JP2014205731A - ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の改質処理によって密着性を向上したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、および、このPETフィルムを作製する表面改質処理方法を提供する。【解決手段】XPSの化学シフトから得られたC−C結合、C−O−C結合およびO−C=O結合の量が、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合が42以上で、O−C=O結が33以上であるPETフィルム、および、PETフィルムの表面を、温度100〜140℃、処理量15〜45kJ/m2、処理時間0.1〜0.2秒間の条件で、大気圧プラズマ処理することにより、この課題を解決する。【選択図】図1
Description
本発明は、密着性の良好なポリエチレンテレフタレートフィルム、および、このポリエチレンテレフタレートフィルムを作製するための表面処理方法に関する。
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池など、各種の装置に、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタや反射防止フィルム等の光学フィルムなど、各種の機能性フィルム(機能性シート)が利用されている。
このような機能性フィルムは、一例として、プラスチックフィルムを基板として、その上に、目的とする機能を発現する膜(層)を成膜してなる構成を有する。例えば、ガスバリアフィルムであれば、プラスチックフィルムの表面に、ガスバリア性を発現する酸化珪素や窒化珪素からなる無機膜を成膜してなるガスバリアフィルムが知られている。
このような機能性フィルムは、一例として、プラスチックフィルムを基板として、その上に、目的とする機能を発現する膜(層)を成膜してなる構成を有する。例えば、ガスバリアフィルムであれば、プラスチックフィルムの表面に、ガスバリア性を発現する酸化珪素や窒化珪素からなる無機膜を成膜してなるガスバリアフィルムが知られている。
このような機能性フィルムは、例えば、液晶ディスプレイ等のように、長時間加熱される状況で使用されることがある。ところが、機能性フィルムは、長時間加熱されると、目的とする機能を発現する膜が基板から剥がれるおそれがある。
また、フレキシブルディスプレイに使用されるガスバリアフィルム等、機能性フィルムの用途によっては、曲げ延ばしや、巻取りと巻き戻しとを定常的に行われる場合がある。このような外部からの力を繰り返し受けた場合も、同様に、目的とする機能を発現する膜が基板から剥がれるおそれがある。
さらに、機能性フィルムに要求される性能や特性によっては、フッ素系の樹脂のように、基板との密着性が良くない膜を、基板の上に形成する必要がある。
また、フレキシブルディスプレイに使用されるガスバリアフィルム等、機能性フィルムの用途によっては、曲げ延ばしや、巻取りと巻き戻しとを定常的に行われる場合がある。このような外部からの力を繰り返し受けた場合も、同様に、目的とする機能を発現する膜が基板から剥がれるおそれがある。
さらに、機能性フィルムに要求される性能や特性によっては、フッ素系の樹脂のように、基板との密着性が良くない膜を、基板の上に形成する必要がある。
このような機能性フィルムでは、基板(基材/支持体/フィルムベース)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることが多い。
そのため、PETフィルムの表面処理を行って、PETフィルムと、その表面に形成される膜との密着性(以下、単に『PETフィルムの密着性』とも言う)を向上することが行われている。
そのため、PETフィルムの表面処理を行って、PETフィルムと、その表面に形成される膜との密着性(以下、単に『PETフィルムの密着性』とも言う)を向上することが行われている。
例えば、特許文献1には、PETフィルムの表面を大気圧プラズマで処理して、10nm以下の熱接着性改善層を形成するPETフィルムの表面処理(表面改質)において、窒素ガス雰囲気下でのコロナ放電処理もしくは希ガス雰囲気下での大気圧グロープラズマ処理; 窒素ガスあるいは酸素ガスをベースにして水素、アンモニア、メタン、二酸化炭素および酸化窒素の1以上を添加あるいは非添加したガスでの大気圧プラズマ処理; および、X線光電子分光分析(XPS)による結合エネルギ11〜17eVに見られるC−C結合に由来するピークの面積が、改質後/改質前の比で0.8未満になるように条件を調節する大気圧プラズマ処理; のいずれかを行うことが記載されている。
特許文献2には、長尺なPETフィルム(ポリエステル基板)を長手方向に搬送しつつ大気圧プラズマによって表面処理することで、密着性を向上する際に、大気圧プラズマでの処理に先立ち、PETフィルムの表面をガラス転移温度(Tg)を超える温度に加熱することが記載されている。
また、特許文献2には、この大気圧プラズマによる表面処理において、大気圧プラズマによる処理量が3kJ/m2以上で、電力密度が40kV/cm以上であるのが好ましいこと、PETフィルムの加熱時間が0.5〜300秒であるのが好ましいこと、および、PETフィルムの表面温度がTg〜Tg+40℃が好ましいこと、が記載されている。
また、特許文献2には、この大気圧プラズマによる表面処理において、大気圧プラズマによる処理量が3kJ/m2以上で、電力密度が40kV/cm以上であるのが好ましいこと、PETフィルムの加熱時間が0.5〜300秒であるのが好ましいこと、および、PETフィルムの表面温度がTg〜Tg+40℃が好ましいこと、が記載されている。
特許文献1や特許文献2に示されるように、大気圧プラズマによってPETフィルムの表面処理を行うことにより、PETフィルムの表面を改質して、接触角の低下や塗れ性の向上、オリゴマの除去等を図り、PETフィルムの密着性を向上できる。
しかしながら、本発明者の検討によれば、このような従来のPETフィルムの表面処理方法では、好適にPETフィルムの表面改質を行うことができず、十分な密着性が得られない場合も多い。
しかしながら、本発明者の検討によれば、このような従来のPETフィルムの表面処理方法では、好適にPETフィルムの表面改質を行うことができず、十分な密着性が得られない場合も多い。
本発明の目的は、ガスバリアフィルム等の機能性フィルムの基板(基材/支持体/フィルムベース)等に利用されるPETフィルムであって、表面処理によって表面の改質を施された、表面に形成される膜(層)との高い密着性を得ることができるPETフィルム、および、このPETフィルムを安定して作製できるPETフィルムの表面処理方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムは、表面処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムであって、X線光電子分光分析法による化学シフトの測定結果から得られた、ベンゼン環に由来するC−C結合の量と、エステル結合に由来するC−O−C結合およびO−C=O結合の量とが、C−C結合の量を100として規格化した際に、C−O−C結合の量が42以上で、O−C=O結合の量が33以上であることを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルムを提供する。
