JP2014202055A - グレージングチャンネル付き複層ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製のグレージングチャンネルを使用した場合の『口開き』の欠点を解消できるグレージングチャンネル付き複層ガラスを提供する。【解決手段】本発明のグレージングチャンネル付き複層ガラス10は、複層ガラス14の二次シール材26と樹脂製のCG12の底壁部32の内底面32aとの間に、二次シール材26と内底面32aとを接合させる、厚さが200μm以下のアルミ箔38を介在させた。アルミ箔38は、特にポリサルファイドの二次シール材26に強固に接合される性質を備えており、内底面32aのうち、二次シール材26と接触する面に接着剤によって接着される。また、アルミ箔38はGC12の全長に渡って備えられる。【選択図】図1
Description
本発明は、グレージングチャンネル付き複層ガラスに関する。
従来、住宅用窓は、複層ガラスの周縁部がグレージングチャネルによって被覆されたグレージングチャンネル付き複層ガラスと、グレージングチャンネル付き複層ガラスの周縁部に嵌め込まれる框と窓枠とによって構成される(特許文献1参照)。
特許文献1のグレージングチャンネルは、底壁部と、底壁部の長さ方向の両側縁に立設された一対の側壁部とを有する断面略コ字形状に構成され、底壁部の内底面が複層ガラスの周縁部の端面に対向するように複層ガラスの周縁部に被覆される。
一方、図10に示す特許文献2のグレージングチャンネル1は、底壁部2の内底面2aに隆条部3が一体に備えられている。この隆条部3は、底壁部2の幅B方向の中央部に、底壁部2の長さL方向に沿って備えられた1本の凸条部である。
隆条部3の先端には、略碇形状(矢印形状ともいう)のアンカー部4が備えられており、このアンカー部4が、複層ガラスの端面の溝に充填された固化前のシール材(いわゆる二次シール材)に押し込まれて二次シール材に固着される。したがって、特許文献2のグレージングチャンネル付き複層ガラスは、隆条部3を備えていないものと比較して、複層ガラスに対するグレージングチャンネル1の保持力が向上されている。
ところで、最近の框は、ガラス窓の採光性を高めるために、見付けの幅を小さくする傾向にある(例えば、株式会社LIXIL製:商品名:SAMOS参照)。この傾向によって、グレージングチャンネル付き複層ガラスの周縁部が嵌め込まれる框の溝の深さが浅くなり、この浅い溝のなかにグレージングチャンネルを収めなければならず、この結果、複層ガラスに対するグレージングチャンネルの保持力が低下するという問題があった。特許文献2のグレージングチャンネルは、上記問題を改善すべくなされたものである。
なお、グレージングチャンネルの材料としては、樹脂製のポリ塩化ビニル(PVC)が一般的である。また、複層ガラスの二次シール材としては、ポリサルファイド、シリコーン、ウレタン等の硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたものが一般的に使用されている。
複層ガラスの各辺の周縁部に沿って被覆されたグレージングチャンネルは、それぞれのコーナー部で接合されているが、ガラスとグレージングチャンネルの材料との線熱膨張係数の相違、及びグレージングチャンネルが樹脂製の場合は樹脂の持つ加熱収縮率によって、長期間の屋内外での使用によりコーナー部の接合力が低下して、コーナー部に『口開き(グレージングチャンネルの接合端部に隙間、剥がれが生じる現象)』と称される欠点が発生することが市場で確認されている。
複層ガラスの二次シール材は、複層ガラスのアルミニウム製のスペーサとの接合力は強いが、樹脂製のグレージングチャンネルとの接合力は非常に弱い。すなわち、特許文献2のような隆条部3を備えることで複層ガラスに対するグレージングチャンネルの保持力は向上するが、前述した線熱膨張係数の相違と加熱収縮率とに起因して発生する前記『口開き』の欠点は解消することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、樹脂製のグレージングチャンネルを使用した場合の『口開き』の欠点を解消できるグレージングチャンネル付き複層ガラスを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明の一態様は、複数枚のガラス板が空気層を介して重ねられ、かつ前記複数枚のガラス板がその周縁部でシール材によって接着された複層ガラスと、底壁部及び前記底壁部の長さ方向に沿った両側縁に立設された側壁部とからなるグレージングチャンネルを備えたグレージングチャンネル付き複層ガラスにおいて、前記複層ガラスの前記シール材と前記グレージングチャンネルの前記底壁部の内底面との間に、前記シール材と前記内底面とを接合させる接合部材が介在されたことを特徴とするグレージングチャンネル付き複層ガラスを提供する。
