JP2014212893A - 防炎シート構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スプレー噴射塗装を行なうにあたり、噴射塗料が周辺に飛散するのを防止し、塗装作業場での塗装物体の確認が容易にできる透明性を有し、また塗料が溶剤系である場合の状況も考慮して燃えにくい性能を有しかつ、廃棄あるいは取り扱い性が良好な防炎シート構造体を提供せんとするものである。【解決手段】2枚の相対する合成樹脂シートを有し、該合成樹脂シート周縁の一部または全部が密封接合され、該合成樹脂シート内部に、不燃物が封入されていることを特徴とする防炎シート構造体。【選択図】図1

Description

本発明は、防炎シート構造体に関する。詳しくは、透明性に優れた間仕切材に好適な防炎シート構造体に関する。
空間の間仕切材は、取扱う場所によって様々な資材や器材が使用されている。居住空間の間仕切材は無論、公共的な居住空間の間仕切材においても火災予防の観点より燃焼し難い材料が求められる。これら居住空間や公共的な空間の間仕切材は、一般的に半透明乃至不透明の間仕切材が圧倒的に多いのが現状である。しかし、商工業製品若しくはその製品を生産する作業空間においては、例えば色付け塗装されるものが多い。これらのうち比較的単純な形状や用途の製品や部品の色付け塗装は刷毛塗りで行なわれるが、大きな形態の物品やその形状に窪みなどを有する複雑な形状のものあるいは高所での塗装作業や仕上げ品位が求められる製品若しくは部品の塗装作業の多くはスプレー噴射方式が採用されている。これらスプレー噴射方式による塗装作業は密閉若しくは半密閉系の作業場で、間仕切空間を持つ室内で行われている。この理由としては、短い時間での塗装、塗膜へのゴミ付着防止、塗膜の均一性、複雑な窪み形状への塗装、作業場の易温湿度管理、作業場の風量調整、溶剤系塗料の易溶剤回収などが要求されるからである。
殊に、スプレー噴射塗布法は、ノズルから吹きつけるに際して微細塗料が広角度噴出するため、塗装物体を飛び越えて飛散する。そのために間仕切材(カーテン、幕、壁)が必要である。そして塗装される製品若しくは部品の塗装具合を判定するためにこれらの間仕切材は透視性が要求される。ところがスプレー噴射塗布を継続すると、間仕切材は付着した塗料で透視性が徐々に低下してしまう。このため透視性が低下した間仕切材は新しく交換しなければならない。しかも溶剤系塗料であるほど引火性や燃焼性の危惧から難燃性能や防炎性能が大きく要求されるため、これらの間仕切材は難燃性能や防炎性能を有する資材が求められる。
間仕切材は、燃焼し難く透視性が大きい素材としてポリ塩化ビニルやポリオレフィンやポリエステルフィルム等の熱可塑性合成樹脂素材が挙げられるが、不燃や準不燃物ではない。従って、不燃や準不燃を確保するためにこれら素材中に充填材(特に無機物)を混和することが考えられるが、透明性が低下するという問題がでてくる。
不燃性と透明性の両性能を保有する素材として板ガラスがあるが、板ガラスの場合は割れやすい欠点がある。従って、板ガラスの場合は、接触によって割れたときの飛散破片が塗装物体に当たってキズが付いたり、スプレー装置の一部や周辺の作業機器を破損させたり、作業員が負傷したりするリスクがある。割れ難くするためにガラスの厚みを厚くすることが考えられるが、厚みを厚くすると重量が増加し、間仕切材とするにはその付帯構造まで頑丈にする必要がある。その上スプレー噴射塗布を継続すると板ガラスに付着した塗料で透視性が徐々に低下し、取り扱い性や経済面で負担がかかる。
従来、間仕切材は、ポリ塩化ビニル製のシートや透明のカーテンが多く使用されている。低コストでもありシート交換も容易である。しかし消防法的には難燃性領域であるため代替品が要求されている。要求される代替品としては、透明性及び難燃性能を保有しつつ低価格であることが望まれている。しかしながらこれらの要求を満たすものは現状極めて少ない。また透明性が低下して交換されたカーテンは、少なくとも易処分か、望ましくは再利用可能であることが第一条件でこれらに匹敵する材料は見つかっていない。
特許文献1には、カーテンに水を流す記載がある。しかし布製のカーテンそのものに透明性が無いので仕切幕の外側から内部の塗装状態が観察できない。また、飛び跳ねた水玉が塗装体に当たると塗装ムラの原因となるので、これを要求される代替品に採用することは困難である。
また特許文献2には、含水珪酸マグネシウム、パルプ、ガラス繊維、あるいはバインダーを混ぜた防炎インクジェット用シートが記載されているが、透明性が無い。
