JP2014208354A - アーク溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶込み不足を抑えたアーク溶接を行うにあたり、狭隘空間内に設定された溶接部にも溶接トーチを容易にアクセスさせる。【解決手段】 アーク溶接装置1が、母材100を支持するための溶接治具11と、母材100の溶接時に、溶接を行うべき溶接部上の所定部位で非溶極式アークを発生させて母材100を加熱する非溶極式トーチ13と、母材100の溶接時に、非溶極式トーチ13による加熱後に所定部位から溶接部の延在方向に沿って溶極式アーク溶接を行う溶極式トーチ14と、非溶極式トーチ13を装着した多関節型の非溶極式溶接ロボット15と、溶極式トーチ14を装着した多関節型の溶極式溶接ロボット16と、を備える。非溶極式溶接ロボット15及び溶極式溶接ロボット16が、溶接治具11を平面視で略対角方向に挟むように設置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、MIG溶接等の溶極式アーク溶接を行うアーク溶接装置に関する。
熱伝導のよい金属を溶極式アーク溶接すると、アークの発生と同時に電極が溶融するので、溶接部の始点で溶込み不足が発生する。そこで従来、TIGアークを発生させて母材を必要な温度に加熱してからMIG溶接を行う、という溶接装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この溶接装置は、単一の溶接トーチを備えている。この溶接トーチに、TIGアークを発生させるタングステン電極と、タングステン電極を出没させる電極駆動コイル及びバネと、MIG溶接用のチップと、MIGワイヤとが組み込まれている。
特開平3−264161号公報
単一の溶接トーチにタングステン電極とMIG溶接用チップとを組み込むと、溶接トーチが大型重量物となる。このため、狭隘空間内に設定された溶接部に溶接トーチをアクセスすることが困難となる。
そこで本発明は、溶込み不足を抑えたアーク溶接を行うにあたり、狭隘空間内に設定された溶接部にも溶接トーチを容易にアクセス可能にすることを目的としている。
本発明に係るアーク溶接装置は、母材を支持するための溶接治具と、前記母材の溶接時に、溶接を行うべき溶接部上の所定部位で非溶極式アークを発生させて前記母材を加熱する非溶極式溶接トーチと、前記母材の溶接時に、前記非溶極式トーチによる加熱後に前記所定部位から前記溶接部の延在方向に沿って溶極式アーク溶接を行う溶極式溶接トーチと、前記非溶極式トーチを装着した多関節型の非溶極式溶接ロボットと、前記溶極式トーチを装着した多関節型の溶極式溶接ロボットと、を備え、前記非溶極式溶接ロボット及び前記溶極式溶接ロボットが、前記溶接治具を平面視で略対角方向に挟むように設置されている。
前記構成によれば、アーク溶接を行うためのトーチが、これに先立って母材を加熱するためのトーチと分離され、2つのトーチが、別々の多関節型ロボットにそれぞれ装着される。このため、溶接部が狭隘空間内に設定されていても、2つのトーチは両方とも容易にアクセス可能になる。
2つの多関節型ロボットは溶接治具を平面視で略対角方向に挟むように設置され、これにより水平方向に極力離れて配置されることとなる。このため、トーチの可動域が極力広くなり、トーチ同士が干渉しにくくなる。
また、このように設置すると、非溶極式アークの停止後に非溶極式トーチを所定部位から退避させる動線が、溶極式トーチを所定部位にアクセスさせる動線やアーク溶接時の溶極式トーチの動線と干渉しにくくなり、干渉回避のための迂回移動や速度抑制を抑えることができる。したがって、2つのトーチが分離されていても、非溶極式アークの停止後速やかに母材が加熱又は溶融された状態で溶極式アーク溶接を開始することができ、溶極式アーク溶接での溶込み不足を抑えることができる。
前記非溶極式トーチがTIG溶接トーチであり、前記溶極式トーチがMIG溶接トーチであってもよい。
前記溶接治具を変位させる治具ロボットと、前記溶極式溶接ロボットを制御する溶極式用制御器と、前記非溶極式溶接ロボットを制御する非溶極式用制御器と、を備え、前記溶極式用制御器は、前記治具ロボットも制御し、前記非溶極式用制御器との間における動作許可信号の入出力に応じて、前記溶極式溶接ロボット及び前記治具ロボットを駆動して前記溶極式トーチ及び前記溶接治具を変位させてもよい。
前記構成によれば、溶極式用制御器と非溶極式用制御器との間における動作許可信号の入出力に応じて溶極式溶接ロボットを制御するので、2組のロボット及びトーチが互いに干渉するのを避けることができる。
溶極式トーチを溶接部に沿って母材に対して相対変位させるにあたり、母材も能動的に変位可能であるので、溶接部形状が複雑だったり溶接部が狭隘空間内に設定されていたりしても、溶極式アーク溶接を容易に行うことができ、溶接適用範囲を広げることができる。
