JP2014201454A - 表面処理金属酸化物微粉体の製造方法 - Google Patents

表面処理金属酸化物微粉体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物微粉体の表面処理における凝集粒子の生成を抑え、表面処理前後での粒度分布の相違が無く、均一に表面処理された表面処理金属酸化物微粉体の製造方法を提供する。【解決手段】レーザー回折散乱法による体積基準累積50%径(D50径)が0.05〜10μmの範囲にある金属酸化物微粉末と表面処理剤とを混合し、表面処理金属酸化物微粉体を製造する方法において、混合装置の混合手段が、駆動部を有する、混合装置内に設置された回転体によらず、該混合装置が10〜200Jの解砕エネルギーで凝集粒子を解砕する解砕羽根を備えていることにより、凝集粒子が低減され均一表面処理された表面処理金属酸化物微粉体が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理金属酸化物微粉体の新規な製造方法に関する。詳しくは、表面処理後の金属酸化物微粉体中に凝集粒子がない、粒子表面が均一に処理された金属酸化物微粉体が得られる、新規な表面処理金属酸化物微粉体の製造方法に関する。
従来より、金属酸化物微粉体にシランカップリング剤等の表面処理剤を添加し、粒子表面に処理を施すことによって、樹脂への分散性を向上させたり、樹脂組成物の強度を上げたり、様々な機能を付与することが行われている。一般に、表面処理された金属酸化物微粉体は、撹拌羽根を有する混合装置を用いて、金属酸化物微粉体と表面処理剤とを撹拌混合し加熱処理することによって得られる。(特許文献1参照)。
上記表面処理された金属酸化物微粉体は、例えば、半導体封止材料の熱膨張率の低減や強度向上のため、充填材として好適に使用される。その際、該粉体中に凝集粒子や、粒子表面が不均一に表面処理された粒子が存在すると、樹脂への分散性低下や、樹脂の強度低下の原因となることが知られている。
近年、半導体パッケージの小型化に伴い、従来にも増して、粗粒や凝集粒子が低減された、そして、粒子表面が均一に表面処理された金属酸化物微粉体への需要が高まっている。
しかしながら、従来の表面処理方法によれば、金属酸化物微粉体と表面処理剤を混合して、表面処理を行う際に、凝集粒子の生成抑制には限界があった。特に、金属酸化物微粉末の反応サイト、例えば表面水酸基量、に対して過剰量の表面処理剤を添加した場合、表面処理剤同士が架橋した強固な凝集粒子の生成があった。
特開2008−174624号公報
従って、本発明の目的は、金属酸化物微粉体の表面処理における凝集粒子の生成を抑え、表面処理前後での粒度分布の相違が無く、均一に表面処理された表面処理金属酸化物微粉体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねてきた。その結果、金属酸化物微粉体の表面処理を行う際に用いる混合装置において、装置内に備えられた攪拌羽根が回転して金属酸化物微粉体と表面処理剤とを混合する際に、撹拌羽根の強い撹拌エネルギーによって凝集粒子の生成が促進されるという知見を得た。
そして、上記知見に基づき更に研究を重ねた結果、10〜200Jの解砕エネルギーで凝集粒子を解砕する解砕羽根を備え、かつ、混合手段として回転羽根等の回転体を備えない混合装置を用いることにより、金属酸化物微粉体と表面処理剤を混合すれば、表面処理後の金属酸化物微粉体中の凝集粒子を低減させ、また表面処理前後における粒度分布がほぼ一致し、表面処理剤も金属酸化物微粉末表面に一様に処理されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、混合手段を有する混合装置を用いて、レーザー回折散乱法による体積基準累積50%径(D50径)が0.05〜10μmの範囲にある金属酸化物微粉末と表面処理剤とを混合し、表面処理金属酸化物微粉体を製造する方法であって、
上記混合装置が、10〜200Jの解砕エネルギーで凝集粒子を解砕する解砕羽根を備え、且つ、上記混合手段が、駆動部を有する、混合装置内に設置された回転体によらないことを特徴とする表面処理金属酸化物微粉体の製造方法である。
上記表面処理金属酸化物微粉体の製造方法において、上記混合が、混合装置の回転、又は、混合装置の揺動、又は、流動床式であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、表面処理時の凝集粒子の生成が著しく抑えられ、例えば、金属酸化物微粉体の比表面積に対して過剰量の表面処理剤を添加した場合であっても、表面処理剤が金属酸化物微粉体に一様に処理することが可能となり、表面処理剤同士が架橋した強固な凝集粒子の生成も低減することができる。また、表面処理時の凝集粒子の生成を著しく抑えられるため、表面処理前と表面処理後において、粒度分布がほぼ一致した表面処理金属酸化物微粉体を効率良く製造することが可能となる。
表面処理金属微粉体における凝集粒子量に対する解砕エネルギーの影響
本発明において、表面処理する前の基材となる金属酸化物微粉体は、公知の方法により得られた金属酸化物微粉体を特に制限なく使用できる。一例を示すと、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物やシリカチタニア、シリカジルコニア等の複合酸化物が好適に使用され、なかでも、シリカ、シリカチタニアがより好適に使用できる。
