JP2014200342A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技球の発射に変化を設けることにより遊技の興趣性を向上し得るパチンコ遊技機を提供する。【解決手段】単位時間当りで発射される発射個数が相互に異なる高速発射処理期間と低速発射処理期間とを、これら処理期間を足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が所定の上限発射個数を超えないように設定し、所定の発射数変動条件が成立した場合に前記高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生させるようにしたものであるから、遊技者による遊技球発射行為に伴って遊技球の発射個数が変化することから、従来に無い新たな変化を生じさせることができ、遊技の興趣性を効果的に向上させることができる。【選択図】図7
Description
本発明は、球受皿から供給された遊技球を発射する球発射装置を備えたパチンコ遊技機に関する。
一般的なパチンコ遊技機は、機台の前面下部に設けられた発射ハンドルを遊技者が回動操作することによって、球発射装置を駆動して遊技球を発射するようにしており、発射ハンドルが回動操作された操作角度に応じて球発射装置による発射強度を調整できるようになっている(例えば、特許文献1)。さらに、球発射装置は、発射ハンドルの回動操作中に単位時間当りで遊技球を連続して発射できる上限発射個数が予め設定され、該上限発射個数を発射するように遊技球を一定間隔をおいて連続発射する。すなわち、遊技者は、発射ハンドルの回動操作によって遊技球の発射強度を調整できるものの、発射ハンドルの回動操作を中断する等せずに該回動操作を継続しているかぎり、単位時間当りで連続発射される遊技球の個数が上限発射個数となる。
ところで、一般的なパチンコ遊技機にあっては、発射ハンドルの回動操作が遊技者による直接的な行為であり、遊技者が能動的に遊技球の発射強度を調整可能であることから、遊技者自らの操作によって遊技進行に多様性が生じ、遊技の興趣性を向上させている。しかしながら、現状では発射強度に強弱の変化を付けることが可能であるのみであり、前記多様性の向上効果に限界があった。こうしたことから、遊技の興趣性を効果的に向上するため、遊技球の発射に新たな変化を設けることができる構成が求められていた。
本発明は、遊技球の発射に新たな変化を設けることによって、遊技の興趣性を向上し得るパチンコ遊技機の提供を目的とするものである。
本発明は、発射レール上の発射位置に球受皿から供給された遊技球を打圧する発射槌と、該発射槌を打圧駆動する駆動装置とを備えた球発射装置と、単位時間当りで遊技球を発射可能な上限発射個数が予め設定され、該上限発射個数を発射するように球発射装置を駆動制御する発射制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、前記発射制御手段は、単位時間当りで発射される遊技球の発射個数が相互に異なる複数の発射処理期間が設定され、予め定められた発射数変動条件が成立した場合に、単位時間当りの発射個数が前記上限発射個数よりも多い前記発射処理期間である高速発射処理期間と、単位時間当りの発射個数が前記上限発射個数よりも少ない前記発射処理期間である低速発射処理期間とを発生させる発射個数変動処理を備え、該発射個数変動処理は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間および低速発射処理期間を足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、前記上限発射個数を超えないようにしたものであることを特徴とするパチンコ遊技機である。
ここで、発射処理期間として設定される高速発射処理期間では、遊技球を連続発射する発射間隔が上限発射個数を発射する場合の発射間隔よりも短くなるように球発射装置を駆動制御することにより、単位時間当りで上限発射個数よりも多い発射個数を実現できる。同様に、発射処理期間として設定される低速発射処理期間は、遊技球の発射間隔が上限発射個数を発射する場合の発射間隔よりも長くなるように球発射装置を駆動制御することにより、単位時間当りで上限発射個数よりも少ない発射個数を実現できる。すなわち、これら発射処理期間は、単位時間当りで発射可能な発射個数が相互に異なるように、相互に異なる遊技球の発射間隔を設定することにより実現できる。例えば、各発射処理期間毎に相互に異なる所定の発射間隔を設定し、各発射処理期間ではその発射間隔を維持して遊技球を発射するようにした構成が好適に用いられる。また、発射数変動条件としては、遊技者の直接的な行為(操作)によって成立する条件や、所定のタイミング等によって自動的に成立する条件等を設定することができる。
かかる構成にあっては、常態で単位時間当りで上限発射個数に制限されていた遊技球の発射個数が、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生させることにより、該上限発射個数よりも多くなったり少なくなったりして変動することから、遊技球の発射態様に上述した従来構成に無い新たな変化を生じさせることができる。遊技球の発射は遊技者の操作によって発生するものであるから、遊技球の発射態様に変化が生じることによって、遊技の進行に従来に無い変化が生じ易く、新鮮な面白みを発生させることができるため、遊技の興趣性を効果的に向上させることができる。例えば、所定タイミングで開閉作動する始動口や大入賞口を備えた一般的な構成にあって、該始動口や大入賞口を開放するタイミングに合わせて高速発射処理期間が発生すれば、始動口や大入賞口へ遊技球が入賞する可能性が大きく向上するため、遊技者に従来に無い期待感を生じさせることができ、遊技の興趣性を大きく向上できる。尚、こうした作用効果は、上述した遊技球の発射強度を遊技者が調整できることに加えて生じることから、前記した遊技の興趣性を向上する効果を飛躍的に向上できる。
さらに、本発明の構成では、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、上限発射個数を超えないようにしている。この平均発射個数は、高速発射処理期間で発射される遊技球発射個数と低速発射処理期間で発射される遊技球発射個数とを加算した総発射個数に基づいて定めることができ、高速発射処理期間、該高速発射処理期間における単位時間当りで発射可能な遊技球発射個数、低速発射処理期間、および該低速発射処理期間における単位時間当りで発射可能な遊技球発射個数などにより設定可能である。こうした構成によれば、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生した場合に、その総発射個数は、同じ期間で上限発射個数により遊技球を発射した場合の発射個数を超えない。そのため、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生した場合と、上限発射個数に従って遊技球を発射した場合とでは、実質的に同じ程度の発射個数を発射することが可能であり、機台の稼動率を維持することが可能である。すなわち、本発明の構成によれば、機台の稼動率を一定レベルで維持しつつ、上記した遊技の興趣性を効果的に向上することができる。
尚ここで、実際に使用されるパチンコ遊技機には、遊技球の発射個数に「1分間当り100個以下」という規定が定められている。本発明の構成を適用すれば、1分間当り(単位時間当り)の上限発射個数として100個を設定し、高速発射処理期間と低速発射処理期間とで発射される単位時間当りの平均発射個数が100個(上限発射個数)を超えないようにできることから、前記規定を満足し且つ遊技の興趣性を効果的に高めるという上記した本発明の作用効果を発揮できる。
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、発射個数変動処理は、発射処理期間である高速発射処理期間と低速発射処理期間とがそれぞれ複数設定され、予め定められた発射数変動条件が成立した場合に、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを少なくとも一つずつ選択して発生させる処理内容を備え、該処理内容は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間および低速発射処理期間を足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が前記上限発射個数を超えないように、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを夫々選択するようにしている構成が提案される。
かかる構成にあっては、選択した一又は複数の高速発射処理期間と一又は複数の低速発射処理期間との組合せによって、遊技球の発射態様を多様に変化させることができるため、上述した遊技の興趣性を向上させるという本発明の作用効果を一層高め得る。特に、複数の高速発射処理期間や複数の低速発射処理期間を選択して発生させる場合には、単位時間当りで発射される遊技球の発射個数が段階的に複数回変化することから、遊技球の発射態様に一層の変化を生じさせることができ、遊技の興趣性を一層向上させることができる。
