JP2014214275A - 活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置、出入力装置、ならびに粘着剤層の製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置、出入力装置、ならびに粘着剤層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低比誘電率であり、かつ、高温高湿条件下における透明性に優れた膜を得ることができる活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置、出入力装置、ならびに粘着剤層の製造方法を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物は、(A)成分:水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む、水素添加型共役ジエン系ポリマーと、(B)成分:炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するモノマーと、(C)成分:水酸基および/または窒素原子含有基を有するモノマーと、を含む、無溶剤型の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物であって、前記(A)成分の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であり、かつ、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(B)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置、出入力装置、ならびに粘着剤層の製造方法に関する。
近年、透明性が要求される部材の貼り合わせに使用される粘着剤組成物において、部材と同様に高い透明性が要求されるようになってきている。例えば、極性基(例えば水酸基)を含む単量体を含むシロップ状の粘着剤組成物(例えば、特許文献1参照)は、高温、高湿環境下でも曇りや白濁を生じにくいことが知られている。
しかしながら、水酸基等の極性基を有する単量体を含む粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を高温高湿条件下においた場合、主として被着体や外部環境から生じる水蒸気によって該粘着剤層に濁りが生じることがある。
また、近年、画像表示装置、中でも、タッチパネル式出入力装置において、内部回路から発生する高周波ノイズによって、タッチパネル式出入力装置が誤作動を生じることがある。その原因として、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに用いられる粘着剤の比誘電率が高い(例えば4.0以上)ことが考えられる。
特開2001−181589号公報
本発明は、低比誘電率であり、かつ、高温高湿条件下における透明性に優れた膜を得ることができる活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置、出入力装置、ならびに粘着剤層の製造方法を提供する。
本発明者らは、このような課題を解決すべく、所定の成分を有する粘着剤組成物を用いることにより、低比誘電率であり、かつ、高温高湿条件下における透明性に優れた膜を得ることができることを見出した。
1.本発明の一態様に係る活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物は、
(A)成分:水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む、水素添加型共役ジエン系ポリマーと、
(B)成分:炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するモノマーと、
(C)成分:水酸基および/または窒素原子含有基を有するモノマーと、
を含む、無溶剤型の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物であって、
前記(A)成分の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であり、かつ、
前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下である。
2.上記1の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下であることができる。
3.上記1または2の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(A)成分の含有量が20質量%以上60質量%以下であることができる。
4.上記1ないし3のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(B)成分の含有量が20質量%以上60質量%以下であることができる。
5.上記1ないし4のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する、前記(B)成分の含有量および前記(C)成分の含有量の合計が70質量%以下であることができる。
6.上記1ないし5のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記水素添加型共役ジエン系ポリマー部位に含まれる二重結合の水添率が90%以上であることができる。
7.上記1ないし6のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記(B)成分から得られるポリマーのTgが40℃以下であることができる。
8.上記1ないし7のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、前記粘着剤層は、周波数1MHzでの比誘電率が、周波数100Hzでの比誘電率の70%以上であることができる。
9.上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに用いられることができる。
10.上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物において、接着剤として用いることができる。
11.本発明の別の態様に係る光学用粘着シートは、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、乾燥して得ることができる。
12.本発明の他の態様に係る画像表示装置は、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む。
13.本発明のさらに他の態様に係る出入力装置は、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む。
14.本発明のさらに他の態様に係る粘着剤層の製造方法は、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物および光重合開始剤を含む塗工液層を被着体の表面に塗布し、該塗工液層に活性エネルギー線を照射して粘着剤層を得る工程を含む。
上記1ないし8の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物は、前記(A)成分、前記(B)成分、および前記(C)成分を含み、前記(A)成分の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であり、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下であり、かつ、前記活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下であることにより、該粘着剤組成物を用いて、低比誘電率であり、かつ、高温高湿条件下における透明性(ヘイズ評価)および段差追従性に優れた膜を得ることができる。