治具ロボットを制御するため専用の制御器を省略することができ、アーク溶接装置の制御系ハードウェアを簡素化することができる。
溶極式用制御器が治具ロボットを制御する制御器を兼ねている。このように制御器が統合されれば、溶極式用制御器と非溶極式用制御器が互いの信号入出力に応じてロボットを駆動するという干渉回避対策を採りながら、溶接治具を溶極式トーチと同時に変位させるのを許容することもできる。
このように、2組のロボット及びトーチの干渉回避と、溶接適用範囲の拡大と、制御系ハードウェアの簡素化とを同時に達成することができる。
前記非溶極式用制御器は、非溶極式アークによる加熱中又は加熱終了時に、前記動作許可信号を出力し、前記溶極式用制御器は、当該動作許可信号の出力に応じて前記溶極式溶接ロボットを駆動して前記溶極式トーチを前記所定部位まで移動させ、前記非溶極式用制御器は、前記溶極式トーチの変位と並行して、前記非溶極式溶接ロボットを駆動して前記非溶極式トーチを前記所定部位から退避させてもよい。
前記構成によれば、非溶極式アークの停止後に非溶極式トーチの退避を待たずに溶極式トーチが溶接部始点に近付いていくので、非溶極式アークの停止後速やかに溶極式アーク溶接を開始することができ、溶極式アーク溶接での溶込み不足を抑えることができる。
本発明によれば、溶込み不足を抑えたアーク溶接を行うにあたり、狭隘空間内に設定された溶接部にも溶接トーチが容易にアクセス可能になる。
実施形態に係るアーク溶接装置を用いて製造され得る自動二輪車のフレーム組立体を示す図である。図1(a)が左側面図、図1(b)が図1(a)のb矢視図、図1(c)が図1(a)のc矢視図である。 実施形態に係るアーク溶接装置の外観を示す斜視図である。 図2に示すアーク溶接装置の平面図である。 図3に示すアーク溶接装置の構成を示すブロック図である。 図4に示す制御系により実行されるアーク溶接方法の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、同一の又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
図1(a)〜(c)は、実施形態に係るアーク溶接装置を用いて製造され得る自動二輪車のフレーム組立体150を示す図である。図1(a)は、フレーム組立体150の左側面図、図1(b)は、図1(a)のb矢視図(すなわち、フレーム組立体150をヘッドパイプ部151の軸線方向下側から見て示す図)、図1(c)は、図1(a)のc矢視図(すなわち、フレーム組立体150の背面図)である。なお、図1を参照して説明するフレーム組立体150の方向の概念は、当該フレーム組立体150を備えた自動二輪車に騎乗した運転者から見た方向を基準としている。
図1(a)〜(c)において、図示例によるフレーム組立体150は、円筒状のヘッドパイプ部151と、ヘッドパイプ部151から左右に分かれて後方へと延びる一対のメインフレーム部152,153(図1(a)では右メインフレーム部153の図示を省略)とを有する。図1(c)に示すように、図示例によるフレーム組立体150は、メインフレーム部152,153をその前後中央部にて左右方向に接続するセンタクロスバー部154と、メインフレーム部152,153をその後端部にて左右方向に接続するリアクロスバー部155とを有している。
図1(a)〜(c)において、フレーム組立体150は、5つの金属材161〜165を母材とするアーク溶接を行うことで製造される。第1金属材161は、ヘッドパイプ部151に概略対応し、ヘッドパイプ部151を成す部位から左右に分かれて後方に突出する継手部161a,161bを有する。第2金属材162は、左メインフレーム部152に概略対応し、前端部に形成されて継手部161aと溶接される継手部162aと、左メインフレーム部152を成す部位の前後中央部及び後端部それぞれにおいて当該部位の内面から車幅方向内側へと突出する継手部162b,162cとを有する。第3金属材163は、右メインフレーム部153に概略対応し、第2金属材162と同様にして継手部163a〜cを有する。第4金属材164は、センタクロスバー部154に概略対応し、左端部に形成されて継手部162bと溶接される継手部164aと、右端部に形成されて継手部163bと溶接される継手部164bとを有する。第5金属材165は、リアクロスバー部155に概略対応し、左端部に形成されて継手部162cと溶接される継手部165aと、右端部に形成されて継手部163cと溶接される継手部165bとを有している。
