JP2014212670A - 昇圧装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動車両の動力性を損なうことなく、昇圧装置のダイオードを保護できる昇圧装置の制御装置を提供する。
【解決手段】電動車両に搭載され、蓄電装置10からの電力を昇圧する昇圧装置20の駆動を制御する制御装置50は、車両の駆動状況に応じて、前記昇圧装置20の目標昇圧電圧を第一目標昇圧電圧Ve1として算出する第一目標昇圧電圧算出手段と、少なくとも、前記第一目標昇圧電圧Ve1が一定値未満となる非昇圧時に、上アームの温度状態を示すパラメータをモニタリングし、前記モニタリング結果に応じた目標昇圧電圧を、第二目標昇圧電圧Ve2として算出する第二目標昇圧電圧算出手段と、前記蓄電装置10からの電力を、少なくとも前記第二目標昇圧電圧Ve2以上に昇圧するべく前記昇圧装置20の駆動を制御する駆動制御手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両に搭載され、蓄電装置からの電圧を昇圧する昇圧装置の駆動を制御する制御装置であって、前記昇圧装置の上アームおよび下アームに設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御装置に関する。
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両が注目されている。電気自動車は、蓄電装置とインバータとインバータによって駆動される電動機とを走行用の動力源として搭載する。ハイブリッド自動車は、従来の内燃機関に加え、蓄電装置とインバータと電動機とを走行用の動力源として搭載する。
上記のような電動車両においては、電動機の高出力化の要求に伴なって駆動電圧の高電圧化が要求される。そして、走行用の電力を蓄える蓄電装置とインバータとの間に、インバータに供給する電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧する昇圧装置を備えた電動車両が知られている。かかる昇圧装置は、上アーム、下アーム、および、当該上下アームの接続点に接続されたリアクトル等を備えており、上アームおよび下アームに設けられたスイッチング素子のON/OFFを切り替えることで蓄電装置からの電力を昇圧する。
国際公開第07/064020号 特開2007−228436号公報 特開2004−180466号公報
ところで、電気自動車の運行状況によっては、蓄電装置からの電圧を、昇圧せずに、あるいは、僅かに昇圧して、出力することがある。このように、昇圧しない、あるいは、昇圧量が小さい微昇圧の場合、上アームのスイッチング素子がほぼ継続してON状態のままとなり、上アームのダイオードには、ほぼ継続して電流が流れることになる。この場合、導通損失やリカバリ損失により、ダイオードの発熱量が多くなり、場合によっては、ダイオードが設計値以上の高温になる恐れがあった。特に、近年では、昇圧装置の小型化のために素子自体を小型化しているため、各素子の熱容量が低減し、上記損失(発熱)による問題が生じやすい。
ここで、特許文献1−3には、昇圧装置の素子を熱から保護するための技術が開示されている。例えば、特許文献1には、昇圧回路を構成するスイッチング素子の過熱を防止するために、スイッチング素子の温度を監視し、温度が制限値を超えた場合には、当該スイッチング素子への通電を実質的に禁止する技術が開示されている。また、特許文献2,3には、昇圧回路を構成するスイッチング素子の温度を検出または推定し、スイッチング素子が過熱状態と判断した場合には、スイッチング素子に印加する電圧や流れる電流、電動機の負荷を調整する技術が開示されている。しかしながら、従来の技術は、いずれも過熱状態の場合に、印加電圧や電流、負荷側の制御内容に制限をかけて素子の保護を図っている。換言すれば、従来の技術の多くは、昇圧装置の能力に制限をかけるものであったため、電圧を十分に昇圧できず、ひいては、車両の動力性の低下を招く恐れがあった。
