JP2014213334A - クラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置 - Google Patents

クラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工対象物の材料に応じて、微細なクラックを生成することができるクラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置を提供する。
【解決手段】第1のレーザ光源から予め定められた第1のパルス幅及び加工対象物の材料が多光子吸収を生じる光強度を有する第1の光パルスを加工対象物に照射して、加工対象物の内部に光吸収率が一時的に高くなる第1の領域を予め定められた予定線に沿って形成しつつ、一時的に光吸収率が高くなった第1の領域の光吸収率が元に戻る前に、第2のレーザ光源から加工対象物の材料に対して予め定められた、加工対象物の材料が多光子吸収を生じない光強度及び第1のパルス幅より広い第2のパルス幅を有する第2の光パルスを、第1の領域の少なくとも一部に照射して吸収させ、予め定められた予定線に沿って加工対象物にクラックを生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、クラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置に関し、特に加工対象物の材料に応じて、微細なクラックを生成することができるクラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置に関する。
透明材料の内部に、比較的パルス幅の狭い短パルス光源、例えば、パルス幅がフェムト秒(fs)オーダーであるフェムト秒レーザからの光パルスや、比較的パルス幅の広い長パルス光源、例えば、パルス幅がナノ秒(ns)オーダーであるナノ秒レーザからの光パルスなどを集光して集光点を形成し、該集光点近傍の電場強度をきわめて高い条件にすると多光子吸収が生じ、透明材料に該光パルスのエネルギーを注入することができる。そして、この注入されたエネルギーにより材料内に改質領域を形成することができるので、半導体材料基板、圧電材料基板、あるいはガラス基板などの内部にこのような改質領域を連続的にまたは断続的に形成して割断に利用する技術が知られている。
特許文献1には、上記技術を用いた、レーザを用いた割断技術が開示されている。特許文献1のものは、最初に照射したフェムト秒レーザによって加工対象物の内部に改質領域を形成し、次に照射したフェムト秒レーザによって一時的に光吸収率が高い領域を形成し、さらに該光吸収率が高い領域にナノ秒レーザを照射して吸収させることにより加熱し、
その加熱によって生じた熱膨張により上記改質領域を起点として切断を行うように構成されている。
特開2013−022627号公報
改質領域とは、材料の屈折率変化を伴う領域であるが、高精細な割断を行うためには該改質領域内に微細なクラックを含むことが望ましい。この点、特許文献1に開示されたレーザを用いた割断技術においては、最初に照射するフェムト秒レーザによって生じた改質領域にクラックが生成されるように意図して構成されていない。また、加工対象物の材料に応じてナノ秒レーザの光出力を適切な値に設定するという発想がないため、加工対象物が適切な加熱状態とならず、従って、特許文献1のものは微細なクラックを生成しつつ割断を実行するものとはなっていない。
クラックが生成されないと、その後の熱膨張時に割断の起点として十分に機能せず、材料によっては割断が困難となる場合がある。また、仮にクラックが生成されたとしても、
微細なクラックが生成される条件にはなっていないため、割断面に荒れが生じてしまう。
そのため、種々の材料に対して高精細な割断を行うという点で改善の余地があった。
一方、微細なクラックを生成する場合において照射するレーザ光に対する条件は材料によって異なり、例えばフェムト秒レーザでソーダ石灰ガラスに微細なクラックを生成させることは困難である。微細なクラックの生成は、レーザ光を材料内に吸収させた後の温度分布や温度の持続時間、あるいはそれらに起因する熱膨張(つまり、材料の熱的な特性)に関係するところ、フェムト秒レーザから出射される光パルスは比較的小さなエネルギーを極めて短い時間で材料内に注入するものであり、材料に与える熱的な条件の点で材料によっては適していない場合があるためである。なお、上記の微細なクラックとは、微小の空洞にならない程度のヒビも含む。
また、ナノ秒レーザからの光パルスは、フェムト秒レーザからの光パルスに比べて大きなエネルギーを持ち、フェムト秒レーザと同様に集光して電場強度を極めて高い条件にすれば多光子吸収を生じさせることも可能であるが、そのためにはレーザの出力が大きい高価な装置を用いる必要がある。また、仮にそのような装置を用いた場合でも、パルスのエネルギーが過大となって必要以上に大きなクラックを生じ、割断面の荒れ、デブリの発生、チップの歩留り低下などが問題になる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、加工対象物の材料に応じて、微細なクラックを生成することができるクラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のクラックの生成方法は、第1のレーザ光源から予め定められた第1のパルス幅及び加工対象物の材料が多光子吸収を生じる光強度を有する第1の光パルスを前記加工対象物に照射して、前記加工対象物の内部に光吸収率が一時的に高くなる第1の領域を予め定められた予定線に沿って形成しつつ、一時的に光吸収率が高くなった前記第1の領域の光吸収率が元に戻る前に、第2のレーザ光源から前記加工対象物の材料に対して予め定められた、前記加工対象物の材料が多光子吸収を生じない光強度及び前記第1のパルス幅より広い第2のパルス幅を有する第2の光パルスを、
