JP2014213474A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリアル型の記録ヘッドを用いる記録装置において、記録動作のための時間やキャリブレーションのための時間を、従来の構成よりも短縮することができる記録装置を提供する。
【解決手段】複数の記録素子(12)が記録媒体の搬送方向に沿って構成された記録素子列(11)を有する記録ヘッド(2)を用いて前記記録媒体に記録を行い、前記記録媒体を検知する検知手段(10)を備える記録装置(20)であって、前記検知手段(10)は、前記記録ヘッド(2)の前記記録素子(12)を有する面に対して、前記搬送方向には前記面の延長線上の領域に少なくとも一部が含まれる位置であり、且つ、前記搬送方向と交差する主走査方向においては前記面の延長線上の領域とは異なる位置に、配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は記録装置に関し、特に、記録用紙の幅や記録状態を検知する検知手段が取り付けられた記録装置に関する。
記録装置において、記録用紙の幅などを検知するための検知手段を備える構成が知られている。特許文献1には、フルライン型の記録ヘッドを用いる記録装置において、記録ヘッドの端部に記録用紙の幅を検知するための検知手段としてセンサを備える構成が開示されている。
また、記録装置において、記録品質を維持するためにテストパターンを記録してこれをセンサにて読み取り、解析し、画像の記録時にフィードバックする方法が知られている。
特許文献2には、シリアル型の記録ヘッドを用いる記録装置において、記録ヘッドの移動方向の端部に、テストパターンの濃度を検出するセンサを備える構成が開示されている。この構成においては、この1つのセンサにて、テストパターンの検知や記録用紙の端部検知を行う。
特開2007−130881号公報 特開2012−176602号公報
特許文献1の構成によると、フルラインヘッドの端部にセンサが備えられているので、記録媒体の端部以外の場所にテストパターンを記録した際には、このセンサにてテストパターンを検知することができない。
また、特許文献1のフルラインヘッドの構成によると、フルラインヘッドの幅方向の端部にセンサが設けられているので、センサを設けない構成と比べて、その分だけフルラインヘッドの幅を、広く取ることとなる。
特許文献2の構成によると、キャリッジや記録ヘッドの移動方向の端部にセンサを配置しているため、センサを備えない構成と比べ、センサを含んだ幅の移動走査が必要となる。よって、特許文献2の構成によると、記録ヘッドだけを備える構成の場合と比べて、センサを備えることによって、キャリッジの移動距離が多くなり、スループットが低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたものである。そして、その目的は、シリアル型の記録ヘッドを用いる記録装置において、記録動作のための時間やキャリブレーションのための時間を、従来の構成よりも短縮することができる記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る記録装置は、複数の記録素子が記録媒体の搬送方向に沿って構成された記録素子列を有する記録ヘッドを用いて前記記録媒体に記録を行い、前記記録媒体を検知する検知手段を備える記録装置であって、前記検知手段は、前記記録ヘッドの前記記録素子を有する面に対して、前記搬送方向には前記面の延長線上の領域に少なくとも一部が含まれる位置であり、且つ、前記搬送方向と交差する主走査方向においては前記面の延長線上の領域とは異なる位置に、配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャリッジや記録ヘッドの移動方向の端部に検知手段が配置された場合と比べて、キャリッジや記録ヘッドの移動距離を短縮することができるので、スループットの低下を防止することができる。したがって、上記構成によれば、記録動作のための時間やキャリブレーションのための時間を、従来の構成よりも短縮することができる。