そこで、本発明では、電動車両の動力性を損なうことなく、昇圧装置のダイオードを保護できる昇圧装置の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の昇圧装置の制御装置は、電動車両に搭載され、蓄電装置からの電圧を昇圧する昇圧装置の駆動を制御する制御装置であって、前記昇圧装置の上アームおよび下アームに設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御装置において、車両の駆動状況に応じて、前記昇圧装置の目標昇圧電圧を第一目標昇圧電圧として算出する第一目標昇圧電圧算出手段と、少なくとも、前記第一目標昇圧電圧が一定値未満となる非昇圧時に、前記上アームの温度状態を示すパラメータをモニタリングし、前記モニタリング結果に応じた目標昇圧電圧を、第二目標昇圧電圧として算出する第二目標昇圧電圧算出手段と、前記蓄電装置からの電圧を、少なくとも前記第二目標昇圧電圧以上に昇圧するべく前記昇圧装置の駆動を制御する駆動制御手段と、を備える。
好適な態様では、前記駆動制御手段は、前記第一目標昇圧電圧および第二目標昇圧電圧のうち、より高い昇圧電圧まで昇圧するべく、前記昇圧装置の駆動を制御する。
他の好適な態様では、第二目標昇圧電圧算出手段は、前記上アームの温度状態を示すパラメータとして、前記昇圧装置を冷却する冷媒の温度と、リアクトル電流または蓄電装置から流れる蓄電電流と、の少なくとも一つをモニタリングし、前記冷媒温度、リアクトル電流、蓄電電流が高いほど、前記第二目標昇圧電圧を高くする。この場合、第二目標昇圧電圧算出手段は、前記上アームの温度状態を示すパラメータとして、さらに、前記リアクトルにかかる電圧であるリアクトル電圧もモニタリングし、前記リアクトル電圧が低いほど、前記第二目標昇圧電圧を低くする、ことが望ましい。
本発明によれば、上アームの温度状態に応じた第二目標昇圧電圧以上に昇圧するべく昇圧装置の駆動を制御するため、車両の動力性を確保しつつ、上アームのダイオードを効果的に保護できる。
本発明の実施形態である電動車両の電気システムを示す図である。 下アームオンデューティと上アームのダイオードの損失量との関係を示す図である。 制御装置によるコンバータの制御フローを示すフローチャートである。 冷媒温度と第二目標昇圧電圧との関係を示す図である。 第二目標昇圧電圧の算出マップの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態に係る制御装置50を含む電動車両1の概略構成を示す図である。電動車両1は、蓄電装置10の電力を用いて走行用モータ40を駆動して車両を駆動する自動車である。電動車両1は、例えば、ハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)、いわゆる電動車両(EV:Electric Vehicle)、燃料電池車(FCEV:Fuel cell Electric Vehicle)などであり、そのタイプは特に限定されない。
図1において、電動車両1は、蓄電装置10、コンバータ20、インバータ30、走行用モータ40、および制御装置50を含んで構成されている。
蓄電装置10は、電力を蓄積して直流電圧を出力するものであり、ここではニッケル水素やリチウムイオン等のバッテリである。ただし、蓄電装置10は、大容量コンデンサ等であってもよい。
コンバータ20は、蓄電装置10の電力を昇圧してインバータ30に供給する昇圧装置として機能するとともに、モータ40の回生動作で発生した電力を降圧して蓄電装置10に供給する降圧装置としても機能する。コンバータ20は、スイッチング素子(ここではIGBT)Q1,Q2、ダイオードD1,D2、リアクトルL1を含むチョッパ回路で構成される。スイッチング素子Q1,Q2は、インバータ30の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。上アームのスイッチング素子Q1のコレクタは電源ラインに接続され、下アームのスイッチング素子Q2のエミッタはアースラインに接続される。スイッチング素子Q1,Q2の中間点、すなわちスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接続点にはリアクトルL1の一方端が接続されている。このリアクトルL1の他方端は、蓄電装置10の正極に接続される。また、スイッチング素子Q2のエミッタは、蓄電装置10の負極に接続される。また、各スイッチング素子Q1,Q2のコレクターエミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すようにダイオードD1,D2が配置される。上記リアクトルL1の他方端とアースラインとの間には平滑用コンデンサC1が接続され、スイッチング素子Q1のコレクタとアースラインとの間には平滑用コンデンサC2が接続される。なお、リアクトルに流れる電流(以下「リアクトル電流IL」という)や、リアクトルに印加される電圧(換言すれば、昇圧前電圧、以下「リアクトル電圧VL」という)等は、図示しないセンサで検知され、制御装置50に送られる。
