JP2014210365A - ソーチェーン - Google Patents
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Abstract
【課題】給油効率を向上させて耐久性を向上させることのできるソーチェーンを提供する。【解決手段】複数の板状のドライブリンク1が長尺状に配列され、ドライブリンク1の両側に複数の板状のサイドリンク10及びカッターリンク15、20が各々所定の規則性をもって配置され、各ドライブリンク1、サイドリンク10及びカッターリンク15、20がリベット25により回動可能に連結されたソーチェーンである。ドライブリンク1には、ローレット加工による溝部4が網の目状に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、チェーンソーのガイドバー周りを滑動して木材等を切断するソーチェーンに関する。
一般に、ソーチェーンは、図8に示すように、複数の板状のドライブリンク91が長尺状に配列され、ドライブリンク91の両側に複数の板状のサイドリンク92及びカッターリンク93、94が各々所定の規則性をもって配置されている。そして、これらドライブリンク91、サイドリンク92及びカッターリンク93、94がリベット95により回動可能に連結されている。このソーチェーンは駆動源により駆動され、ドライブリンク91がガイドバー96のガイド溝97内を摺動しながら回転するとともに、サイドリンク92及びカッターリンク93、94がガイド面98を摺動しながら回転することにより、木材等を切断することができる。この際、ソーチェーンの回転に伴って、チェーンソーから吐出される潤滑油が、ガイドバー96の給油孔(図示せず)からガイド溝97内へ入り、ドライブリンク91によりガイド溝97、及びガイド面98全体に拡げられる。これにより、ガイド溝97、ガイド面98、ドライブリンク91、サイドリンク92及びカッターリンク93、94の摩耗を防止して、ソーチェーンの耐久性を確保している。
しかし、ガイド溝97、及びガイド面98と、ドライブリンク91、サイドリンク92及びカッターリンク93、94との摺接部分には潤滑油が供給されるものの、リベット95近辺には給油され難いため、リベット95の摩耗や発熱によるキンク等の問題が発生した。これに対し、特許文献1、2記載のソーチェーンが提案されている。これらのソーチェーンによれば、ドライブリンクに油溝(案内溝)が設けられているため、潤滑油が油溝(案内溝)に導かれてリベットにまで到達するものと考えられる。
しかしながら、これらのソーチェーンでは、潤滑油が油溝(案内溝)までは供給されるものの、ドライブリンク等の摺接面全体には拡がり難く、給油効率は芳しくなかった。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、給油効率を向上させて耐久性を向上させることのできるソーチェーンを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に係るソーチェーンの特徴は、複数の板状のドライブリンクが長尺状に配列され、該ドライブリンクの両側に複数の板状のサイドリンク及びカッターリンクが各々所定の規則性をもって配置され、各該ドライブリンク、サイドリンク及びカッターリンクがリベットにより回動可能に連結されたソーチェーンにおいて、該ドライブリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることである。
請求項2に係るソーチェーンの特徴は、前記ドライブリンクの両面には、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることである。
請求項3に係るソーチェーンの特徴は、前記ドライブリンクのローレット加工による溝部は、該ドライブリンクの下端部からリベット孔まで網の目状に形成されていることである。
請求項4に係るソーチェーンの特徴は、前記サイドリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることである。
請求項5に係るソーチェーンの特徴は、前記カッターリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることである。
請求項1に係るソーチェーンにおいては、ドライブリンクにローレット加工が施されているため、ドライブリンクの表面には網の目状に連結した溝部が形成されている。溝部は同様の深さと幅とで形成され、この溝部に導かれて潤滑油がドライブリンク全体に均一に供給される。そのため、ドライブリンクと、サイドリンク、カッターリンク、及びリベットとの摺接部分に確実に潤滑油が供給される。したがって、このソーチェーンによれば、給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
請求項2に係るソーチェーンにおいては、ドライブリンクの両面にローレット加工による溝部が網の目状に形成されているため、ドライブリンクの片面だけでなく、両面全体に潤滑油が均一に供給される。これにより、さらに給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