このような本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムにおいて、表面処理が70〜130nmの深さまで行われているのが好ましい。
また、本発明の表面処理方法は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面処理方法であって、表面改質に供されるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面の温度を100〜140℃にして、15〜45kJ/m2の処理量で、0.1〜0.2秒間、大気圧プラズマによって表面処理を行うことを特徴とする表面処理方法を提供する。
このような本発明の表面処理方法において、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面の温度が140℃以上である時間が2秒以下であるのが好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムを一方向に搬送しつつ、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
また、長尺なポリエチレンテレフタレートフィルムを長手方向に搬送しつつ、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
また、大気圧プラズマによるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面処理の直後の工程で、大気圧プラズマ処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを冷却するのが好ましい。
さらに、窒素ガスを用いて、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムを一方向に搬送しつつ、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
また、長尺なポリエチレンテレフタレートフィルムを長手方向に搬送しつつ、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
また、大気圧プラズマによるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面処理の直後の工程で、大気圧プラズマ処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを冷却するのが好ましい。
さらに、窒素ガスを用いて、大気圧プラズマによる表面処理を行うのが好ましい。
このような本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムは、表面処理によって表面が好適に改質された、その表面に形成/積層される膜(層)との密着性が高いポリエチレンテレフタレートフィルムである。
また、本発明の表面処理方法によれば、このような高い密着性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、安定して作製できる。
また、本発明の表面処理方法によれば、このような高い密着性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、安定して作製できる。
以下、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムおよび表面処理方法について詳細に説明する。
本発明のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも言う)フィルムは、表面処理によって表面の改質を施されて、表面に形成される膜との密着性(以下、単にPETフィルムの密着性とも言う)を向上されたPETフィルムである。
本発明のPETフィルムは、表面処理を施された表面の化学シフト(ケミカルシフト)を、X線光電子分光分析法(XPS)によって測定した際に、この化学シフトの測定結果から得られた、ベンゼン環に由来するC−C結合(以下、単に『C−C結合』とも言う)の量と、エステル結合に由来するC−O−C結合(以下、単に『C−O−C結合』とも言う)およびO−C=O結合(以下、単に『O−C=O結合』とも言う)の量とが、所定の割合を有する。
具体的には、本発明のPETフィルムは、XPSの化学シフトの測定結果から検出した、C−C結合の量と、C−O−C結合およびO−C=O結合の量とが、C−C結合の量を100として規格化した際に、C−O−C結合の量が42以上で、O−C=O結合の量が33以上である構成を有する。
言い換えると、このような本発明のPETフィルムは、表面処理によって、主鎖の切断を防止して、かつ、ベンゼン環を開環されてなる分子構造を有する。
具体的には、本発明のPETフィルムは、XPSの化学シフトの測定結果から検出した、C−C結合の量と、C−O−C結合およびO−C=O結合の量とが、C−C結合の量を100として規格化した際に、C−O−C結合の量が42以上で、O−C=O結合の量が33以上である構成を有する。
言い換えると、このような本発明のPETフィルムは、表面処理によって、主鎖の切断を防止して、かつ、ベンゼン環を開環されてなる分子構造を有する。
なお、本発明において、XPSの化学シフトの測定結果から得られた、C−C結合の量、C−O−C結合の量およびO−C=O結合の量の、C−C結合の量を100とする規格化は、XPSによる測定結果をC−C、C−O−C、O−C=O、および、C=O等の各結合に分離し、そこで得られた各結合のスペクトルの強度を、C−C結合100として規格化することで行う。
表面処理を施されていないPETフィルムは、XPSの化学シフトの測定結果から検出したC−C結合の量と、C−O−C結合およびO−C=O結合の量とを、C−C結合の量を100として規格化すると、XPSの化学シフトから得られたC−O−C結合の量は40程度で、同O−C=O結合の量は33程度である。
すなわち、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上である本発明のPETフィルムは、未処理のPETフィルムに比して、ベンゼン環に対するエステル結合の量が多い。
すなわち、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上である本発明のPETフィルムは、未処理のPETフィルムに比して、ベンゼン環に対するエステル結合の量が多い。
ここで、PETフィルムを表面処理することで、PETフィルムのエステル結合が増加することは、通常は、有り得ない。
従って、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上であるということは、ベンゼン環が減少しいていることを示す。すなわち、本発明のPETフィルムは、表面処理によって、ベンゼン環のC−Cが破断(開裂)して、ある程度の量のベンゼン環が開環している構成を有する。
また、表面処理前に比してベンゼン環に対するエステル結合の量が増加しているということは、エステル結合は、ベンゼン環ほど減少していないことを示す。すなわち、本発明のPETフィルムは、表面処理によって、ある程度の量のベンゼン環は開環しているものの、ベンゼン環の両側のエステル結合の多くは保たれており、従って、多くの主鎖は切断されていない。