第1実施形態のインクジェット記録装置の内部構成を示す概略斜視図である。 キャリッジに搭載された記録ヘッドの吐出口面とセンサとを示す図である。 インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 (a)〜(h)は記録ヘッドとセンサとの位置関係の例を示す図である。 図4(a)の配置を適用した場合を示す図である。 パターンを検知する動作を説明するための図である。 第2実施形態における記録ヘッドとセンサとを示す図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態におけるインクジェット記録装置(以下「記録装置」という)20の内部構成を示す概略斜視図である。同図に示すように、記録装置20は、キャリッジ3、ガイド軸4、キャリッジモータ5、アイドルプーリ6、タイミングベルト7、サポート部材8、およびヘッドメンテナンス機構9などから構成されている。キャリッジ3は記録ヘッド2を搭載しており、キャリッジ3には記録ヘッド2を搭載している領域とは異なる領域にセンサ(検知手段)10が取り付けられている。記録ヘッド2、キャリッジ3、およびセンサ10について詳細は図2を参照して後述する。
ガイド軸4はキャリッジ3の移動をガイドするガイド部材であり、キャリッジ3を回動可能および摺動自在に支持し案内する。同図に示すように、ガイド軸4は記録媒体1の搬送方向(図中B方向)と交差する方向(図中A方向)に沿って延在しており、これによりガイド軸4に案内されるキャリッジ3はA方向へ往復移動する。
キャリッジ3の移動範囲の一端には、プーリ付きのキャリッジモータ5が配置され、他端にはアイドルプーリ6が配置されている。タイミングベルト7は、キャリッジモータ5およびアイドルプーリ6によって張設、支持されており、キャリッジモータ5の駆動によって回動する。さらに、タイミングベルト7に係合されているキャリッジ3は、タイミングベルト7の回動に伴ってA方向に往復移動する。
サポート部材8はガイド軸4を中心としてキャリッジ3が回転するのを防ぐためのものであり、図1に示すようにガイド軸4と同様に図中A方向に沿って延在しており、ガイド軸4に対して平行に設けられている。このように、キャリッジ3は、ガイド軸4およびサポート部材8によって摺動自在に支持される。
本実施形態の記録ヘッドはインクジェット方式で画像の記録を行う。ヘッドメンテナンス機構9は、記録ヘッド2の機能を回復させるためのものであり、キャッピング装置(不図示)およびワイパー(不図示)などによって構成されている。
キャッピング装置は記録ヘッド2の吐出口が設けられている面(吐出口面)を保護する。また、キャッピング装置には不図示の吸引ポンプが接続されている。記録ヘッド2にキャップを装着して、吸引ポンプを作動させることにより、キャップ内の圧力を負圧にして、吐出口面に付着しているインク等を吸引する。ワイパーは吐出口面に付着したインク等を拭き取るワイピングを行う。非記録時において記録ヘッド2はヘッドメンテナンス機構9の位置に配置される。
記録媒体1は、キャリッジ3の移動方向(図中A方向/主走査方向)と交差する方向(図中B方向/副走査方向)へ、搬送手段(不図示)によって搬送される。記録装置20においては、キャリッジ3の移動に伴う記録ヘッド2の吐出口からのインクの吐出と記録媒体1の搬送とによって、記録媒体1に画像が記録される。
図2はキャリッジ3に搭載された記録ヘッド2の吐出口面P(記録素子面)とセンサ10のレイアウトを示す図である。同図に示すように、本実施形態においては、記録ヘッド2aおよび記録ヘッド2bの2つの記録ヘッドおよびセンサ10が、キャリッジ3に搭載されている。
図2に示すように、記録ヘッド2aは記録ヘッド2bに対して、B方向上流側に配置されており、記録ヘッド2aおよび記録ヘッド2bはA方向において互いに重複する吐出口を有するように配置されている。
また、同図に示すように、本実施形態においては、B方向上流側から順に、記録ヘッド2a、記録ヘッド2b、およびセンサ10が配置されている。本実施形態においてセンサ10は、B方向におけるキャリッジ3の最下流側の位置であって、記録ヘッド2の幅の大きさ(記録ヘッド2のA方向における大きさ)内に収まる位置に、配置されている。すなわち、センサ10は、記録ヘッド2の吐出口面Pに対し、B方向にはその領域の延長線上の領域に含まれ、A方向にはその領域の延長線上とは異なる位置に配置されている。