図1(a)〜(c)において、フレーム組立体150は、合計6つの溶接個所171〜176にアーク溶接を行うことで製造される。当該溶接個所171〜176には、継手部161a,162aを溶接する第1溶接個所171と、継手部161b,163aを溶接する第2溶接個所172と、継手部162b,164aを溶接する第3溶接個所173と、継手部163b,164bを溶接する第4溶接個所174と、継手部162c,165aを溶接する第5溶接個所175と、継手部163c,165bを溶接する第6溶接個所176とが含まれる。
一般に自動二輪車のフレーム組立体150では、その製造において母材となる金属材161〜165が、略角形状断面を有する管状に成形されるので、前記6つの溶接部位171〜176ではいずれも溶接を行うべき溶接部(又は溶接線)181〜186が無端状になる。更に、6つの溶接部181〜186は、左右のメインフレーム部152,153に囲まれ且つメインフレーム部152,153の内面と近接した狭隘空間に設定される。また、一般に金属材161〜165には、アルミニウム合金のように熱伝導のよい材料が適用され、溶接部181〜186に沿ってアーク溶接を行う際には、その始点にて溶込み不足を生じやすい。
本実施形態に係るアーク溶接装置1によれば、例えば図1に示す自動二輪車の車体フレームのように母材に熱伝導のよい材料が適用されていたり、溶接を行うべき溶接部が複雑形状であったり狭隘空間に設定されたりしても、溶込み不足を抑え且つ円滑にアーク溶接を行うことができる。
図2は、実施形態に係るアーク溶接装置1の外観を示す斜視図である。図3は、図2に示すアーク溶接装置1の平面図である。図2及び図3において、アーク溶接装置1は、溶接空間3を形成するフレーム2を有し、この溶接空間3内で母材100の継手部にアーク溶接を施す。図1に示した第1〜第5金属材151〜155は、この母材100の好適な一例であり、図1に示した第1〜6溶接個所171〜176は、母材100の継手部の好適な一例である。
図2において、フレーム2は、略矩形状の底板材4及び天井板材5と、底板材4及び天井板材5の四隅同士を上下方向に接続する4本の柱材6とを備え、溶接空間3は、これら部材4〜6の内側に形成されて平面視で矩形状である。以降の説明では、溶接空間3の平面視矩形輪郭一辺が延在する水平方向を「横方向X」とし、当該一辺に直角な矩形輪郭他辺が延在する水平方向であって当該横方向Xに直交する水平方向を「縦方向Y」とする。図示便宜のため溶接空間3を外界から隔絶せずに図示しているが、溶接空間3は、アーク光の散乱防止や風防のため、母材100にアーク溶接を施す際には外界から遮蔽される。
アーク溶接装置1は、更に、溶接治具11と、治具ロボット12と、非溶極式トーチ13と、溶極式トーチ14と、非溶極式溶接ロボット15と、溶極式溶接ロボット16とを備えている。これら装置11〜16は、溶接空間3内に配置されている。
母材100は、溶接治具11に対する位置及び姿勢が変わらないようにして溶接治具11に支持される。溶接治具11は、フレーム2に設けられた治具ロボット12に装着されている。治具ロボット12は、溶接治具11をフレーム2に対して変位させ、それにより溶接治具11に支持された母材100のフレーム2に対する位置及び姿勢を変位させる。
一例として、治具ロボット12は、フレーム2に対して水平な走行方向(図示例では縦方向Y)に直進走行可能な走行体21と、走行体21に対して水平な傾動軸線周りに傾動可能な傾動体22とを有し、溶接治具11は、傾動体22に対して傾動軸線に非平行の旋回軸線周りに旋回可能に装着されている。治具ロボット12は、走行体21をフレーム2に対して直進走行させるための走行アクチュエータ23(図4参照)と、傾動体22を走行体21に対して傾動させるための傾動アクチュエータ24(図4参照)と、溶接治具11を傾動体22に対して旋回させるための旋回アクチュエータ25(図4参照)とを備える。これらアクチュエータ23〜25が動作すると、溶接治具11及びこれに支持された母材100が走行方向Yに位置を変えることができ、傾動軸線及び旋回軸線周りに姿勢を変えることができる。
なお、図2において、走行体21は、底板材4に走行方向に直進走行可能に支持されたスライダ21aと、スライダ21aから上方に延びる一対の立設部21bとを有する。スライダ21aは、溶接空間3内で走行方向に直交する水平方向(図示例では横方向X)において中央部に配置される。立設部21bは、当該走行直交方向に対向している。傾動体22は、一対の立設部21bそれぞれに傾動可能に支持され、走行直交方向に向けられた傾動軸線周りにスライダ21aの上方で傾動する。溶接治具11は、このような傾動体22に装着され、溶接空間3内で上下方向において中央部に位置する。