前記第1の領域の少なくとも一部に照射して吸収させ、前記予め定められた予定線に沿って前記加工対象物にクラックを生成するものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2のレーザ光源から前記第2の光パルスを照射することは、前記第1の光パルスと時間的及び空間的の少なくとも一方において重畳させて前記第2の光パルスを照射するものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記第2のパルス幅は、前記加工対象物においてクラックが生成されるときの前記第2のレーザ光源のパルス幅のうち、最小のパルス幅に対応する値となるように定められるものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないしは請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の光パルスのピークは、前記第1の光パルスのピークより予め定められた時間だけ遅延しているものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないしは請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記第2のパルス幅を前記加工対象物の材料の熱膨張係数、熱伝導率、およびヤング率の少なくとも1つに基づいて定めるものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないしは請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記第1の光パルスを照射することは、前記第1の光パルスを前記加工対象物の内部に集光するように照射し、前記第2の光パルスを照射することは、前記第2の光パルスを前記加工対象物の内部に集光するように照射し、前記第1の光パルス及び前記第2の光パルスの集光部分の大きさ、形状、及び個数の少なくとも1つが、クラックを生成する方向に応じて制御されるものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第2の光パルスの前記集光部分の形状が楕円形状であり、該楕円の長軸が前記予め定められた予定線と平行であるものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第2の光パルスの前記集光部分の個数が複数個であり、各々の集光部分の中心を結ぶ直線が前記予め定められた予定線と平行であるものである。
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載のレーザによる割断方法は、請求項1ないしは請求項8のいずれか1項に記載のクラックの生成方法を用い、前記予め定められた予定線に沿って前記加工対象物の割断をさらに行うものである。
さらに、上記目的を達成するために、請求項10に記載のレーザ割断装置は、パルス状の光を出射する第1のレーザ光源と、パルス状の光を出射する第2のレーザ光源と、加工対象物の内部に光吸収率が一時的に高くなる第1の領域を形成するように、前記第1のレーザ光源から予め定められた第1のパルス幅及び加工対象物の材料が多光子吸収を生じる光強度を有する第1の光パルスを前記加工対象物に照射させるように前記第1のレーザ光源を制御し、かつ、一時的に光吸収率が高くなった前記第1の領域の光吸収率が元に戻る前に、第2のレーザ光源から前記加工対象物の材料に対して予め定められた、前記加工対象物の材料が多光子吸収を生じない光強度及び第1のパルス幅より広い第2のパルス幅を有する第2の光パルスを、前記第1の領域の少なくとも一部に照射させるように前記第2のレーザ光源を制御して、前記加工対象物にクラックを生成する照射制御手段と、予め定められた予定線に沿って前記第1のレーザ光源からの前記第1の光パルス及び前記第2のレーザ光源からの前記第2の光パルスを照射するように、前記加工対象物と前記第1のレーザ光源及び前記第2のレーザ光源との少なくとも一方を移動させる移動手段と、を含むものである。
本発明によれば、加工対象物の材料に応じて、微細なクラックを生成することができるクラックの生成方法、レーザによる割断方法およびクラック生成装置を提供することができるという効果を奏する。
実施の形態に係るクラック生成装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るクラック生成方法の手順を示す工程図である。 第1の実施の形態に係るフェムト秒レーザからの光パルスとナノ秒レーザからの光パルスの時間的関係を示す模式図である。 第1の実施の形態に係るクラック生成の状態を示す模式図である。 フェムト秒レーザからの光をソーダ石灰ガラスに照射した場合の光吸収率の変化を示すグラフである。 フェムト秒レーザからの光をSiCに照射した場合の光吸収率の変化を示すグラフである。 加工対象物がSiCの場合のナノ秒レーザからの光パルスのパルス幅とクラックの発生確率との関係を示すグラフである。 熱膨張係数とナノ秒レーザからの光パルスのクラックを生じる最小のパルス幅との関係を示すグラフである。 フェムト秒レーザからの光パルスに対するナノ秒レーザからの光パルスの遅延時間を0.25nsとしてレーザ光発生装置からの光をソーダ石灰ガラスに照射した場合の光吸収率の変化を示すグラフである。 フェムト秒レーザからの光パルスに対するナノ秒レーザからの光パルスの遅延時間を0.05nsとしてレーザ光発生装置からの光をソーダ石灰ガラスに照射した場合の光吸収率の変化を示すグラフである。 フェムト秒レーザの集光スポットおよびナノ秒レーザの集光スポットとクラックの方向との関係を説明するための概念図である。 フェムト秒レーザの集光スポットおよびナノ秒レーザの集光スポットとクラックの方向との関係を説明するための概念図である。 フェムト秒レーザの集光スポットおよびナノ秒レーザの集光スポットとクラックの方向との関係を説明するための概念図である。 フェムト秒レーザの集光スポットおよびナノ秒レーザの集光スポットとクラックの方向との関係を説明するための概念図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明するが、その前に本実施の形態の基本的な考え方について説明する。
上述したように、高精細な割断を行うためには改質領域内に微細なクラックを含むことが望ましい。また、レーザを用いた割断において、短パルスレーザあるいは長パルスレーザを各々単独で用いても微細なクラックを生成させることは困難である。
そこで本実施の形態では、短パルスレーザと長パルスレーザとを時間的または空間的に重畳させて照射することで単独では吸収させられない、低い光パワーの長パルスレーザの光を吸収させるようにしている。
つまり、本実施の形態では、エネルギーの比較的小さな短パルスレーザからの光によって材料の光吸収率を一時的に高くしておき、光吸収率が高くなった当該領域に長パルスレーザからの光を吸収させる方法を採用する。これによって、長パルスレーザが単独では吸収されない低い光パワーであっても吸収させることが可能となる。
