoolコース選択部342が表示される。このサンプル画像は、coolコースで撮影を行ったときに得られる画像のサンプルである。
サンプル画像341a,342aが表示されることにより、利用者はそれぞれの撮影コースによって得られる画像の写りを確認することができる。
写り選択画面において、利用者によって、写りに応じた撮影コースのいずれかが選択されると、ステップS12において、表示制御部311は、人数選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。人数選択画面は、利用者の人数に応じた撮影コースの選択に用いられる画面である。
図15は、人数選択画面の例を示す図である。
人数選択画面の中央上方には「撮りたいコースを選んでね」のメッセージが表示され、メッセージの下方左側には、2人用コースを選択するときに操作(選択)されるサンプル画像401が表示される。サンプル画像401は、2人用コースで撮影を行ったときに得られる画像のサンプルである。
サンプル画像401の右側には、3人用コースを選択するときに操作されるサンプル画像402と、4人用コースを選択するときに操作されるサンプル画像403が、縦に並べて表示される。サンプル画像402は3人用コースで撮影を行ったときに得られる画像のサンプルであり、サンプル画像403は4人用コースで撮影を行ったときに得られる画像のサンプルである。
サンプル画像401乃至403が表示されることにより、利用者はそれぞれの撮影コースによって得られる画像の画角を確認することができる。図15に示されるように、少人数の撮影コースを選択したときに得られる画像より、大人数の撮影コースを選択したときに得られる画像の方が、垂直方向の長さに対する水平方向の長さが長くなる。
なお、利用者の人数が5人以上である場合には、利用者は、4人用コースを選択して撮影を行うことが行うことが好ましい。もちろん、3人用コースを選択して撮影を行うことも可能である。
以下においては、主に、2人用コースが選択された場合の処理について説明する。
ステップS13において、表示制御部311は、図16に示されるように、立ち位置の案内画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
具体的には、表示制御部311は、2人用コースまたは3人用コースが選択された場合、図16Aに示される、区画27Aの内側に立つことを案内する画面を表示させる。また、表示制御部311は、4人用コースで撮影することが選択された場合、図16Bに示される、区画27Bの内側に立つことを案内する画面を表示させる。
なお、画面表示によって案内するだけに限らず、撮影部208内のスピーカ(図示せず)から出力する音声によって案内したり、区画27A、区画27Bに発光体としてLEDを埋め込み、画面表示に対応する区画を光らせて案内したりするようにしてもよい。
特に、区画27Aのみが形成され、区画27Bが形成されていない場合には、スピーカからの音声によって、利用者に対して、カメラ91から遠い位置に立つことを案内するようにする。
このように、誘導する前後方向の立ち位置を利用者の人数に応じて切り替えることにより、最適な大きさで利用者の顔が写る画像を撮影することが可能になる。
ステップS14において、照明制御部312は、ステップS11で利用者によって選択された写りに応じて、照明装置223を制御する。
具体的には、写りに応じた撮影コースとして「cuteコース」が選択された場合、照明制御部312は、図17Aに示されるように、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、右上ストロボ82による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する。これにより、利用者には、利用者の右上前方から、特に強い光が照射され、背面パネル51における利用者の左側後方に、利用者の影ができるようになる。なお、この場合、右上ストロボ82のみを発光させるように、照明装置223を制御するようにしてもよい。
また、写りに応じた撮影コースとして「coolコース」が選択された場合、照明制御部312は、図17Bに示されるように、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、正面ストロボ93による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する。これにより、利用者には、利用者の正面から、特に強い光が照射され、背面パネル51における利用者の後方全体に、利用者の影ができるようになる。なお、この場合、正面ストロボ93のみを発光させるように、照明装置223を制御するようにしてもよい。
ステップS15において、撮影制御部313は、カメラ91を制御し、画像の取り込みを開始させ、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)をタッチパネルモニタ92に表示させる(ライブビュー表示を行う)。
ステップS16において、表示制御部311は、タッチパネルモニタ92にカウントダウンインジケータを表示し、撮影タイミングを利用者に通知する。
撮影タイミングになったとき、ステップS17において、撮影制御部313は、カメラ91を制御して撮影を行い、静止画像である撮影画像を取得する。
写りに応じた撮影コースとして「cuteコース」が選択された場合、図18Aに示される撮影画像411が取得される。