上記10の光学用粘着シートは、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、光照射することで得られ、高温高湿条件下における透明性に優れている。該光学用粘着シートは例えば、高温高湿条件下における透明性および/または段差追従性が要求される用途(より具体的には、画像表示装置および出入力装置)に好適に用いることができる。
上記14の粘着剤層の製造方法は、上記1ないし8のいずれかの活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物および光重合開始剤を含む塗工液層を被着体の表面に塗布し、該塗工液層に光を照射して粘着剤層を得る工程を含むことにより、低比誘電率であり、かつ、高温高湿条件下における透明性および段差追従性に優れた粘着剤層を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る第1の出入力装置(タッチパネル式出入力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る第2の出入力装置(タッチパネル式出入力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 図3の(a)および(b)は、図2に示される画像表示装置(タッチパネル式出入力装置)に含まれる粘着シートの段差追従性について説明する断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置(LCD)の部材構成を示す模式図である。 図5の(a)〜(c)はそれぞれ、図4に示す画像表示装置(LCD)の一製造工程を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」と記載する場合もある。)は、(A)成分:水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む、水素添加型共役ジエン系ポリマーと、(B)成分:炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するモノマーと、(C)成分:水酸基および/または窒素原子含有基を有するモノマーと、を含む。
本実施形態に係る粘着剤組成物では、前記(A)成分の重量平均分子量が10,000以上100,000以下であり、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下であることにより、本実施形態に係る粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下である。すなわち、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて、比誘電率が低く、かつ、高温高湿条件下における透明性(ヘイズ評価)および後述する段差追従性に優れた膜(粘着剤層)を得ることができる。
なお、本発明において、「接着(bonding)」とは、「粘着(adhesion)」を含む概念である。また、本発明において、「活性エネルギー線硬化型」とは、活性エネルギー(例えば、熱、紫外線や電子線等の光)の照射により硬化する性質を有することをいう。
本実施形態に係る粘着剤組成物は無溶剤型であり、シロップ状である。本発明において、「無溶剤型の粘着剤組成物」とは、溶剤を実質的に含まない粘着剤組成物であることをいい、「溶剤を実質的に含まない」とは、溶剤の含有量が例えば1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、理想的には、溶剤が配合されていないことをいう。
なお、本発明において、「溶剤」とは、(A)成分、(B)成分および(C)成分を溶解させることができる性質を有し、かつ、反応性二重結合を有していない液体をいい、より具体的には、ポリマーの溶液重合に一般的に使用されるものをいう。
1.1.(A)成分
(A)成分である水素添加型共役ジエン系ポリマーは、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む。
本発明において、「共役ジエン系ポリマー」とは、共役する2つの反応性二重結合部位(−C=C−C=C−)を有するポリマーをいう。本発明において、「反応性二重結合」とは、エチレン性不飽和結合である炭素−炭素二重結合(C=C)をいう。
(A)成分を構成する水素添加型共役ジエン系ポリマー部位は、本実施形態に係る粘着剤組成物に柔軟性を付与し、かつ、比誘電率の低減に寄与する部位である。水素添加型共役ジエン系ポリマー部位としては、例えば、水素添加型のポリブタジエンまたはポリイソプレンが挙げられる。
(A)成分を構成する反応性二重結合は、本実施形態に係る粘着剤組成物に含まれる(B)成分および(C)成分との反応性を有する部位である。
(A)成分は例えば、末端に水酸基を有する水素添加型共役ジエン系ポリマー化合物と、多官能イソシアネート化合物とを反応させることでウレタン結合を形成させ、更にイソシアネート残基と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させることで製造することができる。この場合、(A)成分は、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合がウレタン結合(−NH−CO−)を介して結合されたものであってもよい。
(A)成分としては、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む市販の水素添加型共役ジエン系ポリマー、例えば、亜細亜工業株式会社製RX71-17、RX71-18、日本曹達株式会社製TEAI-1000などを使用することもできる。(A)成分は1種類のみを単独で使用してもよく、または、2種以上を混合して使用してもよい。
また、耐候性、および低い比誘電率に寄与する点で、(A)成分を構成する水素添加型共役ジエン系ポリマー部位に含まれる二重結合の水添率(水素添加率)(以下、単に「水添率」ともいう。)は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい(なお、水添率はほぼ100%であることが望ましいが、痕跡量の二重結合が残存していても差し支えない)。すなわち、本発明において、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位に含まれる二重結合の水添率とは、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位に含まれる二重結合のうち、水素添加により飽和されているものの割合をいう。
適度な粘度を有し、粘着力に優れている点で、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(A)成分の含有量は20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(A)成分の含有量が20質量%未満であると、比誘電率が4.0を超える場合がある。
