本発明の携帯型情報端末に係る実施形態は、メールの送受信機能を有する携帯型情報端末であって、複数の共同利用者の各々の氏名に関する氏名情報及び該氏名情報に対応付けられた前記各々を識別するための識別情報を含んでなる利用者登録情報を記憶する記憶手段と、前記識別情報を入力可能な入力手段と、前記氏名情報を含む前記メールが受信された場合に受信時入力要求として前記識別情報の入力を要求する要求手段と、前記記憶された利用者登録情報に含まれる前記識別情報のうち前記受信されたメールに含まれる氏名情報に対応する受信識別情報と、前記受信時入力要求に応じて入力された受信時入力識別情報とが一致するか否かを判定する判定手段と、前記受信識別情報と前記受信時入力識別情報とが一致すると判定された場合に前記受信されたメールの閲覧を許可する許可手段とを具備する(請求項1)。
携帯型情報端末の実施形態は、複数の共同利用者に共同利用される。この複数の共同利用者に関する情報は、利用者登録情報として記憶手段に記憶される。利用者登録情報には、氏名情報及び識別情報が含まれる。
氏名情報とは、共同利用者の各々の氏名に関する情報であるが、利用者の名字と名前とを含む所謂氏名のみに限定されない。即ち、氏名情報とは、共同利用者の各々を識別可能であればどのように表現されたものであってもよい。例えば、氏名情報は、通称、ニックネーム或いはID等であってもよいし、名字に役職名称や所属部署を付帯させたものであってもよい。更に極端には、氏名情報とは、氏名との対応関係が定義される限りにおいて、単なる記号や英数字が配列したものであってもよい。
識別情報とは、この氏名情報に対応付けられた、共同利用者の各々を識別するための情報である。この識別情報は、望ましくは他の共同利用者に対する秘匿性や難模倣性を有する情報であって、例えば、パスワード或いは指紋情報や静脈情報等を含む生体認証情報等を含み得る。
携帯型情報端末の実施形態では、上記氏名情報を含むメールが受信された場合に、受信時入力要求として識別情報の入力が要求される。この識別情報の入力に係る入力手段は、識別情報の態様に応じて異なり得る。例えば、入力手段は、識別情報がパスワードであればキーボードやキーボタン等の態様を採り得る。識別情報が生体認証情報であれば、入力手段は、生体認証情報を読み取るためのスキャナや画像認識装置等を含み得る。
受信時入力要求に応じて入力された識別情報である受信時入力識別情報は、記憶手段に記憶された利用者登録情報に含まれる識別情報のうち受信されたメールに含まれる氏名情報に対応する識別情報である受信識別情報と照合され、相互に一致するか否かが判定される。携帯型情報端末の実施形態においては、この受信識別情報と受信時入力識別情報とが一致した場合に、許可手段により当該受信されたメールの閲覧が許可される。
携帯型情報端末の実施形態によれば、共同利用者のうち特定の利用者に対し送信された、潜在的に他の利用者による閲覧を許可しない旨の意思を含んだメール、即ち、氏名情報を含むメールは、当該氏名情報に対応する識別情報の入力及びその認証を経ない限り、その閲覧が許可されない。従って、携帯型情報端末の実施形態が複数の共同利用者で共同利用される状況において、個人的な情報や他の利用者に知られたくない情報の漏洩を防止することができる。即ち、受信されるメールに秘匿性が付与されるのである。
補足すると、携帯型情報端末の実施形態は、パーソナルコンピュータ等、複数の利用者の各々に対応して複数のメールアドレスを設定可能な装置と異なり、一のメールアドレスが複数の共同利用者で共同利用される状況を想定している。このような状況では、受信されるメールは、それが複数の共同利用者の誰に宛てたものであるかに関係なく受信されるため、その時点で携帯型情報端末の実施形態を利用する一の共同利用者による閲覧に供され得る。即ち、個人的な情報や秘匿性の高い情報が外部に漏洩する可能性がある。携帯型情報端末の実施形態は、複数の共同利用者で一の端末を共同利用する場合におけるこのような技術的問題点に想到したものであり、他人宛のメールの閲覧を実質的に不可能にすることによって、複数の共同利用者で一台の端末を安心して共用することを可能としたものである。
携帯型情報端末の実施形態は、例えば、一の目的を共有するグループ内において端末を共同利用する場合等、ビジネスシーンにおいて顕著に効果的である。或いは、携帯型情報端末の実施形態は、例えば、固形の通信インフラ(例えば、家庭への電話配線等)が十分に普及していない地域等において、所謂「家庭電話」の代替手段としても機能し得る。
また、生体認証情報は、パスワード等、人為的に設定される識別情報と異なり、利用者側での記憶措置を必要としない情報であるから、他人への識別情報の漏洩は基本的に生じない。従って、この態様によれば、本発明の携帯型情報端末に係る実施形態によりもたらされる実践上の利益を比較的簡便に享受することが可能となる。
本発明の携帯型情報端末に係る実施形態の他の態様では、前記氏名情報を含むメールにおいて、前記氏名情報は、メールの件名又はメールアドレスに付帯される(請求項3)。
メールの本文には、メールの宛先となる利用者の氏名の他にも数多くの固有名詞が記述される可能性がある。従って、メールの本文に氏名情報が記述されてしまうと、メールの宛先を判定するための情報であるのか、単なるメールの内容に過ぎない情報であるのかを判別することが困難となり得る。
この態様によれば、氏名情報が、メールの件名又はメールアドレスに付帯されるため、メールの宛先が誤判定される可能性が低くなり、秘匿性が担保されたメール処理が可能となり得る。尚、「メールアドレスに付帯される」とは、メールの送受信に必要となる単一のメールアドレスに対して付帯情報として付帯されることを意味する。即ち、携帯型端末装置に係る実施形態が有するメールアドレスは、あくまで一つである。
この態様によれば、メールの着信音が複数の利用者の各々について個別に設定されるので、その時点で携帯型情報端末の実施形態を利用する共同利用者は、自身に対応する着信音以外の着信音が鳴った場合には、メールを確認する必要がないと判断することができる。即ち、メール着信の度に誰宛のメールであるかの確認を行う必要がなくなり、使用時の煩わしさが緩和される。
この態様によれば、メールの表示内容又は表示方法或いはその両方を利用者毎にカスタマイズすることができるため、複数の共同利用者に共同利用される携帯型情報端末に係る実施形態において、よりパーソナル感を演出することができる。
氏名情報を含まないメールは、携帯型情報端末に係る実施形態を共同利用する共同利用者のいずれに宛てられたメールにも該当せず、また、迷惑メールである可能性もある。本態様では、そのようなメールについては着信が告知されないので、共同利用者が携帯型情報端末に係る実施形態を利用するにあたっての煩わしさが緩和される。
尚、氏名情報を含まないメールには、例えば、送信者が氏名情報の付帯を失念したメールも含まれる。また、共同利用者のいずれが開封しても問題がない一般的なメールも含まれる。従って、望ましくは、氏名情報を含まないメールは、然るべき記憶手段に記憶され保存される。
本発明の携帯型情報端末に係る実施形態の他の態様では、前記要求手段は、前記メールが送信される場合に送信時入力要求として前記識別情報の入力を要求し、前記判定手段は、前記記憶された利用者登録情報に含まれる前記識別情報の中に前記送信時入力要求に応じて入力された送信時入力識別情報と一致する識別情報があるか否かを判定し、前記携帯型情報端末は、前記記憶された利用者登録情報に含まれる識別情報の中に前記送信時入力識別情報と一致する識別情報があると判定された場合に、前記送信されるメールに前記送信時入力識別情報と一致する識別情報に対応する前記氏名情報を付加する付加手段を更に具備する(請求項7)。
この態様によれば、メールが送信される場合に、送信時入力要求として識別情報の入力が要求される。この識別情報の入力に係る入力手段は、受信時入力要求に応じた識別情報の入力に供される入力手段と望ましくは同一であり、識別情報の態様に応じて異なり得る。例えば、入力手段は、識別情報がパスワードであればキーボードやキーボタン等の態様を採り得る。識別情報が生体認証情報であれば、入力手段は、生体認証情報を読み取るためのスキャナや画像認識装置等を含み得る。