請求項3に係るソーチェーンにおいては、ドライブリンクの下端部からリベット孔までローレット加工による溝部が網の目状に形成され、これによっても十分に給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
請求項4に係るソーチェーンにおいては、サイドリンクにはローレット加工による溝部が網の目状に形成されている。溝部は同様の深さと幅とで形成され、この溝部に導かれて潤滑油がサイドリンク全体に均一に供給される。なお、ドライブリンク側の片面のみにローレット加工を施せば足りる。
請求項5に係るソーチェーンにおいては、カッターリンクにはローレット加工による溝部が網の目状に形成されている。溝部は同様の深さと幅とで形成され、この溝部に導かれて潤滑油がカッターリンク全体に均一に供給される。なお、ドライブリンク側の片面のみにローレット加工を施せば足りる。
本発明に係るソーチェーンを具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1に示すように、ソーチェーンは、複数の板状のドライブリンク1が長尺状に配列され、ドライブリンク1の両側に複数の板状のサイドリンク10及びカッターリンク15、20が各々所定の規則性をもって配置されている。本実施形態の場合、隣り合うカッターリンク15(カッターリンク20)の間に3個のサイドリンク10が配置されている。また、カッターリンク15とカッターリンク20とは、対向することなく交互に配置されている。そして、これらドライブリンク1、サイドリンク10及びカッターリンク15、20がリベット25により回動可能に連結されている。このソーチェーンは駆動源により駆動され、ドライブリンク1がガイドバー60のガイド溝61内を摺動しながら回転するとともに、サイドリンク10及びカッターリンク15、20がガイド面62を摺動しながら回転することにより、木材等を切断することができる。なお、カッターリンク15はガイドバー60の先端方向から見て左側に配置され、カッターリンク20はガイドバー60の先端方向から見て右側に配置され、両者は対称形状をなしている。
ドライブリンク1は、図2に示すように略ハート型の板状をなし、下端部1aには柄杓状の凹部2が形成されている。また、ドライブリンク1の上端部1b寄りには、リベット25が貫通するリベット孔3が2個設けられている。そして、ドライブリンク1の全面に亘ってローレット加工が施され、網の目状に連結した溝部4が形成されている。ここで、凹部2は、ソーチェーンがガイドバー60周りを滑動すると、ガイド溝61の潤滑油を掻き集めて溝部4に導く働きをする。なお、ドライブリンク1の片面だけでなく両面にローレット加工を施せば、給油効率をより向上させることができる。
ドライブリンク1は、図3に示すローレット加工が施された板材5からプレス加工により得られる。この板材5にローレット加工を施す方法としては、鋼板の圧延処理時に行う方法と、コイル材の歪みを取り除く歪取ローラー処理時に行う方法とがある。なお、ローレット加工が施された板材5を用いることなく、プレス加工後にローレット加工を施すこともできる。
ドライブリンク1の代わりに、図4に示すドライブリンク6を用いることもできる。このドライブリンク6は、ドライブリンク1と略同様の形状をしており、同様の形状部分については図2に示すドライブリンク1と同様の記号を用いるものとする。このドライブリンク6は、下端部1aからリベット孔3までローレット加工が施され、網の目状に連結した溝部7が形成されている。
さらには、ドライブリンク1の代わりに、図5に示すドライブリンク8を用いることもできる。このドライブリンク8も、ドライブリンク1と略同様の形状をしており、同様の形状部分については図2に示すドライブリンク1と同様の記号を用いるものとする。このドライブリンク8は、下端部1aからリベット孔3の下の部分までローレット加工が施され、網の目状に連結した溝部9が形成されている。このドライブリンク8によれば、ドライブリンク1、6ほどの効果はないものの、ガイドバー60のガイド溝61内への給油効率を十分に上げることができる。なお、ドライブリンク6、8の加工方法については、ドライブリンク1の場合と同様である。
サイドリンク10は、図6に示すように略長方形の板状をなし、中央部には、リベット25が貫通するリベット孔13が2個設けられている。そして、サイドリンク10の下端部10aから上端部10bまで全面に亘ってローレット加工が施され、網の目状に連結した溝部14が形成されている。なお、サイドリンク10のローレット加工は、ドライブリンク1側の片面のみに施せば足りる。また、ドライブリンク6、8と同様、サイドリンク10の一部分にローレット加工を施してもよい。さらに、サイドリンク10の加工方法についても、ドライブリンク1の場合と同様である。
カッターリンク15、20については、両者は対称形状をなすためカッターリンク20の説明を省略し、カッターリンク15の説明のみをする。カッターリンク15は、図7に示すように略長方形の板状をなし、中央部には、リベット25が貫通するリベット孔18が2個設けられている。また、上端部15bには、木材を切り込むカッター部16、及び木材を切り込む深さを調節する切込量調整部17が形成されている。そして、カッターリンク15の下端部15aから上端部15bまでローレット加工が施され、網の目状に連結した溝部19が形成されている。なお、カッターリンク15のローレット加工は、ドライブリンク1側の片面のみに施せば足りる。また、ドライブリンク6、8と同様、カッターリンク15の一部分にローレット加工を施してもよい。さらに、カッターリンク15の加工方法についても、ドライブリンク1の場合と同様である。
