JP5067376B2 - 複層ガラスユニット - Google Patents

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本発明は、複層ガラスユニットに関する。
従来から、複数枚(たとえば、2枚)の板ガラスを所定間隔で平行に対向配置して組まれた複層ガラスが知られている(例えば、非特許文献1参照)。図9に示すように、従来の一般的な複層ガラス50は、2枚の板ガラス51,51間に中空層52が形成されるとともに、2枚の板ガラス51,51の周縁部に間隔保持用のスペーサ53を配置して対向する板ガラス51,51を隔置し、該スペーサ53とそれぞれの板ガラス51,51との間に、外部からの湿気の浸入を防ぐための一次シール材54が打設されている。また、隔置された板ガラス51,51の相互の周縁部とスペーサ53とで画成される空間部55に、板ガラス51,51間の距離を保持するため、および防水の役割を果たすため二次シール材56を打設して空間部55が密閉されている。さらに、スペーサ53内には吸湿剤57が収納されるとともに、該吸湿剤57と中空層52とを接触させるために、スペーサ53には通気孔58が形成されている。そして、一次シール材54および二次シール材56を何らかの要因で通過してきた水蒸気ガスが、スペーサ53内に収納された吸湿剤57でもって吸着固定化されることにより、中空層52(内部中空層)の乾燥状態を所定の露点温度(内部結露が生じる温度)以下に保持できるようになっている。
このような複層ガラスは、サッシ枠に嵌め込まれて使用されるのが一般的である。サッシ枠への取り付け施工方法としては、グレージングチャンネルを複層ガラスの上辺および左右の縦辺の周縁部に巻いて上框および左右の框の取り付け開口部に嵌合し、下辺はビードにより下框に取り付ける方法や、複層ガラスとサッシ枠との間隙にバッカーを入れてシールを行う方法等が知られていた。これらの方法は、組立施工時に工数がかかり、施工後はメンテナンスが必要であることから、複層ガラスの周縁部を包囲できるチャンネル状の補強材と、該補強材の複層ガラスに相対する内側面に設けた内部軟質材と、サッシ枠と係合する外側面に設けた外部軟質材と、からなるアタッチメントを周縁部に被着したアタッチメント付き複層ガラスが提案され(例えば、特許文献1参照)、同様のアタッチメントを使用する施工方法が現在広く普及している。
上述した構造の複層ガラスでは、一次シール材は中空層の乾燥状態を保つ上で不可欠な材料であり、透湿抵抗が高いブチル系シーリング材が使用されることが多い。しかし、ブチル系シーリング材は硬化することがなく、粘着力を有し、塑性流れの性質が相当大きな材料である。このため、荷重や変位が生じると、それだけ一次シール材自体が変位し、元通りに復元できない。たとえば、建築物や輸送機械の開口部に設置される複層ガラスは、気温変化に起因する中空層の膨張収縮による板ガラスの変位および風圧等によって生じる板ガラスの変位を受ける。板ガラスの変位を繰り返し受けた複層ガラスでは、一次シール材が中空層側に変位してしまい、小さく波打つ現象が知られている。中空層側に一次シール材がこのように移動してしまうと、結果として、透湿抵抗の低下につながり、中空層への水分の浸入を許し、その結果、露点温度が上昇することとなり、複層ガラスとしての耐久性の低下を引き起こす虞があった。また、従来では板ガラスの変位を二次シール材によって規制していたが、さらなる変位規制が望まれている。
複層ガラス製造時の二次シール材の養生時間短縮や板ズレ防止を主目的として、複層ガラスの周囲に保護テープ等を貼着する方法も提案されているが、一次シール材の変位を抑制するには不十分であった。また、複層ガラスとサッシ枠とが一体化された複層ガラスユニットも提案されているが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、施工の簡略化を目的とするに留まり、一次シール材(ブチル系シーリング材)の変位を抑制する必要性やその方法について一切触れられていない。
また、上述した構造の複層ガラスをカーテンウォールに採用した場合、上述したように複層ガラスの一次シール材および二次シール材の耐久性との兼ね合い等の制限から、一次シール材および二次シール材を適量打設する必要がある。したがって、一次シール材および二次シール材を外観上視認し難くするためにガラスの周縁部に設けられるフレームの見付寸法を小さくすることは困難であった。
特開平7−71170号公報 実願昭56−81656号(実開昭57−194585号)のマイクロフィルム 実公平5−27463号公報
日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS17ガラス工事」2003年12月1日発行 第4版第1刷 p62〜63
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、複層ガラスとしての耐久性を確保しつつ、フレームの見付寸法を小さくできる複層ガラスユニットを提供する。
