JP2014209898A - 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 - Google Patents
熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014209898A JP2014209898A JP2013123003A JP2013123003A JP2014209898A JP 2014209898 A JP2014209898 A JP 2014209898A JP 2013123003 A JP2013123003 A JP 2013123003A JP 2013123003 A JP2013123003 A JP 2013123003A JP 2014209898 A JP2014209898 A JP 2014209898A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seq
- reverse transcriptase
- replaced
- amino acid
- serine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/12—Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
- C12N9/1241—Nucleotidyltransferases (2.7.7)
- C12N9/1276—RNA-directed DNA polymerase (2.7.7.49), i.e. reverse transcriptase or telomerase
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
Abstract
Description
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、以下の(1)から(15)のうち少なくともいずれか一箇所が他のアミノ酸に置換している、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の658番目のセリン
(2)配列番号1の813番目のバリン
(3)配列番号1の192番目のアスパラギン酸
(4)配列番号1の715番目のトレオニン
(5)配列番号1の583番目のアラニン
(6)配列番号1の65番目のセリン
(7)配列番号1の113番目のフェニルアラニン
(8)配列番号1の689番目のアラニン
(9)配列番号1の718番目のイソロイシン
(10)配列番号1の174番目のセリン
(11)配列番号1の660番目のイソロイシン
(12)配列番号1の402番目のグリシン
(13)配列番号1の732番目のアスパラギン
(14)配列番号1の856番目のロイシン
(15)配列番号1の626番目のグリシン
(B)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、以下の(1)から(15)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の658番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の813番目のバリンがアラニンに置換
(3)配列番号1の192番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(4)配列番号1の715番目のトレオニンがメチオニンに置換
(5)配列番号1の583番目のアラニンがトレオニンに置換
(6)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(7)配列番号1の113番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(8)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(9)配列番号1の718番目のイソロイシンがトレオニンに置換
(10)配列番号1の174番目のセリンがシステインに置換
(11)配列番号1の660番目のイソロイシンがバリンに置換
(12)配列番号1の402番目のグリシンがシステインに置換
(13)配列番号1の732番目のアスパラギンがセリンに置換
(14)配列番号1の856番目のロイシンがプロリンに置換
(15)配列番号1の626番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(C)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換されており、かつ以下の(1)から(5)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の718番目のイソロイシンがトレオニンに置換
(2)配列番号1の174番目のセリンがシステインに置換
(3)配列番号1の660番目のイソロイシンがバリンに置換
(4)配列番号1の402番目のグリシンがシステインに置換
(5)配列番号1の732番目のアスパラギンがセリンに置換
(D)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(3)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の113番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(3)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(E)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(3)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(3)配列番号1の856番目のロイシンがプロリンに置換
(F)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(4)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の583番目のアラニンがトレオニンに置換
(3)配列番号1の626番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(4)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(G)配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、および配列番号76のうちいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素。
特許文献2に記載の方法で大腸菌コドン型のAMV逆転写酵素遺伝子(配列番号5)を持つプラスミドベクターpTrcAMVB(図2)を作製した。プラスミドベクターpTrcAMVBの塩基配列情報を配列番号7に示す。作製したプラスミドベクターpTrcAMVBのAMV逆転写酵素遺伝子に以下の手順で変異を導入した。