図18Aに示される撮影画像411においては、2人の利用者が被写体421,422として写っている。「cuteコース」が選択された場合、上述したように、利用者の右上前方から特に強い光が照射されるので、撮影画像411の背景領域423においては、被写体421,422の右側(被写体から見ると左側)の領域に影ができている。このように、被写体の片側に影ができることで、撮影画像411は、「cuteコース」に対応する写りに適した、ふんわりしたイメージが強調された撮影画像となる。
なお、図18Aの撮影画像411においては、背景領域423における被写体421,422の右側の領域に影ができるものとしたが、照明制御部312による照明装置223の発光制御により、利用者の左上前方から特に強い光が照射されるようにし、撮影画像411の背景領域423においては、被写体421,422の左側(被写体から見ると右側)の領域に影ができるようにしてもよい。
一方、写りに応じた撮影コースとして「coolコース」が選択された場合、図18Bに示される撮影画像411が取得される。
図18Bに示される撮影画像411においては、2人の利用者が被写体421,422として写っている。「coolコース」が選択された場合、上述したように、利用者の正面から特に強い光が照射されるので、撮影画像411の背景領域423においては、被写体421,422の周囲全体の領域に影ができている。このように、被写体の周囲全体に影ができることで、撮影画像411は、「coolコース」に対応する写りに適した、くっきりしたイメージが強調された撮影画像となる。
図13のフローチャートに戻り、ステップS18において、画像処理部314は、撮影画像に対して、撮影画像における被写体の立体感を強調する画像処理(立体感強調処理)を施す。立体感強調処理の詳細については後述する。
また、画像処理部314は、撮影画像に対して立体感強調処理を施した後、利用者によって選択された写りに応じた画像処理を施す。
ステップS19において、表示制御部311は、上述した画像処理が施された撮影画像を、撮影結果として撮影画面に表示する。
その後、ステップS20において、撮影処理部301は、撮影を所定回数繰り返し行ったか否かを判定する。ステップS20において撮影を所定回数行っていないと判定された場合、処理はステップS15に戻り、上述の処理を繰り返し行う。具体的には、2人用コースの場合、6回の撮影が行われるまで、上述の処理が繰り返される。
なお、3人用コースの場合には、6回の撮影が行われるまで、4人用コースの場合には、4回の撮影が行われるまで、上述の処理が繰り返される。
ステップS21において、撮影処理部301は、得られた6枚の撮影画像を撮影結果として記憶部202に保存(記憶)させる。その後、図11のステップS2に戻り、それ以降の処理が行われる。
[立体感強調処理の例]
ここで、図19のフローチャートを参照して、上述した撮影処理におけるステップS18の立体感強調処理について説明する。
図19の立体感強調処理では、ステップS31において、画像処理部314は、撮影画像の背景領域に対してぼかし処理を施し、処理は図13のステップS18に戻る。
例えば、画像処理部314は、図20に示される撮影画像411の背景領域423全体に対して、ぼかし処理を施す。具体的には、画像処理部314は、撮影画像411から背景領域423を抽出し、その抽出された背景領域423に対してのみ、例えば、ローパスフィルタ(Low Pass Filter)を用いて、ぼかし処理を施す。
また、利用者によって選択された写りに応じて、ぼかし処理を施す領域が変更されるようにしてもよい。
具体的には、「cuteコース」が選択された場合に得られる撮影画像411に対しては、図21Aに示されるように、背景領域423における被写体421,422の右側の領域にできた影それぞれを含む領域511a,511bに対して、ぼかし処理が施されるようにする。この場合、背景領域423において、被写体421,422の影ができていない側(この場合、被写体421,422の左側)に対して、シャープネスを上げる等して、その領域をはっきりさせる画像処理を施すようにしてもよい。
図21Aにおいては、ぼかし処理の対象となる領域511a,511bに、被写体421,422の影の領域とその近傍の背景領域が含まれるようにしたが、領域511a,511bを、被写体421,422の影のみの領域としてもよいし、被写体421,422の影を含まない、その影の近傍の背景領域のみとしてもよい。
また、「coolコース」が選択された場合に得られる撮影画像411に対しては、図21Bに示されるように、背景領域423における被写体421,422の周囲全体の領域にできた影を含む領域512に対して、ぼかし処理が施されるようにする。
図21Bにおいても、ぼかし処理の対象となる領域512に、被写体421,422の影の領域とその近傍の背景領域が含まれるようにしたが、領域512を、被写体421,422の影のみの領域としてもよいし、被写体421,422の影を含まない、その影の近傍の背景領域のみとしてもよい。
また例えば、被写体が2人である場合、背景領域における被写体同士の間の領域には影ができやすい。そこで、図22に示されるように、撮影画像411の背景領域423における、被写体421,422同士の間を含む領域513に対して、ぼかし処理が施されるようにしてもよい。
図22においても、ぼかし処理の対象となる領域513に、被写体421,422の影の領域とその近傍の背景領域が含まれるようにしたが、領域513を、被写体421,422の影のみの領域としてもよいし、被写体421,422の影を含まない、その影の近傍の背景領域のみとしてもよい。
さらには、図23に示されるように、背景領域423における被写体421,422の周囲全体の領域を含む領域512に対して、ぼかし処理が施される上に、被写体421,422同士の間を含む領域513に対して、さらに強いぼかし処理が施されるようにしてもよい。