本発明の複層ガラスユニットは、所定間隔を置いて平行に積層配置された複数の板ガラスで構成される複層ガラス群と、該複層ガラス群の周縁に沿って前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記複層ガラス群を構成する各板ガラスの端面とを覆うように前記複層ガラス群に取り付けられるフレームと、前記各板ガラス間の間隔を保持すべく前記各板ガラス間に設けられる間隔保持部材と、該間隔保持部材と該間隔保持部材が対向する前記板ガラスとの間隙に配置され、該間隙を密閉封止する透湿防止封着材と、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームとの間に、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面および前記フレームにそれぞれ当接し、かつ、前記板ガラスの外表面および前記フレームの少なくとも一方と非接着で配置された第一スペーサと、を備え、前記間隔保持部材と前記フレームとが一体化されていることを特徴としている。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記第一スペーサが、前記フレームおよび前記複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が100MPa以上の材料で形成されていることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記第一スペーサが、前記フレームおよび前記複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が400MPa以上の材料で形成されていることがより好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との間に第二スペーサが設けられていることが好ましい。
または、前記間隔保持部材は、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と対向する面に、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との隙間が小さくなる方向に突出部が形成されていることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との間で、前記透湿防止封着材よりも前記板ガラスの外周縁側に防水材が設けられていることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームの周端部との間に、水滴の浸入を防止するウエザータイト材が設けられていることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記フレームに排水口が形成されていることが好ましい。
また、本発明の複層ガラスユニットにおいては、前記第一スペーサが、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームとの間隔に応じて寸法調整可能に構成されていることが好ましい。
本発明の複層ガラスユニットによれば、透湿防止封着材により外部からの湿気が中空層に浸入するのを防止することができる。また、間隔保持部材とフレームとが一体化されているとともに、第一スペーサが複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面とフレームとの間に、複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面およびフレームにそれぞれ当接し、かつ、板ガラスの外表面およびフレームの少なくとも一方と非接着で配置されることと相俟って、中空層の膨張収縮や風圧等の面外力が作用した際に板ガラスの変位が効果的に抑制され、板ガラスの保持剛性が高まる。その結果、透湿防止封着材の変形量(引張変形量)を抑制し、透湿防止封着材の損傷が抑制され、透湿抵抗の低下を防止できる。したがって、従来の二次シール材を打設することなく板ガラスの変位が効果的に規制され、複層ガラスユニットの耐久性を確保できる。結果として、フレームの見付寸法を小さくできる効果がある。
また、第一スペーサが、フレームおよび複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が100MPa以上の材料で形成されていることで、板ガラスの保持剛性が高まり、板ガラスの変位が抑制されて透湿防止封着材の変形量(引張変形量)を抑制することができ、複層ガラスとしての耐久性を向上できる効果がある。
また、第一スペーサが、フレームおよび複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が400MPa以上の材料で形成されていることで、板ガラスの保持剛性がさらに高まり、板ガラスの変位が抑制されて透湿防止封着材の変形量(引張変形量)を抑制することができ、複層ガラスとしての耐久性をさらに向上できる効果がある。
また、第二スペーサを設けるか、または間隔保持部材に突出部を形成することで、第一スペーサと相俟って透湿防止封着材の変形量(圧縮変形量)を抑制することができ、複層ガラスとしての耐久性を向上できる効果がある。
また、防水材を設けることで、中空層をより確実に乾燥状態に保持できる。
また、ウエザータイト材を設けることで、複層ガラスユニットに水滴等が浸入することをより確実に防止できる。
また、排水口を形成することで、複層ガラスユニットに浸入した水滴等を容易に排出できる。
また、第一スペーサを複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面とフレームとの間隔に応じて寸法調整可能にすることで、第一スペーサを確実に板ガラスの外表面とフレームとの間に隙間なく装着させることができる。