(1)プラスミドベクターpTrcAMVBを鋳型プラスミドとして、表1に示した反応液組成に基づいてエラープローンPCR反応を行なった。
(2)PCR産物を、1%アガロース電気泳動で泳動後、エチジウムブロマイド染色を行ない、染色後のゲルから目的産物のバンドを切り出すことで精製した。
(3)精製されたAMV逆転写酵素遺伝子を含むDNAを制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化後、同酵素で消化したpTrc99aプラスミドにT4リガーゼを用いて4℃で30分反応させ、反応後のDNA溶液をAMV逆転写酵素遺伝子変異体ライブラリーとした。
(4)さらに作製したライブラリーを定法に従い大腸菌HB101株に形質転換し、37℃のLB/Crb寒天培地(10g/L ポリペプトン、5g/L 酵母エキス、10g/L NaCl、15g/L 精製寒天、0.1mg/mL カルベニシリンナトリウム(pH7.4))で一晩培養し変異体候補株を得た。
96穴プレート(グライナー・ジャパン社製)に2×YT−Pna培地(pH6.0)(16g/L トリプトン、10g/L 酵母エキス、5g/L 塩化ナトリウム、14.5g/L 第一リン酸ナトリウム・二水和物、2.5g/L 第二リン酸ナトリウム・十二水和物、0.1mg/mL カルベニシリンナトリウム)200μL/well分注し、実施例1で作製した変異体候補株を1コロニーずつ植菌し、37℃・2000rpmで一晩振とう培養を行なうことで前培養を行なった。前培養液の一部はグリセロールストックとし−80℃で保存した。
(1)実施例2で回収した菌体に抽出液(BugBuster(商品名)(メルク社製)溶液、50mM Tris−HCl(pH7.2)、0.2mg/mL 卵白リゾチーム、25U/mL Benzonase(商品名)(メルク社製)、10mM DTT)を100μL/well加え、25℃・1500rpmで一時間振とうし、続いて4℃・2500rpmで20分間遠心分離を行ない、上清を回収し抽出液とした。
(2)酵素活性の測定を、特許文献3記載の核酸増幅法をもとに行なった。表2に記載した組成の反応液(ミックス試薬とする)15μLをPCR用96穴プレート(ABI社製)に分注し、前記抽出液を10mM DTT水溶液で10倍に希釈しものを5μL加えた。
(3)野生型のAMV逆転写酵素と比較し蛍光強度の増加が早いサイクルで観察される変異体を耐熱性変異株として取得した。
実施例3で選択した耐熱性変異株について耐熱性の評価を行なうために、耐熱性変異株の培養と精製を行なった。
(1)試験管に2×YT−Pna培地(pH6.0)(16g/L トリプトン、10g/L 酵母エキス、5g/L 塩化ナトリウム、14.5g/L 第一リン酸ナトリウム・二水和物、2.5g/L 第二リン酸ナトリウム・十二水和物、0.1mg/mL カルベニシリンナトリウム)2mL分注し、実施例2で作製したグリセロールストックを20μL植菌し、37℃・160rpmで一晩振とう培養を行なうことで前培養を行なった。
(2)100mLフラスコに2×YT−Pna培地(pH6.0)(16g/L トリプトン、10g/L 酵母エキス、5g/L 塩化ナトリウム、14.5g/L 第一リン酸ナトリウム・二水和物、2.5g/L 第二リン酸ナトリウム・十二水和物、0.1mg/mL カルベニシリンナトリウム)20mL分注し、前培養液を200μL植菌し、37℃・160rpmで3時間振とう培養を行なった。さらに培養液に5mMになるようにIPTGを添加し、25℃・160rpmで三晩振とう培養を行なうことでトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素の発現を促した。その後、培養液を4℃・8000rpmで30分間遠心分離することで菌体を回収し、−30℃で凍結保存した。
(3)凍結菌体を5mL/湿菌体質量のバッファーA(20mM Tris−HCl(pH7.2)、10%(w/v)グリセロール、4mM DTT)に懸濁し、ソニケーター(Insonator 201M、久保田製作所社製)を使用して150W、4℃の条件で超音波破砕を行なった後、4℃・8000rpmで30分間遠心分離することで未破砕の菌体を取り除き抽出液を得た。
(4)得られた抽出液に0.83%(w/v)になるようにストレプトマイシン塩酸塩(和光純薬社製)を溶解し、4℃で30分間撹拌した。その後、4℃・8000rpmで30分間遠心分離することでAMV逆転写酵素を沈澱として回収し、取り除いた上清と等量のバッファーAへ再度懸濁した。この再懸濁液をさらに4℃・8000rpmで30分間遠心分離した上清を回収した。この上清500μLとバッファーB(20mM Tris−HCl(pH7.2)、10%(w/v)グリセロール、4mM DTT、170g/L 硫酸アンモニウム)500μLを混和した後、バッファーC(20mM Tris−HCl(pH7.2)、10%(w/v)グリセロール、4mM DTT、85g/L 硫酸アンモニウム)で平衡化したTOYOPEARL PPG−600M(東ソー社製)の50%スラリー500μLと混和し、4℃で10分間転倒撹拌することで吸着を行なった。4℃・5000rpmで1分間遠心分離することで、未吸着分を取り除いた。
(5)吸着させたゲルへ1.7mLのバッファーD(バッファーAとバッファーCを2:8で混和したバッファー)を加え、数回転倒撹拌した後4℃・5000rpmで1分間遠心分離を行ない、上清を取り除くことでゲルを洗浄した。さらにこの洗浄をさらにもう一度繰り返し、洗浄したゲルにバッファーAを250μL加え、4℃で10分間転倒撹拌しゲルから溶出させた後、4℃・5000rpmで1分間遠心分離を行ない、ゲルを取り除いた上清を各耐熱性変異株のAMV逆転写酵素液として回収し4℃で保存した。
実施例4で調製した各耐熱性変異株由来のAMV逆転写酵素の耐熱性評価を行なった。
(1)AMV逆転写酵素液3.2μLに対し40.3μLの滅菌水を加え、さらに5.2μLのDMSO(終濃度10.4%(v/v))を加え混和することで非加熱酵素反応液を調製し、4℃に保持した。
(2)(1)の非加熱酵素反応液の一部をサーマルサイクラー(エッペンドルフ社製)を用いて、46℃で10分加熱後、4℃で3分冷却することで加熱酵素反応液を調製した。
(3)実施例3に記載した組成でミックス試薬を調製し15μLを0.5mL容PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に分注し、前記非加熱酵素反応液もしくは前記加熱酵素反応液を5μL加え、46℃で2分保温した。
(4)各PCRチューブに開始溶液(18mM MgCl2、100mM KCl、3.8%(w/v) グリセロール、10.4%(v/v) DMSO)を10μL混合し、TRCRリアルタイムモニターTRCRapid−160(東ソー社製)を用いて蛍光強度の変化を測定した。
(5)適宜バッファーA(20mM Tris−HCl(pH7.2)、10%(w/v)グリセロール、4mM DTT)で希釈したAMV逆転写酵素(Life Technology社製)を用いて同様の方法で蛍光強度の変化を測定し、蛍光強度が初期蛍光強度の1.2倍になる時間から逆転写酵素のユニット数を見積もる検量線を作成した(図3)。