以上の構成をしたソーチェーンが駆動源により駆動されると、ガイド溝61の潤滑油がドライブリンク1の凹部2により掻き集められ溝部4に導かれる。こうして、潤滑油はリベット孔3近辺だけでなくドライブリンク1全体に均一に供給される。また、ドライブリンク1の凹部2により掻き集められガイド溝61内に拡げられた潤滑油がサイドリンク10、カッターリンク15、20の溝部14、19に導かれ、サイドリンク10、カッターリンク15、20全体に均一に供給される。
実施形態のソーチェーンにおいては、ドライブリンク1にローレット加工が施されているため、ドライブリンク1の表面には網の目状に連結した溝部4が形成されている。溝部4は同様の深さと幅とで形成され、この溝部4に導かれて潤滑油がドライブリンク1全体に均一に供給される。そのため、ドライブリンク1と、サイドリンク10、カッターリンク15、20、及びリベット25との摺接部分に確実に潤滑油が供給される。したがって、このソーチェーンによれば、給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
また、このソーチェーンでは、ドライブリンク1の片面だけでなく両面にローレット加工による溝部4を網の目状に形成することができる。このようにすることにより、ドライブリンク1の片面だけでなく両面全体に潤滑油が均一に供給され、さらに給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
さらに、このソーチェーンでは、ドライブリンク1の下端部1aからリベット孔3までローレット加工による溝部7を網の目状に形成することができ、これによっても十分に給油効率を向上させて耐久性を向上させることができる。
また、このソーチェーンでは、サイドリンク10にローレット加工による溝部14を網の目状に形成することができる。これにより、溝部14に導かれて潤滑油がサイドリンク10全体に均一に供給される。
さらに、このソーチェーンでは、カッターリンク15、20にローレット加工による溝部19を網の目状に形成することができる。これにより、溝部19に導かれて潤滑油がカッターリンク15、20全体に均一に供給される。
以上、本発明のチェーンソーの案内板を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
1、6、8…ドライブリンク、10…サイドリンク、15、20…カッターリンク、25…リベット、1a、10a、15a…下端部、1b、10b、15b…上端部、2…凹部、3、13、18…リベット孔、4、7、9、14、19…溝部、5…板材、16…カッター部、17…切込量調整部、60…ガイドバー、61…ガイド溝、62…ガイド面。
Claims (5)
- 複数の板状のドライブリンクが長尺状に配列され、該ドライブリンクの両側に複数の板状のサイドリンク及びカッターリンクが各々所定の規則性をもって配置され、各該ドライブリンク、サイドリンク及びカッターリンクがリベットにより回動可能に連結されたソーチェーンにおいて、
該ドライブリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることを特徴とするソーチェーン。 - 前記ドライブリンクの両面には、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のソーチェーン。
- 前記ドライブリンクのローレット加工による溝部は、該ドライブリンクの下端部からリベット孔まで網の目状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のソーチェーン。
- 前記サイドリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のソーチェーン。
- 前記カッターリンクには、ローレット加工による溝部が網の目状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のソーチェーン。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018208952A1 (en) * | 2017-05-09 | 2018-11-15 | Blount, Inc. | High efficiency saw chain |
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JPH0375321B2 (ja) * | 1980-04-30 | 1991-11-29 | ||
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2013
- 2013-04-18 JP JP2013087215A patent/JP2014210365A/ja active Pending
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