JP2014203161A - 電極付き表示装置用前面保護板及び表示装置 - Google Patents

電極付き表示装置用前面保護板及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】タッチパネル等の外周部の不透明な配線等を隠す為に設けた遮光層にヒサシが存在してもヒサシ部分を乗り越えて形成する透明電極に断線が生じにくい電極付き表示装置用前面保護板とこれを備えた表示装置を提供とする。【解決手段】電極付き表示装置用前面保護板10は、透光性基板1の面上に遮光層2として少なくとも着色樹脂層3を有し、遮光層は表示用領域A1側の内側に向かってヒサシ2Eを有する。そこで、少なくとも、ヒサシ下側空間Sd及びヒサシ隣接空間Snに、傾斜角θが91?未満でそれ自体はヒサシを持たないヒサシ解消層4を形成して、このヒサシ解消層上に透明電極5を形成することで、ヒサシ部分で透明電極が断線しにくいようにする。これを、液晶表示パネル、ELパネル等の表示パネルと組み合わせて表示装置とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電極付き表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置に関する。特に、本発明は、透明電極の断線が生じにくい電極付き表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)など各種表示装置において、表示パネルと組み合わせて使用される位置入力装置として、タッチパネルが急速に普及してきている。タッチパネルは、以前から、電磁誘導方式、抵抗膜方式など各種方式のものが知られ、各種用途で使用されてきたが、最近その中でも特に注目されてきているのは、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な静電容量方式のタッチパネルである。
図10は、タッチパネル20を備えた表示装置200の一例を模式的に示す図である。図10(a)は分解平面図であり、図10(b)の断面図は図10(a)の分解平面図中で、C−C線で表示装置用前面保護板40を切断したときの表示装置用前面保護板40のみの断面図である。タッチパネル20は、表示パネル30に対して、表示パネル30からの表示光の出光側である表側(紙面で手前側)に配置される。さらに、タッチパネル20の保護の為に、前記表示パネル30からの表示光がタッチパネル20を通過して出光する側であるタッチパネル20の表側に、表示装置用前面保護板40が配置される(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
表示装置用前面保護板40は、通常、図10で例示する様に、その表示用領域A1の外周部が不透明領域A2となっており、不透明領域A2には遮光層42が形成されている。この不透明領域A2によって、表示装置用前面保護板40の裏側に配置されるタッチパネル20が、その外周部に有する配線7やコネクタ等が見えて外観を損ねないようにしている。また、不透明領域A2中には、製品ロゴなどの可視情報、配線、装置の状態を表示する通知窓なども通常設けられ、不透明領域A2は表示装置用前面保護板40の加飾部にもなっている。
表示装置用前面保護板40、タッチパネル20及び表示パネル30の各部材は、これらの部材間に空隙を設けずに樹脂層で埋めて、密着積層することもある。こうすることによって、界面反射による表示光の損失や外光反射を減らして表示を見易くすることができるからである。
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
特開2009−193587号公報 実用新案登録第3153971号公報 特開2008−266473号公報(〔0009〕、〔0030〕、図2)
ところで、表示装置用前面保護板40と他の部材との一体化として、タッチパネルの透明電極を一体化する場合、表示装置用前面保護板40を構成する透光性基板1の面上に、透明電極を形成することになる。このとき、表示用領域A1に形成される透明電極は、不透明領域A2の遮光層42の面上に形成される不透明な配線7に電気的に接続させるために、表示用領域A1から不透明領域A2にわたって形成する必要がある。
したがって、透明電極は、表示用領域A1と不透明領域A2の境界部分で生じる遮光層42の段差を跨いで形成される必要がある。
このとき、遮光層42の段差の形状が、図11(a)の断面図に示すように垂直形状、とりわけ図11(b)の断面図に示すように順テーパー形状の場合には、透明電極5は遮光層2の面上の配線7まで段差を乗り越えて断線なく形成することができる。
しかしながら、遮光層42の段差の形状に、図11(c)3の断面図に示すようにヒサシ42Eが存在すると、スパッタなどの気相成長法で形成される透明電極5は、ヒサシ42Eに邪魔されて、ヒサシ42Eの直下の部分の面には形成されない。このため、ヒサシ42Eの部分の透明電極5に図中符号Eで示す断線が発生し、透明電極5は表示用領域A1から不透明領域A2の部分までヒサシ42Eを乗り越えて連続して形成することができない。とくに、遮光層42が白色の場合は遮光性が出しにくいので、遮光層42の厚みが30μm以上となることがあるため、ヒサシ42Eも大きくなり、透明電極5がヒサシ部分を断線なく乗り越えることが極めて困難となる。
そこで、本発明の課題は、遮光層にヒサシが存在してもヒサシ部分で透明電極の断線が生じにくい電極付き表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置を提供することである。
本発明では、次の様な構成の電極付き表示装置用前面保護板、及び表示装置とした。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、前記表示用領域から前記不透明領域にわたって透明電極を有する、電極付き表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、
前記透光性基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上において前記不透明領域に設けられ、着色顔料を樹脂バインダ中に含む着色樹脂層を一構成層として含む遮光層と、
前記透光性基板の一方の面上であって、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられた透明電極と、を有し、
前記遮光層は、少なくとも前記着色樹脂層の部分に、前記表示用領域側に向かって突き出し前記透光性基板側に空間を生成するヒサシを有し、

前記一方の面に平行な方向を水平方向とし、
前記一方の面に立てた垂線に平行な方向を垂直方向とし、
前記垂線を含む面を断面とし、当該断面において、
前記垂直方向で前記透光性基板に対して前記遮光層が形成された側を上側とし、当該上側の反対側を下側とし、
前記水平方向で前記ヒサシが前記表示用領域側に向かって突き出した方向を外側とし、当該外側の反対側を内側とし、
前記一方の面に平行な面と注目する物体の表面とがなす角度について、前記上側で前記内側から前記外側に向かって測った角度を傾斜角θとして、
前記ヒサシの先端の部分であって当該部分に下側で接続する面の傾斜角θが90°以上であり且つ当該部分に上側で接続する面の傾斜角θが90°未満である部分を前記ヒサシの先端Poutとし、
前記先端Poutよりも内側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ下側空間Sdとし、
前記先端Poutよりも外側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ隣接空間Snとするときに、

さらに、前記ヒサシ下側空間Sd及び前記ヒサシ隣接空間Snに少なくとも存在し、少なくとも前記先端Poutよりも前記外側で前記透明電極が形成される透明電極形成面を傾斜角θが90°未満の面とするヒサシ解消層を有し、
前記透明電極は、少なくとも前記先端Poutよりも前記外側での前記ヒサシ解消層の部分では、前記透明電極形成面の面上に形成されている、
電極付き表示装置用前面保護板。
(2)前記着色樹脂層が前記着色顔料として白色顔料を含み、白色系の色を呈する、前記(1)の電極付き表示装置用前面保護板。
(3)前記(1)又は(2)の電極付き表示装置用前面保護板と、表示パネルとを備えた、表示装置。
本発明の電極付き表示装置用前面保護板によれば、遮光層にヒサシが存在してもヒサシ部分で透明電極の断線を生じにくくできる。