非溶極式トーチ13は、非溶極式アーク溶接を行える溶接トーチである。本実施形態に係る非溶極式トーチ13は、母材100を溶接するときに、溶接を行うべき溶接部(又は溶接線)上の所定部位で非溶極式アークを発生させる。このように非溶極式トーチ13は、非溶極式アーク溶接を行うために利用されるのではなく、溶極式トーチ14を用いた溶極式アーク溶接の前に前記所定部位を非溶極式アークで加熱するために利用される。そのため非溶極式トーチ13は、溶加材送給のための装置を備えている必要はない。
非溶極式トーチ13には、不活性ガス(例えば、アルゴン)をシールドガスとして噴射しながらタングステン電極からTIGアークを発生してTIG溶接を行うことができるTIG溶接トーチを好適に適用することができる。また、タングステン等の材料からなる電極からプラズマジェットを噴出してプラズマアーク溶接を行うことができるプラズマアーク溶接トーチを適用してもよい。
溶極式トーチ14は、溶極式アーク溶接を行うことができる溶接トーチである。本実施形態に係るアーク溶接装置1では、溶極式トーチ14は、母材100を溶接するときに、非溶極式トーチ13による加熱後に前記所定部位から溶接部の延在方向に沿って溶極式アーク溶接を行う。
溶極式トーチ14には、不活性ガス(例えば、アルゴン)をシールドガスとして噴射しながらアークを発生させるための電極であり且つ溶接材である溶接ワイヤを送給し、MIG溶接を行うMIG溶接トーチを好適に適用することができる。その他、炭酸ガス(例えば、二酸化炭素)をシールドガスに用いる炭酸ガスアーク溶接トーチ、不活性ガス及び炭酸ガスの混合ガスをシールドガスに用いるMAG溶接トーチを適用してもよい。また、サブマージアーク溶接を行うことができるトーチや、セルフシールドアーク溶接を行うことができるトーチを適用することもできる。
母材100が図1に例示したようにアルミニウム合金である場合には、非溶極式トーチ14にTIG溶接トーチを適用して溶極式トーチ14にMIG溶接トーチを適用すると好適である。これにより、コストを抑えて溶接品質を高くすることができる。
なお、詳細図示を省略するが、母材100を溶接治具11に固定するときには、母材100が非溶極式トーチ13の溶接機アース電極(図示せず)及び溶極式トーチ14の溶接機アース電極(図示せず)それぞれとケーブル(図示せず)を介して接続される。それにより2つのトーチ13,14がアークを発生することができる。
図3において、非溶極式溶接ロボット15は、基台15aと、基台15aに設けられた多関節アーム15bとを備える多関節型の産業ロボットであり、多関節アーム15bの先端に非溶極式トーチ13が装着される。溶極式溶接ロボット16も、基台16aと、基台16aに設けられた多関節アーム16bとを備える多関節型の産業ロボットであり、多関節アーム16bの先端に溶極式トーチ14が装着される。本実施形態では、多関節アーム15b,16bが垂直多関節型であり、多関節アーム15b,16bの動作に応じて非溶極式トーチ13及び溶極式トーチ14の位置及び姿勢が溶接空間3内で三次元的に変化する。
2つの溶接ロボット15,16は、天吊り状態で溶接空間3内に配置される。すなわち、溶接ロボット15,16は、基台15a,16aが天井板材5の内面に固定されて多関節アーム15b,16bが基台15a,16aから下方に屈曲可能に延在する状態で、フレーム2に支持される。
図3において、2つの溶接ロボット15,16は、平面視で溶接治具11を挟むようにして略対角方向に離れて配置されている。より詳細には、基台15a,16aは、平面視で略矩形状である溶接空間3の4つの隅部のうち対角を成す2つの隅部それぞれに離れて設置される。基台15a,16aは、当該2つの隅部同士を結ぶ対角線の延在方向に対向している。溶接治具11は、溶接空間3内で走行方向Yと直交する方向Xにおいて中央部に配置され、基台15a,16aはこのような溶接治具11を平面視で挟むように配置される。
なお、多関節アーム15b及びトーチ13は、対応する基台15aを設置した隅部から横方向Xにも縦方向Yにも離れるように変位可能であり、多関節アーム16b及びトーチ14もこれと同様である。すなわち、2つのトーチ13,14は、必ずしも略対角方向に離れて配置されるとは限らないし、アーク溶接を行う場合のように溶接治具11と平面視で重なる場合もある。
図4は、図2に示すアーク溶接装置1の構成を示すブロック図である。図4において、アーク溶接装置1は、その制御系の主要素として、非溶極式用制御器31及び溶極式用制御器32を備える。アーク溶接装置1は送受信器33を更に備えていてもよい。
非溶極式用制御器31は、非溶極式溶接ロボット15を制御する。詳細には、非溶極式溶接ロボット15の関節15cそれぞれに対応した複数のアームアクチュエータ15dを制御し、それにより多関節アーム15b及び非溶極式トーチ13の位置及び姿勢を制御する。非溶極式用制御器31は、非溶極式トーチ13の動作(すなわち、アークの発生及び停止)を併せて制御してもよい。
