JP2014202267A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Hiroyuki Ogawa
裕之 小川
晃 日比野
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晃 日比野
有希 荒津
Yuki Aratsu
有希 荒津
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Abstract

【課題】登坂路での発進時の車両のずり下がりを簡便に抑制させること。
【解決手段】複数の遊星ボール45を自転自在に且つ傾転自在に各々保持する相対回転可能な2つの円盤部材44A,44Bを有し、その相対回転で各遊星ボール45を傾転させることで変速比を変える無段変速機6と、駆動輪と無段変速機6の出力部材52との間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う変速機構7と、動力源100と無段変速機6の入力部材51との間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構101と、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、駆動輪と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されており、且つ、動力源100と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されている場合、駆動輪と無段変速機6との間を動力伝達可能な状態に制御する電子制御装置110と、を備えること。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラクションドライブ型の無段変速機を備えた動力伝達装置に関する。
従来、複数の動力伝達要素の内の少なくとも2つに複数個の転動部材を挟持させ、その各転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を無段階に変化させるトラクションドライブ型の無段変速機が知られている。この種の無段変速機としては、回転中心となる変速機軸と、この変速機軸の中心軸を回転中心軸とする相対回転可能な複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置され、各動力伝達要素の内の3つに挟み込まれた転動部材と、を備えたボールプラネタリ式のものが知られている。このボールプラネタリ式の無段変速機においては、対向させて配置した第1動力伝達要素と第2動力伝達要素の夫々の内周面で各転動部材が挟持されると共に、各転動部材が第3動力伝達要素の外周面上に配置されている。下記の特許文献1及び2には、その様なボールプラネタリ式の無段変速機が開示されている。ここで、その特許文献1の無段変速機においては、第4動力伝達要素としてのキャリアが各転動部材の支持軸を当該各転動部材の傾転及び自転が自在となるように両端から支えており、そのキャリアを成す2つのキャリア部材間の相対回転により各転動部材の傾転を図っている。また、その特許文献2には、この種の無段変速機を備えた動力伝達装置が開示されている。この動力伝達装置においては、その無段変速機の変速機軸の一方(トルク入力側)に同心のトルクコンバータを介してエンジンが接続され、その変速機軸の他方(トルク出力側)に同心の遊星歯車装置と複数の摩擦係合装置とが接続されている。その遊星歯車装置と複数の摩擦係合装置は、前進と後進の切替機構として動作する。
特表2012−506001号公報 米国特許出願公開第2009/0132135号明細書
ところで、車両においては、変速レンジがドライブレンジ等の走行レンジであっても、変速機がニュートラル状態に制御されている場合がある。例えば、停車中に動力源の動力が駆動輪へと伝達されているときには、制動装置を動作させるなどして車輪の回転を止めていなければ、車両が発進してしまう虞がある。これが為、停車中の変速機は、動力源の動力を駆動輪へと伝えない為に、ニュートラル状態に制御されることがある。また、車両においては、停車中の変速機をニュートラル状態へと制御する代わりに、動力伝達経路上におけるクラッチ等の動力断接機構を解放させ、停車中に動力源の動力が駆動輪へと伝わらないようにすることがある。また、停車中の燃費を向上させる為に、車両においては、停車中に変速機をニュートラル状態に制御し又は動力断接機構を解放制御して、動力源を停止させることもある。これらの車両では、発進させるに当たって、例えば運転者がブレーキペダルから足を離し、アクセルペダルを踏んだときに、電子制御装置が運転者の発進要求と判断し、変速機をニュートラル状態から発進時の変速段に変速させる又は動力断接機構を係合させることで、動力源の動力が駆動輪に伝わるようになる。その際、動力源を停止させていたならば、この動力源を再起動させる。従って、停車している場所が登坂路の場合には、車両を発進させる際に、動力源の動力が駆動輪に伝わるようになるまで、車輪が後進方向へと回転してしまい、発進時に車両がずり下がってしまう可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、登坂路での発進時の車両のずり下がりを簡便に抑制可能な動力伝達装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、放射状に配置された複数の転動部材を自転自在に且つ傾転自在に当該転動部材の支持軸の両端を介して各々保持する相対回転可能な2つの円盤部材を有し、該2つの円盤部材の相対回転で前記複数の転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を変えるボールプラネタリ式の無段変速機と、駆動輪と前記無段変速機の出力部材との間に介在し、その間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う第1動力断接機構と、動力源と前記無段変速機の入力部材との間に介在し、その間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う第2動力断接機構と、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、前記駆動輪と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されている場合、前記第1動力断接機構を制御して、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御する制御装置と、を備えることを特徴としている。
ここで、前記制御装置は、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御することが望ましい。
また、前記無段変速機は、前記駆動輪との間で動力伝達が可能な状態の場合、該駆動輪の後進方向への回転に伴い逆回転しようとした際に回転停止状態になる構造であることが望ましい。
また、前記無段変速機は、回転中心となる変速機軸と、前記複数の転動部材を当該変速機軸の軸線方向にて挟み込み、該変速機軸と同心の回転中心軸を中心とする相対回転が可能な第1及び第2の動力伝達要素と、前記複数の転動部材を外周面上に配置し、前記回転中心軸を中心とする前記第1及び第2の動力伝達要素との相対回転が可能な第3動力伝達要素と、前記2つの円盤部材を有し、該2つの円盤部材の内の一方のみが前記回転中心軸を中心に回転可能な固定要素と、を備えることが望ましい。