尚、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを選択する処理内容としては、乱数等を用いてランダムに選択したり、遊技の進行に応じて選択したりする等、様々な選択方法を用いることが可能である。
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、発射個数変動処理は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間と低速発射処理期間とを足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、上限発射個数の0.9倍以上かつ1.0倍以下となるようにした構成が提案される。
かかる構成にあっては、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生した場合における機台の稼動率を、上限発射個数に従って発射した場合における機台の稼動率と同等のレベルで安定して維持することができる。すなわち、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生した場合にも、機台の稼動率が低下することを安定かつ確実に抑制できる。尚ここで、総変動期間における単位時間当りの平均発射個数としては、上限発射個数の0.95倍以上とした構成が好適であり、これによって前記した稼動率の低下抑制効果を一層向上できる。
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、機台の前面に、遊技者によって操作可能な操作ボタンを備え、前記操作ボタンの押圧操作により、発射個数変動処理を実行するための発射数変動条件が成立するようにしたものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生する発射個数変動処理を、遊技者が能動的に実行開始することができるため、該高速発射処理期間および低速発射処理期間とを発生する機会を遊技者自身で決めることができる。これにより、上述した遊技の興趣性を効果的に高めるという本発明の作用効果を一層向上できる。
本発明は、上述したように、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生する発射個数変動処理を備えたものであるから、発射数変動条件の成立によって単位時間当りで発射される発射個数が変化するため、遊技の進行に従来に無い新鮮な面白みを生じさせることができ、遊技の興趣性を効果的に向上できる。さらに、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生しても、機台の稼動率を一定レベルで維持できるため、該稼動率の低下によって遊技場に生じる不利益も可及的に抑制することができ得る。
本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
パチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図3参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス(図示せず)を備えた前扉6が開閉可能に枢着されている。また、前枠5の下部には、上球受皿7と下球受皿8とが上下に列設されており、下球受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。尚、遊技機本体3により、本発明にかかる機台が構成されている。
パチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図3参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス(図示せず)を備えた前扉6が開閉可能に枢着されている。また、前枠5の下部には、上球受皿7と下球受皿8とが上下に列設されており、下球受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。尚、遊技機本体3により、本発明にかかる機台が構成されている。
上記の上球受皿7には、その内部左側に賞球や貸球が払い出される払出口(図示せず)が開口し、内部右端に遊技球を流入させる流入口(図示せず)が開口している。この流入口の背面側には、該流入口から流入した遊技球を後述する球発射装置31へ一個づつ供給する球供給装置32が配設されている(図2参照)。この球供給装置32には、遊技球を一個づつ送り出すための球送りソレノイド(図示せず)を備えており、該球送りソレノイドを間欠的に駆動することによって遊技球を一個づつ球発射装置31へ供給する。尚、球供給装置32は、従来から公知の構成のものを適用できるため、その詳細を省略する。
図2に示すように、遊技機本体3の内部には、球発射装置31が配設される。この球発射装置31は、図3のように、上記の球供給装置32から供給された遊技球を打圧する発射槌33、該発射槌33を駆動する発射ソレノイド34、打圧された遊技球を案内する発射レール35等を備え、これらが金属製の発射機構板36に配設されている。そして、この発射レール35のレール下部には、上記球供給装置32から供給された遊技球を配置する発射位置Pが設定されており、該発射位置Pの遊技球を発射槌33が打圧することにより該遊技球を後述する遊技領域12へ発射する。こうした球発射装置31と球供給装置32とが交互に協調して作動することによって、遊技球を立て続けに発射することができる。ここで、球発射装置31と球供給装置32とは、後述する発射制御基板68に接続されており、遊技者による上記した発射ハンドル9の操作によって、遊技球を発射する作動を行うものである。
上記の発射ハンドル9は、遊技機本体3に固定されるベース部材37の外周部に、回動操作可能な発射レバー38(図1参照)が設けられ、該ベース部材の内部に、発射レバー38を定常角度位置に付勢するバネ(図示せず)が設けられており、遊技者が前記バネ付勢力に抗して発射レバー38を回動操作可能となっている。さらに、発射ハンドル9の内部には、発射レバー38が前記定常角度位置から回動した回動角度を検知する回動角度検知センサ39(図5参照)が配設される。この回動角度検知センサ39は、上記した球発射装置31や球供給装置32を作動制御する発射制御基板68に接続されている。尚、回動角度検知センサ39は、発射レバー38の回動角度に応じて出力電圧を増減するものであり、可変抵抗器や電子ボリュームなどによって構成される。
上記した遊技盤10前面には、図4のように、ガイドレール11が取り付けられており、該ガイドレール11によって略円形の遊技領域12と、上記した球発射装置31から発射された遊技球を該遊技領域12に案内する案内通路20とが区画形成される。この案内通路20の下部入口に臨むにように、上記した球発射装置31の発射レール35が配設されており、該球発射装置31から発射された遊技球が案内通路20へ入るようにしている。
遊技領域12の中央には、画像表示器14等の各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には各種演出画像等が表示される。センターケース13の下部には、特別図柄の始動記憶の未消化数(始動記憶数)を報知する特別始動記憶数表示装置(図示せず)と、普通図柄の始動記憶の未消化数(始動記憶数)を報知する普通始動記憶数表示装置(図示せず)とが配設されている。さらに、センターケース13の右上部には、複数のLEDからなる特別図柄表示装置15が配設される。この特別図柄表示装置15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものであり、後述するように、所定契機によって、各LEDが点滅して特別図柄が変動状態となり、点滅後にいずれかのLEDが点灯することで特別図柄が停止表示状態となる。そして、この特別図柄が停止表示した停止図柄態様によって、当り又はハズレを確定し、当りの場合に後述の大当り遊技(特別遊技作動)を実行する。
また、センターケース13の左側には普通始動ゲート19が設けられている。この普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、普通始動ゲート19に具備されたスイッチ(図示せず)が遊技球を検知して球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて、センターケース13の下部右側に設けられた複数のLEDからなる普通図柄表示装置16が点滅して所定点灯態様で停止する。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口21を備えた普通電動役物23が配設されている。この普通電動役物23は、始動口21を開閉する一対の開閉翼片(図示せず)と、該開閉翼片を開閉駆動するソレノイド(図示せず)とを備え、常態で始動口21を閉鎖状態とし、上記した普通図柄表示装置16で普通図柄の停止図柄態様によって当り確定した場合に始動口21を開放状態とするように、前記開閉翼片を作動制御する。この始動口21の内部には、遊技球を検知するスイッチ(図示せず)が配設されており、該始動口21へ流入した遊技球を検知することによって特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