(6)(5)で作成した検量線を用いて非加熱酵素反応液と加熱酵素反応液それぞれのAMV逆転写酵素の活性を見積もり、加熱酵素反応液の活性を、非加熱酵素反応液の活性で除することで残存活性を算出した。
実施例4で培養した菌体の一部から、定法によりプラスミドを抽出し、抽出したプラスミドに含まれるAMV逆転写酵素遺伝子の塩基配列決定を以下の方法で行なった。
(1)Big Dye Terminator v3.1 cycle Sequencing Kit(商品名)(Applied Biosystems社製)を用いて、添付のバッファー2.0μL、プレミックス4.0μL、合成DNAプライマー3.2pmol、鋳型プラスミド500ngを滅菌水にて20μLに調製し、サーマルサイクラー(エッペンドルフ社製)を用い、96℃で1分加熱後、96℃・10秒、50℃・5秒、60℃・4分の温度サイクルを25回繰り返した。
(2)(1)で調製した塩基配列決定用サンプルをCentri−Sepスピンカラム(商品名)(Applied Biosystems社製)を用いて、以下に示す方法で精製した。
(2−1)Centri−Sepスピンカラムに滅菌水を800μL加え、ボルテックスにより乾燥したゲルを十分に水和させた。
(2−2)カラムに気泡がないことを確認後、室温にて2時間以上放置した。
(2−3)上のキャップ、下のストッパーを順に外しカラム内の滅菌水をゲル表面まで自然落下させた後、730×gで2分間遠心分離を行なった。
(2−4)(2−1)から(2−3)により作製したスピンカラムの中央に塩基配列決定用サンプルをアプライし、730×gで2分間遠心分離によりサンプルをチューブに回収した。
(2−5)回収したサンプルについて減圧乾燥を行なった後、ホルムアミドに溶解した。
(3)(2)で調製した塩基配列決定用サンプルを95℃で2分間処理し、氷上で急冷後、ABI PRISM310−DNA Analyzer(商品名)(Applied Biosystems社製)で解析することで、塩基配列を決定した。塩基配列決定に使用した合成DNAプライマーは、配列番号15から22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを必要に応じて選択し使用した。
(4)決定した塩基配列はGENETYX ver.11.0.1(商品名)(ゼネティクス製)を使用して解析を行なった。
(A)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の658番目のセリンがグリシンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をS658G変異体とし、その遺伝子配列を配列番号23に、アミノ酸配列を配列番号24にそれぞれ示す。
(B)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の813番目のバリンがアラニンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をV813A変異体とし、その遺伝子配列を配列番号25に、アミノ酸配列を配列番号26にそれぞれ示す。
(C)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の192番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換された変異と、715番目のトレオニンがメチオニンに置換された変異を持つ変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素を(D192E、T715M)変異体とし、その遺伝子配列を配列番号27に、アミノ酸配列を配列番号28にそれぞれ示す。また、192番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換された変異を有するAMV逆転写酵素をD192E変異体とし、その遺伝子配列を配列番号29に、アミノ酸配列を配列番号30にそれぞれ示し、715番目のトレオニンがメチオニンに置換された変異を有するAMV逆転写酵素をT715M変異体とし、その遺伝子配列を配列番号31に、アミノ酸配列を配列番号32にそれぞれ示す。
(D)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の583番目のアラニンがトレオニンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をA583T変異体とし、その遺伝子配列を配列番号33に、アミノ酸配列を配列番号34にそれぞれ示す。
(E)配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の65番目のセリンがグリシンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をS65G変異体とし、その遺伝子配列を配列番号35に、アミノ酸配列を配列番号36にそれぞれ示す。
(F)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の113番目のフェニルアラニンがセリンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をF113S変異体とし、その遺伝子配列を配列番号37に、アミノ酸配列を配列番号38にそれぞれ示す。
(G)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の689番目のアラニンがバリンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素をA689V変異体とし、その遺伝子配列を配列番号39に、アミノ酸配列を配列番号40にそれぞれ示す。
実施例1に記載した方法でA689V変異体プラスミドを鋳型プラスミドとして、エラープローンPCR反応により変異体ライブラリーを作製し、実施例2および3に記載した方法で変異体候補株の培養と評価を行ない、実施例4および5に記載した方法で耐熱性評価を行なった。さらに実施例6に記載した方法で塩基配列を決定し、A689V変異体を鋳型とした耐熱性変異株から以下に示す4株の変異体がそれぞれ同定された。
(A)配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の689番目のアラニンがバリンに、718番目のイソロイシンがトレオニンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素を(A689V、I718T)変異体とし、その遺伝子配列を配列番号41に、アミノ酸配列を配列番号42にそれぞれ示す。また、配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の718番目のイソロイシンがトレオニンに置換された変異を有するAMV逆転写酵素をI718T変異体とし、その遺伝子配列を配列番号43に、アミノ酸配列を配列番号44にそれぞれ示す。