また、前記動力源及び前記第2動力断接機構と前記無段変速機との間に配置され、前記無段変速機の入力部材及び前記第2動力断接機構に連結されたインプットシャフトと当該無段変速機の出力部材に連結可能な駆動輪側のアウトプットシャフトとの間のトルク伝達を可能にする前進段と後進段とを少なくとも1つずつ備えた有段変速機を設け、該有段変速機の変速段と当該有段変速機のニュートラル状態との切り替えを前記第1動力断接機構に実施させる場合、前記制御装置は、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、前記有段変速機が前記インプットシャフトと前記アウトプットシャフトとの間のトルク伝達が不能なニュートラル状態ならば、前記駆動輪と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されている場合、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに前記第1動力断接機構で前記有段変速機を制御して、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御することが望ましい。
本発明に係る動力伝達装置は、登坂路での停車状態から運転者が発進させようとした際に、動力源の動力が駆動輪へと伝わるまでの間に車両がずり下がろうとしたとしても、無段変速機が逆回転しようとして回転停止状態になるので、駆動輪の後進方向への回転が抑制され、ずり下がりを抑えることができる。また、この動力伝達装置は、従来の様に例えば制動装置の車輪への制動力でずり下がりの抑制を図るものと比較して、低コストで応答性良く車両のずり下がりを抑えることができる。
図1は、本発明に係る動力伝達装置の構成を示す図である。 図2は、無段変速機の構成を示す図である。 図3は、キャリアの一方の固定円盤部材について説明する図である。 図4は、キャリアにおける他方の固定円盤部材と回転円盤部材について説明する図である。 図5は、発進補助制御に係るシステム構成を示すブロック図である。
以下に、本発明に係る動力伝達装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る動力伝達装置の実施例を図1から図5に基づいて説明する。
本実施例の動力伝達装置は、動力源の動力を駆動輪に伝えるものである。図1の符号1は、本実施例の動力伝達装置を示す。ここで例示する動力伝達装置1は、FF(Front engine Front drive)車又はFF車ベースの四輪駆動車に搭載された動力源100の動力を駆動輪(図示略)に伝えるものである。尚、その動力源100としては、機関(内燃機関等のエンジン)や回転機(電動機等)などが考えられる。
この動力伝達装置1は、動力源100の出力軸と同心の入力軸(以下、「インプットシャフト」と云う。)2にクラッチやトルクコンバータ等の動力断接機構101を介して当該動力源100の出力トルクが入力され、その入力トルクを変速した後、インプットシャフト2に対して間隔を空けて平行に配置した出力軸(以下、「カウンタシャフト」と云う。)3から変速後のトルクを出力させるものである。尚、カウンタシャフト3は、アウトプットシャフトと呼ばれる場合もある。また、この動力伝達装置1は、少なくとも前進段と後進段を1つずつ有する有段変速機5と、所定の変速比の範囲内で無段階に変速可能な無段変速機6と、その有段変速機5の変速段の切り替えを行う変速機構7と、カウンタシャフト3から出力された変速後のトルクを駆動輪に伝える差動機構8と、を備える。
この動力伝達装置1においては、動力断接機構101を介した動力源100の出力トルクが先ず有段変速機5に入力される。何故ならば、この動力伝達装置1は、有段変速機5のみを介して駆動輪に動力伝達を行う場合と、有段変速機5と無段変速機6とを介して駆動輪に動力伝達を行う場合と、を切り替えて使用されるからである。従って、その有段変速機5は、インプットシャフト2の軸線上において、動力源100と無段変速機6との間に配置する。ここで、この有段変速機5は、動力伝達経路と云う観点でみると、動力源100と駆動輪との間に配置され、且つ、動力源100と無段変速機6との間に配置され、且つ、無段変速機6と駆動輪との間に配置されている。尚、動力伝達経路の切り替えは、後述する様に変速機構7の動作によって実施する。これが為、その変速機構7は、動力伝達経路の切替機構と云うこともできる。
ここで例示する有段変速機5においては、インプットシャフト2が動力源100の動力の入力軸となり、カウンタシャフト3が変速後の動力源100の動力の出力軸となる。この有段変速機5は、前進段として第1ギヤ対と第2ギヤ対とを有し、且つ、後進段としての後退ギヤ対を有する。その各ギヤ対は、インプットシャフト2上に設けた同心の第1及び第2のドライブギヤ11,12並びにリバースドライブギヤ16と、カウンタシャフト3上に設けた同心の第1及び第2のドリブンギヤ21,22並びにリバースドリブンギヤ26と、アイドラシャフト4上に設けた同心のリバースアイドラギヤ4Aと、で構成する。また、この有段変速機5においては、動力源100側に第1ギヤ対を配置し、無段変速機6側に第2ギヤ対を配置する。そして、後退ギヤ対は、第1ギヤ対と第2ギヤ対との間に配置する。尚、図1に示すアイドラシャフト4とリバースアイドラギヤ4Aは、説明の便宜上の配置である。
そのカウンタシャフト3には、差動機構8のリングギヤ8Aと噛み合い状態にあるカウンタギヤ29が設けられている。そのカウンタギヤ29は、同心のカウンタシャフト3と一体になって回転する。従って、カウンタシャフト3は、駆動輪との間で動力の伝達が可能な状態になっている。例えば、カウンタシャフト3に伝達された動力源の動力は、そのカウンタギヤ29を介して差動機構8に伝達され、駆動トルクとして駆動輪に伝えられる。
第1ギヤ対は、第1ドライブギヤ11と第1ドリブンギヤ21とで構成する。第1ドライブギヤ11は、同心のインプットシャフト2と一体になって回転する。一方、第1ドリブンギヤ21は、同心のカウンタシャフト3に対する相対回転(空転)が行えるように配置する。その第1ドライブギヤ11と第1ドリブンギヤ21は、常時噛み合い状態にある。
第2ギヤ対は、第2ドライブギヤ12と第2ドリブンギヤ22とで構成する。第2ドライブギヤ12は、後述する無段変速機6の出力要素の1つを成すものであり、同心のインプットシャフト2に対する相対回転(空転)が行えるように配置する。また、第2ドリブンギヤ22は、同心のカウンタシャフト3に対する相対回転(空転)が行えるように配置する。その第2ドライブギヤ12と第2ドリブンギヤ22は、常時噛み合い状態にある。
後退ギヤ対は、リバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26とリバースアイドラギヤ4Aとで構成する。リバースドライブギヤ16は、同心のインプットシャフト2と一体になって回転する。リバースドリブンギヤ26は、同心のカウンタシャフト3と一体になって回転する。そのリバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26は、噛み合い状態にない。リバースアイドラギヤ4Aは、同心のアイドラシャフト4と一体になって回転する。このリバースアイドラギヤ4Aは、アイドラシャフト4の軸線方向への往復移動が可能であり、その往復移動によってリバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26との間を断接させる。後進時には、リバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26とに各々噛み合うようリバースアイドラギヤ4Aを移動させる。その際のリバースドリブンギヤ26は、前進時とは逆方向に回転してトルクを伝える。一方、後進時以外では、リバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26との間でトルク伝達が行われないようリバースアイドラギヤ4Aを移動させる。
この有段変速機5は、その第1ギヤ対と第2ギヤ対と後退ギヤ対とを変速機構7で切り替える。その変速機構7は、その各ギヤ対の変速段の切り替えを行う機構であると共に、前進段(第1ギヤ対及び第2ギヤ対)と後進段(後退ギヤ対)とを切り替える機構でもある。従って、この変速機構7は、車両の前進と後進とを切り替える前後進切替機構と云うこともできる。