本願の発明者は、複層ガラスのシール材(二次シール材)とグレージングチャンネルの底壁部の内底面との間に、シール材と内底面とを接合させる接合部材を介在させることによって、グレージングチャンネルと複層ガラスとを強固に接合させ、グレージングチャンネルの外気温度の変化による伸縮を、複層ガラスに拘束させて複層ガラスと同量の伸縮量とすることにより、『口開き』の欠点を解消できることを見出した。
これにより、本発明の一態様によれば、樹脂製のグレージングチャンネルを使用した場合の『口開き』の欠点を解消できる。
本発明の一態様は、前記接合部材は、前記内底面に取り付けられたアルミ箔又はアルミニウム製のシートであることが好ましい。
本発明の一態様によれば、シール材と強固に接合する性質を備えた、厚さ200μm以下のアルミ箔、又は厚さ200μmを超えるアルミニウム製のシートを接合部材として適用することにより、本発明の目的を達成できる。
本発明の一態様は、前記アルミ箔又はアルミニウム製のシートは、前記内底面に備えられた隆条部の表面に取り付けられることが好ましい。
本発明の一態様によれば、アルミ箔又はアルミニウム製のシートによる接合力の向上と、隆条部による保持力の向上とを同時に達成できる。
本発明の一態様は、前記接合部材は、前記内底面及び前記シール部材のうち一方に塗布されるプライマーであることが好ましい。
本発明の一態様によれば、プライマーを塗布することにより、本発明の目的を達成できる。
本発明の一態様は、前記プライマーは、前記内底面に備えられた隆条部の表面に塗布されることが好ましい。
本発明の一態様によれば、プライマーによる接合力の向上と、隆条部による保持力の向上とを同時に達成できる。
本発明の一態様は、前記グレージングチャンネルはポリ塩化ビニル製であり、前記シール材はポリサルファイド、シリコーン、又はウレタンであることが好ましい。
ポリ塩化ビニルはグレージングチャンネルの材料として一般的に使用されており、ポリサルファイド、シリコーン、又はウレタンはシール材として一般的に使用されている。これらの組み合わせにおいても、本発明の接合部材を適用すれば、本発明の目的を達成できる。
以上の如く、本発明の態様によれば、樹脂製のグレージングチャンネルにアルミ箔又はアルミニウム製のシートを被覆する構成、及び樹脂製のグレージングチャンネルとシール材とを接着させる目的のプライマーをグレージングチャンネル又はシール材の露出面に塗布する構成によって、『口開き』の欠点を解消できる。
なお、外気温度の変化によるグレージングチャンネルの伸縮を複層ガラスによって拘束させるために、アルミ箔、アルミニウム製のシート、プライマーは、グレージングチャンネルの全長に渡って配置、塗布することが好ましい。
以上説明したように本発明のグレージングチャンネル付き複層ガラスによれば、樹脂製のグレージングチャンネルを使用した場合の『口開き』の欠点を解消できる。
以下添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るグレージングチャンネル付き複層ガラスについて説明する。
〔第1の実施形態のグレージングチャンネル付き複層ガラスについて〕
図1は、第1の実施形態に係るグレージングチャンネル(以下、GCと言う。)付き複層ガラス10の要部断面図であり、GC12が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。すなわち、GC付き複層ガラス10は、CG12と複層ガラス14とから構成される。
図1は、第1の実施形態に係るグレージングチャンネル(以下、GCと言う。)付き複層ガラス10の要部断面図であり、GC12が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。すなわち、GC付き複層ガラス10は、CG12と複層ガラス14とから構成される。
また、図2は、GC12の要部を拡大して示した斜視図であり、図1のGC12よりも形状を簡略化して示した図である。
〈複層ガラス14について〉
図1に示すように、複層ガラス14を構成する少なくとも2枚のガラス板16、18は、その間に中間層20が画成されるように、スペーサ22を介して隔置される。スペーサ22は、ガラス板16とガラス板18との間隔が一定に保持されるように、ガラス板16とガラス板18の対向する内側主面16a、18aの側縁部に沿って配置される。
図1に示すように、複層ガラス14を構成する少なくとも2枚のガラス板16、18は、その間に中間層20が画成されるように、スペーサ22を介して隔置される。スペーサ22は、ガラス板16とガラス板18との間隔が一定に保持されるように、ガラス板16とガラス板18の対向する内側主面16a、18aの側縁部に沿って配置される。
