JP2014202544A - 無線端末の移動速度を検出する方法および装置 - Google Patents

無線端末の移動速度を検出する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】GPS衛星や固定局によって支援される必要が無く、さらに無線チャネルの対称性に全く依存せず、さらに、無線基地局の地理的な配置密度に影響されずに自端末の移動速度を高精度に検出することができる方法および装置を提供する。【解決手段】無線端末100が複数の時刻において受信する一連のコマンドから得られる上りリンク位相タイミング変化量の時系列中に、自端末の移動距離や移動方向に関する情報が反映されている性質を利用し、自端末によるセル間遷移の頻度ではなく、自端末が無線基地局200の通信カバレージ内において、当該無線基地局から複数回受信した一連のコマンドに基づいて端末移動速度を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は無線固定局と通信する無線端末に関し、特に、無線固定局の通信カバレージ内に在圏する無線端末の移動速度の検出に関する。
無線端末の移動速度を正確に検出するために、以下の非特許文献1および2は、E−UTRAN標準に準拠したセルラー網内で通信しながら移動する無線端末の移動速度を推定する方法を開示する。当該方法は、無線端末のセル間遷移の頻度に基づいて無線端末の現在のモビリティ状態区分を判定する。この場合のモビリティ状態区分には低速移動状態(Normal Mobility)、中速移動状態(Medium Mobility)、高速移動状態(High Mobility)が含まれ、この場合のセル間遷移には、ハンドオーバー(HO)動作やセルの再選択(Cell Reselection)が含まれる。E−UTRAN標準に準拠したセルラー網は、E−UTRAN標準が規定する時間パラメータTCRmax/TCRmaxHystおよび閾値パラメータNCR_M/NCR_Hを使用して以下のように無線端末に関するモビリティ状態区分の判定を実行する。まず、時間パラメータTCRmax/TCRmaxHystによって定義される一定時間内において無線端末が実行したセル間遷移の回数を計数する。続いて、計数したセル間遷移回数が第1の閾値NCR_Hを超えた場合には、無線端末のモビリティ状態区分を「高速移動状態(High Mobility)」と判定する。同様に、計数したセル間遷移の回数が第1の閾値NCR_Hより小さいが第2の閾値NCR_M以上の場合には、無線端末のモビリティ状態区分を「中速移動状態(Medium Mobility)」と判定する。なお、ここで判定されたモビリティ状態区分は、無線端末のセル間遷移に関する制御パラメータとしてE−UTRAN標準が規定するQhyst、TreselectionEUTRAおよびtimeToTriggerなどの値を、無線端末のモビリティに応じて適切に変更することにより、無線端末が敏速に周辺セルに遷移できるようにするために使用される。上述した先行技術においては、無線端末の移動速度に関する可能な限り正確な測定結果に基づいて、無線端末によるハンドオーバー(HO)動作やセル再選択(Cell Reselection)などの振る舞いに関わる制御パラメータを正確に設定することが非常に重要となる。
また、以下の特許文献1に開示された方法は、基準局で各GPS衛星のキャリア位相を観測し、それらのキャリア位相情報を電波等で無線端末に送信し、上記基準局で求められた各GPS衛星のキャリア位相情報を無線端末側で受信する。続いて、各GPS衛星からの電波を無線端末自身が直接受信して、各々のキャリア位相を観測すると共に、これらのキャリア位相と基準局で求められたキャリア位相とを基にしてキャリア位相の2重位相差の時間経過に伴う変化量を求める。最後に、このようにして計算したキャリア位相の2重位相差の時間経過に伴う変化量に対して、別途求めた速度変換係数を乗算して上記基準局に対する無線端末の相対速度を算出する。
また、以下の特許文献2に開示された速度検出方法は、無線基地局が通信中の無線端末の移動速度を測定するために、無線基地局内の移動速度検出装置が、送信バースト波のタイミングを生成し、そのタイミングに同期した送信バースト信号を生成する。続いて、当該移動速度検出装置は、この送信バースト信号を変調・増幅してアンテナから送信する。最後に、アンテナから受信した受信バースト信号を復調した後に、送信バースト信号の信号タイミングに対する受信バースト信号の遅延量を検出し、検出した遅延量の時間変化から無線端末の移動速度を算出する。
また、以下の特許文献3に開示された速度検出方法は、無線端末の初期位置をGPS信号等の既知の手段によって検出し、レイク受信機及び同期検波器にて、複数の基地局からそれぞれ受信した既知周波数の下り信号からドップラーシフト量を測定する。続いて、無線端末のCPUにて各基地局に対する相対速度を算出し、基地局の位置と前記初期位置と前記相対速度とから、無線端末の現在の移動速度を求める。
特開2001−108735号公報 特開平10−210537号公報 再公表WO2006/106918号公報
TS36.304 第5.2.4.3.1節 3GPP 2012年12月 TS36.331 第5.5.6.2節 3GPP 2012年12月
上述した非特許文献1記載の端末移動速度検出方法においては、無線端末が同じ速度で移動していても、一定の地理的範囲内での無線基地局の配置密度によってセル間遷移の頻度は異なる。例えば、地理的範囲の広さを同一とした場合、都市部では無線基地局が密に配置されている一方で、郊外においては、無線基地局が疎らに配置されているので、都市部においては、無線端末が低速で移動している際にも、高速移動中であると誤検出する場合がある。
この様子を図1Aおよび図1Bを使用して以下のとおりに説明する。図1Aおよび図1Bにおいて、一定速度で矢印に沿って移動する無線端末は、単位時間当たり(例えば、毎分当たり)に、符合「d」で表される矢印の長さに相当する距離を移動している。図1Aは、例えば、郊外のように、一定の地理的範囲内での無線基地局の配置が疎らである場合の無線端末のセル間移動の様子を表し、図1Bは、例えば、都市部のように、一定の地理的範囲内での無線基地局の配置が密である場合の無線端末のセル間移動の様子を表す。図1Aにおいては、移動距離dを有する矢印は、セル1個分を跨いでいるが、図1Bにおいては、移動距離dを有する矢印は、セル2個分を跨いでいる。従って、図1Aおよび図1Bの場合において、無線端末の移動速度が同一であっても、図1Bにおける無線端末のセル間遷移の頻度は図1Aにける無線端末のセル間遷移の頻度のおよそ2倍となる可能性がある。
その結果、上記のような基地局の地理的な配置密度の相違により、無線端末が自身の移動速度を実際よりも高速であると検出する場合、無線端末はセル外縁部において、不必要にセル間遷移を繰り返し、スループット低下や無線端末のバッテリー持続時間の劣化を起こす。
上述した特許文献1記載の端末移動速度検出方法においては、無線端末の移動速度を検出するために基準局に加えて一つ以上のGPS衛星がさらに必要となり、無線端末がGPS受信機によりGPS衛星からの信号を受信することは、無線端末の消費電力を増大させる。また、基準局は地下街やトンネル内に設置することも可能であるが、地下街やトンネル内でGPS衛星を受信することは困難である。加えて、上記方法により算出されるキャリア位相の2重位相差の算出精度は、以下の4者すべてに依存する。すなわち、(1)基準局側のキャリア位相タイミング同期処理の精度、(2)無線端末側のキャリア位相タイミング同期処理の精度、(3)無線端末が算出する速度変換係数の計算精度、(4)基準局の内部と無線端末の内部にてそれぞれ使用される2つのローカル・クロック間の同期の正確性、である。従って、端末移動速度を常に高い精度で検出するためには、システムを複雑化、高コスト化せざるを得ない。
