JP2014216118A - 絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時に電子線照射工程を必要とせず、さらに耐熱性のみならず耐摩耗性にも優れた絶縁電線を提供する。
【解決手段】本発明の絶縁電線(1)は、導体(2)と、導体の外周を被覆する内層(3)及び外層(4)を有する絶縁層(5)とを備える。そして、外層はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有し、内層はポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂とを含有する。また外層の厚さは、絶縁層全体の厚さの50%以下である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の絶縁電線(1)は、導体(2)と、導体の外周を被覆する内層(3)及び外層(4)を有する絶縁層(5)とを備える。そして、外層はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有し、内層はポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂とを含有する。また外層の厚さは、絶縁層全体の厚さの50%以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁電線に関する。さらに詳細には、本発明は、製造方法が容易であり、さらに耐熱性及び耐摩耗性に優れた絶縁電線に関する。
絶縁電線は、電気を流す導体と、導体の周囲へ電気の漏れを防ぐ絶縁層によって構成されている。従来の絶縁電線は導体に複数の絶縁層を被覆しているものが多く、さらに主絶縁層として、例えばポリエステルやナイロン等のプラスチックが用いられている。そして、従来の耐熱電線用の絶縁層材料は、被覆層の押出成形後に電子線照射等による架橋処理を行わないと十分な耐熱性が得られないという問題があった。また、このような架橋処理には高価な電子線照射装置等が必要となると共に、架橋処理工程を行うことにより生産効率が低下するという問題もあった。そのため、架橋処理を必要とせず、かつ、所望の特性を満足する材料が求められる。
そして従来、絶縁層としてポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を用いた絶縁電線が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)は架橋処理を行わなくとも、所望の耐熱性を満足する。しかしながら、PPS樹脂はコストが高いため、絶縁層全体にPPS樹脂を使用した場合にはコストが増大する。そのため、PPS樹脂を外層に、ポリオレフィン樹脂を内層に用いた二層構造の絶縁層を有する絶縁電線が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の絶縁層は、外層の材料と内層の材料の融点差が大きい。そのため、外層材料を溶融するために高温に設定した押出機のヘッド内で、内層材料の溶融粘度が著しく低下し、導体が電線の中心からずれて押し出される。その結果、導体が内層及び外層によって均一に被覆されないことから、電線から絶縁層を除去する際に導体を傷付ける恐れがあった。さらに導体が絶縁層によって均一に被覆されないため、耐摩耗性が低下する恐れがあった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、製造時に電子線照射工程を必要とせず、さらに耐熱性のみならず耐摩耗性にも優れた絶縁電線を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る絶縁電線は、導体と、導体の外周を被覆する内層と内層の外周を被覆する外層とを有する絶縁層とを備える。外層はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有し、内層はポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂とを含有する。そして外層の厚さは、絶縁層全体の厚さの50%以下である。
本発明の第2の態様に係る絶縁電線は、第1の態様の絶縁電線に関し、内層におけるポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂との混合比率は重量比で20〜80:80〜20である。