さらに普通電動役物23の直下かつアウト口28の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵する特別電動役物ソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知するスイッチ(図示せず)が設けられている。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
また、普通電動役物23の両側に配設された一般入賞装置29に遊技球が入賞すると、一般入賞装置29に内蔵されたスイッチ(図示せず)が球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図5を参照して説明する。
制御回路には、主制御基板60、演出制御基板62、払出制御基板64、発射制御基板68が配設されている。主制御基板60は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。
制御回路には、主制御基板60、演出制御基板62、払出制御基板64、発射制御基板68が配設されている。主制御基板60は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。
主制御基板60には、各種スイッチなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の指令信号を出力する主制御用中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラム等を格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選データを参照して当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ信号又はコマンド信号を四つの制御基板62,63,64,68へ出力し、これらの制御基板62,63,64,68の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からのコマンド信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、払出制御基板64、および発射制御基板68の各入力ポートに向け出力される。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート19、普通電動役物23、特別電動役物26、一般入賞装置29等が接続されている。そして、主制御基板60は、所定時間毎(例えば2ms毎)に、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物23や特別電動役物26等に内臓されたソレノイドやモータが接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらソレノイドやモータを駆動させる。
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、演出に関する固定データが格納された記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、画像表示器14を制御する画像制御基板65、スピーカを制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からのコマンド信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該コマンド信号で指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けてコマンド信号を送信する。
上記の画像制御基板65には、画像表示器14で表示する演出画像を制御するための基板回路が設けられる。画像制御基板65は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の演出画像を表示するための画像パターンやデータにしたがって表示用ドライバにより画像表示器14で演出画像を表示させる。
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この音源制御基板66は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の音データにしたがってサウンドジェネレータによりスピーカで効果音を出力させる。
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この光源制御基板67は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の光データにしたがって光源作動基板により各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、特別始動記憶数表示装置、普通始動記憶数表示装置(図示せず)を制御するための基板回路が設けられている。この図柄制御基板63は、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の光データにしたがって図柄作動基板により、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板64には、遊技球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定のデータに従って球払出装置のソレノイドを駆動制御して、所定個数の遊技球を払い出す払出処理を実行する。また、払出制御基板64は、プリペイドカードの読込みや書込みを行うプリペイドカードユニットがCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
上記の発射制御基板68には、球発射装置31と球供給装置32とを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、中央制御基板CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAM、入力ポート、および出力ポートが夫々接続されて構成されている。この入力ポートには、上記した回動角度検知センサ39が接続されており、該回動角度検知センサ39から発射ハンドル9の発射レバー38の回動角度に応じた信号が入力される。出力ポートには、前記球発射装置31(発射ソレノイド34)や球供給装置32(球送りソレノイド)が接続されており、発射制御基板68は、回動角度検知センサ39からの入力信号に従って、球発射装置31と球供給装置32とを駆動制御する。こうした発射制御基板68による制御は、本発明の要部に係り、詳細は後述する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
発射ハンドル9(発射レバー38)の回動操作に従って遊技球が球発射装置31により遊技領域12へ発射される。遊技領域12を転動流下した遊技球が、普通電動役物23の始動口21へ流入すると、特別図柄用の各乱数カウンタ(大当りカウンタなど)を抽出し、これら抽出したカウンタ値を一纏めとして特別図柄用の特別始動記憶を生成する。そして、この特別始動記憶を消化すると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を表示して確定する。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。この図柄生成行程で確定した特別図柄の停止図柄態様が所定の当り停止図柄態様であると、当りが確定し、大入賞口25を開閉する特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する作動であり、この実行中に大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。さらに、特別遊技作動の実行に伴って、所定の演出画像が画像表示器14で表示される。尚、この特別遊技作動については、従来から公知の作動態様および作動制御を適用できるため、その詳細については省略する。
発射ハンドル9(発射レバー38)の回動操作に従って遊技球が球発射装置31により遊技領域12へ発射される。遊技領域12を転動流下した遊技球が、普通電動役物23の始動口21へ流入すると、特別図柄用の各乱数カウンタ(大当りカウンタなど)を抽出し、これら抽出したカウンタ値を一纏めとして特別図柄用の特別始動記憶を生成する。そして、この特別始動記憶を消化すると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を表示して確定する。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。この図柄生成行程で確定した特別図柄の停止図柄態様が所定の当り停止図柄態様であると、当りが確定し、大入賞口25を開閉する特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する作動であり、この実行中に大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。さらに、特別遊技作動の実行に伴って、所定の演出画像が画像表示器14で表示される。尚、この特別遊技作動については、従来から公知の作動態様および作動制御を適用できるため、その詳細については省略する。