適度な粘度を有し、粘着力(例えばガラスへの粘着力)が優れており、かつ適度な柔軟性を有する点で、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、10,000以上100,000以下であることが好ましく、15,000以上100,000以下であることがより好ましく、20,000以上100,000であることがさらに好ましい。(A)成分のMwが10,000未満であると、(A)成分における水素添加型共役ジエン系ポリマー部位の割合が小さくなるため、本実施形態に係る粘着剤組成物が硬くなりすぎ、粘着力が低下する場合がある。また、(A)成分のMwが10,000未満であると、このような粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層は柔軟性を欠いたものとなり、結果として段差追従性に劣るものとなる場合がある。
ここで、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、下記の条件で標準ポリスチレン換算によって得られた値である。
<GPC測定条件>
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(1)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cmとなるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm/min
カラム温度:40℃
1.2.(B)成分
(B)成分は、炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するモノマーである。(B)成分を構成する炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基が、(A)成分に含まれる水素添加型共役ジエン系ポリマー部位と相溶性を有することから、本実施形態に係る粘着剤組成物の透明性および段差追従性の向上に寄与することができ、その結果、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層における白濁や濁りの発生を防止し、該粘着剤層の透明性および段差追従性を高めることができる。
(A)成分との反応性が良好である点で、(B)成分は例えば、(メタ)アクリル酸エステル部位に炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることが好ましい。(B)成分は例えば、下記一般式(1)で表される構造を有することができる。すなわち、(B)成分は、水酸基および窒素原子含有基を含有しない。
Figure 2014214275
・・・・・(1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有する。)
である炭素原子数8以上18以下のアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(例えば、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、ステアリル基)、分岐鎖アルキル基(例えば、i−オクチル基、2−エチルヘキシル基、i−ステアリル基)が挙げられる。すなわち、直鎖または分岐鎖アルキル基を有する(B)成分は、脂環性アルキル基を有するモノマーと比較して、(A)成分との相溶性により優れている。
なお、本発明の粘着剤組成物は、当該粘着剤組成物の全質量中、構成モノマーとして脂環式アルキル基を有するモノマーを配合する場合であっても、その配合量を5質量%以下とすることが望ましい。当該脂環式アルキル基を有するモノマーは本発明の(A)成分との相溶性に劣るため、粘着剤組成物中の該脂環式アルキル基を有するモノマーの配合量が5質量%を超えると、得られる粘着剤組成物に濁りや相分離が生じることがある。さらに、特に脂環式アルキル基を有するアクリルモノマーは、ホモポリマーを構成した際のガラス転移温度(Tg)比較的高い傾向にあるため、得られる粘着剤層は柔軟性に欠け、段差追従性に劣るものとなる場合がある。
(B)成分としては、例えば、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、n−ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート等のエステル部位に直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
i−オクチルアクリレート、i−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、i−ステアリルアクリレート、i−ステアリルメタクリレート等のエステル部位に分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層の段差追従性に優れている点で、(B)成分は、(B)成分から得られるポリマーのTgが40℃以下であることが好ましい。ポリマーのTgが40℃以下であり、かつ、アルキルエステル部位を構成するアルキル基が直鎖または分岐鎖アルキル基である(B)成分としては、例えば、n−オクチルアクリレート(Tg:−65℃)、n−オクチルメタクリレート(Tg:−45℃)、n−ノニルアクリレート(Tg:−58℃)、n−デシルアクリレート(Tg:−46℃)、n−デシルメタクリレート(Tg:−45℃)、n−ラウリルメタクリレート(Tg:−65℃)、n−ラウリルアクリレート(Tg:−3℃)、n−テトラデシルメタクリレート(Tg:−72℃)、ステアリルアクリレート(Tg:30℃)、ステアリルメタクリレート(Tg:38℃)が挙げられる。
(A)成分との相溶性により優れている点で、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(B)成分の含有量は20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(B)成分の含有量が20質量%を下回る場合、(A)成分との相溶性が低下する結果、本実施形態に係る粘着剤組成物に濁りが生じることがあり、また、該(B)成分の含有量が60質量%を超える場合、該粘着剤組成物を硬化して得られる粘着剤層の比誘電率が4.0を超えることがある。
1.3.(C)成分
(C)成分である水酸基および/または窒素原子含有基を有するモノマーは、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の高温高湿条件下における透明性向上に寄与する。すなわち、本実施形態に係る粘着剤組成物中に水分が入り込んでも、(C)成分に含まれる水酸基および/または窒素原子含有基は水の溶解能力が高いため、水滴をヘイズとして認識させるほど凝集させないことで、本実施形態に係る粘着剤組成物の高温高湿条件下における透明性を向上させると推測され、その結果、実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の白濁の発生を防止することができる。
本実施形態に係る粘着剤組成物の高温高湿条件下における透明性をより向上できる点で、本実施形態に係る粘着剤組成物において、(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量と、(C)の含有量との合計に対する(C)成分の含有量は5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、6質量%以上19質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量と、(C)の含有量との合計に対する(C)成分の含有量が5質量%未満である場合、本実施形態に係る粘着剤組成物に高温高湿環境下で濁りが生じることがあり、一方、該(C)成分の含有量が20質量%を超える場合、該粘着剤組成物を硬化して得られる粘着剤層の比誘電率が4.0を超えることがある。