(B)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の689番目のアラニンがバリンに、174番目のセリンがシステインに、660番目のイソロイシンがバリンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素を(A689V、S174C、I660V)変異体とし、その遺伝子配列を配列番号45に、アミノ酸配列を配列番号46にそれぞれ示す。また、配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の174番目のセリンがシステインに置換された変異を有するAMV逆転写酵素をS174C変異体とし、その遺伝子配列を配列番号47に、アミノ酸配列を配列番号48にそれぞれ示し、配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の660番目のイソロイシンがバリンに置換された変異を有するAMV逆転写酵素をI660V変異体とし、その遺伝子配列を配列番号49に、アミノ酸配列を配列番号50にそれぞれ示す。
(C)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の689番目のアラニンがバリンに、402番目のグリシンがシステインに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素を(A689V、G402C)変異体とし、その遺伝子配列を配列番号51に、アミノ酸配列を配列番号52にそれぞれ示す。また、配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の402番目のグリシンがシステインに置換された変異を有するトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素をG402C変異体とし、その遺伝子配列を配列番号53に、アミノ酸配列を配列番号54にそれぞれ示す。
(D)配列番号1に記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の689番目のアラニンがバリンに、732番目のアスパラギンがセリンに置換されている変異体。この変異を有するAMV逆転写酵素を(A689V、N732S)変異体とし、その遺伝子配列を配列番号55に、アミノ酸配列を配列番号56にそれぞれ示す。また、配列番号1記載の当該逆転写酵素アミノ酸配列の732番目のアスパラギンがセリンに置換された変異を有するトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素をN732S変異体とし、その遺伝子配列を配列番号57に、アミノ酸配列を配列番号58にそれぞれ示す。
S65G変異体、F113S変異体、A689V変異体を基に、S65GとF113SとA689Vの三つの変異を持った三重変異体を作製した。
(1)S65G変異体、F113S変異体、A689V変異体、それぞれからミニプレップ法を用いてプラスミドを調製した。
(2)S65G変異体から調製したプラスミドを鋳型として、表3の試薬組成および下記の反応条件にて、PCR反応を行なった。
(3)反応液を1%アガロース電気泳動で泳動後、エチジウムブロマイド染色を行ない、染色後のゲルから目的産物のバンドを切り出すことで精製した。
(4)F113S変異体から調製したプラスミドを鋳型に、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号60)とRプライマー(配列番号61)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件でPCR反応と精製を行なった。
(5)A689V変異体から調製したプラスミドを鋳型に、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号62)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で、PCR反応と精製を行なった。
(6)(3)から(5)で得られた、3種類の精製PCR産物を鋳型として、さらにPCR反応を行ない、三重変異体遺伝子を作製した。なお、PCR反応における試薬組成、反応条件、および精製操作は、合成DNAプライマーとしてFプライマー(配列番号8)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で行なった。
(7)(6)で得られた、精製二重変異体遺伝子は制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化後、同酵素で消化したpTrc99aベクターにT4リガーゼを用いて4℃で30分反応させた。
(8)(7)の反応液を大腸菌HB101株に形質転換させ、LB/Crb寒天培地(1% ポリペプトン、0.5% 酵母エキス、1% NaCl、1% 寒天、50μg/mL カルベニシリンナトリウム(pH7.4))上で選択を行ない、37℃で一晩培養後に生育してきたコロニーを三重変異体とした。さらに三重変異体は実施例6に示す塩基配列決定法により変異の導入を確認し、(S65G、F113S、A689V)三重変異体とした。その遺伝子配列を配列番号63に、アミノ酸配列を配列番号64に示す。
(9)作製した(S65G、F113S、A689V)三重変異体を用いて実施例4および実施例5で示した方法で培養と精製を行ない、耐熱性を評価した。
pTrcAMVBを鋳型とし、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号60)とRプライマー(配列番号61)の組み合わせを使用した他は、実施例8に記載した方法で(S65G、A689V)二重変異体を作製した。詳細を以下に示す。
(1)S65G変異体、A689V変異体、それぞれからミニプレップ法を用いてプラスミドを調製した。
(2)S65G変異体から調製したプラスミドを鋳型として、PCR反応を行なった。なお、試薬組成は表3に示す組成であり、PCR反応はサーマルサイクラー(Perkin−Elmer製)を用いて94℃で2分加熱後、94℃・1分、58℃・30秒、72℃・2分40秒の温度サイクルを25回繰り返す条件で行なった。
(3)反応液を1%アガロース電気泳動で泳動後、エチジウムブロマイド染色を行ない、染色後のゲルから目的産物のバンドを切り出すことで精製した。
(4)プラスミドpTrcAMVBを鋳型とし、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号60)とRプライマー(配列番号61)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で、PCR反応と精製を行なった。
(5)A689V変異体を発現可能なプラスミドを鋳型とし、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号62)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で、PCR反応と精製を行なった。
(6)(3)から(5)で得られた、3種類の精製PCR産物を鋳型として、さらにPCR反応を行ない、二重変異体遺伝子を作製した。なお、PCR反応における試薬組成、反応条件、および精製操作は、合成DNAプライマーとしてFプライマー(配列番号8)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で行なった。