送信時入力要求に応じて入力された識別情報である送信時入力識別情報は、記憶手段に記憶された利用者登録情報に含まれる識別情報と照合され、利用者登録情報に含まれる識別情報の中に、送信時入力識別情報と一致するものがあるか否かが判定される。本態様においては、この送信時入力識別情報と一致する識別情報が存在する場合に、付加手段により、送信されるメールに該当する氏名情報が付加される。
従って、この送信メールを受信する受信者側において、送信側の携帯型情報端末に係る実施形態を共同利用する共同利用者のうち誰がメールを送信したのかを確認することができ、実践上有益である。例えば、このように送信者の特定が可能となる場合、適切な返信メールを作成することができる。また、送信者の特定がなされる場合、所謂「成り済ましメール」等による被害を防ぐこともできる。
本発明のメール処理方法に係る実施形態は、複数の共同利用者の各々の氏名に関する氏名情報及び該氏名情報に対応付けられた前記各々を識別するための識別情報を含んでなる利用者登録情報を記憶する記憶手段と、前記識別情報を入力可能な入力手段と備えると共にメールの送受信機能を有する携帯型情報端末における、前記メールの処理方法であって、前記氏名情報を含む前記メールが受信された場合に受信時入力要求として前記識別情報の入力が要求される要求工程と、前記記憶された利用者登録情報に含まれる前記識別情報のうち前記受信されたメールに含まれる氏名情報に対応する受信識別情報と、前記受信時入力要求に応じて入力された受信時入力識別情報とが一致するか否かが判定される判定工程と、前記受信識別情報と前記受信時入力識別情報とが一致すると判定された場合に前記受信されたメールの閲覧が許可される許可工程とを具備する(請求項8)。
本発明のメール処理方法に係る実施形態によれば、上記携帯型情報端末に係る実施形態における、要求手段、判定手段及び許可手段と同等の作用を実現する各工程により、上記携帯型情報端末に係る実施形態と同様に、秘匿性の高いメール処理が可能となる。即ち、携帯型情報端末を複数の共同利用者で情報漏洩の心配なく共同利用することが可能となる。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、コンピュータシステムを本発明の携帯型情報端末に係る実施形態における要求手段、判定手段及び許可手段として機能させる(請求項9)。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体或いはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等コンピュータシステムに着脱可能な固体型記憶装置から、当該コンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、例えば、通信手段等を介してコンピュータシステムにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の携帯型情報端末に係る実施形態における秘匿性の高いメール処理を比較的簡単に実現できる。
本発明の記録媒体に係る実施形態によれば、コンピュータシステムに装着又は接続することによって、或いはコンピュータシステムに備わる又は接続された然るべき読取装置に挿入することによって、記録している本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態を、コンピュータシステムに読み込ませて実行させることができ、上述した本発明の携帯型情報端末に係る実施形態における秘匿性の高いメール処理を比較的簡単に実現できる。
以下、適宜図面を参照し、本発明を実現するにあたって好適な実施例として、携帯電話機10について説明する。
<実施例の構成>
<携帯電話機10の構成>
始めに、図1を参照し、携帯電話機10の外観について説明する。ここに、図1は、携帯電話機10の概略外観図である。
図1において、携帯電話機10は、機体部11の表面に画面部210及び操作入力部300が配設された構成を有する、本発明に係る「携帯型情報端末」の一例である。尚、携帯電話機10は、本発明に係る携帯型情報端末の採り得る一実施例に過ぎず、本発明に係る携帯型情報端末の実践的態様は携帯電話機10に限定されない。
画面部210は、不図示の表示部200における情報表示用のパネルである。画面部210の表示内容は、後述する基本動作制御処理により制御される構成となっている。
操作入力部300は、利用者により操作可能に構成された複数ボタンスイッチを備えており、当該複数のボタンスイッチの各々について、利用者による操作がなされたか否かを表す操作入力信号を発生する構成となっている。
次に、図2を参照し、携帯電話機10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、携帯電話機10のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、携帯電話機10は、制御装置100、表示部200、操作入力部300及び記憶部400を備える。これらは、夫々制御バスBSを介して電気的に接続されている。
制御装置100は、携帯電話機10の動作を制御可能に構成された、本発明に係る「要求手段」、「判定手段」及び「許可手段」の一例たるコンピュータ装置である。制御装置100は、受信処理部110、情報取得部120、情報保護部130、送信処理部140、入力処理部150、表示制御部160及び認証部170を備える。
尚、携帯電話機10には、図2に図示される構成要素の他にも、音声通話、ネットワーク通信、被写体の撮影及び放送番組の受信等、一般的に携帯電話が備える各種機能を実現する構成要素が含まれる。また、アンテナ、スピーカ及びマイクロフォン等も含まれる。これら携帯電話機として一般的に備わり得る周知の構成については、本発明との相関が低いことから、説明の煩雑化を防ぐため、その図示及びその説明を省略することとする。
受信処理部110は、メールの受信に関する処理を実行可能に構成される。
情報取得部120は、受信されたメールに含まれる各種情報及び記憶部400に記憶される各種情報を取得可能に構成される。
情報保護部130は、メールにセキュリティ性を付与するための処理を実行可能に構成される。情報保護部130は、本発明に係る「要求手段」及び「許可手段」の一例である。
送信処理部140は、メールの送信に関する処理を実行可能に構成される。
入力処理部150は、操作入力部300を介して行われた入力操作に応じた動作制御を実行可能に構成される。
表示制御部160は、表示部200の画面部210の表示内容を制御可能に構成される。
認証部170は、上記情報保護部130の動作と連動して、各種認証処理を実行可能に構成される。認証部170は、本発明に係る「判定手段」の一例である。
尚、認証部170は、後述する基本動作制御処理に関連する各種の処理において、必要に応じて、利用者の指紋を読み取り可能なスキャナ装置(不図示)から、読み取られた指紋に係る指紋情報を受け取り、比較対象となる指紋情報と照合することができる。また、入力されたパスワードと記憶されたパスワードとを照合することができる。
表示部200は、図1で説明した画面部210を備えた、例えば液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置等の表示装置である。
記憶部400は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリ等を含む記憶装置である。
記憶部400のフラッシュメモリには、共同利用者情報及び識別情報が相互に対応付けられた状態で格納されている。
共同利用者情報とは、携帯電話機10の共同利用者の各々について設定された、当該共同利用者の氏名を含む個人情報である。識別情報とは、この共同利用者の各々を識別するための認証情報であり、本実施例では、パスワードと指紋情報(即ち、指紋の画像データ)とがこれに該当する。
尚、「相互に対応付けられた状態で格納される」とは、識別情報の中から一の共同利用者情報に対応する識別情報を検索可能であり、また共同利用者情報の中から一の識別情報に対応する共同利用者情報を検索可能であることを意味する。