また、図2に示すように、各記録ヘッドには、複数の吐出口12(記録素子)がB方向に沿って構成された吐出口列11(記録素子列)が、B方向と交差する方向に4列設けられている。この4列の吐出口列11は列毎に異なる色を吐出する吐出口12からそれぞれ構成されており、本実施形態においてこの4列の吐出口列11は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)の4色に夫々対応している。
図2に示すように、本実施形態においては、記録ヘッド2aのB方向下流側に位置する吐出口12と、記録ヘッド2bのB方向上流側に位置する吐出口12とが、A方向において重複するように、配置されている。
このように、記録ヘッド2a、2bの2つの記録ヘッドを連続するように配置すると、1つの記録ヘッドのみを配置した場合に比べて1回の記録走査での記録幅を増大することが出来るので、高速記録が可能となる。A方向に重複する吐出口12については、記録データが、例えば1/2ずつに記録ヘッド2aおよび記録ヘッド2bの夫々に割り振られ、この割り振られた記録データに応じて、A方向に重複する吐出口12から夫々インクが吐出される。
なお、ここでは、2つの記録ヘッド2a、2bをB方向に配置する構成としたが、このようなペアを更にB方向に連続的に配置すれば、1回の記録走査での記録幅を更に増大し、更に高速な出力が可能となる。
本実施形態におけるインクの吐出方式は発熱素子を用いる方式を採用する。しかし、インクの吐出方式については、発熱素子を用いた方式以外にも、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、およびMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)素子を用いた方式等を採用することができる。
センサ10は検知部10aを有しており、この検知部10aにて所定のパターンなどを検知し、検知した情報を出力する。このデータの流れについては、図3を参照して後述する。
なお、図2に示すように、記録ヘッド2aの吐出口列11のB方向最下流側と検知部10aのB方向最上流側との間の距離を、距離Laとする。また、記録ヘッド2bの吐出口列11のB方向最下流側と検知部10aのB方向最上流側との間の距離を、距離Lbとする。上述のように、本実施形態においては、B方向上流側から順に、記録ヘッド2a、記録ヘッド2b、およびセンサ10が配置されているので、距離Lbよりも距離Laの方が長い。
図3は記録装置20の制御構成を示すブロック図である。同図に示すように、記録装置20は、検知手段10、吐出制御手段14、記憶部15、およびこれらを制御するCPU16を備える。検知手段10は検知部10aにて読み取った情報を、CPU16に送る。CPU16はこの情報を記憶部15に記憶させ、この情報に応じて、吐出制御手段14による吐出口12からのインクの吐出を制御する。
記憶部15はCPU16のワークエリアや各種受信データの一時格納領域として用いられる。また、記憶部15は各種設定データを記憶する。また、記録装置20には不図示の格納部が設けられている。格納部はCPU16が実行する各種プログラムや記録装置20の各種動作に必要な固定データを格納する。
CPU16は、所定のプログラムに従って、検知手段10が取得した情報に処理を行い、その結果に基づいて吐出制御手段14を介して記録動作を制御する。例えば、検知手段10が記録媒体の両端部(幅)を検知した場合は、その幅内に画像が記録されるように、キャリッジ走査領域における吐出開始位置や終了位置をコントロールする。また、検知手段がカラーキャリブレーション用のテストパッチを検知した場合には、検知したカラーデータを処理し、処理結果に応じて各インクのカラーバランスを補正する。
図4(a)〜(h)は、本発明で採用可能な記録ヘッド2とセンサ10との位置関係の例を示す図である。2つのうちのどちらの記録ヘッドをB方向上流側に配置するか、2つの記録ヘッドのどちらにより近い位置にセンサ10を配置するか、センサを上流側下流側どちらに配置するかによって、考えられる8通りの配置を夫々示している。ここでは、図1に示すヘッドメンテナンス機構9の位置に記録ヘッド2が配置されている状態を示している。
なお、いずれの配置においても、センサ10は、記録ヘッド2の吐出口面Pに対し、B方向にはその領域の延長線上の領域に含まれ、A方向にはその領域の延長線上とは異なる位置に、配置されている。本実施形態においては、センサ10をこのように配置することによって、キャリッジ3のA方向の幅の増加を抑制する。