溶極式制御器32は、溶極式溶接ロボット16を制御する。詳細には、溶極式溶接ロボット16の関節16cそれぞれに対応した複数のアームアクチュエータ16dを制御し、それにより多関節アーム16b及び溶極式トーチ14の位置及び姿勢を制御する。溶極式制御器32は、溶極式トーチ14の動作(すなわち、アークの発生及び停止と溶接ワイヤの送給及び停止)を併せて制御してもよい。
溶極式用制御器32は、治具ロボット12も制御する。詳細には、治具ロボット12の各アクチュエータ23〜25を制御し、それにより溶接治具11及びこれに支持された母材100の位置及び姿勢を制御する。
非溶極式用制御器31及び溶極式制御器32は、母材100に応じて予め定められた順序に従って制御を逐次進めていき(すなわち、母材100に応じたシーケンス制御を実行し)、それにより母材100に所要のアーク溶接を施す。なお、ロボット12,15,16の制御プログラムは、例えばティーチングを経て定められる。
制御を実行する際、非溶極式用制御器31及び溶極式制御器32は、互いに動作許可信号を入出力し合い、自身に割り当てられた或る順序の実行を完了した後には、相手からの動作許可信号を入力するまで、自身に割り当てられた次の順序を実行せずに待機する。これにより、非溶極式溶接ロボット15に対応する多関節アーム15b及びトーチ13が、溶極式溶接ロボット16に対応する多関節アーム16b及びトーチ14と不所望に接触する事態を防ぐことができる。
送受信器33は、非溶極式用制御器31及び溶極式用制御器32と通信可能に接続されており、2つの制御器31,32間における信号の入出力を制御する。送受信器33は、非溶極式用制御器31から出力された動作許可信号を入力し、これに応じて溶極式用制御器32に動作許可信号を出力する。送受信器33は、溶極式用制御器31から出力された動作許可信号を入力し、これに応じて溶極式用制御器32に動作許可信号を出力する。別の見方をすれば、2つの制御器31,32は、相手から出力された動作許可信号を送受信器33を介して入力する。送受信器33には、例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を好適に適用することができる。
アーク溶接装置1は、オペレータにより手動操作される操作盤34を備え、オペレータは、操作盤34にて溶接開始の指令や溶接途中での緊急停止の指令等を入力することができる。オペレータからの指令は、例えば送受信器33に入力され、送受信器33は指令に応じた動作を非溶極式用制御器31及び溶極式用制御器32に行わせる。
図5は、図4に示すアーク制御装置1により実行されるアーク溶接の手順を示すフローチャートである。詳細図示を省略するが、アーク溶接の実行に先立ち、オペレータが母材100を溶接治具11に取り付け、操作盤34にて溶接開始の指令を入力する。指令が入力されると、図5に示す手順に従って母材100にアーク溶接が自動的に実行されていく。
図5に示すように、まず、非溶極式用制御器31は、溶接開始の指令後に溶極式用制御器32からの動作許可信号を待機する状態となり(S101)、当該信号を入力するまで次順序(すなわち、非溶極式トーチ13のエアーカット及びその後の加熱)の実行を待機する。
一方、溶極式用制御器32は、溶接開始の指令(及び必要に応じて送受信器33から出力される動作許可信号の一例としての第1移動許可信号)に応じて、溶極式トーチ14及び母材100のエアーカットを開始する(S201)。すなわち、溶極式用制御器32は、多関節アーム16bを駆動して溶極式トーチ14を原点位置から溶極待機位置まで移動させる。溶極式用制御器32は、各アクチュエータ21〜23を駆動して溶接治具11及びこれに支持された母材100を原点位置から治具待機位置に移動させる。溶極式トーチ14及び母材100のエアーカットは同時に実施されてもよいし順番に実施されてもよい。
溶極式トーチ14及び母材100のエアーカットを完了すると(S202)、溶極式用制御器32は、非溶極式用制御器31からの動作許可信号を待機する状態となり(S203)、当該信号を入力するまで次順序(すなわち、溶極式アーク溶接)の実行を待機する。
当該エアーカットの完了後又はその直前、溶極式用制御器32は動作許可信号の一例としての第2移動許可信号を出力する。送受信器33は溶極式用制御器32からの第2移動許可信号の入力を受けて、第2移動許可信号を非溶極式用制御器31に出力する。
非溶極式用制御器31は第2移動許可信号を入力すると、非溶極式トーチ13のエアーカットを開始する(S102)。すなわち、非溶極式用制御器31は、溶接開始の指令から停止させ続けていた多関節アーム15bを駆動し、非溶極式トーチ13を原点位置から加熱位置まで移動させる。非溶極式トーチ13が加熱位置まで移動すると、非溶極式トーチ13が母材待機位置に位置した母材100と近接する。