上述した特許文献2記載の端末移動速度検出方法においては、無線端末は、送信バースト信号と受信バースト信号の両者に関して無線伝送経路上でのエラーの無い確実な送受信を実行しなくてはならない。また、特許文献2記載の方法においては、マルチパス遅延プロファイルやチャネル応答特性が、無線端末による信号送信と信号受信とに関して著しく非対称である場合、当該非対称性に起因して、送信バースト信号と受信バースト信号との間の位相タイミング差の算出結果に誤差が含まれる可能性がある。加えて、無線基地局が送信バースト信号を受信してから受信バースト信号を返信するまでの間における無線基地局内の内部遅延量は常に無線端末側に正確に知られていなくてはならない。
上述した特許文献3記載の端末移動速度検出方法においては、無線端末内のCPUは、各基地局から受信した既知周波数の下り信号から測定したドップラーシフト量に基づいて、無線端末の移動速度を検出する。しかしながら、ドップラーシフト量に基づいて端末移動速度を推定する方法では、キャリア位相タイミング同期に基づいて端末移動速度を推定する方法と比べて、高精度な端末移動速度の推定を実現することは一般には困難である。また、特許文献3に開示された方法においては、検出された移動速度の精度は、無線端末の初期位置の推定精度にも大きく影響を受ける。
本発明は、移動無線端末が内蔵する端末移動速度計算ユニットであって、前記移動無線端末は、固定局の通信カバレージ内での自端末の移動に応じた上りリンク位相タイミングの変動を補償するための位相調整量を指示するTAコマンド(Timing Advance Command)を前記固定局から受信する移動無線端末であり:前記移動無線端末が第1と第2の時刻において受信した2つの前記TAコマンド(Timing Advance Command)にそれぞれ含まれる第1と第2の位相調整量を検出する手段;前記第1と第2の位相調整量の差分を計算する手段;および、前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づいて前記固定局から見た前記移動無線端末の移動速度を算出する手段;を備える構成を採る。
さらに本発明においては、前記上りリンク位相タイミングの前記補償は、前記移動無線端末が前記固定局から移動した距離と方向とに基づいて決定され、前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づく前記移動速度の検出動作は、前記位相調整量の差分に光速度を乗算し、さらに前記第1と第2の時刻の時間差により除算する動作を備える。
本発明においては、無線端末が複数の時刻において受信する一連のTAコマンド(Timing Advance Command)から得られる上りリンク位相タイミング変化量の時系列中に、自端末の移動距離や移動方向に関する情報が反映されている。そのため、本発明に係る無線端末は、自端末の移動速度の検出のために、キャリア位相タイミング同期処理を、GPS衛星や固定局によって支援される必要が無く、さらに無線チャネルの対称性に全く依存せずに、自端末の移動速度を高精度に検出することが出来る。
また、本発明においては、自端末によるセル間遷移の頻度ではなく、自端末が一の固定局の通信カバレージ内において、当該固定局から複数回受信した一連のTAコマンド(Timing Advance Command)に基づいて端末移動速度を検出する。そのため、本発明に係る無線端末は、一定の地理的範囲内における無線基地局の配置密度に影響されずに自端末の移動速度を高精度に検出することが出来る。
従って、本発明は、無線基地局の地理的な配置密度に影響されずに、基地局の位置から見て相対的な無線端末の移動速度を正確に検出することができる。この場合、基地局の位置から見て相対的な無線端末の移動速度とは、基地局を中心として無線端末が当該中心に近付く又は遠ざかる速度を意味する。すなわち、無線端末が基地局を中心として同一距離を保って移動している場合には、速度は0と看做される。言い換えれば、本発明は、無線端末が経験したセル遷移頻度ではなく、基地局を中心として無線端末が遠ざかる方向又は近付く方向に沿った端末移動速度に基づき、無線端末が高速移動状態にあるか否かを判定する。これにより、本発明は、無線端末のモビリティ判定において、基地局から無線端末までの相対距離に目立った変化が無ければセル間遷移(ハンドオーバー/セル再選択)をする必要が無いため、余計なセル間遷移動作が起動されることを防ぐことができる。以上から、本発明は、基地局から無線端末までの相対距離に目立った変化が無い場合に、無線端末が高速移動状態であると誤検出することを防ぐことができ、不必要なセル間遷移動作が発生することによるスループット低下やバッテリーの持続時間の劣化、または網側の制御オーバーヘッド増大を防ぐことができる。
基地局の地理的配置密度と無線端末の移動速度との間の関係を示す図 本発明の実施の形態に係る無線通信システム内の一セル分の構成を示す図 本発明の実施の形態に係る無線端末のハードウェア構成を示す図 本発明の実施の形態に係る端末移動速度算出方法の第1実施例を説明するためのフローチャート 本発明の実施の形態に係る端末移動速度算出方法の第2実施例の概要を説明するための図 本発明の実施の形態に係る端末移動速度算出方法の第2実施例を説明するためのフローチャート
無線端末が携帯電話や車載情報端末のような移動局である場合、当該無線端末が無線固定局(例えば、無線基地局や無線網アクセス・ポイント等)から受信する受信信号品質は当該無線端末の移動速度に大きく依存する。
例えば、第1の例として、無線端末が、セルラー無線網内の複数のセルを連続的に横切るように高速で移動中の場合、連続的かつ頻繁に発生する無線端末のセル間ハンドオーバー動作のために、無線端末の通信が1回以上にわたって瞬断する場合がある。上述のような高速移動時の連続的ハンドオーバーによる通信の瞬断を抑制するために、無線端末は以下の制御動作(Speed Dependent Scaling)を実行することが効果的である。まず、無線端末は、自端末の移動速度に応じたモビリティ状態(端末移動速度の区分)を正確に判定する。続いて、(特に無線端末の高速移動時において)無線端末は、自端末のハンドオーバー動作を制御する制御パラメータを、当該モビリティ状態応じた適切な値に変更する。これにより、無線端末は、自端末のハンドオーバー動作の振る舞いを、端末移動速度の区分に応じて適切に制御することが出来る。
例えば、第2の例として、無線端末がパイロット・シンボル等のキャリア位相タイミング情報に基づいてチャネル同期を実行する際、受信信号波の遅延プロファイルはチャネル同期の正確性に影響する。受信信号波の遅延プロファイルの振る舞いは、当該無線端末の静止状態と移動状態とでは、同一ではない。むしろ、当該無線端末の移動速度に応じて、受信信号波に関してマルチパスの変化の度合いが大きくなる傾向があるので、チャネル同期に対する当該遅延プロファイルの影響を正確に評価する仕組みが複雑になる傾向がある。
第3の例として、IMT−2000等の無線通信システムでは、公称のデータ速度が最大で2メガビット/秒(Mbps)と言われているが、無条件にデータを2Mbpsで送れる訳ではなく、無線端末の移動速度により、最大のデータ速度を制限している。これは、無線端末の移動速度が高速になればなる程、ハンドオフの実行回数が増え、無線端末側と網側の双方にとって制御オーバーヘッドが増大するからである。具体的には、無線端末の移動状態における最大データ速度は、低速移動では最大2Mbps、中速移動では最大384キロビット/秒(Kbps)、高速移動では最大64Kbps程度になることが予想される。
従って、無線通信システムにおいては、無線端末の移動速度を高精度で検出し、当該検出した移動速度に応じた形で、当該無線端末による受信信号品質の改善や当該無線端末に対して許容すべき最大データ速度の調整を実行しなくてはならない。
<1>本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成
以下、図2を使用して、本実施の形態において無線端末と共に利用される無線通信システムの構成例について説明する。この無線通信システムの例は、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)において標準化作業が進められているE−UTRANネットワーク標準と互換性を有する。