更にまた、特許文献3は、特許文献2と同様に透明性が無く、現状では、透明視性と防炎性の両方を満足させるシート材は見当たらない。
特開2000−189531号公報 特開2009−178963号公報 特開2006−212346号公報
本発明は、一般居住空間及び公的施設等の間仕切材としては勿論、工業製品若しくはその部品の塗装作業場において、スプレー噴射塗装を行なうにあたり、噴射塗料が周辺に飛散するのを防止し、塗装作業場での塗装物体の確認が容易にできる透明性を有し、また塗料が溶剤系である場合の火災の発生等も考慮して、燃え難い材料構造を有する防炎シート構造体を提供せんとするものである。
上記課題を解決するための手段、すなわち本発明の構成は、2枚の相対する合成樹脂シートを有し、該合成樹脂シート周縁の一部または全部が密封接合され、該合成樹脂シート内部に、不燃物が封入されていることを特徴とする防炎シート構造体である。
不燃物が不燃性気体、不燃性液体あるいは不燃性固体であることが望ましい。
合成樹脂シート内部に支持部材が介入されている構造が望ましい。
合成樹脂がポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ビニロン、尿素樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびメラミン樹脂から選ばれた1以上であることが望ましい。
シート構造体が無色透明または有色透明である構造が望ましい。
防炎シート構造体の厚さが1〜40mmであることが望ましい。
本発明は、上記構成により、スプレー噴射塗装を行なうにあたり、噴射塗料が周辺に飛散するのを防止し、塗装作業場での塗装物体の確認が容易にできる透明性を有し、また塗料が溶剤系である場合の火災の発生等も考慮して燃えにくい材料構造を保有しかつ、廃棄あるい取り扱い性が良好な防炎シート構造体が提供できる。
図1は、本発明の防炎シート構造体の断面の一例を示す図である。 図2は、本発明の実施例1で得られたシート構造体の平面を示す図である。 図3は、本発明の実施例1で得られたシート構造体の側面を示す図である。 図4は、本発明の実施例3で得られたシート構造体の平面を示す図である。 図5は、本発明の実施例3で得られたシート構造体の側面を示す図である。 図6は、本発明の実施例4で得られたシート構造体の平面を示す図である。 図7は、本発明の実施例4で得られたシート構造体の側面を示す図である。 図8は、本発明の実施例5で得られたシート構造体の平面を示す図である。 図9は、本発明の実施例5で得られたシート構造体の側面を示す図である。
本発明の防炎シート構造体は、2枚の相対する合成樹脂シートを有し、該合成樹脂シート周縁の一部または全部が密封接合され、該合成樹脂シート内部に、不燃物が封入されている。
図1は本発明の防炎シート構造体の断面の一例を示す図である。1は支持部材、2は合成樹脂シート、3は不燃物を示す。
本発明の防炎シート構造体を構成する合成樹脂シートは、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ビニロン、尿素樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびメラミン樹脂から選ばれた1種以上の合成樹脂からなるフィルムであることが好ましく、より好ましくはポリエステルが良い。合成樹脂シートは、無色透明あるいは有色透明であることが好ましい。ここでシートの透明性がなくなるとシートを通して向こうの物体の判別がつかなくなる。合成樹脂フィルムの厚みはとくに限定をするものではないが、好ましくは30〜3000μm、より好ましくは、50μm以上とするのが良い。ここで厚みが30μmを下回ると、シートの強度が低下する。一方、3000μmを超えるとシートの取り扱い性および作業性に問題が出てくる。
合成樹脂シートの周縁部は、その一部または全部が熱溶着あるいは接着剤で密封接合されている。接合されたシートの周縁部には、好ましくは、流体、例えば、不燃性液体あるいは不燃性気体の流出口及び流入口がそれぞれ設けられている。
2枚のシートが接合されたシート構造体の大きさは、使用目的、用途、シートの製造条件によって異なり、特に限定されるものではないが、例えば一辺の長さは1.5メートル以上のものが好ましく、上限は特に定めるものではないが製造加工上10メートル以下のものが推奨される。