本実施形態に係る粘着剤組成物を硬化して得られる接着剤層の比誘電率を1.0以上4.0以下にできる点で、本実施形態に係る粘着剤組成物において、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する、前記(B)成分の含有量および前記(C)成分の含有量の合計が70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
また、(A)成分との反応性が良好である点で、(C)成分は、水酸基および/または窒素原子含有基を有する(メタ)アクリル系モノマーであることが好ましい。本発明において、「アクリル系モノマー」とは、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸アミド、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタクリル酸塩、メタクリル酸アミド、メタクリロニトリルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種をいう。
(C)成分である水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基を(メタ)アクリル酸エステル部位に有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が挙げられ、このうち、1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、(C)成分である窒素原子含有基を有するモノマーは、本実施形態に係る粘着剤組成物の濁りや白濁防止効果に加えて、粘着力の向上に寄与することができる。窒素原子含有基としては、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ジアゾ基、ニトリル基が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種または2種以上の基であることが好ましい。
(C)成分である窒素原子含有基を有するモノマーとしては、例えば、窒素原子含有基をエステル部位に有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を挙げることができる。
より具体的には、(C)成分である窒素原子含有基を有するモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、このうち、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。このうち、(A)成分の凝集抑制効果がより優れている点で、(C)成分である窒素原子含有基を有するモノマーは、アクリルアミドおよび/またはジメチルアクリルアミドであることがより好ましい。
1.4.その他のモノマー(D)
また、本実施形態に係る粘着剤組成物には、(D)(A)〜(C)成分以外のモノマー(以下、単に「(D)成分」と記載する場合もある。)をさらに含んでいてもよい。(D)成分の含有率は0〜10質量%であることが好ましい。(D)成分としては、例えば、酢酸ビニルが挙げられる。
1.5.(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計量
本実施形態に係る粘着剤組成物では、良好な接着性および耐久性をより確実に達成できる観点から、本実施形態に係る粘着剤組成物中における(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計量が90〜100質量%であることができ、95〜100質量%であることが好ましい。
1.6.比誘電率
本実施形態に係る粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下であり、1.0以上3.9以下であることが好ましい。本実施形態に係る粘着剤組成物は、例えばアクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤組成物と比較して、1.0以上4.0以下という低い比誘電率を有する点で特徴を有する。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層は、周波数1MHz(1.0×10Hz)での比誘電率が、周波数100Hzでの比誘電率の70%以上であることができ80%以上であることが好ましい。本実施形態に係る粘着剤組成物は、例えばアクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤組成物と比較して、比誘電率の周波数依存性が少ないため、外部環境に起因する周波数の変化による影響が少ない。
1.7.その他の成分
本実施形態に係る粘着剤組成物は、必要に応じて、(A)〜(D)成分以外の成分をさらに含むことができる。例えば、本実施形態に係る粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤、イオン性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、可塑剤等が配合されていても良い。
1.8.用途
本実施形態に係る粘着剤組成物は光学部材の貼り合わせに用いることができ、なかでも、透明性が要求される光学部材の貼り合わせに好適に使用することができる。本実施形態に係る粘着剤組成物を用いた貼り合わせの対象となる部材は、光学部材(例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルムおよびハードコートフィルムからなる群から選択される光学フィルム)、ITO層等の金属層、または、ガラスまたはプラスチックからなる基材であってもよい。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物は例えば、接着剤として使用することができる。この場合、アクロイル基を1分子中に2個以上有する多官能性(メタ)アクリレートを使用することが適当である。この場合、本実施形態に係る粘着剤組成物中における多官能性(メタ)アクリレートの含有量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがより好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
1.8.1.第1の出入力装置
本実施形態に係る粘着剤組成物は例えば、タッチパネル式出入力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに用いられることができる。本実施形態に係る粘着剤組成物を、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに使用した一例を、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る第1の出入力装置(タッチパネル式出入力装置100)の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係るタッチパネル式出入力装置100は、液晶表示装置(LCD)10と、タッチパネル部20と、LCD10とタッチパネル部20との間に設けられた粘着剤層30とを含む。粘着剤層30はLCD10とタッチパネル部20とを接着する。
粘着剤層30は、例えば、本実施形態に係る粘着剤組成物をセパレータ(図示せず)の表面に塗布し、必要であれば酸素を遮断した状態で該塗工液層に光(例えば紫外線)を照射することにより、得られた粘着シートをセパレータから剥離して、LCD10とタッチパネル20との間に設置したものである。ここで、酸素の遮断は、前記組成物の層が表面に形成されたセパレータと被着物とで該組成物の層を挟んだ状態で光照射を行うか、あるいは、塗工機全体を窒素でパージした状態で光照射を行うことにより、達成することができる。