本発明の絶縁電線は、導体の外周を内層と外層とからなる絶縁層で被覆している。そして、外層はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有し、内層はポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂とを含有している。そのため本発明の絶縁電線は、製造時に大型の架橋設備(例えば、電子線照射設備や蒸気管など)を必要とせず、さらに耐熱性及び耐摩耗性が良好であり、かつ、電線の基本特性である難燃性及び絶縁性を兼ね備える。また本発明の絶縁電線は、導体を傷付けることなく電線皮むきが可能である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
本発明の実施形態に係る絶縁電線1は、図1に示すように、導体2を備えている。さらに絶縁電線1は、導体2の外周を被覆する内層3と、内層3の外周を被覆する外層4とからなる絶縁層5を備えている。
導体2は、1本の素線のみで構成されてもよく、複数本の素線を束ねて構成されたものであってもよい。そして導体2は、導体径や導体の材質などについて特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜定めることができる。導体2の材料としては、銅、銅合金及びアルミニウム、アルミニウム合金等の公知の導電性金属材料を用いることができる。
そして、内層3はポリフェニレンエーテル樹脂(以下、PPE樹脂ともいう。)とオレフィン系樹脂とを含有している。PPE樹脂としては、2,6−キシレノールを原料として、酸化重合法(酸化カップリング法)にて合成できるポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)を主成分とする。
なお、PPE樹脂としては、PPE樹脂(ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド))のみからなる樹脂を使用してもよいが、単独では成形加工性(特に溶融流動性)が十分でないことがある。そのため、PPE樹脂と他の合成樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリアミド、ABS樹脂、ポリフェニレンスルフィドなど)とを混合又は化学結合させたポリマーアロイ、つまり変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)を使用することが好ましい。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン成分単位が50mol%以上の樹脂が挙げられ、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、さらにそれらの混合物等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、又はプロピレンと共重合可能な他のオレフィン等の成分との共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えばエチレンや、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどのα−オレフィンが例示される。
また、外層4はポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂ともいう。)を含有している。ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド(一般式(−C6H4−S−)nで表される重合体)を主成分とした樹脂を使用することができる。つまり、PPS樹脂としては、ポリフェニレンスルフィドを50mol%以上、好ましくは60mol%以上、より好ましくは70mol%以上含有した樹脂を使用することができる。
なお、PPS樹脂としては、ポリフェニレンスルフィドのみからなる樹脂を使用してもよい。また、流動性を向上させるために、ポリフェニレンスルフィドと他の合成樹脂(例えば、フッ素系樹脂)とを混合又は化学結合させたポリマーアロイを使用してもよい。
このように本実施形態の絶縁電線1において、内層3はPPE樹脂とオレフィン系樹脂とを含有する。PPE樹脂を含有することにより、内層3の材料と外層4の材料との融点差を小さくすることができるため、製造時に導体を電線の略中心に位置させることができ、導体を内層及び外層によって均一に被覆することが可能となる。そのため、耐摩耗性及び耐熱老化性を向上させることができる。さらに内層3は、PPE樹脂だけでなくオレフィン系樹脂も含有するため、高い柔軟性を得ることができる。なお、高い耐摩耗性、耐熱老化性及び柔軟性を確保する観点から、内層3において、PPE樹脂及びオレフィン系樹脂は主成分であることが好ましい。つまり、内層3において、PPE樹脂及びオレフィン系樹脂の合計含有量は50mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましい。