このことにより、吸収させる長パルスレーザの光パワーとパルス幅を材料に応じて自由に選択することが可能となり、長パルスレーザの光パワーとパルス幅を材料に応じて微細なクラックを生成するために適切な条件に設定することが可能となる。つまり、短パルスレーザを長パルスレーザを吸収させるための「きっかけ」とし、その後長パルスレーザによって適切な加熱具合や熱膨張の具合を調整することにより微細なクラックを生成させることができる。この際、長パルスレーザからの光パルスのパルス幅が狭いほどクラックが細かくなるので、クラックを生じる最小のパルス幅を長パルスレーザの光パルスのパルス幅として設定してもよい。
[第1の実施の形態]
図1を参照して、本実施の形態に係るクラック生成装置10の構成について説明する。
クラック生成装置10は、レーザ光発生装置12、ビーム径調整器28、ダイクロイックフィルタ30、集光レンズ32、XYZステージ34、CCDカメラ36、および制御部38を含んで構成されている。
レーザ光発生装置12から出射したレーザ光Lは、ビーム径調整器28、ダイクロイックフィルタ30、および集光レンズ32を通過して、XYZステージ34上に保持された加工対象物40に照射される。
レーザ光発生装置12は、第1のレーザ光源としての短パルス光源14、1/2波長板18、第2のレーザ光源としての長パルス光源16、ミラー20、遅延回路22、1/2波長板24、PBS(Polarization Beam Splitter:偏光ビームスプリッタ)26、およびレーザ制御部42を含んで構成されている。
レーザ光発生装置12は、短パルス光源14および長パルス光源16を各々単独で発振させることもできるし、短パルス光源14および長パルス光源16を同期させて発振させることもできるように構成されている。また、レーザ光発生装置12は、短パルス光源14から出射された光パルスのピークと長パルス光源16から出射された光パルスのピークの相対的な位置関係を調節し、また、両光パルスを時間的または空間的に、あるいは時間的および空間的に重畳させて出射することができる。上記同期あるいは重畳の制御は、レーザ制御部42を介して実行される。
本実施の形態においては、短パルス光源14からの光パルスのパルス幅は、長パルス光源16からの光パルスのパルス幅より相対的に狭く設定されるが、具体的なパルス幅については特に限定されない。しかしながら、理解の容易化のために、ここでは、短パルス光源14として、フェムト秒(fs)オーダーのパルス幅を有する光パルスを発生するフェムト秒レーザを適用し、長パルス光源16として、ナノ秒オーダーのパルス幅を有する光パルスを発生するナノ秒レーザを適用した形態を例示して説明する。
従って、以下において、短パルス光源14をフェムト秒レーザ14と、長パルス光源16をナノ秒レーザ16と各々称する場合がある。
本実施の形態においては、フェムト秒レーザ14からの光パルスのパルス幅は、一例として、10fs以上、10ps以下に設定される。本実施の形態では、最初に照射するレーザとしてフェムト秒レーザ14を用い、加工対象物40の内部において、ナノ秒レーザ16に対する光吸収率が非改質領域よりも高い領域(光吸収率増加領域)を一時的に形成する。
一方、本実施の形態においては、ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅は、一例として、100ps以上、20ns以下に設定される。そして、2番目に照射するレーザとしてナノ秒レーザ16を用い、フェムト秒レーザ14を用いて加工対象物40の内部に形成した光吸収率増加領域を局所的に加熱する。なお、2番目に照射するレーザ光としては、上述のナノ秒レーザ16のように、形成された光吸収率増加領域において吸収される波長帯のレーザであって、非改質領域に対しては透明、またはほぼ透明であるレーザであればいずれのレーザを用いてもよい。
フェムト秒レーザ14からのレーザ光の進行方向の後流側(下流側)には1/2波長板18が設けられおり、該1/2波長板18の後流側にPBS26が設けられている。フェムト秒レーザ14から出射される光は直線偏光であり、1/2波長板18によって偏波面の方向を調整されて該直線偏光のP偏光成分のみがPBS26を透過し、レーザ光発生装置12から出射される。
なお、以下においては、光源から出力されたレーザの進行方向の後流側を単に「後流側」と称し、光源から出力されたレーザの進行方向の上流側を単に「上流側」と称することにする。
ナノ秒レーザ16の後流側には、ミラー20、遅延回路22、および1/2波長板24がこの順序で設けられており、ナノ秒レーザ16から出射した光はミラー20によって反射され、遅延回路22および1/2波長板24を介してPBS26に入射するように位置決めされている。ナノ秒レーザ16から出射された光は直線偏光であり、1/2波長板24によって偏波面の方向を調整されて該直線偏光のS偏光成分のみがPBS26で反射され、レーザ光発生装置12から出射される。
フェムト秒レーザ14からの光を透過させて出力し、ナノ秒レーザ16からの光を反射して出力する上記PBS26は、フェムト秒レーザ14からの光とナノ秒レーザ16からの光を合波する合波手段としても機能している。
遅延回路22は、直角に配置された2枚1組のミラー22aおよび22bを含んで構成され、該ミラーを入射するレーザの光軸と平行に移動することによってナノ秒レーザ16の光路長を変化させ、フェムト秒レーザ14から出射される光パルスとナノ秒レーザ16から出射される光パルスとの間の時間的な関係を調整する。
当該調整の結果、PBS26からは、図3に示すように、遅延時間tDが設定されたフェムト秒レーザ14からの光パルスおよびナノ秒レーザ16からの光パルスがレーザ光Lとして出射される。
なお、遅延回路22は以上の構成に限らず、レトロリフレクタなどを用いてもよい。
PBS26の後流側にはビーム径調整器28が配置されており、フェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16から入射された光は、所望のビーム径に調整されて後流側に出射される。ビーム径調整器28としては、ビームエキスパンダや開口(アパーチャー)などを用いることができる。
ビーム径調整器28の後流側には、フェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16の双方からの光は反射するとともに、可視光は透過するように構成されたダイクロイックフィル夕30、集光レンズ32およびXYZステージ34がこの順序で設けられている。
ビーム径調整器28から出射されたフェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16からの光は、ダイクロイックフィルタ30で反射され、集光レンズ32を介してXYZステージ34上に保持された加工対象物40に入射する。