従って、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上であるということは、ベンゼン環が減少しいていることを示す。すなわち、本発明のPETフィルムは、表面処理によって、ベンゼン環のC−Cが破断(開裂)して、ある程度の量のベンゼン環が開環している構成を有する。
また、表面処理前に比してベンゼン環に対するエステル結合の量が増加しているということは、エステル結合は、ベンゼン環ほど減少していないことを示す。すなわち、本発明のPETフィルムは、表面処理によって、ある程度の量のベンゼン環は開環しているものの、ベンゼン環の両側のエステル結合の多くは保たれており、従って、多くの主鎖は切断されていない。
本発明のPETフィルムは、このように、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上であること、すなわち、主鎖が切断されていない状態で、ベンゼン環を開環してなる構成を有することにより、高い密着性を有する。
従来の密着性を向上するためのPETフィルムの表面処理では、大気圧プラズマ処理やコロナ放電処理を行うことによって、−OH基や−COOH基などの親水性基等の導入や、オリゴマー除去等の表面改質を施し、これにより、PETフィルムの密着性を向上していると考えられる。
ところが、本発明者の検討によれば、従来の密着性向上のためのPETフィルムの表面処理では、親水性基の導入やオリゴマーの除去は行われるものの、同時にPETの主鎖も切断され、PETが低分子量化された状態になってしまう。
その結果、表面処理によって親水性基の導入やオリゴマの除去等が行われ、これによって接触角の低下や塗れ性の向上が生じて、密着性が向上したように見えても、剥離試験等を行うと、主鎖の切断によって低分子量化されたPETが、易接着層等と共に剥離されてしまい、密着性は十分に向上しない。
その結果、表面処理によって親水性基の導入やオリゴマの除去等が行われ、これによって接触角の低下や塗れ性の向上が生じて、密着性が向上したように見えても、剥離試験等を行うと、主鎖の切断によって低分子量化されたPETが、易接着層等と共に剥離されてしまい、密着性は十分に向上しない。
これに対し、主鎖が切断されていない状態で、ベンゼン環を開環してなる構成を有する本発明のPETフィルムは、開環したベンゼン環の両側のエステル結合の作用によって、高い密着性を発現する。
周知のように、PETは、下記の一般式で示される。
延伸されたPETフィルムは、延伸方向に分子鎖が伸びて、配列されたような状態になる。このようなPETフィルムでは、ベンゼン環が面内配向されて、ベンゼン環が層状に積層されたような状態になる。その結果、ベンゼン環の両側のカルボニル基も、面内配向されたような状態になってしまう。
そのため、分子内に親水性が高いカルボニル基を有しているにも係わらず、このカルボニル基が、殆ど密着性の向上に寄与しない。
そのため、分子内に親水性が高いカルボニル基を有しているにも係わらず、このカルボニル基が、殆ど密着性の向上に寄与しない。
これに対し、本発明のPETフィルムでは、開環したベンゼン環が面方向に捻った状態になれる。そのため、開環したベンゼン環の両側のカルボニル基が、主鎖を回転軸として回転できる。この回転によって、親水性が高いカルボニル基が面内に配向されずに、面外に配向することができる。
その結果、本発明のPETフィルムは、面外に配向した、高い親水性を有するカルボニル基が、十分に密着性に寄与することができ、高い密着性を得ることができる。しかも、主鎖が切断されていないので、前述のようなPETの低分子量化による密着性低下も防止できる。
さらに、PETフィルムの表層の分子構造を変える改質を施されているため、従来の官能基の付与やオリゴマーの除去等による密着性の向上に比して、経時劣化の少ない改質を行うことができる。
その結果、本発明のPETフィルムは、面外に配向した、高い親水性を有するカルボニル基が、十分に密着性に寄与することができ、高い密着性を得ることができる。しかも、主鎖が切断されていないので、前述のようなPETの低分子量化による密着性低下も防止できる。
さらに、PETフィルムの表層の分子構造を変える改質を施されているため、従来の官能基の付与やオリゴマーの除去等による密着性の向上に比して、経時劣化の少ない改質を行うことができる。
本発明のPETフィルムにおいて、XPSの化学シフトの測定によって得られたC−C結合の量を100として規格化した際に、C−O−C結合の量が42以上およびO−C=O結合の量が33以上の、いずれか一方でも満たさない場合は、開環されたベンゼン環の量が不十分であり、高い密着性を得ることができない。また、この場合には、エステル結合の破壊によって主鎖が切断され、低分子量化されたPETも多いと考えられ、前述のPETの低分子量化よる密着性の低下も生じる。
この点を考慮すると、C−C結合の量を100とした際におけるC−O−C結合の量は45以上が好ましく、特に48以上が好ましい。また、C−C結合の量を100とした際におけるO−C=O結合の量は、36以上が好ましく、特に38以上が好ましい。
この点を考慮すると、C−C結合の量を100とした際におけるC−O−C結合の量は45以上が好ましく、特に48以上が好ましい。また、C−C結合の量を100とした際におけるO−C=O結合の量は、36以上が好ましく、特に38以上が好ましい。
C−C結合の量を100とした際のC−O−C結合およびO−C=O結合の量は、多すぎると、酸素の導入による主鎖の切断が生じる等の不都合を生じる可能性が有る。
この点を考慮すると、C−C結合の量を100とした際におけるC−O−C結合の量は55以下が好ましく、特に50以下が好ましい。また、C−C結合の量を100とした際におけるO−C=O結合の量は、45以下が好ましく、特に40以下が好ましい。
この点を考慮すると、C−C結合の量を100とした際におけるC−O−C結合の量は55以下が好ましく、特に50以下が好ましい。また、C−C結合の量を100とした際におけるO−C=O結合の量は、45以下が好ましく、特に40以下が好ましい。
また、本発明において、施される表面処理(表面処理による改質)の深さは、PETフィルムの厚さ、用途や要求される密着性に応じて、適宜、設定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、本発明のPETフィルムは、表面処理が、深さ70〜130nmまで施されているのが好ましい。
表面処理が70〜130nmの深さまで施されていることにより、表面処理の効果が十分に得られ高い密着性を得られる、過剰な表面処理による主鎖の切断を好適に防止できる等の点で好ましい結果が得られる。
また、この点を考慮すると、本発明のPETフィルムは、表面処理が、深さ100〜130nmまで施されているのが好ましい。
表面処理が70〜130nmの深さまで施されていることにより、表面処理の効果が十分に得られ高い密着性を得られる、過剰な表面処理による主鎖の切断を好適に防止できる等の点で好ましい結果が得られる。
また、この点を考慮すると、本発明のPETフィルムは、表面処理が、深さ100〜130nmまで施されているのが好ましい。
周知のように、XPSで分析できるのは表面の5nm程度である。そのため、XPSによってPETフィルムが施された処理の深さを検出するのは、困難である。
ここで、本発明のPETフィルムは、好ましくは、後述する大気圧プラズマ処理によって表面処理を施される。そのため、処理を施された深さは、大気圧プラズマ処理に用いたプラズマガスに応じて、PETには存在し得ない元素が存在する深さを、例えば二次イオン質量分析法(SIMS)等によって検出することで、知見すればよい。