さらに、本実施形態の絶縁電線1では、外層4はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有するため、高い耐熱性及び耐液性を確保することが可能となる。ただ、十分な耐熱性及び耐液性を確保する観点から、外層4において、ポリフェニレンスルフィド樹脂は主成分であることが好ましい。つまり、外層4において、ポリフェニレンスルフィド樹脂の含有量は50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上が特に好ましい。
ただ、ポリフェニレンスルフィド樹脂は柔軟性に乏しいため、絶縁電線1全体の柔軟性を確保するためにも、外層4の厚さは小さい方が好ましい。そのため、外層4の平均厚さt1は、絶縁層5全体の厚さ(外層の平均厚さt1+内層の平均厚さt2)の50%以下である必要がある。なお、外層4の平均厚さは、絶縁層5全体の厚さの40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。この場合には、絶縁電線1全体の柔軟性をより向上させることが可能となる。なお、外層4の平均厚さの下限値は特に限定されないが、十分な耐熱性及び耐摩耗性を確保する観点から、絶縁層5全体の厚さの10%以上であることが好ましい。
ここで、ISO6722−1の規格に準拠する0.35sq電線における絶縁層の肉厚は、公称0.25mmである。そして、この電線に対し、本実施形態の絶縁層を適用した場合には、外層の厚さは0.125mm以下であることが好ましい。外層の厚さが0.125mmを超えると柔軟性に乏しく、かつコストが高くなるため、実用の際に妨げとなる恐れがある。
上述のように、内層3は、PPE樹脂とオレフィン系樹脂とを含有している。そして内層3において、PPE樹脂とオレフィン系樹脂との混合比率は、重量比で20〜80:80〜20であることが好ましい。PPE樹脂とオレフィン系樹脂との混合比率がこの範囲外であっても本発明の効果を発揮することができる。ただ、PPE樹脂が20重量部未満では耐摩耗性及び耐熱老化性が乏しくなる恐れがあり、80重量部を超えると柔軟性が乏しくなる恐れがある。また、オレフィン系樹脂が20重量部未満では柔軟性に乏しくなる恐れがあり、80重量部を超えると後述する同心率及び耐熱老化性が低下する恐れがある。なお、耐摩耗性、耐熱老化性及び柔軟性をより向上させる観点から、PPE樹脂は30重量部以上60重量部以下が好ましい。また、同様の観点から、ポリオレフィン系樹脂は20重量部以上40重量部未満が好ましい。
本実施形態の絶縁電線には、上記必須成分の他、本発明の効果を妨げない範囲で他の成分が配合されてもよい。例えば、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、金属不活性剤、その他老化防止剤、滑剤、充填剤、補強材、UV吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤及び発泡剤などが配合されていてもよい。
そして、複数の絶縁電線を結束させることにより、ワイヤハーネスが得られる。また、絶縁電線の端末には、例えば、コネクタを取り付けることができる。
次に、本実施形態の絶縁電線の製造方法について説明する。当該絶縁電線1の内層3及び外層4は、上述の材料を混練することにより調製されるが、その方法は公知の手段を用いることができる。例えば、予めヘンシェルミキサー等の高速混合装置を用いてプリブレンドした後、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等の公知の混練機を用いて混練することにより、内層3及び外層4を構成する樹脂組成物を得ることができる。
そして、本実施形態の絶縁電線において、導体2を内層3及び外層4で被覆する方法も公知の手段を用いることができる。例えば、内層3及び外層4の両方とも、一般的な押出成形法により形成することができる。そして、押出成形法で用いる押出機としては、例えば単軸押出機や二軸押出機を使用し、スクリュー、ブレーカープレート、クロスヘッド、ディストリビューター、ニップル及びダイスを有するものを使用することができる。
そして、例えば内層3の樹脂組成物を調製する場合には、PPE樹脂及びオレフィン系樹脂が十分に溶融する温度に設定された二軸押出機に、PPE樹脂及びオレフィン系樹脂を投入する。この際、必要に応じて、難燃剤や難燃助剤、酸化防止剤などの他の成分も投入する。そして、PPE樹脂及びオレフィン系樹脂はスクリューにより溶融及び混練され、一定量がブレーカープレートを経由してクロスヘッドに供給される。溶融したPPE樹脂及びオレフィン系樹脂は、ディストリビューターによりニップルの円周上へ流れ込み、ダイスにより導体の外周上に被覆された状態で押し出されることにより、導体2の外周を被覆する内層3を得ることができる。
なお、外層4も上述と同様に、押出機を用いて形成することができる。なお、生産性を向上させる観点から、内層3用の押出機と外層4用の押出機を併用し、同時押出により内層3と外層4を形成することが好ましい。