上記金属酸化物微粉体はレーザー回折散乱法による体積基準累積50%径(D50径)が0.05〜10μmの範囲であって、好ましくは0.05〜5μmの範囲であって、より好ましくは0.1〜1.5μmの範囲である。該粒子径が0.05μm未満では、後述の混合装置において混合する際に、装置に設置された解砕羽根との接触頻度が高く維持され本発明における解砕効果が得られない。また、得られた表面処理金属酸化物粒子を樹脂に充填した際の、樹脂コンパウンドの粘度が高くなってしまう。また10μmを超えると、金属酸化物微粉体が解砕羽根に衝突した際の衝撃が大きくなり、解砕羽根の損傷による異物の混入が発生しやすくなる。さらには、得られた表面処理金属酸化物微粉体を半導体封止剤として使用したときに、狭ギャップ封止や均一封止が困難となる。
次に、本発明において使用する表面処理剤は、公知のシランカップリング剤、シロキサン類やシラザン類等が特に制限なく使用される。例えば、シランカップリング剤であれば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、等が挙げられる。シロキサン類であればジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン類、そしてシラザン類であればヘキサメチルジシラザン等が使用できる。
本発明において、上記、金属酸化物微粉体と表面処理剤を混合する混合装置の大きさは特に制限されないが、一般に、内容積が10L〜1mのものが好適に使用される。本発明において、上記混合装置は混合手段を有するが、該混合手段は混合装置内に設置された混合手段を有するが、該混合手段は駆動部を有する回転体によるものであってはならない。
本発明における混合手段は、上記制限を除けば公知の混合手段を特に限定せずに採用することができ、例えば、容器本体の回転や揺動により混合されるVブレンダー、ロッキングミキサーやダブルコーン型の混合装置、または、エアーにより気流混合するエアーブレンダー等が挙げられる。
一方、本発明の混合手段として不適切な上記、混合装置内に設置された、駆動部を有する回転体の一例として、攪拌・混合羽根が挙げられる。該羽根が設置された混合装置、例えば、ヘンシェル型混合装置やレーディゲミキサー等を用いた場合、金属酸化物微粉体が攪拌・混合羽根に衝突して受ける攪拌エネルギーが通常600J以上と大きいため、凝集粒子が生成しやすくなる。
本発明で用いる混合装置には、金属酸化物粉末の処理前後の粒径を同等のものとするための手段として少なくとも1枚の解砕羽根を備える。当該解砕羽根は、解砕手段としての回転軸を有する回転体であって、軸が羽根の重心を通る、もしくは軸を羽根の一端とする、軸に対して垂直方向に伸びる少なくとも1枚の羽根である。同軸上に複数枚の解砕羽根を設置する場合は、混合容器の内壁、及び他の解砕羽根との間隙が十分であれば回転軸上の何れの箇所にでも設置することができ、一箇所に複数枚であっても、複数箇所に複数枚であってもよく、混合装置の内容量、金属酸化物微粉体の処理量、及び下記に示す解砕エネルギーとを勘案して、1本の回転軸に1〜4枚設置することが好ましい。 本発明において、上記解砕羽根の解砕エネルギーは10〜200Jである。10J未満では凝集粒子を十分に解砕することができず凝集粒子が残存してしまう。一方、200Jを超えると金属酸化物微粉体が再凝集しやすくなるという問題が生じる。ここで、上記解砕エネルギーは、前記混合手段として用いられる攪拌・混合羽根の攪拌エネルギーが600J以上であるのに対して格段に小さく、従って、本発明における解砕羽根は、混合手段としての駆動部を有する回転体、即ち、攪拌・混合羽根とは明確に区別される。
上記解砕エネルギーの算出方法の例について以下に具体的に述べる。上記解砕エネルギーは、回転軸1本毎に算出され、まず解砕羽根の慣性モーメントを求める。
(軸が羽根の重心を通る場合)
解砕羽根の、回転軸に対して垂直方向となる長辺の長さをa(m)、短辺の長さをb(m)、厚さをt(m)、及び重量をM(kg)とし、同軸上に設置された羽根の枚数をmとすると、軸が羽根の重心を通る羽根の慣性モーメント(Iz)は下記(式1)より算出される。
Iz(kg・m)=(a +b)×M/12×m・・・(式1)
(軸を羽根の一端とする場合)
解砕羽根の、回転軸に対して垂直方向となる長辺の長さをa(m)、短辺の長さをb(m)、厚さをt(m)、及び重量をM(kg)とし、同軸上に設置された羽根の枚数をnとすると、軸を羽根の一端とする羽根の慣性モーメント(Iz)は下記(式2)より算出される。
Iz(kg・m)=(a +b+12(a/2))×M/12×n・・・(式2)
(軸が重心を通る羽根及び軸を一端とする羽根が混在する場合)
解砕羽根の慣性モーメント(Iz)は下記(式3)より算出する。
Iz(kg・m)=Iz1 +Iz・・・(式3)
次に、解砕エネルギーE(J)は、(式1)、(式2)、(式3)より算出された慣性モーメントと解砕羽根の回転数ω(rps)を用いて、下記(式4)より算出される。
解砕エネルギーE(J)=Iz×ω/2・・・・・(式4)
また上記以外の形状の解砕羽根を有する場合にも、各々、その形状に応じて、公知の数式により解砕エネルギーを求めることができる。