ここで、始動口21への遊技球入賞に伴って生成された特別始動記憶は、当該特別始動記憶の消化により図柄生成行程が開始されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。そして、特別始動記憶領域に記憶保持されている特別始動記憶の個数である未消化数を、上記した特別始動記憶数表示装置(図示せず)の点灯数によって報知している。尚、本実施例にあっては、未消化数の上限が4個となっており、未消化数が4個の状態では新たな特別始動記憶を発生しない。
次に本発明の要部について説明する。
上述した発射制御基板68は、発射ハンドル9の回動角度検知センサ39からの信号入力に伴って、球発射装置31と球供給装置32とを協調的に駆動制御して、遊技球を連続的に発射制御する。発射ハンドル9の回動角度検知センサ39は、発射レバー38の回動操作中に、該発射レバー38の回動角度に応じた出力電圧のパルス信号を発射制御基板68へ出力し続ける。発射制御基板68は、回動角度検知センサ39からパルス信号を入力している場合に、該パルス信号(該信号が示す出力電圧)に基づいて発射レバー38の回動角度位置を演算し、該発射レバー38の現在の角度位置を更新し、該角度位置の値に応じて発射ソレノイド34の駆動電圧を決定する(図8中の信号生成処理)。そして、決定した駆動電圧による電圧信号を球発射装置31へ間欠的に出力する。すなわち、発射制御基板68は、前記回動角度検知センサ39からパルス信号を入力している間、前記の電圧信号を所定間隔をおいてパルス状に発信する。
上述した発射制御基板68は、発射ハンドル9の回動角度検知センサ39からの信号入力に伴って、球発射装置31と球供給装置32とを協調的に駆動制御して、遊技球を連続的に発射制御する。発射ハンドル9の回動角度検知センサ39は、発射レバー38の回動操作中に、該発射レバー38の回動角度に応じた出力電圧のパルス信号を発射制御基板68へ出力し続ける。発射制御基板68は、回動角度検知センサ39からパルス信号を入力している場合に、該パルス信号(該信号が示す出力電圧)に基づいて発射レバー38の回動角度位置を演算し、該発射レバー38の現在の角度位置を更新し、該角度位置の値に応じて発射ソレノイド34の駆動電圧を決定する(図8中の信号生成処理)。そして、決定した駆動電圧による電圧信号を球発射装置31へ間欠的に出力する。すなわち、発射制御基板68は、前記回動角度検知センサ39からパルス信号を入力している間、前記の電圧信号を所定間隔をおいてパルス状に発信する。
球発射装置31では、発射制御基板68から電圧信号を入力する毎に、その電圧強度に応じて発射ソレノイド34を駆動して遊技球を発射する。ここで、発射ソレノイド34は、ロータリーソレノイドから構成されており、前記電圧信号の電圧強度に応じた強さで発射槌33を作動させる。こうして、発射ハンドル9の発射レバー38の回動角度に応じて前記電圧信号の電圧強度が変わることによって、発射槌33により打圧発射される遊技球の発射強度を調整する。さらに、発射制御基板68からは間欠的に電圧信号を入力することから、該電圧信号を入力した間隔に従って発射ソレノイド34を間欠的に駆動して遊技球を発射する。ここで、発射ソレノイド34は電圧信号の入力毎に駆動することから、遊技球の発射間隔は電圧信号を入力した間隔(電圧信号の出力間隔)により規定される。すなわち、遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作する際に、その回動角度の大小に関わらず、所定間隔で遊技球が連続して発射される。
発射制御基板68から発射ソレノイド34へ間欠的に出力される電圧信号の出力間隔は、遊技球の発射間隔を規定するものであり、これによって、所定時間内で発射できる遊技球の発射個数が定まる。換言すれば、遊技球の発射間隔(電圧信号の出力間隔)によって、単位時間当りで発射可能な遊技球の発射個数を定めることができる。ここで、一般的なパチンコ遊技機1では、規則によって単位時間当りで発射可能な遊技球発射個数が規定されており、該規定の発射個数が「1分間当り100個以下」とされている。これを遊技球発射中のいずれの時間帯でも維持するように、本実施例にあっても、常態では、単位時間当りで発射可能な遊技球発射個数が常に「1分間当り100個」となるように、発射制御基板68から出力する電圧信号の出力間隔を0.6秒という一定間隔に設定しており、当該出力間隔が維持される(図8中の通常出力処理)。すなわち、図6のように電圧信号を0.6秒間隔で連続して出力制御することにより、球発射装置31により遊技球を0.6秒間隔で発射し、「1分間当り100個」の遊技球を発射する。尚、「1分間当り100個」の遊技球発射個数により、本発明にかかる「単位時間当りの上限発射個数」を実現している。
さらに、発射制御基板68は、発射ソレノイド34へ電圧信号を出力することに合わせて、球供給装置32の球送りソレノイド(図示せず)へも所定の電圧信号を出力する。球送りソレノイドへ出力する電圧信号は、該球送りソレノイドの駆動電圧による信号であり、一回の信号によって球送りソレノイドが一回作動して、一個の遊技球を球発射装置31の発射レール35上の発射位置Pへ供給する。こうした電圧信号を、発射ソレノイド34への出力間隔に合わせて間欠的に出力することにより、発射ソレノイド34の駆動に合わせたタイミングで球送りソレノイドを駆動して遊技球を一個づつ供給する。このように発射制御基板68は、球発射装置31と球供給装置32とを協調的に駆動させることによって、遊技球を立て続けに発射する制御を実行する。
本実施例では、上述したように、発射制御基板68により、常態で、遊技球の発射間隔を0.6秒間隔として「1分間当り100個」の遊技球を発射する制御処理(図8中の通常出力処理)を備えると共に、遊技球の発射間隔を変化させるようにした制御処理(図8中の高速出力処理、低速出力処理)を備えたものである。後者の制御処理について、以下の実施例1,2により説明する。
上記した遊技機本体3の前枠5には、図1のように、操作ボタン72を備えたボタン装置71が下球受皿8の左側に配設されている。このボタン装置71は、操作ボタン72を囲むように枠部73を備え、該枠部73内に嵌挿された操作ボタン72が上下方向に移動可能となっている(図示せず)。さらに、操作ボタン72を上方へ付勢する付勢バネを備え、操作ボタン72は常態で枠部73の上側に僅かに突出する位置に位置決めされる。この操作ボタン72は、遊技者が押圧操作することにより、付勢バネの付勢力に抗して降動し、押圧解除することにより、付勢バネの付勢力に従って昇動して前記常態の位置に復帰する。
さらに、ボタン装置71には、操作ボタン72の押圧操作を検知する押圧検知センサ74(図5参照)が配設されており、該押圧検知センサ74が上記した発射制御基板68に接続されている。ここで、押圧検知センサ74は、フォトセンサにより構成されており、その発光部と受光部間を、押圧操作により降動した操作ボタン72によって遮断すると、操作信号を発生する。そして、この操作信号が発射制御基板68に出力される。
こうした操作ボタン72を備えたボタン装置71は、一般的な押圧操作用のボタン構造のものを適用することができるため、その詳細については省略する。
発射制御基板68は、上記した操作信号を入力すると、球発射装置31へ出力する電圧信号の出力間隔を、上述した常態(0.6秒間隔)に比して短い出力間隔で出力する高速出力処理と、長い出力間隔で出力する低速出力処理とを順に実行する(図8参照)。高速出力処理の出力間隔と低速出力処理の出力間隔とは、相互に異なる出力間隔により設定され、かつ常態(通常出力処理)の出力間隔とも異なるように設定されている。
ここで、高速出力処理では、単位時間当りで発射される発射個数が上記した上限発射個数(1分間当り100個)より多くなるように、図7のように球発射装置31へ出力する電圧信号の出力間隔を0.6秒よりも短い所定間隔(一定値)とし、当該間隔をおいて電圧信号を連続的に出力するように制御する。本実施例1にあっては、高速出力処理による電圧信号の出力間隔を0.5秒に設定し、電圧信号を0.5秒間隔で連続して出力する。この場合には「1分間当り120個」の遊技球を発射可能であり、該「1分間当り120個」が単位時間当りで発射可能な発射個数を示す。一方、低速出力処理では、単位時間当りで発射される遊技球発射個数が上記した上限発射個数より少なくなるように、図7のように球発射装置31へ出力する電圧信号の出力間隔を0.6秒よりも長い所定間隔(一定値)とし、当該間隔をおいて電圧振動を連続的に出力するように制御する。本実施例1にあっては、低速出力処理による電圧信号の出力間隔を0.75秒に設定し、電圧信号を0.75秒間隔で連続して出力する。この場合には「1分間当り80個」の遊技球を発射可能であり、該「1分間当り80個」が単位時間当りで発射可能な発射個数を示す。尚、こうした単位時間当りで発射可能な発射個数は、単位時間で連続して遊技球を発射し続けた場合に発射できる最大の発射個数を示している。