本発明の表示装置によれば、それが備える電極付き表示装置用前面保護板が、前記効果を有する。
本発明による電極付き表示装置用前面保護板の一実施形態を模式的に示す部分拡大断面図(a)と、ヒサシ及びヒサシ解消層を説明する断面図(b)。 ヒサシとヒサシに関連する空間を説明する断面図。 傾斜角θを説明する断面図。 ヒサシに適用したヒサシ解消層の一例を電子顕微鏡写真で示す断面図。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板における透明電極の一例を説明する平面図。 図5の透明電極の交差部の一例を説明する断面図。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の別の実施形態(裏打ち層併用)を模式的に示す部分拡大断面図。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の変形形態(半透過構造の通知窓)を例示する部分拡大断面図。 本発明による表示装置の一実施形態を模式的に説明する断面図。 (従来の)表示装置用前面保護板と表示装置の一例を示す分解平面図(a)と、分解平面図中C−C線での表示装置用前面保護板の断面図(b)。 従来、表示装置用前面保護板に透明電極を一体化する際に生じる断線を説明する断面図であり(a)及び(b)は断線無し、(c)はヒサシによる断線有りを示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔A〕用語の定義:
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「表側」とは、電極付き表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、電極付き表示装置用前面保護板を表示パネルと組み合わせて使用したときに、表示パネルからの表示光が出光する側であり、表示パネルの表示を観察する側を意味する。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、電極付き表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、表示パネルの表示光が入光する側を意味する。
「第1面」と「第2面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは任意である。本明細書においては、遮光層2を必ず有する側の面を「第2面」と呼ぶことにしており、この第2面が裏側の面となる。
また、この第2面を「一方の面」としている。
「断面」とは、透光性基板の一方の面に立てた垂線を含む面を意味する。
「水平方向」とは、透光性基板の一方の面に平行な方向を意味する。
「垂直方向」とは、透光性基板の一方の面に立てた垂線に平行な方向を意味する。
以下の用語は「断面」における用語である。
「上側」とは、「垂直方向」で透光性基板に対して遮光層が形成された側を意味する。
「下側」とは、「上側」の反対側を意味する。
「外側」とは、「水平方向」で遮光層のヒサシが表示用領域側に向かって突き出した方向を意味する。
「内側」とは、「外側」の反対側を意味する。
「傾斜角θ」とは、透光性基板の一方の面に平行な面と注目する物体面がなす角度について、「上側」で「内側」から「外側」に向かって測った角度を意味する。
「先端Pout」とは、ヒサシの先端の部分であって当該部分に下側で接続する面の傾斜角θが90°以上であり且つ当該部分に上側で接続する面の傾斜角θが90°未満である部分を意味する。
「ヒサシ下側空間Sd」とは、先端Poutよりも内側で且つ下側の領域に対応する空間を意味する。
「ヒサシ隣接空間Sn」とは、先端Poutよりも外側で且つ下側の領域に対応する空間を意味する。
「ヒサシ2E」が上側と下側に複数あるときは、先端Poutも複数となるが、ヒサシ解消層4の形成部分の基準となる先端Poutは、最も上側の先端Poutとする。
さらに、
「下端Pd」とは、先端Poutから下側に降ろした垂線が物体表面に当たる部分を意味する。
「後端Pin」とは、先端Pout及び下端Pdを両端とする線分よりも内側で、遮光層の表面が最も内側となる部分を意味する。
「ヒサシ2E」とは、ヒサシ2Eが一つであるときは、後端Pinの外側で先端Poutの内側の部分である。
〔B〕電極付き表示装置用前面保護板:
以下、本発明による電極付き表示装置用前面保護板を説明する。
《第1の実施形態》
図1及び図2の部分拡大断面図並びに図4の平面図を参照して、本発明による電極付き表示装置用前面保護板の第1の実施形態例を説明する。本実施形態においては、透明電極5の他にさらに配線7も有し、これらの透明電極5及び配線7は、いずれもタッチパネル用のものである。透明電極5は、投影型静電容量方式のタッチパネル用として形成されている例である。
図1及び図4に示す本実施形態の電極付き表示装置用前面保護板10は、中央の表示用領域A1と、この表示用領域A1の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域A2とを有する。本実施形態における電極付き表示装置用前面保護板10は、透光性基板1と、この透光性基板1の第1面S1とこの第1面S1とは反対側の第2面S2との2面のうちの、第2面S2において、不透明領域A2に設けられる遮光層2として着色樹脂層3が設けられ、本実施形態においては、この着色樹脂層3により遮光層2は白色系の色を呈する。
本実施形態においては、遮光層2は透光性基板1の第2面S2上に設けられ、この第2面S2を裏側にして、第1面S1は表示用領域A1を透して見る画像表示パネルの観察者V側に向けて用いられることを、想定した形態である。
着色樹脂層3は、着色顔料として少なくとも着色顔料を、硬化性樹脂として感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む。
着色樹脂層3は、着色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む着色感光性樹脂組成物を透光性基板1上に塗布し、フォトリソグラフィ法によってパターニングすることで形成されている。
本実施形態においては、着色樹脂層3は着色顔料として白色顔料を含み、白色系の色を呈するようになっている。
こうして、本実施形態では、遮光層2は着色樹脂層3によって白色系の色として白色を意匠表現しつつ、遮光性も確保した層となっている。このため、遮光層2は、配線7などを隠す機能以外に、電極付き表示装置用前面保護板10を加飾する加飾層となっている。
遮光層2はヒサシ2Eを有する。ヒサシ2Eは、遮光層2に対して表示用領域A1側である外側に突き出し、しかもヒサシ2Eの透光性基板1側である下側は遮光層2の層の一部が欠落している。
したがって、このままでは、表示用領域A1から不透明領域A2の遮光層2の面上に亘って、ヒサシ2Eを乗り越えて断線なく透明電極5を形成することができない。そこで、本実施形態においては、透明電極5が形成されるべき部分のうちヒサシ2Eの周囲の透明電極形成面には、ヒサシ形状が存在しないように傾斜角θを90°未満とした、ヒサシ解消層4が形成されている。
具体的には、ヒサシ解消層4は、着色樹脂層3からなる遮光層2が形成された後の透光性基板1の一方の面である第2面S2の面上に、表示用領域A1ではそのうち不透明領域A2側の一部の領域に透光性基板1の面に形成され、不透明領域A2では遮光層2の面に形成し、ヒサシ2Eの下側の空間となるヒサシ下側空間Sdを埋めるように形成されている。
表示用領域A1においてヒサシ解消層4が形成されている部分は、本実施形態においては、遮光層2か形成された不透明領域A2に隣接する外周部であり、遮光層2の厚み以上の幅であり、ヒサシ2Eの先端Poutから表示用領域A1側に向かう先端近傍のみ形成されており、この先端近傍の幅は1000μmとなっている。したがって、表示用領域A1の中央部を含むほとんどの領域にはヒサシ解消層4が形成されていない。
さらに、不透明領域A2では遮光層2の面の全面に形成されたヒサシ解消層4の面上に、それ自体が不透明な配線7と、この配線7に電気的に接続する様に表示用領域A1から延びるタッチパネルの位置検知用の透明電極5が形成されている。
以上のような構成とすることで、本実施形態における電極付き表示装置用前面保護板10では、遮光層2にヒサシ2Eが存在してもヒサシ解消層4によって、ヒサシ部分で透明電極5の断線を生じにくくできる。