また、図示はしないが、図21Aを参照して説明した、背景領域423における被写体421,422の右側の領域を含む領域511a,511bに対して、ぼかし処理が施される上に、被写体421,422同士の間を含む領域513に対して、さらに強いぼかし処理が施されるようにしてもよい。
以上の処理によれば、背景領域における被写体の影を含む領域に対して、ぼかし処理が施されるので、撮影画像においては、はっきりと写った被写体と、ぼかされた影を含む背景との間に奥行き感が生まれ、より立体的な仕上がりの画像を得ることが可能となる。
なお、カメラ91はオートフォーカス機能を備えており、撮影画像において、利用者の立ち位置等によって被写体がピンぼけすることはないので、被写体ははっきりと写る。
また、図13のフローチャートを参照して説明した撮影処理において、撮影画像に対して、文字や図柄等を含む背景画像が合成される場合、この文字や図柄に対しても、ぼかし処理が施されるものとする。
[立体感強調処理の他の例]
次に、図24のフローチャートを参照して、立体感強調処理の他の例について説明する。
図24の立体感強調処理では、ステップS41において、画像処理部314は、撮影画像の背景領域に対してグラデーション処理を施し、処理は図13のステップS18に戻る。
例えば、画像処理部314は、図25に示されるように、撮影画像411の背景領域423全体に対して、撮影画像411の下端に近づくほど明度や彩度が低くなるように、撮影画像の上下方向にグラデーション処理を施す。通常、撮影画像411のような画像においては、その下端ほど背景に影ができやすい。そこで、図25に示されるようなグラデーション処理を施すことで、その影が強調されるようになる。
また、上述したように、例えば被写体が2人である場合には、背景領域における被写体同士の間の領域に影ができやすいので、その領域にできる影が強調されるように、グラデーション処理が施されるようにしてもよい。
具体的には、図26に示されるように、背景領域423における、撮影画像411上の所定の位置Pを中心とした円領域に対して、その円領域の中心Pに近づくほど明度や彩度が低くなるように、グラデーション処理が施されるようにしてもよい。ここで、通常、被写体が2人である場合には、撮影画像において2人の被写体は略左右均等に並ぶので、被写体同士の間の領域は、撮影画像の重心の近傍となり、また、上述したように、撮影画像においては下端ほど背景に影ができやすいことから、円領域の中心Pは、撮影画像の重心よりやや下方の位置とされる。
なお、図13のフローチャートを参照して説明した撮影処理において、3人用コースが選択された場合であっても、図27Aに示されるように、円領域の中心Pは、3人の被写体が写る撮影画像521の重心よりやや下方とされ、4人用コースが選択された場合であっても、図27Bに示されるように、円領域の中心Pは、4人の被写体が写る撮影画像522の重心よりやや下方とされる。
ただし、円領域の中心Pは、撮影画像における被写体の位置に応じて適宜変更されるようにしてもよい。
例えば、被写体が2人であっても、図28に示される撮影画像411’のように、被写体421,422が、カメラ91から見て右にずれて撮影された場合、背景領域における撮影画像の重心よりやや下方の位置は、被写体421の領域上となり、被写体同士の間の領域に含まれない。そこで、画像処理部314が、撮影画像411’において、被写体421,422の領域を検出することで、被写体同士の間の領域を特定し、円領域の中心Pを設定するようにしてもよい。また、画像処理部314が、撮影画像411’において、被写体421,422の顔を検出し、検出された2つの顔領域の中間点よりやや下方の位置を、円領域の中心Pとして設定するようにしてもよい。これにより、被写体がずれて撮影された場合であっても、確実に、被写体同士の間の領域にできた影を強調することができる。
なお、撮影画像において、被写体同士の身長の差が著しい場合には、身長の高い方の被写体に合わせた位置や、被写体同士の身長の平均に合わせた位置に、円領域の中心Pを設定するようにしてもよい。
また、図29に示されるように、背景領域423に対して、撮影画像411を左右に等分する中心線Mに近づくほど明度や彩度が低くなるように、撮影画像411の左右方向にグラデーション処理が施されるようにしてもよい。
なお、図29に示される撮影画像411の背景領域423において、被写体421,422の頭より上の部分については、影ができていると不自然となる場合がある。そこで、図30に示されるように、被写体421,422の頭より上の部分については、グラデーション処理を施さないようにしてもよい。
具体的には、図29に示されるようにグラデーション処理が施された撮影画像411の、被写体421,422の頭より上の領域に対して、グラデーション処理が施されていない背景領域423を抽出した画像を合成(重畳)したり、撮影画像411における被写体421,422の頭より上の領域の高さ(画素数)を算出し、該当する領域についてはグラデーションを削除するようにする。
以上の処理によれば、背景領域における被写体の影を含む領域に対して、グラデーション処理が施されるので、撮影画像においては、被写体に光が照射されることによりできた影が強調されて、背景に対して被写体が際立つことで奥行き感が生まれ、より立体的な仕上がりの画像を得ることが可能となる。
以上においては、立体感強調処理として、撮影画像の背景領域においてできる被写体の影を含む領域に対して、ぼかし処理やグラデーション処理を施す例について説明してきたが、被写体の影をより強調するために、撮影画像の背景領域に対して、被写体の影を模した画像を合成するようにしてもよい。