そして、高速出力処理を実行する処理時間(以下、高速処理時間)と低速出力処理を実行する処理時間(以下、低速処理時間)とを夫々に設定しており、いずれの処理時間にあっても、電圧信号を間欠的に出力する時間として定めている。すなわち、これら処理時間は、遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作している時間(期間)であり、発射レバー38の回動操作を中断した場合には該中断中の時間を含まず、中断前後の時間を累積することにより決まる。これにより、高速出力処理を一回の高速処理時間実行した場合に発射される遊技球の発射個数が決まっており、同様に、低速出力処理を一回の低速処理時間実行した場合に発射される遊技球の発射個数が決まっている。ここで、本実施例1にあっては、高速出力処理を実行する高速処理時間を30秒間に設定し、同様に低速出力処理を実行する高速処理時間を30秒間に設定している。そのため、一回の高速出力処理により60個の遊技球が発射され、一回の低速出力処理により40個の遊技球が発射される。そして、高速出力処理と低速出力処理とを一回ずつ実行した1分間では、合計100個の遊技球が発射され、「1分間当り100個」という上記した上限発射個数を維持できる。
本実施例1にあっては、図8のように、一回の操作信号の入力に伴って、高速出力処理を実行して次に低速出力処理を実行するように、該高速出力処理と低速出力処理とを一回づつ順に連続して実行するようにしており、低速出力処理の低速処理時間(30秒間)が満了すると、これ以降で、「1分間当り100個(上限発射個数)」の遊技球を発射可能な通常出力処理を実行する常態に戻るようにしている。また、上記した操作ボタン72の押圧操作により発生する操作信号を、遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作しているときに有効とし、該回動操作していないときに無効とするようにしている。さらに、操作ボタン72の押圧操作により高速出力処理および低速出力処理とを実行している間は、操作信号の入力があっても該操作信号の入力を無効とするように処理している。これにより、遊技者が発射ハンドル9を回動操作せずに低速出力処理が満了しなければ、新たな高速出力処理が実行されない。
尚、上記した高速出力処理と低速出力処理とにより出力される電圧信号に従って球発射装置31が遊技球を発射することから、上記した高速処理時間により高速出力処理を実行する期間が、本発明にかかる高速発射処理期間であり、上記した低速処理時間により低速出力処理を実行する期間が、本発明にかかる低速発射処理期間である。そして、これら高速発射処理期間と低速発射処理期間とにより、単位時間当りで発射可能な発射個数が相互に異なる発射処理期間を実現している。ここで、高速発射処理期間および低速発射処理期間は、実質的に遊技球を連続発射している期間であり、遊技者が発射ハンドル9を回動操作していない期間(遊技球を発射しない期間)を含まない。また、発射制御基板68により、本発明にかかる発射制御手段が構成されており、高速出力処理と低速出力処理とを備えた発射信号出力制御処理(図8参照)を実行する。また、高速出力処理の実行中(高速発射処理期間)では、一定間隔(0.5秒間隔)で発射していることから、当該高速発射処理期間における単位時間当りで発射可能な発射個数が「1分間当り120個」として定まり、上限発射個数(1分間当り100個)よりも多くなっている。同様に、低速出力処理の実行中(低速発射処理期間)では、一定間隔(0.75秒間隔)で発射していることから、当該低速発射処理期間における単位時間当りで発射可能な発射個数が「1分間当り80個」として定まり、上限発射個数よりも少なくなっている。そして、高速発射処理期間(30秒間)と低速発射処理期間(30秒間)とを足し合わせた総変動期間(1分間)における単位時間当りの平均発射個数は、「1分間当り100個」となるため、上限発射個数を超えないようになっている。また、操作ボタン72の押圧操作により発生する操作信号を入力することによって、本発明にかかる発射数変動条件が成立するようにしている。
上記した図8の発射信号出力制御処理を、遊技の流れに従って説明する。
遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作すると、その回動角度に応じた出力電圧のパルス信号が回動角度検知センサ39から発射制御基板68へ出力される。発射制御基板68は、前記パルス信号の入力により、発射フラグ=1として、該パルス信号に応じた電圧強度の電圧信号を生成する信号生成処理を行い、該電圧信号を発射ソレノイド34へ出力する。ここで、高速フラグ=0かつ低速フラグ=0であることから、電圧信号を0.6秒間隔で間欠的に出力する通常出力処理を行う。さらに、この電圧信号の出力に合わせるように、球供給装置32の球送りソレノイドに送信する信号を前記信号生成処理により生成し、該信号を前記通常出力処理により間欠的に出力する。
遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作すると、その回動角度に応じた出力電圧のパルス信号が回動角度検知センサ39から発射制御基板68へ出力される。発射制御基板68は、前記パルス信号の入力により、発射フラグ=1として、該パルス信号に応じた電圧強度の電圧信号を生成する信号生成処理を行い、該電圧信号を発射ソレノイド34へ出力する。ここで、高速フラグ=0かつ低速フラグ=0であることから、電圧信号を0.6秒間隔で間欠的に出力する通常出力処理を行う。さらに、この電圧信号の出力に合わせるように、球供給装置32の球送りソレノイドに送信する信号を前記信号生成処理により生成し、該信号を前記通常出力処理により間欠的に出力する。
球発射装置31の発射ソレノイド34は、電圧信号の入力毎に、該電圧信号の電圧強度に従って発射槌33を駆動して、該電圧強度に応じた発射強度により遊技球を一球づつ0.6秒間隔で連続的に打圧発射する(図6参照)。これにより、「1分間当り100個」という単位時間当りの上限発射個数が維持される。尚、遊技者が発射レバー38の回動操作を止めると、パルス信号が出力されないことから、発射制御基板68は発射フラグ=0として電圧信号を出力停止して、発射ソレノイド34(および球送りソレノイド)を駆動停止する。
発射ハンドル9の発射レバー38の回動操作中に(発射フラグ=1)、遊技者が上記の操作ボタン72の押圧操作により操作信号を入力すると、高速フラグ=0かつ低速フラグ=0であることから、高速フラグ=1として、信号生成処理により生成した電圧信号を0.5秒間隔で発射ソレノイド34へ出力する高速出力処理を実行する。この高速出力処理では、この電圧信号の出力に合わせて、球供給装置32にも所定の信号を出力する。そして、高速フラグ=0から高速フラグ=1への変換に伴って所定の高速処理時間(30秒間)の時間消化を開始する。
球発射装置31の発射ソレノイド34は、電圧信号の入力毎に0.5秒間隔で発射槌33を駆動して遊技球を連続的に打圧発射する。この場合には、「1分間当り120個」を発射する割合で遊技球が連続的に発射される(図7参照)。この後、上記の高速処理時間の時間消化を満了すると、高速フラグ=0かつ低速フラグ=1とし、信号生成処理により生成した電圧信号を0.75秒間隔で発射ソレノイド34へ出力する低速出力処理を実行する。この低速出力処理では、この電圧信号の出力に合わせて、球供給装置32にも所定の信号を出力する。そして、低速フラグ=1となったことに伴って所定の低速処理時間(30秒間)の時間消化を開始する。この場合には、「1分間当り80個」を発射する割合で遊技球が連続的に発射される(図7参照)。この後、前記の低速処理時間の時間消化を満了すると、低速フラグ=0として、信号生成処理により生成した電圧信号を0.6秒間隔で出力する通常出力処理を実行し、常態に戻る。
ここで、高速処理時間または低速処理時間の時間消化中に(高速フラグ=1または低速フラグ=1)、遊技者が発射レバー38の回動操作を止めることによって回動角度検知センサ39からのパルス信号の入力が停止すると、当該時間消化を中断する変動出力中断処理を実行して残余の処理時間を記録し、中断フラグ=1とする。この後に発射レバー38の回動操作が再開されてパルス信号が入力すると、記録した残余の処理時間に基づいて中断時点から時間消化を再開する変動出力再開処理を実行する。さらに、発射ハンドル9の発射レバー38が回動操作されていない状態で(発射フラグ=0)、操作信号を入力しても、該入力を無効とする。同様に、発射フラグ=1の状態であっても、高速フラグ=1または低速フラグ=1であると、操作信号の入力を無効とする。
尚、上記した発射信号出力制御処理により、上記した高速出力処理と低速出力処理とを実現しており、本発明にかかる発射個数変動処理を実現している。
実施例2の構成にあっては、高速出力処理により出力制御する電圧信号の出力間隔と低速出力処理により出力制御する電圧信号の出力間隔とがそれぞれ複数設定されており(図9参照)、これらのなかから選択して出力間隔に従って電圧信号を出力制御するようにしたものである。尚、本実施例2にあっても、上述した実施例1と同様の上限発射個数(1分間当り100個)が設定されている。
上記の複数設定された電圧信号の出力間隔は、それぞれが相互に異なる出力間隔により設定されている。そして、これら各出力間隔が夫々に異なる一定値で設定されていることから、該出力間隔に応じて単位時間当りで発射される遊技球の発射個数が定まる。例えば、電圧信号の出力間隔が、0.5秒間の場合には単位時間当りで発射される発射個数として「1分間当り120個」が定まり、0.4秒間の場合には単位時間当りで発射される発射個数として「1分間当り150個」が定まる。本実施例2にあっては、図9のように、高速出力処理による電圧信号の出力間隔と低速出力処理による電圧信号の出力間隔とがそれぞれ4種類ずつ設定されている。