本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの要部断面図である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(1)である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(2)である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(3)である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(4)である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(5)である。 本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットの製造工程を示す説明図(6)である。 本発明の第二実施形態における複層ガラスユニットの要部断面図である。 従来の複層ガラスユニットの要部断面図である。 本発明の実施例に用いたガラスユニットのモデルの構成図である。 本発明の実施例における第一スペーサのヤング率と変位量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例における複層ガラスユニットに生じる中空層内外圧力差と第一スペーサのヤング率毎の上限圧力差との関係をしめすグラフである。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(1)である。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(2)である。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(3)である。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(4)である。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(5)である。 本発明の実施形態における第一スペーサの別の態様を示す部分断面図(6)である。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態における複層ガラスユニットについて、図1〜図7に基づいて説明する。
図1は本実施形態の複層ガラスユニットの要部断面図である。図1に示すように、複層ガラスユニット10は、2枚の板ガラス11,11(複層ガラス群111)と、複層ガラス群111の周縁に沿って複層ガラス群111の両端の板ガラス11,11の外表面11bと各板ガラス11,11の端面11cとを覆うように複層ガラス群111に取り付けられるフレーム13と、2枚の板ガラス11,11間の間隔を保持すべく板ガラス11,11間に設けられる間隔保持部材40と、間隔保持部材40と板ガラス11との間隙41に配置され、板ガラス11,11間に形成される中空層15に湿気が浸入するのを防止するための透湿防止封着材17と、板ガラス11の外表面11bおよびフレーム13にそれぞれ当接し、かつ、板ガラス11およびフレーム13と非接着で配置された第一スペーサ19と、を備えている。
板ガラス11は、正面視において矩形状に形成されており、フレーム13に形成された凹部21内に周縁部が挿入されている。また、板ガラス11は、凹部21の底面23に設けられたセッティングブロック22に当接されている。2枚の板ガラス11,11は平行な状態で配置されている。本実施形態においては、板ガラス11は2枚積層配置(対向配置)されて構成されている。つまり、板ガラス11,11は、複層ガラス群111を構成する板ガラスのうち、両端に配置された板ガラスである。なお、複層ガラスユニット10が使用される用途に応じて、セッティングブロック22が設けられない場合や、板ガラス11の全辺または一部の辺にのみ配される場合もある。
フレーム13は、たとえばアルミニウムで形成されている。本実施形態ではフレーム13と間隔保持部材40とが一体的に形成され、間隔保持部材40の両側に2つの凹部21,21が形成されており、2枚の板ガラス11,11がそれぞれの凹部21,21に固定される。また、間隔保持部材40の内部には空洞部25が形成されている。空洞部25は2枚の板ガラス11,11間に形成される中空層15側に開口しており、空洞部25内には図示しない乾燥剤が配置できるようになっている。さらに、凹部21の底面23には排水口26が形成されている。排水口26は、外部から浸入してきた水滴を外部に排水するために設けられている。なお、本実施形態では排水口26は室外側に配置される一方の凹部21のみに形成されている。また、フレーム13および間隔保持部材40は一体成形されており、略同一形状のフレーム13および間隔保持部材40が板ガラス11の四辺全周に亘って設けられている。
透湿防止封着材17は、板ガラス11の変位に追従する柔軟性と、板ガラス11や間隔保持部材40との密着性とが要求され、たとえばブチル系シーリング材で形成されている。透湿防止封着材17は、板ガラス11における中空層15側の内表面(複層ガラス群111の両端の板ガラスの内表面)11aと間隔保持部材40(フレーム13)との間隙41を閉塞するように設けられている。