または、粘着剤層30は、例えば、本実施形態に係る粘着剤組成物および光重合開始剤を含む塗工液をセパレータ(図示せず)の表面に塗布して塗工液層を形成し、必要であれば酸素を遮断した状態で該塗工液層に光(例えば紫外線)を照射することにより、粘着シートを形成し、この粘着シートをセパレータから剥離して、LCD10とタッチパネル20との間に設置したものであってもよい。
図1に示すように、LCD10は、偏光板11と、粘着剤層12と、液晶パネル13と、粘着剤層14と、偏光板15とがこの順で積層されて構成されている。粘着剤層12は偏光板11と液晶パネル13とを接着し、粘着剤層14は液晶パネル13と偏光板15とを接着する。
また、図1に示すように、タッチパネル部20は、飛散防止フィルム16と、粘着剤層17と、ITO層18と、ガラスパネル19とがこの順で積層されて構成されている。粘着剤層17は、飛散防止フィルム16とITO層18とを接着する。
粘着剤層12,14,17は、粘着剤層30と同じく、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて製造されたものである。
1.8.2.第2の出入力装置
また、本実施形態に係る粘着剤組成物を、第2の出入力装置(タッチパネル式出入力装置)を構成する部材の貼り合わせに使用した別の一例を、図2を参照して説明する。図2に示される第2の出入力装置200では、構成する部材の貼り合わせに本実施形態に係る粘着剤組成物が使用されることによって、該部材間に生じる段差を解消する効果を有する。
より具体的には、図2に示されるタッチパネル式出入力装置200は、例えば液晶ディスプレイで構成される画像表示装置22と、表面にセンサー電極26aを備える、ガラス、フィルム等の基材26と、表面に印刷層28aを備えるカバーガラス28と、画像表示装置22および基材26を貼合する粘着シート24a(24)と、カバーガラス28及び基材26を貼合する粘着シート24b(24)と、を含む。
図2に示されるように、粘着シート24a(24)は、センサー電極26aと基材26との間に生じる段差を埋めるように設けられており、粘着シート24b(24)は、印刷層28aとカバーガラス28との間に生じる段差を埋めるように設けられている。本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて製造された粘着シート24a,24bは、本実施形態に係る粘着剤組成物の(A)成分を構成する水素添加型共益ジエン系ポリマー部位と、(B)成分を構成するアルキル基との相溶性が優れていることに起因して、柔軟性に優れているため、タッチパネル式出入力装置200を構成する部材間に生じる段差を埋める効果(段差追従性)を有する。
図3の(a)および(b)は、図2に示される画像表示装置(タッチパネル式出入力装置)に含まれる粘着シート24の段差追従性について説明する断面図である。図3(a)は、公知の粘着シート44が段差追従性に劣るため、空隙64が生じている例である。すなわち、図3(a)に示されるように、センサー電極26aと基材26との間に生じる段差に起因して、粘着シート44が、センサー電極26aと基材26との間の段差に追従しにくく、その結果、粘着シート44とセンサー電極26aと基材26との間には一般に、空隙64が生じやすい。一方、図3(b)に示すように、本実施形態に係る粘着シート24は、センサー電極26aと基材26との間に空隙を生じさせずに、センサー電極26aと基材26との間の段差に追従している。その理由として、本実施形態に係る粘着シート24aは、上述する理由により、柔軟性に優れているため、図3(b)に示されるように、粘着シート24aがセンサー電極26aと基材26との間に生じる段差に追従することができるため、センサー電極26aと基材26との間に空隙が生じ難い。
なお、図3(b)では、粘着シート24aがセンサー電極26aと基材26との段差に充填されている例を示したが、図2に示されるように、粘着シート24aと同様に、粘着シート24bによって、印刷層28aとカバーガラス28との間の段差が充填されていてもよい。
なお、図2には、タッチパネル式出入力装置200における粘着シートの段差追従性について記載したが、タッチパネル式出入力装置以外の画像表示装置においても、段差を埋めるために本実施形態に係る粘着剤組成物を用いることもできる。
1.8.3.画像表示装置
本実施形態に係る粘着剤組成物を、画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに使用した例を、図4および図5を参照して説明する。図4は、本発明の他の一実施形態に係る画像表示装置(LCD)110の部材構成を示す模式図である。図4に示す画像表示装置(LCD)110は例えば、図5(a)〜(c)に示される工程により製造することができる。
図5(a)〜(c)に示されるように、本実施形態に係る粘着剤組成物および光重合開始剤を含む液を被着体(LCD110)とカバーレンズ/ITO層32との層間に充填して層を形成し、該層に光(例えば紫外線)を照射することにより、LCD110とカバーレンズ/ITO層との間に粘着剤層130を形成してもよい。
より具体的には、まず、図5(a)に示される被着体(LCD110)の一表面上に、図5(b)に示されるように、LCD110の側面を囲むようにダム層34を形成する。次に、図5(c)に示されるように、LCD110の上でかつダム層34の内側に、本実施形態に係る粘着剤組成物および光重合開始剤を含む充填液36を滴下または所定の形状にパターニングする等の手法で充填する。次いで、この充填液36の上にカバーガラス/ITO層32を圧着した後、酸素を遮断した状態で充填液36に光(例えば紫外線)を照射することにより、図4に示されるように、LCD110とカバーガラス/ITO層32とを接着する粘着剤層130を形成する。
なお、上記1.8.1.欄に記載の塗工液に配合される光重合開始剤は、該粘着剤組成物を用いた粘着シートの形成の際の反応開始剤としての機能を有する。本実施形態に係る塗工液(または充填液)中における光重合開始剤は、該粘着剤組成物100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。光重合開始剤としては、例えば、紫外線によって重合が開始される紫外線重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒロドキシ−1−1{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}−2−メチル-プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、2−ナフタレンスルホニルクロライド、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフォナートなどを挙げることができる。このような光重合開始剤は、単独であるいは組み合わせて使用することもできる。
1.9.作用効果
本実施形態に係る粘着剤組成物は、前記(A)成分、前記(B)成分、および前記(C)成分を含み、前記(A)成分の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であり、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下であることにより、(A)成分を構成する水素添加型共役ジエン系ポリマー部位と、(B)成分を構成する炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基との相溶性が高いこと、ならびに、(C)成分を構成する水酸基および/または窒素原子含有基と、該組成物中に含まれる水とが水素結合を構成することにより、該組成物に含まれる水分を該粘着剤組成物中に分散させることができる。これにより、該粘着剤組成物を硬化させて得られた膜は、高温高湿条件下における透明性(ヘイズ評価)に優れている。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物において、前記(A)を構成する水素添加型共役ジエン系ポリマー部位と、(B)成分を構成する炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基との相溶性が高いことにより、本実施形態に係る粘着剤組成物は柔軟性に優れているため、該粘着剤組成物を硬化させて得られた粘着剤層は、貼り合わせの対象となる部材間の段差を効果的に埋めることができる(段差追従性に優れている)。