[撮影処理部の他の構成例]
図31は、撮影画像の背景領域に対して、被写体の影を模した画像を合成する処理を施す撮影処理部301の構成例を示すブロック図である。
なお、図31の撮影処理部301において、図11の撮影処理部301に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
すなわち、図31の撮影処理部301において、図11の撮影処理部301と異なるのは、画像処理部314に影画像合成処理部531を設けた点である。
影画像合成処理部531は、利用者に選択された写りに応じて、撮影画像の背景領域に対して、被写体の影を模した影画像を合成する影画像合成処理を実行する。
影画像合成処理部531により、影画像が合成された撮影画像(以下、合成画像ともいう)は、画像処理部314による立体感強調処理の対象となる。
[影画像合成処理の例]
ここで、図32および図33を参照して、影画像合成処理部531によって実行される影画像合成処理の例について説明する。
なお、図32の影画像合成処理は、写りに応じた撮影コースとして「cuteコース」が選択された場合に実行されるものとする。また、図33においては、簡単のため、1人の被写体が撮影された撮影画像を対象として、影画像の合成の流れを示すものとする。
ステップS51において、影画像合成処理部531は、例えば、図33Aに示される撮影画像551から、図33Bに示されるマスク画像552を生成する。撮影画像551において被写体を表す被写体領域551Aが、マスク画像552において被写体領域552Aに設定され、撮影画像551の被写体以外を表す背景領域551Bが、マスク画像552において背景領域552Bに設定される。つまり、マスク画像552においては、被写体領域552Aと背景領域552Bとが識別される。
ステップS52において、影画像合成処理部531は、2値化処理によりマスク画像552を2値化し、図33Cに示されるように、被写体領域552Aを白に設定し、背景領域552Bを黒に設定する。
ステップS53において、影画像合成処理部531は、図33Dに示されるように、被写体領域552Aの位置を移動する。図33Dの例の場合、被写体領域552Aは、図33D中、右に移動されている(552A’)。
ステップS54において、影画像合成処理部531は、図33Eに示されるように、移動後の被写体領域552A’の周辺552Cに対してぼかし効果のあるフィルタ処理を施す。ぼかし処理を施すことにより、マスク画像552の被写体領域552A’と背景領域552Bとの境界を曖昧にし、合成画像において、影画像が滑らかに(視覚的に違和感の少ない、より自然な状態で)撮影画像に合成されるようになる。
ステップS55において、影画像合成処理部531は、図33Fに示されるように、被写体領域552A’と背景領域552Bの境界近傍に境界領域552Dを設定する。この境界領域552Dは、例えば、排他的論理和を用いて算出される。この境界領域552Dには、周辺552Cが含まれる。したがって、例えば、ステップS54のぼかし処理において、ぼかし具合を表すぼかし度を高くすることで、境界領域552Dの幅を広くすることができる。
また、この境界領域552Dは、その周辺552Cと一致させてもよいし、図33Fに示されるように、被写体領域552A’の一部をさらに含むようにしてもよい。
ステップS56において、影画像合成処理部531は、図33Gに示されるように、境界領域552Dに対して、例えば色彩の設定、色彩の濃淡の設定、透過度の設定等の、所定の画像処理を施す。ここで設定される色彩は、基本的には黒色とされる。この処理により、境界領域552Dが影画像として生成される。
ステップS57において、影画像合成処理部531は、図33Hに示されるように、図33Aの撮影画像551に、影画像として、図33Gの境界領域552Dの一部が合成された合成画像553が生成される。
このようにして、撮影画像551の背景領域551Bに対して、被写体の領域である被写体領域551Aの右側にできる影を模した影画像が合成されるようになる。
なお、ステップS53において、被写体領域552Aを、図33D中、左に移動することで、被写体の左側にできる影を模した影画像が合成されるようにもできる。
以上の処理によれば、写りに応じた撮影コースとして「cuteコース」が選択された場合に、撮影画像において被写体の右側(または左側)にできる影をより強調することができ、結果として、より立体的な仕上がりの画像を得ることが可能となる。
[影画像合成処理の他の例]
ここで、図34および図35を参照して、影画像合成処理部531によって実行される影画像合成処理の他の例について説明する。
なお、図34の影画像合成処理は、写りに応じた撮影コースとして「coolコース」が選択された場合に実行されるものとする。また、図35においても、図33と同様、簡単のため、1人の被写体が撮影された撮影画像を対象として、影画像の合成の流れを示すものとする。
また、図34のフローチャートにおけるステップS71,S72の処理は、図32のフローチャートにおけるステップS51,S52の処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS73において、影画像合成処理部531は、図35Dに示されるように、被写体領域572Aを拡大する。図35Dの例の場合、被写体領域572Aは、約120%の拡大率で拡大されている(572A’)。
ステップS74において、影画像合成処理部531は、図35Eに示されるように、拡大後の被写体領域572A’の周辺572Cに対してぼかし効果のあるフィルタ処理を施す。
ステップS75において、影画像合成処理部531は、図35Fに示されるように、被写体領域572A’と背景領域572Bの境界近傍に境界領域572Dを設定する。