本発明の混合装置において、回転軸1本あたりの解砕エネルギーが上記範囲となればよいのであって、解砕羽根のついた回転軸を少なくとも1本設置していればよく、複数本設置することもできその際には、各々の回転軸が有する解砕羽根の解砕エネルギーを10〜200Jの範囲とすればよい。
上記回転軸、及び解砕羽根の材質は、特に限定されないが、ステンレススチール等の金属、アルミニウム、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル等の樹脂類が挙げられ、なかでも金属、特にステンレススチールが、耐摩耗性に優れており好ましい。
上記解砕羽根の形状は特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、水平形、L字形、円柱型等が挙げられる。
解砕羽根の大きさは装置内に納まる大きさであって、解砕エネルギーが上記範囲となるのであれば特に制限されないが、回転中に内容物より局所的に負荷がかかった場合であっても、壁面や、他の解砕羽根に衝突しないよう十分な間隙を設けられて設置されればよい。
該解砕羽根の長辺の長さは、短かすぎると解砕効果が小さくなる(必要な解砕エネルギーを得るために高回転を要する)が、長すぎると回転するための大きな動力を要する。また、解砕羽根の長辺の長さが長いほど、解砕エネルギーが大きくなって前記範囲を超えてしまい、金属酸化物微粉体が再凝集しやすくなるため、解砕羽根の長辺の長さは、300mm以下としてやることが好ましい。
解砕羽根の短辺の長さは特に制限されないが、上記長辺の長さに対して、0.05〜0.2倍程度が一般的である。また、解砕羽根の厚さは特に制限されないが、1〜5mmであることが好ましい。
次に、解砕羽根の回転数も前記式の通り解砕エネルギーと直接関係してくる。上記した解砕羽根の大きさにもよるが、10〜40rpsであることが好ましい。回転数が遅すぎると解砕効果が小さくなり、逆に40rpsを超えると解砕エネルギーが200Jを超えやすくなる。また回転数を小さい値とすることにより、機械的負荷が抑制される傾向にある。
したがって、上記(式1)〜(式4)等より得られる回転軸1本あたりの解砕エネルギーが10〜200Jとなるよう、解砕羽根の材質、即ち重量を勘案し、長辺の長さ、短辺の長さ、厚さ、解砕羽根の枚数、及び回転数をそれぞれ上記範囲内で、相対的に選択してやればよい。
上記解砕羽根の回転軸の設置箇所は、解砕羽根が装置内の接粉部にあれば特に制限されない。たとえば、Vブレンダー、ロッキングミキサー、またはダブルコーン型の混合装置を用いる場合であれば、混合装置内の空間の何れの箇所にあっても粉体と接することが可能なので、胴部の内側面、および両端部の内壁面であれば何れの箇所にも設置することができる。エアーブレンダーを用いる場合は、気流による金属酸化物粉体の流れを考慮し、解砕羽根が効率よく粉体に接触するように設置すればよいのであって、胴部の内側面、および天井部の内壁面の何れの箇所にも設置することができる。
以下、本発明の表面処理方法について説明する。
先ず、上記混合装置に、前記金属酸化物微粉体を供給する。金属酸化物微粉体の供給量は、供給された金属酸化物微粉体が混合可能な範囲であれば特に制限されないが、一般的な処理効率を考慮すれば、混合装置の内容積に対して好ましくは1〜6割、更に好ましくは3〜5割である。
次に、金属酸化物微粉体が供給された上記混合装置に前記表面処理剤を供給する。該表面処理剤の供給量は、処理する金属酸化物微粉体の粒子表面を被覆するために必要な量、即ち、処理される金属酸化物微粉体の表面水酸基量と使用する表面処理剤から、理論添加量を算出し、該理論添加量に応じて適宜決定すればよいが、一般に、処理する金属酸化物微粉体100質量部に対して0.1〜10質量部である。
表面処理剤の供給量が上記理論添加量に対して少なすぎると金属酸化物微粉体の粒子表面を十分に処理できないため好ましくなく、上記理論添加量の5倍を超えて過剰になると、過剰の表面処理剤同士が反応して凝集粒子を生成するという問題が発生するため好ましくない。本発明の方法によれば、凝集粒子の生成を著しく抑制できるため、表面処理剤が理論添加量の5倍以下、好ましくは3倍以下であれば、凝集粒子を生成することなく、金属酸化物微粉体の粒子表面に一様に処理することが可能である。
上記供給する表面処理剤の理論添加量は、処理される金属酸化物微粉体の粒子表面にある水酸基の個数と表面処理剤の反応部位の個数を基に、ちょうど金属酸化物微粉体の粒子表面の水酸基を全て覆う量である。ここで、金属酸化物微粉体の粒子表面にある水酸基の個数は、フーリエ変換赤外分光光度計を用い、水酸基に対応する波長の吸収スペクトル強度より求められる。
上記表面処理剤は溶媒で希釈した後に金属酸化物微粉体と混合することができる。用いる溶媒は、表面処理剤が溶解するものであれば特に限定されない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール等のアルコール類が好適に用いられるが、アルコール類以外の有機溶媒を用いることもできる。溶媒で希釈する際の希釈率は特に限定されないが、一般的に2〜5倍程度希釈して用いられる。
