JP7097717B2 - フレキシブル基板形成用支持基板およびその再生方法、ならびにフレキシブル基板の製造方法 - Google Patents
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Description
(密着力)
基板上に形成されたポリイミドフィルムに、幅10mm、長さ120mmの切り込みを入れ、切り込みの端部を基板から剥離した。50Nの容量を持つロードセルを用い、剥離角度180°、引張速度100mm/分の条件で、ピール試験(ピール長さ:100mm)を行い、試験開始から20mmと試験終了前20mmを除去した60mmの領域における剥離強度の平均値を、ポリイミドフィルムと基板との密着力とした。
紫外線光電子分光測定装置(理研計器製「AC-2」)を用いて、照射光エネルギー3.0~6.0eVの領域で測定を行い、光電子放出しきい値(仕事関数)をイオン化ポテンシャルとした。
フーリエ変換型赤外分光光度計(島津製作所製「IRAffinity-1」)に全反射測定アタッチメント(島津製作所製「ATR-8000」)を取り付け、600~3000cm-1の波数領域で非晶質シリコン薄膜の赤外吸収スペクトルを測定した。得られたスペクトルを、波数840cm-1の透過率を1として規格化し、1000~1100cm-1の波数領域で規格化した透過率が0.8未満の吸収ピークの有無を確認した。吸収ピークが確認されなかったものを酸素なし、規格化した透過率が0.8未満の吸収ピークが確認されたものを酸素ありとした。
攪拌翼を備える反応容器内に、モレキュラーシーブにより脱水したN,N-ジメチルアセトアミド567重量部を入れ、窒素雰囲気下で、パラフェニレンジアミン(PDA)27.1重量部を投入して15分間攪拌した。溶液を25℃に保ち、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)36.7重量部を加え、10分間攪拌して完全に溶解させた後、BPDA36.2重量部を加えて2時間撹拌し、固形分濃度15重量%のポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を得た。ポリアミド酸の重量平均分子量は72,000であった。
(非晶質シリコン薄膜の形成)
無アルカリガラス基板(日本電気硝子製「OA-10G」、厚み0.7mm)上に、プラズマCVDにより、厚み100nmの非晶質シリコン薄膜を製膜した。製膜条件は、基板温度:150℃、投入ガス:SiH4、圧力:120Pa、パワー密度11mW/cm2であった。この非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャルは4.33eVであった。
非晶質シリコン薄膜が形成されたガラス基板をCVD装置に投入し、基板温度:150℃、投入ガス:H2、圧力:50Pa、パワー密度:70mW/cm2の条件で60秒間プラズマ放電を実施し、非晶質シリコン薄膜の表面に水素プラズマ処理を実施した。水素プラズマ処理後の非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャルは4.49eVであった。
水素プラズマ処理後の非晶質シリコン薄膜上に、ポリイミド前駆体溶液を乾燥厚みが20μmとなるようにバーコーターにより流延塗布し、熱風オーブン内で125℃にて1時間乾燥し、次いで150℃にて30分間乾燥した。その後、5℃/分で450℃まで昇温し、450℃到達後さらに10分間加熱して熱イミド化を行った。
上記により、無アルカリガラス上に非晶質シリコン薄膜が設けられ、その上に厚み20μmのポリイミドフィルムが密着積層されたポリイミドフィルム付き基板を得た。ポリイミドフィルムと基板との密着力は0.07N/10mmであった。ポリイミドフィルムの端部を手で掴んで基板から剥離を行ったところ、非晶質シリコン薄膜とポリイミドフィルムとの界面で容易に剥離することができた。ポリイミドフィルムを剥離後の非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャルは4.29eVに低下していた。
(基板のリサイクル)
実施例1のポリイミドフィルムを剥離後の基板をCVD装置に投入し、上記と同一の条件で非晶質シリコン薄膜の表面に水素プラズマ処理を実施した。水素プラズマ処理後の非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャルは4.45eVに上昇していた。
水素プラズマ処理後の非晶質シリコン薄膜上に、実施例1と同一の条件でポリイミド前駆体溶液を塗布し、熱イミド化を行ってポリイミドフィルムを形成した。ポリイミドフィルムと基板との密着力は0.09N/10mmであり、非晶質シリコン薄膜とポリイミドフィルムとの界面で容易に剥離することができた。