第一スペーサ19は、板ガラス11の変位を効果的に規制する硬さと、外気中に配されても劣化しづらい耐候性と、製造時にスムーズに取付けるためのすべり特性と、が要求され、たとえばゴム材料より硬く、フレーム13より軟らかい材料であるポリアセタールで形成されている。なお、ポリアセタールのヤング率(曲げ弾性率)は約3.0GPaである。一方、フレーム13はアルミニウムで形成されているが、アルミニウムのヤング率は約70.3GPaである。さらに、一般的なゴム系材料のヤング率(圧縮弾性率)は1.5〜5.0MPaである。したがって、第一スペーサ19は、ゴム系材料より硬く、フレーム13より軟らかい材料である。なお、第一スペーサ19は、ヤング率が100MPa以上の材料で形成されることが好ましく、400MPa以上の材料で形成されることがより好ましい(後に詳述する)。また、本例では板ガラス11はソーダ石灰ガラスであり、そのヤング率は約71.6GPaである。つまり、第一スペーサ19は板ガラス11よりも軟らかい(ヤング率の小さい)材料で形成されている。なお、樹脂材料やゴム系材料など引張試験に適さない材料については、曲げ弾性率、圧縮弾性率等の見かけのヤング率で代用してもよい。
第一スペーサ19は、板ガラス11の外表面(複層ガラス群111の両端の板ガラスの外表面)11bとフレーム13との間に設けられている。また、第一スペーサ19は、正面視において透湿防止封着材17の少なくとも一部と重なるように配置することが好ましい。さらに、第一スペーサ19は、予め棒状の成形体として形成したものであり、板ガラス11の外表面11bとフレーム13との間に挿入し、フレーム13に形成された図示しない係止部に係止させるようにして取り付けられている。つまり、第一スペーサ19は、板ガラス11およびフレーム13と非接着で配置している。なお、第一スペーサ19は、板ガラス11およびフレーム13のいずれか一方と接着されて取り付けられていてもよく、その限りにおいて成形体以外の材料も使用できる。
板ガラス11の内表面11aと間隔保持部材40との間には、透湿防止封着材17の中空層15側、すなわち透湿防止封着材17に対して板ガラス11の端面11cとは反対側に、透湿防止封着材17と隣接して第二スペーサ27が設けられている。第二スペーサ27は、第一スペーサ19と同一のポリアセタールで形成されている。第二スペーサ27は、透湿防止封着材17と略同一の厚さ(板ガラス11の内表面11aと間隔保持部材40との間の距離)で形成されている。第二スペーサ27としては、第一スペーサ19と同様の材料、すなわち第二スペーサ27が当接する板ガラス11と同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が100MPa以上の材料で形成されることが好ましく、400MPa以上の材料で形成されるのがより好ましい。なお、第二スペーサ27は、透湿防止封着材17を挟んで両側に設けてもよい。
また、板ガラス11の内表面11aと間隔保持部材40との間で、透湿防止封着材17を介して第二スペーサ27の反対側には防水材29が設けられている。防水材29は、たとえばシリコーンシーラントで形成されている。この防水材29は透湿防止封着材17が防水を必要としている場合または防水が必要な環境条件に複層ガラスユニット10を設置する場合に取り付けられる。防水材29は、透湿防止封着材17と略同一の厚さで形成されている。なお、防水材29は防水ゴムパッキン、樹脂製のガスケット等で構成してもよい。
さらに、板ガラス11の外表面11bとフレーム13の周端部13aとの間を閉塞するようにウエザータイト材31が設けられている。ウエザータイト材31は、たとえば、樹脂製のガスケットで構成されている。ウエザータイト材31は、雨水等の水滴および気流等がフレーム13の凹部21内に浸入するのを防止するために設けられている。なお、ウエザータイト材31は、ゴムまたは各種シーラントで形成してもよい。
(複層ガラスユニットの製造方法)
次に、本発明の実施形態における複層ガラスユニット10の製造方法について図2〜図7に基づいて説明する。
図2に示すように、2枚の板ガラス11,11を所定距離隔てた状態で垂直に配置する。なお、このときの所定距離とは、複層ガラスユニット10が完成したときの板ガラス11,11間の距離より若干大きい距離である。また、2枚の板ガラス11,11は水平に配置してもよい。
図3に示すように、2枚の板ガラス11,11を固定するフレーム13を用意する。このとき、2枚の板ガラス11,11の端面11cに対向した位置に、フレーム13の凹部21,21が位置するように配置する。また、フレーム13に一体的に形成された間隔保持部材40には透湿防止封着材17、第二スペーサ27、防水材29が既に取り付けられている。また、フレーム13の凹部21にはセッティングブロック22が適宜設けられている。なお、透湿防止封着材17は板ガラス11と間隔保持部材40との間隙41を確実に閉塞させるために、複層ガラスユニット10が完成したときの板ガラス11の内表面11aと間隔保持部材40との距離(厚さ)よりも大きくなるように多めに塗布する。
図4に示すように、板ガラス11,11をそれぞれフレーム13の凹部21,21内に挿入して、板ガラス11,11の端面11cがセッティングブロック22と当接するまで押し込む。また、フレーム13を板ガラス11の四辺それぞれに取り付け、板ガラス11の四隅において、フレーム13同士を接合する。
図5に示すように、2枚の板ガラス11,11をそれぞれ近接する方向に押圧して、板ガラス11の内表面11aと透湿防止封着材17とを密着させる。板ガラス11をさらに押圧すると、板ガラス11は第二スペーサ27と当接し、それ以上は中空層15側へ移動しない位置で保持される。