ここで、XYZステージ34の各軸については、X軸およびY軸がXYZステージ34上の加工対象物40を設置するための設置面の面内にあり、Z軸が該設置面の法線方向であるものとする(図4参照)。
XYZステージ34は、設置面上に設置された加工対象物40を、所望の距離だけX軸、Y軸、およびZ軸に沿って移動できるように構成されている。
XYZステージ34の設置面と対向して、CCDカメラ36が設けられている。CCDカメラ36は可視光をXYZステージ34の設置面に向けて照射する可視光光源を備えている。該可視光光源から出射された可視光がダイクロイックフィルタ30、および集光レンズ32を通過してXYZステージ34に保持された加工対象物40に照射され、該加工対象物40において反射された可視光が再びダイクロイックフィルタ30を通過してCCDカメラ36の撮像素子に入射するように、CCDカメラ36、ダイクロイックフィル夕30、集光レンズ32、およびXYZステージ34が位置決めされている。本実施の形態では、集光レンズ32により集光された可視光の焦点と、集光レンズ32により集光されたフェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16の焦点とは一致している。
XYZステージ34、およびCCDカメラ36には、XYZステージ34およびCCDカメラ36を制御する制御部38が電気的に接続されている。
この制御部38は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU、およびこのCPUによって実行されるさまざまな制御プログラムなどを格納するROM、CPUの処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM、およびフラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリなどを含んで構成されている。また、制御部38には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む図示しない入力操作部、XYZステージ34の入力・設定状態、CCDカメラ36の撮像画像などをはじめとする種々の表示を行う図示しない表示部(例えば、ディスプレイ)が接続されている。
次に、レーザ光発生装置12から出射した光の焦点を加工対象物40の内部の所定の位置に設定する方法の一例を説明する。
制御部38は、加工対象物40が保持されたXYZステージ34をZ軸方向に移動させながら、CCDカメラ36により撮像データを取得するように、XYZステージ34およびCCDカメラ36を制御する。制御部38は、CCDカメラ36により取得された該撮像データに基づいて、上記可視光光源から出射され集光レンズ32によって集光された光の焦点の位置が加工対象物40の表面と一致するときのXYZステージ34の位置を取得し、当該位置を基準位置とする。当該基準位置は、制御部38に設けられた図示しないRAM等による記憶部に記憶しておいてもよい。なお、この基準位置は、集光レンズ32が同一の位置に設けられ、加工対象物40の厚さが同一である場合には流用できる。
加工対象物40の内部の所定の位置に、集光レンズ32を介したフェムト秒レーザ14やナノ秒レーザ16の焦点を設定する場合には、上記基準位置を基準としてXYZステージ34のZ軸方向の位置を調整して設定する。
例えば、加工対象物40の表面からxμmの位置に上記焦点を設定したい場合は、ユーザが先述の図示しない入力操作部により、加工対象物40の表面から焦点までの距離に関する焦点距離情報としてxμmを入力し、さらに加工対象物40の材料の屈折率を入力する。
制御部38は、RAM等に格納された基準位置に基づいてXYZステージ34を移動させ、加工対象物40の表面が集光レンズ32からの焦点と一致するようにする。ついで、
制御部38は、ユーザにより入力された焦点距離情報および加工対象物40の材料の屈折率に基づいて、入力された屈折率におけるxμmの対応距離を演算し、該演算結果に基づいて、加工対象物40の表面から内部に向かってxμmの位置に焦点位置が来るように上記基準位置から所定距離だけ下方(Z軸方向であって、集光レンズ32から遠ざかる方向)にXYZステージ34を移動させる。これにより、集光レンズ32により集光したフェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16の焦点は、加工対象物40の内部の所定の場所に位置することになる。
次に、レーザ光発生装置12から出射される光パルスのパルス幅と光パワーの調整方法について説明する。
ナノ秒レーザ16のパルス幅の調整は、例えば、図1のナノ秒レーザ16の内部において行うことができる。一例として、1ns程度以上のパルス幅にする場合は、ナノ秒レーザ16の共振器内部の光路上に音響光学素子(AOM:Acousto−Optic Modulator)を設けておき、該AOMのスイッチ動作の時間的な長さによってパルス幅を調整することができる。また、例えば1ns程度以下のパルス幅にする場合は、特許文献1等に開示された光ファイバストレッチャを用いることができる。
また、光ファイバストレッチャはその長さでパルス幅を調整することができ、例えばフェムト秒レーザ14からの光パルスのようなパルス幅の狭い光パルスを光ファイバストレッチャ内に伝搬させることにより、該パルス幅を拡大することができる。
光パワーの調整は、図1の1/2波長板18または24とPBS26とを用いて行うことが可能である。フェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16から出射されるレーザ光は直線偏光であり、1/2波長板18または24を回転させて偏波面の方向を変えることにより、P偏光成分とS偏光成分の量を変えることができる。
1/2波長板18は、フェムト秒レーザ14からの出射光がPBS26に対してP偏光で入射するように構成されている。また、1/2波長板24は、ナノ秒レーザ16からの出射光がPBS26に対してS偏光で入射するように構成されている。
PBS26はP偏光成分を透過しS偏光成分を反射するので、フェムト秒レーザ14から出射したレーザ光はP偏光成分を増やす(S偏光成分を減らす)と、レーザ光発生装置12から外部に出射される光パルスの光パワーが増加し、逆にP偏光成分を減らす(S偏光成分を増やす)と光パルスの光パワーが減少する。
一方、ナノ秒レーザ16から出射したレーザ光は、S偏光成分を増やす(P偏光成分を減らす)とレーザ光発生装置12から外部に出射される光パルスの光パワーが増加し、逆にS偏光成分を減らす(P偏光成分を増やす)とレーザ光発生装置12から外部に出射される光パルスの光パワーが減少する。