インバータ30は、電源ラインとアースラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームから構成される。U相アームはスイッチング素子(ここではIGBT)Q3,Q4の直列接続からなり、V相アームはスイッチング素子Q5,Q6の直列接続からなり、W相アームはスイッチング素子Q7,Q8の直列接続からなる。また、各スイッチング素子Q3〜Q8のコレクターエミッタ間には、それぞれ、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD3〜D8が配置されている。
電気システムには、このインバータ30やコンバータ等を冷却するための冷媒(例えば水等)が循環する冷媒路(図示せず)が形成されている。冷媒の温度は、温度センサ等で検知され、制御装置50に出力される。
走行用モータ40は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点で共通接続されて構成されており、U相コイルの他端がスイッチング素子Q3,Q4の中間点、V相コイルの他端がスイッチング素子Q5,Q6の中間点、W相コイルの他端がスイッチング素子Q7,Q8の中間点に接続されている。
制御装置50は、コンバータ20およびインバータ30を制御するものであるが、以下では、主にコンバータ20の駆動制御についてのみ詳説する。制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、メインメモリなどを含み、制御装置50の各種機能は、ROM等の記録媒体に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。ただし、制御装置50の機能の一部または全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御装置50は、物理的に複数の装置により構成されてもよい。この制御装置50は、後述するように、車両の駆動状況に応じた第一目標昇圧電圧を算出する第一目標昇圧電圧算出手段や、上アームの温度状態に応じた第二目標昇圧電圧を算出する第二目標昇圧電圧算出手段、昇圧装置の駆動を制御する駆動制御手段などとして機能する。
次に、制御装置50によるコンバータ20の制御動作について、力行動作時と回生動作時とに分けて説明する。
はじめに回生動作について説明する。電動車両1の制動時や減速時において、走行用モータ40は、発電機として動作し、交流電力を発生してインバータ30に出力する。インバータ30は、制御装置50に制御されて、スイッチング素子Q3〜Q8をオン・オフすることにより、走行用モータ40で発電された交流電力を直流電力に変換し、得られた直流電力をコンバータ20に供給する。
コンバータ20は、制御装置50に制御されて、インバータ30からの直流電力を降圧して蓄電装置10を充電する。具体的には、コンバータ20は、上アームのスイッチング素子Q1および下アームのスイッチング素子Q2を交互にオン・オフ切り替えすることにより、インバータ30の出力電圧を降圧して蓄電装置10に供給する。より具体的に説明すると、スイッチング素子Q1がオン/スイッチング素子Q2がオフになると、スイッチング素子Q1を介してリアクトルL1に電流が流れ、インバータ30からの直流電力がリアクトルL1に蓄積される。そして、スイッチング素子Q1がオフ/スイッチング素子Q2がオンになると、リアクトルL1の起電力によりダイオードD2を介して電流が還流し、これによりリアクトルL1に蓄積された直流電力が蓄電装置10に供給される。これにより、蓄電装置10が充電される。
一方、力行動作の際、コンバータ20は、制御装置50により制御されて、蓄電装置10の電力を昇圧してインバータ30に供給する。具体的には、コンバータ20は、上アームのスイッチング素子Q1および下アームのスイッチング素子Q2を交互にオン・オフ切り替えすることにより、蓄電装置10の出力電圧を昇圧してインバータ30に供給する。より具体的に説明すると、スイッチング素子Q2がオン/スイッチング素子Q1がオフになると、スイッチング素子Q2を介してリアクトルL1に電流が流れ、蓄電装置10からの直流電力がリアクトルL1に蓄積される。そして、スイッチング素子Q2がオフ/スイッチング素子Q1がオンになると、リアクトルL1に蓄積された直流電力がダイオードD1を介してインバータ30側に出力される。