(7)(6)で得られた、精製二重変異体遺伝子は制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化後、同酵素で消化したpTrc99aベクターにT4リガーゼを用いて4℃で30分反応させた。
(8)(7)の反応液を用いて大腸菌HB101株を形質転換させ、LB/Crb寒天培地(1% ポリペプトン、0.5% 酵母エキス、1% NaCl、1% 寒天、50μg/mL カルベニシリンナトリウム(pH7.4))上で選択を行ない、37℃で一晩培養後に生育してきたコロニーを二重変異体とした。
(9)得られた二重変異体を実施例6に示す塩基配列決定法により変異の導入を確認した。得られた(S65G、A689V)二重変異体の遺伝子配列を配列番号65に、アミノ酸配列を配列番号66に示す。
(10)作製した(S65G、A689V)二重変異体を用いて実施例4および実施例5で示した方法で培養と精製を行ない、耐熱性を評価した。
実施例9で得られた(S65G、A689V)二重変異体を発現可能なプラスミドを鋳型プラスミドとして、実施例1に記載した方法でエラープローンPCR反応を行なうことで、変異体ライブラリーを作製し、実施例2および3に記載した方法で変異体候補株の培養と評価を行ない、実施例4および5に記載した方法で耐熱性評価を行なった。さらに実施例6に記載した方法で塩基配列を決定した。
実施例9で得られた(S65G、A689V)二重変異体を発現可能なプラスミド、および実施例10で得られた(S65G、A689V、L856P)三重変異体を発現可能なプラスミドを用いて、大腸菌W3110株を、それぞれヒートショック法にて形質転換することで形質転換体を得た後、以下の方法でAMV逆転写酵素を発現させ、精製を行なった。
(1)2×YT培地(16g/Lトリプトン、10g/L酵母エキス、5g/L NaCl、0.1mg/mLカルベニシリンナトリウム)100mLに、形質転換体を植菌し、500mLバッフル付三角フラスコ中、30℃・130rpmで一晩振とう培養を行なうことで前培養を行なった。
(2)表4に示す組成からなる培地2.1Lを全容3.0L発酵槽(サクラ精機社、TFLC−3)に入れ、121℃で20分間で滅菌後、(1)で得られた前培養液を21mL植菌し、本培養を開始した。発酵槽の培養温度は37℃に、撹拌速度は500rpmに、pHは6.9から7.1に、それぞれ設定し、50%のリン酸水溶液を用いてpHの調整を行なった。
(4)約140時間培養後、培養液を4℃・8000rpmで30分間遠心分離することで、菌体を回収し−30℃で凍結保存した。
(5)凍結菌体を5mL/湿菌体質量のバッファーB(20mM Tris−HCl(pH7.4)、10%(w/v)グリセロール、1mM DTT)に懸濁し、超音波破砕後、4℃・8000rpmで30分間遠心分離することで未破砕菌体を除き抽出液を得た。
(6)抽出液に0.83%のストレプトマイシン(和光純薬社製)を添加し、4℃で30分間撹拌後、4℃・10000rpmで30分間遠心分離することで沈澱を回収した。
(7)等量のバッファーBに沈殿を再溶解し、粗精製溶液とした。
(8)粗精製溶液200mLに硫酸アンモニウム(和光純薬社)を15%飽和になるになるまで少量ずつ添加した。さらに当該粗精製溶液を、あらかじめバッファーC(20mM Tris−HCl(pH7.4)、10%(w/v)グリセロール、1mM DTT、15%飽和硫酸アンモニウム)で平衡化したTOYOPEARL PPG−600M(東ソー社)ゲルを充填したカラム(10mmI.D.×20cm)に添加した。
(9)十分量のバッファーCをカラムに通液することで、ゲルに結合した非特異結合成分を洗浄後、10カラムボリューム(CV)でバッファーBが100%となるようなリニアグラジエント溶出法により、AMV逆転写酵素を溶出させた(流速5mL/分)。
(10)カラムからの溶出液を、10mL毎に試験管に分注し、SDS−PAGEとCBB染色によりAMV逆転写酵素の画分を決定した。
(11)(10)で決定したAMV逆転写酵素の活性フラクションをバッファーAで透析後、あらかじめバッファーAで平衡化したホスホセルロース(Phosphocellulose P11、Whatman社製)ゲルを充填したカラム(10mmI.D.×5cm)に添加した。
(12)十分量のバッファーAをカラムに通液することで、ゲルに結合した非特異結合成分を洗浄後、10CVでバッファーD(1M KClを含むバッファーA)が100%となるようなリニアグラジエント溶出法により、AMV逆転写酵素を溶出させた(流速0.5mL/分)。
(13)カラムからの溶出液を、1mL毎に試験管に分注し、SDS−PAGEとCBB染色によりAMV逆転写酵素の画分を決定した。
実施例11で得られた(S65G、A689V、L856P)三重変異体のヘテロ複合体とβ鎖をそれぞれ以下に示す方法で耐熱性を評価した。
(1)(S65G、A689V、L856P)三重変異体のヘテロ複合体を含む画分とβ鎖を含む画分を滅菌水で適宜希釈しDMSO(終濃度5.2%(v/v))を加え混和することで非加熱酵素反応液を調製し、4℃に保持した。
(2)(1)の非加熱酵素反応液の一部をサーマルサイクラー(エッペンドルフ社製)を用いて、46℃で10分加熱した(プレヒート)。
(3)表3に記載した組成からなる反応液を調製し、その15μLを0.5mL容PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に分注した。
(4)(2)のプレヒートを行なった酵素反応液と非加熱酵素反応液をそれぞれ、46℃で2分保温した。
(5)(4)の酵素液5μLと、開始溶液(18mM MgCl2、100mM KCl、3.8%(w/v) グリセロール、5.2%(v/v) DMSO)10μLをそれぞれPCRチューブに混合し、TRCRリアルタイムモニターTRCRapid−160(東ソー社製)を用いて蛍光強度の変化を測定した。
実施例9で得られた(S65G、A689V)二重変異体を発現可能なプラスミドを鋳型プラスミドとして、実施例1に記載した方法でエラープローンPCR反応を行なうことで、変異体ライブラリーを作製し、実施例2および3に記載した方法で変異体候補株の培養と評価を行ない、実施例4および5に記載した方法で耐熱性評価を行なった。さらに実施例6に記載した方法で塩基配列を決定した。
(S65G、G626D、A689V)三重変異体とA583T変異体を基に、S65GとA583TとG626DとA689Vの四つの変異を持った四重変異体を作製した。詳細を以下に示す。
(1)(S65G、G626D、A689V)三重変異体とA583T変異体、それぞれからミニプレップ法を用いてプラスミドを調製した。
(2)(S65G、G626D、A689V)三重変異体を発現可能なプラスミドを鋳型として、PCR反応を行なった。なお、試薬組成は表3に示す組成であり、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号8)とRプライマー(配列番号77)の組合せを使用した他は、実施例8(2)と同じ条件で行なった。
(3)反応液を1%アガロース電気泳動で泳動後、エチジウムブロマイド染色を行ない、染色後のゲルから目的産物のバンドを切り出すことで精製した。