非溶極式トーチ13の加熱位置へのエアーカットを完了すると(S103)、非溶極式アークにより所定期間母材100を加熱する。すなわち、非溶極式用制御器31が、非溶極式トーチ13の電極からアークを発生させ(S104)、所定期間の経過後にアークを停止する(S105)。アークは母材100に予め溶接を行うべきと定められた溶接部上の所定部位で発生し、それにより当該所定部位が加熱されて溶融し、溶融池が当該所定部位に形成される。
アークが停止すると、非溶極式用制御器31は、エアーカットを開始する(S106)。すなわち、非溶極式用制御器31は、多関節アーム15bを駆動して非溶極式トーチ13を加熱位置から溶接退避位置まで移動させる。溶接退避位置は、次の溶極式アーク溶接において母材100、溶接治具11、溶接ロボット12、溶極式トーチ14及び溶極式溶接ロボット16との干渉を避けるためにこれら装置11,12,14,16から十分に離れた位置であればよく、原点位置と異なっていてもよい。
非溶極式トーチ13の溶接退避位置へのエアーカットを完了すると(S107)、非溶極式用制御器31は溶極式用制御器32からの動作許可信号を待機した状態になり(S108)、当該信号を入力するまで次順序(すなわち、非溶極式トーチ13のエアーカット及びその後の加熱、又は、原点位置への帰還)の実行を待機する。
非溶極式用制御器31は、アークによる加熱中又は加熱終了後(すなわち、前記所定期間の経過途中又はその経過後)に動作許可信号の一例としての溶接許可信号を出力する。送受信器33は非溶極式用制御器31からの溶接許可信号の入力を受けて、溶接許可信号を溶極式用制御器32に出力する。
溶極式用制御器32は溶接許可信号を入力すると、溶極式用制御器32は、溶極式トーチ14のエアーカットを開始する(S204)。すなわち、溶極式用制御器32は、第2移動許可信号の出力後に停止させ続けていた多関節アーム16bを駆動し、溶極式トーチ14を溶接待機位置から溶接開始位置まで移動させる。溶極式トーチ14が溶接開始位置まで移動すると、溶極式トーチ14が母材待機位置に位置した母材100と近接し、溶接ワイヤからのアークを前記所定部位に発生させることができる。なお、溶接待機位置は溶接開始位置と一致していてもよく、その場合、ここに説明した溶極式トーチ14のエアーカットを省略可能である。
溶極式トーチ14の溶接開始位置へのエアーカットを完了すると(S205)、溶極式用制御器32は、1パス分の溶極式アーク溶接を開始する(S206)。すなわち、溶極式用制御器32は、溶接ワイヤを送給しながら当該溶接ワイヤからアークを発生させ、前記所定部位内を始点にして溶極式アーク溶接を開始する。この溶極式アーク溶接では、溶極式用制御器32は、多関節アーム16b及び治具ロボット12を駆動し、溶接を行うべき溶接部の延在方向に溶極式トーチ14を母材100に対して相対移動させる。この相対移動は、フレーム2に対する溶極式トーチ14の移動のみによっても実現されるし、フレーム2に対する溶接治具11及びこれに支持された母材100の移動のみによっても実現されるし、これら2種の移動の組合せによっても実現される。
溶極式トーチ14が当該溶接部上に予め定められた終点に達すると、溶極式用制御器32は、前記1パス分の溶極式アーク溶接を終了する(S207)。すなわち、溶極式用制御器32は、溶接ワイヤの送給を停止すると共にアークを停止する。
母材100に未溶接個所が残っていれば(S310:NO)、溶極式制御器32が、多関節アーム16bを駆動して溶極式トーチ14を次に溶接を行うべき溶接部に対応した溶接待機位置への移動を開始すると共に、治具ロボット12を駆動して溶接治具11及びこれに支持された母材100を次に溶接を行うべき溶接部に対応した治具待機位置への移動を開始する(S201)。その後は、前述の手順と同様にして、当該溶接部を対象として非溶極式トーチ13を用いて母材100が加熱され、溶極式トーチ14を用いて母材100に溶極式アーク溶接が行われる。
所要の溶接が全て行われて母材100に未溶接個所が残っていなければ(S310:YES)、非溶極式用制御器31は引き続き待機状態となる一方(S109)、送受信器33が溶極式用制御器32に動作許可信号の一例としての第1帰還許可信号を出力し、溶極式用制御器32が、第1帰還許可信号の入力を受けて溶極式トーチ14及び母材100の原点位置へのエアーカットを開始する(S208)。すなわち、溶極式用制御器32が、多関節アーム16bを駆動して溶極式トーチ14を原点位置まで帰還させると共に、治具ロボット12の各アクチュエータ21〜23を駆動して溶接治具11及びこれに支持された母材100を原点位置まで帰還させる。