スペーサ22は、ガラス板16の内側主面16aと対向する面が、一次シール材24によってガラス板16の内側主面16aに接着される。また、スペーサ22は、ガラス板18の内側主面18aと対向する面が、一次シール材24によってガラス板18の内側主面18aに接着される。更に、スペーサ22の外側(中間層20と反対側)には、ガラス板16とガラス板18との間に形成される凹状の溝に二次シール材(シール材)26が充填される。二次シール材26は、一次シール材24に接するように充填される。一次シール材24と二次シール材26とによって、ガラス板16とガラス板18との間に画成される中間層20が外気から遮断される。
スペーサ22は、中空状に構成されており、スペーサ22の内側(中間層20側)の面には、スペーサ22の長手方向(紙面に垂直な方向)に沿って通気孔28が所定の間隔で備えられている。通気孔28は、スペーサ22の中空部に貫通されており、これによって、前記中空部と中間層20とが連通されている。また、前記中空部には、粒状ゼオライト等の乾燥剤30が充填されているので、中間層20の空気が通気孔28を介して乾燥剤30によって乾燥される。
スペーサ22としては、アルミニウムを主材質とする金属製スペーサが使用されるが、スペーサ本体を硬質の樹脂製としてその表面にアルミニウムシートを被覆したスペーサを使用してもよい。
また、一次シール材24としては、通常架橋処理されないブチルゴム、又はポリイソブチレンをベースとし、着色と補強を目的としたカーボンブラック等のフィラーを含有せしめたものが好適である。なお、一次シール24は固化せず、粘着のみ有するため、いわゆる『複層ガラスとしてのスペーサー〜ガラス間の接合力』は二次シール26の接合力にゆだねている。
更に、二次シール材26としては、ポリサルファイド(横浜ゴム株式会社製:商品名:ハマタイトSM9000)、シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製:商品名:SE936)、ウレタン(サンユレック株式会社製:商品名:SANYU IGS205)等の硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたもの等が好適である。
〈GC12について〉
CG12は、複層ガラス10の周縁部に装着されて、框(不図示)の溝との間の介装材として機能する。
CG12は、複層ガラス10の周縁部に装着されて、框(不図示)の溝との間の介装材として機能する。
GC12は、図1、図2の如く底壁部32と、底壁部32の長さ方向の両側縁に立設された一対の側壁部34、34とからなる硬質保持部材を備え、断面形状が略コ字形を呈している。また、GC12は、図1の如く側壁部34、34の対向面34a、34aに軟質樹脂からなるリップ部材36、36をそれぞれ備える。GC12は、底壁部32の内底面32aが複層ガラス14の周縁部の端面に対向するように複層ガラス14の周縁部に取り付けられる。
GC12の前記硬質保持部材は、ポリ塩化ビニル等の樹脂製である。リップ部材36は、GC12に複層ガラス14の周縁部が装着された際に、複層ガラス14の側縁部に弾性をもって密着される。
〈GC付き複層ガラス10の特徴について〉
第1の実施形態のGC付き複層ガラス10は、複層ガラス14の二次シール材26とCG12の底壁部32の内底面32aとの間に、二次シール材26と内底面32aとを接合させる、厚さが200μm以下のアルミ箔(接合部材)38が介在されている。アルミ箔38は、特にポリサルファイドの二次シール材26に強固に接合される性質を備えており、内底面32aのうち、二次シール材26と対向する面に接着剤(住友3M株式会社製:商品名:DP−110)によって接着されている。また、アルミ箔38はGC12の全長に渡って備えられている。
第1の実施形態のGC付き複層ガラス10は、複層ガラス14の二次シール材26とCG12の底壁部32の内底面32aとの間に、二次シール材26と内底面32aとを接合させる、厚さが200μm以下のアルミ箔(接合部材)38が介在されている。アルミ箔38は、特にポリサルファイドの二次シール材26に強固に接合される性質を備えており、内底面32aのうち、二次シール材26と対向する面に接着剤(住友3M株式会社製:商品名:DP−110)によって接着されている。また、アルミ箔38はGC12の全長に渡って備えられている。
このGC付き複層ガラス10によれば、アルミ箔38によってGC12と複層ガラス14とが強固に接合されている。これによって、GC12の外気温度の変化による、GC12の長手方向の伸縮が、複層ガラス14に拘束されて複層ガラス14と同量の伸縮量となる。
したがって、GC付き複層ガラス10によれば、ポリ塩化ビニル等の樹脂製のGC12と複層ガラス14のガラスとの線熱膨張係数の差に起因する欠点、つまり、従来のGC付き複層ガラスで発生していた『口開き』の欠点を解消できる。