なお、フェムト秒レーザ14あるいはナノ秒レーザ16から出射された光の偏光状態が楕円偏光や円偏光となっているために、上記のようにして出力を調整する場合においてフェムト秒レーザ14あるいはナノ秒レーザ16から出射された光の消光比が劣化する場合には、各々1/2波長板18あるいは1/2波長板24の上流側に偏光子を挿入して該消光比を改善することが可能である。
次に、図2を参照して、加工対象物40にクラックを生成させる場合の手順を説明する。図2は、本実施の形態に係るクラック生成方法の工程を示している。
まず、工程S100でフェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16からの光パルスのパラメータ、ここでは、パルス幅と光パワーを加工対象物40の材料に応じて設定する。
フェムト秒レーザ14からの光パルスのパラメータは、加工対象物40の内部に光吸収率増加領域を形成するのに必要最低限のエネルギーを有するように設定される。具体的には、光パワーは加工対象物40の材料に固有の吸収しきい値(特定の材料において多光子吸収が発生する最低の光パワー)を越える光パワーに設定され、パルス幅はその光パワーと所要のエネルギーとに基づいて設定される。
一方、ナノ秒レーザ16からの光パルスの光パワーは吸収しきい値未満に設定され、パルス幅は、当該ナノ秒レーザ16からの光パルスを上記光吸収増加領域に照射した場合に、微細なクラックが生成されるエネルギーを有するように設定される。
図3は、以上のように設定されるフェムト秒レーザ14からの光パルスとナノ秒レーザ16からの光パルスの時間的関係を模式的に示している。同図では、ナノ秒レーザ16からの光パルスのピークが、フェムト秒レーザ14からの光パルスのピークより遅延時間tDだけ遅れるように設定されているが、遅延時間tDの設定は必要に応じて行えばよいもので、必須のものではない。なお、遅延時間tDの詳細については後述する。
以上のフェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16の光パルスのパラメータ、および遅延時間tDの設定値は、一例として、材料ごとに制御部38に設けられた図示しないROM等の記憶部に記憶させておき、制御部38が、予め定められたタイミングで読み込むようにしてもよい。
次に、工程102で、加工対象物40を保持したXYZステージ34をレーザ光発生装置12からのレーザ光Lに対して相対的に移動させながら、フェムト秒レーザ14からの光およびナノ秒レーザ16からの光を加工対象物40の内部に時間的または空間的に重畳させて照射することにより、予め定められた予定線に沿って微細なクラックを生成させていく。このレーザ光Lの照射は連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。また、
予め定められた予定線に沿うレーザ光Lの照射は、必要に応じ、加工対象物40の内部における深さを変えて複数回(例えば、5回)行ってもよい。このレーザ光発生装置12からのレーザ光Lの照射の制御は、制御部38がXYZステージ34を制御するとともにレーザ制御部42を制御して実行する。
図4に、上述のレーザ光Lとクラック生成領域Rとの関係を模式的に示す。同図に記載されたSLは、上記の予め定められた予定線を示している。なお、予め定められた予定線とは仮想的な線であってもよいし、加工対象物40の表面に実際に書かれた線であってもよい。
図2では記載を省略しているが、上記レーザ光Lの照射の後に、予め定められた予定線に沿って加工対象物40を割断してもよい。当該割断は、外部機械的応力によるブレーク工程を用いて行ってもよい。
なお、本実施の形態では、加工対象物40をレーザ光発生装置12からのレーザ光Lに対して相対的に移動させるようにしているが、これに限定されず、レーザ光発生装置12からのレーザ光Lを加工対象物40に対して相対的に移動させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、別途ブレーク工程を設けて割断を行うようにしたが、上記特許文献1と同様に、レーザ照射によって割断を行うようにしてもよい。
以下、図2に示す工程図に関連した内容についてさらに詳細に説明する。
本実施の形態に係るクラック生成の対象物としての加工対象物40の例としては、GaN(窒化ガリウム)、SiC(炭化ケイ素)、サファイア、ガラス等の材料が挙げられる。しかしながら、加工対象物40の材料としてはこれらの材料に限定されず、フェムト秒レーザ14により光吸収率増加領域を形成し、ナノ秒レーザ16を該光吸収率増加領域において吸収させ微細なクラックを生成させることが可能な材料であれば、いずれの材料にも適用することができる。
また、レーザ光発生装置12(フェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16)からのレーザ光Lの波長は、加工対象物40の材料に対して透明になる波長が選択されている。
その意味において、加工対象物40は、レーザ光発生装置12から出射する光に対して透明な透明材料である。
まず、フェムト秒レーザ14の照射について説明する。
工程S102では、加工対象物40の内部に光吸収率増加領域を形成するために、固体内部プラズマもしくは光イオン化現象を発生させるのに十分なエネルギーを持ったフェムト秒レーザ14からの光パルスを照射する。本実施の形態では、フェムト秒レーザ14のエネルギー密度は必ずしも加工対象物を改質するほどのエネルギー密度(改質領域を形成するほどのエネルギー)に設定する必要はなく、固体内部プラズマもしくは光イオン化現象を誘起する程度のエネルギーに設定すればよい。
フェムト秒レーザ14の具体的な設定は、一例として、波長=1.04μm、パルス幅(光パルスにおいて光パワーがピーク値の1/2となる部分の時間幅で規定、以下同様。
以下、この時間幅を「半値全幅」と称する場合がある。)=500fsのレーザ光を用いて、NA=0.65の集光レンズ32でおよそ1.5μmのスポット径に集光する例が挙げられる。この場合の所要エネルギー(つまり、固体内部プラズマもしくは光イオン化現象を誘起する程度のエネルギー)は、およそ0.01μJである。
フェムト秒レーザ14からの出射光を加工対象物40に照射すると、固体内部プラズマもしくは光イオン化に起因する自己吸収(アバランシェ吸収)が発生し、加工対象物40におけるフェムト秒レーザ14の照射部の光吸収率が一時的に上昇する。
図5はソーダ石灰ガラスに、また図6はSiCにフェムト秒レーザ14からの光を照射した場合の光吸収率の時間的変化の測定例である。測定はポンププローブ法により行った。