インバータ30は、制御装置50により制御されて、スイッチング素子Q3〜Q8をオン・オフすることにより、コンバータ20から供給される直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を走行用モータ40に供給する。これにより、走行用モータ40が回転駆動される。
ところで、従来技術では、力行動作の際、車両の駆動状況等によっては、コンバータ20による昇圧を殆ど行わず、蓄電装置10の電力を、インバータ30に供給することがあった。この場合、ダイオードD1の発熱が過多となり、ダイオードD1が設計値以上に高温になる場合があった。これについて図2を参照して説明する。図2は、下アームオンデューティと、ダイオードD1の損失との関係を示す図である。コンバータ20による昇圧率が一定値以下となる非昇圧の場合、上アームのスイッチング素子Q1が、完全に継続して、または、ほぼ継続してオン状態となり、下アームのスイッチング素子Q2のオンデューティは低くなる。したがって非昇圧の場合、上アームのダイオードD1には、完全に、または、ほぼ継続して電流が流れ続けることになる。この導通に伴い、ダイオードD1には、導通損失やリカバリ損失が生じる。この損失は、図2に示す通り、下アームオンデューティがゼロから僅かに上昇する間に、急激に上昇し、所定のデューティd1において、ピークとなる。その後、デューティの上昇に伴い、ダイオードD1の損失は、徐々に低下していき、所定のデューティd2において、デューティ0の段階の損失よりも小さくなる。つまり、ダイオードD1の損失は、下アームオンデューティが低くなる(昇圧率が低くなる)非昇圧の際に、特に高いといえる。かかる非昇圧の際に生じる大きな損失によりダイオードD1が発熱するが、ダイオードD1には、サーミスタ等が設けられておらず、自己保護ができない。その結果、非昇圧状態が継続すると、ダイオードD1が、設計値以上に高温になる場合があった。
かかるダイオードD1の過熱は、素子小型化により、より生じやすくなっている。すなわち、近年では、装置の小型化のために、コンバータ20を構成する各種素子の小型化が図られている。その結果、各素子のもつ熱容量が小さくなり、比較的、低めの熱であっても、素子が設計値以上に高温になるという問題があった。
そこで、本実施形態では、ダイオードD1の損失をより低減するために、コンバータの制御に関して特殊な処理を行っている。以下、これについて説明する。
力行動作時、制御装置50は、一般には、車両の駆動状況に応じて、必要な電圧を目標昇圧電圧として算出し、当該目標昇圧電圧が供給されるべく、コンバータ20の駆動を制御する。既述した通り、車両の駆動状況によっては、非昇圧となることもあり、車両駆動状況に応じて算出される目標昇圧電圧は、蓄電装置10の電圧(蓄電電圧VB)とほぼ同じとなる場合もある。かかる場合には、ダイオードD1が設計値以上に高温になる恐れがあるため、本実施形態では、車両の駆動状況に応じた目標昇圧電圧の他に、ダイオードD1の温度状況に応じた目標昇圧電圧も算出し、両電圧値の比較結果に応じて、コンバータ20の駆動を制御する。
このときの制御フローを、図3を参照して説明する。図3は、力行動作時における制御装置50によるコンバータ20の制御フローを示す図である。制御装置50は、まず、車両の駆動状況に応じた目標昇圧電圧を、第一目標昇圧電圧Ve1として算出する(S10)。なお、この第一目標昇圧電圧Ve1の算出技術については、公知の周知技術を利用できるため、ここでの詳説は省略する。
また、制御装置50は、第一目標昇圧電圧Ve1の算出と並行して、第二目標昇圧電圧Ve2も算出する。第二目標昇圧電圧Ve2は、ダイオードD1の温度状態に基づいて算出される目標昇圧電圧である。この第二目標昇圧電圧Ve2の算出のため、制御装置50は、ダイオードD1(上アーム)の温度状態を示すパラメータをモニタリングし(S12)、検出されたパラメータ値に基づいて第二目標昇圧電圧Ve2を算出する(S14)。上アームの温度状態を示すパラメータとしては、例えば、コンバータ20やインバータ30を冷却する冷媒の温度Tcや、リアクトルL1に流れる電流(以下「リアクトル電流IL」という)、リアクトルL1に印加される電圧(昇圧前の電圧、以下「リアクトル電圧VL」という)等がある。制御装置50は、センサ等により、これらパラメータを継続的にモニタリングし、モニタリングの結果、ダイオードD1が高温の可能性が高い場合には、ダイオードD1の損失が一定以下になるような目標昇圧電圧Ve2を設定する。