なお、アルミ箔38に代えて、厚さが200μmを超えるアルミニウム製のシートを内底面32aに貼り付けても同様の効果を奏する。また、アルミ箔38又はアルミニウム製のシートを、二次シール材26の露出面に接合させた後、アルミ箔38又はアルミニウム製のシートを内底面32aに接着剤によって接着してもよい。更に、二次シール材26として、ポリサルファイド以外のシール材であるシリコーン及びウレタンであっても同様の効果を奏する。
更にまた、アルミ箔38やアルミニウム製のシートの幅寸法を二次シール材26の幅寸法よりも短い、例えば1.5mm〜40mmとしても、GC12と複層ガラス14とを強固に接合できる。
〔第2の実施形態のGC付き複層ガラスについて〕
図3は、第2の実施形態に係るGC付き複層ガラス40の断面図であり、GC42が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図4は、GC42の要部を拡大して示した斜視図であり、図3のGC42よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図1、図2に示した第1の実施形態のGC付き複層ガラス10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図3は、第2の実施形態に係るGC付き複層ガラス40の断面図であり、GC42が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図4は、GC42の要部を拡大して示した斜視図であり、図3のGC42よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図1、図2に示した第1の実施形態のGC付き複層ガラス10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
GC42の底壁部32の内底面32aには、隆条部44が備えられている。隆条部44は、内底面32aに対して垂直方向に突設されるとともに、内底面32aの幅方向の中央部であって、GC42の全長に渡って備えられている。
隆条部44は、内底面32aに突設された断面矩形状の凸条部46と、凸条部46の先端に備えられた略碇形状のアンカー部48とから構成される。アンカー部48は、GC42を複層ガラス14に装着した際に、複層ガラス14の固化前のポリサルファイドの二次シール材26に埋没される。
〈GC付き複層ガラス40の特徴について〉
第2の実施形態のGC付き複層ガラス40は、二次シール材26に埋没される隆条部44のアンカー部48の表面に、二次シール材26と内底面32aとを接合させる、厚さが200μm以下のアルミ箔(接合部材)50が接着されている。このアルミ箔50はGC12の全長に渡って備えられている。
第2の実施形態のGC付き複層ガラス40は、二次シール材26に埋没される隆条部44のアンカー部48の表面に、二次シール材26と内底面32aとを接合させる、厚さが200μm以下のアルミ箔(接合部材)50が接着されている。このアルミ箔50はGC12の全長に渡って備えられている。
このGC付き複層ガラス40によれば、アルミ箔50によってGC42と複層ガラス14とが強固に接合されている。これによって、GC42の外気温度の変化による、GC42の長手方向の伸縮が、複層ガラス14に拘束されて複層ガラス14と同量の伸縮量となる。
したがって、GC付き複層ガラス40によれば、ポリ塩化ビニル等の樹脂製のGC42と複層ガラス14のガラスとの線熱膨張係数の差に起因する欠点、つまり、従来のGC付き複層ガラスで発生していた『口開き』の欠点を解消できる。また、隆条部44のアンカー部48が二次シール材26に埋没されることによって、複層ガラス14に対するGC42の保持力も向上する。
なお、アルミ箔50に代えて、厚さが200μmを超えるアルミニウム製のシートをアンカー部48の表面に貼り付けても同様の効果を奏する。また、二次シール材26として、ポリサルファイド以外のシール材であるシリコーン及びウレタンであっても同様の効果を奏する。
〔第3の実施形態のGC付き複層ガラスについて〕
図5は、第3の実施形態に係るGC付き複層ガラス52の断面図であり、GC54が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図6は、GC54の要部を拡大して示した斜視図であり、図5のGC54よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図1、図2に示した第1の実施形態のGC付き複層ガラス10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図5は、第3の実施形態に係るGC付き複層ガラス52の断面図であり、GC54が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図6は、GC54の要部を拡大して示した斜視図であり、図5のGC54よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図1、図2に示した第1の実施形態のGC付き複層ガラス10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