図4(a)〜(d)はキャリッジ3におけるB方向最下流側にセンサ10が配置されている状態を、同図(e)〜(h)はキャリッジ3におけるB方向最上流側にセンサ10が配置されている状態を、夫々示している。
これら2つの形態を比較した場合、図4(a)〜(d)では、センサ10が記録ヘッド2a、2bよりも下流にあるので、記録ヘッドが記録動作を行っている最中に、記録ヘッドが記録した画像をセンサ10で検知することが出来る。また、記録ヘッドがセンサの領域分だけキャリッジ軸から離れて配置されることもないので、記録時にキャリッジの移動に伴う振動の影響を受け難いという利点もある。
これに対し、図4(e)〜(h)では、センサ10が記録ヘッド2a、2bよりも上流にあるので、記録ヘッドが記録動作を行っている最中、センサの検知可能領域は白紙である。よって、テストパターンの検知動作を行うためには、記録ヘッドがテストパターンを記録した後に、用紙を逆搬送または再度給紙動作を行う必要が生じる。また、記録ヘッドがセンサの領域分だけキャリッジ軸から離れて設置されているので、記録時にキャリッジの移動に伴う振動の影響を受け、記録位置ずれが発生する懸念がある。
図4(a)、(d)、(e)、(g)は、キャリッジ3がホームポジションにある状態において、記録媒体1の端部に近い位置にセンサ10が配置されている。よって、図4(b)、(c)、(f)、(h)のような構成に比べ、記録媒体の幅検知のようなホームポジションから走査を開始する動作を行う場合には、キャリッジ3の移動距離を短く、短時間で処理を完了させることができる。
以下においては、記録ヘッド2およびセンサ10の配置を、図4(a)に示す配置とした場合について説明する。図5は記録ヘッド2およびセンサ10の配置を図4(a)に示す配置とした場合を示す図である。同図に示すように、本実施形態においては、記録媒体1の搬送方向(図中B方向)の上流側から順に、記録ヘッド2b、記録ヘッド2a、センサ10が配置されている。また、同図においても、ヘッドメンテナンス機構9の位置に、キャリッジ3が配置されている状態を示している。
図5に示す場合、記録媒体1の右端部と記録ヘッド2との間の距離は、記録ヘッド2aでは距離Xaであり、記録ヘッド2bでは距離Xbである。記録ヘッド2aよりも記録ヘッド2bの方が記録媒体1に近い位置に配置されているため、距離Xbよりも距離Xaの方が大きい。
また、図5に示す構成において、記録ヘッド2aのB方向最下流側に位置する吐出口12と、センサ10のB方向最上流側の一端との間の距離は距離Laである。また、記録ヘッド2bのB方向最下流側に位置する吐出口12と、センサ10のB方向最上流側の一端との間の距離は距離Lbである。本実施形態においては、上述のように、B方向上流側から記録ヘッド2b、記録ヘッド2a、センサ10の順に配置されているため、距離Laよりも距離Lbの方が長い。更に、本実施形態においてセンサのB方向の幅をWとする。
ここで、本実施形態におけるカラーパッチ17は、マルチパス記録によって記録される。すなわち、記録媒体1の同一領域に対して、キャリッジ3を複数回走査させることによって、徐々に画像を記録する。なお、本実施形態におけるカラーパッチ17は色を重ね合わせることによって形成するものに限定されず、単色毎のベタパッチによって形成されるものであってもよい。
このカラーパッチ17の記録が完了した領域を、センサ10の検知部10aにて検知することによって、色味や濃度などを検知する。インクの乾燥時間が異なると、センサの検知値に誤差が生じるため、記録が完了してからセンサが検知するまでのインクの乾燥時間、すなわち搬送動作の回数は一律にすることが好ましい。
図6は本実施形態におけるパターン(カラーパッチ17)の記録動作と検知動作とを説明するための拡大図である。同図に示すように、記録媒体1にカラーパッチ17が記録され、記録媒体1が搬送されると、センサ10の読み取り可能領域に記録媒体1が搬送されてくる。この搬送されてきた記録媒体1に記録されたカラーパッチ17を検知部10aにて検知する。そして、図3を参照して説明したように、この検知した情報が検知手段10からCPU16に伝達されることにより、この情報に応じて、記録装置20の各種設定が補正される。