溶極式トーチ14及び母材100の原点位置へのエアーカットの完了(S209)の後又はその直前に、溶極式用制御器32は、動作許可信号の一例としての第2帰還許可信号を出力する。送受信器33は溶極式用制御器32からの第2帰還許可信号の入力を受けて、非溶極式用制御器31に第2帰還許可信号を出力する。非溶極式用制御器31は、第2帰還許可信号を入力すると、非溶極式トーチ13の原点位置へのエアーカットを開始する(S110)。すなわち、非溶極式用制御器31は、直前の非溶極式トーチ13の溶接退避位置へのエアーカットの完了後からこれまで待機させ続けていた多関節アーム15bを駆動して、非溶極式トーチ13を溶接退避位置から原点位置へと帰還させる。非溶極式用制御器31は、非溶極式トーチ13が原点位置に到達すると、エアーカットを終了する(S111)。
以上により、アーク溶接装置1を用いた母材100へのアーク溶接が終了する。なお、制御系としてアーク溶接の終了を把握するために、非溶極式トーチ13の原点位置へのエアーカットの完了後、非溶極式用制御器31が帰還完了信号を送受信器33に出力してもよい。また、溶極式用制御器32がエアーカットの完了直前に第2帰還許可信号を出力した場合には、エアーカットの完了後に別途帰還完了信号を送受信器33に出力してもよい。送受信器33が2つの制御器31,32からの帰還完了信号を入力することで、制御系としてアーク溶接の終了を把握し、オペレータにその旨認知させる動作(例えば、開閉扉の開放許可など)を行ってもよい。なお、溶極式トーチ14及び母材100のエアーカットの完了後に溶極式用制御器32が帰還許可信号を出力する場合、当該帰還許可信号を溶極式用制御器32にとっての帰還完了信号として取り扱うことができる。
上記構成のアーク溶接装置1によれば、アーク溶接を行うためのトーチ14がこれに先立って母材100を加熱するためのトーチ13と物理的に分離され、2つのトーチ13,14が、別々の多関節型の溶接ロボット15,16にそれぞれ装着される。このため、溶接部が狭隘空間内に設定されていても、2つのトーチ13,14を両方とも容易に溶接部にアクセスさせることができる。この2つの溶接ロボット15,16は、溶接治具11を平面視で略対角方向に挟むように設置されており、これにより水平方向に極力離れて配置される。このためトーチ13,14の可動域は極力広くなり、トーチ13,14同士が干渉しにくくなる。
また、このように設置すると、非溶極式トーチ13を用いたアークを停止した後に非溶極式トーチ13を加熱位置から溶接退避位置へと退避させる動線が、溶極式トーチ14を溶接待機位置から溶接開始位置に移動させる動線と干渉しにくくなる。すなわち、非溶極式トーチ13の動線は、当該加熱位置から対応する基台15aに近付くように設定されることができ、溶極式トーチ14の動線は、溶接待機位置から対応する基台16aと遠ざかるように設定されることができ、非溶極式溶接ロボット15の基台15aに近付く向きと、溶極式溶接ロボット16の基台16aから遠ざかる向きとは、概ね同じになる。このため、干渉回避のための迂回移動や移動速度抑制を行う必要性が低減する。したがって、2つのトーチ13,14が物理的に分離されていても、非溶極式トーチ13を用いたアークを停止した後に速やかに、母材100が充分に加熱されている状態で、場合により溶融池が残っている状態で、溶極式アーク溶接を開始することができる。よって、溶極式アーク溶接での溶込み不足を抑えながらも、溶極式アーク溶接を開始してから溶極式トーチ14の母材100に対する相対移動を速やかに開始することができ、始点における余盛高さを抑えてビードを溶接部上に置くことができる。
また、前述のとおり、非溶極式用制御器31は、非溶極式トーチ13を用いたアークによる加熱中又は加熱終了時に、動作許可信号の一例としての溶接許可信号を出力し、溶極式用制御器32は当該溶接許可信号の出力に応じて溶極式溶接ロボット16を駆動して溶極式トーチ14を所定部位と近接する溶接開始位置まで移動させ、非溶極式トーチ13の変位と並行して非溶極式用溶接ロボット15を駆動して非溶極式トーチ13を所定部位から退避させるようにしている。
この構成を採用したことにより、非溶極式トーチ13を用いたアークを停止した後に、非溶極式トーチ13の退避を待たずして溶極式トーチ13が溶接部の始点に向かって近付いていく。前述のとおり、2つの動線は干渉しにくいので、特段の回避移動や速度制限を行うことなく、非溶極式トーチ13の移動と溶極式トーチ14の移動とを並行させることができる。このように移動を並行すると、非溶極式トーチ13を用いたアークを停止した後に速やかに溶極式アーク溶接を開始することができるので、溶極式アーク溶接での溶込み不足を抑えるうえで特に有益である。