表面処理剤の供給方法は、一度に供給してもよいし、混合しながら、連続的、あるいは断続的に供給してもよいが、処理量が多い場合、若しくは表面処理剤の量が多い場合には、混合しながら連続的、あるいは断続的に供給することが好ましい。上記表面処理剤の供給は、ポンプ等を用いて滴下もしくは噴霧により供給することが好ましい。上記噴霧に際しては公知のスプレーノズル等が好適に使用できる。
また、混合装置内の雰囲気は、特に限定されないが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが好ましく使用される。そうすることにより、熱による表面処理剤の分解を抑制することができる。
表面処理剤を連続的、あるいは断続的に供給する場合、表面処理剤の供給速度は特に限定されないが、表面処理剤の供給量等を考慮して決定すればよいが、一般的には、金属酸化物微粉体100g当たり1〜20ml/minで供給されることが好ましい。特に表面処理剤の供給量が多い場合は、供給速度が遅いと処理時間が長くなるため生産性に劣り、表面処理剤を一度に供給もしくは、供給速度が速すぎると表面処理剤の液滴が大きくなり、金属酸化物微粉体中に凝集粒子が生成しやすくなる。
上記表面処理剤を供給し、金属酸化物微粉体と混合する際の温度条件は、特に限定されないが、温度が高すぎると表面処理剤が重合してしまうため、一般には−10〜40℃程度である。
上記混合は、表面処理剤が金属酸化物微粉体に均一に混合されればよいのであって、混合にかかる時間は処理する金属酸化物微粉体の処理量と用いる混合装置の能力に応じて適宜決定すればよい。例えば、内容積340Lのダブルコーン型混合機を用いて、金属酸化物微粉体を80kg処理する場合、3時間以内で十分に混合される。
通常、該金属酸化物微粉体と表面処理剤との混合時において、表面処理剤の偏在や強い混合エネルギーにより凝集粒子が生成するが、本発明の方法によれば、駆動部を有する回転体を混合手段としないため、金属酸化物微粉体における凝集粒子の生成が抑制され、更に生成した凝集粒子については、強固な凝集粒子となる前に、混合装置内に設置された解砕羽根により効率よく解砕されるため、凝集粒子が極めて低減された金属酸化物微粉体と表面処理剤との混合物が得られる。
次に、凝集粒子が低減された金属酸化物微粉体と表面処理剤との混合物を加熱処理して金属酸化物微粉体表面に表面処理剤を被覆させる。上記加熱処理は、加熱手段を有する混合装置を用いる場合、混合しながら熱を加え加熱処理を行うこともできるが、表面処理剤と十分に混合された金属酸化物微粉体を取り出し、別の加熱装置にて加熱し、混合手段なしに加熱処理を行うこともできる。
後者において、別の加熱装置内の雰囲気ガスは、特に制限されないが、上記混合装置内と同様に窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
上記加熱処理を行う温度は、低すぎると反応の進行が遅くなるため生産効率が低下し、高すぎると表面処理剤の分解を促進してしまう。従って、使用する表面処理剤にもよるが、一般に、40〜200℃、好ましくは80〜150℃で行うのが良い。
上記加熱処理時間は使用する表面処理剤の反応性に応じて適宜決定すればよい。通常24時間以内で十分な反応率を得ることが可能である。
本発明は、混合手段が、混合装置内に設置された、駆動部を有する回転体によらない、そして、凝集粒子を解砕する解砕羽根を備えた前記混合装置を用いて、前記金属酸化物微粉体と表面処理剤とを混合することを最大の特徴としており、その結果、凝集粒子の生成が著しく低減された、表面処理前後において粒度分布がほぼ一致した、そして、表面処理剤が過剰に供給された場合であっても表面処理剤が粒子表面に一様に処理された金属酸化物微粉体が得られることは、本発明者らによって初めて見出されたことである。
該表面処理金属酸化物微粉体は、凝集粒子が極めて少なく、一様に表面処理されているため樹脂への分散性が非常に向上し、金属酸化物微粉体の高充填化が可能となり、硬化樹脂の強度向上が望め、狭間隙封止用途の半導体封止材料にも好適に使用される。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
以下実施例、比較例で評価に用いる解砕エネルギーの計算方法、各物性の測定方法は以下の通りである。
各物性の測定方法及び解砕エネルギーの計算方法
各実施例、比較例で用いた各物性の測定及び解砕エネルギーの計算は以下の方法で行った。
(D50径)
表面処理前及び表面処理後の金属酸化物微粉末の体積基準累積50%径(D50径)(μm)は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、LS−230)により測定した。
(表面処理前後での粒度分布の比較)
レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、LS−230)により得られた体積基準の粒度分布を基に、表面処理前後の粒度分布が一致しているかどうかを判断した。まず、表面処理前及び表面処理後の、体積基準累積10%径(D10径)(μm)、体積基準累積50%径(D50径)(μm)、体積基準累積90%径(D90径)(μm)を求め、次式によりそれぞれの表面処理前後の粒度分布の差異を算出した。
D10径における差異(%)
=(表面処理後D10径−表面処理前D10径)/表面処理前D10径×100