変速機構7は、第1ギヤ対と第2ギヤ対との間に配置する。この変速機構7は、カウンタシャフト3と一体になった回転が可能で、且つ、そのカウンタシャフト3に対する軸線方向への往復移動が可能なスリーブ31を備える。そのスリーブ31は、軸線方向への移動場所に応じて、第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22を夫々にカウンタシャフト3に対して相対回転させることもできれば、その第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22の内の一方をカウンタシャフト3と一体になって回転させることもできる。
例えば、第2ドリブンギヤ22とスリーブ31との間には、これらを係合又は解放させる動力断接機構32が設けられている。その動力断接機構32は、第2ドリブンギヤ22と一体になって回転する第1係合部と、スリーブ31と一体になって回転する第2係合部と、を備える。この動力断接機構32は、第1係合部と第2係合部とが係合しているときに第2ドリブンギヤ22とスリーブ31とを一体になって回転させることができ、第1係合部と第2係合部とが係合しているときに第2ドリブンギヤ22とスリーブ31との間で相対回転させることができる。この動力断接機構32においては、スリーブ31の軸線方向への移動に伴って係合状態と解放状態とが切り替わる。例えば、この動力断接機構32には、ドグクラッチを用いることができる。
具体的な動力伝達経路の説明については無段変速機6の説明の後に回すが、この変速機構7は、スリーブ31を第1ドリブンギヤ21に係合させることで、有段変速機5の第1ギヤ対を介した動力源100と駆動輪との間のトルク伝達を可能にする。また、この変速機構7は、スリーブ31を第2ドリブンギヤ22に係合させることで、有段変速機5の第2ギヤ対を介した無段変速機6と駆動輪との間のトルク伝達が可能になり、その第2ギヤ対と無段変速機6とを介した動力源100と駆動輪との間のトルク伝達を可能にする。更に、この変速機構7は、スリーブ31を第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22の双方に係合させないことで、有段変速機5を動力源100と駆動輪との間及び無段変速機6と駆動輪との間でトルク伝達が行われないニュートラル状態にする。但し、変速機構7は、スリーブ31の外周面にリバースドリブンギヤ26が形成されているので、スリーブ31が第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22の双方に係合していなくても、リバースアイドラギヤ4Aがリバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26とに各々噛み合っているならば、有段変速機5の後退ギヤ対を介した動力源100と駆動輪との間のトルク伝達を可能にする。
この様に、この変速機構7は、動力伝達経路の切替機構であると共に、動力源100と駆動輪との間における動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構と云うこともでき、無段変速機6と駆動輪との間における動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構と云うこともできる。尚、前述した動力断接機構101は、有段変速機5がニュートラル状態でなければ、動力源100と駆動輪との間における動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構、動力源100と有段変速機5との間における動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構、動力源100と無段変速機6との間における動力伝達経路の生成と遮断とを行う動力断接機構となる。
次に、無段変速機6について説明する。この無段変速機6は、所謂トラクションドライブ型のものである。ここでは、図2に示す様に、トラクション遊星機構に相当するボールプラネタリ式の無段変速機構を備えたものを例示する。
本実施例の無段変速機構は、共通の第1回転中心軸R1を有する4つの動力伝達要素と、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置された複数の転動部材と、4つの動力伝達要素の回転中心に配置した変速機軸と、を備える。転動部材は、第1回転中心軸R1とは異なる第2回転中心軸R2を有するものであり、自身の第2回転中心軸R2と第1回転中心軸R1とを含む傾転平面上での傾転動作が可能である。以下においては、特に言及しない限り、その第1回転中心軸R1に沿う方向を軸線方向と云い、その第1回転中心軸R1周りの方向を周方向と云う。また、その第1回転中心軸R1に直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側と云う。
この無段変速機構は、4つの動力伝達要素の内の3つ(第1から第3の動力伝達要素)で各転動部材を挟持すると共に、残りの動力伝達要素(第4動力伝達要素)で各転動部材を自転自在で且つ傾転自在に保持する。各転動部材は、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置される。そして、各転動部材は、軸線方向において対向させて配置された第1及び第2の動力伝達要素の内周面に挟持され、且つ、第3動力伝達要素の外周面上に配置される。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルク(動力)の伝達を行うことができる。例えば、この無段変速機構は、第1から第3の動力伝達要素と各転動部材との間にトラクション力(接線力)を発生させることで、その第1から第3の動力伝達要素の間での各転動部材を介したトルクの伝達を行うことができる。そのトラクション力は、第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を各転動部材に押し付けることによって発生させる。更に、この無段変速機構では、第4動力伝達要素の回転を許容することで、第4動力伝達要素と各転動部材との間におけるトルクの伝達も可能である。
また、この無段変速機構においては、夫々の転動部材の第2回転中心軸R2を傾転平面上で第1回転中心軸R1に対して傾倒させ、各転動部材を傾転させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比、つまり変速比γcvpを変える。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の全てが変速機軸に対して相対回転可能な回転要素として用いられるものもあれば、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つを変速機軸に対して相対回転できぬ固定要素として用いるものもある。前者の構成の場合には、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力要素となり、これとは別の1つがトルクの出力要素となる。一方、後者の構成の場合には、固定要素以外の3つの動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達が行われるので、その3つの動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力要素となり、これとは別の1つがトルクの出力要素となる。これが為、この無段変速機構においては、入力要素となる動力伝達要素と出力要素となる動力伝達要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比γcvpとなる。この無段変速機6においては、その入力要素が入力部材51を介して動力源100側に連結され、その出力要素が出力部材52を介して駆動輪側に連結される。その入力部材51と出力部材52は、第1回転中心軸R1(後述するシャフト46)と同心であり、その軸線方向における一方に延設する。