ここで、本発明のPETフィルムは、好ましくは、後述する大気圧プラズマ処理によって表面処理を施される。そのため、処理を施された深さは、大気圧プラズマ処理に用いたプラズマガスに応じて、PETには存在し得ない元素が存在する深さを、例えば二次イオン質量分析法(SIMS)等によって検出することで、知見すればよい。
例えば、処理ガスとして窒素と酸素との混合ガスを用いて大気圧プラズマで処理を行った場合であれば、SIMSによって窒素化合物等の窒素元素の分析を行い、元々、PETには存在しない窒素元素が存在する領域は、表面処理を施された領域と判断して、処理を施された深さを検出すればよい。
このような本発明のPETフィルムは、本発明の表面処理方法で、好適に作製できる。
本発明の表面処理方法は、表面改質に供されるPETフィルムの表面の温度を100〜140℃にして、15〜45kJ/m2の処理量で、0.1〜0.2秒間、大気圧プラズマによってPETフィルムの表面処理を行うものである。
本発明の表面処理方法は、表面改質に供されるPETフィルムの表面の温度を100〜140℃にして、15〜45kJ/m2の処理量で、0.1〜0.2秒間、大気圧プラズマによってPETフィルムの表面処理を行うものである。
すなわち、本発明の表面処理方法は、PETフィルムをTg以上の高温に保ちつつ、高エネルギの大気圧プラズマ処理を、極短時間、行う。これにより、PETの主鎖の切断を防止して、ベンゼン環の開環(ベンゼン環のC−C結合の裂断)を行い、前述の、C−C結合の量を100とした際に、C−O−C結合の量が42以上で、同O−C=O結合の量が33以上である、高い密着性を有する本発明のPETフィルムを安定して作製することを可能にしている。
また、本発明の表面処理方法は、大気圧プラズマを利用するので、例えば、PETフィルムの製造工程において、延伸のみを行ったPETフィルムに対して、表面に何らかのコーティング等を行う際に、コーティングに先立って、オンラインで表面処理を行って、PETフィルムの表面の改質を行うことが可能である。
すなわち、本発明の表面処理方法によれば、大気圧プラズマによって、低コストで、効率良く、効果の高いPETフィルムの表面改質を行って、密着性を向上できる。
また、本発明の表面処理方法は、大気圧プラズマを利用するので、例えば、PETフィルムの製造工程において、延伸のみを行ったPETフィルムに対して、表面に何らかのコーティング等を行う際に、コーティングに先立って、オンラインで表面処理を行って、PETフィルムの表面の改質を行うことが可能である。
すなわち、本発明の表面処理方法によれば、大気圧プラズマによって、低コストで、効率良く、効果の高いPETフィルムの表面改質を行って、密着性を向上できる。
本発明の表面処理方法において、大気圧プラズマ処理を行う際のPETフィルムの表面温度が100℃未満では、十分にベンゼン環を開環することができない、ベンゼン環が開環しても十分にエステル結合が回転できない、ベンゼン環の開環よりも主鎖の切断が多く発生する等の不都合を生じる。
他方、PETフィルムの表面温度が140℃を超えると、PETフィルムが変形してしまう、PETの結晶化が進行してエステル結合の動きを阻害する等の不都合を生じる。
他方、PETフィルムの表面温度が140℃を超えると、PETフィルムが変形してしまう、PETの結晶化が進行してエステル結合の動きを阻害する等の不都合を生じる。
また、以上の点を考慮すると、本発明の表面処理方法において、大気圧プラズマ処理を行う際のPETフィルムの表面の温度は、120〜140℃が好ましく、特に125〜135℃が好ましい。
ここで、大気圧プラズマによる処理が終了しても、PETフィルムが高温の状態であると、結晶化の促進等が生じる可能性が有る。また、PETフィルムが長い時間、高温の状態であると、変形や変質等が生じる可能性も有る。
そのため、本発明の表面処理方法においては、PETフィルムが高温である時間を、できるだけ短くするのが好ましい。
具体的には、本発明の表面処理方法では、PETフィルムの表面が140℃以上である時間が、2秒以下であるのが好ましく、1秒以下であるのがより好ましい。特に、PETフィルムの表面が、ガラス転移温度(Tg)の近傍である77℃以上である時間が、2秒以下であるのが好ましく、1秒以下であるのがより好ましい。
具体的には、本発明の表面処理方法では、PETフィルムの表面が140℃以上である時間が、2秒以下であるのが好ましく、1秒以下であるのがより好ましい。特に、PETフィルムの表面が、ガラス転移温度(Tg)の近傍である77℃以上である時間が、2秒以下であるのが好ましく、1秒以下であるのがより好ましい。
中でも特に、大気圧プラズマによる表面処理を行った後は、迅速に、PETフィルムの温度を下げるのが好ましい。
具体的には、大気圧プラズマによる処理を行った後は、PETフィルムの表面が140℃以上である時間が、0.2秒以下であるのが好ましく、0.1秒以下であるのがより好ましい。また、この大気圧プラズマ処理の後に関しても、PETフィルムの表面の温度が77℃以上である時間が0.2秒以下であり、特に0.1秒以下であるのが、さらに好ましい。
具体的には、大気圧プラズマによる処理を行った後は、PETフィルムの表面が140℃以上である時間が、0.2秒以下であるのが好ましく、0.1秒以下であるのがより好ましい。また、この大気圧プラズマ処理の後に関しても、PETフィルムの表面の温度が77℃以上である時間が0.2秒以下であり、特に0.1秒以下であるのが、さらに好ましい。
これにより、上記不都合の発生を抑制して、前述の本発明のPETフィルムを、より安定して作製することが可能になる。
また、この点を考慮すると、本発明の表面処理方法においては、大気圧プラズマによるPETフィルムの表面処理の後、直後の工程において、PETフィルムの冷却を行うのが好ましい。
本発明の表面処理方法において、大気圧プラズマによるPETフィルムの処理量(処理強度/放電強度)は、15〜45kJ/m2である。
大気圧プラズマによる処理量が15kJ/m2未満では、ベンゼン環の開環を十分に行うことができない等の不都合が生じる。
逆に、大気圧プラズマによる処理量が45kJ/m2を超えると、PETの主鎖が切断されて低分子量化されてしまう等の不都合が生じる。
大気圧プラズマによる処理量が15kJ/m2未満では、ベンゼン環の開環を十分に行うことができない等の不都合が生じる。
逆に、大気圧プラズマによる処理量が45kJ/m2を超えると、PETの主鎖が切断されて低分子量化されてしまう等の不都合が生じる。
また、以上の点を考慮すると、大気圧プラズマによるPETフィルムの処理量は、20〜40kJ/m2が好ましく、特に、25〜35kJ/m2が好ましい。
さらに、本発明の表面処理方法において、大気圧プラズマによるPETフィルムの処理時間は、0.1〜0.2秒である。
大気圧プラズマによる処理時間が0.1秒未満では、ベンゼン環の開環を十分に行うことができない等の不都合が生じる。
逆に、大気圧プラズマによる処理時間が0.2秒を超えると、PETの主鎖が切断されて低分子量化されてしまう等の不都合が生じる。
大気圧プラズマによる処理時間が0.1秒未満では、ベンゼン環の開環を十分に行うことができない等の不都合が生じる。
逆に、大気圧プラズマによる処理時間が0.2秒を超えると、PETの主鎖が切断されて低分子量化されてしまう等の不都合が生じる。