図6に示すように、板ガラス11を押圧した状態で、板ガラス11の外表面11bとフレーム13との間に第一スペーサ19を挿入する。第一スペーサ19は細長い略直方体の成形体で形成されており、板ガラス11の略全周に亘って挿入される。そして、第一スペーサ19はフレーム13に形成された図示しない係止部に係止して固定される。なお、第一スペーサ19は板ガラス11の周縁部に沿うように連続的に形成されていてもよく、また、複数の部材に分割されていてもよい。
図7に示すように、第一スペーサ19が挿入された後に、板ガラス11の外表面11bとフレーム13の周端部13aとの間を閉塞するようにウエザータイト材31を取り付ける。ウエザータイト材31の取付けが完了すると、複層ガラスユニット10の製造が完了する。
(作用)
本実施形態の複層ガラスユニット10によれば、第一スペーサ19を設けることにより、透湿防止封着材17の引張変形を抑制することができる。これにより、透湿防止封着材17に引張応力が作用するのを抑制することができるため、複層ガラスとしての耐久性を向上させることができる。加えて第二スペーサ27を設けることにより、透湿防止封着材17の圧縮変形を抑制することができる。これにより、透湿防止封着材17に圧縮応力が作用するのを抑制することができるため、複層ガラスとしての耐久性をより向上させることができる。これは、ゴム系材料で形成されている透湿防止封着材17の剛性よりも第一スペーサ19および第二スペーサ27の剛性が高いため、板ガラス11の変位量を第一スペーサ19および第二スペーサ27で吸収できるためである。したがって、透湿防止封着材17の変形量が従来よりも減少するため、複層ガラスとしての耐久性を向上させることができる。
具体的には、第一スペーサ19および第二スペーサ27にポリアセタールを採用した。ポリアセタールは、アルミニウムで形成したフレーム13および間隔保持部材40より軟らかく、一般的なゴム系材料より硬い。このような硬さを有する第一スペーサ19および第二スペーサ27を採用することで、板ガラス11が風圧または温度変化により変位する際に、その変位を効果的に規制できる。つまり、従来のゴム系シーリング等では板ガラス11から変位力を受けた際に、それ自体が大きく変形することで板ガラス11の変位を吸収していたため、同時に透湿防止封着材(一次シール材)も大きく変形していたが、本実施形態では透湿防止封着材17の変形量を抑制できる。
また、板ガラス11とフレーム13とを直接当接させるのではなく、フレーム13より剛性の小さい第一スペーサ19を介装することで、板ガラス11が変位する際に作用する応力集中を緩和することができ、板ガラス11の損傷を防止できる。なお、第一スペーサ19は板ガラス11よりも剛性の小さい材料で形成されている。
また、フレーム13および間隔保持部材40を予め一つの部材として一体的に形成したため、2枚の板ガラス11,11を複層ガラスとして製造すると、フレーム13も一体化された複層ガラスユニット10として製造できる。一方、従来は複層ガラスとしてガラス工場で製造し、その後、複層ガラスを施工現場(建築現場)やサッシ工場に搬送して、複層ガラスの搬送先でフレームを取り付けて複層ガラスユニットを製造していた。本実施形態では、一つの工場で複層ガラスユニット10を製造することができ、製造工程を簡略化できるとともに、品質管理を一元化できる。つまり、複層ガラスユニット10の品質向上を図ることができる。
また、複層ガラスユニット10を、ユニット構法を採用した外装カーテンウォールに用いれば、建築現場での作業量を減少させることができ、建築工程の更なる短工期化に貢献できる。
また、従来のフレームは一次シールおよび二次シールの高さを覆う見付寸法が必要であったが、本実施形態によれば、従来の二次シール材を打設することなく、第一スペーサ19を配して複層ガラスユニット10を構成したため、フレーム13の見付寸法を小さくできる。さらに、上述したように複層ガラスユニット10は一つの工場で製造できるため、複層ガラス11の製造公差およびフレーム13の製造公差を一元管理でき、複層ガラスユニット10の製造公差を小さくできる。結果として、フレーム13の見付寸法をさらに小さくできる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について図8に基づいて説明する。
なお、本実施形態は、第一実施形態と第二スペーサの構成が異なるだけで、その他の構成は第一実施形態と略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、複層ガラスユニット110は、2枚の板ガラス11,11(複層ガラス群111)と、フレーム13と、透湿防止封着材17と、第一スペーサ19と、間隔保持部材40とを備えている。間隔保持部材40における透湿防止封着材17が設けられた中空層15側は、板ガラス11の内表面11aに向かって突出部40bが形成されている。突出部40bの高さ(図8における左右方向の厚さ)は、透湿防止封着材17の厚さよりも若干小さく形成されている。
このように構成することで、第一実施形態と略同等の作用効果が得られる。具体的には、板ガラス11が変位して、透湿防止封着材17が引っ張られる方向に力が働くと、板ガラス11は第一スペーサ19により変位が抑制され、透湿防止封着材17が圧縮される方向に力が働くと、板ガラス11は間隔保持部材40の突出部40bに当接して変位量が抑制される。したがって、透湿防止封着材17の変形量を抑制することができ、複層ガラスとしての耐久性を向上できる。また、間隔保持部材40に突出部40bを形成するだけで、第一実施形態の第二スペーサ27を無くすことができ、製造工程をさらに簡略化できる。
次に、上述した複層ガラスユニット10と略同一の構成を有したモデルを用いて、第一スペーサ19に使用する材料のヤング率の下限値について考察した結果について説明する。