こうした電圧信号の出力間隔を選択する処理は、図14中の出力選定処理により行う。この出力選定処理では、予め設定された複数の発射変動パターンのなかから、乱数抽選によって一の発射変動パターンを選定する。ここで、発射変動パターンは、図9のように、高速出力処理で出力制御される出力間隔および当該出力間隔に応じた高速処理時間と、低速出力処理で出力制御される出力間隔および当該出力間隔に応じた低速処理時間とが少なくとも一つずつ設定されたものであり、これらを組み合わせたものとして複数設定されている。そして、各発射変動パターンは、その高速処理時間と低速処理時間を全て足し合わせた総処理時間における単位時間当りの平均発射個数が上記した上限発射個数を超えないように、各出力間隔および各処理時間が設定されたものである。この出力選定処理により発射変動パターンを選定すると、該発射変動パターンに従って高速出力処理と低速出力処理とを実行して電圧信号を出力する。前記平均発射個数は、発射変動パターンに設定された全ての高速処理時間と低速処理時間とを足し合わせた総処理時間と、該総処理時間で発射される遊技球の総発射個数とに基づいて定まる。
本実施例2にあっては、高速出力処理の出力間隔とその高速処理時間とによって、本発明にかかる高速発射処理期間が定まり、また、選択した低速出力処理の出力間隔とその低速処理時間とによって、本発明にかかる低速発射処理期間が定まる。すなわち、上記の発射変動パターンは、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを少なくとも一つずつ備えるように設定されている。そのため、上記の出力選定処理では、いずれかの発射変動パターンを選択することによって、高速発射処理期間と低速発射処理期間との少なくとも一つずつを選択することを実現する。また、各発射変動パターンが備える高速処理時間と低速処理時間とを足し合わせた総処理時間によって、本発明にかかる総変動期間が定まる。これにより、各発射変動パターンに従って発生される高速発射処理期間と低速発射処理期間とを足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、上記した上限発射個数を超えないようになっている。尚ここで、全ての発射変動パターンが総処理時間を「1分間」とするように設定されていることから、各発射変動パターンの総処理時間で発生する発射個数が「総変動期間における単位時間当りの平均発射個数」に相当する。
本実施例2にあっては、発射制御基板68が、上記のボタン装置71から操作信号を入力すると、その入力タイミングで乱数抽選を行い、該抽選結果に従って上記した発射変動パターンを選択するようにしている。すなわち、発射制御基板68の記憶装置ROMには、発射変動パターンを選択するための乱数テーブルが格納されており、前記した操作信号の入力に伴って、該乱数テーブルからカウンタ値を抽出する。そして、出力選定処理(図14参照)によって、抽出したカウンタ値に割り当てられた発射変動パターンを選定する。
こうした発射変動パターンとしては、図9のように設定されており、上記の乱数抽選によって、いずれかの発射変動パターンが選定される。例えば、発射変動パターンのパターンAを選定した場合には、高速出力処理の出力間隔として「0.5秒」および高速処理時間として「30秒間」と、低速出力処理の出力間隔として「0.75秒」および低速処理時間として「30秒間」とが決定し、図7のように、上述した実施例1と同様に高速発射処理期間と低速発射処理期間とを発生することとなる。この場合には、この総変動期間(総処理時間)における単位時間当りの平均発射個数は「1分間当り100個」であることから、上限発射個数を超えない。また、パターンBを選定した場合には、高速出力処理の出力間隔「0.4秒」および高速処理時間「20秒間」と、低速出力処理の出力間隔「0.8秒」および低速処理時間「40秒間」とが決定するため、図10のように電圧信号が出力制御される。そして、高速処理時間(高速発射処理期間)と低速処理時間(低速発射処理期間)とで夫々に50個が発射されることから、総変動期間における単位時間当りの平均発射個数は「1分間当り100個」となる。さらにまた、パターンMを選定した場合には、高速出力処理の出力間隔「0.5秒」および高速処理時間「10秒間」と、高速出力処理の出力間隔「0.45秒」および高速処理時間「18秒間」と、低速出力処理の出力間隔「0.75秒」および低速処理時間「18秒間」と、低速出力処理の出力間隔「1.0秒」および低速処理時間「14秒間」とが決定するため、図11のように電圧信号が出力制御される。この場合には、出力間隔「0.5秒」かつ高速処理時間「10秒間」の実行期間(高速発射処理期間)で20個の遊技球が発射され、出力間隔「0.4秒」かつ高速処理時間「18秒間」の実行期間で40個の遊技球が発射され、出力間隔「0.75秒」かつ低速処理時間「18秒間」の実行期間(低速発射処理期間)で24個の遊技球が発射され、出力間隔「1.0秒」かつ低速処理時間「14秒間」の実行期間で14個の遊技球が発射される。これにより、総変動期間における単位時間当りの平均発射個数は「1分間当り98個」となるため、上限発射個数を超えない。
このように本実施例2の構成にあっては、電圧信号の出力間隔およびその処理時間とを組み合わせた発射変動パターンを選択する出力選定処理を実行するようにした以外は、上述した実施例1の構成と同じであることから、同じ構成要素と処理方法などの説明を省略する。
次に、上述した出力選定処理を含む図14の発射信号出力制御処理を、遊技の流れに従って説明する。尚、基本的な処理過程は、実施例1と同様であるため、適宜説明を省略する。
遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作中に操作ボタン72を押圧操作し、この操作信号を入力すると、発射フラグ=1、高速フラグ=0、および低速フラグ=0であることから、出力選定処理により発射変動パターンを選定して電圧信号の出力間隔とその処理時間とを決定する。そして、高速フラグ=1とし、高速出力処理により、信号生成処理により生成した電圧信号を発射ソレノイド34へ出力する。ここで、高速出力処理では、電圧信号を、前記乱数抽選により決定した出力間隔をおいた間欠的な出力を開始すると共に、当該出力間隔に応じて決定した高速処理時間の時間消化を開始する。これにより、高速処理時間の時間消化を満了するまでの間で、電圧信号を連続的に出力していき、該電圧信号を間欠的に入力した球発射装置31では、発射ソレノイド34が電圧信号の入力に従って発射槌33を駆動し、遊技球を連続発射する。
遊技者が発射ハンドル9の発射レバー38を回動操作中に操作ボタン72を押圧操作し、この操作信号を入力すると、発射フラグ=1、高速フラグ=0、および低速フラグ=0であることから、出力選定処理により発射変動パターンを選定して電圧信号の出力間隔とその処理時間とを決定する。そして、高速フラグ=1とし、高速出力処理により、信号生成処理により生成した電圧信号を発射ソレノイド34へ出力する。ここで、高速出力処理では、電圧信号を、前記乱数抽選により決定した出力間隔をおいた間欠的な出力を開始すると共に、当該出力間隔に応じて決定した高速処理時間の時間消化を開始する。これにより、高速処理時間の時間消化を満了するまでの間で、電圧信号を連続的に出力していき、該電圧信号を間欠的に入力した球発射装置31では、発射ソレノイド34が電圧信号の入力に従って発射槌33を駆動し、遊技球を連続発射する。
その後、高速処理時間の時間消化を満了すると、高速フラグ=0とし、これに伴って低速フラグ=1として低速出力処理を実行する。この低速出力処理では、操作信号の入力による乱数抽選で決定した電圧信号の出力間隔と低速処理時間とに従って、電圧信号を間欠的に出力開始すると共に、該低速処理時間の時間消化を開始する。この電圧信号により、球発射装置31では、発射ソレノイド34が発射槌33を駆動して、遊技球を間欠的に連続発射する。その後、低速処理時間の時間消化を満了すると、上記した通常出力処理を実行し、常態に戻る。
こうした発射信号出力制御処理について、操作信号の入力に伴う出力選定処理により選定した発射変動パターンを例示して説明する。出力選定処理は、発射変動パターンを選定すると、当該発射変動パターンを記憶装置RAMに一時記憶する。ここで、発射変動パターンBを選定した場合には、高速出力処理の出力間隔「0.4秒」および高速処理時間「20秒間」と低速出力処理の出力間隔「0.8秒」および低速処理時間「40秒間」とに決まる。この発射変動パターンBには、高速出力処理の出力間隔と低速出力処理の出力間隔とが夫々一つずつ設定されていることから、高速回数値S=1かつ低速回数値R=1とする。そして、高速フラグ=1により高速出力処理を実行し、電圧信号を0.4秒間隔で連続的に出力する。その後、高速処理時間の20秒間が経過すると、これに伴って前記高速回数値Sから1減算して該高速回数値S=0となることから、高速フラグ=0かつ低速フラグ=1として、低速出力処理を実行し、電圧信号を0.8秒間隔で連続的に出力する。その後、低速処理時間の時間消化を満了すると、これに伴って前記低速回数値Rから1減算して該低速回数値R=0となることから、低速フラグ=0として、通常出力処理を実行する常態に戻る。この高速出力処理では、単位時間当りで発射可能な発射個数が「1分間当り150個」であり、低速出力処理では、単位時間当りで発射可能な発射個数が「1分間当り75個」である。そして、この高速出力処理の実行中(高速発射処理期間)では、20秒間に50個の遊技球が発射され、低速出力処理の実行中(低速発射処理期間)では、40秒間に50個の遊技球が発射される(図10参照)。これにより1分間に合計100個の遊技球を発射する。