このように本発明の絶縁電線では、一般の電線用樹脂組成物と同様に押出成形により絶縁層を形成することができる。そして、成形後の電子線等照射による架橋工程が不要であるため、生産効率を高めることが可能となる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例及び比較例の試料調製]
<内層用及び外層用の樹脂組成物の調製>
内層用及び外層用の材料として、表1に示すものを準備した。そして、各実施例及び比較例の内層用樹脂組成物を、二軸押出機を用いて、表2に示す配合量で混合することにより調製した。また、実施例1〜4並びに比較例2,4及び5の外層用樹脂組成物については、表1のPPSアロイをそのまま用いた。
<内層用及び外層用の樹脂組成物の調製>
内層用及び外層用の材料として、表1に示すものを準備した。そして、各実施例及び比較例の内層用樹脂組成物を、二軸押出機を用いて、表2に示す配合量で混合することにより調製した。また、実施例1〜4並びに比較例2,4及び5の外層用樹脂組成物については、表1のPPSアロイをそのまま用いた。
<絶縁電線の作製>
(実施例1〜4並びに比較例2,4及び5)
上述のように調製した各実施例及び比較例の内層用及び外層用樹脂組成物を用いて、内層及び外層で被覆した絶縁電線を作製した。具体的には、二台の押出機を用いて内層及び外層を同時押出することにより、導体の周囲に内層及び外層を形成した。なお、内層用押出機におけるダイス部の押出温度は250℃とし、外層用押出機におけるダイス部の押出温度は310℃として押出成形を行った。また、導体の材料としては軟銅を用い、さらにISO導体サイズは0.35mm2であった。
(実施例1〜4並びに比較例2,4及び5)
上述のように調製した各実施例及び比較例の内層用及び外層用樹脂組成物を用いて、内層及び外層で被覆した絶縁電線を作製した。具体的には、二台の押出機を用いて内層及び外層を同時押出することにより、導体の周囲に内層及び外層を形成した。なお、内層用押出機におけるダイス部の押出温度は250℃とし、外層用押出機におけるダイス部の押出温度は310℃として押出成形を行った。また、導体の材料としては軟銅を用い、さらにISO導体サイズは0.35mm2であった。
得られた各実施例及び比較例の絶縁電線は、直径が0.15mmの芯線(19本の撚線)の周囲全体を、内層及び外層で被覆している。そして、内層及び外層の合計厚さの平均は0.25mmであり、絶縁電線の外径は1.3mmであった。なお、各実施例及び比較例の内層及び外層の平均厚さを表2に合わせて示す。
(比較例1及び3)
上述のように調製した比較例1及び3の内層用樹脂組成物を用いて、内層のみ被覆した絶縁電線を作製した。具体的には、押出機を用いて押出成形することにより、導体の周囲に内層のみを形成した。なお、押出機におけるダイス部の押出温度は250℃として押出成形を行った。また、導体は上述と同じものを用いた。
上述のように調製した比較例1及び3の内層用樹脂組成物を用いて、内層のみ被覆した絶縁電線を作製した。具体的には、押出機を用いて押出成形することにより、導体の周囲に内層のみを形成した。なお、押出機におけるダイス部の押出温度は250℃として押出成形を行った。また、導体は上述と同じものを用いた。
得られた各比較例1及び3の絶縁電線は、直径が0.15mmの芯線(19本の撚線)の周囲全体を内層のみで被覆している。そして、内層の厚さの平均は0.25mmであり、絶縁電線の外径は1.3mmであった。
[評価]
上記実施例及び比較例で得られた絶縁電線について、次の方法により、同心率、耐液性、耐摩耗性、柔軟性、融着性及び耐熱老化性の評価を実施した。
上記実施例及び比較例で得られた絶縁電線について、次の方法により、同心率、耐液性、耐摩耗性、柔軟性、融着性及び耐熱老化性の評価を実施した。
<同心率>
同心率とは、電線断面において導体がどれだけ中心にあるかを示す値であり、導体を傷付けることなく絶縁層の皮むきができるかの目安となる。実施例及び比較例で得られた電線の断面を光学顕微鏡で観察し、下記の式より同心率を算出した。80%以上の場合を「○」とし、80%未満の場合を「×」として評価した。
同心率=(絶縁層の最小厚さ)÷(最小厚さの絶縁層の対極にある絶縁層の厚さ)×100
同心率とは、電線断面において導体がどれだけ中心にあるかを示す値であり、導体を傷付けることなく絶縁層の皮むきができるかの目安となる。実施例及び比較例で得られた電線の断面を光学顕微鏡で観察し、下記の式より同心率を算出した。80%以上の場合を「○」とし、80%未満の場合を「×」として評価した。
同心率=(絶縁層の最小厚さ)÷(最小厚さの絶縁層の対極にある絶縁層の厚さ)×100
<耐液性>
IS06722−1の耐液性,試験方法2にて試験を行い、電線外径の最大変化率が5%未満の場合を「○」とし、5%以上の場合を「×」として評価した。