本実施例では、図10に示すようなモデル200を用いてシミュレーションを行った。モデル200は、厚さ2mmのアルミフレーム201と、厚さ8mmの板ガラス202と、を備え、板ガラス202の外表面202aとアルミフレーム201との間に第一スペーサ203を配置するとともに、板ガラス202の内表面202bとアルミフレーム201との間に透湿防止封着材204を配置したものである。
また、第一スペーサ203は、アルミフレーム201の底面201aから3mmの位置に下端が位置するように配された高さ4mm、幅6mmの形状を有するものである。なお、第一スペーサ203の幅とは、板ガラス202の外表面202aとアルミフレーム201との間の距離のことである。
透湿防止封着材204は、アルミフレーム201の底面201aから10mmの位置に高さ方向の中心が位置するように配された幅1mmの形状を有するものである。なお、透湿防止封着材204の幅とは、板ガラス202の内表面202bとアルミフレーム201との間の距離のことである。
このようなモデル200において、板ガラス202の内側と外側との圧力差が1kPaとしたときに、第一スペーサ203の変位量をFEM解析した。その結果を図11に示す。なお、図11の横軸は第一スペーサ203のヤング率(MPa)であり、縦軸は第一スペーサ203の変位量である。このように板ガラス202の内側と外側との間に圧力差が生じる理由は、一般に使用されている複層ガラスは、夏期に外気温や日射などの影響により中空層内圧が上昇し、その結果、複層ガラスに加わる外力(中空層内圧と使用場所の大気圧との差)が生じるためである。
図11に示すように、第一スペーサ203のヤング率が400MPaの近傍で変位特性が変化することが分かる。なお、この変位特性は外力(圧力差)の大きさに大きく影響を受けない。つまり、第一スペーサ203のヤング率が400MPa以上の場合には感度が鈍くなり、変位量が略一定になる。一方、第一スペーサ203のヤング率が400MPa未満の場合には感度が高くなり、変位量が大きくなる。したがって、第一スペーサ203にヤング率400MPa以上の材料を採用すると、弾性特性のばらつきや変化に対して適応性が良いことが分かる。
次に、複層ガラスの寿命は、透湿防止封着材204の変形率(引張方向の最大変形量を初期設定厚さで除した百分率)に左右される。別の実験で得られた、透湿防止封着材204の損傷が小さく、透湿防止封着材204が破断している箇所が生じず、その結果、耐水蒸気透過性能が良好な数値を維持する透湿防止封着材204の変形率を基に、第一スペーサ203のヤング率別(ここでは代表値として6MPa、100MPa、400MPaとした)に許容される板ガラス202の内外圧力差(中空層内外圧力差)を図12に示す。つまり、第一スペーサ203のヤング率が6MPaの場合は、許容される内外圧力差は約0.5kPaであり、同じくヤング率が100MPaの場合は、約0.8kPa、ヤング率が400MPaの場合は、約1.0kPaである。
次に、複層ガラスの構成ごとに板ガラス202の大きさを変化させた場合のそれぞれの複層ガラスに生じる内外圧力差を解析した。図12に示すように、複層ガラスの構成がLU(Low−Eガラス)3mm+A(中空層)12mm+FL(フロートガラス)3mmの場合は、板ガラス202の大きさに拘らず全ての領域で第一スペーサ203のヤング率が6MPaの上限圧力差よりも小さい圧力差しか発生しない。したがって、この場合は第一スペーサ203にヤング率が6MPaのものを採用することができる。
複層ガラスの構成がLU(Low−Eガラス)6mm+A(中空層)12mm+FL(フロートガラス)6mmの場合は、例えば板ガラス202の大きさが900mm×900mm以上の場合には、第一スペーサ203のヤング率が6MPaの上限圧力差よりも小さい圧力差しか発生しない。しかし、例えば板ガラス202の大きさが900mm×600mmの場合には、第一スペーサ203のヤング率が6MPaの上限圧力差よりも大きくなるため、この場合には第一スペーサ203にヤング率が6MPaのものを採用することはできない。ただし、第一スペーサ203のヤング率が100MPaの上限圧力差よりも小さい圧力差しか発生しないため、この場合には第一スペーサ203にヤング率が100MPaのものを採用することができる。
なお、複層ガラスの構成がLU(Low−Eガラス)8mm+A(中空層)12mm+FL(フロートガラス)8mmの場合は、例えば板ガラス202の大きさが900mm×900mm以上の場合には、第一スペーサ203のヤング率が100MPaの上限圧力差よりも小さい圧力差しか発生しないため、この場合には第一スペーサ203にヤング率が100MPaのものを採用することができる。しかし、例えば板ガラス202の大きさが900mm×600mmの場合には、第一スペーサ203のヤング率が400MPaの上限圧力差よりも大きくなるため、この場合には第一スペーサ203にヤング率が400MPaのものも採用することはできない。したがって、この場合には板ガラス202の大きさに制限を設ける必要がある。
ここで、一般に利用されることが多い複層ガラスの構成は、LU6mm+A12mm+FL6mmの場合であるため、第一スペーサ203のヤング率が100MPa以上であれば適用範囲を広げることができる。
以上のことから、第一スペーサ203のヤング率が100MPa以上、より好ましくは400MPa以上の材料で構成すれば、実用範囲の大半の領域において、複層ガラスの耐久性を向上することが可能となる。