ここで、この無段変速機6においては、第1及び第2の動力伝達要素がトラクション遊星機構で云うところのリングギヤ等の機能を為すものとなる。また、第3動力伝達要素と第4動力伝達要素は、各々トラクション遊星機構におけるサンローラとキャリアとして機能する。また、転動部材は、トラクション遊星機構におけるボール型ピニオンとして機能する。従って、この無段変速機6は、第1及び第2の動力伝達要素としての第1及び第2の回転部材41,42と、第3動力伝達要素としてのサンローラ43と、第4動力伝達要素としてのキャリア44と、転動部材としての遊星ボール45と、変速機軸としてのシャフト46と、を備える。そのシャフト46は、筐体や車体等における無段変速機6の固定部に固定したものであり、その固定部に対して相対回転させぬよう構成した円柱状又は円筒状の固定軸とする。このシャフト46は、インプットシャフト2と同心に配置される。インプットシャフト2は、その端部が軸受(例えばころ軸受やニードル軸受等)B1を介してシャフト46に取り付けられており、そのシャフト46に対して相対回転することができる。この無段変速機6においては、傾転平面上で第1回転中心軸R1と第2回転中心軸R2とが平行になっている状態(図2の状態)を基準位置としている。尚、ここでは、キャリア44を固定要素として利用する場合を例示する。但し、後述する回転円盤部材44Bの回転だけは可能にしている。
第1及び第2の回転部材41,42は、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、軸線方向で対向させて各遊星ボール45を挟み込むように配設する。この例示においては、双方とも円環部材とする。
この無段変速機6においては、第1及び第2の回転部材41,42と各遊星ボール45とが互いに点接触(厳密には楕円形状の面接触)している接触部を有する。各遊星ボール45は、後で詳述するが転動面としての外周曲面を有しており、その外周曲面において第1及び第2の回転部材41,42に挟持される。つまり、各遊星ボール45は、その外周曲面に上記の接触部を有する。一方、第1及び第2の回転部材41,42は、各遊星ボール45を径方向外側から挟持するものであり、その内周面に接触部を各々有する。第1及び第2の回転部材41,42の接触部における形状は、例えば、遊星ボール45の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、その外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等を成している。そして、この第1及び第2の回転部材41,42の接触部における形状は、第1及び第2の回転部材41,42から遊星ボール45に向けて軸線方向の力(押圧力)が加わった際に、その遊星ボール45に対して径方向内側で且つ斜め方向の力(法線力)が加わるように形成されている。
ここでは、上記基準位置の状態で第2回転中心軸R2から夫々の接触部までの最短距離が同じ長さになるように、第1及び第2の回転部材41,42の内周面と各遊星ボール45の外周曲面を形成する。更に、ここでは、第1及び第2の回転部材41,42と各遊星ボール45との夫々の接触角θが同じ角度になるように、第1及び第2の回転部材41,42の内周面と各遊星ボール45の外周曲面を形成する。その接触角θとは、基準平面に対する接触部と遊星ボール45の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)とを結ぶ線の成す角度のことである。基準平面とは、夫々の遊星ボール45の中心を有する径方向に広がる平面のことである。
この例示においては、第1回転部材41をトルクの入力部として用い、第2回転部材42をトルクの出力部として用いる。この無段変速機6においては、上記の基準平面に対して入力部となる第1回転部材41が配置された側をトルクの入力側と云い、その基準平面に対して出力部となる第2回転部材42が配置された側をトルクの出力側と云う。そして、軸線方向は、その出力側から入力側に向く方向をトルクの入力側方向と云い、入力側から出力側に向く方向をトルクの出力側方向と云う。その第1回転部材41には当該第1回転部材41と同心の入力部材51が連結され、第2回転部材42には当該第2回転部材42と同心の出力部材52が連結される。
その入力部材51と出力部材52は、第1回転中心軸R1を中心として周方向に回転することができる。ここではシャフト46が固定軸なので、入力部材51と出力部材52は、夫々にシャフト46に対して周方向に相対回転する。また、入力部材51と出力部材52は、トルクの入力側と出力側の内の何れか一方に纏めて延在させる。この例示の入力部材51と出力部材52は、第1回転部材41等の配設されているトルクの入力側(つまり動力源100の配置されている側)に纏めて延在させている。この例示では、入力部材51が第1回転中心軸R1を中心とする円盤状を成し、且つ、出力部材52が第1回転中心軸R1を中心とする円筒状を成しており、その出力部材52が入力部材51を径方向外側から覆っている。
入力部材51は、第1回転部材41に連結させ、且つ、軸線方向における各遊星ボール45から離れる方向(トルクの入力側方向であって動力源100の配置されている方向)に向けて延在させる。この入力部材51は、外縁部分に同心の第1回転部材41が連結される円盤部51aと、この円盤部51aの径方向内側部分からトルクの入力側方向に向けて延設された筒状部51bと、を備える。円盤部51aは、第1回転部材41やキャリア44よりもトルクの入力側方向に配置し、その第1回転部材41と共にキャリア44の後述する第1円盤部材44Aを軸線方向から覆う。筒状部51bは、同心のインプットシャフト2に固定される円筒状の部材である。この例示では、筒状部51bの内周面とインプットシャフト2の外周面とがスプライン嵌合される。つまり、この入力部材51は、インプットシャフト2と一体になって回転することができる。従って、この入力部材51は、インプットシャフト2に入力された動力源100の出力トルクを無段変速機6に伝えることができる。
一方、出力部材52は、第2回転部材42に連結させ、且つ、軸線方向における入力部材51と同じ方向に向けて当該入力部材51を径方向外側から覆った状態で延在させる。この出力部材52は、同心の第1及び第2の回転部材41,42を径方向外側から覆う第1筒状部52aと、この第1筒状部52aにおけるトルクの入力側方向の端部を外縁とする円盤部52bと、この円盤部52bの径方向内側部分からトルクの入力側方向に向けて延設された第2筒状部52cと、を備える。第1筒状部52aは、トルクの出力側方向の端部に固定された環状部材53を介して第2回転部材42に連結する。円盤部52bは、入力部材51の円盤部51aよりもトルクの入力側方向に配置する。第2筒状部52cは、入力部材51の筒状部51bを径方向外側から覆い、且つ、その筒状部51bよりもトルクの入力側方向に延在している。この第2筒状部52cは、軸受(例えばころ軸受やニードル軸受等)B2を介して筒状部51bの外周面に取り付けられている。また、入力部材51と出力部材52との間には、スラスト軸受TBも設けられている。これが為、この出力部材52は、インプットシャフト2や入力部材51に対して相対回転することができる。
ここで、無段変速機6の出力トルクは、その出力部材52からカウンタシャフト3に伝えられる。そのトルク伝達には、互いに噛み合い状態にある出力部材52側の外歯歯車とカウンタシャフト3側の外歯歯車とを利用する。出力部材52側の外歯歯車は、出力部材52と一体になって回転可能な同心の歯車であり、第2筒状部52cの外周面に直接形成したものであってもよく、外周面に歯の形成された別部材を第2筒状部52cに固定することで構成してもよい。この例示では、後者の別部材である円筒状の前述した第2ドライブギヤ12をスプライン嵌合等によって第2筒状部52cの外周面に取り付けている。一方、カウンタシャフト3側の外歯歯車は、カウンタシャフト3と同心の歯車であり、無段変速機6を介した動力源100と駆動輪との間のトルク伝達の際にカウンタシャフト3と一体になって回転させ、それ以外のその間のトルク伝達の際にカウンタシャフト3に対して相対回転(つまり空転)させる。このカウンタシャフト3側の外歯歯車は、スリーブによってカウンタシャフト3との一体回転又はカウンタシャフト3に対する相対回転が可能になる前述した第2ドリブンギヤ22である。