D50径における差異(%)
=(表面処理後D50径−表面処理前D50径)/表面処理前D50径×100
D90径における差異(%)
=(表面処理後D90径−表面処理前D90径)/表面処理前D90径×100
そして、各々の累積径における表面処理前と表面処理後の差異が全て5%以下であれば粒
度度分布が一致している、と判定した。
(表面処理後の凝集の有無)
表面処理後の金属酸化物微粉体中に存在する凝集の有無をレーザー回折散乱法(ベック
マンコールター社製、LS−230)により粒度分布を作成、表面処理前の粒度分布と比
較し、大粒径側に粗粒ピークがあるかどうかを確認した。
(比表面積)
表面処理前の金属酸化物微粉末の比表面積(m/g)は、BET一点法(柴田科学器工業株式会社製、SA−1000)により測定した。
(表面官能基量)
表面処理後の金属酸化物微粉末表面に存在する表面官能基量(μmol/g)は、官能基がエポキシ基の場合は、JIS K7236(エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方)に則り測定し、エポキシ基以外の場合は、燃焼酸化法(堀場製作所社製、EMIA−511)により表面処理後の金属酸化物微粉末のカーボン量(質量%)を測定し、次式により算出した。
表面官能基量(μmol/g)=カーボン量(質量%)/100/(12×n)×10
ここでnは、表面処理金属酸化物微粉体の表面上に存在する1つの官能基が有する炭素数を意味する。
(表面処理後の凝集粒子の量)
表面処理後の金属酸化物微粉体1kgを、目開き1mmの篩を使用し、ロータップ篩震盪器にかけ、篩上の粉体量(kg)を測定した。1mm篩上の凝集粒子の量(質量%)を次式により求めた。
1mm篩上の凝集粒子の量(質量%)=篩上の粉体量(kg)/1(kg)×100。
(表面処理の均一性)
表面処理後の金属酸化物微粉末の表面官能基量(μmol/g)と単位質量当たりの表面処理剤の仕込量(μmol/g)を比較し、表面処理の均一性を評価した。(表面処理後の金属酸化物微粉末の表面官能基量)/(単位質量当たりの表面処理剤の仕込量)の値が0.9以上であれば表面処理が均一に行われた、と判断した。
実施例1
両端部の内壁面に各々回転軸を1本ずつ設置し、該軸の壁面から2cmの位置に、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(200mm×20mm×2mm)が各1枚付いた、内容積340Lのダブルコーン型装置(徳寿工作所製、W−150)に、D50径が0.7μmの球状シリカ粒子(比表面積4m/g)を80kg仕込み、雰囲気を窒素で置換した。次に表面処理剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製、KBM−403、以下、γ−GPS)をペリスタポンプを用いて189g滴下した。表面処理剤を全量滴下後、解砕羽根の回転数を25rps(解砕エネルギー=100J)とし、混合装置の回転数を0.3rpsで運転し常温で3時間混合を行った。
次に、混合された粉体を装置から取り出し、窒素で置換された150℃の乾燥機内で3時間加熱処理した。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は4質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例2
実施例1において、装置を、両端部の内壁面に各々回転軸を1本ずつ設置し、該軸の壁面から2cmの位置に、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(200mm×20mm×2mm)が各1枚付いた、内容積240LのVブレンダー(徳寿工作所製、V−100型)に変えて、金属酸化物微粉体量を60kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて142g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は3質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が9μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例3
実施例1において、装置を、両端部の内壁面に各々回転軸を1本ずつ設置し、該軸の壁面から2cmの位置に、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(200mm×20mm×2mm)が各1枚付いた、内容積150Lのロッキングミキサー(愛知電機社製、RM−150)に変えて、金属酸化物微粉体量を40kg仕込み、雰囲気を窒素で置換した。次に表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて94g滴下した。表面処理剤を全量滴下後、解砕羽根の回転数を25rps(解砕エネルギー=100J)とし、混合装置の回転数を0.3rpsで運転し常温で3時間混合を行った後、温度を150℃に加熱し、混合しながら3時間加熱処理を行った。他は、実施例1と同様に評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が3%、D90径が4%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は3質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例4