〈GC付き複層ガラス52の特徴について〉
第3の実施形態のGC付き複層ガラス52は、図1、図2に示したアルミ箔38に代えて、接合部材としてプライマー(横浜ゴム株式会社製:商品名:ハマタイト プライマーNo.50IG)56が内底面32a又はポリサルファイドの二次シール材26の露出面26aに塗布されている。プライマー56は、GC54の全長に渡って塗布されている。
第3の実施形態のGC付き複層ガラス52は、図1、図2に示したアルミ箔38に代えて、接合部材としてプライマー(横浜ゴム株式会社製:商品名:ハマタイト プライマーNo.50IG)56が内底面32a又はポリサルファイドの二次シール材26の露出面26aに塗布されている。プライマー56は、GC54の全長に渡って塗布されている。
このGC付き複層ガラス52によれば、プライマー56によってGC54と複層ガラス14とが強固に接合されている。これによって、GC54の外気温度の変化による、GC54の長手方向の伸縮が、複層ガラス14に拘束されて複層ガラス14と同量の伸縮量となる。
したがって、GC付き複層ガラス52によれば、ポリ塩化ビニル等の樹脂製のGC54と複層ガラス14のガラスとの線熱膨張係数の差に起因する欠点、つまり、従来のGC付き複層ガラスで発生していた『口開き』の欠点を解消できる。
なお、二次シール材26として、ポリサルファイド以外のシール材であるシリコーン及びウレタンであっても同様の効果を奏する。ウレタンの場合のプライマーとしては、横浜ゴム株式会社製の「VC-100G(商品名)」、及びサンスター株式会社製の「435−73(商品名)」を使用できる。
また、プライマー56の塗布幅寸法を二次シール材26の幅寸法よりも短い、例えば1.5mm〜40mmとしても、GC54と複層ガラス14とを強固に接合できる。
〔第4の実施形態のGC付き複層ガラスについて〕
図7は、第4の実施形態に係るGC付き複層ガラス58の断面図であり、GC60が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図8は、GC60の要部を拡大して示した斜視図であり、図7のGC60よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図3、図4に示した第2の実施形態のGC付き複層ガラス40と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7は、第4の実施形態に係るGC付き複層ガラス58の断面図であり、GC60が複層ガラス14の周縁部に装着された要部拡大縦断面図である。また、図8は、GC60の要部を拡大して示した斜視図であり、図7のGC60よりも形状を簡略化して示した図である。なお、図3、図4に示した第2の実施形態のGC付き複層ガラス40と同一又は類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
〈GC付き複層ガラス58の特徴について〉
第4の実施形態のGC付き複層ガラス58は、図1、図2に示したアルミ箔50に代えて、隆条部44のアンカー部48の表面に、プライマー(横浜ゴム株式会社製:商品名:ハマタイト プライマーNo.50IG)62を塗布したものである。
第4の実施形態のGC付き複層ガラス58は、図1、図2に示したアルミ箔50に代えて、隆条部44のアンカー部48の表面に、プライマー(横浜ゴム株式会社製:商品名:ハマタイト プライマーNo.50IG)62を塗布したものである。
このGC付き複層ガラス58によれば、プライマー62によってGC60と複層ガラス14とが強固に接合されている。これによって、GC60の外気温度の変化による、GC60の長手方向の伸縮が、複層ガラス14に拘束されて複層ガラス14と同量の伸縮量となる。
したがって、GC付き複層ガラス58によれば、ポリ塩化ビニル等の樹脂製のGC60と複層ガラス14のガラスとの線熱膨張係数の差に起因する欠点、つまり、従来のGC付き複層ガラスで発生していた『口開き』の欠点を解消できる。隆条部44のアンカー部48が二次シール材26に埋没されることによって、複層ガラス14に対するGC42の保持力も向上する。
なお、プライマー62を図8の如く、凸条部46全体に塗布するのではなく、凸条部46の側面には塗布しなくてもよい。また、二次シール材26として、ポリサルファイドのほか、シリコーン及びウレタンであっても同様の効果を奏する。ウレタンの場合のプライマーとしては、横浜ゴム株式会社製の「VC-100G(商品名)」、及びサンスター株式会社製の「435−73(商品名)」を使用できる。
〔他の実施形態〕