本発明の表面処理方法において、大気圧プラズマ処理に用いるプラズマガス(プロセスガス)は、大気圧プラズマによるPETフィルムの表面処理を可能にする、各種のガスが利用可能である。
具体的には、窒素ガス、ヘリウムガスおよびアルゴンガス等や、これらのガスに、酸素ガス、二酸化炭素ガスおよび水素ガスの1以上を混合した混合ガス等が例示される。
中でも、窒素ガスは、好適に利用される。
具体的には、窒素ガス、ヘリウムガスおよびアルゴンガス等や、これらのガスに、酸素ガス、二酸化炭素ガスおよび水素ガスの1以上を混合した混合ガス等が例示される。
中でも、窒素ガスは、好適に利用される。
また、プラズマガスとして窒素ガスを用いる際には、周辺空気も含めた酸素ガスの混入を防ぎ、酸素ガスの濃度を0.05vol%以下とするのが好ましい。
これにより、好適に、PETの主鎖の切断を防止しつつ、ベンゼン環の開環を行うことができ、前述の本発明のPETフィルムを、より安定して製造できる。
これにより、好適に、PETの主鎖の切断を防止しつつ、ベンゼン環の開環を行うことができ、前述の本発明のPETフィルムを、より安定して製造できる。
本発明の表面処理方法は、表面処理に供されるPETフィルムを、処理位置に配置して、大気圧プラズマでの処理を終了した後に、PETフィルムを処理位置から排出する、いわゆるバッチ式で行ってもよい。
しかしながら、本発明の表面処理方法は、表面処理を行うPETフィルムを搬送しつつ行うのが好ましい。中でも、長尺な基板を巻回してなる基板ロールから基板を送り出し、長手方向に搬送しつつ処理を行い、処理済の基板をロール状に巻回する、いわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll 以下、RtoRとも言う)は、好適に利用される。
しかしながら、本発明の表面処理方法は、表面処理を行うPETフィルムを搬送しつつ行うのが好ましい。中でも、長尺な基板を巻回してなる基板ロールから基板を送り出し、長手方向に搬送しつつ処理を行い、処理済の基板をロール状に巻回する、いわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll 以下、RtoRとも言う)は、好適に利用される。
図1に、本発明の表面処理方法を実施する表面処理装置の一例を概念的に示す。
図1に示す表面処理装置10は、前述のRtoRによってPETフィルムPの表面処理を行って、PETフィルムPの表面改質による密着性の向上を図る装置である。
具体的には、表面処理装置10は、長尺なPETフィルムPを巻回してなる基板ロール12からPETフィルムPを送り出し、PETフィルムPを長手方向に搬送しつつ、本発明の表面処理方法によってPETフィルムPの表面処理を行い、処理済のPETフィルムPを巻回して処理済基板ロール18とする装置である。
図1に示す表面処理装置10は、前述のRtoRによってPETフィルムPの表面処理を行って、PETフィルムPの表面改質による密着性の向上を図る装置である。
具体的には、表面処理装置10は、長尺なPETフィルムPを巻回してなる基板ロール12からPETフィルムPを送り出し、PETフィルムPを長手方向に搬送しつつ、本発明の表面処理方法によってPETフィルムPの表面処理を行い、処理済のPETフィルムPを巻回して処理済基板ロール18とする装置である。
このような表面処理装置10は、電極ローラ14と、冷却ローラ16と、対向電極20と、ガス供給手段24と、ガイドローラ28および30と、回転軸34および36とを有して構成される。これらの部材は、いずれも大気圧プラズマによって表面処理や成膜等の処理を行う大気圧プラズマ装置に設けられる、公知のものである。
また、表面処理装置10は、図示した部材以外にも、搬送ローラやガイド部材、各種のセンサなど、公知の大気圧プラズマ装置に設けられる各種の部材を有してもよい。
また、表面処理装置10は、図示した部材以外にも、搬送ローラやガイド部材、各種のセンサなど、公知の大気圧プラズマ装置に設けられる各種の部材を有してもよい。
回転軸34は、長尺なPETフィルムPを巻回してなる基板ロール12を軸支して、回転することで、基板ロール12からPETフィルムPを送り出すものである。他方、回転軸36は、処理済のPETフィルムPを巻回する処理済基板ロール18を軸支して、回転することで、処理済のPETフィルムを処理済基板ロール18に巻き取るものである。
また、ガイドローラ28および30は、長尺なPETフィルムPを所定の搬送経路に案内する、RtoRを利用する装置に用いられる通常のガイドローラである。
また、ガイドローラ28および30は、長尺なPETフィルムPを所定の搬送経路に案内する、RtoRを利用する装置に用いられる通常のガイドローラである。
電極ローラ14は、所定の領域にPETフィルムPを巻き掛け、PETフィルムPを所定位置に支持しつつ長手方向に搬送する。この電極ローラは、加熱手段を内蔵している。なお、加熱手段は、公知の手段が、各種、利用可能である。
対向電極20は、公知の大気圧プラズマ装置に用いられる電極である。表面処理装置10においては、電極ローラ14と対向電極20とで、大気圧プラズマ処理を行うための電極対を構成する。従って、対向電極20と電極ローラ14とには、高周波電源等の図示しないプラズマ励起電力の供給電源が接続される。
ガス供給手段24も、電極ローラ14と対向電極20との間にプラズマガス(プロセスガス)を供給する、通常のガス供給手段である。なお、本発明の表面処理方法を実施する装置は、対向電極20およびガス供給手段24に変えて、電極ローラ14との対向面にプラズマガスの供給孔を多数有する、いわゆるシャワー電極を用いてもよい。
対向電極20は、公知の大気圧プラズマ装置に用いられる電極である。表面処理装置10においては、電極ローラ14と対向電極20とで、大気圧プラズマ処理を行うための電極対を構成する。従って、対向電極20と電極ローラ14とには、高周波電源等の図示しないプラズマ励起電力の供給電源が接続される。
ガス供給手段24も、電極ローラ14と対向電極20との間にプラズマガス(プロセスガス)を供給する、通常のガス供給手段である。なお、本発明の表面処理方法を実施する装置は、対向電極20およびガス供給手段24に変えて、電極ローラ14との対向面にプラズマガスの供給孔を多数有する、いわゆるシャワー電極を用いてもよい。
冷却ローラ16は、所定の領域にPETフィルムPを巻き掛け、PETフィルムPをガイドしつつ長手方向に搬送する。この冷却ローラ16は、冷却手段を内蔵しており、電極ローラ14等による大気圧プラズマで処理されたPETフィルムPを冷却する。なお、冷却手段も、公知の手段が利用可能である。
また、大気圧プラズマで処理されたPETフィルムPの冷却は、冷却ローラ16以外にも、冷却風による方法、冷却された雰囲気中を通過させる方法等、公知の方法が利用可能である。
また、大気圧プラズマで処理されたPETフィルムPの冷却は、冷却ローラ16以外にも、冷却風による方法、冷却された雰囲気中を通過させる方法等、公知の方法が利用可能である。
表面処理装置10において、基板ロール12が回転軸34に装填されると、回転軸34が回転して基板ロール12からPETフィルムPが送り出され、ガイドローラ28、電極ローラ14、冷却ローラ16およびガイドローラ30に巻き掛けられ、回転軸36(処理済基板ロール18)に至る、所定の搬送経路を挿通(通紙)される。
PETフィルムPが、所定の搬送経路を挿通されると、回転軸34および36が同期して回転することで、PETフィルムPが、所定の速度で長手方向に搬送される。