(1−A)無線通信システムの構成要素
図2において、無線端末100は、UE、ユーザ端末またはユーザ機器と呼ばれても良く、セルラー電話、スマートフォンまたは無線インターフェースを装備したラップトップ型コンピュータとすることができる。図2において、無線基地局200は、eNB、携帯電話基地局または無線網アクセス・ポイントとすることもできる。
図2において、無線基地局200の通信カバレージは300として図示される。図2の通信カバレージ300は、E−UTRANネットワーク標準におけるプライマリ・セル(Primary Cell)とすることが可能である。E−UTRANネットワーク標準において、当該プライマリ・セルは、当該セルと同一のTAG(Timing Advance Group)に属する一つ以上のセカンダリ・セルと関係付けられることが可能である。この場合、当該プライマリ・セルと当該一つ以上のセカンダリ・セルは、同一の上りリンク位相タイミングを共有する。図2において、無線端末100は通信カバレージ300内に在圏しており、下りリンクを介して無線基地局から無線信号を受信し、上りリンクを介して無線基地局に無線信号を送信している。
なお、図2においては、無線端末100が在圏している通信カバレージ300と通信カバレージ300をサービスしている無線基地局200のみが図示されているが、本実施の形態に係る無線通信システムは、無線基地局200の周辺を取り巻く他の複数の無線基地局を含み、通信カバレージ300と一部重複しながらこれを取り巻く他の複数の通信カバレージを含む。E−UTRANネットワーク標準において、無線端末100は自身が在圏している通信カバレージ300をプライマリ・セルとすることが可能であり、通信カバレージ300と一部重複している周辺の他の通信カバレージの一つ以上をセカンダリ・セルとすることが可能である。
(1−B)TAコマンド(Timing Advance Command)の役割と機能
図2の無線基地局200は、無線端末100に対して、E−UTRANネットワーク標準が規定するTAコマンド(Timing Advance Command)を送信することが可能である。当該TAコマンド(Timing Advance Command)は、上りリンクの位相タイミングの調整を、無線基地局200が下りリンクを介して、無線端末100に指示するための端末制御コマンドである。このような上りリンク位相タイミングの調整は、通信カバレージ300内を移動する無線端末100と無線基地局200との間の距離の変化に伴う上りリンク伝送遅延量の変動に応じて、無線基地局200がこの伝送遅延変動を適応的に補償するために必要となる。以下、TAコマンド(Timing Advance Command)の役割、当該コマンドを下りリンク上で伝送する際の無線端末100および無線基地局200の動作について簡単に説明する。説明を簡単にするために、無線端末100が上りリンク通信および下りリンク通信を行うための通信カバレージ300がE−UTRANネットワーク標準におけるプライマリ・セルであり、プライマリ・セル300はこれと関連する一つ以上のセカンダリ・セルと共に単一のTAG(Timing Advance Group)内にグループ化されている場合について説明する。
今、無線端末100が図2に示す矢印400に沿って移動しており、無線端末100は、時刻t1において矢印400上の位置L1に位置し、時刻t2において、位置L1から矢印400上の位置L2に移動し、さらに、時刻t3において位置L2から矢印400上の位置L3に移動しているとする。時刻t1において無線端末100は、無線基地局200の通信カバレージであるプライマリ・セル300に外から進入し、無線基地局200との間で上りリンクに関して位相タイミングの同期を確立する。この時、プライマリ・セル300に加えて、これと同一の上りリンク位相タイミングを共有するセカンダリ・セルに関しても上りリンク位相タイミングの同期が確立される。さらにこの時、下りリンクを介して無線端末100が受信したTAコマンド(Timing Advance Command)には、無線端末100の上りリンク位相タイミングに関する初期値が含まれている。
続いて、時刻t2において、無線端末100は矢印400上を位置L2に移動しており、下りリンクを介して第2のTAコマンド(Timing Advance Command)を受信する。当該第2のTAコマンド(Timing Advance Command)には、時刻t1から時刻t2までの間に上りリンク位相タイミングが上記初期値からどの程度変化したかを表す変位量が含まれている。無線端末100は、第2のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる当該変位量に従って、時刻t1において上りリンクに関して決定した初期の位相タイミングを調整する。この時、無線端末100に関して上りリンク位相タイミングの調整が行われるのは、プライマリ・セル300に加えて、これと同一の上りリンク位相タイミングを共有する一つ以上のセカンダリ・セル(プライマリ・セル300と同一のTAG内にグループ化されたセカンダリ・セル)である。無線端末100によるこのような調整動作が必要なのは、無線端末100が位置L1から位置L2に移動した際の無線基地局200との間の距離変化に応じて、無線基地局200との間での無線伝送遅延量も変化するからである。具体的には、無線端末100が無線基地局200に近付く方向に移動した場合には、無線伝送遅延量は小さくなるので、無線端末100は、上りリンク位相タイミングを初期値よりも後方に遅らせる。逆に、無線端末100が無線基地局200から遠ざかる方向に移動した場合には、無線伝送遅延量は大きくなるので、無線端末100は、上りリンク位相タイミングを初期値よりも前方に進める。E−UTRANネットワーク標準においては、上述した位相タイミングの調整の対象とされるのは、プライマリ・セルに関しては、上りリンクを構成するPUCCH、PUSCHおよびSRSであり、同一TAGに属するセカンダリ・セルに関しては、上りリンクを構成するPUSCHとSRSである。
続いて、時刻t3において、無線端末100は矢印400上を位置L3に移動しており、下りリンクを介して第3のTAコマンド(Timing Advance Command)を受信する。当該第3のTAコマンド(Timing Advance Command)には、時刻t2から時刻t3までの間に上りリンク位相タイミングがどの程度変化したかを表す変位量が含まれている。無線端末100は、第3のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる当該変位量に従って、時刻t2において上りリンクに関して決定した位相タイミングをさらに調整する。
上記したようなTAコマンド(Timing Advance Command)の機能は、E−UTRANネットワーク標準に関する標準化仕様書3GPP TS36.213の第4.2.3節において具体的に説明されている。
(1−C)無線端末の移動速度に基づくセル間遷移動作パラメータの設定変更
E−UTRANネットワーク標準と互換性を有する図2の無線通信システムにおいては、無線端末100が通信カバレージ300と他の通信カバレージとの間でセル間遷移を実行する際の制御パラメータを、無線端末100の移動速度に応じて適応的に設定変更することが可能である。この場合のセル間遷移には、無線端末100に関するハンドオーバー(HO)動作やセルの再選択(Cell Reselection)が含まれる。具体的には、以下のとおりである。