その入力部材51と第1回転部材41との間には、軸力を発生させる軸力発生部47Aが設けられている。その軸力とは、第1回転部材41を各遊星ボール45に押し付ける為の軸線方向の押圧力である。ここでは、その軸力発生部47Aとしてトルクカムを利用する。従って、この軸力発生部47Aは、円盤部51aの外縁部分における係合部又は係合部材と第1回転部材41側の係合部又は係合部材とが係合することで、入力部材51と第1回転部材41との間で軸力を発生させると共に回転トルクを伝達させ、これらを一体にして回転させる。一方、この無段変速機6には、出力部材52と第2回転部材42との間にも軸力発生部47Bが配設されている。その軸力発生部47Bは、第2回転部材42を各遊星ボール45に押し付ける為の軸線方向の押圧力(軸力)を発生させるものであり、軸力発生部47Aと同様のトルクカムを用いる。この軸力発生部47Bは、環状部材53を介して出力部材52に接続されている。
この無段変速機6は、その軸力によって、第1回転部材41と各遊星ボール45との間、第2回転部材42と各遊星ボール45との間及びサンローラ43と各遊星ボール45との間において、運転中にトラクション力を発生させることができる。
サンローラ43は、シャフト46と同心に配置され、このシャフト46に対する周方向への相対回転を行う。このサンローラ43の外周面には、複数個の遊星ボール45が放射状に略等間隔で配置される。従って、このサンローラ43においては、その外周面が遊星ボール45の自転の際の転動面となる。このサンローラ43は、自らの回転動作によって夫々の遊星ボール45を転動(自転)させることもできれば、夫々の遊星ボール45の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。本実施例のサンローラ43は、上記の基準平面を境にしてシャフト46に対する周方向の相対回転が可能な2つの回転体(第1回転体43a、第2回転体43b)に分割し、夫々の遊星ボール45との接触部を軸線方向において2箇所に分散させたものである。
遊星ボール45は、支持軸48を中心にしてサンローラ43の外周面上を転がる転動部材である。この遊星ボール45は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。支持軸48は、遊星ボール45の中心を通って貫通させたものであり、遊星ボール45を回転自在に支持する。例えば、遊星ボール45は、支持軸48の外周面との間に配設したニードル軸受等の軸受によって、第2回転中心軸R2を中心とした支持軸48に対する相対回転(つまり自転)が行える。その支持軸48の両端は、遊星ボール45から突出させておく。
その支持軸48の基準となる位置は、前述した図2に示す基準位置であり、第2回転中心軸R2が第1回転中心軸R1と平行になる位置である。この支持軸48は、傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール45と共に揺動(傾転)させることができる。その傾転は、その傾転平面内で遊星ボール45の中心を支点にして行われる。
キャリア44は、夫々の遊星ボール45の傾転動作を妨げないように支持軸48の夫々の突出部を支持する。このキャリア44は、例えば、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させ且つ軸線方向にて互いに対向させて配置した第1から第3の円盤部材44A,44B,44Cを有するものである。このキャリア44においては、その第1から第3の円盤部材44A,44B,44Cの内の2つの円盤部材の間にサンローラ43や遊星ボール45を配置する。また、このキャリア44においては、第1円盤部材44Aと第2円盤部材44Bとを軸線方向にて間隔を空けて配置し、その内の一方に近づけて第3円盤部材44Cを配置する。この例示では、第3円盤部材44Cを第1円盤部材44Aと第2円盤部材44Bとの間で且つ当該第2円盤部材44Bに近接させて配置し、その第1円盤部材44Aと第3円盤部材44Cとの間にサンローラ43や遊星ボール45を配置している。尚、このキャリア44では、第3円盤部材44Cを必ずしも設ける必要はない。
このキャリア44においては、第1及び第2の円盤部材44A,44Bの内の一方をシャフト46に対する周方向への相対回転が行えるように構成し、その内の他方をシャフト46に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。また、第3円盤部材44Cは、シャフト46に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。この例示では、第1及び第3の円盤部材44A,44Cをシャフト46に対する相対回転が不能なものとし、第2円盤部材44Bをシャフト46に対する相対回転が可能なものとする。第1円盤部材44Aは、その内径側をシャフト46の外径側に例えば螺子部材等で固定する。第2円盤部材44Bは、軸受(図示略)を介して内径側をシャフト46の外径側に取り付ける。第3円盤部材44Cは、例えば複数本の支持軸(図示略)で第1円盤部材44Aに連結する。その第1円盤部材44Aと第3円盤部材44Cは、籠状を成しており、その支持軸間の隙間から遊星ボール45の一部分を突出させている。尚、第1及び第2の回転部材41,42は、その遊星ボール45の突出部分に接触している。以下、第1円盤部材44Aを第1固定円盤部材44Aと云い、第2円盤部材44Bを回転円盤部材44Bと云い、第3円盤部材44Cを第2固定円盤部材44Cと云う。
ここで、この無段変速機6においては、夫々の遊星ボール45の傾転角が基準位置、即ち0度のときに、第1回転部材41と第2回転部材42とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第2回転部材42に対する第1回転部材41の回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γcvpが1になっている。一方、夫々の遊星ボール45を基準位置から傾転させた場合、夫々の遊星ボール45においては、支持軸48の中心軸(第2回転中心軸R2)から第1回転部材41との接触部までの最短距離が変化すると共に、支持軸48の中心軸から第2回転部材42との接触部までの最短距離が変化する。これが為、第1回転部材41又は第2回転部材42の内の何れか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2回転部材42は、遊星ボール45を一方へと傾転させたときに第1回転部材41よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材41よりも高回転になる(増速)。従って、この無段変速機6においては、その傾転角を変えることによって、第2回転部材42に対する第1回転部材41の回転比(変速比γcvp)を無段階に変化させることができる。尚、ここでの増速時(γcvp<1)には、図1及び図2における上側の遊星ボール45を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール45を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γcvp>1)には、図1及び図2における上側の遊星ボール45を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール45を紙面反時計回り方向に傾転させる。
この無段変速機6には、その変速比γcvpを変える変速装置が設けられている。変速比γcvpは遊星ボール45の傾転角の変化に伴い変わるので、その変速装置としては、夫々の遊星ボール45を傾転させる傾転装置を用いる。ここでは、キャリア44に傾転装置(変速装置)としての機能を持たせる。
先ず、第1及び第2の固定円盤部材44A,44Cには、径方向ガイド部44a,44cが遊星ボール45毎に設けられている。その径方向ガイド部44a,44cとは、遊星ボール45から突出させた支持軸48の端部に傾転力が加わった際に、その端部を径方向へと案内するガイド部のことである。径方向ガイド部44aは、例えば長手方向を径方向とするガイド溝やガイド孔である(図3)。一方、径方向ガイド部44cは、長手方向を径方向とするガイド孔であり(図4)、支持軸48を貫通させる。つまり、第1及び第2の固定円盤部材44A,44Cにおいては、軸線方向からみると、各径方向ガイド部44a,44cが第1回転中心軸R1を中心とする放射状を成している。その夫々の径方向ガイド部44a,44cは、軸線方向において互いに対向させた位置に形成されており、変速比γcvpの大きさに拘わらず第2回転中心軸R2が略傾転平面上に位置するよう支持軸48を保持する。「略」としたのは、支持軸48の円滑な傾転動作の為に、支持軸48と径方向ガイド部44a,44cの幅方向との間に僅かな隙間を設けているからである。尚、図3は、遊星ボール45側から第1固定円盤部材44Aを軸線方向にみた図である。図4は、遊星ボール45側から回転円盤部材44Bと第2固定円盤部材44Cを軸線方向にみた図である。