また、前述のとおり、アーク溶接装置1は、治具ロボット12、非溶極式用ロボット15及び溶極式用ロボット16の3種のロボットを備える一方、その制御系として、非溶極式用ロボット15及び溶極式用ロボット16をそれぞれ制御する非溶極式用制御器31及び溶極式用制御器32を備えている。これら2つの制御器31,32は互いに動作許可信号を入出力し合うように構成されている。治具ロボット12は、溶極式用ロボット16を制御する溶極式用制御器32により制御されるように構成され、溶極式用制御器32は、治具ロボット12を制御する制御器を兼ねている。
このような構成を採用したので、2組のロボット及びトーチが互いに干渉する可能性を極力排除することができる。また、溶極式トーチ14を溶接部に沿って母材100に対して相対変位させるにあたり、母材100を能動的に変位させることができるので、溶接部形状が複雑だったり溶接部が狭隘空間内に設定されたりしても溶極式アーク溶接を容易に行うことができ、溶接適用範囲を広げることができる。治具用ロボット12を制御するため専用の制御器を省略することができ、アーク溶接装置1の制御系のハードウェアを簡素化することができる。ハードウェアの簡素化にあたり、溶極式用制御器32が治具ロボット12の制御器を兼ねている。このようにして制御器を統合すれば、非溶極式用制御器31と溶極式用制御器32とが互いの信号入出力に応じて自身に対応したロボット15,16を駆動するという干渉回避対策を採りながら、溶接治具11を溶極式トーチ14と同時に変位させるのを許容することもできる。このように2組のロボット及びトーチの干渉回避と、溶接適用範囲の拡大と、制御系ハードウェアの簡素化とを同時に達成することができる。
なお、図1に例示したように、溶接部が無端状である場合、母材100をどのような姿勢で溶接治具11に取り付けたとしても部分的に溶接治具11又は傾動体22で部分的に隠れてしまい、上記作用を奏するアーク溶接装置1を用いても当該溶接部について1パスで処理できないことも生じ得る。このとき、一旦、溶接部のうちトーチがアクセス可能な部分について1パス分の処理を行い、その後、母材100を裏返して溶接治具11に固定し直し、当該溶接部の残りの部分について1パス分の処理を行い、全体として連続する1本のビードを無端状の溶接部上に置けばよい。このとき、1回目の処理における溶接始点と、2回目の処理における溶接始点とを重ねると、溶接始点での余盛高さを抑えたビードを置くことができる。
本発明は、溶込み不足を抑えたアーク溶接を行うにあたり、狭隘空間内に設定された溶接部にも溶接トーチが容易にアクセス可能になるとの作用効果を奏し、自動二輪車用フレームの製造などで行われる溶接工程に適用すると有益である。
1 アーク溶接装置
11 溶接治具
12 溶接ロボット
13 非溶極式トーチ
14 溶極式トーチ
15 非溶極式溶接ロボット
16 溶極式溶接ロボット
31 非溶極式用制御器
32 溶極式用制御器
33 送受信器
100 母材

Claims (4)

  1. 母材を支持するための溶接治具と、
    前記母材の溶接時に、溶接を行うべき溶接部上の所定部位で非溶極式アークを発生させて前記母材を加熱する非溶極式トーチと、
    前記母材の溶接時に、前記非溶極式トーチによる加熱後に前記所定部位から前記溶接部の延在方向に沿って溶極式アーク溶接を行う溶極式トーチと、
    前記非溶極式トーチを装着した多関節型の非溶極式溶接ロボットと、
    前記溶極式トーチを装着した多関節型の溶極式溶接ロボットと、を備え、
    前記非溶極式溶接ロボット及び前記溶極式溶接ロボットが、前記溶接治具を平面視で略対角方向に挟むように設置されている、アーク溶接装置。
  2. 前記非溶極式トーチがTIG溶接トーチであり、前記溶極式トーチがMIG溶接トーチである、請求項1に記載のアーク溶接装置。
  3. 前記溶接治具を変位させる治具用ロボットと、
    前記溶極式溶接ロボットを制御する溶極式用制御器と、
    前記非溶極式溶接ロボットを制御する非溶極式用制御器と、を備え、
    前記溶極式用制御器は、前記治具ロボットも制御し、前記非溶極式用制御器との間における動作許可信号の入出力に応じて、前記溶極式溶接ロボット及び前記治具ロボットを駆動して前記溶極式トーチ及び前記溶接治具を変位させる、請求項1又は2に記載のアーク溶接装置。
  4. 前記非溶極式用制御器は、非溶極式アークによる加熱中又は加熱終了時に、前記動作許可信号を出力し、
    前記溶極式用制御器は、当該動作許可信号の出力に応じて前記溶極式溶接ロボットを駆動して前記溶極式トーチを前記所定部位まで移動させ、前記非溶極式用制御器は、前記溶極式トーチの変位と並行して、前記非溶極式溶接ロボットを駆動して前記非溶極式トーチを前記所定部位から退避させる、請求項3に記載のアーク溶接装置。
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