本発明のシート構造体中に配設される支持部材1,4,7は、不燃物3,6,9(不燃性気体、不燃性液体または不燃性固体)を、合成樹脂シートを接合してなる袋体の平面方向に同じ厚みを保持する為の支持と、合成樹脂シート2,5,8,11の補強と、構造体全体の透明性を保持するのが目的であり、図2に示されるように亀甲目ハニカム構造体あるいは、図6に示されるように格子形であっても良い。また、図4に示されるように超音波融着などにより形成された点状に融着された柱状物であっても良い。支持部材1,4,7は不燃性気体や不燃性液体がシートの中で自由に流通できる流路が形成されている。支持部材1,4,7が図2に示されるような亀甲目ハニカム構造体の場合にあっては、例えば、ダブルラッセル機にて、編成した編地で形成することができる。ハニカム亀甲あるいは格子の1単位の面積は0.5〜10cm、好ましくは1〜5cmとするのがよい。
尚、支持部材4は図5に示すように2枚の合成樹脂シート5の中に等間隔にシートの厚みを保持しながら例えば超音波融着した点状柱で、その直径が約1mmの円形にして、融着点間距離を約3mmとなるような格子配置で接合しても良い。
本発明の防炎シート構造体の内部に封入する不燃性気体とは、炭酸ガス、窒素ガス等である。
防炎シート構造体の内部に封入する不燃性液体とは、例えば水等を用いることができる。
防炎シート構造体の内部に封入する不燃性固体とは、例えばガラス板等を用いることができる。
本発明の防炎シート構造体の厚みは、1〜40mm、好ましくは2〜10mmとするのが望ましい。ここで1mmを下回ると、封入不燃物の量が少なくなるため、燃焼し始めの合成樹脂シートの消火の際に防炎の効果が出なくなる。一方、40mmを超える場合にあっては、例えば、不燃性液体または不燃性固体を扱う場合、シートの重量が大きくなり取扱い性に支障が出てくる。
本発明は、不燃物を密封接合された2枚の相対する合成樹脂シートの間に封入することで、防炎性と透明性能を得ることに成功した。この一定の空間内に不燃物素材を封じ込める考え方は、従来の素材自体に不燃物を練込みする方法や素材自体に化学結合的に物質を結合させる方法とは全く異にする。しかも透明性を得るために、封入されたシートの厚みを出来るだけ一定且つ平面化とすることで、例えば、防炎シート構造体越しに、塗装作業中の塗装物体を見る場合、シートが凸レンズ化して物体が拡大若しくは変形して見えること無く、ほぼ実物サイズに見ることが出来る。
塗装物体がほぼ実物サイズに見えるために不燃物を封入された後のシートの厚みを出来るだけ一定(平面化)にする方法として、相対する2枚の透明な不透水シート又は不透気シート間の距離を出来るだけ広げずに両者を部分的に超音波や高周波融着や接着剤等でスポット結合させる方法と、一定の厚みを保有している透明で細い繊維で構成された大きな粗い目合いの繊維構造体を芯体とし、これを相対する2枚の不透水シート又は不透気シートで挟み込み結合させる方法と、2枚の透明な平面体を40mm以内の距離となるように対峙させ、その40mm間のスペース内をこれも透明な板状仕切り壁で小さく間仕切りした構造体にしても良い。尚、厚みを平面化する方法としてこの3方法に限定されるものでない。また2枚の透明な合成樹脂シートを密封接合した袋体は、注入する不燃物が速やかに全体に充填されやすくするために間仕切り壁の一部に注入剤の出入口が設けてあってもよい。防炎シート構造体には、注入及び排出用口が1箇所以上設けられていても良く、それら注入及び排出用口は逆止弁などを含む注入装置が付いていても良い。更に又これら防炎シート構造体の少なくとも片面側に、透明の薄膜が一体化されていても良い。これは透明の薄膜が使用中に汚れて透明性が損なわれた時は、その薄膜のみを交換することで防炎シート構造体の取替え頻度を減らすことが出来るからである。
以下実施例で本発明を詳述するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。尚、本発明の評価に用いた方法は以下による。
(シートのリサイクル性の評価方法)
スプレー塗装を実施後のシートについて再使用ができるかどうか目視判定し、両面とも使用可能なものを◎、片面使用が可能なものを○、1回くらいは再使用が可能なものについては△、塗料付着で使用が不可のものについては×とした。
(シート交換作業の容易性の評価方法)
シート内部に、不燃性気体、不燃性液体あるいは不燃性固体の封入ならびに抜取り作業の容易性について評価し、作業性の容易なものについて○、やや難があるものについては△、取り扱いが困難なものについては×で評価した。
(シートの廃棄処分性についての評価方法)