例えば、冷媒温度Tcに基づいて、第二目標昇圧電圧Ve2を設定する場合について図4を参照して説明する。図4において、横軸は、冷媒温度Tcであり、縦軸は、第二目標昇圧電圧Ve2である。冷媒温度Tcが、所定の基準温度a℃未満の場合には、ダイオードD1等が十分に冷却されている可能性が高く、ダイオードD1は、低温に保たれている可能性が高い。この場合は、ダイオードD1の発熱が多くても効果的に冷却されるため、損失低減のための昇圧を行う必要はなく、非昇圧の状態(ダイオードD1の損失が大きい状態)を維持しても問題ない。一方、冷媒温度Tcが、所定の基準温度a℃以上の場合には、ダイオードD1が十分に冷却されず、ダイオードD1が高温になっている可能性が高い。
そこで、冷媒温度Tcに基づいて、第二目標昇圧電圧Ve2を設定する場合は、図4に示すように、冷媒温度Tcが、所定の基準温度a℃未満の場合は、昇圧を行なわないこととし、蓄電電圧VBを第二目標昇圧電圧Ve2として設定する。一方、冷媒温度Tcが所定の基準温度a℃以上の場合、冷媒温度Tcが高くなるにつれ、第二目標昇圧電圧Ve2も高く設定することが望ましい。
また、第二目標昇圧電圧Ve2は、一つのパラメータの値から決定する必要はなく、複数のパラメータの値を複合的に考慮して決定してもよい。例えば、図5に示すように、リアクトル電流ILおよび冷媒温度Tcと、第二目標昇圧電圧Ve2と、の関係を示すマップを予め記憶しておき、検出されたリアクトル電流ILおよび冷媒温度Tcの値を当該マップに照らし合わせて第二目標昇圧電圧Ve2を算出するようにしてもよい。図5の例では、検出されたリアクトル電流ILがI1、冷媒温度TcがT1の場合、第二目標昇圧電圧Ve2は、v3となる。なお、この場合、リアクトル電流ILが高いほど、また、冷媒温度Tcが高いほど、第二目標昇圧電圧Ve2が大きくなるように設定することが望ましい。すなわち、図5の例では、v1>v2>v3>v4>v5とすることが望ましい。また、ダイオードD1に流れる電流値に相関性のあるパラメータであれば、リアクトル電流ILに替えて、別のパラメータ、例えば、蓄電電流IB等を用いてもよい。
いずれにしても、第二目標昇圧電圧Ve2および第一目標昇圧電圧Ve1の両方が算出できれば、制御装置50は、両者を比較する(S16)。比較の結果、第一目標昇圧電圧Ve1が、第二目標昇圧電圧以上となれば、第一目標昇圧電圧Ve1まで昇圧できるように、コンバータ20の駆動を制御する(S18)。また、比較の結果、第二目標昇圧電圧Ve2が、第一目標昇圧電圧を超えれば、第二目標昇圧電圧Ve2まで昇圧できるように、コンバータ20の駆動を制御する(S20)。移行は、同様のステップを一定時間ごとに繰り返す。
以上の説明から明らかな通り、本実施形態では、第二目標昇圧電圧Ve2および第一目標昇圧電圧Ve1のうち、より高い電圧まで昇圧する。別の言い方をすれば、本実施形態においてコンバータ20による昇圧電圧は、第二目標昇圧電圧Ve2および第一目標昇圧電圧Ve1を下回ることはない。ここで、第一目標昇圧電圧Ve1は、車両の駆動に必要な電圧値である。本実施形態では、コンバータ20の昇圧電圧が、この第一目標昇圧電圧Ve1を下回ることがないため、車両の動力性を常に十分に確保できる。また、第二目標昇圧電圧Ve2は、ダイオードD1の過熱を防止し得る電圧値である。コンバータ20の昇圧電圧が、常に、この第二目標昇圧電圧Ve2以上に設定されることにより、ダイオードD1が設計値以上に高温になることを効果的に防止できる。つまり、本実施形態によれば、車両の動力性を確保しつつ、ダイオードD1をより確実に保護できる。
ところで、第二目標昇圧電圧Ve2が第一目標昇圧電圧を上回る状況下で、第二目標昇圧電圧Ve2まで昇圧した場合(図3のステップS20の場合)、車両の動力性確保に必要な電圧以上に目標昇圧電圧を上げることになるため、ダイオードD1は保護できる一方で、システム全体の損失は悪化し、燃費が悪化する。そこで、かかる燃費悪化を低減するために、リアクトル電流ILおよび冷媒温度Tcだけでなく、リアクトルL1にかかる電圧であるリアクトル電圧VL(換言すれば昇圧前電圧)も考慮して第二目標昇圧電圧Ve2を算出することが望ましい。すなわち、リアクトル電圧VLが高いほど、ダイオードD1の温度も高くなりがちであることが知られている。そこで、リアクトル電圧VLが高いほど、第二目標昇圧電圧Ve2を高く、また、リアクトル電圧VLが低いほど、第二目標昇圧電圧Ve2を低くしてもよい。リアクトル電圧VLも考慮した第二目標昇圧電圧Ve2の算出方法としては、種々の形態が考えられる。例えば、リアクトル電圧VLが高いほど、高くなる係数を予め設定しておき、図5のマップを用いて算出した電圧値に、検出されたリアクトル電圧VLに応じた係数を乗じた値を、第二目標昇圧電圧Ve2として算出してもよい。また、別の形式として、第二目標昇圧電圧Ve2の算出マップとして、リアクトル電流IL(または蓄電電流IB)、冷媒温度Tc、リアクトル電圧VLそれぞれを要素とする第二目標昇圧電圧Ve2の三次元マップを予め作成しておいてもよい。