実施例1において、装置を両端部の内壁面に各々回転軸を1本ずつ設置し、該軸の壁面から2cmの位置に、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(150mm×20mm×2mm)が各1枚付いた、内容積136LのVブレンダー(徳寿工作所製、V−60型)に変えて、金属酸化物微粉体量を40kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて94g滴下した。解砕羽根の回転数を20rps(解砕エネルギー=24J)した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が3%、D90径が1%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は7質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が9μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例5
実施例1において、表面処理剤をメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製、KBM−503、以下、MPS)に変え、ペリスタポンプを用いて198g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が2%、D90径が2%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は3質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例6
実施例1において、表面処理剤をヘキサメチルジシラザン(信越シリコーン製、SZ−31、以下、HMDS)に変え、ペリスタポンプを用いて65g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が3%、D90径が2%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は4質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例7
実施例1において、表面処理剤をオクタメチルシクロテトラシロキサン(信越シリコーン製、LS−8620、以下、D4)に変え、237gをペリスタポンプで滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が2%、D90径が2%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は5質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例8
実施例1において、解砕羽根の回転数を10rps(解砕エネルギー=16J)に変えた他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が1%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は8質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が10μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例9
実施例1において、解砕羽根の回転数を35rps(解砕エネルギー=195J)に変えた他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が1%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は7質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が9μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例10
実施例1において、装置を両端部の内壁面に各々回転軸を1本ずつ設置し、該軸の壁面から2cmの位置に、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(300mm×30mm×2mm)が各1枚付いた、内容積650Lのダブルコーン型装置(徳寿工作所製、W−300)に変え、金属酸化物微粉体量を200kg仕込み、雰囲気を窒素で置換した。次に表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて472g滴下し、解砕羽根の回転数を20rps(解砕エネルギー=144J)にした他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.7μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が1%、D90径が2%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は7質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が9μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例11