本例では4パスのマルチパス記録が採用され、カラーパッチは、記録ヘッドの記録走査と、Lcに相当する記録媒体の搬送動作とを、交互に4回繰り返すことによって完成される。そして、更にn回の記録走査と搬送動作が行われて、完成された領域がセンサの検知可能領域に達すると、記録ヘッドによる記録走査と同じ走査でセンサが完成された領域の検知を行う。
この際、同じタイミングで記録が完了したLc幅の領域は、幅Wのセンサによる同一の走査で検知される必要がある。よって、記録ヘッド2aの吐出口列11のB方向の下流端部からセンサ10のB方向の上流端までの距離Laは、カラーパッチの記録完了時の搬送量Lcのn倍よりも大きいこと(La>n・Lc)が必要となる。加えて、記録ヘッド2aの吐出口列11のB方向の下流端部からセンサ10の下流端までの距離La+Wは、カラーパッチの記録完了時の搬送量Lcのn+1倍よりも小さいこと((n+1)・Lc>La+W)が必要となる。
以上のように本実施形態によれば、センサを、記録ヘッドの吐出口面に対して、記録媒体の搬送方向にはその領域の延長線上の領域に少なくともその一部が含まれる位置であり且つ主走査方向にはその領域の延長線上の領域とは異なる位置に、配置している。この機構レイアウトにより、主走査方向へのキャリッジの移動距離を短くしつつ、記録ヘッドがカラーパッチを記録するための走査と同じ走査にて記録済みのカラーパッチの検知が可能となり、装置を小型化しつつキャリブレーションのための時間を短縮できる。
(第2実施形態)
本実施形態は第1実施形態の構成に加えてミスト吸引ファン18(吸入手段)を備え、記録ヘッド2およびセンサ10の配置が図4(d)に示す配置である場合について説明する。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図7は本実施形態における記録ヘッド2とセンサ10とを示す図である。同図に示すように、本実施形態においては、ガイド軸4と平行に且つガイド軸4よりもB方向上流側にミスト吸引ファン18が配置されている。ミスト吸引ファン18は、吐出口12からのインクの吐出時に生じるインクミストが記録媒体などを汚染するのを防ぐため、記録媒体から離れる方向へ気流を発生させ、これを吸引する。
図7に示すように、本実施形態のキャリッジ3には、B方向最上流側から順に、記録ヘッド2a、記録ヘッド2b、センサ10が配置されている。本実施形態における距離Xaおよび距離Xbの長さなどの関係は、図5を参照して説明した第1実施形態と同じである。他方、本実施形態においては、記録ヘッド2aよりも記録ヘッド2bの方がセンサ10に近い位置に配置されているため、距離Lbよりも距離Laの方が長い。
記録媒体1の搬送方向の上流側にミスト吸引ファン18を備える構成においては、記録媒体1の搬送方向下流側から上流側への気流が生じる。この場合、センサ10を記録ヘッド2よりも下流側に配置することによって、センサ10へのインクミストの付着などを抑制し、センサ10の読み取り精度の低下を防止することができる。
このような構成とすることによって、ミスト吸引ファン18を備える構成であっても、キャリッジ3の幅が増加することを抑制しつつ、センサ10にインクミストが付着するのを極力抑えることができる。よって、本実施形態においては、第1の実施形態に比べ、センサの検知精度を向上させつつ延命効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、検知部10aが検知する対象として、カラーパッチ17のみを例示して説明したが、検知部10aは、記録媒体1に記録された文字などを検知することもできるし、記録媒体1の端部を検知することもできる。スキャナ機能(コピー)を備えた記録装置の場合は、検知部10aにて原稿の文字や画像を読み取ることもできる。また、往路走査の記録位置と復路走査の記録位置とのずれ量を検知し、これに応じて各種設定値を補正することもできる。
なお、上記実施形態においては4色のカラーインクを用いる記録装置について説明したが、本発明を適用することができる記録装置に用いることができるインクの色および種類はこれに限定されない。例えば、ブラックインクのみを用いる記録装置であってもよいし、上記の4色以外の色のインクを用いてもよい。また、上記実施形態においては記録装置としてインクジェット式の記録装置について説明したが、本発明を適用しうる記録装置はレーザービーム式、熱転写式、感熱式、ワイヤドット式など、いずれの記録方式のものであってもよい。