一般ごみと同等の廃棄処分が比較的容易なものについては○、廃棄物としての分別が必要で産業廃棄物としての取り扱いになるものについては×とした。
(シート構造体のコストパフォーマンスの評価)
シート構造体のコストパフォーマンスが良いものは○、やや難があるものは△、悪いものについては×の評価をした。
(実施例1)
芯がレギュラー/鞘が低融点構造の56デシテックスポリエステルスーパーブライトモノフィラメントを使用し、22ゲージダブルラッセル機にて1個の目合いサイズが約1.5cmで厚みが3mmの亀甲目ハニカム構造体を編成した。このハニカム構造体の両面に70μm厚みの透明ポリエステルフィルムを熱ラミ方式で貼り合わすと共に、フィルムの周囲4辺を、上下辺の各1箇所に逆止弁を取り付けた以外は完全気密に貼り合わせ、ハニカム繊維構造体を内封した3mm厚みのシート構造体を作製した。図2に、得られたシート構造体の平面の概略を示す。また、図3に得られたシート構造体の側面の概略を示す。次にこの容器の一端の逆止弁より水を注入し、他端の逆止弁からのオーバーフローを確認して止栓した。このシート構造体に内封した水量は約2.4リットル/mで厚味は3.2mmであり、透明であった。次にこの水を内封したシート構造体を垂直に吊るし、炎の先端部より2cm離れた位置に水を内封したシート構造体が位置するように用意して蝋燭を点火してみると、最初は透明ポリエステルフィルムが溶けはじめて黒煙を発して燃え始めたが、直後に内封の水がそこから漏れ出してフィルムの燃焼及び蝋燭の炎までも消してしまった。シート構造体の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で得られた亀甲目ハニカム構造体を内封した3mm厚みの扁平なシート構造体容器の一端の逆止弁から炭酸ガスを注入し、他端の逆止弁から炭酸ガスが漏れ始めたのを確認して止栓した。このシート構造体に内封した炭酸ガス量は約2.3リットル/m2であり、厚味は3mmで透明であった。この炭酸ガスを内封したシート構造体を垂直に吊るし、下端に用意した蝋燭を点火してみると、最初は透明ポリエステルフィルムが溶けはじめて黒煙を発して燃え始めたが、直後に内封の炭酸ガスがそこから一気に漏れ出してフィルムの燃焼及び蝋燭の炎までも消してしまった。シート構造体の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
厚みが100μmの透明塩化ビニルフィルムの2枚を超音波融着機にて融着した。融着点は、直径が約1mmの円形であり、融着点間距離が約15mmとなるような市松格子配置になるように融着し、周囲4辺を上下辺の各1箇所に逆止弁を取り付けた以外は完全気密に貼り合わせ、透明なシート構造体を得た。図4に得られたシート構造体の平面の概略を示す。また図5に、得られたシート構造体の側面の概略を示す。次にこの透明で扁平なシート構造体の4辺を把持できる窓枠を作製し、この透明な扁平機密袋構造体を枠に緊張気味に取り付け、垂直に吊るした。下部位置の逆止弁より水を注入し、上部の逆止弁から水が出るのを確認して止栓した。この結果、水の注入後の厚みはほぼ3mm程度となり、大きな凸レンズ現象(シートがふくらんで凸レンズ状になる)が起こらなかったのは、窓枠で緊張固定した効果であった。この透明シート構造体に内封した水量は約2.1リットル/m2で厚みは3.1mmであり、透明であった。次にこの水を内封したシート構造体を45度傾斜に吊るし、炎の先端部より2cm離れた位置に水を内封したシート構造体面が位置するように用意して蝋燭を点火してみると、最初は透明塩化ビニルフィルムが溶けはじめて煙を発したが、直後に内封の水がそこから漏れ出してフィルムの燃焼及び蝋燭の炎までも消してしまった。シート構造体の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
厚みが2mmで1辺が1mの正方形である透明ポリエステル樹脂板2枚を用意し、1cmの間隔を持たして4辺の周囲を同じ材料で、また2枚に囲まれた空間には同じく2mmの厚味の同材料で仕切られた壁(丁度パズルの迷路のごとく、どの区切り区画にも入り口と出口がある)のような格子構造体を得た。図6に得られたシート構造体の平面の概略を示す。また、図7に得られた構造体の側面の概略を示す。この構造体の上下に設けた注入口より水を注入し、構造体内部に水で満たした状態にした。水の注入量は約8リットル/mであった。この水を満たした構造体を45度傾斜にセットし、炎の先端部より2cm離れた位置に水を内封した格子構造体面が位置するように用意して蝋燭を点火してみた。最初は透明ポリエステル樹脂板が変形し、黒煙を発しながら徐々に溶けはじめたが、直後に内封の水がそこから漏れ出して透明ポリエステル樹脂板面の燃焼及び蝋燭の炎までも消してしまった。この格子構造体の片面側に50μm程度の透明ポリエステルフィルムを貼り付ければ、噴射塗料の飛沫で透視性能が低下してもフィルムを剥ぎ、新しいフィルムを貼るだけで繰り返し使用出きるのでコスト的には抑えられる。シート構造体の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