ステップS76において、影画像合成処理部531は、図35Gに示されるように、境界領域572Dに対して、例えば色彩の設定、色彩の濃淡の設定、透過度の設定等の、所定の画像処理を施す。ここで設定される色彩もまた、基本的には黒色とされる。この処理により、境界領域572Dが影画像として生成される。
ステップS77において、影画像合成処理部531は、図35Hに示されるように、図35Aの撮影画像571に、影画像として、図35Gの境界領域572Dの一部が合成された合成画像573が生成される。
このようにして、撮影画像571の背景領域571Bに対して、被写体の領域である被写体領域571Aの周囲全体にできる影を模した影画像が合成されるようになる。
以上の処理によれば、写りに応じた撮影コースとして「coolコース」が選択された場合に、撮影画像において被写体の周囲全体にできる影をより強調することができ、結果として、より立体的な仕上がりの画像を得ることが可能となる。
なお、撮影空間において、実際に被写体(利用者)の影ができるのは、背面パネル51であるが、その影は、利用者と背面パネル51との距離が近いほど小さくはっきりと、利用者と背面パネル51との距離が遠いほど大きくぼんやりとする。言い換えると、背面パネル51にできる利用者の影は、各ストロボ(照明装置223)と利用者との距離が遠いほど小さくはっきりと写り、各ストロボ(照明装置223)と利用者との距離が近いほど大きくぼんやりと写る。
そこで、図36に示されるように、撮影処理部301に、撮影空間における、各ストロボと利用者との距離を算出する距離算出部601を設けるようにする。
距離算出部601は、撮影により得られた撮影画像において、被写体の顔を認証し、認証された顔の大きさから、各ストロボ(実際にはカメラ91)から被写体までの距離を算出する。なお、距離算出部601として、距離センサ等のその他の測距手段を用いるようにしてもよいし、床材27に形成された区画27Aと区画27Bに、圧電素子を利用した体重センサを設けるようにし、距離算出部601が、その体重センサからの出力により求められる利用者の立ち位置から、各ストロボから被写体までの距離を算出するようにしてもよい。
そして、影画像合成処理部531は、照明装置223から被写体までの距離に応じた影画像を生成し、撮影画像に合成する。
具体的には、各ストロボから被写体までの距離が大きい場合、影画像合成処理において、マスク画像における被写体領域の移動の距離や拡大率を小さくし、色彩の設定における黒色の濃淡を濃くすることで、背面パネル51に小さくはっきり写る影を模した影画像が得られる。また、各ストロボから被写体までの距離が小さい場合、影画像合成処理において、マスク画像における被写体領域の移動の距離や拡大率を大きくし、色彩の設定における黒色の濃淡を淡くすることで、背面パネル51に大きくぼんやり写る影を模した影画像が得られる。
このように、各ストロボから被写体までの距離に応じた影画像を生成することで、実際の影に近い、よりリアルな影画像を合成することができるようになる。
以上においては、利用者によって選択された写りに応じて、照明装置223(各ストロボ)の発光を制御するようにしたが、例えば、撮影画像の背景に合成される背景画像に応じて、照明装置223の発光を制御するようにしてもよい。
[撮影処理の他の例]
そこで、図37のフローチャートを参照して、利用者によって選択された背景画像に応じて、照明装置223の発光を制御するようにした撮影処理について説明する。
なお、図37のフローチャートにおけるステップS212,S213,S215乃至S221の処理は、図13のフローチャートにおけるステップS12,S13,S15乃至S21の処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS211において、表示制御部311は、背景選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。背景選択画面は、セット背景の選択に用いられる画面である。
セット背景は、撮影により得られた例えば6枚や4枚等の複数の撮影画像それぞれに合成させる背景画像であって、所定のテーマで統一された背景画像のセットである。
図38は、背景選択画面の例を示す図である。
背景選択画面の下半分には、セット背景パレット651が表示される。セット背景パレット651には、セット背景が、「写真プリ」、「カラー」、「デザイン」、「イベント」といったジャンル毎のタブに表示されるようになされており、図38の例では、「写真プリ」タブが選択されている。さらに、図38に示されるように、「写真プリ」タブには、8つのセット背景がテーマ毎に表示されている。
セット背景パレット651に表示されるセット背景には、撮影画像の背景画像において、被写体の右側(または左側)の領域のみに影ができるセット背景群671と、撮影画像の背景画像において、被写体の周囲全体の領域に影ができるセット背景群672とがある。
例えば、セット背景群671に含まれるセット背景は、被写体の右側(または左側)のみにできる影が映えるような背景画像からなり、セット背景群672に含まれるセット背景は、被写体の周囲全体にできる影が映えるような背景画像からなる。
なお、図38においては、セット背景それぞれに2人のモデルを被写体としたモデル画像が合成されている。このモデル画像は、セット背景パレット651の右下部分に設けられている「人物ON」ボタン、「人物OFF」ボタンにより、表示/非表示を切り替えることができる。