また、着色樹脂層形成陽組成物など遮光層2を構成する組成物について、ポストベークによってヒサシ2Eを有する逆テーパー形状を、ヒサシ2Eを有さない順テーパー形状にし易いように組成物内容を調整する必要がないため、遮光層2として要求される各種物性を最適化しやすいという利点も得られる。
さらに、タッチパネル機能も備えており、部品点数の削減、軽量化にも効果的である。
本発明においては、本第1の実施形態を含め、電極付き表示装置用前面保護板10は透明電極5を備えている。透明電極5は、本実施形態ではタッチパネル用のものであるので、本実施形態においては、電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用基板を兼用した形態となっている。こうした、タッチパネル機能との一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分に応じた部品点数の低減、薄型化の効果は得られ、また、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化する形態では、さらなる部品点数の低減効果が得られる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔表示用領域A1と不透明領域A2〕
電極付き表示装置用前面保護板10は、図5の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、電極付き表示装置用前面保護板10を表示パネルに適用したときに、電極付き表示装置用前面保護板10を透して、表示パネルが表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、不透明な、配線7やコネクタなどを隠したり、或いは、表示パネルが外周部に有する配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、それが表現する色、適宜設けるロゴやマークなどの可視情報によって加飾部にもなる領域である。
〔透光性基板1〕
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、電極付き表示装置用前面保護板10を適用する表示パネルに対して、表面を保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、代表的にはガラス板を用いることができる。とくに、前記ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代えるなどイオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスである。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、前記樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
透光性基板1には、ガラスと樹脂との積層体を用いることもできる。
〔遮光層2〕
本実施形態における遮光層2は、透光性基板1の表示パネル側とする裏側の第2面S2の不透明領域A2の部分に形成されている。遮光層2は、不透明領域A2中の全領域に設けられている。逆に言えば、この遮光層2によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成される。
本実施形態においては、遮光層2は、透光性基板1の第1面S1と第2面S2のうちの一方の面として第2面S2の面の、不透明領域A2に形成される。
遮光層2は、タッチパネルとしての中央の位置検知領域に対して、その外周部に有する配線7や制御回路、或いは表示パネルがその中央の表示領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路などを隠して、目視不能にして、表示パネルと組み合わされた表示装置において、外観を損なわないようにする機能を有する。
遮光層2は、不要な部品を隠すための遮光性と共に、外観意匠を向上させる機能も有する。つまり、本発明においては、白色系など任意の色の意匠を表現する加飾層としての機能も有する。
遮光層2の遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、透過率で言えば大きくても3%以下(光学濃度ODにて1.5以上)、より好ましくは透過率で1%以下(光学濃度OD2.0以上)、さらに好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。
遮光層2は、少なくとも着色樹脂層3から構成される。本実施形態においては、遮光層2は着色樹脂層3からなる。遮光層2を構成する着色樹脂層3以外の他の構成層としては、後述する裏打ち層8がある。
こうした着色樹脂層3、さらに適宜裏打ち層8を含み得る遮光層2は、ヒサシ2Eを有する。
本実施形態においては、具体的には着色樹脂層3がヒサシ2Eを有する。
[ヒサシ2E]
図1、図2及び図3の断面図を参照して、ヒサシ2Eをさらに説明する。
ヒサシ2Eとは、平易に言えば、遮光層2の側面のうち遮光層2の形成面から遠い部分が形成面に平行に突き出した結果、遮光層2の形成面近い部分は遮光層2の実体がない部分である。
ヒサシ2Eは、着色樹脂層3において、単位厚み当たりの遮光性が小さい白色など白色系の色の場合に、とりわけ、少しでも遮光性を増すために、着色顔料の含有量を増やした結果、フォトリソグラフィ法で露光、現像後のポストベーク時に加熱による流動性が低下することで、逆テーパー形状を順テーパー形状にできなくなるときに、発生しやすい。
実際のヒサシ2Eの断面形状は、図1(b)の断面図で示すように、直線のみからなる
形状となることはないが、先ずは、模式図でもあり形状が単純な図1(b)を参照して、ヒサシ2Eについて説明する。
ヒサシ2Eについて、ヒサシ2Eの先端の部分であって当該部分に下側で接続する面の傾斜角θが90°以上であり且つ当該部分に上側で接続する面の傾斜角θが90°未満である部分を先端Poutとする。さらに、先端Poutから下側に降ろした垂線が物体表面に当たる部分を下端Pdとする。
ヒサシ2Eと関連する空間について、先端Poutよりも内側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ下側空間Sdとし、先端Poutよりも外側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ隣接空間Snとする。
ヒサシ2Eの付け根は、後端Pinである。このため、図1(b)では、水平方向で後端Pinから先端Poutまでの遮光層2の部分がヒサシ2Eとなる。
表示用領域A1と不透明領域A2との境界は、同図の場合では、水平方向で先端Poutの部分であるが、遮光層2の先端Pout近傍での遮光性が不透明領域A2として充分でないときは、要求される遮光性が満たせる部分までが不透明領域A2となり、表示用領域A1と不透明領域A2との境界は、先端Poutと後端Pinとの間に位置することになる。
次に、ヒサシ2Eについて、図2(a)、図2(b)、及び図2(c)の断面図を参照して、説明する。
先ず、図2(a)を説明する。先ず、図2(a)が図1(b)と大きく異なるのは、先端Poutの位置が遮光層2の層として最も上側ではないことと、下端Pdが透光性基板1の面にではなく、遮光層2それ自体の面となることである。とりわけ前者の形状は、通常生成し得る形状である。
こうした形状のヒサシ2Eのときは、とくに、ヒサシ隣接空間Snの領域が図1(b)の場合と異なってくる。ヒサシ解消層4は、最低限、ヒサシ隣接空間Snにおいて、先端Poutまで存在すればよいのであって、こはれ、遮光層2の最も上側の面上にまで存在しなくてもよいことを意味する。
次に、先端Poutが垂れ下がったような形状をしている図2(b)に関連して、傾斜角θの定義を、図3の断面図を参照して、より詳しく説明する。
傾斜角θは、同図に示すようにヒサシ2Eの下側の面では、180°となることもあり、180°を超えることもある。
これは、傾斜角θを捉える面が、上側を向いた面に対して下側を向いた面を区別するために、傾斜角θは、透光性基板1の一方の面に平行な面と注目する物体面がなす角度について、「上側」で「内側」から「外側」に向かって測った角度として定義されるからである。傾斜角θは、同図では時計周りで測った角度であるが、逆に図示はしないが、ヒサシ2Eに対して外側が断面図で左側となり、外側と内側が図面で逆になるときは、半時計回りで測った角度となる。