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が1.5μmの球状シリカ粒子(比表面積2m/g)に変えて100kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて118g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が1.5μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が2%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は3質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が5μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例12
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が0.1μmの球状シリカ粒子(比表面積30m/g)に変えて30kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて460g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.1μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は9質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が62μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例13
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が3μmの球状シリカ粒子(比表面積2m/g)に変えて100kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて94g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が3μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は5質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が4μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例14
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が0.1μmのシリカチタニア複合酸化物粒子(比表面積28m/g)に変えて50kg仕込み、表面処理剤としてγ−GPSをペリスタポンプを用いて826g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカチタニアはD50径が0.1μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は6質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が68μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例15
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が0.1μmの球状シリカ粒子(比表面積28m/g)を40kg仕込み、表面処理剤をフェニルトリメトキシシラン(信越シリコーン勢、KBM−103、以下、PhTM)に変えてペリスタポンプを用いて555g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.1μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が1%、D50径が3%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は7質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が68μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例16
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が0.1μmの球状シリカ粒子(比表面積28m/g)を40kg仕込み、表面処理剤をフェニルトリメトキシシランに変えて、ペリスタポンプを用いて1110g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.1μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が2%、D50径が2%、D90径が4%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は5質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が132μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と比較し、2倍量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
実施例17
実施例1において、金属酸化物微粉体をD50径が0.1μmの球状シリカ粒子(比表面積28m/g)を40kg仕込み、表面処理剤をフェニルトリメトキシシランに変えて、ペリスタポンプを用いて1666g滴下した他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.1μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が1%、D90径が3%であり、粒度分布計における粗粒ピークは無く、粒度分布は一致した。1mm篩上の凝集粒子の量は6質量%であった。カーボン量から算出した表面官能基量が206μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と比較し、3倍量の表面処理官能基量が付与でき、凝集が無く、表面処理前後で粒度分布が一致し、均一に表面処理された金属酸化物微粉体が得られた。
比較例1
実施例1において、解砕羽根を動かさず、解砕エネルギーを加えない条件で表面処理を行った他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.9μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が27%、D90径が180%であり、粒度分布計における粗粒ピークが有り、粒度分布は一致しなかった。1mm篩上の凝集粒子の量は67質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が3μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与できず、凝集が有り、表面処理前後で粒度分布が一致せず、均一に表面処理できなかった。
比較例2
実施例1において、解砕羽根を、軸が羽根の重心を通る、ステンレススチール製の解砕羽根(25mm×20mm×2mm)(解砕エネルギー=2J)に変えた他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.9μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が21%、D90径が138%であり、粒度分布計における粗粒ピークが有り、粒度分布は一致しなかった。1mm篩上の凝集粒子の量は53質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が5μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与できず、凝集が有り、表面処理前後で粒度分布が一致せず、均一に表面処理できなかった。
比較例3
実施例1において、解砕羽根の回転数を45rps(解砕エネルギー=323J)とした他は、実施例1と同様に混合、加熱処理、及び評価を行なった。
得られた表面処理シリカはD50径が0.8μmであり、表面処理前後での粒度分布の差異は、D10径が3%、D50径が15%、D90径が98%であり、粒度分布計における粗粒ピークが有り、粒度分布は一致しなかった。1mm篩上の凝集粒子の量は24質量%であった。エポキシ基の表面官能基量が9μmol/gであった。
結果として、単位質量あたりの表面水酸基量と同量の表面処理官能基量が付与でき、均一に表面処理できたが、凝集が有り、表面処理前後で粒度分布が一致しなかった。
実施例1〜17及び比較例1〜3において、使用した金属酸化物微粉体の物性、表面処理条件、及び得られた表面処理金属酸化物微粉体の物性を表1〜表3に示す。
Figure 2014201454
Figure 2014201454
Figure 2014201454

Claims (2)

  1. 混合手段を有する混合装置を用いて、レーザー回折散乱法による体積基準累積50%径(D50径)が0.05〜10μmの範囲にある金属酸化物微粉末と表面処理剤とを混合して、表面処理金属酸化物微粉体を製造する方法であって、
    上記混合装置が、10〜200Jの解砕エネルギーで凝集粒子を解砕する解砕羽根を備え、
    且つ、上記混合手段が、駆動部を有する、混合装置内に設置された回転体によらないことを特徴とする表面処理金属酸化物微粉体の製造方法。
  2. 上記混合が、混合装置の回転、又は、混合装置の揺動、又は、流動床式であることを特徴とする請求項1記載の表面処理金属酸化物微粉体の製造方法。
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