図2の無線通信システムは、無線端末100が、現在の移動速度に応じて3段階のモビリティ状態区分のいずれかに属すると判定する。この場合のモビリティ状態区分には低速移動状態(Normal Mobility)、中速移動状態(Medium Mobility)、高速移動状態(High Mobility)が含まれる。ここで判定されたモビリティ状態区分は、無線端末100のセル間遷移に関する制御パラメータとしてE−UTRAN標準が規定するQhyst、TreselectionEUTRAおよびtimeToTriggerなどの設定値を、無線端末100が自身のモビリティ状態に応じて適切に変更するために使用される。無線端末100が、自身の内部に記憶された上記制御パラメータの設定値を、自身のモビリティ状態に応じて、適切に変更することにより、無線端末100が敏速かつ円滑に周辺の通信カバレージに遷移できるようになる。
<無線端末のハードウェア構成>
以下、図3を使用して、本実施の形態に係る無線端末100のハードウェア構成を説明する。
無線端末100は、N本の送受信アンテナ110乃至110(nは1以上の値とすることができる)、送受信アンテナ110乃至110と接続され、送受信アンテナ110乃至110から受信信号を受け取る端末受信部120、送受信アンテナ110乃至110と接続され、送受信アンテナ110乃至110に対して送信信号を渡す端末送信部130、端末受信部120と端末送信部130との間に介在する形でこれらと接続され、端末受信部120からの信号に基づいて、無線端末100に関するセル間遷移を制御する制御信号を端末送信部130に渡すモビリティ制御部140、端末受信部120と接続され、端末受信部120から受け取った信号に基づいて無線端末100の移動速度の検出を実行する移動速度計算部150、および移動速度計算部150とモビリティ制御部140との間に介在する形でこれらと接続され、移動速度計算部150から受け取った無線端末100の移動速度に関する情報信号に基づいて、モビリティ制御部140に対してセル間遷移動作の制御に関するパラメータ信号を渡すパラメータ制御部160と、を備える。
送受信アンテナ110乃至110は、無線基地局200との間で無線信号を送受信する。この場合、送受信アンテナ110乃至110は、MIMOチャネル上で無線伝送された複数の独立空間チャネルを受信することも可能である。
端末受信部120は、送受信アンテナ110から受け取った受信信号を基にして無線基地局200により送信されたデジタル・サンプル系列を復元し、復元したデジタル・サンプル系列をモビリティ制御部140、移動速度計算部150および他のデジタル処理ユニットに渡す。この復元処理には、MIMOチャネル上で受信した受信信号に対する空間フィルター行列を使用した空間処理、OFDM復調により受信信号をベースバンド・シンボルに変換する処理、受信信号から無線チャネル位相タイミング同期に使用するパイロット情報を取り出す処理、当該ベースバンド・シンボルをシンボル逆マッピングし、さらにチャネル復号化する処理などが含まれていても良い。
端末送信部130は、無線端末100内で生成されたデジタル・サンプル系列を送受信アンテナ110乃至110から多重無線伝送可能な形でRF帯域信号に変換し、送受信アンテナ110乃至110へ渡す。無線端末100内で生成されたデジタル・サンプル系列をRF帯域信号に変換する処理は、端末受信部120が受信信号から無線基地局200により送信されたデジタル・サンプル系列を復元するための上述の処理に対して相補的である信号処理を含むことが可能である。
モビリティ制御部140は、端末受信部120が受信信号から復元したデジタル情報の中に含まれるセル状態情報の信号を端末受信部120から受け取る。続いて、モビリティ制御部140は、受け取ったセル状態情報に基づいて、無線端末100が在圏するセル内での無線通信の状態や当該セルを含む無線ネットワークの状態を把握する。なお、無線ネットワーク側でハンドオーバーの起動が必要な状況やタイミングを判定できる場合には、端末受信部120から受け取った上記セル状態情報は、無線基地局200から無線端末100に対してハンドオーバーの開始を指示するコマンドを含むことも可能である。最後に、モビリティ受信部140は、上記把握したセル内の通信状態やネットワーク状態または上記ハンドオーバー開始指示コマンド等に基づいて、セル間遷移を制御するための制御コマンドを生成し、これを制御信号の形で端末送信部130に渡す。これにより、モビリティ制御部140は、無線端末100の移動に伴う無線チャネルの通信品質の変化に応じて、無線端末100のセル間遷移を制御することができる。
移動速度計算部150は、端末受信部120が受信信号から復元したデジタル情報の中に含まれるTAコマンド(Timing Advance Command)およびこれと関連するその他の情報を、端末受信部120から信号の形で受け取る。続いて、移動速度計算部150は、端末受信部120から新たなTAコマンド(Timing Advance Command)を受け取るたびに、受け取ったTAコマンド(Timing Advance Command)およびこれと関連するその他の情報に基づいて、無線端末100の現在の移動速度を算出する。続いて、移動速度計算部150は、算出した現在の移動速度に基づいて無線端末100が3つのモビリティ状態区分(低速移動状態、中速移動状態、高速移動状態のいずれか)のいずれに属するかを判定する。移動速度計算部150が、無線端末100の現在の移動速度を算出するために実行する具体的な算出方法に関しては、以後の説明において図4を使用して詳細に後述する。最後に、移動速度計算部150は、無線端末100の移動速度に基づいて判定したモビリティ状態区分を表す信号をパラメータ制御部160に渡す。
パラメータ制御部160は、無線端末100の移動速度に基づいて判定したモビリティ状態区分を表す信号を移動速度計算部150から受け取り、当該モビリティ状態区分に応じて、無線端末100に関するセル間遷移動作を制御する制御パラメータの設定内容を適応的に変更する。具体的には、無線端末100のセル間遷移に関する制御パラメータとしてE−UTRAN標準が規定するQhyst、TreselectionEUTRAおよびtimeToTriggerなどの設定値を、パラメータ制御部160が上記モビリティ状態区分に応じて適切に変更する。パラメータ制御部160は、変更した上記制御パラメータの設定値をモビリティ制御部140に渡し、モビリティ制御部140は受け取った上記制御パラメータの変更された設定値を、無線端末100に関するセル間遷移動作の制御に反映させる。その結果、無線端末100が、自身の内部に記憶された上記制御パラメータの設定値を、無線端末100のモビリティ状態に応じて適切に変更することにより、無線端末100が敏速かつ円滑に周辺の通信カバレージに遷移できるようになる。
<3>本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第1実施例
(3−A)端末移動速度検出方法の概要
以下、図2に示したシナリオを再度用いて、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第1実施例として、無線端末100の移動速度の算出方法の概要について説明する。
本実施例において検出される端末移動速度は、基地局200から見て相対的な無線端末100の移動速度であり、基地局200の位置から見て相対的な無線端末100の移動速度とは、基地局200を中心として無線端末100が当該中心に近付く又は当該中心から遠ざかる速度を意味する。すなわち、無線端末100が無線基地局200を中心として同一距離を保って移動している場合には、速度は0と看做される。図2において、時刻t1において無線端末100は、無線基地局200の通信カバレージであるプライマリ・セル300に外から進入し、無線基地局200との間で上りリンクに関して位相タイミングの同期を確立する。この時、下りリンクを介して無線端末100が受信したTAコマンド(Timing Advance Command)には、無線端末100の上りリンク位相タイミングに関する初期値が含まれている。
続いて、時刻t2において、無線端末100は矢印400上を位置L2に移動しており、下りリンクを介して第2のTAコマンド(Timing Advance Command)を受信する。当該第2のTAコマンド(Timing Advance Command)には、時刻t1から時刻t2までの間に上りリンク位相タイミングが上記初期値からどの程度変化したかを表す変位量が含まれている。無線端末100は、第2のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる当該変位量に従って、時刻t1において上りリンクに関して決定した初期の位相タイミングを調整する。