回転円盤部材44Bは、上述した様に、シャフト46に対する周方向の相対回転が可能である。その相対回転には、図示しない電動機等のアクチュエータ(駆動部)を用いる。この駆動部の駆動力は、図4に示すウォームギヤ49を介して回転円盤部材44Bの外周部分に伝えられる。この駆動部は、図5に示す電子制御装置(ECU)110で制御する。
一方、回転円盤部材44Bには、傾転力付与部44bが遊星ボール45毎に設けられている。その傾転力付与部44bは、遊星ボール45から突出させた支持軸48の一方の端部に対して、回転円盤部材44Bの回転に伴い傾転力を作用させるものである。例えば、この傾転力付与部44bは、長手方向が径方向に対して所定の傾斜角で傾斜している直線状の溝や孔である(図4)。軸線方向からみると、この傾転力付与部44bは、その一部分が径方向ガイド部44cの一部分と重なっている。その一部分同士が重なっている交差部分は、回転円盤部材44Bの回転と共に径方向に移動する。支持軸48の一方の端部は、その交差部分において支持されている。従って、回転円盤部材44Bを回転させた際には、この支持軸48の一方の端部に対して傾転力付与部44bの側壁面から傾転力が作用し、その端部が径方向ガイド部44a,44cによって径方向へと案内される。この無段変速機6においては、この案内動作が遊星ボール45の傾転動作となる。
具体的に、このキャリア44においては、第1固定円盤部材44Aと回転円盤部材44Bとを相対回転させることで、その相対回転に応じた傾転力が支持軸48の一方の端部に作用する。例えば、回転円盤部材44Bを図4の紙面時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部44bにおける径方向外側の側壁に沿って当該側壁が支持軸48の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸48の一方の端部が径方向ガイド部44a,44cによって径方向内側へと移動するので、変速比γcvpが回転前よりも増速側へと変速する。一方、回転円盤部材44Bを図4の紙面反時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部44bにおける径方向内側の側壁に沿って当該側壁が支持軸48の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸48の一方の端部が径方向ガイド部44a,44cによって径方向外側へと移動するので、変速比γcvpが回転前よりも減速側へと変速する。尚、遊星ボール45は、第1回転部材41と第2回転部材42とサンローラ43とで挟持されているので、球体であれば、その傾転力が付与された際に重心位置を中心にして傾転する。
この無段変速機6においては、第1回転部材41に入力部材51を介してトルクが入力されると、その入力トルクや第2回転部材42の出力トルクに応じた軸力が軸力発生部47A,47Bによって発生する。第1及び第2の回転部材41,42と各遊星ボール45との接触部においては、その軸力によって法線力Fnが作用し、この法線力Fnとトラクション係数μtとに応じた夫々のトラクション力Ftが発生する(Ft=μt*Fn)。この無段変速機6においては、そのトラクション力Ftによって入出力間の動力伝達が行われる。その法線力Fnは、接触部における各々の接触楕円の面積と面圧の乗算値である。
この無段変速機6においては、動力断接機構101が解放されていなければ、有段変速機5の状態に拘わらず、その動力源100の動力がインプットシャフト2と入力部材51を介して入力されるので、その動力が変速比γcvpに応じて出力部材52に出力されている。これが為、この動力伝達装置1においては、その動力断接機構101が解放されていなければ、動力源100の動力が常に出力部材52を介して第2ドライブギヤ12に伝達されている。
この様に構成した動力伝達装置1の動力伝達経路について詳述する。尚、ここでは、動力断接機構101が係合されているものとして説明を行う。
先ず、有段変速機5がニュートラル状態の場合を説明する。ニュートラル状態が選択されたときには、スリーブ31を第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22とに係合させぬよう移動させることで、その第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22とが夫々にカウンタシャフト3に対して相対回転し得る状態になる。これが為、このときには、第1ドライブギヤ11から第1ドリブンギヤ21に対して、そして、第2ドライブギヤ12から第2ドリブンギヤ22に対して、夫々に動力源100の動力が伝達されているが、その動力がカウンタシャフト3に伝えられない。また、このときには、駆動輪側からカウンタシャフト3にトルクが入力されたとしても、そのトルクが第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22とに伝達されることもない。従って、有段変速機5がニュートラル状態の場合には、動力源100と駆動輪との間でトルクを伝達できなくなる。
第1ギヤ対が選択されたときには、スリーブ31を第1ドリブンギヤ21に向けて移動させることによって、そのスリーブ31を介して第1ドリブンギヤ21がカウンタシャフト3と一体になって回転し得る状態になる一方で、第2ドリブンギヤ22がカウンタシャフト3に対して相対回転し得る状態になる。これが為、第1ギヤ対においては、動力源100の動力をカウンタシャフト3に伝えることができ、且つ、駆動輪側からカウンタシャフト3に入力されたトルクをインプットシャフト2に伝えることができる。これに対して、第2ギヤ対においては、有段変速機5がニュートラル状態のときと同じ様に、無段変速機6を介した動力源100の動力をカウンタシャフト3に伝えることも、駆動輪側からカウンタシャフト3に入力されたトルクを第2ドライブギヤ12(つまり無段変速機6の出力側)に伝えることもできない。従って、第1ギヤ対が選択されたときには、有段変速機5の第1ギヤ対を介して、動力源100と駆動輪との間でのトルク伝達が可能になる。このときには、第1ギヤ対のギヤ比(第1ドライブギヤ11と第1ドリブンギヤ21のギヤ比)が動力伝達装置1の総合変速比γとなる。その際、無段変速機6の変速比γcvpは、例えば1に制御する。
第2ギヤ対が選択されたときには、スリーブ31を第2ドリブンギヤ22に向けて移動させることによって、そのスリーブ31を介して第2ドリブンギヤ22がカウンタシャフト3と一体になって回転し得る状態になる一方で、第1ドリブンギヤ21がカウンタシャフト3に対して相対回転し得る状態になる。これが為、第1ギヤ対においては、有段変速機5がニュートラル状態のときと同じ様に、動力源100の動力をカウンタシャフト3に伝えることも、駆動輪側からカウンタシャフト3に入力されたトルクをインプットシャフト2に伝えることもできない。これに対して、第2ギヤ対においては、無段変速機6を介した動力源100の動力をカウンタシャフト3に伝えることができ、且つ、駆動輪側からカウンタシャフト3に入力されたトルクを第2ドライブギヤ12(無段変速機6の出力側)に伝えることができる。従って、第2ギヤ対が選択されたときには、有段変速機5の第2ギヤ対と無段変速機6とを介して、動力源100と駆動輪との間でのトルク伝達が可能になる。このときには、第2ギヤ対のギヤ比(第2ドライブギヤ12と第2ドリブンギヤ22のギヤ比)と無段変速機6の変速比γcvpとからなるギヤ比が動力伝達装置1の総合変速比γとなる。このときの総合変速比γは、その無段変速機6の変速比γcvpに応じて無段階に変化する。