さらに、該粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下と低比誘電率であるため、画像表示装置(特に、タッチパネル式出入力装置、より具体的には静電容量方式のタッチパネル出入力装置)において高周波パルスによる誤作動を防止することができる。
このように、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層は高温高湿条件下における透明性に優れているため、例えば、ITO等の金属を含むタッチパネル式出入力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに好適に使用することができる。
2.粘着シート(第2実施形態)
本実施形態に係る粘着シート(光学用粘着シート)は、例えば、上記第1実施形態に係る粘着剤組成物を用いて製造することができる。粘着シートの厚みは、通常は10〜500μm、好ましくは20〜300μm程度である。
より具体的には、基材上に、上記実施形態に係る粘着剤組成物をグラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等により塗布し、光照射を行うことで、本実施形態に係る粘着シートを作製することができる。
本実施形態に係る粘着シートは、上記実施形態に係る粘着剤組成物を用いて形成されることにより、高温高湿条件下における透明性および段差追従性に優れている。よって、本実施形態に係る粘着シートは、光学部材の貼り合わせに好適に用いることができ、より具体的には、タッチパネル式出入力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに好適に用いることができる。
3.画像表示装置および出入力装置(第3実施形態)
本発明の別の実施形態に係る画像表示装置は、上記第2実施形態に係る光学用粘着シートを含む。本実施形態に係る画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)が挙げられる。
また、本発明の他の実施形態に係る出入力装置は、上記実施形態に係る光学用粘着シートを含む。この場合、出入力装置としては、例えば、静電容量方式のタッチパネル式出入力装置が挙げられる。
4.実施例
以下、本発明を下記実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
4.1.ポリマー(A−1)〜(A−5)の調製
4.1.1.水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−1)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート110g、両末端水酸基水添ポリブタジエン(水素添加率93%,数平均分子量(Mn)3,100)1500g、およびメトキノン0.05gの混合液を90℃にて5時間反応させた。次に、温度を70℃に下げ、2−ヒドロキシエチルアクリレートとメトキノン0.01gとジブチルスズジラウレート0.05gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、IR測定でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認できるまで、該混合物の温度を70℃に保持した。その後、反応容器を冷却し、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位1単位中にアクリロイル基を平均2個有する水素添加型共役ジエン系ポリマー(ウレタンアクリレート系ポリマー)(A−1)を得た。得られた水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−1)の重量平均分子量(Mw)は48,000であった。
4.1.2.水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−2)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート110g、両末端水酸基水添ポリブタジエン(水素添加率94%,数平均分子量(Mn)2,100)1,000g、メトキノン0.05gの混合液を90℃で5時間反応させた。次に、温度を70℃に下げ、2−ヒドロキシエチルアクリレートとメトキノン0.01gとジブチルスズジラウレート0.05gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、IR測定でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認できるまで、該混合物の温度を70℃に保持した。その後、反応容器を冷却し、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位1単位中にアクリロイル基を平均2個有する水素添加型共役ジエン系ポリマー(ウレタンアクリレート系ポリマー)(A−2)を得た。得られた水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−2)の重量平均分子量(Mw)は14,000であった。
4.1.3.水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−3)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート110g、両末端水酸基水添ポリブタジエン(水素添加率93%,数平均分子量(Mn)1,400)600g、およびメトキノン0.05gの混合液を90℃で5時間反応させた。次に、温度を70℃に下げ、2−ヒドロキシエチルアクリレートとメトキノン0.01gとジブチルスズジラウレート0.05gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、IR測定でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認できるまで、該混合物の温度を70℃に保持した。その後、反応容器を冷却し、水素添加型共役ジエン系ポリマー部位1単位中にアクリロイル基を平均2個有する水素添加型共役ジエン系ポリマー(ウレタンアクリレート系ポリマー)(A−3)を得た。得られた水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−3)の重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