一方、出力選定処理により発射変動パターンMを選定した場合には、上述したように、高速出力処理の出力間隔および高速処理時間と、低速出力処理の出力間隔および低速処理時間とがそれぞれ二つずつ決定することから、高速回数値S=2かつ低速回数値R=2とする。そして、高速フラグ=1により高速出力処理を実行して電圧信号を0.5秒間隔で連続出力すると共に、高速処理時間「10秒間」の時間消化を開始する。この後、高速処理時間の10秒間が経過すると、高速回数値S=1であることから、高速フラグ=1を維持し、高速出力処理により電圧信号を0.5秒間隔で連続出力すると共に、高速処理時間「18秒間」の時間消化を開始する。この高速処理時間の18秒間が経過すると、高速回数値S=0であることから、高速フラグ=0かつ低速フラグ=1とし、低速出力処理を実行して電圧信号を0.75秒間隔で連続出力すると共に、低速処理時間「18秒間」の時間消化を開始する。この低速処理時間の18秒間が経過すると、低速回数値R=1であることから、低速フラグ=1を維持し、低速出力処理により電圧信号を1.0秒間隔で連続出力すると共に、低速処理時間「14秒間」の時間消化を開始する。この後、低速処理時間「14秒間」を経過すると、低速回数値R=0であることから、低速フラグ=0として、通常出力処理を実行する常態に戻る。この発射変動パターンMによれば、高速出力処理を実行する期間(高速発射処理期間)が二回連続し、続いて低速出力処理を実行する期間(低速発射処理期間)が二回連続する(図11参照)。そして、最初に高速出力処理を実行する期間(高速発射処理期間)では、10秒間に20個の遊技球が発射され、次の期間(高速発射処理期間)では18秒間に40個の遊技球が発射されて、高速出力処理による発射個数の合計が60個となる。また、次の低速出力処理を実行する期間(低速発射処理期間)では18秒間に24個の遊技球が発射され、次の低速出力処理の実行期間(低速発射処理期間)では14秒間に14個の遊技球が発射され、低速出力処理による発射個数の合計が38個となる。これら全ての実行期間の合計期間(1分間)では、98個の遊技球を発射する。
このように、本実施例2の構成にあっては、出力選定処理が操作信号の入力に伴う乱数抽選によって発射変動パターンを選定し、選定した発射変動パターンに従って高速出力処理と低速出力処理とを実行するようにしたものである。こうした発射変動パターンには、上述したように高速出力処理の出力間隔と低速出力処理の出力間隔とを一ずつ含むパターンや二ずつ含むパターンの他に、高速出力処理の出力間隔を二つと低速出力処理の出力間隔を一つ含むパターン、高速出力処理の出力間隔を二つと低速出力処理の出力間隔を三つ含むパターンなどのように、様々なパターンを設定することができ、各パターンを予め割り当てたカウンタ値を乱数抽選することによって選択できる。例えば、出力選定処理により発射変動パターンKを選定すると、高速出力処理の出力間隔「0.3秒」と高速処理時間「6秒間」、高速出力処理の出力間隔「0.45秒」と高速処理時間「18秒間」、低速出力処理の出力間隔「1.0秒間」と低速処理時間「36秒間」が決定する。そして、図12のように、これら出力間隔と処理時間とによって、電圧信号が出力されて遊技球が連続的に発射される。この場合には、最初の高速出力処理の実行期間(高速発射処理期間)での発射個数が30個、次の高速出力処理の実行期間(高速発射処理期間)で40個、次の低速出力処理の実行期間(低速発射処理期間)で36個となる。これら全ての実行期間を合計した期間(1分間)では、96個の遊技球を発射する。
本実施例2にあっては、発射変動パターンに設定された一又は複数の高速発射処理期間(高速出力処理の実行期間)では、単位時間当りで発射可能な発射個数が上限発射個数(1分間当り100個)よりも多く、同じく設定された一又は複数の低速発射処理期間(低速出力処理の実行期間)では、単位時間当りで発射可能な発射個数が上限発射個数よりも少なくなっている。そして、発射変動パターンに設定された全ての高速発射処理期間と低速発射処理期間とを足し合わせた総変動期間(全ての高速処理時間と低速処理時間とを足し合わせた期間)における単位時間当りの平均発射個数は、上限発射個数を超えないようになっている。
尚、本実施例2にあっても、上記した発射信号出力制御処理により、上記した高速出力処理と低速出力処理とを実現しており、本発明にかかる発射個数変動処理を実現している。
上述した実施例1,2の構成によれば、遊技者が発射ハンドル9を回動操作中に操作ボタン72を押圧操作すると、単位時間当りで発射される遊技球の発射個数が変化することから、遊技者が能動的に遊技球の発射個数を変化させることができ、従来に無い新たな面白みを発生させることができるため、遊技の興趣性を効果的に向上させることができる。そして、操作ボタン72の押圧操作するタイミングを遊技者が選択できることから、例えば、上述した始動口21や大入賞口25を開放するタイミングに合わせるように操作ボタン72を操作することによって、始動口21や大入賞口25の開放状態で単位時間当りの発射個数を増加させることも可能である。これにより、始動口21や大入賞口25へ遊技球を流入させ易くなることから、遊技者に従来に無い新たな期待感を生じさせることができ、遊技の興趣性を大きく向上できる。
さらに、高速出力処理を実行する期間と低速出力処理を実行する期間とを足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、上限発射個数を超えないようにしていることから、1分間当り100個という規定を満足でき、高速出力処理と低速出力処理との実行によっても機台の稼動率を維持することができる。また、本実施例2の構成では、単位時間当りで発射可能な発射個数が相互に異なる電圧信号の出力間隔(および処理時間)を複数設定しており、乱数抽選により選択するようにしていることから、遊技球の発射個数が様々に変化するため、前記した遊技の興趣性を向上させるという本発明の作用効果が一層高まる。
一方、上述した実施例1,2の構成にあっては、「1分間当り100個以下」というパチンコ遊技機の規定に従って単位時間当りの上限発射個数を設定し、当該規定を満足するように、高速発射処理期間(電圧信号の出力間隔および高速処理時間)と低速発射処理期間(電圧信号の出力間隔および低速処理時間)とを夫々設定したものであるが、これに限定されず、総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が前記上限発射個数を超えない範囲で適宜設定することが可能である。すなわち、1分間より多い総変動期間で単位時間当りの平均発射個数が上限発射個数を超えないようにする。例えば、総変動期間の10分間当りで遊技球発射個数が1000個を超えないように設定することによって「1分間当り100個」を超えない平均発射個数を得ることができる。このように総変動期間を比較的長く設定することによって、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを一層多様に設定することができ、遊技の興趣性をより高めることができる。
また、上述した実施例1,2の構成にあっては、操作ボタンの押圧操作により先に高速発射処理期間を発生し、次に低速発射処理期間を発生するようにしているが、先に低速発射処理期間を発生し、次に高速発射処理期間を発生するようにしても良い。さらには、低速発射処理期間、高速発射処理期間、低速発射処理期間の順番のようにしても良い。このように高速発射処理期間と低速発射処理期間との発生順序は適宜設定することが可能である。例えば、実施例1の別例として、図15のように、最初の低速出力処理の出力間隔として「0.75秒」および低速処理時間として「15秒間」と、次の高速出力処理の出力間隔として「0.5秒」および高速処理時間として「30秒間」と、次の低速出力処理の出力間隔として「0.75秒」および低速処理時間として「15秒間」とが設定され、各出力処理を順次実行する。この別例は、高速発射処理期間の前後で発生する二回の低速発射処理期間により、実施例1の一回の低速発射処理期間を発生させるようにしたものであるから、総変動期間(総処理時間)における単位時間当りの平均発射個数は「1分間当り100個」であり、上限発射個数を超えない。そして、この別例の場合には、最初の低速発射処理期間と直前の通常出力処理(1分間当り100個)とによって単位時間当りの平均遊技球発射個数を定めたとしても、当該平均遊技球発射個数が上限発射個数(1分間当り100個)を超えない。同様に、最後(三番目)の低速発射処理期間と直後の通常出力処理(1分間当り100個)とによって単位時間当りの平均遊技球発射個数を定めたとしても、当該平均遊技球発射個数が上限発射個数(1分間当り100個)を超えない。すなわち、別例の構成によれば、上述したパチンコ遊技機の規定を満足する効果に一層優れたものである。