次いで、ガス供給手段24からプラズマガスの供給が開始される。さらに、プラズマガスの供給量が安定したら、高周波電源が駆動して、電極ローラ14および対向電極20にプラズマ励起電力が供給され、大気圧プラズマによるPETフィルムPの表面処理が開始される。
次いで、ガス供給手段24からプラズマガスの供給が開始される。さらに、プラズマガスの供給量が安定したら、高周波電源が駆動して、電極ローラ14および対向電極20にプラズマ励起電力が供給され、大気圧プラズマによるPETフィルムPの表面処理が開始される。
基板ロール12から送り出されたPETフィルムPは、ガイドローラ28によって案内されて、電極ローラ14に至る。PETフィルムPは、電極ローラ14によって長手方向に搬送されつつ、大気圧プラズマによる処理位置において、電極ローラ14と対向電極20とに供給されるプラズマ励起電力、および、ガス供給手段24が供給するプラズマガスによって生成される大気圧プラズマによって、表面処理(表面改質)を施される。
なお、図示例の表面処理装置10において、大気圧プラズマによる処理位置とは、電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域である。
なお、図示例の表面処理装置10において、大気圧プラズマによる処理位置とは、電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域である。
ここで、前述のように、本発明の表面処理方法では、PETフィルムPの表面温度を100〜140℃にして、15〜45kJ/m2の処理量で、0.1〜0.2秒間、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行う。
従って、電極ローラ14は、大気圧プラズマによるPETフィルムPの処理位置、すなわち、電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域に至り、抜けるまでの間、表面温度が100〜140℃となるようにPETフィルムPの加熱を行う。
また、PETフィルムPの搬送速度は、PETフィルムPが電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域に存在する時間が0.1〜0.2秒間となるように、設定される。
さらに、高周波電源は、プラズマ処理量が15〜45kJ/m2となるように、電極ローラ14および対向電極20にプラズマ励起電力を供給する。
従って、電極ローラ14は、大気圧プラズマによるPETフィルムPの処理位置、すなわち、電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域に至り、抜けるまでの間、表面温度が100〜140℃となるようにPETフィルムPの加熱を行う。
また、PETフィルムPの搬送速度は、PETフィルムPが電極ローラ14と対向電極20とが対面する領域に存在する時間が0.1〜0.2秒間となるように、設定される。
さらに、高周波電源は、プラズマ処理量が15〜45kJ/m2となるように、電極ローラ14および対向電極20にプラズマ励起電力を供給する。
電極ローラ14と対向電極20との間で大気圧プラズマによって表面処理されて、表面を改質されたPETフィルムPは、電極ローラ14の直下流に配置される冷却ローラ16によって冷却される。冷却されたPETフィルムPは、次いで、ガイドローラ30に案内されて、処理済基板ロール18に巻回される。
以上の説明より明らかなように、本発明の表面処理方法を、このようなRtoR(PETフィルムを搬送しつつの処理)を利用して行うことにより、大気圧プラズマによる処理を施した後、PETフィルムPを加熱状態にある処理位置から迅速に排出できる。しかも、RtoRによれば、処理位置の直下流に、冷却ローラ16等の冷却手段を配置できるので、大気圧プラズマ処理の直後の工程で、迅速に、PETフィルムPの冷却を行うことができる。
また、RtoRによれば、PETフィルムPの搬送速度の調節によって、PETフィルムPの加熱時間(高温状態である時間)、大気圧プラズマ処理の処理時間、大気圧プラズマ処理の終了から冷却に供されるまでの時間等も、制御できる。
すなわち、本発明の表面処理方法にRtoRを利用することにより、PETフィルムPの加熱や冷却、大気圧プラズマでの処理時間など、大気圧プラズマによるPETフィルムPの表面処理の制御性を大幅に向上できる。加えて、RtoRを利用することで、生産性や生産効率も向上できる。
また、RtoRによれば、PETフィルムPの搬送速度の調節によって、PETフィルムPの加熱時間(高温状態である時間)、大気圧プラズマ処理の処理時間、大気圧プラズマ処理の終了から冷却に供されるまでの時間等も、制御できる。
すなわち、本発明の表面処理方法にRtoRを利用することにより、PETフィルムPの加熱や冷却、大気圧プラズマでの処理時間など、大気圧プラズマによるPETフィルムPの表面処理の制御性を大幅に向上できる。加えて、RtoRを利用することで、生産性や生産効率も向上できる。
以上、本発明のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムおよび表面処理方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示すような表面処理装置10を用いて、PETフィルムPに大気圧プラズマによる表面処理を施した。
PETフィルムPは、幅250mm、厚さ125μmのものを用いた(富士フイルム社製)。
プラズマガスは、窒素ガスを用いた。
プラズマ励起電力の電源は、周波数200kHzの出力可変の高周波電源を用いた。大気圧プラズマの処理量は、30kJ/m2とした。
電極ドラム14は、処理領域(電極ドラム14と対向電極20とが対面する領域)におけるPETフィルムPの表面温度が120℃となるように、加熱を調節した。
さらに、大気圧プラズマの処理時間が0.2秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した。
図1に示すような表面処理装置10を用いて、PETフィルムPに大気圧プラズマによる表面処理を施した。
PETフィルムPは、幅250mm、厚さ125μmのものを用いた(富士フイルム社製)。
プラズマガスは、窒素ガスを用いた。
プラズマ励起電力の電源は、周波数200kHzの出力可変の高周波電源を用いた。大気圧プラズマの処理量は、30kJ/m2とした。
電極ドラム14は、処理領域(電極ドラム14と対向電極20とが対面する領域)におけるPETフィルムPの表面温度が120℃となるように、加熱を調節した。
さらに、大気圧プラズマの処理時間が0.2秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した。
[実施例2]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例2]
大気圧プラズマの処理量を、20kJ/m2とした以外(実施例2);
大気圧プラズマの処理量を、40kJ/m2とした以外(実施例3);
大気圧プラズマの処理量を、15kJ/m2とした以外(実施例4);
大気圧プラズマの処理量を、45kJ/m2とした以外(実施例5);
大気圧プラズマの処理量を、10kJ/m2とした以外(比較例1);
大気圧プラズマの処理量を、50kJ/m2とした以外(比較例2);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
大気圧プラズマの処理量を、20kJ/m2とした以外(実施例2);