4.1.4.ポリエーテル系ポリマー(A−4)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート110g、両末端水酸基ポリエーテル(数平均分子量(Mn)2,500)1,200g、およびメトキノン0.05gの混合液を90℃で5時間反応させた。次に、温度を70℃に下げ、2−ヒドロキシエチルアクリレートとメトキノン0.01gとジブチルスズジラウレート0.05gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、IR測定でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認できるまで、該混合物の温度を70℃に保持した。その後、反応容器を冷却し、ポリエーテル部位1単位中にアクリロイル基を平均2個有するポリエーテル系ポリマー(ポリエーテル系ウレタンアクリレート)(A−4)を得た。得られたポリエーテル系ポリマー(A−4)の重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
4.1.5.アクリル系ポリマー(A−5)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ラウリルアクリレート31.0g、2−エチルへキシルアクリレート59.0g、および2−ヒドロキシエチルアクリレート10.0gを仕込み、次に、酢酸エチルを単量体混合物の濃度が50質量%になる配合量にて仕込んだ。次に、アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加え、反応容器内の空気を窒素ガスで置換しながら撹拌を行い70℃に昇温した後、6時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系ポリマー(A−5)を得た。得られたアクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は500,000であった。
4.1.6.アクリル系ポリマー(A−6)の調製
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、および窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ラウリルアクリレート31.0g、2−エチルへキシルアクリレート44.0g、および2−ヒドロキシエチルアクリレート25.0gを仕込み、次に、酢酸エチルを単量体混合物の濃度が50質量%になる配合量にて仕込んだ。次に、アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加え、反応容器内の空気を窒素ガスで置換しながら撹拌を行い70℃に昇温した後、6時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈して、アクリル系ポリマー(A−6)を得た。得られたアクリル系ポリマー(A−6)の重量平均分子量(Mw)は800,000であった。
4.2.実施例1ないし10および比較例1ないし11(粘着剤組成物の調製)
下記表1に示される配合にて、実施例1ないし10および比較例1ないし11の粘着剤組成物を調製した。
Figure 2014214275
なお、表1における略語は以下の意味である。
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2−HEA:2−ヒドロキエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AM:アクリルアミド
BA:ブチルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
DMAA:ジメチルアクリルアミド
LA:ラウリルアクリレート
MEA:メトキシエチルアクリレート
D−1173:ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン)(BASF社製)(光重合開始剤)
L−45:イソシアネート系架橋剤(綜研化学株式会社製)(架橋剤)
4.3.製造例1(粘着シートの製造)
実施例1ないし10および比較例1ないし11の粘着剤組成物を剥離処理したポリエステルフィルム(以下:セパレーター)の表面に塗布した後、別のセパレータで空気中の酸素を遮断し、UVランプで積算光量1000mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ150μmの各接着剤のセパレーターサンドを得た。また、片方のセパレータを剥離し、100μm厚のPET基材と貼り合わせることで各種粘着シートを得た。
4.4.製造例2(粘着シートの製造)
比較例10および11の粘着剤組成物の溶液を剥離処理したポリエステルフィルムの表面に塗布して乾燥させることにより、厚さ75μmの各接着剤のセパレーターサンドを得た。また、片方のセパレータを剥離し、重ね合わせることで150μmのセパレーターサンドとした。さらに、100μm厚のPET基材と貼り合わせることで各種粘着シートを得た。
4.5.評価方法
4.5.1.ポリマー(A−1)〜(A−6)の重量平均分子量(Mw)
測定機器として、型名HLC−8120GPC(東ソー社製)を用いて、ポリマー(A−1)〜(A−6)の重量平均分子量(Mw)を測定した。
4.5.2.シートの初期ヘイズ
上記製造例1および2で得られた厚さ150μmの各粘着剤層のセパレーターサンドを用いて、粘着剤層のみをガラス基板に貼り合わせ、ヘイズメーターHM−150(村上色彩技研研究所)を用いて、粘着剤層のみの初期ヘイズを測定した。粘着剤層のみの初期ヘイズは0.5以下であることが好ましい。
4.5.3.シートの湿熱試験後ヘイズの変化値(高温高湿条件による透明度の変化)
上記製造例1および2で調製された接着シートのセパレータを剥離し、ガラス基板に張り合わせた状態で測定資料とし、ヘイズメーター(型名「HM−150」、村上色彩技研研究所製)でヘイズを測定した(初期ヘイズ)。次に、65℃−95%RH条件下で該試料を500時間投入した後、23℃−50%RH条件下に移してから10分後にヘイズを測定した(湿熱試験後ヘイズ)。初期ヘイズ−湿熱試験後ヘイズの値(湿熱試験後のヘイズの変化値)が0.5以下であれば、高温高湿条件下を経た後でも透明性が確保されているといえる。
4.5.4.比誘電率
厚さ150μmの各粘着剤のセパレーターサンドを用いて、厚さ100μmの銅箔で粘着剤層のみをサンドし、測定サンプルとした。東陽テクニカ製LCRメータ6440B(周波数1MHz)を用いて銅箔へ接続して、23℃−65%RHの条件下で比誘電率を算出した。なお、実施例1ないし10の粘着剤組成物を用いて得られた各粘着剤層の周波数1MHzにおける比誘電率は、周波数100Hzにおける比誘電率の70〜85%であった。
4.5.5.ガラス粘着力
厚さ150μmの接着シートを幅20mmの短冊状に切り出し、セパレータを剥離してガラス基板に張り合わせ2kgのローラーで3往復圧着した。20分後、剥離速度0.3m/分、剥離角度180°で剥離し、その際の粘着力を測定した。
4.5.6.段差追従性
150μm厚の粘着シートを、100μm厚のPET(ポリエチレンテレフタラート)に転写して評価用サンプルとした。ガラス上に任意の厚みに調整したPET粘着テープを貼り付けて評価用の段差を作製し、その上から評価用サンプルである150μm厚粘着テープを貼り付けた。50℃5atm20分の条件でオートクレーブ処理をした後、目視で段差の埋まりを観察した。評価基準は以下のとおりである。
○:粘着層厚みの35%以上の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない
△:粘着層厚みの20%以上35%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない
×:粘着層厚みの20%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない
表1の結果から、上記実施例1ないし10の粘着剤組成物によれば、(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含み、前記(A)成分の重量平均分子量が10,000以上100,000以下であり、かつ、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下であることにより、高温高湿条件下における透明性および段差追従性に優れており、かつ、上記実施例1ないし10の粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下である低い比誘電率を達成することができる。
一方、例えば比較例10および11の粘着剤組成物のように、アクリル系モノマーを含む組成物を硬化して得られる粘着剤層の比誘電率は4.0を超える。これに対して、上記実施例1ないし10の粘着剤組成物は、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する、前記(B)成分の含有量および前記(C)成分の含有量の合計が40質量%以上70質量%以下であるにも関わらず、前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する、(A)成分の含有量が20質量%以上60質量%以下であることにより、低い比誘電率(1.0以上4.0以下)を達成することができる。
また、上記比較例1、4、5および6の組成物には(C)成分が配合されていないため、該組成物を用いて形成された粘着剤層は、高温高湿条件下で透明性が低下したことが理解できる。なかでも、上記比較例4、5および6の組成物は、(C)成分の代わりにエチレンオキサイド基含有モノマー(メトキシエチルアクリレート)を使用したため、(A)成分との相溶性が低下して、粘着剤層の透明性が低下する(初期ヘイズ値が低下する)ことに加え、高温高湿条件下において粘着剤層の透明性が大幅に低下したことが理解できる。
また、上記比較例2および3の組成物は、(A)成分の含有量と、(B)成分の含有量と、(C)の含有量との合計に対する(C)成分の含有量が20質量%を超えているため、該組成物を用いて形成された粘着剤層は、比誘電率が4.0を超えている。
さらに、上記比較例7の組成物は、(B)成分の代わりに、炭素原子が4個のアルキル基を有するモノマー(ブチルアクリレート)を使用したため、(A)成分との相溶性が劣り、組成物に分離が生じたことが理解できる。
また、上記比較例8の組成物は、(A)成分の代わりに、重量平均分子量が10,000未満の水素添加型共役ジエン系ポリマー(A−3)を使用したため、粘着力が低いうえに、段差追従性が悪いことが理解できる。
さらに、上記比較例9の組成物は、(A)成分の代わりに、ポリエーテル系ポリマー(A−4)を使用したため、比誘電率が4.0を大きく超え、かつ、段差追従性が悪いことが理解できる。
また、上記比較例10および11の組成物は、(A)成分の代わりに、アクリル系ポリマーを使用したため、該組成物を硬化して得られた粘着剤層の比誘電率が4.0を大きく超えることが理解できる。
10,110 液晶表示装置(LCD)
11,15 偏光板
12,14,17 粘着剤層
13 液晶パネル
16 飛散防止フィルム
18 ITO層
19 ガラスパネル
20 タッチパネル部
22 画像表示装置
24,24a,24b 粘着シート
26 基材
26a センサー電極
28 カバーガラス
28a 印刷層
30,130 粘着剤層
32 カバーレンズ/ITO層
34 ダム層
36 充填液
44 粘着シート
64 空隙
100,200 タッチパネル式出入力装置

Claims (14)

  1. (A)成分:水素添加型共役ジエン系ポリマー部位および反応性二重結合を含む、水素添加型共役ジエン系ポリマーと、
    (B)成分:炭素原子数8以上18以下の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するモノマーと、
    (C)成分:水酸基および/または窒素原子含有基を有するモノマーと、
    を含む、無溶剤型の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物であって、
    前記(A)成分の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下であり、
    前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(C)成分の含有量が5質量%以上20質量%以下である、活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  2. 前記活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が1.0以上4.0以下である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  3. 前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(A)成分の含有量が20質量%以上60質量%以下である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  4. 前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する前記(B)成分の含有量が20質量%以上60質量%以下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  5. 前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量と、前記(C)の含有量との合計に対する、前記(B)成分の含有量および前記(C)成分の含有量の合計が70質量%以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  6. 前記(A)成分の前記水素添加型共役ジエン系ポリマー部位に含まれる二重結合の水添率が90%以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  7. 前記(B)成分から得られるポリマーのTgが40℃以下である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  8. 前記粘着剤層は、周波数1MHzでの比誘電率が、周波数100Hzでの比誘電率の70%以上である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  9. タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに用いられる、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  10. 接着剤として用いられる、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物。
  11. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、乾燥して得られる、光学用粘着シート。
  12. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む、画像表示装置。
  13. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む、出入力装置。
  14. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型光学用粘着剤組成物および光重合開始剤を含む塗工液層を被着体の表面に塗布し、該塗工液層に活性エネルギー線を照射して粘着剤層を得る工程を含む、粘着剤層の製造方法。
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