以下、無線端末100が無線基地局200から受信したTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる当該変位量に応じた上りリンク位相タイミングの調整について詳細に説明する。TAコマンド(Timing Advance Command)に含まれるこの変位量は、プラス(+)またはマイナス(−)の符号と絶対値を有する。無線端末100が無線基地局200に近付いていることにより、無線端末100から無線基地局200までの距離が狭まりつつある場合には、上りリンク位相タイミングは遅らせる方向に調整すべきである。従って、この場合、当該変位量は、マイナス(−)の符号を有し、当該変位量の絶対値に等しい時間オフセット量だけ上りリンク位相タイミングは遅らされなくてはならない。逆に無線端末100が無線基地局200から遠ざかっていることにより、無線端末100から無線基地局200までの距離が広がりつつある場合には、上りリンク位相タイミングは進ませる方向に調整すべきである。従って、この場合、当該変位量は、プラス(+)の符号を有し、当該変位量の絶対値に等しい時間オフセット量だけ上りリンク位相タイミングは進められなくてはならない。
以上から、時刻t1において無線端末100が受信した第1のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの初期値を基準としてみた場合、時刻t2において無線端末100が受信した第2のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量は、以下を表している。すなわち、当該変位量は、時刻t1において位置L1にあった無線端末100が時刻t2において位置L2に移動するまでの間に、上りリンクの位相タイミングがどれくらいの時間オフセット量だけ遅らされるべきか又は進められるべきかを表している。ここで、上記変位量が表す時間オフセット量は、時刻t1から時刻t2までの間に無線端末100が無線基地局200に近付いたまたは遠ざかった距離を電波が伝搬する時間の長さに対応することに留意されたい。
本実施の形態に係る端末移動速度検出方法は、この点に着目し、時刻t2において無線端末100が受信したTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量が表すプラス(+)またはマイナス(−)の時間オフセット量に対して、以下の演算を行うことにより、無線端末100の移動速度を算出している。まず、上記変位量が表すプラス(+)またはマイナス(−)の時間オフセット量に対して、電波伝搬速度である光速度を乗算することにより、時刻t1から時刻t2までの間に無線端末100が無線基地局200に近付いたまたは遠ざかった距離を算出する。続いて、上記算出した距離を時刻t1と時刻t2との間の時間差により除算して時刻t1から時刻t2までの無線端末100の移動速度を算出する。
その後、時刻t2から時刻t3までの間に無線端末100は位置L2から位置L3まで移動し、時刻t3において第3のTAコマンド(Timing Advance Command)を受信する。第3のTAコマンド(Timing Advance Command)には、時刻t2から時刻t3までの間に上りリンク位相タイミングがどの程度変化したかを表す変位量が含まれている。無線端末100は、第3のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる当該変位量に従って、時刻t2において上りリンクに関して決定した位相タイミングをさらに調整する。この時、時刻t3において無線端末100が受信した第3のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量と時刻t2において無線端末100が受信した第2のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量との間の差分は、以下を表している。すなわち、当該変位量間の差分は、時刻t2において位置L2にあった無線端末100が時刻t3において位置L3に移動するまでの間に、上りリンクの位相タイミングがどれくらいの時間オフセット量だけ遅らされるべきか又は進められるべきかを表している。言い換えれば、上記変位量間の差分がプラス(+)値であれば、上記時間オフセット量だけ上りリンク位相タイミングは進められるべきであり、マイナス(−)値であれば、上りリンク位相タイミングは上記時間オフセット量だけ遅らされるべきである。ここで、上記変位量が表す時間オフセット量は、時刻t2から時刻t3までの間に無線端末100が無線基地局200に近付いたまたは遠ざかった距離を電波が伝搬する時間の長さに対応することに留意されたい。
従って、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法は、まず、時刻t3において無線端末100が受信した第3のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量と時刻t2において無線端末100が受信した第2のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる位相タイミングの変位量との間の差分を計算する。続いて、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法は、当該変位量の差分が表すプラス(+)またはマイナス(−)の時間オフセット量に対して、以下の演算を行うことにより、無線端末100の移動速度を算出している。まず、上記変位量が表すプラス(+)またはマイナス(−)の時間オフセット量に対して、電波伝搬速度である光速度を乗算することにより、時刻t2から時刻t3までの間に無線端末100が無線基地局200に近付いたまたは遠ざかった距離を算出する。続いて、上記算出した距離を時刻t2と時刻t3との間の時間差により除算して時刻t2から時刻t3までの無線端末100の移動速度を算出する。
なお、上述の原理に基づいて検出された無線端末100の移動速度は、無線端末100が自身の現在のモビリティ状態区分が低速移動状態(Normal Mobility State)、中速移動状態(Medium Mobility State)または高速移動状態(High Mobility State)のいずれかであるかを判定するのに使用される。また、当該検出された移動速度は、当該モビリティ状態区分の判定結果に応じて、無線端末100に関するセル間遷移動作の制御パラメータの設定値を適応的に変更するために使用される。無線端末100のセル間遷移動作に関する制御パラメータには、例えば、E−UTRANネットワーク標準が規定するQhyst、TreselectionEUTRAおよびtimeToTriggerなどが含まれていても良い。
(3−B)端末移動速度検出方法の詳細
以下、図4のフローチャートを参照しながら、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第1実施例として、図3の移動速度計算部150によって実行される無線端末100の移動速度の算出方法について詳細に説明する。
図4のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順は、無線基地局200から無線端末100に下りリンク伝送されたTAコマンド(Timing Advance Command)を、端末受信部120が受信信号の中から取り出して移動速度計算部150に渡すたびに繰り返し起動される。
上記の端末移動速度算出手順は、図4のフローチャートの「Start」から開始し、ステップS10に進む。ステップS10では、移動速度計算部150は、無線基地局200が送信したTAコマンド(Timing Advance Command)を送受信アンテナ110および端末受信部120を介して受け取る。その後、処理はステップS20に進む。