なお、第一スペーサ203による変形抑止は、防水材29(図1参照)の変形率を同時に小さくする効果を持ち、防水材29の長寿命化を図ることができるとともに、変形率を小さくすることができることにより厚さを薄くすることができる。
尚、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材質、形状および構成等は一例にすぎず、適宜変更ができる。
たとえば、本実施形態ではフレームと間隔保持部材とを一体的に形成したが、フレームと間隔保持部材とを別体でそれぞれ形成(例えば、図1の破線45でフレームと間隔保持部材とを別体で形成)した後に、それぞれの部材を結合することで一体化し、外力に対して単一の部材で形成された場合とほぼ同様に、剛的に対抗できるようにしてもよい。この場合、間隔保持部材を用いてフレームが装着されていない複層ガラスを製作した後に、間隔保持部材とフレームとを結合することも可能である。
また、本実施形態ではフレームを一体成形した場合の説明をしたが、フレームを2枚の板ガラスの略中央部で分割して、複層ガラスユニットを製造する際に、分割されたフレームを接合するようにしてもよい。
また、本実施形態では板ガラスを2枚用いた複層ガラスユニットについて説明したが、3枚以上の板ガラスを積層したガラスユニットに採用してもよい。
また、本実施形態では、第一スペーサの形状を断面矩形の棒状の成形体として説明したが、他にも様々な形状や構成が考えられる。
例えば、図13に示すように、フレーム13の内面13bに、内面13bに対して直交する方向に突出した突起61を形成し、偏芯円断面形状を有する第一スペーサ62を用いる構成にしてもよい。このように構成すれば、第一スペーサ62を板ガラス11とフレーム13との間に取り付ける際に、第一スペーサ62の凹部62aを突起61に嵌合するように挿入し、第一スペーサ62の凹部62aを中心に回転するように押し込むことで、板ガラス11とフレーム13との間に隙間を形成することなく、第一スペーサ62を取り付けることが可能となる。つまり、板ガラス11の外表面11bとフレーム13との間の寸法に合わせて、無段階に調整可能な第一スペーサ62を提供することができる。
また、図14に示すように、フレーム13の内面13bおよび板ガラス11の外表面11bに両端が当接可能な断面略V字形状の第一スペーサ65を用いる構成にしてもよい。なお、この第一スペーサ65は弾性変形できるものを採用することで、板ガラス11とフレーム13との間の寸法に合わせて、無段階に寸法調整をすることができる。また、この第一スペーサ65を取り付けた後に、断面V字状の凹部65aに第一スペーサ65と同等のヤング率を有する熱可塑性樹脂66を流し込むことで第一スペーサ65の耐久性を向上することができる。また、フレーム13の内面13bには第一スペーサ65の端部を支持する突起67を形成してもよい。
また、図15に示すように、フレーム13の外面13c側から板ガラス11の外表面11b側に向かって寸法調整ネジ71を設け、例えばフレーム13に形成されたネジ孔72に寸法調整ネジ71を螺合することにより、寸法調整ネジ71の先端に設けられた第一スペーサ73を板ガラス11の外表面11bに当接させることができるように構成してもよい。このように構成することで、板ガラス11とフレーム13との間の寸法に合わせて、無段階に寸法調整をすることができ、第一スペーサ73を確実に板ガラス11の外表面11bに当接させることができる。
また、図16に示すように、フレーム13の内面13bに、内面13bに対して直交する方向に突出した突起75を形成し、フレーム13の内面13bと板ガラス11の外表面11bとの間に断面略逆L字状の寸法調整部材76を配し、寸法調整部材76の外表面76aに第一スペーサ77を取り付け、フレーム13と寸法調整部材76との間に形成された空間78に第一スペーサ77と同等のヤング率を有する熱可塑性樹脂79を流し込んで第一スペーサ77と板ガラス11の外表面11bとを当接させる構成にしてもよい。この態様では、熱可塑性樹脂79を流し込む量を調整することにより、無段階での寸法調整をすることができる。なお、寸法調整部材76が最も板ガラス11の外表面11b側に位置した場合にも、突起75と寸法調整部材76の水平面76bとは平面視において重なるようになっており、突起75と寸法調整部材76との境界から熱可塑性樹脂79が漏洩しないようになっている。なお、熱可塑性樹脂79は、例えばフレーム13に形成した注入孔80から注入する。
また、図17に示すように、フレーム13の内面13bをギザ加工するとともに、第一スペーサ81が取り付けられた調節部材82を用いる構成にしてもよい。なお、フレーム13の内面13bはフレーム13の周端部13aから底面23に向かって板ガラス11の外表面11bとの距離が短くなる(先細りする)ように形成されている。また、調節部材82における内面13bに対向する側面82aは、内面13bと部分的に当接して位置を固定することができるように傾斜面で形成されるとともに、フレーム13の内面13bとの間ですべりが生じないようにギザ加工がなされている。したがって、第一スペーサ81が取り付けられた調節部材82をフレーム13の内面13bと板ガラス11の外表面11bとの間に挿入することで、段階的に寸法調整をすることができ、第一スペーサ81を確実に板ガラス11の外表面11bに当接させることができる。なお、ギザ加工された表面を有する部材をフレーム13とは別部材として形成し、フレーム13と板ガラス11の外表面11bとの間に配する構成にしてもよい。また、フレーム13の内面13bと調節部材82の側面82aとの間に生じる摩擦抵抗ですべりを拘束できる場合には、側面82aのギザ加工を取り止めることができる。この場合には、無段階での寸法調整が可能となる。