上記実施形態においては、記録ヘッド2a、記録ヘッド2b、およびセンサ10が別個に構成され、夫々キャリッジ3に搭載される。しかしながら、記録ヘッド2a、記録ヘッド2b、およびセンサ10は、一体として構成され、キャリッジ3に搭載されてもよい。
また、図4(a)〜(h)のうち、第1実施形態においては図4(a)の配置、第2実施形態においては図4(d)の配置、である場合を例に挙げて説明したが、本発明には図4(a)〜(h)のいずれの配置も適用することができる。
上記実施形態においては、図1及び図2に示すように、キャリッジ3に2つの記録ヘッド2が搭載されており、この2つの記録ヘッド2に、4色のインクを吐出する吐出口12により構成された吐出口列11が、夫々4列設けられている構成について説明した。しかしながら、本発明を適用することができる記録装置においては、キャリッジ3に搭載される記録ヘッドの個数および吐出口列の数などは上記の構成に限定されない。
上記実施形態においては、複数配置された記録ヘッドを、走査方向において重複する吐出口を一部有するように、千鳥状に配置したが、記録ヘッドは並列に配置してもよい。この場合においても、記録ヘッドの吐出口面に対し、記録媒体の搬送方向にはその領域の延長線上の領域に含まれ、且つ、主走査方向にはその領域の延長線上とは異なる位置に、センサを配置することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
ノズル列が1列の記録ヘッドの場合、センサの幅が吐出口面よりも大きい場合も考えられる。この様な場合であっても、センサの少なくとも一部が、記録ヘッドの吐出口面に対し、記録媒体の搬送方向にはその領域の延長線上の領域に含まれ、且つ、主走査方向にはその領域の延長線上とは異なる位置に配置されていればよい。
なお、第2実施形態においては、ミスト吸引ファン18をガイド軸4よりもB方向上流側に配置する構成について説明したが、ミスト吸引ファン18の配置はこの位置に限定されない。例えば、ガイド軸4よりもB方向下流側に、ミスト吸引ファン18を配置してもよい。この場合においては、図4(e)の配置および図4(h)の配置が有利に適用できる。特に、図4(e)の配置の場合は、センサ10が記録媒体1の端部寄りに配置されているため、キャリッジ3の移動距離が長くなることを抑制し、処理時間の短縮化を実現することができる。
いずれにせよ、シリアル型の記録ヘッドの吐出口面に対し記録媒体の搬送方向にはその領域の延長線上の領域に少なくとも一部が含まれ且つ走査方向にはその領域の延長線上とは異なる位置にセンサを配置していれば、本発明は有効に機能する。
2 記録ヘッド
10 センサ(検知手段)
11 記録素子列(吐出口列)
12 記録素子(吐出口)
20 記録装置

Claims (5)

  1. 複数の記録素子が記録媒体の搬送方向に沿って構成された記録素子列を有する記録ヘッドを用いて前記記録媒体に記録を行い、前記記録媒体を検知する検知手段を備える記録装置であって、
    前記検知手段は、前記記録ヘッドの前記記録素子を有する面に対して、前記搬送方向には前記面の延長線上の領域に少なくとも一部が含まれる位置であり、且つ、前記搬送方向と交差する主走査方向においては前記面の延長線上の領域とは異なる位置に、配置されていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録ヘッドは複数配置されており、複数の記録ヘッドのうち1つの記録ヘッドは、他の記録ヘッドに対して、前記主走査方向において前記他の記録ヘッドにおける記録素子の配置されている領域の延長線上の領域に配置される記録素子を有するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記検知手段は、前記記録ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドによる記録と、前記検知手段による検知とを、同一の走査にて行うことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記記録素子から吐出されるインクミストを吸入する吸入手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の記録装置。
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