図2(b)のように、ヒサシ2Eの先端部分に垂直方向に平行な垂直面があるとき、先端Poutは、同図のように垂直面の上側の部分とする。つまり、先端Poutとは、ヒサシ2Eの先端の部分であって当該部分に下側で接続する面の傾斜角θが90°以上であり且つ当該部分に上側で接続する面の傾斜角θが90°未満である部分を意味する。
仮に、垂直面の下側の部分を先端Poutとし、この先端Poutまでヒサシ解消層4が形成されるとき、透明電極5はヒサシ2Eの先端部分の垂直面にも形成される必要がある。こうなると、垂直面も含めて、表示用領域A1から不透明領域A2の遮光層2の面上まで、透明電極5を安定的に断線なく形成することが難しくなる。よって、先端Poutの定義は上記のようになっている。
本発明においては、図2(c)のように、ヒサシ2Eが上側と下側に複数あるときは、先端Poutも複数となるが、ヒサシ解消層4の形成部分の基準となる先端Poutは、最も上側の先端Poutとすればよい。
上下にヒサシ2Eが複数存在するとき、これらを纏めて、同図の場合で言えば、最も内側の後端Pinよりも外側で最も外側の先端Poutよりも内側の部分をヒサシ2Eと捉えてもよい。
[着色樹脂層3]
着色樹脂層3は、白色系の色など任意の色を表現する為の着色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層として形成することができる。
本実施形態においては、着色樹脂層3は、白色系の色を表現するために着色顔料として白色顔料を用い、白色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層からなる。
着色樹脂層3の形成は、着色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む着色感光性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布した後、所定のパターンで露光し、現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法により形成することができる。本実施形態においては、着色樹脂層3はフォトリソグラフィ法によって形成されている。
着色樹脂層3の厚みは、表現する色にもよるが、例えば1〜40μmである。裏打ち層8がある場合は、裏打ち層8で遮光性を出せるため、着色樹脂層3の厚みは表現する色にもよるが、例えば1〜20μmである。
本実施形態においては、裏打ち層8なしで、着色樹脂層3のみで白色系の色を表現するため、白色系の色では遮光性を出しにくいので、着色樹脂層3の厚みは、30μmとなっている。
(着色顔料)
遮光層2に用いる着色顔料としては、遮光層2で表現する色に応じたものを用いればよく、特に制限はない。例えば、着色顔料としては、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料などを用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いてもよいし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いてもよい。
前記白色顔料には、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
本実施形態においては、着色顔料として白色顔料をも用いている。
前記黒色顔料には、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)、カーボンブラックなどを用いることができる。
前記赤色顔料には、例えば、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、ペリレン系などの赤色顔料を用いることができ、前記黄色顔料には、例えば、イソインドリン系、アントラキノン系などの黄色顔料を用いることができ、前記青色顔料には、例えば、銅フタロシアニン系、アントラキノン系などの青色顔料を用いることができ、前記緑色顔料には、例えば、フタロシアニン系、イソインドリン系などの緑色顔料を用いることができ、前記紫色顔料には、キナクリドン系の紫色顔料を用いることができる。
前記着色顔料の含有量は、着色樹脂層3を含む遮光層2で表現する色にもよるが、着色顔料及び樹脂バインダを含む着色樹脂層3の全固形分量に対する着色顔料の量の百分率で表した顔料濃度で、例えば、10〜80%である。
(感光性樹脂)
感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基などの光反応性基を有する感光性樹脂の1種以上を用いることができる。前記アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤などからなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。
前記アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体などのメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレートなどのカルド樹脂、などを1種以上用いることができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
前記光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系などを1種以上用いることができる。
遮光層2の樹脂バインダとしては、この他、溶剤、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
(着色樹脂層3の形成)
着色樹脂層3の形成は、フォトリソグラフィ法によって形成できることは既に述べたが、着色顔料と感光性樹脂の未硬化物を含む着色感光性樹脂組成物、或いは、前記着色顔料、前記感光性樹脂の未硬化物としては、従来、カラーフィルタ用途として調整された着色レジスト用の材料を用いてもよい。
着色感光性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布する方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法などの公知の塗工法によることができる。
着色感光性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベークなどの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの着色樹脂層3を形成することができる。
(着色樹脂層3による表現色)
着色樹脂層3による表現色は、単位厚み当たりの遮光性が不足気味になる結果、厚みが厚くなってヒサシ2Eが大きくなり、ヒサシ部分での透明電極5の断線が生じやすくなると言う点では、代表的には白色系の色であるが、特に制限はない。例えば、青色、緑色、赤色、茶色、橙色、或いは、黒色系(例えば透明な黒、灰色など)の色でもよい。
((白色系の色とは))
本発明において、白色系の色を呈するとは、純粋な白色(純白)以外に、アイボリー色、ベージュ色、赤みの白である赤白色(薄いピンク色)、黄みの白である黄白色、青みの白である青白色、緑みの白である緑白色、紫みの白である紫白色、茶色みの白である茶白色、黒みの白である灰色(ライトグレー)、銀色みの白である銀白色、金色みの白である金白色などの、有彩色で白っぽい色、及び無彩色で白っぽい色、も含む。
こうした白色系の色を、数値的に示せば、各種表色系を用いて定義することができる。なかでも慣用的な表色系の1種であるマンセル表色系(JIS Z 8721)によって示せば、本発明において白色系の色とは、マンセル表色系において、明度が8.0以上で、且つ彩度が2.0以下の色であると、定義することができる。白色系の色の色相については、どんな色味でも構わない。
なお、マンセル表色系では、全ての色を、明度と、彩度と、色相の三属性によって表現する。この明度は、マンセル表色系では、最も明るい理想的な白を10とし、最も暗い理想的な黒を0とする。本発明においては、白色系の色は、明度は小さくても8とし、8.0以上とすることができる。また、マンセル表色系では、彩度は、無彩色を0とし、色が濃くなるほど値か大きくなり、最大値は明度と色相によって変わるが最大で14である。白色系の色とは、白っぽい色であるので、彩度は最大でも2として、2.0以下とすることができる。