後退ギヤ対が選択されたときには、ニュートラル状態のときと同じようにスリーブ31を移動させ、更にリバースドライブギヤ16とリバースドリブンギヤ26とに各々噛み合うようリバースアイドラギヤ4Aを移動させる。前述した様にリバースドリブンギヤ26がスリーブ31に形成されているので、このときには、有段変速機5の後退ギヤ対を介して、動力源100と駆動輪との間でのトルク伝達が可能になる。このときも、無段変速機6の変速比γcvpは、ニュートラル状態のときと同じように例えば1に制御する。
ここで、有段変速機5は、そのスリーブ31とリバースアイドラギヤ4Aを電子制御装置110の指令によって軸線方向に移動させるアクチュエータ(図示略)を備えたものである。そのアクチュエータは、例えば電動又は油圧駆動のものである。このアクチュエータは、スリーブ31とリバースアイドラギヤ4Aとで共用してもよく、スリーブ31用とリバースアイドラギヤ4A用とに分けてもよい。
電子制御装置110は、運転者が選択した変速レンジに応じて、アクチュエータを駆動し、スリーブ31を軸線方向に動作させる。その変速レンジには、前進の走行レンジとしてのドライブレンジ(所謂Dレンジ)や変速段レンジ、後退の走行レンジとしての後退レンジ(所謂Rレンジ)が用意されている。その変速段レンジとは、変速段毎のレンジであり、有段変速機5の第1ギヤ対のレンジと、有段変速機5の第2ギヤ対と無段変速機6の夫々の変速比に応じた無段階の総合変速比の中から固定変速段として予め選び出されているもののレンジと、を指している。この変速段レンジは、かかる固定変速段を動力伝達装置1が設定している場合に用意されることがある。また、変速レンジとしては、ニュートラルレンジ(所謂Nレンジ)も用意されている。
運転者がドライブレンジを選択した場合、電子制御装置110は、車速等の運転状態に応じて第1ギヤ対又は第2ギヤ対を選択し、その選択されたギヤ対でのトルク伝達が行えるようにアクチュエータでスリーブ31を動作させる。また、電子制御装置110は、運転者が変速段レンジを選択した場合、その変速段に応じたギヤ対でのトルク伝達が行えるようにアクチュエータでスリーブ31を動作させる。また、電子制御装置110は、運転者が後退レンジ又はニュートラルレンジを選択した場合、第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22とが夫々にカウンタシャフト3に対して相対回転し得るようにアクチュエータでスリーブ31を動作させる。尚、後退レンジが選択された場合、電子制御装置110は、リバースアイドラギヤ4Aについてもアクチュエータで移動させる。
この動力伝達装置1においては、動力源100を停止させた惰性走行を行っているときに、走行レンジのままで有段変速機5をニュートラル状態に制御したり、走行レンジのままで動力断接機構101を解放させたりすることができる。
ところで、この動力伝達装置1の搭載された車両においては、例えば停車中に動力源100の動力を駆動輪へと伝達させない為に又は停車中の動力源100の停止に伴う燃費向上の為に、停車中の変速レンジが走行レンジであっても、電子制御装置110が有段変速機5をニュートラル状態に制御する場合がある。また、この車両では、動力源100の動力を駆動輪に伝達させないように又は停車中の動力源100の停止に伴う燃費向上を図るべく、停車中の変速レンジが走行レンジのときに、その動力断接機構101を解放させることがある。
ここで、有段変速機5がニュートラル状態のときには、カウンタシャフト3が第1ドリブンギヤ21と第2ドリブンギヤ22とに対して空回り可能であり、インプットシャフト2とカウンタシャフト3との間でトルク伝達が行えないので、駆動輪と動力源100との間及び駆動輪と無段変速機6との間の夫々の動力伝達経路が遮断されている。これが為、この場合には、動力断接機構101が係合状態であると解放状態であるとに拘わらず、制動装置が車輪に対して動作していなければ、路面の摩擦抵抗やカウンタシャフト3までの動力伝達経路上の摩擦抵抗等しか駆動輪の回転を止める要素がない。従って、登坂路で停車している車両を発進させるときには、有段変速機5がニュートラル状態から発進時の変速段に変速して、動力源100の動力が駆動輪に伝わるようになるまで、車輪が後進方向へと回転してしまい、車両がずり下がってしまう可能性がある。
この車両の無段変速機6は、キャリア44における第1固定円盤部材44Aと回転円盤部材44Bとの間の相対回転で各遊星ボール45を傾転させるので、動力源100の動力が伝達されているときの回転方向(正回転)にのみ正しく動作し、これとは逆方向に回転させたならば、各遊星ボール45に過大なスキューが発生して、その回転が止められてしまう。つまり、この無段変速機6は、逆回転させようとすると、変速機内部でロックして回転できなくなる。
そこで、この車両においては、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、有段変速機5がニュートラル状態になっており、駆動輪と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されている場合、駆動輪と無段変速機6との間における第1動力断接機構(変速機構7)を電子制御装置110に制御させて、その間を動力伝達可能な状態に制御する。この発進補助制御により、この車両においては、登坂路での停車状態から運転者が発進させようとして、動力源100の動力が駆動輪へと伝わるまでの間にずり下がろうとしたとしても、無段変速機6が逆回転しようとして回転停止状態(ロック状態)になるので、駆動輪の後進方向への回転が抑制され、ずり下がりを抑えることができる。ここで、駆動輪と無段変速機6との間の動力伝達可能な状態への制御は、遅くともブレーキペダルから運転者の足が離れて制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに、第1動力断接機構(変速機構7)を電子制御装置110に制御させることで実施することが望ましい。
停車中であるのか否かは、例えば図5に示す車速センサ61の検出信号を利用して判断する。変速レンジは、シフトポジションセンサ62の検出信号を利用して判断する。有段変速機5がニュートラル状態か否かについては、スリーブ31を制御する電子制御装置110が把握しているので、これを利用して判断する。制動装置による車輪への制動力が解除されるまでの状態であるのか否か、つまり制動装置の車輪への制動力が減らされ始めたのか否かについては、ブレーキセンサ63の検出信号を利用して判断する。ここでのブレーキセンサ63は、ブレーキペダルの操作量を検出するものである。電子制御装置110は、ブレーキペダルが戻し方向に所定量動かされた場合に、制動装置の車輪への制動力が減らされ始めたと判断して、駆動輪と無段変速機6との間が機械的に結合されるように第1動力断接機構(変速機構7)を制御する。
その発進補助制御は、無段変速機6の逆回転時の内部ロックを利用するものである。これが為、その無段変速機6に動力源100の動力が伝達されているときには、この無段変速機6を内部ロックさせることができない可能性がある。従って、この発進補助制御は、動力源100と無段変速機6との間で動力が伝達できないとき、つまり動力断接機構(第2動力断接機構)101が解放状態になっており、その間の動力伝達経路が遮断されているときに実施することが望ましい。即ち、電子制御装置110には、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、ニュートラル状態の有段変速機5で駆動輪と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されており、且つ、解放状態の動力断接機構101で動力源100と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されている場合、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに、駆動輪と無段変速機6との間における動力断接機構を制御させて、その間を動力伝達可能な状態に制御させる。よって、この電子制御装置110には、発進補助制御を行う際に動力断接機構101が解放状態になっていなければ、この動力断接機構101を解放させてから又は当該動力断接機構101の解放制御の開始と共に、発進補助制御を実行させることが望ましい。