すなわち、図1において、フェムト秒レーザ14からの光が出射した直後にハーフミラーを用いて一部を分岐して(この分岐した光を「プローブ光」と呼ぶ)遅延回路(遅延回路22とは別の遅延回路)を通過させた後、PBS(PBS26とは別のPBS)等を用いてフェムト秒レーザ14からの光と合波して同じ経路に戻し、フェムト秒レーザ14に対して遅延時間(図5および図6においては「経過時間」と表記)を与えて加工対象物40に照射し、材料を透過したプローブ光の吸収率を求めて図5あるいは図6のグラフを作成している。なお、この測定の際ナノ秒レーザ16は発振させていない。
図5あるいは図6に示された測定結果より、ソーダ石灰ガラス、SiCともに、フェムト秒レーザ14が照射された直後(つまり経過時間0の近傍)において吸収率が急激に上昇し、その後緩和することがわかる。また、当該光吸収率の変化は、ソーダ石灰ガラスは0.2ns程度、SiCは4ns程度で終了することがわかる。従って、この光吸収率が変化している時間を固体内部プラズマあるいは光イオン化による光吸収率の上昇の持続時間とみなすことができる。以下、この光吸収率の上昇の持続時間を「光吸収率持続時間」と称する場合がある。
次に、ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅の材料ごとの決定方法について説明する。
ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅(時間幅)は、原理的には、加工対象物40の材料に効率的に熱を与えることができ、かつ該光パルスに起因する電子励起→格子振動→熱拡散の過程が進むまで光照射が持続するように設定されることが望ましい。この点を考慮し、ナノ秒レーザ16のパルス幅は、一般的には100ps以上が望ましいといえる。以下では、実際に実験により求めたナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅について説明する。
図7に、フェムト秒レーザ14からの光を一定条件下で照射した後、ナノ秒レーザ16からの光を照射した場合の、ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅とクラックの発生確率との関係を、加工対象物40をSiCとして測定した例を示す。同図から、パルス幅が100ps付近でクラックの発生確率が飽和し、その後のパルス幅に対しては、クラックの発生確率がほぼ一定値となることがわかる。
図示はしてないが、パルス幅をさらに広げるとクラックの発生確率は減少し、クラックは、照射されるナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅がある範囲の場合において生じる。さらに、同図に示すように、パルス幅が狭いほどクラックは微細になる。
従って、ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅は、一例として、クラックの生じるパルス幅の範囲内における最小のパルス幅とすることができる。すなわち、加工対象物40の材料がSiCの場合には、図7から、ナノ秒レーザ16のパルス幅は約100psとすればよいことがわかる。
表1は、種々の材料について上記と同様に実験により求めた、クラックを生じる最小のパルス幅の一例である。このパルス幅より短くなるにつれてクラックの発生確率は減少し、最終的には生じなくなる(図7参照)。従って、前記最小のパルス幅よりパルス幅が狭い領域においても一定量のクラックは生じており、その意味において表1に示した最小のパルス幅は目安であって、一定の幅がある値である。

表1に示す実験結果から、予めある材料に対してナノ秒レーザ16のパルス幅を変えながら加工対象物40に生じるクラックを観察し、クラックの生ずる最小のパルス幅を求めておけば、それと同種の材料のクラック生成を行う際には、そのパルス幅をナノ秒レーザ16のパルス幅とすることもできる。
また、図8に示すように、多くの材料について、材料の熱膨張係数と微細なクラックを生成できる最少のパルス幅との間には相関があるため、割断を行う加工対象物40の材料の熱膨張係数に応じてナノ秒レーザ16のパルス幅を決定してもよい。つまり、その材料の物性値から当該パルス幅を予測し、決定してもよい。
例えば、図8から、一例として、熱膨張係数が3×10−6〜7×10−6(1/K)の範囲にある材料に対しては、ナノ秒レーザ16のパルス幅を10ps以上1ns以下に設定し、熱膨張係数が7×10−6(1/K)以上の材料に対しては、ナノ秒レーザ16のパルス幅を1ns以上20ns以下に設定してもよい。
なお、実験の結果、加工対象物の材料の熱膨張係数以外にも、加工対象物の材料の熱伝導率あるいはヤング率と微細なクラックを生成できる最少のパルス幅との間にも相関が認められた。
以上のようにして材料ごとに設定したナノ秒レーザ16のパルス幅および光パワーは、
制御部38に設けられた図示しないROM等に記憶させておいてもよい。
次に、図2の工程S102について説明する。工程S102では、フェムト秒レーザ14からの光の照射によって加工対象物40に局所的に形成された光吸収率増加領域に対して、当該光吸収率増加領域の光吸収率が元に戻る前に、つまり光吸収率持続時間内に、ナノ秒レーザ16からの光を照射する。この際のナノ秒レーザ16のパルス幅および光パワーは、工程S100において設定されたパルス幅および光パワーである。
ナノ秒レーザ16から出射される光パルスは、フェムト秒レーザ14から出射される光パルスと時間的または空間的に、あるいは時間的および空間的にオーバーラップ(重畳)させることが好ましい。
図3は、フェムト秒レーザ14からの光パルスとナノ秒レーザ16からの光パルスとを時間的にオーバーラップさせる場合の例を示している。図3では、フェムト秒レーザ14からの光パルスのピークに対するナノ秒レーザ16からの光パルスのピークの遅れの時間差を遅延時間tD秒と定義している。
図3で示す例では、フェムト秒レーザ14からの光パルスのピークに対してナノ秒レーザ16からの光パルスのピークは遅延時間tDだけ遅れているが、加工対象物40に入射するのはナノ秒レーザ16からの光パルスが先である。そのため、フェムト秒レーザ14からの光パルスとナノ秒レーザ16からの光パルスとの間に時間的なオーバーラップが生じている。
図3には、吸収しきい値も併せて示している。先述したように、本実施の形態では、フェムト秒レーザ14からの光パルスの光パワーのピーク値は、吸収しきい値を超える値に設定されている。また、ナノ秒レーザ16からの光パルスの光パワーのピーク値は、吸収しきい値未満に設定されている。