また、図18に示すように、フレーム13と板ガラス11の外表面11bとの間に第一スペーサ85が取り付けられた可動部材86を設け、該可動部材86の第一スペーサ85が取り付けられた面とは反対側の面86aをテーパ形状に形成し、そのテーパ形状と略同一の傾斜面(テーパ面)87aを有する調節部材87を設け、調節部材87をフレーム13と可動部材86との間に挿入することで、可動部材86を板ガラス11側へ移動させて、第一スペーサ85と板ガラス11の外表面11bとを当接させる構成にしてもよい。また、調節部材87と可動部材86とが接する傾斜面でのすべりを抑制するために、調節部材87とフレーム13とをビス88で締結する。なお、可動部材86は底面23上に載置されている。このように構成することで、無段階での寸法調整をすることができ、第一スペーサ85を確実に板ガラス11の外表面11bに当接させることができる。また、可動部材86と調節部材87との間に生じる摩擦抵抗ですべりを拘束できる場合には、ビス88を設けなくてもよい。
10…複層ガラスユニット 11…板ガラス(板ガラス、複層ガラス群の両端の板ガラス) 11a…内表面(複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面) 11b…外表面(複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面) 11c…端面 13…フレーム 15…中空層 17…透湿防止封着材 19…第一スペーサ 21…凹部 22…セッティングブロック 23…底面 25…空洞部 26…排水口 27…第二スペーサ 29…防水材 31…ウエザータイト材 40…間隔保持部材 40b…突出部 41…間隙 50…複層ガラス 51…板ガラス 52…中空層 53…スペーサ 54…一次シール材 55…空間部 56…二次シール材 57…吸湿剤 110…複層ガラスユニット 111…複層ガラス群

Claims (9)

  1. 所定間隔を置いて平行に積層配置された複数の板ガラスで構成される複層ガラス群と、
    該複層ガラス群の周縁に沿って前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記複層ガラス群を構成する各板ガラスの端面とを覆うように前記複層ガラス群に取り付けられるフレームと、
    前記各板ガラス間の間隔を保持すべく前記各板ガラス間に設けられる間隔保持部材と、
    該間隔保持部材と該間隔保持部材が対向する前記板ガラスとの間隙に配置され、該間隙を密閉封止する透湿防止封着材と、
    前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームとの間に、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面および前記フレームにそれぞれ当接し、かつ、前記板ガラスの外表面および前記フレームの少なくとも一方と非接着で配置された第一スペーサと、を備え、
    前記間隔保持部材と前記フレームとが一体化されていることを特徴とする複層ガラスユニット。
  2. 前記第一スペーサが、前記フレームおよび前記複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が100MPa以上の材料で形成されている請求項1に記載の複層ガラスユニット。
  3. 前記第一スペーサが、前記フレームおよび前記複層ガラス群の両端の板ガラスと同等以下のヤング率を有し、かつ、ヤング率が400MPa以上の材料で形成されている請求項1または2に記載の複層ガラスユニット。
  4. 前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との間に第二スペーサが設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
  5. 前記間隔保持部材は、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と対向する面に、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との隙間が小さくなる方向に突出部が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
  6. 前記複層ガラス群の両端の板ガラスの内表面と前記間隔保持部材との間で、前記透湿防止封着材よりも前記板ガラスの外周縁側に防水材が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
  7. 前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームの周端部との間に、水滴の浸入を防止するウエザータイト材が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
  8. 前記フレームに排水口が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
  9. 前記第一スペーサが、前記複層ガラス群の両端の板ガラスの外表面と前記フレームとの間隔に応じて寸法調整可能に構成されている請求項1〜8のいずれかに記載の複層ガラスユニット。
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