いずれにしても、リアクトル電流IL(または蓄電電流IB)および冷媒温度Tcだけでなく、リアクトル電圧VLも考慮して第二目標昇圧電圧Ve2を算出することにより、リアクトル電圧VLが低い場合には、第二目標昇圧電圧Ve2を低く抑えることができる。その結果、第二目標昇圧電圧Ve2が第一目標昇圧電圧Ve1を上回る状況、換言すれば、燃費悪化となる状況が減り、システム全体としての燃費を向上できる。
また、これまでの説明では、冷媒温度Tc等のパラメータのモニタリング(図3のステップS12)や、第二目標昇圧電圧Ve2の算出(図3のステップS20)を常時、行う場合のみを例示したが、これらの処理は、第一目標昇圧電圧Ve1が一定値未満となる非昇圧時のみに行い、第一目標昇圧電圧Ve1が一定値以上となる通常昇圧時には、第二目標昇圧電圧Ve2の算出等は省略してもよい。いずれにしても、本実施形態のように、上アームの温度状態を示すパラメータに応じた第二目標昇圧電圧Ve2以上に昇圧することで、車両の動力性を損なうことなく、ダイオードD1の過熱を効果的に防止できる。
10 蓄電装置、20 コンバータ、30 インバータ、40 走行用モータ、50 制御装置、C1,C2 平滑用コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、IB 蓄電電流、IL リアクトル電流、L1 リアクトル、Q1〜Q8 スイッチング素子、Tc 冷媒温度、VB 蓄電電圧、Ve1 第一目標昇圧電圧、Ve2 第二目標昇圧電圧、VL リアクトル電圧。

Claims (4)

  1. 電動車両に搭載され、蓄電装置からの電圧を昇圧する昇圧装置の駆動を制御する制御装置であって、前記昇圧装置の上アームおよび下アームに設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御装置において、
    車両の駆動状況に応じて、前記昇圧装置の目標昇圧電圧を第一目標昇圧電圧として算出する第一目標昇圧電圧算出手段と、
    少なくとも、前記第一目標昇圧電圧が一定値未満となる非昇圧時に、前記上アームの温度状態を示すパラメータをモニタリングし、前記モニタリング結果に応じた目標昇圧電圧を、第二目標昇圧電圧として算出する第二目標昇圧電圧算出手段と、
    前記蓄電装置からの電圧を、少なくとも前記第二目標昇圧電圧以上に昇圧するべく前記昇圧装置の駆動を制御する駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする昇圧装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の昇圧装置の制御装置であって、
    前記駆動制御手段は、前記第一目標昇圧電圧および第二目標昇圧電圧のうち、より高い昇圧電圧まで昇圧するべく、前記昇圧装置の駆動を制御する、ことを特徴とする昇圧装置の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の昇圧装置の制御装置であって、
    前記第二目標昇圧電圧算出手段は、前記上アームの温度状態を示すパラメータとして、前記昇圧装置を冷却する冷媒の温度と、リアクトル電流または蓄電装置から流れる蓄電電流と、の少なくとも一つをモニタリングし、前記冷媒温度、リアクトル電流、蓄電電流が高いほど、前記第二目標昇圧電圧を高くする、ことを特徴とする昇圧装置の制御装置。
  4. 請求項3に記載の昇圧装置の制御装置であって、
    前記第二目標昇圧電圧算出手段は、前記上アームの温度状態を示すパラメータとして、さらに、前記リアクトルにかかる電圧であるリアクトル電圧もモニタリングし、前記リアクトル電圧が低いほど、前記第二目標昇圧電圧を低くする、ことを特徴とする昇圧装置の制御装置。
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