大気圧プラズマの処理量を、40kJ/m2とした以外(実施例3);
大気圧プラズマの処理量を、15kJ/m2とした以外(実施例4);
大気圧プラズマの処理量を、45kJ/m2とした以外(実施例5);
大気圧プラズマの処理量を、10kJ/m2とした以外(比較例1);
大気圧プラズマの処理量を、50kJ/m2とした以外(比較例2);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
[実施例6]〜[実施例7]および[比較例3]〜[比較例5]
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、140℃とした以外(実施例6);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、100℃とした以外(実施例7);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、40℃とした以外(比較例3);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、80℃とした以外(比較例4);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、150℃とした以外(比較例5);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、140℃とした以外(実施例6);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、100℃とした以外(実施例7);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、40℃とした以外(比較例3);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、80℃とした以外(比較例4);
処理領域におけるPETフィルムPの温度を、150℃とした以外(比較例5);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
[実施例8]および[比較例6]〜[比較例7]
大気圧プラズマの処理時間が0.1秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(実施例8);
大気圧プラズマの処理時間が0.07秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(比較例6);
大気圧プラズマの処理時間が0.4秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(比較例7);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
大気圧プラズマの処理時間が0.1秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(実施例8);
大気圧プラズマの処理時間が0.07秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(比較例6);
大気圧プラズマの処理時間が0.4秒になるように、PETフィルムPの搬送速度を設定した以外(比較例7);は、実施例1と同様にして、大気圧プラズマによってPETフィルムPの表面処理を行った。
[表面組成]
大気圧プラズマによる表面処理を行った各PETフィルムPについて、XPSによって表面の化学シフトを測定し、その測定結果から、C−C結合の量、C−O−C結合の量およびO−C=O結合の量を算出した。
C−C結合の量を100として規格化した際における、C−O−C結合の量およびO−C=O結合の量を、下記表1に示す。また、未処理のPETフィルムPについて、同様の測定を行った結果を表1に併記する。
大気圧プラズマによる表面処理を行った各PETフィルムPについて、XPSによって表面の化学シフトを測定し、その測定結果から、C−C結合の量、C−O−C結合の量およびO−C=O結合の量を算出した。
C−C結合の量を100として規格化した際における、C−O−C結合の量およびO−C=O結合の量を、下記表1に示す。また、未処理のPETフィルムPについて、同様の測定を行った結果を表1に併記する。
[表面処理の深さ]
大気圧プラズマによる表面処理を行った各PETフィルムPについて、SIMSを用いて窒素元素の検出を行い、窒素元素が存在する領域の深さから、大気圧プラズマによる表面処理の深さを検出した。
表面処理の深さを、下記表1に併記する。
大気圧プラズマによる表面処理を行った各PETフィルムPについて、SIMSを用いて窒素元素の検出を行い、窒素元素が存在する領域の深さから、大気圧プラズマによる表面処理の深さを検出した。
表面処理の深さを、下記表1に併記する。
なお、大気圧プラズマによる処理を150℃で行った比較例5は、PETフィルムPが熱負けしてしまって、上記表面組成および表面処理深さの測定、ならびに、後述する密着性の評価を行うことが出来なかった。
[密着性の評価]
<易接着層の形成>
蒸留水を95質量%、ポリエステル樹脂を4質量%、および、架橋剤(日本触媒社製 エラストロン H−3)を1質量%、含有する塗料を調製した。
各PETフィルムPにおいて、大気圧プラズマによる表面処理を行った表面に、塗布バーによって調製した塗料を塗布し、180℃で乾燥して、膜厚0.4μmの易接着層を形成した。
<易接着層の形成>
蒸留水を95質量%、ポリエステル樹脂を4質量%、および、架橋剤(日本触媒社製 エラストロン H−3)を1質量%、含有する塗料を調製した。
各PETフィルムPにおいて、大気圧プラズマによる表面処理を行った表面に、塗布バーによって調製した塗料を塗布し、180℃で乾燥して、膜厚0.4μmの易接着層を形成した。
<ハードコート層の形成>
光硬化性樹脂(日本化薬社製 DPCA20)を50質量%、メチルエチルケトンを49質量%、および、光重合開始剤(チバガイギー社製 イルガキュア)を1質量%、含有する塗料を調製した。
各PETフィルムPにおいて、先に形成した易接着層の表面に、塗布バーによって調製した塗料を塗布し、80℃で乾燥した。その後、200mJ/cm2で紫外線を照射して膜厚5μmのハードコート層を形成した。
光硬化性樹脂(日本化薬社製 DPCA20)を50質量%、メチルエチルケトンを49質量%、および、光重合開始剤(チバガイギー社製 イルガキュア)を1質量%、含有する塗料を調製した。
各PETフィルムPにおいて、先に形成した易接着層の表面に、塗布バーによって調製した塗料を塗布し、80℃で乾燥した。その後、200mJ/cm2で紫外線を照射して膜厚5μmのハードコート層を形成した。
<剥離試験>
各PETフィルムPのハードコート層の表面に、両面粘着テープ(日東電工社製 No.502)の片面を貼り付けて、50mm×300mmにカットし、両面粘着テープを剥離して、基板Zと易接着層との密着性を測定した。
両面粘着テープの剥離には、インストロン型引張試験機を使用し、引張速度300mm/min、剥離角度180°で剥離を行なった。
剥離が全く無い物をA;
剥離が有り、かつ、剥離した部分の面積が20%以下の物をB:
剥離した部分の面積が20%を超える物をC: と評価した。
結果を下記表に併記する。