ステップS20では、ステップS10において端末受信部120から新たに受け取ったTAコマンド(Timing Advance Command)(以下、「現在TAコマンド(Timing Advance Command)」と呼ぶ)と、図4に示す端末移動速度算出手順の前回の繰り返し実行の際に端末受信部120から受け取ったTAコマンド(Timing Advance Command)(以下、「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」と呼ぶ)との間の差分を計算する。具体的には、「現在TAコマンド(Timing Advance Command)」が指示する上りリンク位相タイミングの変位量(すなわち、「現在TAコマンド(Timing Advance Command)」に従って、上りリンク位相タイミングを遅らせるまたは進めるための時間オフセット量)と「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」が指示する上りリンク位相タイミングの変位量(すなわち、「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」に従って、上りリンク位相タイミングを遅らせるまたは進めるための時間オフセット量)との間の差分Tを計算する。その後、処理はステップS30に進む。
ステップS30において、移動速度計算部150は、「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」の受信時点と「現在TAコマンド(Timing Advance Command)」の受信時点との間の時間差Pを計算する。続いて、移動速度計算部150は、以下の計算式を用いて無線端末100の現在の移動速度を算出する。
Figure 2014202544
上記式においてcは、電波伝搬速度に等しい光速度を表す定数である。
ステップS40において、移動速度計算部150は、上記式にて計算した端末移動速度Vを第1の速度閾値と比較する。当該比較の結果、端末移動速度Vが第1の速度閾値を上回るならば、処理はステップS50に進む。なお、本実施の形態においては、第1の速度閾値として、E−UTRANネットワーク標準が規定する閾値パラメータNCR_Mと所定の速度係数を乗算した値を採用することも可能である。当該比較の結果、端末移動速度Vが第1の速度閾値と等しいか下回るならば、処理はステップS80に進む。
ステップS50において、移動速度計算部150は、上記式にて計算した端末移動速度Vを第2の速度閾値と比較する。当該比較の結果、端末移動速度Vが第2の速度閾値を上回るならば、処理はステップS60に進み、そうでなければ、処理はステップS70に進む。なお、本実施の形態においては、第2の速度閾値として、E−UTRANネットワーク標準が規定する閾値パラメータNCR_Hと所定の速度係数を乗算した値を採用することも可能である。
ステップS60において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が高速移動状態(High Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が高速移動状態(High Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS90に進む。
ステップS70において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が中速移動状態(Medium Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が中速移動状態(Medium Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS90に進む。
ステップS80において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が低速移動状態(Normal Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が低速移動状態(Normal Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS90に進む。
ステップS90において、移動速度計算部150は、受け取ったTAコマンド(Timing Advance Command)の情報内容を図4に示す端末移動速度算出手順の次回の繰り返し実行に使用するために、無線端末100のメモリ(図示なし)中に「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」として記憶し、図4に示す処理フローを終える。
図4のフローチャートを実行する実行主体である移動速度計算部150は、汎用プロセッサ、マイクロ・コンピュータ又はデジタル信号処理プロセッサなどにより実現することが可能である。さらに、図4のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順は、上記汎用プロセッサ、マイクロ・コンピュータ又はデジタル信号処理プロセッサ等により実行されるソフトウェア・プログラムとして実装することが可能である。また、移動速度計算部150は、図4のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順を実行するための配線ロジックを備えた専用のASIC回路として実現することも可能である。
(3−C)本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第1実施例が奏する効果
本実施例においては、無線端末が複数の時刻において受信する一連のTAコマンド(Timing Advance Command)から得られる上りリンク位相タイミング変化量の時系列中に、自端末の移動距離や移動方向に関する情報が反映されている。そのため、本実施例に係る無線端末100は、自端末の移動速度の検出のために、キャリア位相タイミング同期処理を、GPS衛星や固定局によって支援される必要が無く、さらに無線チャネルの対称性に全く依存せずに、自端末の移動速度Vを高精度に検出することが出来る。
また、本発明においては、無線端末100によるセル間遷移の頻度ではなく、無線端末100が無線基地局200の通信カバレージであるプライマリ・セル300内において、無線基地局200から複数回受信した一連のTAコマンド(Timing Advance Command)に基づいて端末移動速度を検出する。そのため、本実施例に係る無線端末100は、無線基地局の地理的な配置密度に影響されずに無線端末100の移動速度Vを高精度に検出することが出来る。従って、本実施例は、無線基地局の地理的な配置密度によらず、無線端末100の移動速度を正確に検出することができる。その結果、本実施例は、無線端末100の低速移動時に高速移動状態であると誤検出することを防ぐことができ、不必要なセル間遷移動作が発生することによるスループット低下やバッテリーの持続時間の劣化を防ぐことができる。
<4>本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第2実施例
(4−A)端末移動速度検出方法の第2実施例の概要
本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第2実施例は、当該端末移動速度検出方法に関して上述した第1実施例に対する変形実施例である。当該第2実施例に係る端末移動速度検出方法が、当該第1実施例に係る端末移動速度検出方法と異なる点は、以下のとおりである。すなわち、無線端末100が無線基地局200から受信した一連のTAコマンド(Timing Advance Command)に基づいて算出した上りリンク位相タイミングに関する調整量を表す時間オフセット量の正負の符号から、無線端末100が無線基地局200に近付いていることが判定できる場合には、セル間遷移動作は必要無いことが明らかである。従って、この場合、第2実施例に係る端末速度検出方法は、セル間遷移動作を規律する制御パラメータの設定内容を無線端末の低速移動状態(Normal Mobility)に対応した設定内容とするために、無線端末100のモビリティ状態区分を実際の移動速度とは無関係に低速移動状態区分(Normal Mobility State)と判定する。