ここで、この発進補助制御は、走行路の勾配判定を行わずに、平坦路や降坂路においても実施してよい。勾配判定に係る演算処理の負荷を低減できるからである。しかしながら、登坂路での発進補助制御は、平坦路や降坂路で実施することに余り意味が無い。これが為、この発進補助制御は、少なくとも登坂路において実施させることが望ましい。その際、走行路の勾配判定は、前後加速度センサ64の検出信号を利用して判断する。
また、この車両においては、有段変速機5の第1ギヤ対を介したインプットシャフト2とカウンタシャフト3との間でトルク伝達が可能であり、且つ、動力断接機構101が解放されている場合、上記と同じ様に発進補助制御を実施する。動力断接機構101が解放されているのか否かについては、動力断接機構101を制御する電子制御装置110が把握しているので、これを利用して判断する。
以上示した様に、この車両においては、構成部品の変更や追加等を行わずとも、動力伝達装置1を坂道発進補助装置(所謂ヒルスタートアシストコントロールシステムやヒルホールドシステム等と云われるもの)としても機能させることができる。従って、その動力伝達装置1は、従来の様に例えば制動装置の車輪への制動力でずり下がりの抑制を図るものと比較して、低コストで応答性良く車両のずり下がりを抑えることができる。
ここで、この動力伝達装置1は有段変速機5と無段変速機6の2つの変速機を備えるものとして例示したが、上述した発進補助制御は、無段変速機6だけが変速機として用意されている動力伝達装置に適用してもよい。その動力伝達装置とは、無段変速機6の入力部材51に動力断接機構101を介して動力源100が連結され、無段変速機6の出力部材52に動力断接機構(例えばクラッチやブレーキ)を介して駆動輪が連結されたものである。この場合、電子制御装置には、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、解放状態の動力断接機構で駆動輪と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されており、且つ、解放状態の動力断接機構101で動力源100と無段変速機6との間における動力伝達経路が遮断されている場合、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに、駆動輪と無段変速機6との間における動力断接機構を制御させて、その間を動力伝達可能な状態に制御させる。従って、この様な構成の動力伝達装置においても、登坂路における発進時のずり下がりを抑えることができる。
また、この動力伝達装置1は、運転者のブレーキ操作の有無に拘わらず、変速レンジが前進の走行レンジの状態のままで停車したならば、第1動力断接機構(変速機構7)によって駆動輪と無段変速機6との間を動力伝達可能な状態に制御すると共に、第2動力断接機構(動力断接機構101)によって動力源100と無段変速機6との間を動力伝達不能な状態に制御するものであってもよい。
1 動力伝達装置
2 インプットシャフト
3 カウンタシャフト(アウトプットシャフト)
4 アイドラシャフト
4A リバースアイドラギヤ
5 有段変速機
6 無段変速機
7 変速機構(第1動力断接機構)
8 差動機構
11 第1ドライブギヤ
12 第2ドライブギヤ
16 リバースドライブギヤ
21 第1ドリブンギヤ
22 第2ドリブンギヤ
26 リバースドリブンギヤ
29 カウンタギヤ
31 スリーブ
41 第1回転部材(第1動力伝達要素)
42 第2回転部材(第2動力伝達要素)
43 サンローラ(第3動力伝達要素)
44 キャリア(第4動力伝達要素又は固定要素)
44A 第1円盤部材(第1固定円盤部材)
44B 第2円盤部材(回転円盤部材)
44C 第3円盤部材(第2固定円盤部材)
45 遊星ボール(転動部材)
46 シャフト(変速機軸)
51 入力部材
52 出力部材
61 車速センサ
62 シフトポジションセンサ
63 ブレーキセンサ
64 前後加速度センサ
100 動力源
101 動力断接機構(第2動力断接機構)
110 電子制御装置

Claims (5)

  1. 放射状に配置された複数の転動部材を自転自在に且つ傾転自在に当該転動部材の支持軸の両端を介して各々保持する相対回転可能な2つの円盤部材を有し、該2つの円盤部材の相対回転で前記複数の転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を変えるボールプラネタリ式の無段変速機と、
    駆動輪と前記無段変速機の出力部材との間に介在し、その間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う第1動力断接機構と、
    動力源と前記無段変速機の入力部材との間に介在し、その間の動力伝達経路の生成と遮断とを行う第2動力断接機構と、
    停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、前記駆動輪と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されており、且つ、前記動力源と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されている場合、前記第1動力断接機構を制御して、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とした動力伝達装置。
  2. 前記制御装置は、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御することを特徴とした請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記無段変速機は、前記駆動輪との間で動力伝達が可能な状態の場合、該駆動輪の後進方向への回転に伴い逆回転しようとした際に回転停止状態になる構造であることを特徴とした請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記無段変速機は、回転中心となる変速機軸と、前記複数の転動部材を当該変速機軸の軸線方向にて挟み込み、該変速機軸と同心の回転中心軸を中心とする相対回転が可能な第1及び第2の動力伝達要素と、前記複数の転動部材を外周面上に配置し、前記回転中心軸を中心とする前記第1及び第2の動力伝達要素との相対回転が可能な第3動力伝達要素と、前記2つの円盤部材を有し、該2つの円盤部材の内の一方のみが前記回転中心軸を中心に回転可能な固定要素と、を備えることを特徴とした請求項1,2又は3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記動力源及び前記第2動力断接機構と前記無段変速機との間に配置され、前記無段変速機の入力部材及び前記第2動力断接機構に連結されたインプットシャフトと当該無段変速機の出力部材に連結可能な駆動輪側のアウトプットシャフトとの間のトルク伝達を可能にする前進段と後進段とを少なくとも1つずつ備えた有段変速機を設け、該有段変速機の変速段と当該有段変速機のニュートラル状態との切り替えを前記第1動力断接機構に実施させる場合、前記制御装置は、停車中の変速レンジが前進の走行レンジの状態であるにも拘わらず、前記有段変速機が前記インプットシャフトと前記アウトプットシャフトとの間のトルク伝達が不能なニュートラル状態ならば、前記駆動輪と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されており、且つ、前記動力源と前記無段変速機との間における動力伝達経路が遮断されている場合、遅くとも制動装置による車輪への制動力が解除されるまでに前記第1動力断接機構で前記有段変速機を制御して、前記駆動輪と前記無段変速機との間を動力伝達可能な状態に制御することを特徴とした請求項1,2,3又は4に記載の動力伝達装置。
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