透明で厚みが2mmの四角形ガラス板の両面を、これも透明なポリ塩化ビニルの100μm厚みフィルムで密着被覆し、同フィルムでガラス板の周辺を熱融着してガラス板をフィルム内に閉じ込めた。図8に得られた構造体の平面の概略を示す。また、図9に得られた構造体の側面の概略を示す。次にこれを45度傾斜に吊るし、炎の先端部より2cm離れた位置にフィルムで内封したガラス板の面が位置するように用意して蝋燭を点火してみると、刺激臭のある煙を発しながら透明ポリ塩化ビニルフィルムは溶けはじめ、溶ける面積が拡大して行くが燃えなかった。ポリ塩化ビニルの溶解で剥き出しになったガラス板は燃えることはなかった。ガラス板をフィルムで被覆した理由は、壊れやすいガラス板を衝撃から守り、また壊れてもガラスの破片飛散を抑制するのと、噴射塗料の飛沫で透視性能が低下してもフィルムを剥ぎ、新しいフィルムを貼るだけで使用出きるのでガラス板は繰り返し使用出来、コストを抑えるためである。シート構造体の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
透明なポリ塩化ビニルの1mm厚みフィルムを、蝋燭の炎の先端部から2cm離れた位置に鋼線網入りの透明なポリ塩化ビニルの下端部が位置するよう垂直に立てかけて蝋燭を点火してみると、刺激臭の煙を発しながらポリ塩化ビニルフィルムが溶けはじめ、溶ける面積が拡大して行き、蝋燭の炎の熱が届かないところで溶融が停止した。このフィルムのの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
鋼線網入りの透明板ガラス(厚み:6.8mm)を、蝋燭の炎の先端部から2cm離れた位置に鋼線網入りの透明板ガラスの下端部が位置するよう垂直に立てかけて蝋燭を点火してみたが、全く燃焼も無かった。シート構造体の評価結果を表1に示す。
上記実施例1〜5及び比較例1〜2のシート構造体の構成と評価結果を表1にまとめた。
(評価の考察)
表1から次のことが確認された。本発明のシート構造体を示す実施例1〜5のシート構造物は、スプレー噴射塗装を行なうにあたり、噴射塗料が周辺に飛散するのを防止し、作業場での塗装状況の確認が容易にできる透視性能を有し、また塗料が溶剤系である場合の火災の発生等も考慮して燃え難い材料構造を保有しかつ、廃棄あるい取り扱い性が良好な防炎シート構造体が提供できる。一方、シート構造物の内部に支持部材を介入していない比較例1〜2の場合は、シートのリサイクル性、シートの交換性、シートの廃棄処分性などに問題があり、作業場での塗装状況の確認が容易にできる透視性能も有しておらず本発明の目的を達成できるものではなかった。
1,4,7 :支持部材
2,5,8,11:合成樹脂シート
3,6,9 :不燃物
10 :ガラス板

Claims (6)

  1. 2枚の相対する合成樹脂シートを有し、該合成樹脂シート周縁の一部または全部が密封接合され、該合成樹脂シート内部に、不燃物が封入されていることを特徴とする防炎シート構造体。
  2. 不燃物が不燃性気体、不燃性液体あるいは不燃性固体である請求項1に記載の防炎シート構造体。
  3. 合成樹脂シート内部に支持部材が介入されている請求項1または2に記載の防炎シート構造体。
  4. 合成樹脂がポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ビニロン、尿素樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびメラミン樹脂から選ばれた1以上である請求項1または3に記載の防炎シート構造体。
  5. シート構造体が無色透明または有色透明である請求項1または4に記載の防炎シート構造体。
  6. シート構造体の厚さが1〜40mmである請求項1または5に記載の防炎シート構造体。
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