以下、図5を使用して、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第2実施例の概要を説明する。図5において、まず最初に、無線端末100が矢印401に沿って移動しながら、無線基地局200の通信カバレージであるプライマリ・セル300内に進入したとする。プライマリ・セル300内に在圏している無線端末100が矢印401の上を移動している期間内においては、無線端末100は、無線基地局200に近付くように動いている。
この時、第1実施例に関して図2のシナリオを使用して上述したように、異なる時刻において無線端末100が受信した一連のTAコマンド(Timing Advance Command)に含まれる複数の位相タイミング変位量間の差分は、以下を表している。当該変位量は、無線基地局200を中心として、無線端末100がどの程度近付いたか又はどの程度遠ざかったかを表し、無線基地局200から無線端末100までの距離が変わらない場合には、当該変位量は0のまま一定である。同時に、当該変位量間の差分は、上りリンクの位相タイミングがどれくらいの時間オフセット量だけ遅らされるべきか又は進められるべきかを表している。言い換えれば、上記変位量間の差分がプラス(+)値であれば、上記時間オフセット量だけ上りリンク位相タイミングは進められるべきであり、マイナス(−)値であれば、上りリンク位相タイミングは上記時間オフセット量だけ遅らされるべきである。この事は、無線基地局200に近付いている無線端末100が矢印401の移動経路上で算出する上記変位量間の差分は、マイナス(−)値になることを意味している。
次に、図5において、無線端末100が矢印402に沿って移動している期間内においては、無線端末100は、無線基地局200から遠ざかるように動いている。上述の説明と同様に考えるならば、無線基地局200から遠ざかっている無線端末100が矢印402の移動経路上で算出する上記変位量間の差分は、プラス(+)値になる。
逆に言えば、プライマリ・セル300内を移動中の無線端末100が計算した上記変位量間の差分がマイナス(−)値かプラス(+)値であるかを判定することにより、プライマリ・セル300内を移動中の無線端末100が、無線基地局200に対して近付いているのか遠ざかっているのかを判定することができる。
そこで、プライマリ・セル300内を移動中の無線端末100が、無線基地局200に対して近付いていると判定可能な期間中は、無線端末100に関してプライマリ・セル300から他のセルへのセル間遷移動作が不要であることが判別できる。この場合、セル間遷移に関しては、無線端末100は静止状態と同様の取り扱いが可能である。同様に、無線基地局200から無線端末100までの距離が変わらない場合には、当該変位量は0のまま一定なので、そのような場合においてもまた、セル間遷移に関しては、無線端末100は静止状態と同様の取り扱いが可能である。従って、実際の端末移動速度とは無関係に、無線端末100に関するセル間遷移動作を規律する制御パラメータの設定内容を無線端末の低速移動状態(Normal Mobility)に対応した設定内容とすることが余計なセル間遷移動作を抑制するために有効である。
(4−B)端末移動速度検出方法の第2実施例の詳細な動作フロー
以下、図6のフローチャートを参照しながら、本実施の形態に係る端末移動速度検出方法の第2実施例の詳細な動作フローを説明する。
図6のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順は、無線基地局200から無線端末100に下りリンク伝送されたTAコマンド(Timing Advance Command)を、端末受信部120が受信信号の中から取り出して移動速度計算部150に渡すたびに繰り返し起動される。
上記の端末移動速度算出手順は、図6のフローチャートの「Start」から開始し、ステップS10に進む。ステップS10からステップS30までの処理内容は第1実施例に関して図4を使用して説明したステップS10からステップS30までの処理内容と同一であるので、説明を省略する。ステップS30までの処理が完了すると、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、移動速度計算部150は、ステップS10からステップS30までの間に端末移動速度Vの計算に付随して算出した上りリンク位相タイミングに関する調整量の差分Tがマイナス(−)値であるか否かを検査する。差分Tがマイナス(−)値であるならば、無線端末100は無線基地局に近付いていると判定可能であるので、処理はステップS50に進み、そうでなければ、処理はステップS100に進む。
ステップS50において、移動速度計算部150は、ステップS30にて計算した端末移動速度Vを第1の速度閾値と比較する。当該比較の結果、端末移動速度Vが第1の速度閾値を上回るならば、処理はステップS60に進む。なお、本実施の形態においては、第1の速度閾値として、E−UTRANネットワーク標準が規定する閾値パラメータNCR_Mと所定の速度係数を乗算した値を採用することも可能である。当該比較の結果、端末移動速度Vが第1の速度閾値と等しいか下回るならば、処理はステップS90に進む。
ステップS60において、移動速度計算部150は、ステップS30にて計算した端末移動速度Vを第2の速度閾値と比較する。当該比較の結果、端末移動速度Vが第2の速度閾値を上回るならば、処理はステップS70に進み、そうでなければ、処理はステップS80に進む。なお、本実施の形態においては、第2の速度閾値として、E−UTRANネットワーク標準が規定する閾値パラメータNCR_Hと所定の速度係数を乗算した値を採用することも可能である。
ステップS70において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が高速移動状態(High Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が高速移動状態(High Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS110に進む。
ステップS80において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が中速移動状態(Medium Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が中速移動状態(Medium Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS110に進む。
ステップS90において、移動速度計算部150は、無線端末100のモビリティ状態が低速移動状態(Normal Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が低速移動状態(Normal Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS110に進む。
ステップS100において、移動速度計算部150は、実際の端末移動速度とは無関係に、無線端末100のモビリティ状態が低速移動状態(Normal Mobility State)であると判定し、パラメータ制御部160に対して、セル間遷移に関する制御パラメータの設定値が低速移動状態(Normal Mobility State)に対応する値に変更されるべきである旨の指示コマンドを送信する。その後、処理はステップS110に進む。