図9および図10に、ソーダ石灰ガラスについて、上記遅延時間tDを変えた場合の光吸収率の変化を示す。図9はtD=0.25nsの場合、図10はtD=0.05nsの場合の光吸収率の変化を示している。図9および図10の各々においては、フェムト秒レーザ14に加えて、エネルギー約1.2μJ、パルス幅約0.1nsのナノ秒レーザ16を照射している。また、本光吸収率の測定は、上述のポンププローブ法を用いて行った。
図5との比較で明らかなように、図10では、光吸収率が高くなり、また光吸収率持続時間も大幅に拡大されている一方、図9では図5との対比において明確な差異がない。このことから、図10は、フェムト秒レーザ14からの光パルス照射で生じた0.2ns程度の光吸収持続時間(図5参照)において照射した、ナノ秒レーザ16からの光パルスのエネルギーの一部が加工対象物40に吸収され、該エネルギーの吸収によりさらに固体内部プラズマもしくはイオン化に起因する自己吸収が持続していることを示しているといえる。
また、ナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅がさらに長い場合(例えば、一例として、10ns程度のパルス幅)であっても、該光パルスの最初の一部が吸収されれば、
それに続く光パルスの残りの部分も吸収されるということであり、換言すれば、光パルスのパルス幅全域の時間に渡って吸収させることができることを示している。
本実施の形態においては、上記遅延時間tDを加工対象物40の材料ごとに実験等から求めることを基本としている。
しかしながら、図5および図10の結果から示される事実、すなわち、フェムト秒レーザ14からの光パルスを加工対象物40に照射した直後から光吸収率の増加が生じ、ナノ秒レーザ16からの光パルスの最初の一部が加工対象物40に吸収されれば、それに続くナノ秒レーザ16からの光パルスの残りの部分も吸収されるという事実から、遅延時間tDは、材料にかかわらず、例えばナノ秒レーザ16からの光パルスのパルス幅(半値全幅)の約1/2に設定してもよい。遅延時間tDの設定をこのように行えば、フェムト秒レーザ14を照射した後の光吸収率持続時間を予め材料ごとに調べる手間を省くことができる。
また、仮にフェムト秒レーザ14からの光パルスとナノ秒レーザ16からの光パルスとを遅延時間tD=0sで加工対象物40に照射した場合には、ナノ秒レーザ16からの光パルスの前半部分を吸収させることができずに、エネルギーを無駄にすることになるが、
そのような問題も生じない。なお、パルス幅の1/2とは目安であって、遅延時間tDをある程度拡大しても吸収させることは可能であり、必要に応じて別の固定値に変えてもよい。
以上のようにして、ナノ秒レーザ(加工対象物40に対して透明なレーザ)16からの光パルスを加工対象物40に照射することにより、該光パルスのエネルギーが光吸収率増加領域(励起された領域)で吸収され、加工対象物40の内部を局所的に加熱することが可能となる。その結果本実施の形態では、微細なクラックを生成させることができる。
本実施の形態では、以上のようにして、フェムト秒レーザ14およびナノ秒レーザ16の照射を予め定められた予定線に沿って行い、微細なクラックを含んだクラック生成領域を連続的に、または断続的に形成することができる。その後、必要に応じ、外部機械的応力によるブレーク工程により当該クラック生成領域に沿って割断を行ってもよい。
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、第1の実施の形態において、さらにクラックの生ずる方向の制御を可能とする形態である。
レーザ光によりクラックを形成する場合、一般に、真円ピームを照射すると集光部での熱応力が等方的に広がるため、クラックは任意の方向に発生する。そのため、加工対象物40として例えば半導体材料を選択し、所定の方向にクラックの連続するラインを形成してから割断するような場合については好ましくない形状のクラックが発生する可能性がある。そのため、クラックの生ずる方向を制御する必要性が生ずる。
クラックの生ずる方向を制御する方法としては、ピームの集光形状に方向性を持たせる(例えば、ビームの集光形状を楕円にする等)もしくは、集光スポットを2個にしてそれらを近接させて照射するなどの方法が知られている(例えば、特開2011−056544号公報)。
しかしながら上記の方法では超短パルスレーザを用いている為に、材料によっては十分な熱応力を付加する事ができず、そのため、ある特定の材料についてのみしか適用することができない。また、楕円もしくは複数の集光スポットが必要となるために、レーザの所要エネルギーが大きくなってしまう。さらに、熱応力を付加するのに十分なパルス幅のナノ秒レーザからの光パルスを用いて多光子吸収を発生させようとすると、シングルパルスに比べてさらに大きなエネルギーが必要とされるために、クラックは大きくなりすぎてしまう。
また、フェムト秒レーザのパルスとナノ秒レーザのパルスの混合パルスを用いる場合でも、フェムト秒光パルスおよびナノ秒光パルスの双方とも楕円もしくは複数集光スポットにした場合には、フェムト秒光パルスの光エネルギーがシングルスポットの場合に比べて倍以上必要となるので、安価でかつ高速な加工に対しては好ましくない。
本実施の形態は、フェムト秒光パルスによって発生した光吸収増加領域のエリアが、該フェムト秒光パルスの集光スポットのエリアよりも広くなることに注目して(経験的に光吸収増加領域の面積は、フェムト秒光パルスの集光スポットの面積の4倍以上)、フェムト秒光パルスはシングルスポットで照射することにより必要エネルギーを小さくし、ナノ秒光パルスの集光形状のみを制御することによって、クラックの生ずる方向の制御を行なうことを特徴とする。
以下、本実施の形態についてさらに詳細に説明する。まず、図1において加工対象物40の表面に対し垂直な方向から加工対象物40の内部を見た図である図11および図12を参照して、ナノ秒レーザ16から出射された楕円スポットの長軸方向と、クラックの方向との関係について説明する。
図11(a)のように、加工対象物40の内部にフェムト秒レーザ14から出射された光を集光すると、該光が加工対象物40に吸収された後、該集光部およびその周囲に固体内部プラズマが発生する。該個体内部プラズマにナノ秒レーザ16から出射された光パルスを吸収させると、該個体内部プラズマと該ナノ秒レーザ16から出射された楕円スポットの重なった領域が加熱され、該領域では熱応力が非等方的に広がり、該楕円スポットの長軸方向にクラックが発生する。よって、図11(b)に示すように、例えばX軸方向に長軸を持つ楕円のナノ秒レーザ16からの光パルスを照射すると、クラックはX軸方向に発生する。