一方、実施例2の構成にあって、低速発射処理期間の後に高速発射処理期間を発生させるパターンや、複数の高速発射処理期間と低速発射処理期間とを交互に発生させるパターンなどを設定し、出力選定処理により発射変動パターンを選定することによって、高速発射処理期間と低速発射処理期間との発生順序を決めるようにすることもできる。例えば、上述した実施例2の構成にあって、同じ出力間隔と処理時間とが設定され且つ異なる実行順序が設定された発射変動パターンを設定する。具体的には、発射変動パターンNとして、高速出力処理の出力間隔「0.5秒」および高速処理時間「10秒間」と、低速出力処理の出力間隔「0.75秒」および低速処理時間「18秒間」と、高速出力処理の出力間隔「0.45秒」および高速処理時間「18秒間」と、低速出力処理の出力間隔「1.0秒」および低速処理時間「14秒間」とを順次実行するものが設定されている。この発射変動パターンNは、上述した発射変動パターンMと同じ出力間隔と処理時間とが設定されているが、実行順序が異なるものである。この発射変動パターンNを出力選定処理により選定した場合には、図13のように、高速出力処理により10秒間で電圧信号を0.5秒間隔により出力し、次に低速出力処理により18秒間で電圧信号を0.75秒間隔により出力し、次に高速出力処理により18秒間で電圧信号を0.45秒間隔により出力し、次に低速出力処理により14秒間で電圧信号を1.0秒間隔により出力する。こうした電圧信号の出力に伴って遊技球が発射される。
一方、実施例2の構成にあって、低速発射処理期間の後に高速発射処理期間を発生させるパターンや、複数の高速発射処理期間と低速発射処理期間とを交互に発生させるパターンなどを設定し、出力選定処理により発射変動パターンを選定することによって、高速発射処理期間と低速発射処理期間との発生順序を決めるようにすることもできる。例えば、上述した実施例2の構成にあって、同じ出力間隔と処理時間とが設定され且つ異なる実行順序が設定された発射変動パターンを設定する。具体的には、発射変動パターンNとして、高速出力処理の出力間隔「0.5秒」および高速処理時間「10秒間」と、低速出力処理の出力間隔「0.75秒」および低速処理時間「18秒間」と、高速出力処理の出力間隔「0.45秒」および高速処理時間「18秒間」と、低速出力処理の出力間隔「1.0秒」および低速処理時間「14秒間」とを順次実行するものが設定されている。この発射変動パターンNは、上述した発射変動パターンMと同じ出力間隔と処理時間とが設定されているが、実行順序が異なるものである。この発射変動パターンNを出力選定処理により選定した場合には、図13のように、高速出力処理により10秒間で電圧信号を0.5秒間隔により出力し、次に低速出力処理により18秒間で電圧信号を0.75秒間隔により出力し、次に高速出力処理により18秒間で電圧信号を0.45秒間隔により出力し、次に低速出力処理により14秒間で電圧信号を1.0秒間隔により出力する。こうした電圧信号の出力に伴って遊技球が発射される。
さらに、実施例2の構成では、発射変動パターン(高速発射処理期間と低速発射処理期間)を乱数抽選により選定するようにしているが、これに限定されず、例えば遊技の進行状況に応じて選択されるようにしても良い。また、実施例2の構成では、複数設定した発射変動パターンから一を選定するようにしたものであるが、これ以外にも、例えば、電圧信号の出力間隔を複数設定し、これを選択すると共に、総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が上限発射個数を超えないように処理時間を算出するようにしても良い。
一方、上述した実施例1,2の構成にあっては、遊技者が発射ハンドル9を回動操作中に操作ボタン72を押圧操作することにより、高速出力処理と低速出力処理とを実行する発射数変動条件が成立するようにしたものであるが、該発射数変動条件はこれ以外でも適宜設定することができる。例えば、遊技者による発射ハンドル9の回動操作に関係無く、操作ボタン72の押圧操作によって発射数変動条件が成立するようにしても良いし、遊技の進行状況に応じた所定期間で操作ボタン72が押圧操作された場合に発射数変動条件が成立するようにしても良い。また、操作ボタンを備えず、遊技の進行状況に応じた所定タイミングとなると、発射数変動条件が成立するようにしても良い。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
1 パチンコ遊技機
3 遊技機本体(機台)
7 上球受皿(球受皿)
31 球発射装置
33 発射槌
34 発射ソレノイド(駆動装置)
35 発射レール
72 操作ボタン
3 遊技機本体(機台)
7 上球受皿(球受皿)
31 球発射装置
33 発射槌
34 発射ソレノイド(駆動装置)
35 発射レール
72 操作ボタン
Claims (4)
- 発射レール上の発射位置に球受皿から供給された遊技球を打圧する発射槌と、該発射槌を打圧駆動する駆動装置とを備えた球発射装置と、
単位時間当りで遊技球を発射可能な上限発射個数が予め設定され、該上限発射個数を発射するように球発射装置を駆動制御する発射制御手段と
を備えたパチンコ遊技機において、
前記発射制御手段は、
単位時間当りで発射される遊技球の発射個数が相互に異なる複数の発射処理期間が設定され、予め定められた発射数変動条件が成立した場合に、単位時間当りの発射個数が前記上限発射個数よりも多い前記発射処理期間である高速発射処理期間と、単位時間当りの発射個数が前記上限発射個数よりも少ない前記発射処理期間である低速発射処理期間とを発生させる発射個数変動処理を備え、
該発射個数変動処理は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間および低速発射処理期間を足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、前記上限発射個数を超えないようにしたものであることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 発射個数変動処理は、発射処理期間である高速発射処理期間と低速発射処理期間とがそれぞれ複数設定され、予め定められた発射数変動条件が成立した場合に、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを少なくとも一つずつ選択して発生させる処理内容を備え、
該処理内容は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間および低速発射処理期間を足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が前記上限発射個数を超えないように、高速発射処理期間と低速発射処理期間とを夫々選択するようにしていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。 - 発射個数変動処理は、前記発射数変動条件の成立により発生させる高速発射処理期間と低速発射処理期間とを足し合わせた総変動期間における単位時間当りの平均発射個数が、上限発射個数の0.9倍以上かつ1.0倍以下となるようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパチンコ遊技機。
- 機台の前面に、遊技者によって操作可能な操作ボタンを備え、前記操作ボタンの押圧操作により、発射個数変動処理を実行するための発射数変動条件が成立するようにしたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013076547A JP2014200342A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | パチンコ遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013076547A JP2014200342A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | パチンコ遊技機 |
Publications (1)
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JP2014200342A true JP2014200342A (ja) | 2014-10-27 |
Family
ID=52351358
Family Applications (1)
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JP2013076547A Pending JP2014200342A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | パチンコ遊技機 |
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---|---|
JP (1) | JP2014200342A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017205159A (ja) * | 2016-05-16 | 2017-11-24 | サミー株式会社 | ぱちんこ遊技機 |
-
2013
- 2013-04-02 JP JP2013076547A patent/JP2014200342A/ja active Pending
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