利用者によって、セット背景のいずれかが選択されると、選択されたセット背景が、セット背景パレット651の上方の選択セット背景表示部652に表示される。そして、利用者によって、選択セット背景表示部652の右側に設けられているOKボタン653が選択(押下)されると、選択セット背景表示部652に表示されているセット背景が、撮影画像に合成されるセット背景として決定される。
このように、撮影前にセット背景を利用者に選択させることで、利用者は、最終的に得られる画像をイメージしながら撮影を行うことができるようになる。
そして、ステップS214において、照明制御部312は、ステップS211で選択されたセット背景に応じて、照明装置223を制御する。
具体的には、セット背景群671に含まれるセット背景が選択された場合、照明制御部312は、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、右上ストロボ82による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する(図17A)。
また、セット背景群672に含まれるセット背景が選択された場合、照明制御部312は、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、正面ストロボ93による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する(図17B)。
これにより、セット背景を構成する背景画像が撮影画像に合成された場合、被写体の影と背景画像とがマッチした画像が得られ、結果として、利用者の満足度を高めることができるようになる。
なお、セット背景群と写りに応じた撮影コースとを対応付けるようにして、選択されたセット背景に対応する写りに関する処理が、撮影画像に対して施されるようにしてもよい。
具体的には、セット背景群671が選択された場合の照明装置223の発光制御は、「cuteコース」が選択された場合と同様であるので、セット背景群671と「cuteコース」とを対応付けるようにすることで、セット背景群671が選択された場合には、図13の撮影処理において、「cuteコース」が選択された場合に得られる画像と同等の画像が得られるようになる。
また、セット背景群672が選択された場合の照明装置223の発光制御は、「coolコース」が選択された場合と同様であるので、セット背景群672と「coolコース」とを対応付けるようにすることで、セット背景群672が選択された場合には、図13の撮影処理において、「coolコース」が選択された場合に得られる画像と同等の画像が得られるようになる。
以上においては、背景画像に応じて、照明装置223の発光を制御するようにしたが、印刷処理部303による印刷処理において、印刷画像が配置されるシールレイアウトに応じて、照明装置223の発光を制御するようにしてもよい。
[撮影処理のさらに他の例]
そこで、図39のフローチャートを参照して、シールレイアウトに応じて、照明装置223の発光を制御するようにした撮影処理について説明する。
なお、図39のフローチャートにおけるステップS232,S233,S235乃至S241の処理は、図13のフローチャートにおけるステップS12,S13,S15乃至S21の処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS231において、表示制御部311は、シールレイアウト選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。シールレイアウト選択画面は、シールレイアウトの選択に用いられる画面である。
シールレイアウトとしては、例えば、被写体の右側(または左側)のみにできる影が映えるシールレイアウトと、被写体の周囲全体にできる影が映えるシールレイアウトとが用意される。
このように、撮影前にシールレイアウトを利用者に選択させることで、利用者は、最終的に得られるシール紙をイメージしながら撮影を行うことができるようになる。
そして、ステップS234において、照明制御部312は、ステップS231で選択されたシールレイアウトに応じて、照明装置223を制御する。
具体的には、被写体の右側(または左側)のみにできる影が映えるシールレイアウトが選択された場合、照明制御部312は、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、右上ストロボ82による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する(図17A)。
また、被写体の周囲全体にできる影が映えるシールレイアウトが選択された場合、照明制御部312は、右上ストロボ82、左上ストロボ83、および正面ストロボ93のうち、正面ストロボ93による発光量が大きくなるように、照明装置223の発光を制御する(図17B)。
これにより、撮影画像がシール紙に印刷された場合、被写体の影とシールレイアウトとがマッチしたシール紙が得られ、結果として、利用者の満足度を高めることができるようになる。
ところで、図13の撮影処理のステップS11においては、写り選択画面(図14)においてサンプル画像341a,342aを表示し、利用者に選択させることで、写りを選択させるようにしたが、サンプル画像341a,342aとして、利用者自身の画像を表示し、利用者に選択させることで、写りを選択させるようにしてもよい。
[写り選択画面表示処理の例]
そこで、図40のフローチャートを参照して、サンプル画像として利用者自身の画像を表示し、利用者に選択させることで、写りを選択させるようにした写り選択画面表示処理について説明する。なお、図40の写り選択画面表示処理は、図31に示される撮影処理部301によって実行されるものとする。