従って、図11(b)に示すスポットを有するナノ秒レーザ16を用いて、図12(a)に示すように、フェムト秒レーザ14からの光パルスとナノ秒レーザ16からの光パルスを照射しながら加工対象物40をX軸方向に走査すれば、割断したい線と平行にクラックができるので、本実施の形態が目的とする、加工対象物40の材料に応じた微細なクラックの生成上好ましい状態を得ることができる。一方、図12(b)に示すように、ナノ秒レーザ16からの出射光における楕円スポットの長軸をY軸方向に向けた状態でX軸方向に走査すると、割断したい線と垂直にクラックができるので好ましくない。
以上のように、本実施の形態では、楕円スポットを有するナノ秒レーザ16からの光パルスの長軸方向を割断予定線に平行になるように設定する。かかる構成により、加工対象物の材料に応じて微細なクラックを好ましい方向に生成することができ、さらに高精細な割断を行うことができる。
また、図13(a)あるいは図13(b)に示すように、加工対象物40の割断面(割断によって生ずる面、XZ面)と、楕円スポットを有するナノ秒レーザ16からの光パルスの長軸が平行となる(クラックの方向が割断面に平行となる)ようにしてもよい。このような構成によっても加工対象物40を割断する上で好ましい方向にクラックを発生させることができる。
さらに、ナノ秒レーザ16からの出射光のスポットを楕円にする方法以外に、図14に示すように、ナノ秒レーザ16からの出射光のスポットを略真円とし、該スポットを複数個(図14では2個)照射するようにしてもよい。この場合のクラックの方向は図中に矢印で示すとおり、ナノ秒レーザ16からの出射光のスポットの中心を結んだ直線の方向となる。
以上のように、本実施の形態では、楕円スポットを有するナノ秒レーザ16からの光パルスの長軸の方向を割断面に平行になるように設定する。あるいは、略真円のスポットを複数個有するナノ秒レーザからの光パルスのスポットの中心を結んだ線の方向を割断予定線に平行になるように設定する。かかる構成により、加工対象物の材料に応じて微細なクラックを好ましい方向に生成することができ、さらに高精細な割断を行うことができる。
10 クラック生成装置
12 レーザ光発生装置
14 短パルス光源(フェムト秒レーザ)
16 長パルス光源(ナノ秒レーザ)
18、24 1/2波長板
20 ミラー
22 遅延回路
22a、22b ミラー
26 PBS
28 ビーム径調整器
30 ダイクロイックフィルタ
32 集光レンズ
34 XYZステージ
36 CCDカメラ
38 制御部
40 加工対象物
42 レーザ制御部
L レーザ光
SL 予め定められた予定線

Claims (10)

  1. 第1のレーザ光源から予め定められた第1のパルス幅及び加工対象物の材料が多光子吸収を生じる光強度を有する第1の光パルスを前記加工対象物に照射して、前記加工対象物の内部に光吸収率が一時的に高くなる第1の領域を予め定められた予定線に沿って形成しつつ、
    一時的に光吸収率が高くなった前記第1の領域の光吸収率が元に戻る前に、第2のレーザ光源から前記加工対象物の材料に対して予め定められた、前記加工対象物の材料が多光子吸収を生じない光強度及び前記第1のパルス幅より広い第2のパルス幅を有する第2の光パルスを、前記第1の領域の少なくとも一部に照射して吸収させ、前記予め定められた予定線に沿って前記加工対象物にクラックを生成する
    クラックの生成方法。
  2. 前記第2のレーザ光源から前記第2の光パルスを照射することは、
    前記第1の光パルスと時間的及び空間的の少なくとも一方において重畳させて前記第2の光パルスを照射する
    請求項1に記載のクラックの生成方法。
  3. 前記第2のパルス幅は、前記加工対象物においてクラックが生成されるときの前記第2のレーザ光源のパルス幅のうち、最小のパルス幅に対応する値となるように定められる
    請求項1または請求項2に記載のクラックの生成方法。
  4. 前記第2の光パルスのピークは、前記第1の光パルスのピークより予め定められた時間だけ遅延している
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のクラックの生成方法。
  5. 前記第2のパルス幅を前記加工対象物の材料の熱膨張係数、熱伝導率、およびヤング率の少なくとも1つに基づいて定める
    請求項1ないしは請求項4のいずれか1項に記載のクラックの生成方法。
  6. 前記第1の光パルスを照射することは、前記第1の光パルスを前記加工対象物の内部に集光するように照射し、
    前記第2の光パルスを照射することは、前記第2の光パルスを前記加工対象物の内部に集光するように照射し、
    前記第1の光パルス及び前記第2の光パルスの集光部分の大きさ、形状、及び個数の少なくとも1つが、クラックを生成する方向に応じて制御される
    請求項1ないしは請求項5のいずれか1項に記載のクラックの生成方法。
  7. 前記第2の光パルスの前記集光部分の形状が楕円形状であり、該楕円の長軸が前記予め定められた予定線と平行である
    請求項6に記載のクラックの生成方法。
  8. 前記第2の光パルスの前記集光部分の個数が複数個であり、各々の集光部分の中心を結ぶ直線が前記予め定められた予定線と平行である
    請求項6に記載のクラックの生成方法。
  9. 請求項1ないしは請求項8のいずれか1項に記載のクラックの生成方法を用い、
    前記予め定められた予定線に沿って前記加工対象物の割断をさらに行う
    レーザによる割断方法。
  10. パルス状の光を出射する第1のレーザ光源と、
    パルス状の光を出射する第2のレーザ光源と、
    加工対象物の内部に光吸収率が一時的に高くなる第1の領域を形成するように、前記第1のレーザ光源から予め定められた第1のパルス幅及び加工対象物の材料が多光子吸収を生じる光強度を有する第1の光パルスを前記加工対象物に照射させるように前記第1のレーザ光源を制御し、かつ、
    一時的に光吸収率が高くなった前記第1の領域の光吸収率が元に戻る前に、第2のレーザ光源から前記加工対象物の材料に対して予め定められた、前記加工対象物の材料が多光子吸収を生じない光強度及び第1のパルス幅より広い第2のパルス幅を有する第2の光パルスを、前記第1の領域の少なくとも一部に照射させるように前記第2のレーザ光源を制御して、前記加工対象物にクラックを生成する照射制御手段と、
    予め定められた予定線に沿って前記第1のレーザ光源からの前記第1の光パルス及び前記第2のレーザ光源からの前記第2の光パルスを照射するように、前記加工対象物と前記第1のレーザ光源及び前記第2のレーザ光源との少なくとも一方を移動させる移動手段と、
    を含むクラック生成装置。
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