(4)(S65G、G626D、A689V)三重変異体を発現可能なプラスミドを鋳型とし、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号78)とRプライマー(配列番号79)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で、PCR反応と精製を行なった。
(5)A583T変異体から調製したプラスミドを鋳型とし、合成プライマーとしてFプライマー(配列番号80)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で、PCR反応と精製を行なった。
(6)(3)から(5)で得られた、3種類の精製PCR産物を鋳型として、さらにPCR反応を行ない、四重変異体遺伝子を作製した。なお、PCR反応における試薬組成、反応条件、および精製操作は、合成DNAプライマーとしてFプライマー(配列番号8)とRプライマー(配列番号9)の組み合わせを使用した他は(2)から(3)と同じ条件で行なった。
(7)(6)で得られた精製四重変異体遺伝子を、制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化後、同酵素で消化したpTrc99aベクターにT4リガーゼを用いて4℃で30分反応させた。
(8)(7)の反応液を用いて大腸菌HB101株を形質転換させ、LB/Crb寒天培地(1% ポリペプトン、0.5% 酵母エキス、1% NaCl、1% 寒天、50μg/mL カルベニシリンナトリウム(pH7.4))上で選択を行ない、37℃で一晩培養後に生育してきたコロニーを四重変異体とした。
(9)得られた四重変異体を実施例6に示す塩基配列決定法により変異の導入を確認した。得られた(S65G、A583T、G626D、A689V)変異体の遺伝子配列を配列番号75に、アミノ酸配列を配列番号76に示す。
(1)実施例11に示した方法に従い、野生型のヘテロ複合体および(S65G、A583T、G626D、A689V)四重変異体のヘテロ複合体を精製した。
(2)(1)で得られたヘテロ複合体と、実施例11で得られた(S65G、A689V)二重変異体のヘテロ複合体をそれぞれ実施例12に示す方法で耐熱性を評価した。
(3)酵素反応液のプレヒートを行なった場合と行なわなかった場合とで検出時間(蛍光強度が初期蛍光値の1.2倍になった時間)から、図3に示した検量線を用いて非加熱酵素反応液と加熱酵素反応液それぞれのAMV逆転写酵素の活性を見積もり、加熱酵素反応液の活性を、非加熱酵素反応液の活性で除することで残存活性を算出した。
Claims (14)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、以下の(1)から(15)のうち少なくともいずれか一箇所が他のアミノ酸に置換している、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の658番目のセリン
(2)配列番号1の813番目のバリン
(3)配列番号1の192番目のアスパラギン酸
(4)配列番号1の715番目のトレオニン
(5)配列番号1の583番目のアラニン
(6)配列番号1の65番目のセリン
(7)配列番号1の113番目のフェニルアラニン
(8)配列番号1の689番目のアラニン
(9)配列番号1の718番目のイソロイシン
(10)配列番号1の174番目のセリン
(11)配列番号1の660番目のイソロイシン
(12)配列番号1の402番目のグリシン
(13)配列番号1の732番目のアスパラギン
(14)配列番号1の856番目のロイシン
(15)配列番号1の626番目のグリシン - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、以下の(1)から(15)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の658番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の813番目のバリンがアラニンに置換
(3)配列番号1の192番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(4)配列番号1の715番目のトレオニンがメチオニンに置換
(5)配列番号1の583番目のアラニンがトレオニンに置換
(6)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(7)配列番号1の113番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(8)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(9)配列番号1の718番目のイソロイシンがトレオニンに置換
(10)配列番号1の174番目のセリンがシステインに置換
(11)配列番号1の660番目のイソロイシンがバリンに置換
(12)配列番号1の402番目のグリシンがシステインに置換
(13)配列番号1の732番目のアスパラギンがセリンに置換
(14)配列番号1の856番目のロイシンがプロリンに置換
(15)配列番号1の626番目のグリシンがアスパラギン酸に置換 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換されており、かつ以下の(1)から(5)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の718番目のイソロイシンがトレオニンに置換
(2)配列番号1の174番目のセリンがシステインに置換
(3)配列番号1の660番目のイソロイシンがバリンに置換
(4)配列番号1の402番目のグリシンがシステインに置換
(5)配列番号1の732番目のアスパラギンがセリンに置換 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(3)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の113番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(3)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(3)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換
(3)配列番号1の856番目のロイシンがプロリンに置換 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素において、少なくとも以下の(1)から(4)のアミノ酸置換が生じている、前記逆転写酵素。
(1)配列番号1の65番目のセリンがグリシンに置換
(2)配列番号1の583番目のアラニンがトレオニンに置換
(3)配列番号1の626番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(4)配列番号1の689番目のアラニンがバリンに置換 - 配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74および配列番号76のうちいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素。