マンセル表色系の前記三属性は、市販の分光測色計、分光光度計などによって測定することができる。
白色系の色の中でも、とりわけ白っぽい色は、マンセル表色系によって表現すれば、明度においては9.0以上の色、彩度においては1.0以下の色であり、さらに白っぽい色は、明度が9.0以上で且つ彩度が1.0以下の色である。
ヒサシ2Eによる透明電極5の断線を生じにくくできると言う本発明の効果がより活かされる白色系の色は、より単位厚さ当たりの遮光性を出しにくい色であり具体的には、より白っぽい色ということになる。これを、マンセル表色系によって表現すれば、明度においては9.0以上の色の場合、彩度においては1.0以下の色の場合により効果的であり、さらに、明度が9.0以上で且つ彩度が1.0以下の色の場合が、より効果的である。
〔ヒサシ解消層4〕
ヒサシ解消層4は、ヒサシ下側空間Sd及びヒサシ隣接空間Snに少なくとも存在し、少なくともヒサシ2Eの先端Poutよりも外側で透明電極5が形成される透明電極形成面を傾斜角θが90°未満の面とする層である。ヒサシ解消層4による透明電極形成面の傾斜角θが90°未満であることから、この透明電極形成面にはヒサシ形状が存在しない。
図1(b)の断面図では、一点鎖線でヒサシ解消層4による透明電極形成面を示すとともに、透明電極形成面の傾斜角θを示してある。このヒサシ解消層4は、遮光層2の面上にまでは形成されていない場合である。
ヒサシ解消層4は、透明であることが好ましい。ヒサシ解消層4が透明であれば、表示用領域A1内に形成されていても、表示に支障を来たさないからである。このため、本発明においては、ヒサシ解消層4は表示用領域A1の全面に形成することも可能である。
ヒサシ部分での透明電極5の断線を生じにくくするという観点らは、水平方向において、表示用領域A1での透光性基板1の面上からヒサシ2Eの先端Poutまでの透明電極形成面をヒサシ形状がなく、さらに好ましくは垂直面のない傾斜面とすればよい。したがって、ヒサシ解消層4は最低限、ヒサシ隣接空間Snにのみ存在すればよいことになる。ただ、ヒサシ解消層4をヒサシ下側空間Sdにも存在させることで、ヒサシ隣接空間Snに存在するヒサシ解消層4による透明電極形成面を安定的に90°未満の傾斜角θでヒサシ形状が存在しない面とすることができる。
これは、ヒサシ隣接空間Snに透光性基板1が面する場合で言えば、透光性基板1の面上に、ヒサシ解消層4を形成するためのヒサシ解消層形成用組成物を塗布してヒサシ解消層4を、遮光層2の厚みよりも薄い、或いは、ヒサシ2Eの高さよりも低い層として形成するときに、この組成物のヒサシ隣接空間Snへの毛細管現象を利用して、ヒサシ隣接空間Snに形成される光拡散層2の面にヒサシBの先端Poutに至る面に傾斜角θが90°未満でなだらかな山麓形状でヒサシ形状のない透明電極形成面を形成できるからである。毛細管現象によって、ヒサシ2Eから離れた位置にあるヒサシ解消層4の厚みよりも厚く高い位置にあるヒサシ2Eの先端Poutまでを、厚みが徐々に連続的に変化し厚くなり、傾斜角θは徐々に連続的に大きくなる透明電極形成面を形成できる。
このため、ヒサシ解消層4は、ヒサシ下側空間Sdのなかの全空間に必ずしも存在する必要はなく、ヒサシ下側空間Sdには空隙が存在してもよい。空隙は、毛細管現象によってヒサシ解消層形成用組成物が、ヒサシ下側空間Sdに進入するときに、当該組成物と置換しきれなかった空気が残ると生じ得る。
本発明においては、ヒサシ解消層4がヒサシ下側空間Sdに存在するという意味は、ヒサシ下側空間Sdに空隙を含んでいてもよいことを意味する。
ヒサシ解消層4は、少なくともヒサシ2Eの先端Poutから外側の部分に形成され、先端Poutから外側の部分の全域の表示用領域A1に形成されていてもよいが、表示用領域A1のうち先端Pout近傍から内側に向かって先端Poutに至るまでの透明電極形成面を傾斜角θが90°未満の斜面にできればよい。
本実施形態においては、ヒサシ隣接空間Snにおいては、ヒサシ解消層4は先端Pout近傍から先端Poutに至るまで形成されている。
先端近傍とは、先端Poutから水平方向で好ましくは遮光層2の厚み以上の距離までの部分、より具体的には先端Poutから水平方向で好ましくは先端Poutの高さ以上の寸法に該当する距離までの部分であり、例えば、先端Poutから外側に100〜2000μmの部分とすることができる。
ヒサシ解消層4は、ヒサシ2Eの内側において、ヒサシ下側空間Sd以外に、先端Poutの上側となる部分、つまり遮光層2の面上に形成されていてもよい。
本実施形態においては、ヒサシ解消層4は遮光層2の面上にも形成されている。ヒサシ解消層4を遮光層2の面上の全面に形成することで、遮光層2の面上に形成される透明電極5や配線7は、遮光層2の面上でもヒサシ解消層4の面上でその領域内に形成することができる。
ヒサシ解消層4の厚みは、遮光層2の厚み未満である。ヒサシ解消層4における透明電極形成面の傾斜角θが90°未満であるので、ヒサシ解消層4の厚みは必然的に遮光層2の厚み未満となる。ヒサシ2Eを乗り越えて透明電極5を形成することが可能となる透明電極形成面は、ヒサシ解消層4が遮光層2の厚み未満であっても、ヒサシ解消層形成用組成物のヒサシ下側空間Sdへの毛細管現象を利用することで生成される。
このため、ヒサシ解消層4の厚みとして、ヒサシ2Eの先端Poutから外側に離れた部分での厚みは、遮光層2の厚みとヒサシ2Eの高さが等しいと仮定した場合であっても、遮光層2の厚みが例えば25μmのとき、通常1/10以下、最大でも1/5以下の厚み、例えば2〜3μm程度でよい。但し、厚みが薄すぎると、毛細管現象によってしても、ヒサシ解消層4による透明電極形成面を、ヒサシ2Eの先端Poutの部分まで上昇させることができない。逆に、ヒサシ解消層4の厚みが遮光層2の厚み以上であるならば、単なる平坦化層とかわらない。本発明によるヒサシ解消層4は、平坦化層よりも少ない材料で、つまり低コストで、ヒサシ部分での透明電極5を断線しにくくできる透明電極形成面を形成することができる。
このヒサシ解消層4の厚みとは、仮に毛細管現象が生じる部分がない平面に形成したときの厚みのことを意味する。或いは、ヒサシ2Eの先端Poutから外側に、毛細管現象による局所的な厚みの増大が生じない部分として、遮光層2の厚みの10倍以上、遮光層2から離れた部分での厚みで捉えてもよい。
ヒサシ解消層4は、ヒサシ解消層形成用組成物によってフォトリソグラフィ法を利用して樹脂層として形成することができる。ヒサシ解消層形成用組成物としては、遮光層形成用組成物として述べた着色感光性樹脂組成物から、着色顔料を除いた残りの透明感光性樹脂組成物を用いることができる。
本実施形態においては、ヒサシ解消層4は、透明感光性樹脂組成物として透明レジストを透光性基板1の面上の全面に塗布した後、露光、現像などを行うフォトリソグラフィ法によって透明感光性樹脂組成物の硬化物層として形成されている。
ここで、図4は、ヒサシ2Eに適用したヒサシ解消層4の一例を示す電子顕微鏡写真による断面図である。同図より、透明電極5の形成前の状態であるが、ヒサシ解消層4によって、ヒサシ部分に対してなだらかな山麓形状で傾斜角90°未満の透明電極形成面が得られていることが判る。なお、同図では、はっきりしないが、ヒサシ解消層4は遮光層2の面上にも薄く形成されている。
なお、本発明においては、ヒサシ解消層4は表示用領域A1の全面に形成されていてもよい。表示用領域A1の全面にヒサシ解消層4を形成すると、表示用領域A1内でヒサシ解消層4による段差を乗り越えて透明電極5を形成しないで済ませることができる。
〔透明電極5〕
図5は、とくに透明電極5のパターンを示す平面図である。
透明電極5は、本実施形態においては、互いに絶縁されて形成される第1透明電極5a及び第2透明電極5bから構成される。
第1透明電極5a、第2透明電極5bは、本実施形態においては同じ材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「透明電極5」とも呼ぶ。
本実施形態では、タッチパネルの位置検知用の透明電極5として、第1透明電極5aと、第2透明電極5bとを、ともに同一の面上に形成するタッチパネル構造を採用している。すなわち、第1透明電極5a及び第2透明電極5bは、透光性基板1の同一の面である第2面S2の面上に形成される。
第1透明電極5a及び第2透明電極5bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1透明電極5aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、第2透明電極5bが第2の方向に延びたパターンとなっている。また、本実施形態においても、図5の平面図で示すように、同様である。