IS06722−1の耐液性,試験方法2にて試験を行い、電線外径の最大変化率が5%未満の場合を「○」とし、5%以上の場合を「×」として評価した。
<耐摩耗性>
IS06722−1のスクレープ試験を行い、摩耗回数が150回以上の場合を「○」とし、100回以上150回未満の場合を「△」とし、100回未満の場合を「×」として評価した。
IS06722−1のスクレープ試験を行い、摩耗回数が150回以上の場合を「○」とし、100回以上150回未満の場合を「△」とし、100回未満の場合を「×」として評価した。
<柔軟性>
実施例及び比較例で得られた電線を10cmに切断し、3点曲げ試験にて最大応力値を測定した。電線中央にかけた荷重が0.45N未満の場合を「○」とし、0.45N以上の場合を「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られた電線を10cmに切断し、3点曲げ試験にて最大応力値を測定した。電線中央にかけた荷重が0.45N未満の場合を「○」とし、0.45N以上の場合を「×」として評価した。
<融着性>
JASO D618 5.8.3 耐熱試験1Cに準拠して、電線の外径に等しい径のマンドレルに実施例及び比較例で得られた電線を6回巻き付け、200℃の老化槽内で30分間加熱する。その後、目視にて絶縁層表面のクラックの有無を調べた。さらに、加熱後の電線をマンドレルから取り外し、目視にて隣接する電線との融着や導体の露出の有無を調べた。クラック並びに絶縁層の融着及び露出が認められない場合を「○」とし、これらが認められた場合を「×」として評価した。
JASO D618 5.8.3 耐熱試験1Cに準拠して、電線の外径に等しい径のマンドレルに実施例及び比較例で得られた電線を6回巻き付け、200℃の老化槽内で30分間加熱する。その後、目視にて絶縁層表面のクラックの有無を調べた。さらに、加熱後の電線をマンドレルから取り外し、目視にて隣接する電線との融着や導体の露出の有無を調べた。クラック並びに絶縁層の融着及び露出が認められない場合を「○」とし、これらが認められた場合を「×」として評価した。
<耐熱老化性>
実施例及び比較例で得られた電線を150℃のオーブンで1000時間保持した。その後、電線をオーブンから取り出し、電線と同じ径の棒に巻きつけた。そして目視にて絶縁層の亀裂の有無を調べ、絶縁層に亀裂が発生しなかった場合を「○」とし、亀裂が発生した場合を「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られた電線を150℃のオーブンで1000時間保持した。その後、電線をオーブンから取り出し、電線と同じ径の棒に巻きつけた。そして目視にて絶縁層の亀裂の有無を調べ、絶縁層に亀裂が発生しなかった場合を「○」とし、亀裂が発生した場合を「×」として評価した。
同心率、耐液性、耐摩耗性、柔軟性、融着性及び耐熱老化性の評価結果を表3に示す。この表より、本発明に包含される実施例1〜4の電線は、同心率、耐液性、耐摩耗性、柔軟性、融着性及び耐熱老化性のすべての評価において優れていることが分かる。
これに対し、PPS樹脂からなる外層を有していない比較例1及び3は、耐液性に劣ることが分かる。さらに比較例1及び2より、内層にオレフィン系樹脂を含有していない場合には、柔軟性に劣ることが分かる。また比較例4より、内層にPPE樹脂を含有していない場合には、外層と内層の融点差が大きくなるため、同心率が悪化し、その結果、耐摩耗性及び耐熱老化性が劣ることが分かる。さらに比較例5より、外層の厚さは、絶縁層全体の厚さの50%を超える場合には、柔軟性に劣ることが分かる。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。つまり、上記実施形態では、絶縁層が内層と外層の2層からなる例を示したが、さらに別の層を追加し、絶縁層を3層以上としても構わない。しかし上述のように、本発明の絶縁電線では、絶縁層を内層と外層の2層のみとしても高い耐久性を示すことができる。
1 絶縁電線
2 導体
3 内層
4 外層
5 絶縁層
2 導体
3 内層
4 外層
5 絶縁層
Claims (2)
- 導体と、
前記導体の外周を被覆する内層と、前記内層の外周を被覆する外層とを有する絶縁層と、
を備え、
前記外層はポリフェニレンスルフィド樹脂を含有し、前記内層はポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂とを含有し、
前記外層の厚さは、前記絶縁層全体の厚さの50%以下であることを特徴とする絶縁電線。 - 前記内層において、ポリフェニレンエーテル樹脂とオレフィン系樹脂との混合比率は、重量比で20〜80:80〜20である請求項1に記載の絶縁電線。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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