ステップS110において、移動速度計算部150は、受け取ったTAコマンド(Timing Advance Command)の情報内容を図6に示す端末移動速度算出手順の次回の繰り返し実行に使用するために、無線端末100のメモリ(図示なし)中に「前回TAコマンド(Timing Advance Command)」として記憶し、図6に示す処理フローを終える。
図6のフローチャートを実行する実行主体である移動速度計算部150は、汎用プロセッサ、マイクロ・コンピュータ又はデジタル信号処理プロセッサなどにより実現することが可能である。さらに、図6のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順は、上記汎用プロセッサ、マイクロ・コンピュータ又はデジタル信号処理プロセッサ等により実行されるソフトウェア・プログラムとして実装することが可能である。また、移動速度計算部150は、図6のフローチャートに示す端末移動速度の算出手順を実行するための配線ロジックを備えた専用のASIC回路として実現することも可能である。
(4−C)端末移動速度検出方法の第2実施例が奏する効果
本実施例は、端末移動速度検出方法の第1実施例が奏する効果に加え、さらに以下の効果を奏する。プライマリ・セル300内を移動中の無線端末100が無線基地局200に近付いている際には、実際の端末移動速度とは無関係に、無線端末100に関するセル間遷移動作(例えば、ハンドオーバー動作等)は不要であると判断し、無線端末100のモビリティ状態区分を低速移動状態(Normal Mobility State)であると判定する。これにより、本実施例は、無線端末100に関するセル間遷移動作を規律する制御パラメータの設定を端末静止状態に対応した設定とすることを通じて、不必要なセル間遷移動作が発生することによるスループット低下やバッテリーの持続時間の劣化をより一層効果的に防ぐことができる。
本発明は、無線端末の移動速度に基づいて、当該無線端末と無線アクセス網との間の無線信号の伝送品質を評価し、また無線基地局間での当該無線端末のハンドオーバーの発生状況を推定するために、無線端末の移動速度を高精度に検出する方法として利用可能である。加えて、本発明は、無線端末の移動速度に応じて、当該無線端末に関する無線基地局間でのハンドオーバー動作の振る舞いを規律するために、無線端末の移動速度を高精度に検出する方法として利用可能である。
100 無線端末
110 送受信アンテナ
120 端末受信部
130 端末送信部
140 モビリティ制御部
150 移動速度計算部
160 パラメータ制御部
200 無線基地局
300 通信カバレージ
400 無線端末のセル内での移動経路を表す矢印
401 セル内において無線端末が無線基地局に近付いている時の移動経路を表す矢印
402 セル内において無線端末が無線基地局から遠ざかっている時の移動経路を表す矢印

Claims (7)

  1. 移動無線端末が内蔵する端末移動速度計算ユニットであって、前記移動無線端末は、固定局の通信カバレージ内での自端末の移動に応じた上りリンク位相タイミングの変動を補償するための位相調整量を指示するコマンドを前記固定局から受信する移動無線端末であり:
    前記移動無線端末が第1と第2の時刻において受信した2つの前記コマンドにそれぞれ含まれる第1と第2の位相調整量を検出する手段;
    前記第1と第2の位相調整量の差分を計算する手段;および、
    前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づいて前記固定局から見た前記移動無線端末の移動速度を算出する手段;
    を備える端末移動速度計算ユニット。
  2. 前記上りリンク位相タイミングの前記補償は、前記移動無線端末が前記固定局から移動した距離と方向とに基づいて決定され、
    前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づく前記移動速度の検出動作は、前記位相調整量の差分に光速度を乗算し、さらに前記第1と第2の時刻の時間差により除算する動作を備える、
    請求項1記載の端末移動速度計算ユニット。
  3. 当該端末移動速度計算ユニットは、前記算出された移動速度を使用して、前記移動無線端末のモビリティ状態が低速移動状態、中速移動状態または高速移動状態の何れの区分に属するかを判定する手段をさらに備え、
    前記移動無線端末は、前記モビリティ状態の区分判定結果を当該端末移動速度計算ユニットから受け取り、前記区分判定結果に依存して、前記移動無線端末のセル間遷移動作を規律する制御パラメータの設定を適応的に変更する制御パラメータ変更ユニットをさらに備える、
    請求項1記載の端末移動速度計算ユニット。
  4. 前記位相調整量の差分は、前記移動無線端末が前記固定局に近付いている際には負の値をとり、前記固定局から遠ざかっている際には正の値をとり、
    当該端末移動速度計算ユニットは、前記位相調整量の差分の値が負である場合に、前記算出された移動速度とは無関係に、セル間遷移動作を規律する前記制御パラメータの設定を低速移動状態に対応した設定とするよう前記制御パラメータ変更ユニットに指示する、
    請求項3記載の端末移動速度計算ユニット。
  5. 移動無線端末が内蔵するプロセッサにより実行されるプログラムであって、前記移動無線端末は、固定局の通信カバレージ内での自端末の移動に応じた上りリンク位相タイミングの変動を補償するための位相調整量を指示するコマンドを前記固定局から受信する移動無線端末であり:
    前記移動無線端末が第1と第2の時刻において受信した2つの前記コマンドにそれぞれ含まれる第1と第2の位相調整量を検出する端末受信部から前記第1と第2の位相調整量を受け取り、前記第1と第2の位相調整量の差分を計算する動作を前記プロセッサに実行させるステップ;および、
    前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づいて前記固定局から見た前記移動無線端末の移動速度を算出する動作を前記プロセッサに実行させるステップ;
    を順次実行するプログラム。
  6. 固定局の通信カバレージ内での自端末の移動に応じた上りリンク位相タイミングの変動を補償するための位相調整量を指示するコマンドを、送受信アンテナを介して前記固定局から受信する端末受信部;
    前記移動無線端末が第1と第2の時刻において受信した2つの前記コマンドを前記端末受信部から受信し、前記2つのコマンドにそれぞれ含まれる第1と第2の位相調整量を検出し、前記第1と第2の位相調整量の差分を計算し、前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づいて前記固定局から見た前記移動無線端末の移動速度を算出し、前記移動速度に応じて、前記移動無線端末のモビリティ状態が低速移動状態、中速移動状態または高速移動状態の何れの区分に属するかを判定する移動速度計算部;および
    前記判定の結果を前記移動速度判定部から受信し、前記判定された前記モビリティ状態の区分に依存して、前記移動無線端末のセル間遷移動作を規律する制御パラメータの設定を適応的に変更するパラメータ制御部;
    を備える移動無線端末。
  7. 移動無線端末の移動速度を算出する方法であって、前記移動無線端末は、固定局の通信カバレージ内での自端末の移動に応じた上りリンク位相タイミングの変動を補償するための位相調整量を指示するコマンドを前記固定局から受信する移動無線端末であり:
    前記移動無線端末が第1と第2の時刻において受信した2つの前記コマンドにそれぞれ含まれる第1と第2の位相調整量を検出するステップ;
    前記第1と第2の位相調整量の差分を計算するステップ;および、
    前記位相調整量の差分および前記第1と第2の時刻の時間差に基づいて前記固定局から見た前記移動無線端末の移動速度を算出するステップ;
    を備える方法。
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