各PETフィルムPのハードコート層の表面に、両面粘着テープ(日東電工社製 No.502)の片面を貼り付けて、50mm×300mmにカットし、両面粘着テープを剥離して、基板Zと易接着層との密着性を測定した。
両面粘着テープの剥離には、インストロン型引張試験機を使用し、引張速度300mm/min、剥離角度180°で剥離を行なった。
剥離が全く無い物をA;
剥離が有り、かつ、剥離した部分の面積が20%以下の物をB:
剥離した部分の面積が20%を超える物をC: と評価した。
結果を下記表に併記する。
表1に示されるように、本発明の表面処理を施した実施例1〜8によれば、いずれも、C−C結合の量を100として規格化した際に、C−O−C結合の量が42以上およびO−C=O結合の量が33以上である本発明のPETフィルムが得られている。
また、このような本発明のPETフィルムは、いずれも、良好な密着性を有している。特に、好ましい処理条件で大気圧プラズマ処理を行った実施例1〜3および実施例6のPETフィルムPは、C−O−C結合およびO−C=O結合の量が好ましい範囲に入っており、ハードコート層の剥離が全く認められない、高い密着性を有している。
これに対し、大気圧プラズマによる処理量が少ない比較例1、大気圧プラズマによる処理量が多すぎる比較例2、大気圧プラズマ処理の際のPETフィルムPの温度が低すぎる比較例3および4、さらに、大気圧プラズマによる処理時間が短すぎる比較例6、ならびに、大気圧プラズマによる処理時間が長すぎる比較例7は、いずれも、処理済のPETフィルムのC−O−C結合の量およびO−C=O結合の量が少なく、すなわち、本発明のPETフィルムが作製できなかった。また、これらのPETフィルムは、大気圧プラズマによる処理を施したものであるが、高い密着性は得られていない。
なお、大気圧プラズマ処理の際のPETフィルムPの温度が高すぎる比較例5は、PETフィルムが熱負けしてしまって、それ以降の処理が出来なかったのは、前述のとおりである。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
また、このような本発明のPETフィルムは、いずれも、良好な密着性を有している。特に、好ましい処理条件で大気圧プラズマ処理を行った実施例1〜3および実施例6のPETフィルムPは、C−O−C結合およびO−C=O結合の量が好ましい範囲に入っており、ハードコート層の剥離が全く認められない、高い密着性を有している。
これに対し、大気圧プラズマによる処理量が少ない比較例1、大気圧プラズマによる処理量が多すぎる比較例2、大気圧プラズマ処理の際のPETフィルムPの温度が低すぎる比較例3および4、さらに、大気圧プラズマによる処理時間が短すぎる比較例6、ならびに、大気圧プラズマによる処理時間が長すぎる比較例7は、いずれも、処理済のPETフィルムのC−O−C結合の量およびO−C=O結合の量が少なく、すなわち、本発明のPETフィルムが作製できなかった。また、これらのPETフィルムは、大気圧プラズマによる処理を施したものであるが、高い密着性は得られていない。
なお、大気圧プラズマ処理の際のPETフィルムPの温度が高すぎる比較例5は、PETフィルムが熱負けしてしまって、それ以降の処理が出来なかったのは、前述のとおりである。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
PETを支持体(ベースフィルム)とする各種の機能性フィルムの製造に、好適に利用可能である。
10 表面処理装置
12 基板ロール
14 電極ローラ
16 冷却ローラ
18 処理済基板ロール
20 対向電極
24 ガス供給手段
28,30 ガイドローラ
34,36 回転軸
12 基板ロール
14 電極ローラ
16 冷却ローラ
18 処理済基板ロール
20 対向電極
24 ガス供給手段
28,30 ガイドローラ
34,36 回転軸
Claims (8)
- 表面処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムであって、
X線光電子分光分析法による化学シフトの測定結果から得られた、ベンゼン環に由来するC−C結合の量と、エステル結合に由来するC−O−C結合およびO−C=O結合の量とが、前記C−C結合の量を100として規格化した際に、前記C−O−C結合の量が42以上で、前記O−C=O結合の量が33以上であることを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルム。 - 前記表面処理が70〜130nmの深さまで行われている請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
- ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面処理方法であって、
表面改質に供されるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面の温度を100〜140℃にして、15〜45kJ/m2の処理量で、0.1〜0.2秒間、大気圧プラズマによって表面処理を行うことを特徴とする表面処理方法。 - 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面の温度が140℃以上である時間が2秒以下である請求項3に記載の表面処理方法。
- 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを一方向に搬送しつつ、前記大気圧プラズマによる表面処理を行う請求項3または4に記載の表面処理方法。
- 長尺な前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを長手方向に搬送しつつ、前記大気圧プラズマによる表面処理を行う請求項5に記載の表面処理方法。
- 前記大気圧プラズマによるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面処理の直後の工程で、前記大気圧プラズマ処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを冷却する請求項3〜6のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 窒素ガスを用いて、前記大気圧プラズマによる表面処理を行う請求項3〜7のいずれか1項に記載の表面処理方法。
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JP2016056363A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 国立大学法人大阪大学 | 表面改質成型体の製造方法、及び該表面改質成型体を用いた複合体の製造方法 |
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-
2013
- 2013-04-10 JP JP2013082237A patent/JP2014205731A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016056363A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 国立大学法人大阪大学 | 表面改質成型体の製造方法、及び該表面改質成型体を用いた複合体の製造方法 |
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