ステップS251において、撮影制御部313は、カメラ91を制御し、利用者を被写体としたサンプル画像を生成するための試し撮りを行う。
ステップS252において、影画像合成処理部531は、撮影制御部313による試し撮りにより取得された1枚の撮影画像を対象として、それぞれ異なる影画像合成処理を施すことで、例えば、図33および図35を参照して説明したような、複数種類の影画像が合成された合成画像を複数生成する。
つまり、この場合、生成される合成画像は、撮影画像の背景領域に対して、被写体の右側(または左側)にできる影を模した影画像が合成された画像と、撮影画像の背景領域に対して、被写体の周囲全体にできる影を模した影画像が合成された画像となる。このうち、前者は、サンプル画像341a(すなわち、「cuteコース」)に対応し、後者は、サンプル画像342a(すなわち、「coolコース」)に対応する。
ステップS253において、表示制御部311は、影画像合成処理部531により生成された合成画像をサンプル画像として、例えば、図14に示すような写り選択画面を、タッチパネルモニタ92に表示させる。
これにより、利用者は、利用者自身の画像に影画像が合成された合成画像を、撮影前に確認することができるので、実際に、選択された写りに応じて光が照射されることによってできる影のでき方を知ることができ、最終的に得られる画像をイメージしながら撮影を行うことができるようになる。
なお、上述した撮影処理によって得られた撮影画像は、編集処理における編集対象となる。ここで、編集対象画像(撮影画像)に対して、立体感強調処理として、ぼかし処理やグラデーション処理が施されている場合、編集入力により編集対象画像に合成される合成用画像に対しても、ぼかし処理やグラデーション処理が施されるようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明の一側面の撮影装置は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御する照明制御手段と、前記照明制御手段の発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得する撮影手段と、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体に光が照射されることによりできる前記被写体の影を含む領域に対して、グラデーション処理を施す画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、前記撮影画像における前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向に前記グラデーション処理を施す。
本発明の一側面の撮影方法は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置の撮影方法であって、前記撮影装置が、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体に光が照射されることによりできる前記被写体の影を含む領域に対して、グラデーション処理を施すステップを含み、前記ステップは、前記撮影画像における前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向に前記グラデーション処理を施す。
本発明の一側面のプログラムは、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置を制御するコンピュータに、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体に光が照射されることによりできる前記被写体の影を含む領域に対して、グラデーション処理を施すステップを含む処理を実行させ、前記ステップは、前記撮影画像における前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向に前記グラデーション処理を施す。
本発明の一側面においては、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段それぞれの発光が制御され、発光制御によって、複数の照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている被写体を撮影することで、撮影画像が取得され、撮影画像の背景領域における、被写体に光が照射されることによりできる被写体の影を含む領域に対して、グラデーション処理が施される。特に、撮影画像における被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、円領域の半径方向にグラデーション処理が施される。
本発明の一側面の撮影装置は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御する照明制御手段と、前記照明制御手段の発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得する撮影手段と、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施す画像処理手段と、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出する距離算出手段と、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じて、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像を合成する影画像合成手段とを備える。