図6(a)は、第1透明電極5aと第2透明電極5bとの交差部分を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)中、C−C線での断面図である。
第1透明電極5aと第2透明電極5bとの交差部分は、互いに絶縁層6によって絶縁されている。絶縁層6は、少なくとも前記第1透明電極5aと第2透明電極5bとの交差部分に必要となる。
第1透明電極5aと第2透明電極5bとのうち一方の電極のみ、同図の場合は具体的には第1透明電極5aのみ、他方の電極との交差部分が欠損したパターンで同一の面に同時に形成した後、交差部分のみ絶縁層6を形成し、この後、絶縁層6を跨いで、欠損部分を電気的に接続する接続部5aCが透明電極5aの一部として形成されている。
図1(a)の断面図で言えば、前記交差部分は、透光性基板1に近い側の透明電極5が、第1透明電極5aであるので、第1透明電極5aが形成された後の交差部分に対して絶縁層6が形成され、交差部分を跨いで接続部5aCが形成されて第2透明電極5bが完成する。
そして、第1透明電極5a及び第2透明電極5bからなる透明電極5は、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の遮光層2に重なる部分まで延びて配線7に電気的に接続されている。
しかも、透明電極5は遮光層2のヒサシ部分はヒサシ解消層4の面上に形成されることでヒサシ部分を乗り越えて形成されているので、ヒサシ部分で断線せずに配線7に接続されている。
本実施形態においては、透明電極5には、層自体が透明である透明導電体膜が用いられる。透明導電体膜からなる透明電極5としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、AlZnO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)、InGaZnO(Indium Garium Zinc Oxide;インジウムガリウム亜鉛酸化物)等の透明導電体膜をパターン形成したものを用いることができる。
〔絶縁層6〕
絶縁層6には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、絶縁層6に樹脂を用いる場合には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、着色樹脂層3で述べた感光性樹脂などを用いることができる。感光性樹脂の場合は、フォトリソグラフィ法を利用して形成することができる。
また、絶縁層6には、酸化ケイ素などの無機材料を用いることもできる。
〔配線7〕
配線7には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線7には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線7は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターン形成することができる。
配線7には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、配線7は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層としてフォトリソグラフィ法を利用して形成されている。
本発明においては、配線7の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
〔製造方法〕
本実施形態の電極付き表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に、遮光層2となる着色樹脂層3をパターン形成する。着色樹脂層3のパターン形成は、ネガ型着色レジストを用いてフォトリソグラフィ法によって行い、ネガ型着色レジストの硬化物層として着色樹脂層3を形成する。
次に、ヒサシ解消層4を形成する。次に、ヒサシ解消層4の面上で不透明領域A2である遮光層2の部分に、配線7をパターン形成する。次に、表示用領域A1から不透明領域A2にかけて透光性基板1の面上及び遮光層2の面上に形成されたヒサシ解消層4の面上に、透明電極5をパターン形成する。このとき、透明電極5は、ヒサシ解消層4の面上に形成された配線7上に接して形成されるようにパターン形成する。
次に、透明電極5の交差部分には絶縁層6をパターン形成し、この絶縁層6を跨いで、透明電極5の欠損部分をパターン形成して接続部5aCを形成して透明電極5の全体を完成させる。こうして、タッチパネル機能を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10が作成される。
《第2の実施形態:裏打ち層8》
図7の部分拡大断面図を参照して、本発明による電極付き表示装置用前面保護板の第2の実施形態例を説明する。
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)遮光層2がその構成層として着色樹脂層3の上側にさらに裏打ち層8も有する点。
b)ヒサシ解消層4は、遮光層2の部分では裏打ち層8の面上に形成されている点。
〔裏打ち層8〕
本発明においては、図7で例示するように、遮光層2はその構成層として、着色樹脂層3の上側(上側とは裏側でもある)に、裏打ち層8を有することができる。この場合、遮光層2は、透光性基板1側から順に、着色樹脂層3と裏打ち層8とから構成される。
裏打ち層8は、着色樹脂層3のみでは遮光性が不足するときに、その遮光性を補うことができる。また、裏打ち層8は、着色樹脂層3と裏打ち層8とによって遮光層2の意匠を表現こともできる。
本実施形態では、遮光層2は着色樹脂層3によって白色系の色として白色を意匠表現しつつ、遮光性も確保した層となっている。
この結果、着色樹脂層3の厚みは20μmとなっている。
裏打ち層8は、本実施形態においては、黒色樹脂層として形成されており、この黒色樹脂層は、着色樹脂層3が含む白色顔料を黒色顔料に代えた黒色樹脂組成物によって、着色樹脂層3と同様にして形成されている。
裏打ち層8は、本実施形態においては、図7の断面図で示すように、ヒサシ2Eを有さないが、本発明においては、裏打ち層8もヒサシ2Eを有していてもよい。
裏打ち層8は、着色された樹脂層として形成される場合でも、通常は、ヒサシ2Eが生じやすい白色系の色とすることは稀なので、ポストベークによって順テーパー形状に容易にすることが可能なため、裏打ち層8にヒサシ2Eは通常は生じない。
ただ、本発明においては、裏打ち層8にもヒサシ2Eが存在する場合は、裏打ち層8も含めて、遮光層2として最も上側の先端点Poutを基準にヒサシ解消層4を形成することになる。
裏打ち層8は、着色樹脂層3のみでは、遮光性が不足する場合に、遮光性を補う層として設けることが好ましい。したがって、裏打ち層8は、着色樹脂層3よりも遮光性が大きい層である。裏打ち層8としては、例えば、黒色層、反射層を用いることができる。黒色層は光を吸収することで遮光性を向上させ、反射層は光を反射することで遮光性を向上させる。
黒色層としては、例えば、黒色顔料を樹脂バインダ中に含む黒色樹脂層を用いることができる。本実施形態においても、黒色樹脂層を用いてある。
反射層としては、例えば、銀、アルミニウムなどを含む金属膜などからなる金属反射層を用いることができる。
裏打ち層8の厚みは、通常、着色樹脂層3の厚みより薄く設定され、例えば黒色の裏打ち層8の場合では1〜2μm、配線7と同様の金属層を用いた裏打ち層8の場合では、0.05〜0.5μmである。
〔製造方法〕
本実施形態の電極付き表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、第1の実施形態で説明した製造方法において、着色樹脂層3の形成後であって、ヒサシ解消層4の形成前に、裏打ち層8を形成することで、形成することができる。裏打ち層8のパターン形成は、ネガ型着色レジストを用いてフォトリソグラフィ法によって行い、ネガ型着色レジストの硬化物層として裏打ち層8を形成する。
〔本実施形態における効果〕
本実施形態においては、遮光層2にヒサシ2Eが存在しても、ヒサシ解消層4によってヒサシ部分で透明電極5の断線を生じにくくできる。さらに、裏打ち層8によって、着色樹脂層3の厚みを薄くすることができる。
さらに、タッチパネル機能も備えており、部品点数の削減、軽量化にも寄与することができる。