図9(A)は、GC12の内面全体にアルミ箔38を接着又はプライマー56を塗布したGC付き複層ガラス64の断面図である。図9(B)は、GC42の内面全体にアルミ箔50を接着又はプライマー62を塗布したGC付き複層ガラス66の断面図である。
図9(A)は、GC12の内面全体にアルミ箔38を接着又はプライマー56を塗布したGC付き複層ガラス64の断面図である。図9(B)は、GC42の内面全体にアルミ箔50を接着又はプライマー62を塗布したGC付き複層ガラス66の断面図である。
つまり、図1〜図9に示したように、アルミ箔又はプライマーは、GCとの強い接合力を有するので、GCの内面の任意の一部分に接着又は塗布されていても良い。
〈ガラスとポリ塩化ビニルの持つ線熱膨張係数の相違による影響〉
a)1辺が2500mmの複層ガラスについて、シミュレーション(−20〜+60℃)した結果、GCの端末のみに応力が発生したが、この応力は接合部材による接合強度に比べて極めて小さな力であった。よって、従来の『口開き』の欠点は発生しない。
a)1辺が2500mmの複層ガラスについて、シミュレーション(−20〜+60℃)した結果、GCの端末のみに応力が発生したが、この応力は接合部材による接合強度に比べて極めて小さな力であった。よって、従来の『口開き』の欠点は発生しない。
b)1辺が2500mmの複層ガラスについて、実測(−20〜+60℃)した結果、ガラスの線熱膨張係数に依存した寸法変化のみであった。よって、従来の『口開き』の欠点は発生しなかった。
〈加熱収縮率による影響〉
JIS A5756 項6.12に準拠した加熱収縮率試験によって求められた、第1から第4の実施形態のGC付き複層ガラス10、40、52、58のそれぞれのGC12、42、54、60の加熱収縮率は0.05%未満であった。そして、『口開き』の欠点が発生しないことを確認した。
JIS A5756 項6.12に準拠した加熱収縮率試験によって求められた、第1から第4の実施形態のGC付き複層ガラス10、40、52、58のそれぞれのGC12、42、54、60の加熱収縮率は0.05%未満であった。そして、『口開き』の欠点が発生しないことを確認した。
〔比較例〕
接合部材を使用しないGC付き複層ガラスでは、特にガラスとGCの持つ線熱膨張係数の相違によって、実際の外気温度の変化により発生する樹脂(ポリ塩化ビニル)製のGCの寸法変化に相当する「応力」が、GCの各コーナー部位に「荷重」として負荷が加わる。このため、経年変化によって『口開き』の欠点が発生する。
接合部材を使用しないGC付き複層ガラスでは、特にガラスとGCの持つ線熱膨張係数の相違によって、実際の外気温度の変化により発生する樹脂(ポリ塩化ビニル)製のGCの寸法変化に相当する「応力」が、GCの各コーナー部位に「荷重」として負荷が加わる。このため、経年変化によって『口開き』の欠点が発生する。
10…GC付き複層ガラス、12…GC、14…複層ガラス、16…ガラス板、18…ガラス板、20…中間層、22…スペーサ、24…一次シール材、26…二次シール材、28…通気孔、30…乾燥剤、32…底壁部、34…側壁部、36…リップ部材、38…アルミ箔、40…GC付き複層ガラス、42…GC、44…隆条部、46…凸条部、48…アンカー部、50…アルミ箔、52…GC付き複層ガラス、54…GC、56…プライマー、58…GC付き複層ガラス、60…GC、62…プライマー、64、66…GC付き複層ガラス
Claims (6)
- 複数枚のガラス板が空気層を介して重ねられ、かつ前記複数枚のガラス板がその周縁部でシール材によって接着された複層ガラスと、
底壁部及び前記底壁部の長さ方向に沿った両側縁に立設された側壁部とからなる樹脂製のグレージングチャンネルを備えたグレージングチャンネル付き複層ガラスにおいて、
前記複層ガラスの前記シール材と前記グレージングチャンネルの前記底壁部の内底面との間に、前記シール材と前記内底面とを接合させる接合部材が介在されたことを特徴とするグレージングチャンネル付き複層ガラス。 - 前記接合部材は、前記内底面に取り付けられたアルミ箔又はアルミニウム製のシートである請求項1に記載のグレージングチャンネル付き複層ガラス。
- 前記アルミ箔又はアルミニウム製のシートは、前記内底面に備えられた隆条部の表面に取り付けられる請求項2に記載のグレージングチャンネル付き複層ガラス。
- 前記接合部材は、前記内底面及び前記シール材のうち一方に塗布されるプライマーである請求項1に記載のグレージングチャンネル付き複層ガラス。
- 前記プライマーは、前記内底面に備えられた隆条部の表面に塗布される請求項4に記載のグレージングチャンネル付き複層ガラス。
- 前記グレージングチャンネルはポリ塩化ビニル製であり、前記シール材はポリサルファイド、シリコーン、又はウレタンである請求項1から5のいずれか1項に記載のグレージングチャンネル付き複層ガラス。
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