本発明の一側面の撮影方法は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置の撮影方法であって、前記撮影装置が、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施し、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出し、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じて、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像を合成するステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置を制御するコンピュータに、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施し、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出し、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じて、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像を合成するステップを含む処理を実行させる。
本発明の一側面においては、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段それぞれの発光が制御され、発光制御によって、複数の照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている被写体を撮影することで、撮影画像が取得され、撮影画像の背景領域における、被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、円領域の半径方向にグラデーション処理が施され、複数の照明手段と被写体との距離が算出され、算出された複数の照明手段と被写体との距離に応じて、撮影画像の背景領域に対して、被写体の影を模した影画像が合成される。
本発明の一側面の撮影装置は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御する照明制御手段と、前記照明制御手段の発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得する撮影手段と、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施す画像処理手段と、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出する距離算出手段と、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像であって、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じた影画像を合成する影画像合成手段とを備える。
本発明の一側面の撮影方法は、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置の撮影方法であって、前記撮影装置が、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施し、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出し、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像であって、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じた影画像を合成するステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段と、前記被写体を撮影する撮影手段とを備える撮影装置を制御するコンピュータに、複数の前記照明手段それぞれの発光を制御し、発光制御によって、複数の前記照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている前記被写体を撮影することで、撮影画像を取得し、前記撮影画像の背景領域における、前記被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、前記円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、前記円領域の半径方向にグラデーション処理を施し、複数の前記照明手段と前記被写体との距離を算出し、前記撮影画像の背景領域に対して、前記被写体の影を模した影画像であって、算出された複数の前記照明手段と前記被写体との距離に応じた影画像を合成するステップを含む処理を実行させる。
本発明の一側面においては、撮影空間の被写体に光を照射する複数の照明手段それぞれの発光が制御され、発光制御によって、複数の照明手段のうちの少なくとも1つにより光が照射されている被写体を撮影することで、撮影画像が取得され、撮影画像の背景領域における、被写体の位置に応じた所定の位置を中心とした円領域に対して、円領域の中心に近づくほど明度または彩度が低くなるように、円領域の半径方向にグラデーション処理が施され、複数の照明手段と被写体との距離が算出され、撮影画像の背景領域に対して、被写体の影を模した影画像であって、算出された複数の照明手段と前記被写体との距離に応じた影画像が合成される。