実施例1と同様に、カラス基板上への非晶質シリコン薄膜の形成、水素プラズマ処理、ポリイミドフィルムの作製およびポリイミドフィルムの剥離を行った。その後、水素プラズマ処理を行わずに、非晶質シリコン薄膜上へのポリイミド前駆体溶液の塗布および熱イミド化を行った。ポリイミドフィルムと基板との密着力は0.42N/10mmであった。ポリイミドフィルムの端部を手で掴んで基板から剥離を行ったところ、剥離のために強い力を要した。
非晶質シリコン薄膜製膜時の投入ガスをSiH4とH2の混合ガス(SiH4/H2=3/10)に変更し、圧力を120Paに変更した。それ以外は実施例1と同様の条件で、カラス基板上に非晶質シリコン薄膜を形成した。この非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャルは4.31eVであった。
非晶質シリコン薄膜を形成せずに、無アルカリガラス基板上にイミド前駆体溶液を塗布し、熱イミド化を行ってポリイミドフィルムを形成した。ポリイミドフィルムとガラス基板との密着力は0.31N/10mmであった。
水素プラズマ処理の圧力およびパワー密度を表1に示すように変更した。実施例7では添加ガスとして水素に対して2000ppmの濃度のPH3ガスを導入した。実施例8では添加ガスとして水素に対して2000ppmの濃度のB2H6ガスを導入した。これらの変更以外は、実施例1と同様に、カラス基板上への非晶質シリコン薄膜の形成、水素プラズマ処理、ポリイミドフィルムの作製およびポリイミドフィルムの剥離を行った。水素プラズマ処理後ポリイミドフィルム製膜前の非晶質シリコン薄膜のイオン化ポテンシャル、およびポリイミドフィルムと基板との密着力は表1に示す通りであった。
10 硬質基板
15 非晶質シリコン薄膜
2 フレキシブル素子基板
20 樹脂フィルム
30 電子素子
Claims (10)
- 硬質基板の表面に非晶質シリコン薄膜が設けられた支持基板を準備する工程;
前記支持基板の前記非晶質シリコン薄膜上に、樹脂フィルムを形成する工程;および
前記樹脂フィルムを前記非晶質シリコン薄膜との界面で前記支持基板から剥離する工程を有し、
前記樹脂フィルムを形成する前の非晶質シリコン薄膜は、表面が非酸化状態である、フレキシブル基板の製造方法。 - 硬質基板の表面に非晶質シリコン薄膜が設けられた支持基板を準備する工程;
前記支持基板の前記非晶質シリコン薄膜上に、樹脂フィルムを形成する工程;および
前記樹脂フィルムを前記非晶質シリコン薄膜との界面で前記支持基板から剥離する工程を有し、
前記樹脂フィルムを形成する前の非晶質シリコン薄膜は、表面のイオン化ポテンシャルが4.4eV以上である、フレキシブル基板の製造方法。 - 硬質基板の表面に非晶質シリコン薄膜が設けられた支持基板を準備する工程;
前記支持基板の前記非晶質シリコン薄膜上に、樹脂フィルムを形成する工程;および
前記樹脂フィルムを前記非晶質シリコン薄膜との界面で前記支持基板から剥離する工程を有し、
前記樹脂フィルムを形成する前に、前記非晶質シリコン薄膜の表面に水素プラズマ処理が施される、フレキシブル基板の製造方法。 - 前記支持基板上に前記樹脂フィルムを形成後、前記樹脂フィルムを前記支持基板から剥離する前に、前記樹脂フィルム上に電子素子が形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
- 前記樹脂フィルムと前記支持基板との密着力が、0.03~0.25N/10mmである、請求項1~4のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
- 前記樹脂フィルムがポリイミドフィルムである、請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
- 前記樹脂フィルムを前記非晶質シリコン薄膜との界面で前記支持基板から剥離後に、さらに、前記支持基板の表面の前記非晶質シリコン薄膜の表面に水素プラズマ処理が施され、
前記水素プラズマ処理後の前記非晶質シリコン薄膜上に、樹脂フィルムを形成した後、前記樹脂フィルムを前記非晶質シリコン薄膜との界面で前記支持基板から剥離する、請求項1~6のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。 - 前記水素プラズマ処理後の前記非晶質シリコン薄膜は、表面が非酸化状態である、請求項7に記載のフレキシブル基板の製造方法。
- 前記水素プラズマ処理後の前記非晶質シリコン薄膜は、表面のイオン化ポテンシャルが4.4eV以上である、請求項7または8に記載のフレキシブル基板の製造方法。
- 硬質基板の表面に非晶質シリコン薄膜を備える支持基板の前記非晶質シリコン薄膜の表面に水素プラズマ処理が施される、フレキシブル基板形成用支持基板の再生方法。
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