尚、記憶部400が有するROMには、制御装置100が実行する各種の制御に関する制御プログラムが格納されている。この制御プログラムの中には、後述する基本動作制御処理に関する制御プログラムも含まれる。この基本動作制御処理に関する制御プログラムは、本発明に係る「コンピュータプログラム」の一例である。また、このROMは、本発明に係る「記録媒体」の一例である。尚、本実施例において、基本動作制御処理に関する制御プログラムは予め制御装置100に備わるが、この制御プログラムは、RAM又はフラッシュメモリにおける随時書き込み可能な記憶領域に書き込まれていてもよい。この場合、基本動作制御処理に係る制御プログラムのアップデート及びメンテナンス等が比較的簡便になされ得る。また、この制御プログラムをネットワークで配信する、或いは制御プログラムが記録された記録媒体を配布する等の措置を講じることも可能となる。
<実施例の動作>
次に、本実施例の動作について説明する。
始めに、図3を参照し、基本動作制御処理の概要について説明する。ここに、図3は、基本動作制御処理のフローチャートである。尚、基本動作制御処理は、携帯電話機10の電源OFF時に起動操作を受け付けて待機時制御に移行する処理である。
図3において、入力処理部150により、起動操作の有無が判定される(ステップS10)。起動操作とは、電源OFF状態においてなされる電源ON操作である。起動操作が無い場合(ステップS10:NO)、ステップS10が繰り返し実行され、電源OFF状態が継続する。
起動操作が有る場合(ステップS10:YES)、起動時制御が実行される(ステップS100)。起動時制御が終了すると、待機時制御が実行される(ステップS200)。待機時制御が開始されると、携帯電話機10が電源OFF操作を受け付けて電源OFF状態になるまで待機時制御が継続する。電源OFF状態においては、基本動作制御が受け付け可能となり、ステップS10から上述した処理が行われる。
<待機時制御の詳細>
次に、図4を参照し、待機時制御の詳細について説明する。ここに、図4は、待機時制御のフローチャートである。尚、起動時制御については後述する。
図4において、待機時制御が開始されると、複数の処理が並列的に稼動する。図4では、この複数の処理として、メインメニュ関連処理(ステップS203〜S204、S300、S400、S500、S600及びS700)、待ち受け処理(ステップS800)並びに電源OFF処理(ステップS201〜S202)が示される。
電源OFF処理においては、電源OFF条件が成立するか否かが判定される(ステップS201)。電源OFF条件とは、携帯電話機10を電源OFF状態にする条件であり、利用者の操作によるものと、電池残量によるものとに大別される。前者は、利用者が操作入力部300を介して電源OFF操作を行った場合に成立する。後者は、電池残量が所定残量未満に低下した場合に成立する。電源OFF条件が成立すると(ステップS201:YES)、携帯電話機10は電源OFF状態に制御される(ステップS202)。携帯電話機10が電源OFF状態となった時点で、待機時制御も終了し、上述した基本動作制御処理が復活する。電源OFF条件が成立しない限りは(ステップS201:NO)、ステップS201が繰り返されるため、電源OFF処理は実質的に待機状態となる。この状態では、待機時制御は継続的にアクティブとなる。
待ち受け処理においては、電話着信時における通話処理、メール着信時の新着メール受信処理、待ち受け画面の表示処理等が行われる。待ち受け処理のうち、新着メール受信処理については後述する。
メインメニュ関連処理においては、先ずメインメニュの呼び出し操作の有無が判定される(ステップS203)。メインメニュの呼び出し操作が無い場合(ステップS203:NO)、ステップS203が繰り返され、処理は待機状態に維持される。この状態では、実質的に待ち受け処理のみがアクティブとなる。
メインメニュの呼び出し操作が有る場合(ステップS203:YES)、表示制御部160により画面部210にメインメニュが表示される(ステップS204)。
ここで、図5を参照し、メインメニュについて説明する。ここに、図5は、メインメニュ画面の概略図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、メインメニュ画面は、表示部200の画面部210にメインメニュMMが表示された画面である。
メインメニュMMには、携帯電話機10の基本動作に関連するメインメニュ項目として、共同利用者の登録に関するメインメニュ項目M1、動作モードの切り替えに関連するメインメニュ項目M2、着信音の設定に関連するメインメニュ項目M3、メールの送信に関連するメインメニュ項目M4及びメール受信BOXに関連するメインメニュ項目M5が含まれる。尚、他のメインメニュ項目については本実施例における説明を省略する。
メインメニュMMにおいて、各メインメニュ項目は操作入力部300を介して適宜選択可能に構成される。例えば、操作入力部300からメインメニュ項目M1を指定する旨の「1」の数字入力が行われたり、或いは、方向キーの操作により、選択候補を示すカーソル等がメインメニュ項目M1に合わせられたりすることによって、メインメニュ画面上での機能選択が実現される。
図4に戻り、メインメニュが表示されると、相互いに並列処理される複数のサブルーチンとして共同利用者登録処理(ステップS300)、動作モード切り替え処理(ステップS400)、着信音設定処理(ステップS500)、メール送信処理(ステップS600)及び受信BOX処理(ステップS700)が実行される。尚、共同利用者登録処理、動作モード切り替え処理、着信音設定処理、メール送信処理及び受信BOX処理は、夫々メインメニュMMにおけるメインメニュ項目M1、M2、M3、M4及びM5の選択操作に対応して実行される処理である。
<共同利用者登録処理の詳細>
ここで、図6を参照し、共同利用者登録処理について説明する。ここに、図6は、共同利用者登録処理のフローチャートである。
共同利用者登録処理では、二系統の処理が並列的に進行する。一方は復帰に関連する復帰関連処理であり、他方は共同利用者の登録に関連する登録関連処理である。
復帰関連処理では、先ずメニュ復帰操作の有無が判定される(ステップS301)。メニュ復帰操作とは、メインメニュへの復帰を促す操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。メニュ復帰操作が検出された場合(ステップS301:YES)、表示制御部160によりメインメニュが表示される(ステップS302)。尚、既にメインメニュが表示されている場合には、画面部210の表示内容は変化しない。
メニュ復帰操作が無い場合(ステップS301:NO)、待ち受け復帰操作の有無が判定される(ステップS303)。待ち受け復帰操作は、画面部210に待ち受け画面を表示させる操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。待ち受け復帰操作は、言い換えれば、メインメニュMMの表示を終了すべき旨の利用者の意思を表す操作である。従って、待ち受け復帰操作が検出された場合(ステップS303:YES)、共同利用者登録処理は終了する。共同利用者登録処理が終了すると、メインメニュMMの表示は終了し、図4においてメニュ関連処理はステップS203に戻される。待ち受け復帰操作が検出されない場合(ステップS303:NO)、処理はステップS301に戻される。
一方、登録関連処理においては、先ずメインメニュ項目M1(即ち、共同利用者の登録に関連するメインメニュ項目)が選択されたか否かが判定される(ステップS304)。メインメニュ項目M1が選択されていない場合(ステップS304:NO)、処理はステップS304で待機状態となる。
メインメニュ項目M1が選択された場合(ステップS304:YES)、画面部210に共同利用者登録画面が表示される(ステップS305)。
ここで、図7を参照し、共同利用者登録画面について説明する。ここに、図7は、共同利用者登録画面の概略図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、共同利用者登録画面は、表示部200の画面部210に共同利用者登録用サブメニュSM1が表示された画面である。
共同利用者登録用サブメニュSM1には、携帯電話機10を他の共同利用者と共同利用する一の共同利用者の個人情報である氏名情報(即ち、本発明に係る「氏名情報」の一例である)に対応するサブメニュ項目として、共同利用者の氏名に対応するサブメニュ項目SM11、メールに使われる表示名に対応するサブメニュ項目SM12、着信音パターンに対応するサブメニュ項目SM13及びIDに対応するサブメニュ項目SM14が、また共同利用者の識別情報(即ち、本発明に係る「識別情報」の一例である)に関連するサブメニュ項目として、パスワードに対応するサブメニュ項目SM15及び指紋情報に対応するサブメニュ項目SM16が含まれる。
共同利用者登録用サブメニュSM1において、各サブメニュ項目は操作入力部300を介して適宜選択可能に構成される。例えば、操作入力部300からサブメニュ項目SM11を指定する旨の「1」の数字入力が行われたり、或いは、方向キーの操作により、選択候補を示すカーソル等がサブメニュ項目SM11に合わせられたりすることによって、共同利用者登録画面上での機能選択が実現される。
図6に戻り、共同利用者登録画面が表示されると、氏名情報が入力されたか否かが判定される(ステップS306)。ここで、氏名情報には必須項目が設定されていてもよい。例えば、サブメニュ項目SM11、SM12及びSM14は、夫々共同利用者の氏名を特定可能な情報であるから、これらのうち少なくとも一個が入力されれば氏名情報が入力されているとの判定が下されるように予め条件が設定されていてもよい。氏名情報が入力されていない場合(ステップS306:NO)、氏名情報の入力が完了するまで処理は待機状態とされる。
氏名情報が入力された場合(ステップS306:YES)、識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS307)。識別情報の入力が未完了である場合(ステップS307:NO)、処理はステップS307で待機状態となる。
尚、識別情報は、パスワードと指紋情報との双方が設定されているのが望ましいが、これらのうち少なくとも一方が設定されていればよい。パスワードによる認証は、指紋情報や静脈情報等の生態情報による認証と較べて低コスト且つ構成も簡易で済むが、その反面、パスワードを忘れる可能性があり、また忘れないように紙片等に記録しておくと情報漏洩の可能性がある。一方、指紋情報や静脈情報等の生体認証情報は、パスワードによる認証と較べれば高コストでありまたスキャナ装置等、相応の識別装置を必要とする反面、忘却の可能性も情報漏洩の可能性も殆どない。
識別情報の入力が完了すると(ステップS307:YES)、氏名情報と識別情報とが利用者登録情報として記憶部400に記憶される(ステップS308)。利用者登録情報の記憶処理が完了すると、一の共同利用者の登録が完了する。共同利用者の登録が完了すると、処理はステップS305に戻される。即ち、表示部200の画面部210には、新しい共同利用者登録画面が表示される。共同利用者登録処理はこのようにして行われる。
図8には、氏名情報及び識別情報の入力が完了した状態における共同利用者登録画面が例示される。図8では、共同利用者登録用サブメニュSM1に含まれる全てのサブメニュ項目について、入力が行われた状態が示されている。尚、図8に例示される情報は、単なる一例であって、氏名情報及び識別情報の各々について、如何なる限定も示唆するものでない。
<動作モード切り替え処理の詳細>
次に、図9を参照し、動作モード切り替え処理について説明する。ここに、図9は、動作モード切り替え処理のフローチャートである。
動作モード切り替え処理では、二系統の処理が並列的に進行する。一方は復帰に関連する復帰関連処理であり、他方は動作モードの切り替えに関連する切り替え関連処理である。
復帰関連処理では、先ずメニュ復帰操作の有無が判定される(ステップS401)。メニュ復帰操作とは、メインメニュへの復帰を促す操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。メニュ復帰操作が検出された場合(ステップS401:YES)、表示制御部160によりメインメニュが表示される(ステップS402)。尚、既にメインメニュが表示されている場合には、画面部210の表示内容は変化しない。
メニュ復帰操作が無い場合(ステップS401:NO)、待ち受け復帰操作の有無が判定される(ステップS403)。待ち受け復帰操作は、画面部210に待ち受け画面を表示させる操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。待ち受け復帰操作は、言い換えれば、メインメニュMMの表示を終了すべき旨の利用者の意思を表す操作である。従って、待ち受け復帰操作が検出された場合(ステップS403:YES)、動作モード切り替え処理は終了する。動作モード切り替え処理が終了すると、メインメニュMMの表示は終了し、図4においてメニュ関連処理はステップS203に戻される。待ち受け復帰操作が検出されない場合(ステップS403:NO)、処理はステップS401に戻される。
一方、切り替え関連処理においては、先ずメインメニュ項目M2(即ち、動作モードの切り替えに関連するメインメニュ項目)が選択されたか否かが判定される(ステップS404)。メインメニュ項目M2が選択されていない場合(ステップS404:NO)、処理はステップS404で待機状態となる。
メインメニュ項目M2が選択された場合(ステップS404:YES)、画面部210に動作モード切り替え画面が表示される(ステップS405)。
ここで、図10を参照し、動作モード切り替え画面について説明する。ここに、図10は、動作モード切り替え画面の概略図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図10において、動作モード切り替え画面は、表示部200の画面部210に動作モード切り替え用サブメニュSM2及び確認用サブメニュSM3が表示された画面である。
動作モード切り替え用サブメニュSM2には、携帯電話機10で選択可能な動作モードに対応するサブメニュ項目として、通常モードに対応するサブメニュ項目SM21、マルチユーザモードに対応するサブメニュ項目SM22及びユニークユーザモードに対応するサブメニュ項目SM23が含まれる。即ち、携帯電話機10では、通常モード、マルチユーザモード及びユニークユーザモードの三種類の動作モードが用意されている。
通常モードは、通常の携帯電話機と同様の動作を実現する動作モードである。即ち、通常モードにおいては、複数の共同利用者が区別されることはない。即ち、着信したメールは、誰でも閲覧することができる。特に秘匿性を有するメールのやり取りが行われない環境においては、通常モードが選択されても実践上問題はない。
但し、通常モードにおいて、新規に着信したメール及び記憶部400内に仮想的に構築された受信BOXに保存される過去のメールが全て閲覧可能になってしまうと、後述するマルチユーザモード及びユニークユーザモードにより付与されるセキュリティが無効になってしまう。従って、通常モードにおいても、情報保護部130により、特定の共同利用者に宛てられたメールの閲覧は認証処理を経ないと許可されない。
マルチユーザモードは、一の携帯電話機を複数の共同利用者で共同利用するための動作モードである。マルチユーザモードでは、設定された共同利用者のうち特定の共同利用者に宛てられた着信メールについては、他の共同利用者が閲覧できない仕組みとなっている。即ち、マルチユーザモードは、本発明に係る、秘匿性を有するメール処理を実現する動作モードである。
ユニークユーザモードは、マルチユーザモードと同様に、携帯電話機10の共同利用を前提とした動作モードである。但し、マルチユーザモードよりも特定の共同利用者の操作性を重視した動作モードとなっている。ユニークユーザモードは、本発明に係る、秘匿性を有するメール処理を実現する他の動作モードである。マルチユーザモード及びユニークユーザモードにおける実際のメール処理については後述する。
動作モード切り替え用サブメニュSM2において、各サブメニュ項目は操作入力部300を介して適宜選択可能に構成される。例えば、操作入力部300からサブメニュ項目SM21を指定する旨の「1」の数字入力が行われたり、或いは、方向キーの操作により、選択候補を示すカーソル等をサブメニュ項目SM21に合わせたりすることによって、動作モード切り替え画面上での動作モードの選択が実現される。
確認用サブメニュSM3には、現在選択されている動作モードに関する情報と、動作モードの変更意思確認に関するサブメニュ項目SM31及びSM32とが含まれる。サブメニュ項目SM31は「YES」の意思に、サブメニュ項目SM32は「NO」の意思に夫々対応しており、動作モード切り替え用サブメニュSM2と同様に、操作入力部300を介して適宜選択可能となっている。
図9に戻り、動作モード切り替え画面が表示されると、入力処理部150により、動作モードの切り替え操作の有無が判定される(ステップS406)。動作モードの切り替え操作とは、確認用サブメニュSM3におけるサブメニュ項目SM31の操作と、動作モード切り替え用サブメニュSM2からの一の動作モードの選択操作を意味する。
動作モードの切り替え操作が無い場合(ステップS406:NO)、処理はステップS406で待機状態とされる。尚、この場合、確認用サブメニュSM3におけるサブメニュ項目SM32(動作モードを変更しない旨のメニュ項目)が選択された場合には、画面部の表示内容がメインメニュMMに切り替えられ、処理はステップS404に戻される。
動作モードの切り替え操作が有る場合(ステップS406:YES)、選択された動作モードがユニークユーザモードであるか否かが判定される(ステップS407)。ユニークユーザモードは、特定のユーザにメール閲覧に関する優先権を付与することにより、特定のユーザに対する携帯電話機10の操作性を向上させた動作モードである。ユニークユーザモードは、メールのセキュリティに関してはマルチユーザモードと同等であるが、その時点で携帯電話機10を使用するユーザの操作性を向上させ得ることから、実践上有益である。
ユニークユーザモードが選択されなかった場合(ステップS407:NO)、即ち、通常モード又はマルチユーザモードが選択された場合には、動作モードが選択された動作モードに無条件に切り替えられる(ステップS411)。即ち、ユニークユーザモード以外は、動作モードの切り替え時に本人識別は不要である。
ユニークユーザモードが選択された場合(ステップS407:YES)、識別情報の入力が要求され、係る要求に応じて識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS408)。識別情報が未入力である場合(ステップS408:NO)、処理はステップS408で待機状態となる。尚、識別情報の入力とは、操作入力部300を介したパスワードの入力や、スキャナ装置等の読み取り装置による、画面部210にかざされた指紋のスキャニング動作の完了等を意味する。
識別情報が入力された場合(ステップS408:YES)、入力された識別情報と一致する識別情報が記憶部400に記憶された識別情報の中に存在するか否かが認証部により検索される。その結果、入力された識別情報と一致する識別情報が存在するか否かが判定される(ステップS409)。一致する識別情報が存在しない場合(ステップS409:NO)、処理はステップS405に戻される。尚、この際、「認証に失敗しました」や、「一致する識別情報が見当たりません」等、ユニークユーザモードの選択が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
一方、入力された識別情報と一致する識別情報が存在する場合(ステップS409:YES)、記憶部400に記憶された識別情報のうち、入力された識別情報と一致する識別情報に対応する利用者登録情報が特定され、更に、その利用者登録情報から、氏名情報が取得される。そして、この取得された氏名情報により特定される一の共同利用者が、メール閲覧に関する優先権者として設定される(ステップS410)。最後に、選択された動作モードへの切り替えが実行され(ステップS411)、処理はステップS405に戻される。動作モード切り替え処理はこのように実行される。
<着信音設定処理の詳細>
次に、図11を参照し、着信音設定処理について説明する。ここに、図11は、着信音設定処理のフローチャートである。
着信音設定処理では、二系統の処理が並列的に進行する。一方は復帰に関連する復帰関連処理であり、他方は着信音設定に関連する設定関連処理である。
復帰関連処理では、先ずメニュ復帰操作の有無が判定される(ステップS501)。メニュ復帰操作とは、メインメニュへの復帰を促す操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。メニュ復帰操作が検出された場合(ステップS501:YES)、表示制御部160によりメインメニュが表示される(ステップS502)。尚、既にメインメニュが表示されている場合には、画面部210の表示内容は変化しない。
メニュ復帰操作が無い場合(ステップS501:NO)、待ち受け復帰操作の有無が判定される(ステップS503)。待ち受け復帰操作は、画面部210に待ち受け画面を表示させる操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。待ち受け復帰操作は、言い換えれば、メインメニュMMの表示を終了すべき旨の利用者の意思を表す操作である。従って、待ち受け復帰操作が検出された場合(ステップS503:YES)、着信音設定処理は終了する。着信音設定処理が終了すると、メインメニュMMの表示は終了し、図4においてメニュ関連処理はステップS203に戻される。待ち受け復帰操作が検出されない場合(ステップS503:NO)、処理はステップS501に戻される。
一方、設定関連処理においては、先ずメインメニュ項目M3(即ち、着信音の設定に関連するメインメニュ項目)が選択されたか否かが判定される(ステップS504)。メインメニュ項目M3が選択されていない場合(ステップS504:NO)、処理はステップS504で待機状態となる。
メインメニュ項目M3が選択された場合(ステップS504:YES)、画面部210に着信音設定画面が表示される(ステップS505)。
着信音設定画面は、予め与えられた着信音パターンの中から所望の着信音パターンを選択可能な画面構成となっている。或いは、ネットワーク等を介して提供されるより広範な選択肢の中から所望の着信音パターンを選択可能な画面構成となっている。着信音設定画面の詳細については説明を省略する。
着信音設定画面が表示されると、入力処理部150により、着信音が選択されたか否かが判定される(ステップS506)。着信音が選択されていない場合(ステップS506:NO)、処理はステップS506で待機状態とされる。
選択された着信音がある場合(ステップS506:YES)、画面部210には、選択された着信音を着信音として使用する利用者の情報の入力を要求する画面が表示される。利用者の情報の入力がない場合(ステップS507:NO)、例えば、利用者を指定しない旨のサブメニュ項目が選択される等した場合、処理はステップS511に移行され、選択された着信音が、通常モード時の着信音に設定される(ステップS511)。選択された着信音が通常モード時の着信音に設定されると、処理はステップS505に戻される。
一方、選択された着信音を着信音として使用する利用者の情報が入力された場合(ステップS507:YES)、識別情報の入力が要求され、係る要求に応じて識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS508)。識別情報が未入力である場合(ステップS508:NO)、処理はステップS508で待機状態となる。尚、識別情報の入力とは、操作入力部300を介したパスワードの入力や、スキャナ装置等の読み取り装置による、画面部210にかざされた指紋のスキャニング動作の完了等を意味する。
識別情報が入力された場合(ステップS508:YES)、入力された識別情報と一致する識別情報が記憶部400に記憶された識別情報の中に存在するか否かが認証部170により検索される。その結果、入力された識別情報と一致する識別情報が存在するか否かが判定される(ステップS509)。一致する識別情報が存在しない場合(ステップS509:NO)、処理はステップS505に戻される。尚、この際、「認証に失敗しました」や、「一致する識別情報が見当たりません」等、着信音の個別設定が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
一方、入力された識別情報と一致する識別情報が存在する場合(ステップS509:YES)、記憶部400に記憶された識別情報のうち、入力された識別情報と一致する識別情報に対応する利用者登録情報が特定され、更に、その利用者登録情報から、氏名情報が取得される。そして、選択された着信音が、この取得された氏名情報により特定される一の共同利用者が利用する着信音として設定される(ステップS510)。その後、処理はステップS505に戻される。着信音設定処理はこのように実行される。
<メール送信処理の詳細>
次に、図12を参照し、メール送信処理について説明する。ここに、図12は、メール送信処理のフローチャートである。
メール送信処理では、二系統の処理が並列的に進行する。一方は復帰に関連する復帰関連処理であり、他方はメール送信に関連する送信関連処理である。
復帰関連処理では、先ずメニュ復帰操作の有無が判定される(ステップS601)。メニュ復帰操作とは、メインメニュへの復帰を促す操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。メニュ復帰操作が検出された場合(ステップS601:YES)、表示制御部160によりメインメニュが表示される(ステップS602)。尚、既にメインメニュが表示されている場合には、画面部210の表示内容は変化しない。
メニュ復帰操作が無い場合(ステップS601:NO)、待ち受け復帰操作の有無が判定される(ステップS603)。待ち受け復帰操作は、画面部210に待ち受け画面を表示させる操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。待ち受け復帰操作は、言い換えれば、メインメニュMMの表示を終了すべき旨の利用者の意思を表す操作である。従って、待ち受け復帰操作が検出された場合(ステップS603:YES)、メール送信処理は終了する。メール送信処理が終了すると、メインメニュMMの表示は終了し、図4においてメニュ関連処理はステップS203に戻される。待ち受け復帰操作が検出されない場合(ステップS603:NO)、処理はステップS601に戻される。
一方、送信関連処理においては、先ずメインメニュ項目M4(即ち、メールの送信に関連するメインメニュ項目)が選択されたか否かが判定される(ステップS604)。メインメニュ項目M4が選択されていない場合(ステップS604:NO)、処理はステップS604で待機状態となる。
メインメニュ項目M4が選択された場合(ステップS604:YES)、画面部210にメール作成画面が表示される(ステップS605)。
ここで、図13を参照し、メール作成画面について説明する。ここに、図13は、メール作成画面の概略図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図13において、メール作成画面は、表示部200の画面部210にアドレスエリアAadr、件名エリアAsub及び本文入力エリアAtxtの各領域が表示された画面である。各エリアには、操作入力部300を介して自由に文字を入力することができる。尚、アドレスエリアAadrには、予め記憶されたアドレス帳データからデータを選択して自動入力することもできる。即ち、メールの作成機能に関しては、携帯電話機10は、公知の携帯電話機と同等の機能を有している。
また、メール作成画面における、本文入力エリアAtxtの下方には、確認用サブメニュSM4が表示される。確認用サブメニュSM4には、メールの送信先(送信相手)の氏名情報をメールに付加するか否かの確認に関するサブメニュ項目SM41及びSM42が含まれる。サブメニュ項目SM41は「YES」の意思に、サブメニュ項目SM42は「NO」の意思に夫々対応しており、他のサブメニュと同様に、操作入力部300を介して適宜選択可能となっている。
図12に戻り、メール作成画面が表示されると、メールの送信先に送信先のユーザの氏名情報を付加するか否かが判定される(ステップS606)。即ち、実質的には、確認用サブメニュSM4におけるサブメニュ項目SM41が選択されたか、サブメニュ項目SM42が選択されたかが判定される。前者は、メールの送信先に送信先のユーザの氏名情報を付加する旨の利用者の意思に相当し、後者は、メールの送信先に送信先のユーザの氏名情報を付加しない旨の利用者の意思に相当する。
送信先ユーザの氏名情報を付加すべき場合(ステップS606:YES)、アドレスエリアAadr及び件名エリアAsubに、送信先ユーザの氏名情報が付加される(ステップS607)。その様子が図14に例示される。図14は、送信先の氏名情報がアドレス及び件名に付加されたメール作成画面を例示する図である。尚、同図において、図13と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図14には、アドレスエリアAadrに記述されたメールアドレス「AB@xxx」に、送信先の氏名情報である「□□様」が付加されている。また、件名エリアAsubに記述された件名「●●の件」に、送信先の氏名情報である「“□□様”」が付加されている。この氏名情報は、送信先の保有する端末が、携帯電話機10と同等の機能を有する場合には、マルチユーザモード或いはユニークユーザモードにおける秘匿性の高いメール処理に利用することができる。携帯電話機10における秘匿性の高いメール処理については、後述する。氏名情報が付加されると、処理はステップS608に移行される。
尚、このアドレスエリアAadrへの氏名情報の付加は、例えば、メールアドレスのフォーマットを規定する公知の規格であるRFC5322に従って実現される。
図12に戻り、送信先ユーザの氏名情報を付加すべきでない場合(ステップS606:NO)、送信先のアドレス及び件名に、送信先ユーザの氏名情報は付加されず、処理はステップS608に移行する。ステップS608では、メール送信指示の有無が判定される。
図14に戻って説明すると、確認用サブメニュSM4の操作が終了した段階で、本文入力エリアAtxtの下方には送信指示用サブメニュSM5が表示される。送信指示用サブメニュSM5には、メールを送信するか否かの確認に関するサブメニュ項目SM51及びSM52が含まれる。サブメニュ項目SM51は「YES」の意思に、サブメニュ項目SM52は「NO」の意思に夫々対応しており、他のサブメニュと同様に、操作入力部300を介して適宜選択可能となっている。
図12に戻り、送信指示用サブメニュSM5を介したメールの送信指示が検出されない場合(ステップS608:NO)、処理はステップS608で待機状態となる。メールの送信指示が検出されると(ステップS608:YES)、送信者の氏名情報を付加するか否かが判定される(ステップS609)。
メールの送信指示がなされた段階で、送信指示用サブメニュSM5に代わって本文入力エリアAtxtの下方には確認用サブメニュSM6(不図示)が表示される。確認用サブメニュSM6には、送信元の氏名情報を付加すべきか否かの確認に関するサブメニュ項目SM61及びSM62(いずれも不図示)が含まれる。サブメニュ項目SM61は「YES」の意思に、サブメニュ項目SM62は「NO」の意思に夫々対応しており、他のサブメニュと同様に、操作入力部300を介して適宜選択可能となっている。
メールに送信元の氏名情報を付加させない場合(ステップS609:NO)、即ち、サブメニュ項目SM62が選択された場合には、処理はステップS613に移行され、メールが送信される。一方、メールに送信元の氏名情報を付加させるべき旨が指定された場合(ステップS609:YES)、即ち、サブメニュ項目SM61が選択された場合には、識別情報の入力が要求される。識別情報の入力が要求されると、識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS610)。識別情報が入力されていない間は(ステップS610:NO)、処理はステップS610で待機状態となる。
識別情報が入力されると(ステップS610:YES)、入力された識別情報と一致する識別情報が記憶部400に記憶された識別情報の中に存在するか否かが認証部170により検索される。その結果、入力された識別情報と一致する識別情報が存在するか否かが判定される(ステップS611)。一致する識別情報が存在しない場合(ステップS611:NO)、送信元の氏名情報は付加されることなくメールが送信される(ステップS613)。尚、この際、「認証に失敗しました」や、「一致する識別情報が見当たりません」等、氏名情報の付加が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
一方、入力された識別情報と一致する識別情報が存在する場合(ステップS611:YES)、記憶部400に記憶された識別情報のうち、入力された識別情報と一致する識別情報に対応する利用者登録情報が特定され、更に、その利用者登録情報から、氏名情報が取得される。そして、作成されたメールにおいて、送信者のアドレスを示す送信者アドレス情報の項目に、この取得された氏名情報が付加される(ステップS612)。氏名情報が付加されると、ステップS613により、この氏名情報が付加されたメールが送信される。メール送信処理はこのように実行される。
尚、ここでは、送信元の氏名情報を付加すべきか否かが確認される構成を示したが、このような確認処理を省略して、入力された識別情報と記憶された識別情報と一致する場合に、該当する共同利用者の氏名情報を自動的に付加する構成としてもよい。
<受信BOX処理の詳細>
次に、図15を参照し、受信BOX処理について説明する。ここに、図15は、受信BOX処理のフローチャートである。
受信BOX処理では、二系統の処理が並列的に進行する。一方は復帰に関連する復帰関連処理であり、他方は受信BOXに保存されたメールの閲覧に関連する閲覧関連処理である。
復帰関連処理では、先ずメニュ復帰操作の有無が判定される(ステップS701)。メニュ復帰操作とは、メインメニュへの復帰を促す操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。メニュ復帰操作が検出された場合(ステップS701:YES)、表示制御部160によりメインメニュが表示される(ステップS702)。尚、既にメインメニュが表示されている場合には、画面部210の表示内容は変化しない。
メニュ復帰操作が無い場合(ステップS701:NO)、待ち受け復帰操作の有無が判定される(ステップS703)。待ち受け復帰操作は、画面部210に待ち受け画面を表示させる操作であり、操作入力部300を介してなされる利用者の操作である。待ち受け復帰操作は、言い換えれば、メインメニュMMの表示を終了すべき旨の利用者の意思を表す操作である。従って、待ち受け復帰操作が検出された場合(ステップS703:YES)、受信BOX処理は終了する。受信BOX処理が終了すると、メインメニュMMの表示は終了し、図4においてメニュ関連処理はステップS203に戻される。待ち受け復帰操作が検出されない場合(ステップS703:NO)、処理はステップS701に戻される。
一方、閲覧関連処理においては、先ずメインメニュ項目M5(即ち、受信BOXに関連するメインメニュ項目)が選択されたか否かが判定される(ステップS704)。メインメニュ項目M5が選択されていない場合(ステップS704:NO)、処理はステップS704で待機状態となる。
メインメニュ項目M5が選択された場合(ステップS704:YES)、画面部210に受信BOXの内容が表示される(ステップS705)。
受信BOXが表示されると、受信BOXに保存されたメール(未読メールも既読メールも含む)の中から、一のメールが選択されたか否かが判定される(ステップS706)。メールの選択がなされていない場合(ステップS706:NO)、処理はステップS706で待機状態とされる。
メールが選択された場合(ステップS706:YES)、選択されたメールに含まれる氏名情報が取得される(ステップS707)。尚、着信したメールのアドレス及び件名のいずれにも氏名情報が含まれていない場合、後述するように、そのメールは共同利用者の全員が(或いは、共同利用者でなくても)閲覧可能なセキュリティフリーのメールとして扱われる。そのようなセキュリティフリーのメールが選択された場合には、メール表示処理が行われ(ステップS711)、画面部にメールの内容が表示される。その後、然るべき操作(例えば、メール閲覧終了に関するサブメニュ項目の選択等)がなされると、処理はステップS705に戻される。
ステップS707において、選択されたメールの宛先(アドレスエリアAadr)又は件名(件名エリアAsub)に氏名情報が含まれる場合、その氏名情報に該当する共同利用者が記憶部400に登録されているか否かが判定される(ステップS708)。一致する共同利用者が存在しない場合(ステップS708:NO)、選択されたメールの内容が表示される(ステップS711)。
一方、一致する共同利用者が存在する場合(ステップS708:YES)、識別情報の入力が要求される。識別情報の入力が要求されると、識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS709)。識別情報が入力されていない間は(ステップS709:NO)、処理はステップS709で待機状態となる。
識別情報が入力されると(ステップS709:YES)、この入力された識別情報(即ち、本発明に係る「受信時入力識別情報」の一例)と、記憶部400に記憶される識別情報のうち、選択されたメールに含まれた氏名情報に対応する識別情報(即ち、本発明に係る「受信識別情報」の一例)とが照合され、相互に一致するか否かが判定される(ステップS710)。
入力された識別情報と選択されたメールに対応する識別情報とが一致しない場合(ステップS710:NO)、選択されたメールの閲覧は許可されず、メールの内容は非表示のまま処理はステップS705に戻される。尚、この際、例えば「認証に失敗しました」、「閲覧が許可されません」或いは「貴方宛のメールではありません」等、メールの閲覧が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
一方、入力された識別情報と選択されたメールに対応する識別情報とが一致する場合(ステップS710:YES)、携帯電話機10の複数の共同利用者のうち、現在携帯電話機10を利用する一の共同利用者に宛てられたメールであるとの判断の下、画面部210に選択されたメールの内容が表示される(ステップS711)。受信BOX処理はこのように実行される。
<新着メール受信処理の詳細>
次に、図16を参照し、待ち受け処理(ステップS800)を構成する一の処理である、新着メール受信処理について説明する。ここに、図16は、新着メール受信処理のフローチャートである。
尚、待ち受け処理には、電話の着信処理や通話処理等、携帯電話機10が有する各種の機能処理が含まれる。ここでは、これら各種機能処理の一つとして、新着メール受信処理を説明する。このため、新着メール受信処理におけるフローチャート上のステップ番号は、便宜的にS800番台となっている。
図16において、先ず新着メールが受信されたか否かが判定される(ステップS801)。この動作は、受信処理部110により行われる。新着メールが無い場合(ステップS801:NO)、処理はステップS801で待機状態となる。
新着メールが有る場合(ステップS801:YES)、その時点で設定されている携帯電話機10の動作モードがユニークユーザモードであるか否かが判定される(ステップS802)。この動作は、例えば情報取得部120の動作として実行される。
その時点の携帯電話機10の動作モードがユニークユーザモードである場合(ステップS802:YES)、情報取得部120により、新着メールの宛名がユニークユーザモードにより優先権を付与された優先利用者であるか否かが判定される(ステップS803)。メールの宛名が優先利用者でない場合(ステップS803:NO)、新着メールはその時点の携帯電話機10の利用者に宛てられたメールではないので、新着メールは、その着信が告知されることなく受信BOXに保存される(ステップS812)。
メールの宛名が優先利用者である場合(ステップS803:YES)、受信処理部110は、例えば上述した着信音設定処理において設定された、優先利用者の着信音パターンを取得し、優先利用者の着信音パターンでメールの着信を告知する(ステップS806)。
一方、現在の動作モードがユニークユーザモードでない場合(ステップS802:NO)、現在の動作モードがマルチユーザモードであるか否かが判定される(ステップS804)。現在の動作モードがマルチユーザモードでない場合(ステップS804:NO)、即ち、通常モードである場合には、新着メールは、受信BOXに保存される(ステップS812)。尚、この場合、着信音設定処理において、通常モード時の着信音パターンが設定されている場合には、当該通常モード時の着信音パターンでメールの着信が告知される。
現在の動作モードがマルチユーザモードである場合(ステップS804:YES)、情報取得部120により、新着メールの宛名がその時点で登録されている共同利用者のいずれかに該当するか否かが判定される(ステップS805)。メールの宛名が共同利用者のいずれにも該当しない場合(ステップS805:NO)、新着メールは携帯電話機10の共同利用者に宛てられたメールではないので、新着メールは、その着信が告知されることなく受信BOXに保存される(ステップS812)。
メールの宛名が共同利用者のいずれかに該当する場合(ステップS805:YES)、受信処理部110は、例えば上述した着信音設定処理において設定された、共同利用者の各々に対応する着信音パターンを取得し、その着信音パターンでメールの着信を告知する(ステップS806)。
設定された着信音パターンに従ってメールの着信が告知されると、メールの開封操作の有無が判定される(ステップS807)。メールの開封操作の有無は、例えば入力処理部150により判定される。メールの開封操作がない場合(ステップS807:NO)、例えば、「OK」や「完了」等、メールの閲覧を所望しない旨の意思表示に対応付けられたサブメニュ項目等が選択されると、メールは受信BOXに保存される。
一方、メールの開封操作がある場合(ステップS807:YES)、識別情報の入力が要求される(ステップS808)。識別情報の入力が要求されると、識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS809)。識別情報が入力されていない間は(ステップS809:NO)、処理はステップS809で待機状態となる。
識別情報が入力されると(ステップS809:YES)、この入力された識別情報(即ち、本発明に係る「受信時入力識別情報」の一例)と、記憶部400に記憶される識別情報のうち、選択されたメールに含まれた氏名情報に対応する識別情報(即ち、本発明に係る「受信識別情報」の一例)とが照合され、相互に一致するか否かが判定される(ステップS810)。
入力された識別情報と選択されたメールに対応する識別情報とが一致しない場合(ステップS810:NO)、選択されたメールの閲覧(開封)は許可されず、メールの内容は非表示のまま処理はステップS812に移行され、メールは受信BOXに保存される。尚、この際、例えば「認証に失敗しました」、「閲覧が許可されません」或いは「貴方宛のメールではありません」等、メールの閲覧が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
入力された識別情報と選択されたメールに対応する識別情報とが一致する場合(ステップS810:YES)、携帯電話機10の複数の共同利用者のうち現在携帯電話機10を利用する一の共同利用者が、開封が要求されたメールの宛先に該当するとの判断の下、画面部210に選択されたメールの内容が表示される(ステップS811)。新着メール受信処理はこのように実行される。
<起動時制御の詳細>
次に、図17を参照し、起動時制御の詳細について説明する。ここに、図17は、起動時制御のフローチャートである。
図17において、表示制御部160により、画面部210に動作モード切り替え画面が表示される(ステップS101)。動作モード切り替え画面としては、図10に例示されたものと同様のものを使用することができる。
動作モード切り替え画面が表示されると、入力処理部150により、動作モードの切り替え操作の有無が判定される(ステップS102)。動作モードの切り替え操作とは、例えば、図10における確認用サブメニュSM3におけるサブメニュ項目SM31の操作を意味する。
動作モードの切り替え操作が無い場合(ステップS102:NO)、入力処理部150により、動作モードの維持操作の有無が判定される(ステップS104)。動作モードの維持操作とは、動作モードを現状の動作モードから変更しない旨を確定させる操作である。即ち、図10における確認用サブメニュSM3において、サブメニュ項目SM32が選択されたこと等を意味する。動作モードの切り替え操作も、動作モードの維持操作も無い場合(ステップS104:NO)、処理はステップS102に戻される。動作モードの維持操作が検出された場合(ステップS104:YES)、処理はステップS111に移行され、選択された動作モードへの動作モードの切り替え(この場合は、維持)が行われる。
一方、動作モードの切り替え操作が検出された場合(ステップS102:YES)、動作モードの選択が完了したか否かが判定される(ステップS103)。即ち、動作モード切り替え用サブメニュSM2における一のサブメニュ項目が選択されたか否かが判定される。動作モードの選択が確定していない場合(ステップS103:NO)、処理はステップS103で待機状態となる。
動作モードの選択が完了すると(ステップS103:YES)、選択された動作モードがマルチユーザモードであるか否かが判定される(ステップS105)。選択された動作モードがマルチユーザモードである場合(ステップS105:YES)、処理はステップS111に移行される。
選択された動作モードがマルチユーザモードでない場合(ステップS105:NO)、選択された動作モードがユニークユーザモードであるか否かが判定される(ステップS106)。選択された動作モードがユニークユーザモードでない場合(ステップS106:NO)、即ち、通常モードである場合、処理はステップS111に移行される。
選択された動作モードがユニークユーザモードである場合(ステップS106:YES)、識別情報の入力が要求される(ステップS107)。その後、係る要求に応じて識別情報が入力されたか否かが判定される(ステップS108)。識別情報が未入力である場合(ステップS108:NO)、処理はステップS107に戻される。
識別情報が入力された場合(ステップS108:YES)、入力された識別情報と一致する識別情報が記憶部400に記憶された識別情報の中に存在するか否かが認証部により検索される。その結果、入力された識別情報と一致する識別情報が存在するか否かが判定される(ステップS109)。一致する識別情報が存在しない場合(ステップS109:NO)、処理はステップS107に戻される。尚、この際、「認証に失敗しました」や、「一致する識別情報が見当たりません」等、ユニークユーザモードの選択が許可されなかった旨を示す情報が、表示制御部160の制御により表示されてもよい。
一方、入力された識別情報と一致する識別情報が存在する場合(ステップS109:YES)、記憶部400に記憶された識別情報のうち、入力された識別情報と一致する識別情報に対応する利用者登録情報が特定され、更に、その利用者登録情報から、氏名情報が取得される。そして、この取得された氏名情報により特定される一の共同利用者が、メール閲覧に関する優先権者として設定される(ステップS110)。最後に、選択された動作モードへの切り替えが実行され(ステップS111)、起動時制御は終了する。
以上説明したように、本実施例における携帯電話機10によれば、動作モードとしてマルチユーザモード又はユニークユーザモードが設定されている場合において、氏名情報が付加された新着メールは、付加された氏名情報に対応する共同利用者以外、閲覧することができない。
従って、一のメールアドレスしか有さぬ携帯電話機10を複数の共同利用者で共同利用する場合において、メールの秘匿性が担保される。
また、ユニークユーザモードでは、優先利用者に宛てられたメール以外は、その着信が告知されないから、優先利用者が、自分宛でないメールの着信に煩わされるといった事態が生じない。従って、あたかも個人所有の如き軽快な操作感を得ることができる。
また、メール送信時においても、識別情報が一致した共同利用者のみ、送信メールの送信元の情報として氏名情報が付加される。従って、送信されるメールの出所に信頼性を付与することができる。
また、着信音設定処理により、共同利用者の各々について個別に着信音を設定することができることから、複数の共同利用者で携帯電話機10を共同利用する構成としても、自身以外の共同利用者に宛てられたメールについては、逐次確認する必要がない。従って、煩わしさが緩和される。
尚、本実施例では、着信音設定処理により共同利用者の各々の着信音が個別に設定され得る構成を示したが、共同利用者の各々に秘匿性の高いメール閲覧を可能とする本願の技術思想によれば、例えば、着信音に限らず、メールの表示内容、表示レイアウト、フォントサイズ、フォント種類、背景の表示方法等が共同利用者の各々について個別に設定可能となっていてもよい。このような処理は、着信音設定処理における着信音の項目を他の要素に置き換えれば容易に実現可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う携帯型情報端末もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。