- 野生型のトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素と比較して、37℃より高い温度で、より長い半減期を伴う酵素活性を有する、請求項1から7のいずれかに記載の逆転写酵素。
- 野生型のトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素と比較して、37℃より高い温度で保持した場合に、より高い残存活性を有する、請求項1から7のいずれかに記載の逆転写酵素。
- 請求項1から9のいずれかに記載のトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項11に記載の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体。
- 宿主が大腸菌である、請求項12記載の形質転換体。
- 請求項12または13に記載の形質転換体を培養することで前記形質転換体からトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素を発現させる工程と、前記形質転換体から当該逆転写酵素を単離する工程とを含む、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013123003A JP6221374B2 (ja) | 2012-12-27 | 2013-06-11 | 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 |
PCT/JP2013/084662 WO2014104094A1 (ja) | 2012-12-27 | 2013-12-25 | 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012285281 | 2012-12-27 | ||
JP2012285281 | 2012-12-27 | ||
JP2013079757 | 2013-04-05 | ||
JP2013079757 | 2013-04-05 | ||
JP2013123003A JP6221374B2 (ja) | 2012-12-27 | 2013-06-11 | 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014209898A true JP2014209898A (ja) | 2014-11-13 |
JP6221374B2 JP6221374B2 (ja) | 2017-11-01 |
Family
ID=51021172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013123003A Active JP6221374B2 (ja) | 2012-12-27 | 2013-06-11 | 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6221374B2 (ja) |
WO (1) | WO2014104094A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018084165A1 (ja) * | 2016-11-01 | 2018-05-11 | 株式会社カネカ | 改変型酵素およびその利用 |
JP2022529565A (ja) * | 2019-02-14 | 2022-06-23 | ノルドマルク ファーマ ゲーエムベーハー | コラゲナーゼタイプi、コラゲナーゼタイプii、中性プロテアーゼ、およびクロストリパインからなる群から選択される少なくとも1種の酵素のクロマトグラフィー精製 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4006147A4 (en) * | 2019-07-26 | 2023-06-21 | Toyobo Co., Ltd. | VARIANT REVERSE TRANSCRIPTASE WITH EXCELLENT STABILITY |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002537817A (ja) * | 1999-03-02 | 2002-11-12 | インビトロゲン・コーポレーション | cDNA合成の改良 |
JP2004511211A (ja) * | 2000-05-26 | 2004-04-15 | インヴィトロジェン コーポレーション | 耐熱性逆転写酵素およびその使用 |
JP2005538719A (ja) * | 2002-09-13 | 2005-12-22 | インヴィトロジェン コーポレーション | 耐熱性逆転写酵素およびその使用法 |
JP2008500818A (ja) * | 2004-04-06 | 2008-01-17 | ストラタジーン カリフォルニア | 逆転写のための組成物および方法 |
WO2010016621A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
JP2011051943A (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-17 | Tosoh Corp | タンパク質抽出試薬およびそれを用いたポリメラーゼのスクリーニング方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013126402A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Tosoh Corp | 逆転写酵素の製造方法 |
JP2013146235A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Tosoh Corp | トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素の製造方法 |
-
2013
- 2013-06-11 JP JP2013123003A patent/JP6221374B2/ja active Active
- 2013-12-25 WO PCT/JP2013/084662 patent/WO2014104094A1/ja active Application Filing
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002537817A (ja) * | 1999-03-02 | 2002-11-12 | インビトロゲン・コーポレーション | cDNA合成の改良 |
JP2004511211A (ja) * | 2000-05-26 | 2004-04-15 | インヴィトロジェン コーポレーション | 耐熱性逆転写酵素およびその使用 |
JP2005538719A (ja) * | 2002-09-13 | 2005-12-22 | インヴィトロジェン コーポレーション | 耐熱性逆転写酵素およびその使用法 |