《変形形態》
本発明の電極付き表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔複層の着色樹脂層3〕
着色樹脂層3は、単層であってもよいが、本発明においては、着色樹脂層3は、2層以上の複層構成としてもよい。
着色樹脂層3を複層構成とすることで、着色樹脂層3の形成手段によっては一回の形成で厚さを厚くできない場合でも、厚い着色樹脂層3を形成することができる。
着色樹脂層3が複層構成の場合、各層は同一色でも良く、異なる色の層を含めて、全層によって白みがかった白色系の色を表現しても良い。
複層の着色樹脂層3の各層を異なる色の層とすることで、色表現の自由度を高めることができる。
〔透明電極5:導電性メッシュ〕
前記した各実施形態では、透明電極5は層自体が透明な透明導電体膜によって形成されていた。
しかし、本発明においては、透明電極5は層自体が不透明な導体が、メッシュ状に形成されることで、見かけ上あたかも透明であるようにした導電性メッシュによって形成されていてもよい。導電性メッシュのメッシュパターンを構成する線の線幅は、不可視性の観点から好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下である。
導電性メッシュのメッシュパターン形状は、特に制限はない。例えば、メッシュパターン形状は、正方格子形状、三角格子形状、六角格子形状(ハニカム形状)、レンガ積み形状などである。
不透明な導体には、例えば、前記配線7で列記した材料を用いることができる。不透明な導体には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。例えば、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ及びエッチング法によりパターン形成したものを用いることができる。
不透明な導体には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
導電性メッシュを構成する不透明な導体として、配線7と同じ材料を用いることができることを活かして、透明電極5に導電性メッシュを用いるとき、この透明電極5と配線7とを同一材料で形成してもよい。もちろん、透明電極5と配線7とを異なる材料で形成してもよい。
透明電極5と配線7とを同一材料で形成することで、同時形成することも可能となる。
例えば、導電性メッシュによる透明電極5と配線7とを、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層によって形成することができる。
透明電極5と配線7とを同一材料で同時形成することで、工程数を減らして低コストなものとすることができる。
〔通知窓9〕
本発明においては、図5の平面図にて破線で示すように、不透明領域A2の部分に、通知窓9が形成されていてもよい。通知窓9は、電極付き配線付き表示装置用前面保護板10を適用する表示装置が携帯電話の場合で言えば、着信や電池の充電状態などの各種動作状態を、光の点滅、点灯、及び色などにより、使用者に通知する部分である。通知窓9には、基本的には、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。
白色系の色などで遮光性がそれ自身では不足気味な着色樹脂層3では、こうした着色樹脂層3と裏打ち層8とを用いて、通知窓9を構成することができる。
図8は、こうした通知窓9の一形態を示す断面図である。
この形態では、通知用の光の透過に支障を来たさない程度で、通知窓9の領域内において、着色樹脂層3の形成部が存在する。すなわち、通知窓9が、可視光に対して透過性とともに或る程度の遮光性も有する半透過構造となる。例えば、着色樹脂層3を、通知窓9の部分での可視光に対する透過率を10%前後(光学濃度OD1.0前後)の半透過性とする。
このとき、着色樹脂層3と裏打ち層8とは同類の色とすると、通知窓9をより目立ち難くすることができる。
通知窓9を半透過構造とすることによって、通知窓9の部分の存在を、通知用の光の消灯時に目立たなくさせることができ、遮光層2による不透明領域A2の意匠の一体感を増すことができる効果が得られる。
半透過構造の通知窓9とすることによって、着色樹脂層3と裏打ち層8とを使って、通知窓9専用の特別の層を追加することなく、通知窓9を構成することができる。
同図では、透光性基板1上に、着色樹脂層3を形成し、この着色樹脂層3上に、着色樹脂層3上の領域において通知窓9の部分を非形成部とした裏打ち層8を形成することで、裏打ち層8の非形成部の部分を通知窓9とした構成である。
同図では、遮光層2の面上にはヒサシ解消層4は描いていないが、透明なヒサシ解消層4は、通知窓9の部分も含めて、遮光層2の面上に形成することができる。
図示はしないが、通知窓9の部分の着色樹脂層3を点状に形成するか、逆に非形成部を点状にして形成することで通知窓9の部分をメッシュ状などにして、非形成部は光を素通りさせて、非形成部の面積割合で、着色樹脂層3での可視光に対する透過率を調整してもよい。
以上のように、従来ならば、通知窓9を目立たなくさせるための構造とするには、通知窓9の部分には追加の層を用いて半透過構造とするところを、本発明においては、着色樹脂層3と裏打ち層8とを共に有する構成の遮光層2とする形態では、追加の層無しに目立ち難い通知窓9を形成することが可能となる。しかも、コストを掛けずに通知窓9を設けることができる。
〔透明電極5及び配線7の用途〕
上述した実施形態においては、透明電極5及び配線7の用途はタッチパネルであった。
透明電極5をタッチパネル用とする形態においては、タッチパネルの位置検知方式として、透明電極5が互いに異なる面に2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を設ける形態もあり得る。
透明電極5がタッチパネル用のときその位置検知方式は、抵抗膜方式など、投影型静電容量方式以外の方式のものであってもよい。
本発明においては、電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能として、前記透明電極5及び配線7以外に、さらにその他の、例えば、コネクタ、制御回路なとのタッチパネル機能の一部、さらには全部が一体化されたものであっても良い。
タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネルと言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用部材と言うこともできる。
〔オーバーコート層〕
本発明においては、図示はしないが、例えば透明電極5及び配線7が形成された後の面上など、遮光層2が形成される側である第2面S2側の最表層として、オーバーコート層が形成されていてもよい。オーバーコート層は、遮光層2を有する不透明領域A2とともに表示用領域A1も含めて形成されていてもよい。この場合、オーバーコート層は、表示に支障を来たさないように、透明な層として形成される。
透明電極5或いは配線7に接して形成されるオーバーコート層は絶縁性とする。配線7上に形成されるオーバーコート層は、配線7がフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して制御回路に接続する部分は形成せず、配線7を露出してある。
オーバーコート層によって、絶縁性、耐傷付き性などを向上させることができる。
オーバーコート層には、透明な樹脂、それも耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。オーバーコート層は、着色樹脂層3と同様の塗工法で形成することができる。
また、硬化性樹脂としては、着色樹脂層3で述べた感光性樹脂などを用いることもできる。感光性樹脂の場合は、部分形成するときにフォトリソグラフィ法を利用することができる。
〔C〕表示装置:
本発明による表示装置は、上記した電極付き表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを少なくとも備える表示装置である。
本発明による表示装置を、図9に示す実施形態例を参照して説明する。同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、電極付き表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
〔電極付き表示装置用前面保護板10〕
電極付き表示装置用前面保護板10は、着色樹脂層3を含む遮光層2、さらにヒサシ解消層4に加えて、タッチパネル機能として、少なくとも透明電極5を備えている。この電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能として、その他の機能、例えば、配線7、コネクタ、制御回路などを備えることで、タッチパネルの機能の一部又は全部が一体化された電極付き表示装置用前面保護板10としてもよい。
同図に例示する本実施形態では、配線7も有することを模式的に描いてある。
タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル20と言うこともできる。
電極付き表示装置用前面保護板10が備える透明電極5は、タッチパネル用である場合、典型的には、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネル用のものであるが、この他、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式など、透明電極を必要とする公知の各種位置検知方式のタッチパネルのいずれでも良い。
〔表示パネル30〕
表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管でもよく、公知の各種表示パネルでよい。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の、表示装置100とすることで、タッチパネルの位置検知領域の外周部、或いは表示パネル30の表示用領域の外周部、において存在する、表示内容それ自体には不要な、配線、コネクタ、制御回路などの各種構成要素を隠して、これらにより外観が損なわれることを防ぐことができる。
しかも、電極付き表示装置用前面保護板10の遮光層2の着色樹脂層3によって白色系など任意の色を表現でき、意匠性の高い製品が可能となる。
くわえて、遮光層2にヒサシ2Eが存在してもヒサシ部分で透明電極5の断線が生じにくくなっている。
しかも、タッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
〔表示装置としての変形形態〕
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
[タッチパネル機能を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10]
一体化しようとするタッチパネル用の透明電極5が互いに絶縁された第1透明電極5aと第2透明電極5bとの2層からなり、この2層が互いに別々の基板上に形成される構造である場合は、このうちのいずれか一方の基板を電極付き表示装置用前面保護板10の透光性基板1と兼用することで、一方の透明電極と共に一体化し、他方の透明電極と基板とを、電極付き表示装置用前面保護板10、表示パネル30とは別体のタッチパネル構成部材として組み込んで、表示装置100を構成することも可能である。どのような構成で電極付き表示装置用前面保護板10とタッチパネル機能とを一体化するかは、使用し得る製造設備、組立工程などの諸条件に適した、構成を選べば良い。
このような構成においても、タッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。しかも、電極付き表示装置用前面保護板10の遮光層2にヒサシ2Eが存在してもヒサシ部分で透明電極5の断線が生じにくくなっている。
[粘着シートなどの樹脂層の介在]
図9で例示した実施形態による表示装置100では、電極付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、電極付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、粘着剤層など樹脂層で埋め尽くしても良い。樹脂層によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。しかも、ヒサシ解消層4があることによって、とくに遮光層2の段差部分において、空気が残るエア噛み等が生じ難くなり、歩留まりよく貼り合わせることができる。
前記樹脂層には、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。
前記粘着シートとしては、透明性に優れた光学グレードのものが好ましく、このような粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。
〔D〕用途:
本発明による電極付き表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、電子書籍端末、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、自販機などである。
1 透光性基板
2、2a、2b 遮光層
2E ヒサシ
3 着色樹脂層
4 ヒサシ解消層
5 透明電極
5a 第1透明電極
5aC 接続部
5b 第2透明電極
6 絶縁層
7 配線
8 裏打ち層
9 通知窓
10 電極付き表示装置用前面保護板
20 タッチパネル
30 表示パネル
40 (従来の)表示装置用前面保護板
42 (従来の)遮光層
42E ヒサシ
100 表示装置
200 (従来の)表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
E 断線部分
Pd 下端
Pin 後端
Pout 先端
S1 第1面
S2 第2面
Sd ヒサシ下側空間
Sn ヒサシ隣接空間
V 観察者
θ 傾斜角

Claims (3)

  1. 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、前記表示用領域から前記不透明領域にわたって透明電極を有する、電極付き表示装置用前面保護板であって、
    透光性基板と、
    前記透光性基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上において前記不透明領域に設けられ、着色顔料を樹脂バインダ中に含む着色樹脂層を一構成層として含む遮光層と、
    前記透光性基板の一方の面上であって、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられた透明電極と、を有し、
    前記遮光層は、少なくとも前記着色樹脂層の部分に、前記表示用領域側に向かって突き出し前記透光性基板側に空間を生成するヒサシを有し、

    前記一方の面に平行な方向を水平方向とし、
    前記一方の面に立てた垂線に平行な方向を垂直方向とし、
    前記垂線を含む面を断面とし、当該断面において、
    前記垂直方向で前記透光性基板に対して前記遮光層が形成された側を上側とし、当該上側の反対側を下側とし、
    前記水平方向で前記ヒサシが前記表示用領域側に向かって突き出した方向を外側とし、当該外側の反対側を内側とし、
    前記一方の面に平行な面と注目する物体の表面とがなす角度について、前記上側で前記内側から前記外側に向かって測った角度を傾斜角θとして、
    前記ヒサシの先端の部分であって当該部分に下側で接続する面の傾斜角θが90°以上であり且つ当該部分に上側で接続する面の傾斜角θが90°未満である部分を前記ヒサシの先端Poutとし、
    前記先端Poutよりも内側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ下側空間Sdとし、
    前記先端Poutよりも外側で且つ下側の領域に対応する空間をヒサシ隣接空間Snとするときに、

    さらに、前記ヒサシ下側空間Sd及び前記ヒサシ隣接空間Snに少なくとも存在し、少なくとも前記先端Poutよりも前記外側で前記透明電極が形成される透明電極形成面を傾斜角θが90°未満の面とするヒサシ解消層を有し、
    前記透明電極は、少なくとも前記先端Poutよりも前記外側での前記ヒサシ解消層の部分では、前記透明電極形成面の面上に形成されている、
    電極付き表示装置用前面保護板。
  2. 前記着色樹脂層が前記着色顔料として白色顔料を含み、白色系の色を呈する、請求項1に記載の電極付き表示装置用前面保護板。
  3. 請求項1又は2に記載の電極付き表示装置用前面保護板と、表示パネルとを備えた、表示装置。
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