JP2008500818A (ja) * | 2004-04-06 | 2008-01-17 | ストラタジーン カリフォルニア | 逆転写のための組成物および方法 |
WO2010016621A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
JP2011051943A (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-17 | Tosoh Corp | タンパク質抽出試薬およびそれを用いたポリメラーゼのスクリーニング方法 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
BIOTECHNOL LETT, vol. 34, JPN6014011682, March 2012 (2012-03-01), pages 1209 - 1215, ISSN: 0003493603 * |
JOURNAL OF APPLIED MICROBIOLOGY, vol. 113, JPN6014011685, July 2012 (2012-07-01), pages 541 - 549, ISSN: 0003493606 * |
JOURNAL OF BIOTECHNOLOGY, vol. 134, JPN6014011683, 2008, pages 325 - 333, ISSN: 0003493604 * |
PROTEIN SCIENCE, vol. 12, JPN6014011684, 2003, pages 2141 - 2149, ISSN: 0003493605 * |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018084165A1 (ja) * | 2016-11-01 | 2018-05-11 | 株式会社カネカ | 改変型酵素およびその利用 |
CN109923209A (zh) * | 2016-11-01 | 2019-06-21 | 株式会社钟化 | 修饰型酶及其利用 |
JPWO2018084165A1 (ja) * | 2016-11-01 | 2019-09-19 | 株式会社カネカ | 改変型酵素およびその利用 |
JP2022529565A (ja) * | 2019-02-14 | 2022-06-23 | ノルドマルク ファーマ ゲーエムベーハー | コラゲナーゼタイプi、コラゲナーゼタイプii、中性プロテアーゼ、およびクロストリパインからなる群から選択される少なくとも1種の酵素のクロマトグラフィー精製 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6221374B2 (ja) | 2017-11-01 |
WO2014104094A1 (ja) | 2014-07-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN110291196B (zh) | 耐热逆转录酶突变体 | |
CN102220294B (zh) | 具有增强的热稳定性的新颖的t7 rna聚合酶变体 | |
EP1918370B1 (en) | Mutant pcna | |
US20110136181A1 (en) | Rna polymerase mutant with improved functions | |
EP1261696A1 (en) | Rna polymerase mutants with increased thermostability | |
EP2981609B1 (en) | Novel dna-polymerases | |
WO2001055342A2 (en) | Synthetic genes for enhanced expression | |
JP6221374B2 (ja) | 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素 | |
US20170240871A1 (en) | Practical method for enzymatically synthesizing cyclic di-gmp | |
US8105814B2 (en) | DNA replication factors | |
JP7014256B2 (ja) | 核酸増幅試薬 | |
KR100844358B1 (ko) | 돌연변이 dna 중합효소들 및 그의 유전자들 | |
KR101105271B1 (ko) | 돌연변이 나노아케움 이퀴탄스 a523r dna 중합효소 및 이의 이용 | |
KR101778878B1 (ko) | 박테로이데스 속 미생물 유래의 gaba 생성 고활성 글루탐산탈탄산효소 및 이의 용도 | |
JP6070180B2 (ja) | 酵素のスクリーニング方法 | |
Susanti et al. | Cloning, homological analysis, and expression of DNA Pol I from Geobacillus thermoleovorans | |
JP2022551588A (ja) | Dnaポリメラーゼおよびdnaポリメラーゼ由来3’-5’エキソヌクレアーゼ | |
JP2022165387A (ja) | トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素発現ベクターおよび当該ベクターを用いた前記酵素の製造法 | |
JP2013146235A (ja) | トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素の製造方法 | |
JP2000308494A (ja) | 超耐熱性dnaリガーゼ | |
Hamdan et al. | Dna polymerases from the red sea brine pool | |
JP2010183842A (ja) | 新規耐熱性dnaポリメラーゼ | |
JPH1084956A (ja) | 耐熱性を増強したグルコースイソメラーゼを提供する方法 | |
KR20100060283A (ko) | 신규한 내열성 dna 중합효소 | |
JP2016119868A (ja) | Thermococcuskodakaraensis由来変異型PCNA |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170207 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170303 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20170306 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170801 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170918 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6221374 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |